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明細書 :有機金属気相成長法による非極性窒化インジウムガリウム薄膜、ヘテロ構造物およびデバイスの製作

発行国 日本国特許庁(JP)
公表番号 特表2007-537600 (P2007-537600A)
公報種別 特許公報(B2)
公表日 平成19年12月20日(2007.12.20)
特許番号 特許第5379973号 (P5379973)
登録日 平成25年10月4日(2013.10.4)
発行日 平成25年12月25日(2013.12.25)
発明の名称または考案の名称 有機金属気相成長法による非極性窒化インジウムガリウム薄膜、ヘテロ構造物およびデバイスの製作
国際特許分類 H01L  33/32        (2010.01)
H01L  21/205       (2006.01)
H01S   5/343       (2006.01)
FI H01L 33/00 186
H01L 21/205
H01S 5/343 610
請求項の数または発明の数 45
全頁数 21
出願番号 特願2007-513224 (P2007-513224)
出願日 平成17年5月6日(2005.5.6)
国際出願番号 PCT/US2005/015774
国際公開番号 WO2005/112123
国際公開日 平成17年11月24日(2005.11.24)
優先権出願番号 60/569,749
優先日 平成16年5月10日(2004.5.10)
優先権主張国 アメリカ合衆国(US)
審判番号 不服 2012-013289(P2012-013289/J1)
審査請求日 平成20年4月25日(2008.4.25)
審判請求日 平成24年7月12日(2012.7.12)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】506115514
【氏名又は名称】ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア
【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】アーパン・チャクラボーティ
【氏名】ベンジャミン・エー・ハスケル
【氏名】ステーシア・ケラー
【氏名】ジェームス・エス・スペック
【氏名】スティーブン・ピー・デンバース
【氏名】中村 修二
【氏名】ウメシュ・ケー・ミシュラ
個別代理人の代理人 【識別番号】100089635、【弁理士】、【氏名又は名称】清水 守
参考文献・文献 国際公開第03/089696(WO,A1)
国際公開第02/097904(WO,A2)
特開平10-12923(JP,A)
特開平9-293897(JP,A)
特開2001-119106(JP,A)
特開2004-6893(JP,A)
特開2003-229645(JP,A)
特開2004-59325(JP,A)
特開2000-340892(JP,A)
Ashay Chitnis et al.,Visible light-emitting diodes using a-plane GaN-InGaN multiple quantum wells over r-plane sapphire,APPLIED PHYSICS LET TERS,2004年4月20日,Vol.84, No.18,pp.3663-3665
B.A.Haskell et al.,Defect reduction in (11-20) a-plane gallium nitri de via lateral epitaxial overgrowth by hydride vapor-phase epitaxy,APPLIED PHYSICS LETTERS,2003年7月28日,Vol.83, No.4,pp.644-646
調査した分野 H01L 21/205,33/00
H01S 5/343
特許請求の範囲 【請求項1】
非極性オプトエレクトロニクスまたはエレクトロニクスヘテロ構造物またはデバイスを製作する方法であって、
(a)貫通転位密度が5×106 cm-2未満および積層欠陥密度3×103 cm-1未満の非極性III族窒化物基板またはテンプレートを準備する工程、
(b)前記III族窒化物基板、テンプレート、または前記III族窒化物基板またはテンプレート上にある、またはそれらを覆う一つ以上のIII族窒化物層上に一つ以上の非極性インジウム含有III族窒化物層を成長させる工程であって、少なくとも一つの該非極性インジウム含有III族窒化物層は一つ以上の第1の圧力および一つ以上の第1の温度で、窒素を含むキャリアガスを用いて成長される活性層である工程、
(c)前記非極性インジウム含有III族窒化物層上に窒化物層を成長させ、該窒化物層が後に続く層の成長中のインジウム脱離抵抗を提供する工程、および
(d)前記窒化物層上に一つ以上の非極性p型GaN層を、20~150Torrの間の一つ以上の第2の圧力および900℃より高温の第2の温度成長させる工程であって、キャリアガス、該一つ以上の第2の圧力、および該一つ以上の第2の温度が非極性III族窒化物の成長のために最適化されることを特徴とする工程と
(i)前記一つ以上の第1の圧力は前記第2の圧力よりも高く、前記第2の温度は前記第1の温度よりも高く、
(ii)前記非極性インジウム含有III族窒化物層を含む前記非極性オプトエレクトロニクスまたはエレクトロニクスデバイスまたはヘテロ構造物の材料品質が、室温で少なくとも20mAの直流および22A/cm2 から111A/cm2 のすべての範囲の電流密度に応じてデバイスが機能するような材料品質であり
(iii)前記工程(b)~(d)における成長は、非極性結晶方向に沿っており、前記工程(a)~(d)により直流密度に応じてデバイスまたはヘテロ構造物の加熱が低減されることを特徴とする工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記インジウム含有III族窒化物層を大気圧で、前記非極性インジウム含有III族窒化物層中のインジウム取り込みを促進し、インジウム脱離を減少させ、点欠陥の濃度を減少させるために選択された前記一つ以上の第1の圧力および前記一つ以上の第2の温度を含む成長条件下で成長させることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記インジウム含有III族窒化物層が、一つ以上の量子井戸ヘテロ構造物を形成することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記インジウム含有III族窒化物層上に一つ以上の非ドープ非極性GaN障壁層を成長させることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記非ドープ非極性GaN障壁層を大気圧で成長させることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記窒化物層がGaNを含むキャッピング層であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
非極性窒化インジウムガリウム(InGaN)系発光ヘテロ構造物およびデバイスを製作する方法であって、
(a)貫通転位密度が5×106 cm-2未満および積層欠陥密度が3×103 cm-1未満の非極性III族窒化物基板またはテンプレートを準備する工程、
(b)前記基板またはテンプレート上に、600~850Torrの間の一つ以上の圧力で、非ドープGaN障壁層を含むGaN障壁を有する複数の非極性InGaN多重量子井戸(MQW)層を成長させる工程、
(c)p型GaN層の成長中にInが脱離することを防ぐために、前記非極性InGaN層上に一つ以上の温度で窒化ガリウム(GaN)キャッピング層を成長させる工程、
(d)前記非ドープGaN障壁上、および前記MQWおよび前記基板またはテンプレートの間に前記工程(b)の一つ以上の圧力よりも低い圧力でn型およびp型GaN層を成長させる工程であって、
(i)前記成長における圧力および温度は、前記非極性InGaN層を含む前記非極性デバイスまたはヘテロ構造物が、室温で少なくとも20mAの直流および22A/cm2 ら111A/cm2 のすべての範囲の直流密度に応じて機能するような圧力および温度であり、
(ii)前記直流密度に応じた発光デバイスから放射される光の外部量子効率の減少が、最大外部量子効率と比べて、少なくとも111A/cm2 の電流密度でわずか20%であり、
(iii)前記工程(b)~(d)における成長は、非極性結晶方向に沿っており、前記工程(a)~(d)により、前記直流密度に応じて前記発光ヘテロ構造およびデバイスにおける加熱が低減されることを特徴とする工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
前記滑らかで低い欠陥密度のIII族窒化物基板またはテンプレートは、GaN、窒化アルミニウム(AlN)または窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)基板であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記基板は、自立a面GaNウエハ、自立m面GaNウエハ、自立a面AlNウエハ、自立m面AlNウエハ、バルクa面GaNウエハ、バルクm面GaNウエハ、バルクa面AlNウエハまたはバルクm面AlNウエハを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ハイドライド気相成長法(HVPE)によって前記テンプレートを成長させることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記テンプレートが、ハイドライド気相成長(HVPE)エピタキシャル横方向オーバーグロース(LEO)させたa面またはm面GaNテンプレートを含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記テンプレートが、有機金属気相成長法(MOCVD)によって成長させた平坦な非極性a面GaNテンプレートを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
低温GaN核形成層工程と、高温GaN成長工程とを含む二段階プロセスによって、前記a面GaNテンプレートをr面サファイア基板上に成長させることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記成長工程(b)が、前記基板またはテンプレート上に900℃未満の低い温度で非極性InGaN層を成長させる工程を含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項15】
前記成長工程(b)が、N2 キャリア・ガスを用いて前記非極性InGaN層中のインジウム(In)取り込みを促進し、In脱離を減少させる工程をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項16】
前記成長工程(b)が、ほぼ大気圧で前記基板またはテンプレート上に複数の非極性InGaN層を成長させてInGaN膜品質を改善し、炭素取り込み量を減少させることを含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項17】
600~850Torrで前記InGaN/GaN多重量子井戸を成長させ、前記非極性インジウム含有III族窒化物層中のインジウム取り込みを促進し、インジウム脱離を減少させ、点欠陥の濃度を減少させるために選択された前記一つ以上の第1の圧力および前記一つ以上の第2の温度を含む成長条件下で前記非極性インジウム含有III族窒化物層を成長させることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項18】
20~150Torrで前記キャッピング層および障壁層を除く前記n型およびp型GaN層を成長させることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項19】
前記非極性III族窒化物基板またはテンプレートはエピタキシャル成長された非極性表面である上面を有する最初の非極性III族基板またはテンプレートであり、前記非極性インジウム含有III族窒化物層は該上面上に成長されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記非極性インジウム含有III族窒化物層はInGaN層であり、
前記活性層はn型GaN層とp型GaN層の間にあり、
記p型GaN層と前記活性層のにアルミニウム含有III族窒化物層があり、
前記デバイスは少なくとも278A/cm2 以下の電流密度に応じて機能することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記窒化物層は、後に続く層の成長中に前記非極性インジウム含有III族窒化物層からInが脱離することを防ぐキャッピング層であって、
前記デバイスは、一つ以上の前記キャッピング層、前記一つ以上の第1の圧力、前記キャリアガス、前記貫通転位密度、および前記積層欠陥密度なしに成長された発光デバイスと比べて、111A/cm2 の直流密度で飽和しない、または飽和が少ない出力電力を有する発光デバイスである、または
前記デバイスは、直流が少なくとも22A/cm2 から111A/cm2 へ増加したとき、p-n接合の抵抗が増加しない前記非極性インジウム含有III族窒化物層を含むp-n接合からなる、または
前記p-n接合の直列抵抗はわずか7.8Ωであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記デバイスまたはヘテロ構造物は発光ダイオード(LED)またはレーザ・ダイオード(LD)を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記デバイスまたはヘテロ構造物は360nm~600nmの間の波長を有する光を放射することを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記圧力および温度はLEDまたはLDが少なくとも0.4%の外部量子効率(EQE)で、少なくとも111A/cm2 の電流密度での外部量子効率の減少が、最大外部量子効率と比べてわずか20%で発光する圧力および温度であることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記圧力および温度はLEDまたLDが少なくとも11A/cm2 から111A/cm2 の範囲にわたって線幅が25nm未満である1.5mWの光出力を放射することができる圧力および温度であることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記上面はバルク結晶から切り出されたものではないことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項27】
前記LEDまたはLDは前記直流密度が少なくとも11A/cm2 から111A/cm2 へ増加したとき、発光ピークの青色シフトなしに発光することを特徴とする請求項22記載の方法。
【請求項28】
前記非極性III族窒化物基板またはテンプレートは転位密度が5×106 cm-2未満、積層欠陥密度3×103 cm-1未満であり、
インジウム含有III族窒化物層が前記非極性インジウム含有III族窒化物層中のインジウム取り込みを促進し、インジウム脱離を減少させ、点欠陥の濃度を減少させるために選択された前記一つ以上の第1の圧力および前記一つ以上の第2の温度を含む成長条件下で成長されることを特徴とする請求項19記載の方法。
【請求項29】
前記非極性窒化物テンプレートまたは基板は貫通転位密度が5×106 cm-2未満、積層欠陥密度が3×103 cm-1未満のGaNであることを特徴とする請求項19記載の方法。
【請求項30】
前記デバイスまたはヘテロ構造物は有機金属気相成長法(MOCVD)によって成長されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項31】
前記非極性III族基板またはテンプレートはハイドライド気相成長法により成長されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項32】
前記非極性インジウム含有III族窒化物層および前記窒化物層はN2 キャリアガスを用いて成長されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項33】
前記非極性インジウム含有III族窒化物層および前記窒化物層は600~850Torrの前記第1の圧力で900℃以下の前記第1の温度でハイドライド気相成長法により成長されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項34】
20~150Torrで前記窒化物および活性層のための障壁層を除く前記n型およびp型(Al,Ga,)N層を成長させることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項35】
貫通転位密度が5×106 cm-2未満、積層欠陥密度3×103 cm-1未満である非極性III族窒化物テンプレートまたは基板の成長表面上に非極性結晶方向に沿って成長する一つ以上の非極性インジウム含有III族エピタキシャル層からなるp-n接合からなり、該p-n接合が、
少なくとも11A/cm2 から111A/cm2 の範囲の直流密度で機能し、11A/cm2 から111A/cm2 で前記p-n接合の抵抗が増加しない、または、
前記p-n接合の直列抵抗がわずか7.8Ωである、または、
最大外部量子効率と比べて、少なくとも111A/cm2 の電流密度での外部量子効率の減少がわずか20%であることにより特徴づけられる材料品質からなるオプトエレクトロニクスまたはエレクトロニクスデバイス構造。
【請求項36】
前記非極性インジウム含有III族エピタキシャル層上の窒化物キャッピング層であって、後に続く層の成長中に前記非極性インジウム含有III族窒化物層からInが脱離することを防ぐキャッピング層と、
前記窒化物キャッピング層上の一つ以上の非極性アルミニウム含有またはガリウム含有III族窒化物層をさらに含むことを特徴とする請求項35に記載のデバイス構造。
【請求項37】
前記非極性窒化物テンプレートまたは基板は貫通転位密度が5×106 cm-2未満、積層欠陥密度が3×103 cm-1未満のGaNであることを特徴とする請求項35に記載のデバイス構造。
【請求項38】
前記非極性窒化物テンプレートまたは基板はGaN,AlNまたはAlGaN基板であることを特徴とする請求項35に記載のデバイス構造。
【請求項39】
前記インジウム含有III族エピタキシャル層はInGaN層であり、前記デバイスは少なくとも278A/cm2 の電流密度に応じて機能することを特徴とする請求項35に記載のデバイス構造。
【請求項40】
貫通転位密度が5×106 cm-2未満、積層欠陥密度3×103 cm-1未満である非極性III族窒化物テンプレートまたは基板上の成長表面上に非極性結晶方向に沿って成長された一つ以上の非極性インジウム含有III族窒化物エピタキシャル層からなるトランジスタデバイス構造。
【請求項41】
前記デバイスは360nm~600nm間の発光波長を有する発光ダイオード(LED)またはレーザ・ダイオード(LD)であることを特徴とする請求項35に記載のデバイス構造。
【請求項42】
LEDまたはLDの外部量子効率(EQE)が少なくとも0.4%で発光し、最大外部量子効率と比べて、111A/cm2 の電流密度での外部量子効率の減少がわずか20%であることを特徴とする請求項41に記載のデバイス構造。
【請求項43】
前記LEDまたはLDは線幅が25nm未満である1.5mWの光出力を放射することができることを特徴とする請求項41に記載のデバイス構造。
【請求項44】
前記LEDまたはLDは前記直流密度が22A/cm2 から111A/cm2 の範囲で増加したとき、発光ピークの青色シフトなしに発光することを特徴とする請求項41に記載のデバイス構造。
【請求項45】
前記成長表面はバルク結晶から切り出されたものではないことを特徴とする請求項35に記載のデバイス構造。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)にもとづいて、本発明の譲受人に譲渡された以下の同時係属の米国特許出願の優先権を主張する。この出願は参照として本明細書に組み込まれる。
【0002】
アーパン・チャクラボーティ(Arpan Chakraborty)、ベンジャミン・エー・ハスケル(Benjamin A.Haskell)、ステーシア・ケラー(Stacia Keller)、ジェームス・エス・スペック(James S.Speck)、スティーブン・ピー・デンバース(Steven P.DenBaars)、中村修二(Shuji Nakamura)およびウメシュ・ケー・ミシュラ(Umesh K.Mishra)による米国特許仮出願第60/569,749号、2004年5月10日出願、発明の名称「有機金属気相成長方法による非極性窒化インジウムガリウム薄膜、ヘテロ構造物およびデバイスの製作(FABRICATION OF NONPOLAR InGaN THIN FILMS,HETEROSTRUCTURES AND DEVICES BY METALORGANIC CHEMICAL VAPOR DEPOSITION)」、代理人整理番号30794.117-US-P1。
【0003】
本出願は、本発明の譲受人に譲渡された以下の同時係属出願の関連出願である。
【0004】
ベンジャミン・エー・ハスケル、マイケル・ディー・クレイブン(Michael D.Craven)、ポール・ティー・フィニ(Paul T.Fini)、スティーブン・ピー・デンバース、ジェームス・エス・スペックおよび中村修二による国際特許出願第PCT/US03/21918号、2003年7月15日出願、発明の名称「ハイドライド気相成長方法による転位密度の低い無極性窒化ガリウムの成長(GROWTH OF REDUCED DISLOCATION DENSITY NON‐POLAR GALLIUM NITRIDE BY HYDRIDE VAPOR PHASE EPITAXY)」、代理人整理番号30794.93-WO-U1(2003-224-2)。この出願は、ベンジャミン・エー・ハスケル、マイケル・ディー・クレイブン、ポール・ティー・フィニ、スティーブン・ピー・デンバース、ジェームス・エス・スペックおよび中村修二による米国特許仮出願第60/433,843号、2002年12月16日出願、発明の名称「ハイドライド気相成長方法による転位密度の低い無極性窒化ガリウムの成長」、代理人整理番号30794.93-US-P1(2003-224-1)の優先権を主張する。
【0005】
ベンジャミン・エー・ハスケル、ポール・ティー・フィニ、松田成正(Shigemasa Matsuda)、マイケル・ディー・クレイブン、スティーブン・ピー・デンバース、ジェームス・エス・スペックおよび中村修二による国際特許出願第PCT/US03/21916号、2003年7月15日出願、発明の名称「ハイドライド気相成長法による平坦な無極性a面窒化ガリウムの成長(GROWTH OF PLANAR,NON‐POLAR A‐PLANE GALLIUM NITRIDE BY HYDRIDE VAPOR PHASE EPITAXY)」、代理人整理番号30794.94-WO-U1(2003-225-2)。この出願は、ベンジャミン・エー・ハスケル、ポール・ティー・フィニ、松田成正、マイケル・ディー・クレイブン、スティーブン・ピー・デンバース、ジェームス・エス・スペックおよび中村修二による米国特許仮出願第60/433,844号、2002年12月16日出願、発明の名称「ハイドライド気相成長法による平坦な無極性a面窒化ガリウムの成長技術(TECHNIQUE FOR THE GROWTH OF PLANAR,NON‐POLAR A‐PLANE GALLIUM NITRIDE BY HYDRIDE VAPOR PHASE EPITAXY)」、代理人整理番号30794.94-US-P1(2003-225-1)の優先権を主張する。
【0006】
マイケル・ディー・クレイブンおよびジェームス・エス・スペックによる米国特許出願第10/413,691号、2003年4月15日出願、発明の名称「有機金属気相成長法によって成長させた非極性a面窒化ガリウム薄膜(NON‐POLAR A‐PLANE GALLIUM NITRIDE THIN FILMS GROWN BY METALORGANIC CHEMICAL VAPOR DEPOSITION)」、代理人整理番号30794.100-US-U1(2002-294-2)。この出願は、マイケル・ディー・クレイブン、ステーシア・ケラー、スティーブン・ピー・デンバース、タル・マーガリス(Tal Margalith)、ジェームス・エス・スペック、中村修二およびウメシュ・ケー・ミシュラによる米国特許仮出願第60/372,909号、2002年4月15日出願、発明の名称「非極性窒化ガリウム系薄膜およびヘテロ構造材料(NON‐POLAR GALLIUM NITRIDE BASED THIN FILMS AND HETEROSTRUCTURE MATERIALS)」、代理人整理番号30794.95-US-P1(2002-294/301/303)の優先権を主張する。
【0007】
マイケル・ディー・クレイブン、ステーシア・ケラー、スティーブン・ピー・デンバース、タル・マーガリス、ジェームス・エス・スペック、中村修二およびウメシュ・ケー・ミシュラによる米国特許出願番号10/413,690号、2003年4月15日出願、発明の名称「非極性(Al、B、In、Ga)N量子井戸およびヘテロ構造材料およびデバイス(NON‐POLAR (Al,B,In,Ga)N QUANTUM WELL AND HETEROSTRUCTURE MATERIALS AND DEVICES)」、代理人整理番号30794.101-US-U1(2002-301-2)。この出願は、マイケル・ディー・クレイブン、ステーシア・ケラー、スティーブン・ピー・デンバース、タル・マーガリス、ジェームス・エス・スペック、中村修二およびウメシュ・ケー・ミシュラによる米国特許仮出願第60/372,909号、2002年4月15日出願、発明の名称「非極性窒化ガリウム系薄膜およびヘテロ構造材料」、代理人整理番号30794.95-US-P1(2002-294/301/303)の優先権を主張する。
【0008】
マイケル・ディー・クレイブン、ステーシア・ケラー、スティーブン・ピー・デンバース、タル・マーガリス、ジェームス・エス・スペック、中村修二およびウメシュ・ケー・ミシュラによる米国特許出願第10/413,913号、2003年4月15日出願、発明の名称「非極性窒化ガリウム薄膜中の転位減少法(DISLOCATION REDUCTION IN NON‐POLAR GALLIUM NITRIDE THIN FILMS)」、代理人整理番号30794.102-US-U1(2002-303-2)。この出願は、マイケル・ディー・クレイブン、ステーシア・ケラー、スティーブン・ピー・デンバース、タル・マーガリス、ジェームス・エス・スペック、中村修二およびウメシュ・ケー・ミシュラによる米国特許仮出願第60/372,909号、2002年4月15日出願、発明の名称「非極性窒化ガリウム系薄膜およびヘテロ構造材料」、代理人整理番号30794.95-US-P1の優先権を主張する。
【0009】
マイケル・ディー・クレイブンおよびスティーブン・ピー・デンバースによる国際特許出願第PCT/US03/39355号、2003年12月11日出願、発明の名称「非極性(Al、B、In、Ga)N量子井戸(NONPOLAR (Al,B,In,Ga)N QUANTUM WELLS)」、代理人整理番号30794.104-WO-01(2003-529-1)。この出願は、上記特許出願第PCT/US03/21918号(第30794.93-WO-U1号)、第PCT/US03/21916号(第30794.94-WO-U1号)、第10/413,691号(第30794.100-US-U1号)、第10/413,690号(第30794.101-US-U1号)、第10/413,913号(第30794.102-US-U1号)の一部継続出願である。
【0010】
ベンジャミン・エー・ハスケル、メルヴィン・ビー・マクラリン(Melvin B.McLaurin)、スティーブン・ピー・デンバース、ジェームス・エス・スペックおよび中村修二による米国特許仮出願第60/576,685号、2004年6月3日出願、発明の名称「ハイドライド気相成長法による平坦で低い転位密度のm面窒化ガリウムの成長(GROWTH OF PLANAR REDUCED DISLOCATION DENSITY M‐PLANE GALLIUM NITRIDE BY HYDRIDE VAPOR PHASE EPITAXY)」、代理人整理番号30794.119-US-P1。
【0011】
トロイ・ジェイ・ベイカー(Troy J.Baker)、ベンジャミン・エー・ハスケル、ポール・ティー・フィニ、スティーブン・ピー・デンバース、ジェームス・エス・スペックおよび中村修二による米国特許仮出願第60/660,283号、2005年3月10日出願、発明の名称「平坦な半極性窒化ガリウムの成長技術(TECHNIQUE FOR THE GROWTH OF PLANAR SEMI-POLAR GALLIUM NITRIDE)」、代理人整理番号30794.128-US-P1。
【0012】
以上の出願は、参照としてすべて本明細書に組み込む。
【0013】
資金援助を受けた研究に関する記述
本発明は、スタンレー電気株式会社(Stanley Electric Co.,Ltd.)、三菱化学株式会社(Mitsubishi Chemical Corp.)、ローム株式会社(Rohm Co.,Ltd.)、クリー社(Cree,Inc.)、松下電工株式会社(Matsushita Electric Works,Ltd.)、松下電器産業株式会社(Matsushita Electric Industrial Co.,Ltd.)およびソウル半導体株式会社(Seoul Semiconductor Co.,Ltd.)を含む、ザ・ユニバーシティ・オブ・カリフォルニア・サンタ・バーバラ・ソリッド・ステート・ライティング・アンド・ディスプレイ・センター(The University of California Santa Barbara Solid State Lighting and Display Center)会員会社からの援助のもとで行なわれた。
1.本発明の技術分野
本発明は、化合物半導体の成長およびデバイス製作に関する。より具体的には、本発明は、有機金属気相成長法(MOCVD)による窒化インジウムガリウム(InGaN)を含んだエレクトロニクス・デバイスおよびオプトエレクトロニクス・デバイスの成長および製作に関する。
【背景技術】
【0014】
2.関連技術の説明
(注:本出願は、明細書全体にわたって括弧で囲まれる参照番号、例えば[参考文献x]で示されるように、複数のさまざまな刊行物を参照する。下記の「参考文献」と題するセクションに、これらの参照番号順に並べた種々の刊行物のリストを示す。これらの刊行物はそれぞれ参照として本明細書に組み込まれる。)
可視および紫外オプトエレクトロニクス・デバイスおよび高性能エレクトロニクス・デバイスの製作のための窒化ガリウム(GaN)ならびにアルミニウムおよびインジウムを組み込んだ窒化ガリウム三元および四元化合物(AlGaN、InGaN、AlInGaN)の有用性は定評がある。これらのデバイスは通常、分子線エピタキシー(MBE)、有機金属気相成長法(MOCVD)またはハイドライド気相成長法(HVPE)などの成長技術によってエピタキシャル成長させる。
【0015】
GaNおよびGaN合金は、六方晶系ウルツ鉱型結晶構造で最も安定となる。この構造は、互いに120°回転関係にある二つ(または三つ)の等価な基底面軸(a軸)によって示され、この軸はすべて主軸のc軸に垂直である。図1は、一般的な六方晶ウルツ鉱型結晶構造100の概略図であり、重要な面102、104、106、108の他、軸110、112、114、116を図中に示す。図で、塗りつぶしパターンは、重要な面102、104および106を示すものであり、構造100の材料を表すものではない。III族元素原子と窒素原子は、結晶のc軸方向にc面を交互に占める。ウルツ鉱型構造物中に含まれる対称要素によって、III族窒化物はこのc軸方向にバルクの自発分極を有する。さらに、ウルツ鉱型結晶構造は非中心対称性を有するので、ウルツ鉱型窒化物は、結晶のc軸に沿ってさらに圧電分極を示す可能性もあり、実際に示す。現行のエレクトロニクス・デバイスおよびオプトエレクトロニクス・デバイス用窒化物技術では、極性c方向に成長させた窒化物膜を使用する。しかし、III族窒化物系オプトエレクトロニクス・デバイスおよびエレクトロニクス・デバイス中の従来のc面量子井戸構造は、強い圧電分極および自発分極の存在に起因する望ましくない量子閉じ込めシュタルク効果(QCSE)の問題を有する。c方向の強い組み込み電場によって、電子と正孔とが空間的に分離され、それが今度はキャリア再結合効率を抑制し、振動子強度を低下させ、発光を赤色シフトさせる。
【0016】
非極性成長方向、例えば<11-20>a方向または<1-100>m方向を使用する(Al、Ga、In)N量子井戸構造は、極性軸が膜の成長面内にあり、従って量子井戸のヘテロ界面と平行になるので、ウルツ鉱型窒化物構造物中の分極誘起電場効果を取り除く有効な手段を提供する。過去数年間、非極性(Al、Ga、In)Nの成長は、非極性エレクトロニクス・デバイスおよびオプトエレクトロニクス・デバイスの製作における利用可能性から、大きな関心を集めてきた。最近、アルミン酸リチウム基板上にプラズマ支援MBEによって成長させた非極性m面AlGaN/GaN量子井戸と、r面サファイア基板上にMBEとMOCVDとの両方によって成長させた非極性a面AlGaN/GaN多重量子井戸(MQW)によって、成長方向に沿って分極場がないことが実証された。従って、非極性III族窒化物発光ダイオード(LED)およびレーザ・ダイオード(LD)は、極性の対応物と比べると著しく優れた性能を有する可能性がある。
【0017】
残念ながら、非極性InGaNの成長は非常に難しいことが証明されている。実際、文献を見ても、非極性InGaNの成長に成功した報告は二つしかない。スン(Sun)ら[非特許文献1]は、MBEによって最大10%のInを含むm面InGaN/GaN量子井戸構造を成長させ、チトニス(Chitnis)ら[非特許文献2]は、MOCVDによってa面InGaN/GaN量子井戸構造を成長させた。スンらの論文[非特許文献1]は、研究材料の構造特性と光ルミネッセンス特性とを中心に検討しているが、検討したInGaN膜の品質が実用的なデバイスを製作するのに十分であるとは示唆していない。チトニスらの論文[非特許文献2]には非極性GaN/InGaN発光ダイオード構造物が記載されている。しかし、かれらの論文に示された限られたデータから、かれらの非極性InGaN材料の品質が極めて低かったことが示唆される。実際、チトニスらのデバイスは、注入電流を変化させると発光強度が大きくシフトし、ダイオード電流-電圧特性も良好でなく、デバイスを試験するために電流注入をパルス化しなければならなかったほど極端な有害加熱効果を示した。これら低い特性が不十分な材料品質によるものである可能性は高い。
【0018】
非極性InGaNの成長に成功した例がないのは、いくつかの理由によるものと考えられる。第一に、InGaNと利用可能な基板との間の格子不整合が大きいため、InGaNヘテロエピタキシーが非常に困難である。第二に、高温でInが成長面から脱離する傾向があるため、InGaNは、通常GaNと比較して低温で成長させなければならない。残念ながら、非極性窒化物は、通常900℃より高温、さらに多くの場合1050℃より高温というInが表面から容易に脱離する温度で成長させられる。第三に、高品質の非極性窒化物は、a面およびm面を傾斜小面に対して安定にするために、通常、減圧(<100Torr)で成長させられる。しかし、In取り込みを促進し、炭素取り込みを減らすためには、c面InGaNを大気圧で成長させる方がよいことが既に広く報告されている。
【0019】
本発明は、これらの課題を克服し、MOCVDによって高品質InGaN膜と、InGaNを含んだデバイスを初めて作り出す。

【非特許文献1】Y.Sun, et al.,“Nonpolar InxGa1-I/GaN (1-100) multiple quantum wells grown on γ-LiAlO2(100) by plasma assisted molecular beam epitaxy,”Phys Rev.B,67,41306(2003)
【非特許文献2】Chitnis, et al.,“Visible light-emitting diodes using a‐plane GaN-InGaN multiple quantum wells over r‐plane sapphire,”Appl.Phys.Lett.,84,3663(2004)
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記で説明した従来技術の限界を克服し、本明細書を読み、理解すれば自明となるその他の限界を克服するために、本発明では、高品質インジウム(In)を含んだエピタキシャル層と、平坦な非極性InGaN膜を備えるヘテロ構造物およびデバイスとを製作するための方法を記載する。本方法では、MOCVDを用いて非極性InGaN/GaN紫色および近紫外発光ダイオードおよびレーザー・ダイオードを実現する。
【0021】
以下、図面を参照する。対応する部分には一貫して同じ参照番号を付与する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下の好ましい実施形態の説明では、添付の図面を参照する。添付の図面は、本明細書の一部を形成し、本発明を実施することができる特定の実施形態を例示するために示す。本発明の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用してもよく、構造上の変化を施してもよいことは明らかである。
【0023】
概要
非極性窒化物半導体を成長させることによって、ウルツ鉱型構造III族窒化物デバイス中の分極効果を取り除く手段が得られる。現行の(Ga、Al、In、B)Nデバイスは、極性[0001]c方向に成長させられるため、ヘテロ構造物中に電荷分離が起こる。生じた分極場は、特にオプトエレクトロニクス・デバイスの場合に、現行の最高技術水準のデバイスの性能を低下させる。そのようなデバイスを非極性方向に成長させれば、デバイス性能は著しく改善される。
【0024】
これまで、InGaNを含んだ高品質III族窒化物またはIII族窒化物系ヘテロ構造物を非極性方向に成長させるための手段はまったく存在しなかった。それに対して、本発明は、非極性InGaN膜、ならびに非極性InGaN含有デバイス構造物の製作を可能にする。この技術によって、表面粗さが大きいこと、In取り込み量が少ないこと、およびInGaNヘテロ構造中のInが脱離することに関連する従来の問題を克服した。MOCVDに立脚する本発明を利用して、最初の非極性InGaN/GaN紫色LEDを実現した。本発明は、非極性GaN系可視および近紫外LEDおよびLDの製造を初めて可能にするものである。
【0025】
技術説明
本発明は、高品質なInを含んだエピタキシャル層と、同層を含むヘテロ構造物およびデバイスを製作するための手法である。MOCVDによって優れた平坦な非極性InGaN膜を成長させ、同じ技法によって機能性の非極性InGaNを含んだデバイスを製作した。この特定の実証には、a面配向InGaN系量子井戸の製作を含んでいるが、m面窒化物成長に関する研究によって、本明細書で説明する技法がm面InGaN/GaNデバイスの成長にも広く適用できることが示されている。
【0026】
MOCVDによって平坦な非極性a面GaNテンプレートを成長させた。このテンプレート成長の詳細は、上記で示し、参照として本明細書に組み込まれる、本発明の譲受人に譲渡された同時係属特許出願第10/413,691号(30794.100-US-U1)およびPCT/US03/21916(30794.94-WO-U1)に開示される。これらのa面GaNテンプレートはほぼ格子整合した層を提供し、その上に非極性InGaN膜を再成長させることができる。
【0027】
高速度回転する高温垂直反応器中でMOCVD成長を実行した。300rpmの回転速度を使用した。Ga、In、MgおよびSi源として用いた前駆体は、それぞれ、トリメチルガリウム(TMG)、トリメチルインジウム(TMI)、ビス-シクロペンタジエニルマグネシウム(CpMg)およびジシランであった。高純度アンモニアを窒素源として用いた。低温(620~650℃)GaN核形成層工程と、高温(1130~1180℃)GaN成長工程とを含む二段階プロセスによって、r面サファイア基板上にa面GaNテンプレートを成長させる。V族/III族比として650と670との間を用いる。反射分光法を用いるその場(in-situ)厚さ測定によって測定されるGaN成長速度は、4~6Å/秒の範囲である。UIDのGaN成長の間、10slpmの全流量を使用する。
【0028】
上記成長手順によって、非極性InGaNを成長させることの実用性を確立した。本発明は、非極性InGaN系のLEDの成長および製作を目的とする。
【0029】
図2は、本発明の好ましい実施形態によるプロセス工程を説明するフローチャートであり、図3は、本発明の好ましい実施形態によって製作される非極性発光ダイオードの概略断面図である。
【0030】
ブロック200は、滑らかで低い欠陥密度のIII族窒化物基板またはテンプレートを準備する工程を表す。その例として、例えば、このブロックは、厚さが10μmで低い転位密度を有し、HVPEによってエピタキシャル横方向オーバーグロースされた(LEO)a面GaNテンプレート302をr面サファイア基板300上に製作することを表してもよい。上記に示し、参照として本明細書に組み込まれる、本発明の譲受人に譲渡された同時係属特許出願第PCT/US03/21918(30794.93-WO-U1)に、HVPEを利用するLEOプロセスの詳細が開示されている。
【0031】
テンプレート300はGaNであるが、窒化アルミニウム(AlN)または窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)を含んでもよい。さらに、a面配向GaNテンプレート300について記載しているが、m面GaNテンプレートも製作することができる。
【0032】
LEOプロセス用のマスクは、GaN<1-100>方向と平行に配向した2μm幅の窓開口部で分離された平行な8μm幅SiOストライプを備える。Ga面とN面との{0001}翼の横方向成長速度の比は~6:1であり、その結果、窓と融合の前線との間に約6.5μm幅の無欠陥オーバーグロース領域が生じる。同等な試料の透過型電子顕微鏡(TEM)観察によれば、オーバーグロース領域中の貫通転位および基底面積層欠陥密度は、それぞれ~5×10cm-2および3×10cm-1未満であった。
【0033】
ブロック202は、垂直MOCVD反応器で実行され、2×1018cm-3の電子濃度を有するSiをドーピングした2.2μmのn‐GaN基層304で開始される再成長を表す。この層は、通常のa面GaN成長条件(例えば、基板温度1050~1150℃、系内圧力40~100Torr、Hキャリア・ガス、V族/III族~100)下で堆積させる。その結果、MOCVDによって成長させた平坦な非極性a面GaNテンプレートを備える基板が得られる。
【0034】
あるいは、滑らかで低い欠陥密度のIII族窒化物基板を準備してもよい。そのような基板は、低欠陥密度の自立(free-standing)a面GaNウエハ、低欠陥密度の自立m面GaNウエハ、低欠陥密度の自立a面AlNウエハ、低欠陥密度の自立m面AlNウエハ、低欠陥密度のバルクa面GaNウエハ、低欠陥密度のバルクm面GaNウエハ、低欠陥密度のバルクa面AlNウエハまたは低欠陥密度のバルクm面AlNウエハを含む。
【0035】
さまざまな方法、特にハイドライド気相成長法(HVPE)によって、AlGaNなどの合金基板を成長させることも可能である。本発明を実施するために用いられる基板は、任意の非極性AlGaNまたはその他のIII族窒化物基板でよい。
【0036】
ブロック204は、低温、大気圧でNキャリア・ガスを用いるデバイス用InGaN/GaN活性領域306の堆積を表す。このブロックは、(1)低温(約900℃またはその近傍)でNキャリア・ガスを用いて基板またはテンプレート上に非極性InGaN層を成長させ、In取り込みを促進し、In脱離を減少させる工程であって、大気圧近く(約760Torrまたはその近傍)でInGaN層を成長させてInGaN膜品質を改善し、炭素取りこみ量を減少させる工程、(2)非極性InGaN層の上に薄い低温GaNキャッピング層を成長させて、後で行うp型GaN層の成長の間のIn脱離を防止する工程、および(3)大気圧近く(約600~850Torrまたはその近傍)でGaNキャッピング層の上に一つ以上のInGaN/GaN多重量子井戸(MQW)を成長させる工程を含む。
【0037】
キャリア・ガスの使用は、InGaN膜中へより多くInを取り込むために重要である。比較的低い成長温度とすることによって、In取り込みが促進され、成長面からのIn脱離速度が低下する。さらに、大気圧を使用するとInGaN膜品質が改善され、膜中への炭素取り込み量が減り、活性領域中の非放射点欠陥の濃度が減少する。
【0038】
好ましくは、活性領域306は、16nmのSiドープGaN障壁と4nmのIn0.17Ga0.83N量子井戸とを有する5周期のMQWの積層で構成される。この工程では0.4Å/秒という比較的高い成長速度を用いて滑らかなInGaN/GaNヘテロ界面を保証し、ひいてはデバイスの光学性能を改善する。
【0039】
ブロック206は、InGaN/GaNのMQW構造物306の上に大気圧またはその近傍で非ドープGaN障壁308を成長させる工程を表す。より詳細には、このブロックは、後で成長中に活性領域306からInGaNが脱離するのを予防するために、低温で16nmの非ドープ〔または不作為でドープされた(unintentionally doped)(UID)〕GaN障壁308を堆積させてInGaNのMQW構造物306にキャップする工程を表す。
【0040】
ブロック208は、非ドープGaN障壁308の上に低圧(約20~150Torrまたはその近傍)で一つ以上のn型およびp型(Al、Ga)N層310を成長させる工程を表す。より詳細には、このブロックは、高温(~1100℃)および低圧(~70Torr)で6×1017cm-3の正孔濃度を有する0.3μmのMgドープp型GaN層310の堆積を表し、p型GaN成長には16slpmの全流量を使用する。
【0041】
ブロック210は、40nmの高濃度ドープp‐GaN層312の堆積を表す。この層312は、構造物のためのキャップとして作用する。
【0042】
最後に、ブロック212は、デバイスのためのp‐GaN接点としてのPd/Au接点314およびn‐GaN接点としてのAl/Au接点316の堆積を表す。
【0043】
これらのプロセス工程の最終結果として、非極性InGaN系ヘテロ構造物およびデバイスが得られる。より詳細には、これらのプロセス工程の最終結果として、InGaNのLEDまたはLDが得られる。
【0044】
実験結果
光学顕微鏡法および光ルミネッセンス(PL)測定によって、as-grownの試料を検討した。塩素ベースの反応性イオンエッチング(RIE)によって300×300μmダイオードメサを定めた。p‐GaNおよびn‐GaN接点としてPd/Au(3/200nm)およびAl/Au(30/200nm)をそれぞれ用いた。デバイスのウエハ上の探測によって、ダイオードの電気特性およびルミネセンス特性を測定した。ヒューレット・パッカード(Hewlett‐Packard)4145B半導体パラメータ・アナライザを用いて、図4に示されるI‐V測定を実行した。直流(DC)条件下の相対光出力測定値は、サファイア基板を通して較正済み大面積Siフォトダイオードへの背面発光によって得た。図5および6にそれぞれ示すように、LEDの発光スペクトルおよび光出力放出を駆動電流の関数として測定した。すべての測定は、室温で実行した。
【0045】
上記で説明したデバイス構造物は、機能するInGaN系LEDの最初の報告となる。ダイオードのI‐V曲線(図4)は3.3Vの順電圧を示し、直列抵抗値は7.8Ωと低かった。同一の条件下で平坦なa面GaNテンプレート上に成長させた非極性a面GaNのp-n接合ダイオードは、同様な順電圧を示したが、直列抵抗値は約30Ωと高かった。これらのLED中の直列抵抗が低かったのは、LEOによるGaNテンプレートの無欠陥オーバーグロース領域中の高い電気伝導率に起因する。
【0046】
このデバイスのエレクトロルミネセンス(EL)スペクトルを、直流駆動電流の関数として調べた。10から250mAの範囲の駆動電流で発光スペクトルを測定した。このデバイスは、すべての駆動電流に対し413.5nmの紫色スペクトル域で発光し、線幅広がりは最小限であった(図5)。as-grown試料のPLスペクトルは、強い量子井戸発光を412nmで示し、線幅は25nmと狭かった。駆動電流を増加させても発光ピークの青色シフトは観測されず、この波長域および同様な駆動電流域で動作するc面LEDでは通常青色シフトが観測されるのと対照的である。線幅は、20mAでの最小値23.5nmから始まり、250mAでの27.5nmまで駆動電流とともにほぼ線形に増加した。駆動電流の増加に伴うこの最小限の線幅広がりは、この電流領域でデバイス加熱が低かったことを示唆する。
【0047】
次に、直流駆動電流に対する出力電力の依存性を測定した。駆動電流を10mAから200mAに近い電流レベルで飽和するまで増加させると、出力電力は増大したが線形にならなかった。出力電力は加熱効果によって飽和し、それによって量子効率を低下させるもととなる。20mA順電流での出力電力は240μWであり、0.4%の外部量子効率(EQE)に対応した。200mAの駆動電流の場合には、1.5mWにも達する高い直流出力が測定された。EQEは、駆動電流が増加するにつれて増加し、30mAで0.42%の最大値に達したが、その後順電流が30mAを超えて増加すると急速に減少した。これらのLEDのEQEが低い理由は、一部はp型接点の低い反射率のせいであり、一部は光を放出しないLEOの「暗い」欠陥窓領域のせいである。上記で説明したデバイス構造物は、概念の実証を構成し、非最適化デバイスである点に注意すべきである。テンプレート/基層およびLED構造物のすべての態様の最適化によって、EQEの顕著な改善を行うことができると予想される。
【0048】
重要な特徴
上記で説明した非極性LED構造物の技術説明は、広範囲の非極性InGaN系ヘテロ構造物およびデバイスの製作および成長に関するいくつかの重要な特徴を含む。これらの重要な特徴は、以下を含む。
【0049】
1.HVPEによるLEOのa面またはm面GaNテンプレートなど(これらに限定されるわけではない)、滑らかで低い欠陥密度のGaN基板またはテンプレートを使用する。
【0050】
2.Nキャリア・ガスを用いて低温(~900℃未満)で非極性InGaNを成長させてIn取り込みを促進し、In脱離を減少させる。
【0051】
3.大気圧(760Torr)またはその近傍でInGaN層を成長させてInGaN膜品質を改善し、炭素取り込み量を減少させる。
【0052】
4.薄い低温GaNキャッピング層を用いてp型GaN堆積時にIn脱離を防ぐ。
【0053】
5.大気圧またはその近傍(~600~850Torr)でInGaN/GaNのMQWおよび非ドープGaN障壁を成長させ、一方、低圧(40~80Torr)でn型およびp型GaNを成長させる。
【0054】
実施形態の可能な変更形および変化形
好ましい実施形態では、非極性方向に平坦で高品質なInGaN膜およびヘテロ構造物を成長させることができるプロセスを説明した。上記の技術説明のセクションでは特に、a面GaNデバイスに関して説明した(すなわち、成長方向は、GaN<11-20>方向であった)。しかし、研究の結果、a面窒化物のための成長方法は、通常、m面窒化物成長にも利用可能であるかまたは容易に適合させ得ることが証明された。従って、このプロセスは、ウルツ鉱型構造の<11-20>または<1-100>のどちらの方向に成長させる膜および構造物にも適用できる。
【0055】
上記で説明したInGaN膜のための基層は、r面Al上に成長させたMOCVD成長a面GaNテンプレートであった。同様に、重要な特徴のセクションで説明したデバイス構造物には、r面Al上に成長させたHVPE成長LEOのa面GaN層を利用した。本発明の実施においては、実質的にその本質を変えることなく別の基板を用いることができる。例えば、どちらのプロセスの基層も、MBE、MOCVDまたはHVPEによってa面SiC基板上に成長させたa面GaN膜を含んでよい。他の利用可能な基板の選択肢としては、a面6H-SiC、m面6H-SiC、a面4H-SiC、m面4H-SiC、非極性GaNを生じる他のSiC多形および配向、a面ZnO、m面ZnO、(100)LiAlO、(100)MgAl、自立a面GaN、自立AlGaN、自立AlNまたはこれらの基板のミスカット変化形を含むが、それらに限定されない。これらの基板は、非極性InGaNデバイス成長の前にそれらの上にGaNテンプレート層を成長させることを必ずしも必要としない。GaN、AlN、AlGaN、AlInGaN、AlInN等の基層は、適当なその場欠陥低減技術を組み込んでいても、組み込んでいなくても、デバイス成長プロセスの始めに堆積させることができる。しかし、一般には、膜品質およびデバイス性能は、欠陥密度の低い(すなわち、1×10転位/cmおよび1×10積層欠陥/cm-1未満)窒化物テンプレート/基層の使用によって改善される。本発明中で用いられるエピタキシャル横方向オーバーグロースプロセスは、これらのレベル未満の欠陥密度を実現する。
【0056】
好ましい実施形態では、特にInGaNおよびGaN層を含むLED構造物に関して記載する。しかし、本発明は、任意のまたはすべての層におけるアルミニウム(Al)の取り込みについても利用可能である。一般的に言って、本発明によって成長させた層はどれも化学式(AlInGa)N、(ここで、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1およびx+y+z=1)で記述される組成を有し得る。任意のまたはすべての層は、選択により別のドーパントを含むことができ、依然、本発明の範囲内に属する。この別のドーパントにはZn、Mg、Fe、Si、O等を含むが、それらに限定されるわけではない
上記で説明したデバイスのキャッピング層および障壁層はGaNで構成される。しかし、これらの層のそれぞれは、選択により、適当なキャリア閉じ込めを提供する、またはキャッピング層の場合、適当なIn脱離抵抗を提供する、任意の非極性AlInGaN組成を含むことができる。
【0057】
上記で説明したデバイス構造物中のGaNおよびInGaN層の厚さは、本発明の好ましい実施形態から基本的に逸脱することなく、実質的に変化してよい。同様に、層組成を変えてアルミニウムおよび/またはホウ素を含めて電子バンド構造を変えてもよい。ドーピング・プロファイルを変化させたり、構造物の電気的および光学的性質を調整してもよい。本発明の範囲内で、構造物中に追加の層を挿入してもよく、層を取り除いてもよく、または、構造物中の量子井戸の数を変化させてもよい。例えば、UID型GaNキャッピング層の厚さを減らし、Mgドープp型AlGaN電子遮蔽層を含めると、LEDデバイス性能を著しく改善することができると考えられる。
【0058】
上記の技術説明のセクションで説明した厳密な成長条件も拡張してよい。許容できる成長条件は、反応器の構成の配置に依存して反応器ごとに変化する。本発明の実施においては、さまざまな温度、圧力範囲、前駆体/反応体選択、V族/III族比、キャリア・ガスおよびフロー条件を用いてもよいことを理解すれば、本発明で異なる設計の反応器を使用することができる。
【0059】
上記のように、本明細書で説明したデバイスは、LEDを含む。しかし、本発明は、InGaNを含む非極性InGaN膜および構造物の一般的な成長に適用できるものであり、LED構造物に限定されるとみなすべきでない。本発明は、360nm~600nm間の波長を有する非極性窒化物系LEDおよび類似の波長範囲で動作する非極性窒化物系レーザ・ダイオードを含むが、それらに限定されない広範なデバイスの設計および製作に顕著な利点を提供する。本発明を用いて、通常のc面InGaN系レーザ・ダイオードに要求されるより低い透明キャリア密度を有する非極性歪み単一量子井戸レーザ・ダイオードを製作することができる。本発明によって製作される非極性InGaN系レーザ・ダイオードは、重い正孔バンドおよび軽い正孔バンドの異方性歪み誘起分裂に関連する低い正孔有効質量の恩恵を受ける。c面III族窒化物デバイスでは通常実現することができない低い有効正孔質量によって、c面レーザ・ダイオードに比べてレーザ発振のためのしきい値電流密度が減少する。正孔有効質量が低いと、正孔移動度が高くなり、ひいては非極性p型GaNの電気伝導率が高くなる。エレクトロニクス・デバイスも本発明の利益を受ける。ヘテロ構造バイポーラ・トランジスタなどのバイポーラ・エレクトロニクス・デバイスの製作で、非極性p型GaNの移動度が高いという利点を使用することができる。非極性窒化物中のp型電気伝導率が高いことによって、p-n接合ダイオードおよびLED中の直列抵抗が低くなる。従って、InGaN中の高い飽和電子速度による優れた高周波性能を特徴とする、高周波(RF)分散の減少した非極性InGaNチャネルMODFETを製作することができる。
【0060】
既存の実施方法に対する利点および改善点、ならびに新しいと考えられる特徴
本明細書中の背景技術および技術説明の各セクションで、本発明の新規な特徴の多くを詳述した。重要な特徴のセクションで特定した重要な点は、非極性InGaNの成長における最も重要で新規な要素を構成する。本発明は、ヘテロ構造中の滑らかな、くぼみのないInGaN層の成長を可能にすることによって、高品質非極性InGaNを含んだエレクトロニクス・デバイスおよびオプトエレクトロニクス・デバイスの製作を初めて可能にする。
【0061】
チトニスらの、MOCVDによって成長させたInGaN/GaNのLEDに関する最近の開示[非特許文献2]は、本発明に最も近い比較例を提供する。チトニスらの開示と比較した本発明の最も重要な改善点は以下の通りである。
【0062】
1.高品質で欠陥密度の低い基板/テンプレート/基層の使用。チトニスらの直接成長方法は、r面サファイア基板上でのa面GaNテンプレート層の堆積を含む。しかし、チトニスらのプロセスは、貫通転位または積層欠陥密度をそれぞれ~10cm-2および~10cm-1未満に減少させる有効な手段をまったく含んでいない。チトニスらのInGaN層中ではこれらの構造欠陥が伝播し、おそらくInGaN層の形態、層構造の品質およびデバイス性能の劣化の原因となる。本発明は、テンプレート層中に欠陥減少技術を利用して材料品質およびデバイス性能を改善している。
【0063】
2.InGaN/GaN量子井戸およびGaNキャッピング層成長のための大気圧または大気圧近傍の成長条件の使用。この大気圧工程によって、量子井戸中へのインジウム取り込みを促進し、炭素汚染を減少させ、チトニスらの結果と比較してデバイス性能を改善する。
【0064】
3.低温、大気圧で、窒素をキャリア・ガスとして用いて成長させたGaNキャッピング層を含むこと。チトニスらのデバイス構造物は、低温キャッピング層をまったく含まない。チトニスらの量子井戸は、p‐AlGaN層を量子井戸領域の上に直接成長させるために成長温度を上げたため、劣化した可能性が高い。本明細書で説明した種類のキャッピング層を含むことによって、量子井戸領域が保護され、デバイス品質が改善される。
【0065】
これらの改善点のどれをとっても、従来技術と比較して、InGaN系エレクトロニクス・デバイスおよびオプトエレクトロニクス・デバイスの製作に顕著な利点を提供する。これらの三つの重要な要素を組み合わせることによって、はるかに優れたInGaN層品質およびデバイス性能が得られ、非極性III族窒化物デバイス成長の最先端技術の著しい進歩を表す。
【0066】
参考文献
以下の参考文献は、参照として本明細書に組み込まれる。
1.Y.Sun, et al.,“Nonpolar InGa1-I/GaN (1-100) multiple quantum wells grown on γ‐LiAlO(100) by plasma assisted molecular beam epitaxy,”Phys Rev.B,67,41306(2003)この論文は、文献中で非極性InGaNの成長を報告した二件しかない論文のもう一方であり、ここではMBEによって実行された。
2.Chitnis, et al.,“Visible light‐emitting diodes using a‐plane GaN‐InGaN multiple quantum wells over r‐plane sapphire、”Appl.Phys.Lett.,84,3663(2004)
3.S.J.Pearton, et al.,“GaN:Processing,defects,and devices,”J.Appl.Phys.,86,1(1999)この総説は、c面GaN技術の概要を紹介している。
4.T.Takeuchi, et al.,“Quantum‐Confined Stark Effect due to Piezoelectric Fields in GaInN Strained Quantum Wells,”Jpn.J.Appl.Phys.Part2,36,L382(1997)この論文は、極性c面InGaNデバイス中の有害電場の大きさを定量化している。この電場は、本発明によって製作される非極性デバイスでは取り除かれる。
5.D.Miller, et al.,“Electric field dependence of optical absorption near the band gap of quantum‐well structures,”Phys.Rev.B,32,1043(1985)この論文は、オプトエレクトロニクス・デバイスに対する電場およびQCSEの効果を論じている。
6.F.Bemardini, et al.,“Spontaneous polarization and piezoelectric constants of III‐V nitrides,”Phys.Rev.B,56,R10024(1997)この論文は、窒化物半導体中の実質圧電係数の計算法を示している。
7.J.S.Im, et al.,“Reduction of oscillator strength due to piezoelectric fields in GaN/AlGa1-xN quantum wells,”Phys.Rev.B,57,R9435(1998)この論文は、分極効果に起因する極性c面GaN系デバイスの効率の減少について記載している。拡張によって、本発明において説明したデバイスなどの非極性デバイスは、これらの効果を受けることなく、より高い理論的効率を実現することができる。
8.M.D.Craven, et al.,“Structural characterization of nonpolar(11-20) a‐plane GaN thin films grown on (1-102) r‐plane sapphire,”Appl.Phys.Lett.,81,469(2002)この論文は、カリフォルニア大学サンタ・バーバラ(UCSB)における非極性GaNのMOCVD成長に関し、最初に公表された開示である。
9.P.Waltereit, et al.,“Nitride semiconductors free of electrostatic fields for efficient white light‐emitting diodes,”Nature(London)406,865(2000)この論文は、LiAlO上に成長させたm面GaN中の分極場の除去に関する最初に公開された実証であった。
10.H.M.Ng,“Molecular‐beam epitaxy of GaN/AlGa1-xN multiple quantum wells on R‐plane(10-12) sapphire substrates,”Appl.Phys.Lett.80,4369(2002)。この論文は、MBEによって成長させた非極性AlGaN/GaN量子ヘテロ構造の数少ない報告の一つを表す。
11.M.D.Craven, et al.,“Characterization of a‐plane GaN/(Al,Ga)N Multiple Quantum Wells Grown via Metalorganic Chemical Vapor Deposition,”Jpn.J.Appl.Phys.Part 2,42,L235(2003)。この論文は、MOCVD成長されたAlGaN/GaN量子ヘテロ構造物の構造的性質を説明する最初のものである。
12.B.A.Haskell, et al.,“Defect reduction in (11-20) a‐plane gallium nitride via lateral epitaxial overgrowth by hydride vapor phase epitaxy,”Appl.Phys.Lett.,83,644(2003)この論文は、本発明で説明したデバイス用のテンプレートを作り出すために用いられるHVPEによるLEOプロセスについて記載している。
13.T.Mukai and S.Nakamura,“Ultraviolet InGaN and GaN Single‐Quantum‐Well‐Structure Light‐Emitting Diodes Grown on Epitaxially Laterally Overgrown GaN Substrates,”Jpn.J.Appl.Phys.,Part1,38,5735(1999)この論文は、LEO基板上のInGaN/GaN活性領域を用いる紫外線LEDの製作について記載している。
14.S.Nakamura and G.Fasol,The Blue Laser Diode,(Springer, Heidelberg, 1997)この本は、c面GaNオプトエレクトロニクス技術の概要を紹介する。
15.L.Coldren and S.Corzine,Diode Lasers and Photonic Integrated Circuits,(Wiley Interscience, 1995)160~178頁および付録11に、歪み量子井戸レーザの設計に関する理論がある。この本は、ヒ化物およびリン化物系オプトエレクトロニクス・デバイスを中心に取り扱っているが、本発明を用いて設計される非極性InGaN系歪み単一量子井戸レーザの場合にも同じ理論が成立するはずである。
【0067】
結論
これで本発明の好ましい実施形態の説明を終える。本発明の一つ以上の実施形態を例示および説明のために示した。開示の形態そのものによって本発明を包括または限定することを意図するものではない。上記の教示に鑑みて、多くの変更および変形が可能である。本発明の範囲は、この詳細な説明によってではなく、本明細書に添付の請求項によって限定されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】六方晶系ウルツ鉱型結晶構造およびその軸を示す図である。
【図2】本発明の好ましい実施形態によるプロセス工程を説明するフローチャートである。
【図3】本非極性発光ダイオードの概略断面図である。
【図4】本非極性LEDの電流-電圧(I-V)特性のグラフである。
【図5】種々の駆動電流に対するエレクトロルミネセンス(EL)スペクトルのグラフであり、挿入図は駆動電流の関数としてのEL線幅を示す。
【図6】駆動電流の関数としてのウエハ上出力パワーおよびLEDの外部量子効率(EQE)のグラフである。
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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