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明細書 :層状化合物からなる超伝導体及びその製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5518295号 (P5518295)
公開番号 特開2009-234847 (P2009-234847A)
登録日 平成26年4月11日(2014.4.11)
発行日 平成26年6月11日(2014.6.11)
公開日 平成21年10月15日(2009.10.15)
発明の名称または考案の名称 層状化合物からなる超伝導体及びその製造方法
国際特許分類 C01B  25/08        (2006.01)
H01L  39/24        (2006.01)
C01G   1/00        (2006.01)
H01B  12/00        (2006.01)
H01B  13/00        (2006.01)
FI C01B 25/08 E
H01L 39/24 ZAAB
C01G 1/00 S
H01B 12/00
H01B 13/00 565Z
請求項の数または発明の数 3
全頁数 9
出願番号 特願2008-082386 (P2008-082386)
出願日 平成20年3月27日(2008.3.27)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第1項適用 掲載日;2008年2月23日 掲載アドレス;http://project2005.msl.titech.ac.jp/symp2008/index.html
特許法第30条第1項適用 2008年3月27日発行の「2008年(平成20年)春季 第55回応用物理学関係連合講演会予稿集 第1分冊」に発表
審査請求日 平成21年6月11日(2009.6.11)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】細野 秀雄
【氏名】柳 博
【氏名】神谷 利夫
【氏名】松石 聡
【氏名】金 聖雄
【氏名】尹 錫奎
【氏名】平松 秀典
【氏名】平野 正浩
【氏名】野村 尚利
【氏名】神原 陽一
個別代理人の代理人 【識別番号】100108671、【弁理士】、【氏名又は名称】西 義之
審査官 【審査官】西山 義之
参考文献・文献 特開2007-320829(JP,A)
JEITSCHKO, W. et al.,Superconducting LaRu2P2 and other alkaline earth and rare earth metal ruthenium and osmium phosphides and arsenides with ThCr2Si2 structure,J. Solid State Chem.,1987年,Vol. 69, No. 1,p. 93-100
調査した分野 C01B 25/00-25/46
C01G 1/00
JSTPlus(JDreamIII)
特許請求の範囲 【請求項1】
化学式BaNi2Pn2[ただし、Pnは、P又はAsである。]で表され、NiPn層と
Baからなる金属層とが交互に重なる無限層結晶構造を有する化合物からなることを特徴
とする超伝導体。
【請求項2】
化学式BaNi2Pn2[ただし、Pnは、P又はAsである。]で表される化合物相を重
量分率で85%以上含有する焼結体からなることを特徴とする請求項1に記載の超伝導体

【請求項3】
原料混合粉末を真空中又は不活性ガス雰囲気中で、700~1200℃で焼結することを
特徴とする請求項に記載の超伝導体の製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、Niを骨格構造に有する層状化合物からなる超伝導体及びその製造方法に関
する。
【背景技術】
【0002】
高温超電導体(ペロブスカイト型銅酸化物)が発見されて以来、室温超伝導体を目指し
た材料の研究開発が活発に行われ、超伝導転移温度(Tc)が100Kを超える超伝導化合
物が見出された。
【0003】
ペロブスカイト型銅酸化物の超伝導発現機構についても理解が進んでいる(例えば、非
特許文献1、2)。また、銅以外の遷移金属イオンを含む化合物、又は新規化合物として
、Sr2RuO4(Tc=0.93K)(非特許文献3)、二ホウ化マグネシウム(Tc=
39K)(非特許文献4、特許文献1)、Na0.3CoO2・1.3H2O(Tc=5K)
(非特許文献5、特許文献2,3)などが新たに見出された。
【0004】
伝導帯バンド幅に比べて、伝導電子間の相互作用が大きな強相関電子系化合物は、d電
子の数が特定の値の場合に、高い超伝導転移温度を有する超伝導体となる可能性が高いこ
とが知られている。強相関電子系は、遷移金属イオンを骨格構造に有する層状化合物で実
現されている。こうした層状化合物の多くは、電気伝導性はモット絶縁体で、電子のスピ
ン同士には、反平行に配列しようとする反強磁性相互作用が作用している。
【0005】
しかし、例えば、ペロブスカイト型銅酸化物であるLa2CuO4では、La3+イオンサ
イトにSr2+イオンを添加したLa2-xSrxCuO4において、xの値が0.05から0
.28の範囲では、金属伝導を示す遍歴電子状態となり、低温で超伝導体状態が観測され
、x=0.15で最高のTc=40Kが得られている(非特許文献6)。
【0006】
超伝導転移温度Tc=110Kの(Sr1-xCax1-yCuO2+z超伝導体が1992年
に発見された(非特許文献7)。この超伝導体は、Cu-O2面と(Sr/Ca)層から成
るいわゆる『無限層構造』と呼ばれる単純な結晶構造を有している。この超伝導体は超高
圧ではじめて合成されたが、現在では、常圧でも合成することができる。しかし、酸素欠
損を制御するために、高圧合成が有利である。
【0007】
最近、本発明者らは、Feを主成分とする新しい強電子相関化合物、LaOFeP及び
LaOFeAsが超電導体であることを見出し、特許出願した(特許文献4)。強電子相
関系では、d電子の数が特定の値のとき、金属伝導を示す遍歴電子状態となり、温度を低
温にすると、ある特定温度(超伝導転移温度:Tc)以下で、超伝導状態へ転移する。さ
らに、この超伝導体の転移温度は伝導キャリアの数によって5Kから40Kまで変化する
。また、Hg、Ge3Nbなどの旧来の超電導体が、結晶格子の熱揺らぎ(格子振動)に
基づく電子対(クーパー対)が、超伝導発生機構(BCS機構)とされているのに対して
、強電子相関系での超伝導は、電子スピンの熱揺らぎに基づく電子対が、超伝導発生機構
とされている。
【0008】

【非特許文献1】津田惟雄、那須奎一郎、藤森敦、白鳥紀一 改訂版「電気伝導性酸化物」,pp.350~452,裳華房,(1993)
【非特許文献2】前川禎通,応用物理,Vol.75,No.1,pp.17-25,(2006)
【非特許文献3】Y.Maeno,H.Hashimoto,K.Yoshida,S.Nishizaki,T.Fujita,J.G.Bednorz, F.Lichenberg,Nature,372,pp.532-534,(1994)
【非特許文献4】J.Nagamatsu,N.Nakagawa,T.Muranaka,Y.Zenitani,J.Akimitsu,Nature,410,pp.63-64,(2001)
【非特許文献5】K.Takada,H.Sakurai,E.Takayama-Muromachi,F.Izumi,R.A.Dilanian, T.Sasaki,Nature,422,pp.53-55,(2003)
【非特許文献6】J.B.Torrance et al.,Phys.Rev.,B40,pp.8872-8877,(1989)
【非特許文献7】M.Azuma et al.,Nature,356,(1992),775
【特許文献1】特開2002-211916号公報
【特許文献2】特開2004-262675号公報
【特許文献3】特開2005-350331号公報
【特許文献4】特開2007-320829号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
超伝導技術の応用を飛躍的に広げるために、室温超伝導体の発見が強く望まれている。
層状ペロブスカイト型銅酸化物において、Tcが100Kを超える高温超伝導体が見出さ
れているが、まだ、室温超伝導体は見出されていない。室温超伝導体を開発するための一
つの方策は、ペロブスカイト型銅酸化物に代わる遷移金属元素を骨格構造に有する新しい
層状化合物群を見出し、電子濃度、格子定数などの物質パラメータを、Tcの高温化に対
して最適化し、それを実現する化合物組成を発見することである。また、近年では、He
循環方式での冷凍技術が進歩してきているため、大きな超伝導電流が得られる、臨界磁場
が大きい、線材化が容易であるなどの特徴を有する材料であれば、小型の磁石、モーター
などで超伝導体を実用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、先に、強電子相関化合物であるLn(TM)OPn化合物[Lnは、Y
及び希土類金属元素(La,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,
Er,Tm、Yb,Lu)の少なくとも一種であり、TMは,遷移金属元素(Fe,Ru
,Os,Ni,Pd,Pt)の少なくとも一種であり、Pnは、プニコゲン元素(N,P
,As,Sb)の少なくとも一種である。]からなる超伝導体を見出し、特許出願した(
特願2008-35977)。
【0011】
本発明者らは、さらに、化学式A(TM)2Pn2[ただし、Pnは、P又はAsである
。]化合物で示される層状化合物において、AをBaとし、TMをNiとする超伝導体を
実現した。
【0012】
本発明の超伝導体を構成する化合物は、NiPn層とBa元素からなる金属結合からな
る層が、交互に積層された構造を有している。NiPn層では、Ni元素とPn元素が共
有結合しており、電子は自由に元素間を動きまわり、金属的な電気伝導性を有する。また
、電気伝導又は超伝導に寄与する電子は、NiPn層内に2次元的に閉じ込められている
。Cu酸化物超伝導体では、こうした構造を有する化合物は、「無限層結晶構造化合物」
と呼ばれている。
【0013】
化学式A(TM)2Pn2において、Aを、Baと、長周期型周期表の1族、又は3族の
いずれか一族の少なくとも1種の元素の組み合わせとし、TMをNiとすることにより電
子又はホールを伝導層の(TM)Pnにドープすることができる。
【0014】
さらに、化学式A(TM)2Pn2において、Aを、Baと、長周期型周期表の2族の元
素のBa以外の少なくとも1種との組み合わせとし、TMをNiとすることにより、電気
陰性度の違いにより、A層内に、余分の電子又はホールが発生し、該電子又はホールは、
NiPn層に移動し、その結果、伝導層のNiPnに、電子又はホールをドープすること
ができる。
【0015】
BaNi2Pn2の結晶中には、Ln(TM)OPnの結晶構造にも含まれ、超伝導発現
に重要な寄与をする金属的な電気伝導を示すNiPn層を有している。該NiPn層は
にPnが四配位し歪んだ四面体構造を有しており、該Ni-Pn4四面体が稜を共有し
て連なることによりiPn層が構成されている。Baと、上記元素の組み合わせを適切
に選択することにより、該NiPn層の電荷や層間の距離、層内のNiNi距離、Ni
-Pn4四面体の歪みを制御することができる。これらの変化は、NiPn層の電子状態
に影響を及ぼし、結果として超伝導状態に影響を及ぼす。
【0016】
超伝導状態は、NiPn層のd電子間の磁気相互作用が適度の大きさのときに実現する
。該磁気相互作用が大きすぎると、磁気整列状態が実現し、超伝導状態は実現しない。ま
た、該磁気相互作用が小さすぎると、低温まで常伝導状態が維持され、超伝導状態は実現
しない。該磁気相互作用は、Ni元素の磁気モーメント、電子の数、Ni元素とPn元素
間の共有結合度の度合い、Ni元素間の磁気相互作用の大きさと符合、該元素間の距離な
どで、決められる。
【0017】
本発明の超伝導体は、原料混合粉末を真空中又は不活性ガス雰囲気中で、700~12
00℃で焼結し、化学式BaNi2Pn2で表される化合物相を重量分率で85%以上含有
する焼結体を製造する等の方法で製造することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、公知の超伝導体と異なり、遷移金属元素としてNiを含むプニクタイドから
なる新しい系の超伝導体を提供する。この超伝導体は、A元素からなる層がBa金属から
構成されるために、金属的な機械特性を有し、線材化が容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1(b)に、本発明の超伝導体の属するA(TM)2Pn2で示される層状化合物の結
晶構造モデルを示す。図1(a)に、LnTMOPn化合物の結晶構造モデルを対比して示
す。A(TM)2Pn2で示される化合物は、ThCr2Si2型結晶構造を有し、(TM)
Pn層とA元素からなる金属層とが交互に重なる構造であり、絶縁層が存在しない。この
金属層は、A元素サイトの半分しかA元素で占められていないために、化学式が、A1/2
(TM)Pn=A(TM)2Pn2となる。Cu酸化物超伝導体では、こうした構造の化合
物は、無限層結晶構造を有するので「無限層化合物」と呼ばれていることから、本明細書
でも、「無限層化合物」と名づける。
【0020】
無限層構造のA(TM)2Pn2化合物には、正方結晶構造とオルソロンビック結晶構造
のものがあるが、該化合物を線材化する場合は、粒界での超伝導相を連続的にする点で、
(TM)Pn層内の2つの結晶軸が等価な正方晶が好ましい。
【0021】
化学式A(TM)2Pn2で示される化合物中のA元素は、1族元素として、Na,K,
Rb,Cs,が挙げられ、2族元素として、Be,Mg,Ca,Sr,Ba,が挙げられ
、3族元素として、Sr,Y,希土類金属(原子番号57~71)が挙げられる。原子番
号の大きな元素では、化学結合に関与する電子(6s、6p電子)の軌道半径が大きく、
お互いの電子軌道の重なりが大きくなり、電子の移動度が大きくなり、A元素からなる金
属層の電気伝導度が良くなり、超伝導出現に適している。この観点からは、Cs,Ba,
Laが望ましいが、Csは結合に関与する電子が、元素当たり一個で、結合が弱く、La
は、該電子が3個で、結合が強すぎるため、その中間にあるBaがも望ましい。
【0022】
また、Baと、1族のNa,K,Rb,Csや3族のSr,Y,La,Luの混晶でも
よい。混晶にすることは、(TM)2Pn2層に電子又はホールをドープするため、さらに
、格子定数を最適化する点で好ましい。A元素が磁性電子を有すると、Tcの高温化を阻
害するので、不完全f殻を有する希土類金属元素は好ましくない。
【0023】
超伝導相を実現するためには、元素の磁気モーメントを磁気整列状態が出現しない程度
に小さく、また、磁気揺らぎができるだけ大きくなるような大きな値に最適化する必要が
ある。このために、少なくとも、TMのd電子数は、電子の持つスピン磁気モーメントが
相殺できるように、偶数であることが必要である。すなわち、本発明の超伝導体を実現す
る化合物の無限層結晶構造では、TMは、Fe,Ru,Os,Ni,Pd,Ptの遷移金
属から選ばれる少なくとも1種の元素であることが必要である。Fe,Niは、3d電子
の軌道が適度に局在性の点で好ましい。4d及び5d電子を有するRu,Os,Pd,P
tは、電子の有効質量が大きくなり、いわゆるヘビーフェルミオンとなり、Tcの高温化
を阻害する。
【0024】
Pnは、N,P,As,Sb,Biから選ばれる少なくとも1種の長周期型周期表の1
5族元素であり、これらの元素はプニコゲン元素と言われる。Nは、(TM)n層での伝
導電子が局在化しやすく、超伝導転移温度の高温化がむずかしい。Sb,Biは、A(T
M)2Pn2を得るために高温での化学反応が必要であり、合成するのが困難である。この
点から、プニコゲン元素としては、P又はAsが望ましい。化学式A(TM)2Pn2で示
される化合物の具体例としては、例えば、BaNi22,BaFe2As2,SrNi22
,SrNi2As2,SrCu2As2等が挙げられる。
【0025】
直接、NiPn層に電荷の異なる元素を添加して、電子及びホールを該NiPn層にド
ープすることも可能であるが、超伝導はNiPn層に由来しているため、こうした直接的
ドープ方法は超伝導特性を著しく劣化させるので、Tcの高温化の観点からは、好ましく
ない。
【0026】
化学式BaNi2Pn2で示される化合物は、Ba元素単体、Ni元素単体、プニコゲン
元素単体、及びNi3Pn2化合物を、BaNi、Pnの原子比が、1:2:2になるよ
うに混合した原料粉末を真空中又は不活性ガス雰囲気中で、加熱反応により生成するBa
Ni2Pn2相の重量分率が85%程度以上となるように高温、好ましくは、700~12
00℃程度で十分な時間焼結する工程により合成できる。得られた焼結体は、直径10ミ
クロンメーター程度の粒子から構成されるが、それらの粒子は、単結晶である場合がある
。したがって、単結晶粒子を該焼成体から選別して取り出すことで、単結晶試料を得るこ
とができる。
【0027】
例えば、BaNi2Pn2化合物の構成元素の金属単体、プニコゲン元素を化学当量比に
混合した粉体を、石英管中に真空封入し、原料の融点から充分に低い300~500℃で
10~30時間保ち、予備反応を生じさせて仮焼結し、引き続き700~1200℃、よ
り好ましくは900~1000℃の温度で10~20時間保持して焼結体を作成する。
【0028】
粒子径が大きく、さらに、粒子内で結晶化が進んだ焼結体を得るために、より好ましく
は、焼結体を一度室温に冷却して、真空中又は不活性雰囲気で粉砕して粉末にした後、粉
末をプレス機を用いてペレット化し、該ペレットを、再度真空中又は不活性ガス雰囲気中
で、700~1200℃の温度で10~20時間保持して焼結すればよい。700℃未満
では原料間の反応が進まず、BaNi2Pn2相が得られない。1200℃を超えると、
aNi2Pn2相以外の異相化合物の生成量が増加するので好ましくない。
【実施例1】
【0029】
次に、実施例により、本発明を詳細に説明する。
(BaNi22焼結多結晶体の合成)
Ba(ジョンソン・マッセ社純度99.9%)、P(レアメタリック社9.9999%
)、Ni(ニラコ社99.9%)を、ドライな不活性ガス雰囲気中で、それぞれ微粉末化
し、さらに、化学当量比に混合後プレスして、ペレットを作製した。該ペレットを石英管
に真空封入し、(1)400℃で12時間焼成、さらに(2)1000℃に昇温し、12
時間保持し焼結体を製造した。該焼結体を、室温に冷却し、粉砕し、プレスして、ペレッ
トを作成し、真空中で、1000℃、12時間保持し焼結体を製造した。
【0030】
得られた焼結体は、図2に示すX線回折(XRD)パターンから、少量のBaNi95
Ba(PO32,BaNi2(PO42を含むものの、主にBaNi22多結晶であるこ
とが示された。リートベルト解析から見積もられたBaNi95,Ba(PO32,Ba
Ni2(PO42の重量分立はそれぞれ9%、2%、1%であった。
【0031】
上記で得られたBaNi22焼結多結晶体の電気抵抗を、スパッタリングで製膜した金
薄膜と銀ペーストで電極を形成し、四端子法により、1.9Kから300Kの範囲で測定
した。また、試料振動型磁化測定装置(VSM装置)を用いて、磁気モーメントを1.9~
10Kの温度範囲で測定した。これらの測定には、Quantum Design Physical 社のPPM
S装置を用いた。
【0032】
図3の内挿図に電気抵抗の磁場依存性を示すように、2~3T(K)で電気抵抗は ゼ
ロとなった。また、図4に示すように、帯磁率の温度変化、磁気モーメントの磁場依存性
(内挿図)からTcが約3T(K)であることが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明の超伝導体は、銅系高温超伝導体など従来の超伝導体に比較して、線材化し易く、
小型モーター、磁石などの線材として用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の超伝導体を構成する化合物の属する結晶構造(b)とLn(TM)OPn化合物の結晶構造(a)のモデル図である。
【図2】実施例1で得られた焼結体のX線回折パターンである。
【図3】実施例1で得られた焼結体の電気抵抗の温度変化を示すグラフである。
【図4】実施例1で得られた焼結体の帯磁率の温度変化及び磁気モーメントの磁場依存性を示すグラフである。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3