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明細書 :ヘテロダインレーザドップラープローブ及びそれを用いた測定システム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4485571号 (P4485571)
登録日 平成22年4月2日(2010.4.2)
発行日 平成22年6月23日(2010.6.23)
発明の名称または考案の名称 ヘテロダインレーザドップラープローブ及びそれを用いた測定システム
国際特許分類 G01Q  20/02        (2010.01)
FI G01N 13/10 111C
請求項の数または発明の数 9
全頁数 11
出願番号 特願2007-505994 (P2007-505994)
出願日 平成18年3月2日(2006.3.2)
国際出願番号 PCT/JP2006/303934
国際公開番号 WO2006/093209
国際公開日 平成18年9月8日(2006.9.8)
優先権出願番号 2005056754
優先日 平成17年3月2日(2005.3.2)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成19年9月5日(2007.9.5)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】川勝 英樹
個別代理人の代理人 【識別番号】100089635、【弁理士】、【氏名又は名称】清水 守
審査官 【審査官】秋田 将行
参考文献・文献 特開平04-102008(JP,A)
特開平04-136743(JP,A)
特開平06-185977(JP,A)
特開平07-012545(JP,A)
特開平07-225975(JP,A)
特開平10-142241(JP,A)
特開2003-114182(JP,A)
特開2004-125540(JP,A)
Takanori Oshio, Noboru Nakatani, Yoshiyuki Sakai and Norihito Suzuki ,Atomic Force Microscope Using an Optical Fiber Heterodyne Interferometer Free from External Disturbances,JAPANESE JOURNAL OF APPLIED PHYSICS,1993年 6月30日,vol. 32, no. 6B. PART 1,pp.2994 - 2998
調査した分野 G01Q 20/02
特許請求の範囲 【請求項1】
(a)励振光を導く第1の光路と、
(b)計測光を導く第2の光路と、
(c)前記第1の光路と前記第2の光路とが並設され、前記第1の光路と前記第2の光路とが光学的に結合されるとともに、構造的に一体化されるプローブ本体と、
(d)該プローブ本体内に配置される反射ミラーと、
(e)前記プローブ本体内に配置されるビームスプリッタと、
(f)前記プローブ本体内に配置される焦点レンズと、
(g)前記プローブ本体内に配置される1/4波長板とを備え
(h)前記第1の光路から出射された励振光は前記プローブ本体内の前記反射ミラーと前記ビームスプリッタとを経て、前記焦点レンズから測定対象物へ導かれ、一方、前記第2の光路から出射された計測光は前記プローブ本体内の前記1/4波長板を通過した後、前記ビームスプリッタと前記焦点レンズを経て前記測定対象物へ導かれ、該測定対象物で反射した計測光は、前記焦点レンズ、前記ビームスプリッタを経て、前記1/4波長板を通過した後、前記第2の光路を経てヘテロダインレーザドップラー計測装置へと戻るようにしたことを特徴とするヘテロダインレーザドップラープローブ。
【請求項2】
請求項1記載のヘテロダインレーザドップラープローブにおいて、前記第1の光路は第1の光ファイバーであり、前記第2の光路は第2の光ファイバーであり、前記第1の光ファイバーからの励振光は前記第1の光ファイバーから出射後、第1のコリメートレンズを経て、前記反射ミラーに導かれ、前記第2の光ファイバーからの計測光は前記第2の光ファイバーから出射後、第2のコリメートレンズを経て、前記1/4波長板に導かれるようにしたことを特徴とするヘテロダインレーザドップラープローブ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のヘテロダインレーザドップラープローブにおいて、前記測定対象物がカンチレバーであり、該カンチレバーの速度を計測することを特徴とするヘテロダインレーザドップラープローブ。
【請求項4】
請求項1、2または3の何れか一項記載のヘテロダインレーザドップラープローブにおいて、前記ビームスプリッタを変位可能な調整機構を備え、前記励振光の前記測定対象物上での焦点位置を前記計測光の前記測定対象物上での焦点位置に対して調整するようにしたことを特徴とするヘテロダインレーザドップラープローブ。
【請求項5】
請求項1、2または3の何れか一項記載のヘテロダインレーザドップラープローブにおいて、前記反射ミラーを変位可能な調整機構を備え、前記励振光の前記測定対象物上での焦点位置を前記計測光の前記測定対象物上での焦点位置に対して調整するようにしたことを特徴とするヘテロダインレーザドップラープローブ。
【請求項6】
請求項1、2または3の何れか一項記載のヘテロダインレーザドップラープローブにおいて、前記ビームスプリッタ及び前記反射ミラーを変位可能な調整機構を備え、前記励振光の前記測定対象物上での焦点位置を前記計測光の前記測定対象物上での焦点位置に対して調整するようにしたことを特徴とするヘテロダインレーザドップラープローブ。
【請求項7】
請求項1から6の何れか一項記載のヘテロダインレーザドップラープローブを用いて、前記第2の光路から出射し前記測定対象物から反射した計測光をビームスプリッタで反射させて計測部に導くことを特徴とするヘテロダインレーザドップラープローブを用いた測定システム。
【請求項8】
請求項7記載のヘテロダインレーザドップラープローブを用いた測定システムにおいて、前記第1の光路および前記第2の光路に配置される光路調整用ミラーにおいて、前記励振光と前記計測光を重畳して前記プローブ本体に導くことを特徴とするヘテロダインレーザドップラープローブを用いた測定システム。
【請求項9】
請求項7または8記載のヘテロダインレーザドップラープローブを用いた測定システムにおいて、前記第1の光路および前記第2の光路中に、ガラス隔壁を配置し、前記プローブ本体を真空、ガス、液中に配置可能にし、光源や光路調整機構を大気中に配置可能にすることを特徴とするヘテロダインレーザドップラープローブを用いた測定システム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、高効率光励振レーザドップラープローブに係り、特に、ヘテロダインレーザドップラープローブ及びそれを用いた測定システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の光励振機能を有する光プローブで、プローブまで光ファイバーを用いて光を導いているものは、励振光と計測光を一本の光ファイバーで伝送していた(特許文献1参照)。

【特許文献1】特開2003-114182号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、励振光と計測光の波長が大きく異なる場合、特定の波長に特化して設計された光ファイバーでは、一方の光の伝送効率が悪くなる。また、同一のレンズを用いて光ファイバーへの光入射、並びに測定対象物への光照射を行っている場合、色収差にそって一方の光は十分に絞れず、結果として測定信号強度の低下、もしくは光励振効率の低下を招いていた。
【0004】
また、計測用の光ビームの照射位置と励振用の光ビームの照射位置とをずらすことができれば、励振を大きくするとともに、計測の感度を上げることができるが、従来の光励振レーザドップラープローブでは実現されていない。
本発明は、上記状況に鑑みて、光励振効率と、速度計測効率の両立を実現することができるヘテロダインレーザドップラープローブ及びそれを用いた測定システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕ヘテロダインレーザドップラープローブにおいて、励振光を導く第1の光路(2)と、計測光を導く第2の光路(4)と、前記第1の光路(2)と前記第2の光路(4)とが並設され、前記第1の光路(2)と前記第2の光路(4)とが光学的に結合されるとともに、構造的に一体化されるプローブ本体(1)と、このプローブ本体(1)内に配置される反射ミラー(3)と、前記プローブ本体(1)内に配置されるビームスプリッタ(6)と、前記プローブ本体(1)内に配置される焦点レンズ(7)と、前記プローブ本体(1)内に配置される1/4波長板(5)を備え、前記第1の光路(2)から出射された励振光は前記プローブ本体(1)前記反射ミラー(3)と前記ビームスプリッタ(6)とを経て、前記焦点レンズ(7)から測定対象物(8)へ導かれ、一方、前記第2の光路(4)から出射された計測光は前記プローブ本体(1)内の前記1/4波長板(5)を通過した後、前記ビームスプリッタ(6)と前記焦点レンズ(7)を経て前記測定対象物(8)へ導かれ、この測定対象物(8)で反射した計測光は、前記焦点レンズ(7)、前記ビームスプリッタ(6)を経て、前記1/4波長板(5)を通過した後、前記第2の光路(4)を経てヘテロダインレーザドップラー計測装置へと戻るようにしたことを特徴とする。
【0006】
〔2〕上記〔1〕記載のヘテロダインレーザドップラープローブにおいて、前記第1の光路は第1の光ファイバーであり、前記第2の光路は第2の光ファイバーであり、前記第1の光ファイバーからの励振光は前記第1の光ファイバーから出射後、第1のコリメートレンズを経て、前記反射ミラーに導かれ、前記第2の光ファイバーからの計測光は前記第2の光ファイバーから出射後、第2のコリメートレンズを経て、前記1/4波長板に導かれるようにしたことを特徴とする。
【0007】
〔3〕上記〔1〕または〔2〕記載のヘテロダインレーザドップラープローブにおいて、前記測定対象物がカンチレバーであり、このカンチレバーの速度を計測することを特徴とする。
〔4〕上記〔1〕、〔2〕または〔3〕の何れか一項記載のヘテロダインレーザドップラープローブにおいて、前記ビームスプリッタを変位可能な調整機構を備え、前記励振光の前記測定対象物上での焦点位置を前記計測光の前記測定対象物上での焦点位置に対して調整するようにしたことを特徴とする。
【0008】
〔5〕上記〔1〕、〔2〕または〔3〕の何れか一項記載のヘテロダインレーザドップラープローブにおいて、前記反射ミラーを変位可能な調整機構を備え、前記励振光の前記測定対象物上での焦点位置を前記計測光の前記測定対象物上での焦点位置に対して調整するようにしたことを特徴とする。
〔6〕上記〔1〕、〔2〕または〔3〕の何れか一項記載のヘテロダインレーザドップラープローブにおいて、前記ビームスプリッタ及び前記反射ミラーを変位可能な調整機構を備え、前記励振光の前記測定対象物上での焦点位置を前記計測光の前記測定対象物上での焦点位置に対して調整するようにしたことを特徴とする。
【0009】
〔7〕ヘテロダインレーザドップラープローブを用いた測定システムにおいて、上記〔1〕から〔6〕の何れか一項記載のヘテロダインレーザドップラープローブを用いて、前記第2の光路から出射し前記測定対象物から反射した計測光をビームスプリッタで反射させて計測部に導くことを特徴とする。
〔8〕上記〔7〕記載のヘテロダインレーザドップラープローブを用いた測定システムにおいて、前記第1の光路および前記第2の光路に配置される光路調整用ミラーにおいて、前記励振光と前記計測光を重畳して前記プローブ本体に導くことを特徴とする。
【0010】
〔9〕上記〔7〕または〔8〕記載のヘテロダインレーザドップラープローブを用いた測定システムにおいて、前記第1の光路および前記第2の光路中に、ガラス隔壁を配置し、前記プローブ本体を真空、ガス、液中に配置可能にし、光源や光路調整機構を大気中に配置可能にすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、光励振用第1の光路又は光ファイバー、計測用第2の光路又は光ファイバーをそれぞれ設けることにより、測定対象物の効率の良い光励振と速度計測が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明のヘテロダインレーザドップラープローブは、励振光を導く第1の光路と、計測光を導く第2の光路と、前記第1の光路と前記第2の光路とが並設され、前記第1の光路と前記第2の光路とが光学的に結合されるとともに、構造的に一体化されるプローブ本体と、このプローブ本体内に配置される反射ミラーと、前記プローブ本体内に配置されるビームスプリッタと、前記プローブ本体内に配置される焦点レンズと、前記プローブ本体内に配置される1/4波長板とを備え、前記第1の光路から出射された励起光は前記プローブ本体内の前記反射ミラーと前記ビームスプリッタとを経て、前記焦点レンズから測定対象物へ導かれ、一方、前記第2の光路から出射された計測光は前記プローブ本体内の前記1/4波長板を通過した後、前記ビームスプリッタと前記焦点レンズを経て前記測定対象物へ導かれ、この測定対象物で反射した計測光は、前記焦点レンズ、前記ビームスプリッタを経て、前記1/4波長板を通過した後、前記第2の光路を経てヘテロダインレーザドップラー計測装置へと戻るようにした。
【実施例】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明の実施例を示す、ヘテロダインレーザドップラープローブ(基本形)の模式図である。
この図に示すように、1は光プローブ(ヘテロダインレーザドップラープローブ本体)、2は光プローブ1に導入される光励振のための第1の光路、3は第1の光路2から導入される光励振のための光(励振光)を受ける反射ミラー、4は光プローブ1に導入されるヘテロダインレーザドップラー計測(速度計測)のための第2の光路、5は第2の光路に配置される1/4波長板、6はビームスプリッタ、7は焦点レンズ、8は測定対象物(ここでは、カンチレバー)であり、第2の光路4から導入される計測光を1/4波長板5で受け、ビームスプリッタ6は反射ミラー3からの励振光を反射し、かつ1/4波長板5からの計測光を透過するとともに、測定対象物8で反射され、焦点レンズ7を経た計測光(信号光)を透過して、1/4波長板5へ導く。
【0014】
このように、第1の光路2から光励振のための励振光を、第2の光路4からヘテロダインレーザドップラー計測のための計測光をそれぞれ光プローブ1に導く。励振光は第1の光路2を出射後、反射ミラー3、ビームスプリッタ6を経て、焦点レンズ7に導かれ、測定対象物(励振対象物)8へと導かれる。一方、ヘテロダインレーザドップラー計測のための計測光は第2の光路4を出射後、1/4波長板5を通過し、直線偏光は円偏光に変換された後、ビームスプリッタ6、焦点レンズ7を経て測定対象物(励振対象物)8へと導かれる。測定対象物(励振対象物)8で反射した計測光は、同一の経路を経て、1/4波長板5に到達し、1/4波長板5において円偏光から直線偏光に変換された後、その直線偏光の計測光は第2の光路4を経てヘテロダインレーザドップラー計測装置(図示なし)へと戻る。
【0015】
図2は本発明の実施例を示す、ヘテロダインレーザドップラープローブ(変形形)の模式図である。図1と同じ部分については、同じ符号を付してそれらの説明は省略する。
この実施例では、図1における第1の光路2、第2の光路4による伝搬に代えて、個々の波長に適する第1の光ファイバー11と第2の光ファイバー13を用いるようにしている。また、光プローブ(ヘテロダインレーザドップラープローブ本体)10内では、第1の光ファイバー11から導入される励振光を受ける第1のコリメートレンズ12を配置し、第2の光ファイバー13から導入される計測光を受け、かつ、測定対象物8で反射した計測光(信号光)を導出する第2のコリメートレンズ14を配置するようにしている。
【0016】
このように、第1の光ファイバー11から導入される励振光は第1のコリメートレンズ12を経て反射ミラー3に導かれる。一方、第2の光ファイバー13から導入される計測光は第2のコリメートレンズ14を経て1/4波長板5を通過し、直線偏光は円偏光に変換された後、ビームスプリッタ6-焦点レンズ7を経て測定対象物(カンチレバー)8へと導かれる。測定対象物(カンチレバー)8で反射した計測光(信号光)は、同一の経路を経て1/4波長板5に到達し、1/4波長板5において円偏光から直線偏光に変換された後、第2のコリメートレンズ14を経て第2の光ファイバー13に入射し、第2の光ファイバー13を経由してヘテロダインレーザドップラー計測装置(図示なし)へと戻る。
【0017】
図3は本発明の第1参考例を示す、ヘテロダインレーザドップラープローブの模式図である。
この図において、20は光プローブ(ヘテロダインレーザドップラープローブ本体)、21は励振光を導く第1の光路、22は計測光を導く第2の光路、23は1/4波長板、24は焦点レンズ、25は測定対象物(カンチレバー)である。
【0018】
この第1参考例では、第1の光路21と第2の光路22をほぼ同一の箇所と方向から1/4波長板23に導き、かつ、この光プローブ20を真空中や、液中に配置可能にしたものである。
図4は本発明の第2実施例を示すヘテロダインレーザドップラープローブの模式(その1)図、図5はそのビームスプリッタの調整態様を示す図である。
【0019】
この実施例においては、上記実施例(図2)に示したビームスプリッタ6を変位させる調整機構31を設けるようにしている。
図5(a)に示すように、調整機構31によって、ビームスプリッタ6の角度をθだけ移動させた場合、1/4波長板5からビームスプリッタ6を通過する計測光は影響されないためカンチレバー8に照射される計測光の照射位置8Aは変わらないが、反射ミラー3で反射され、さらにビームスプリッタ6で反射される励振光は、ビームスプリッタ6の変位(角度)によってカンチレバー8への照射位置が8Aから8Bへと移行する。
【0020】
また、図5(b)に示すように、調整機構31によって、ビームスプリッタ6の位置をスライドさせた場合も、1/4波長板5からビームスプリッタ6を通過する計測光は影響されないためカンチレバー8に照射される計測光の照射位置8Aは変わらないが、反射ミラー3で反射され、さらにビームスプリッタ6で反射される励振光は、ビームスプリッタ6の変位(位置)によってカンチレバー8への照射位置が8Aから8Cへと移行する。
【0021】
このように、励振光のみの照射位置を調整することができる。特に、励振光はその照射位置がカンチレバー8の根元に近くなるにしたがって、カンチレバー8の反り(振れ)を大きくすることができる。それに対して、計測光はよりカンチレバー8の先端側に照射した方が精密な計測を行うことができる。
このように、計測光とは相対的に励振光の試料に対する照射位置をそれぞれ調整することができる。
【0022】
図6は本発明の第2実施例を示すヘテロダインレーザドップラープローブの模式(その2)図、図7はその反射ミラーの調整態様を示す図である。
この実施例においては、上記実施例(図2)に示した反射ミラー3を変位させる調整機構41を設けるようにしている。
図7(a)に示すように、調整機構41によって、反射ミラー3の角度をαだけ移動させた場合、1/4波長板5からビームスプリッタ6を通過する計測光は影響されないためカンチレバー8に照射される計測光の照射位置8Aは変わらないが、励振光はその反射ミラー3の変位(角度)によってカンチレバー8への照射位置が8Aから8Dへと移行する。
【0023】
また、図7(b)に示すように、調整機構41によって、反射ミラー3の位置をスライドさせた場合も、1/4波長板5からビームスプリッタ6を通過する計測光は影響されないためカンチレバー8に照射される計測光の照射位置8Aは変わらないが、反射ミラー3で反射され、さらにビームスプリッタ6で反射される励振光は、反射ミラー3の変位(位置)によってカンチレバー8への照射位置が8Aから8Eへと移行する。
【0024】
このように、計測光とは相対的に励振光の試料に対する照射位置をそれぞれ調整することができる。
なお、図5のようなビームスプリッタ6の変位による調整と、図7に示すような反射ミラー3の変位による調整との両方を組み合わせて、計測光とは相対的に励振光の試料に対する照射位置を精密に調整するようにしてもよい。
【0025】
図8は本発明の図2に示すヘテロダインレーザドップラープローブを用いた測定システムの模式図である。
ここで、ヘテロダインレーザドップラープローブは、上記した図2に示したものを用いる。この図において、50は励起レーザ光源(LD)、51は計測装置、52は計測光の光源、53はビームスプリッタ、54は計測部(レーザドップラー干渉計)である。
【0026】
そこで、ヘテロダインレーザドップラープローブ10から出力される計測光(信号光)は計測装置51に取り込まれる。そして、その計測光は、ビームスプリッタ53で反射されて、計測部(レーザドップラー干渉計)54で、例えば、測定対象物(励振対象物)8の速度の計測を行うことができる。
なお、このヘテロダインレーザドップラープローブを用いた測定システムにも上記した調整機構を付加することができる。
【0027】
図9は本発明の第2実施例を示すヘテロダインレーザドップラープローブを用いた測定システムの模式図である。
この図において、光プローブは上記した実施例(図1)と同じものを用いるようにしている。
そこで、この実施例では、計測光の光源71と、ビームスプリッタ72と、計測部(レーザドップラー計)73を有する計測装置70、光励振用光源61のそれぞれの光源から、測定対象物(励振対象物)8までの光路調整の方法を示している。これにより、測定対象物(励振対象物)8と光プローブ1のx,y,z方向への変位に対して励振光と計測光を意図した場所に位置決めすることが可能となる。
【0028】
計測装置70の第2の光路4は、計測光の光源71を出射した後、第2の光路調整用ガラス板74の回転(傾き2自由度)を用いて並進変位し、あおり2角を調整可能な第2の光路調整用ミラー75において、光路を調整され、次に第4の光路調整用ミラー76において光路調整上、第3の光路調整用ガラス板65によって光路の平行変位を調整され、ガラス隔壁(光プローブが真空等の環境にある場合)66を経て光プローブ1へ導かれる。光励振用の第1の光路2においては、光励振用光源61を出射した後、第1の光路調整用ガラス板62、第1の光路調整用ミラー63、第3の光路調整用ミラー64、第3の光路調整用ガラス板65を経た後、光プローブ1が真空等の環境にある場合にはガラス隔壁66を経て光プローブ1へ導かれる。なお、各光路調整用ミラーは、並進x,y,z、あおり2角の調整自由度があり、光路の並進変位と、あおり2自由度の調整が可能である。第1の光路2と第2の光路4は、光プローブ1への入射直前において若干平行からずれることにより、測定対象物(励振対象物)8の異なる位置にその焦点を結ぶことが可能である。
【0029】
図10は本発明の第2参考例を示すヘテロダインレーザドップラープローブを用いた測定システムの模式図である。
この図において、光プローブは上記した第1参考例(図3)と同じものを用いるようにしている。また、81は光励振用光源、82は第1の光路調整用ガラス板、83は第1の光路調整用ミラー、84は第3の光路調整用ミラー(ダイクロイックミラー)、85は第3の光路調整用ガラス板、86はガラス隔壁、90は計測装置、91は計測光の光源、92はビームスプリッタ、93は計測部(レーザドップラー計)、94は第2の光路調整用ガラス板、95は第2の光路調整用ミラー、96は第4の光路調整用ミラーである。
【0030】
この第2参考例では、第3の光路調整用ミラー84が、第1の光路21を反射し、第2の光路22の光を透過する、ダイクロイックミラーなどの波長選択性のあるミラーであり、光プローブ20の第1の光路21、第2の光路22の入射位置は、ほぼ同一の箇所となるように構成されている。
また、上記したように、第1および第2の光路21,22中に、ガラス隔壁66,86を配置するようにしたので、光プローブ1,20を真空、ガス、液中に配置可能にし、光源や光路調整機構は大気中に配置することができる。
【0031】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明のヘテロダインレーザドップラープローブは、計測一般、速度計測、顕微鏡、物質同定、ナノバイオメカニクスの分野に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施例を示す、ヘテロダインレーザドップラープローブ(基本形)の模式図である。
【図2】本発明の実施例を示す、ヘテロダインレーザドップラープローブ(変形形)の模式図である。
【図3】本発明の第1参考例を示す、ヘテロダインレーザドップラープローブの模式図である。
【図4】本発明の第2実施例を示すヘテロダインレーザドップラープローブの模式(その1)図である。
【図5】図4に示すヘテロダインレーザドップラープローブのビームスプリッタの調整態様を示す図である。
【図6】本発明の第2実施例を示すヘテロダインレーザドップラープローブの模式(その2)図である。
【図7】図6に示すヘテロダインレーザドップラープローブの反射ミラーの調整態様を示す図である。
【図8】本発明の図2に示すヘテロダインレーザドップラープローブを用いた測定システムの模式図である。
【図9】本発明の第2実施例を示すヘテロダインレーザドップラープローブを用いた測定システムの模式図である。
【図10】本発明の第2参考例を示すヘテロダインレーザドップラープローブを用いた測定システムの模式図である。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9