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明細書 :画像処理装置、方法およびプログラム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4650958号 (P4650958)
公開番号 特開2010-124346 (P2010-124346A)
登録日 平成22年12月24日(2010.12.24)
発行日 平成23年3月16日(2011.3.16)
公開日 平成22年6月3日(2010.6.3)
発明の名称または考案の名称 画像処理装置、方法およびプログラム
国際特許分類 H04N   1/40        (2006.01)
G06T   7/00        (2006.01)
FI H04N 1/40 F
G06T 7/00 200Z
請求項の数または発明の数 12
全頁数 11
出願番号 特願2008-297487 (P2008-297487)
出願日 平成20年11月21日(2008.11.21)
審査請求日 平成20年11月21日(2008.11.21)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】寅市 和男
【氏名】李 佳
個別代理人の代理人 【識別番号】100103171、【弁理士】、【氏名又は名称】雨貝 正彦
審査官 【審査官】松尾 淳一
参考文献・文献 特開平11-213090(JP,A)
特開平11-353472(JP,A)
特開平11-353473(JP,A)
特開2005-072635(JP,A)
特開2005-210650(JP,A)
調査した分野 G06T 1/00- 1/40
G06T 3/00- 3/60
G06T 5/00- 5/50
G06T 7/00- 7/60
G06T 9/00- 9/40
H04N 1/40- 1/409
H04N 1/46- 1/60
特許請求の範囲 【請求項1】
複数の画素からなる画像の入力を行う画像入力手段と、
前記画像入力手段によって入力された画像を構成する複数の画素のそれぞれの画素値に基づいて、これら複数の画素のそれぞれについてラベル付けを行うラベル付け処理手段と、
前記ラベル付け処理手段によって付与されたラベルの内容に基づいて、前記複数の画素の一部によって構成される複数の部分画像を分類し、これら複数の部分画像を分離する画像分離手段と、
を備え、前記ラベル付け処理手段は、ラベル付け対象となる複数の画素のそれぞれについて、すでにラベルが付された隣接画素であって画素値の差が第1の閾値以下である同じ色の隣接画素がある場合にこの隣接画素と同じラベルを付与し、このような隣接画素がない場合には新たなラベルを付与し、ラベル付け対象となる複数の画素のそれぞれについてのラベル付けが終了した後、同一ラベルが付された領域に含まれる画素数が第2の閾値よりも少ない領域について、この領域に含まれる各画素のラベルを、この領域が濃淡画像であることを示す新たなラベルに付け替えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記新たなラベルは、前記第2の閾値よりも少ない画素数の領域が複数存在する場合に、これら複数の領域のそれぞれに対応して同じ値を有しており、
前記画像分離手段は、前記新たなラベルに付け替えられた領域を濃淡画像とし、その他のラベルが付された領域を文字・イラスト画像として分離することを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記濃淡画像に対応する領域の端部を輪郭線として抽出する画像処理手段をさらに備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項2において、
前記文字・イラスト画像について、同一ラベルが付された領域の端部を輪郭線として抽出する画像処理手段をさらに備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
画像入力手段、ラベル付け処理手段、画像分離手段を備える画像処理装置における画像処理方法であって、
複数の画素からなる画像の入力を前記画像入力手段を用いて行う画像入力ステップと、
前記画像入力手段によって入力された画像を構成する複数の画素のそれぞれの画素値に基づいて、これら複数の画素のそれぞれについてラベル付けを前記ラベル付け処理手段を用いて行うラベル付け処理ステップと、
前記ラベル付け処理手段によって付与されたラベルの内容に基づいて、前記複数の画素の一部によって構成される複数の部分画像を分類し、これら複数の部分画像を分離する処理を前記画像分離手段を用いて行う画像分離ステップと、
を有し、前記ラベル付け処理ステップでは、ラベル付け対象となる複数の画素のそれぞれについて、すでにラベルが付された隣接画素であって画素値の差が第1の閾値以下である同じ色の隣接画素がある場合にこの隣接画素と同じラベルを付与し、このような隣接画素がない場合には新たなラベルを付与し、ラベル付け対象となる複数の画素のそれぞれについてのラベル付けが終了した後、同一ラベルが付された領域に含まれる画素数が第2の閾値よりも少ない領域について、この領域に含まれる各画素のラベルを、この領域が濃淡画像であることを示す新たなラベルに付け替えることを特徴とする画像処理方法。
【請求項6】
請求項5において、
前記新たなラベルは、前記第2の閾値よりも少ない画素数の領域が複数存在する場合に、これら複数の領域のそれぞれに対応して同じ値を有しており、
前記画像分離ステップでは、前記新たなラベルに付け替えられた領域を濃淡画像とし、その他のラベルが付された領域を文字・イラスト画像として分離することを特徴とする画像処理方法。
【請求項7】
請求項6において、
前記濃淡画像に対応する領域の端部を輪郭線として抽出する処理を画像処理手段を用いて行う画像処理ステップをさらに有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項8】
請求項6において、
前記文字・イラスト画像について、同一ラベルが付された領域の端部を輪郭線として抽出する処理を画像処理手段を用いて行う画像処理ステップをさらに有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項9】
コンピュータを、
複数の画素からなる画像の入力を行う画像入力手段と、
前記画像入力手段によって入力された画像を構成する複数の画素のそれぞれの画素値に基づいて、これら複数の画素のそれぞれについてラベル付けを行うラベル付け処理手段と、
前記ラベル付け処理手段によって付与されたラベルの内容に基づいて、前記複数の画素の一部によって構成される複数の部分画像を分類し、これら複数の部分画像を分離する画像分離手段と、
して機能させるための画像処理プログラムであって、
前記ラベル付け処理手段は、ラベル付け対象となる複数の画素のそれぞれについて、すでにラベルが付された隣接画素であって画素値の差が第1の閾値以下である同じ色の隣接画素がある場合にこの隣接画素と同じラベルを付与し、このような隣接画素がない場合には新たなラベルを付与し、ラベル付け対象となる複数の画素のそれぞれについてのラベル付けが終了した後、同一ラベルが付された領域に含まれる画素数が第2の閾値よりも少ない領域について、この領域に含まれる各画素のラベルを、この領域が濃淡画像であることを示す新たなラベルに付け替えることを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項10】
請求項9において、
前記新たなラベルは、前記第2の閾値よりも少ない画素数の領域が複数存在する場合に、これら複数の領域のそれぞれに対応して同じ値を有しており、
前記画像分離手段は、前記新たなラベルに付け替えられた領域を濃淡画像とし、その他のラベルが付された領域を文字・イラスト画像として分離することを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項11】
請求項10において、
コンピュータを、前記濃淡画像に対応する領域の端部を輪郭線として抽出する画像処理手段としてさらに機能させるための画像処理プログラム。
【請求項12】
請求項10において、
コンピュータを、前記文字・イラスト画像について、同一ラベルが付された領域の端部を輪郭線として抽出する画像処理手段としてさらに機能させるための画像処理プログラム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、画像の分類を行う画像処理装置、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、画像に含まれるエッジ部を2回微分係数に基づいて抽出し、抽出したエッジ部で囲まれた領域毎に画像を分類するようにした画像処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。

【特許文献1】特開2003-317096号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、特許文献1に開示された従来手法では、エッジ部によって区画される画像毎に分類を行うものであり、書類等に異なる特徴の画像が混在するような場合であっても、画像の特徴に合わせた画像の分類を行うことができないという問題があった。このため、例えば、文字、イラスト、濃淡画像(例えば、写真)などの特徴が異なる画像毎に圧縮方法を異ならせようとすると、圧縮処理の前に画像の特徴を判定する処理が必要になり、処理が煩雑になる。
【0004】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、画像の特徴に合わせて画像の分類を行うことができる画像処理装置、方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明の画像処理装置は、複数の画素からなる画像の入力を行う画像入力手段と、画像入力手段によって入力された画像を構成する複数の画素のそれぞれの画素値に基づいて、これら複数の画素のそれぞれについてラベル付けを行うラベル付け処理手段と、ラベル付け処理手段によって付与されたラベルの内容に基づいて、複数の画素の一部によって構成される複数の部分画像を分類し、これら複数の部分画像を分離する画像分離手段とを備えている。
【0006】
また、本発明の画像処理方法は、画像入力手段、ラベル付け処理手段、画像分離手段を備える画像処理装置における画像処理方法であって、複数の画素からなる画像の入力を画像入力手段を用いて行う画像入力ステップと、画像入力手段によって入力された画像を構成する複数の画素のそれぞれの画素値に基づいて、これら複数の画素のそれぞれについてラベル付けをラベル付け処理手段を用いて行うラベル付け処理ステップと、ラベル付け処理手段によって付与されたラベルの内容に基づいて、複数の画素の一部によって構成される複数の部分画像を分類し、これら複数の部分画像を分離する処理を画像分離手段を用いて行う画像分離ステップとを有している。
【0007】
また、本発明の画像処理プログラムは、コンピュータを、複数の画素からなる画像の入力を行う画像入力手段と、画像入力手段によって入力された画像を構成する複数の画素のそれぞれの画素値に基づいて、これら複数の画素のそれぞれについてラベル付けを行うラベル付け処理手段と、ラベル付け処理手段によって付与されたラベルの内容に基づいて、複数の画素の一部によって構成される複数の部分画像を分類し、これら複数の部分画像を分離する画像分離手段として機能させる。
【0008】
画素値に基づいて複数の画像を分離することにより、画像の特徴(内容)に合わせて画像を分類することが可能となる。
【0009】
特に、上述したラベル付け処理手段は、ラベル付け対象となる複数の画素のそれぞれについて、すでにラベルが付された隣接画素であって画素値の差が第1の閾値以下である同じ色の隣接画素がある場合にこの隣接画素と同じラベルを付与し、このような隣接画素がない場合には新たなラベルを付与し、ラベル付け対象となる複数の画素のそれぞれについてのラベル付けが終了した後、同一ラベルが付された領域に含まれる画素数が第2の閾値よりも少ない領域について、この領域に含まれる各画素のラベルを、この領域が濃淡画像であることを示す新たなラベルに付け替える。あるいは、上述したラベル付け処理ステップでは、ラベル付け対象となる複数の画素のそれぞれについて、すでにラベルが付された隣接画素であって画素値の差が第1の閾値以下である同じ色の隣接画素がある場合にこの隣接画素と同じラベルを付与し、このような隣接画素がない場合には新たなラベルを付与し、ラベル付け対象となる複数の画素のそれぞれについてのラベル付けが終了した後、同一ラベルが付された領域に含まれる画素数が第2の閾値よりも少ない領域について、この領域に含まれる各画素のラベルを、この領域が濃淡画像であることを示す新たなラベルに付け替える。これにより、各画素の色を基準にした画像の特徴を把握することが可能になる。
【0010】
また、色の変化が激しい領域とそうでない領域とを区別することが可能になる。
【0011】
また、上述した新たなラベルは、第2の閾値よりも少ない画素数の領域が複数存在する場合に、これら複数の領域のそれぞれに対応して同じ値を有しており、画像分離手段は、新たなラベルに付け替えられた領域を濃淡画像とし、その他のラベルが付された領域を文字・イラスト画像として分離することが望ましい。あるいは、上述した画像分離ステップでは、新たなラベルに付け替えられた領域を濃淡画像とし、その他のラベルが付された領域を文字・イラスト画像として分離することが望ましい。これにより、色の変化の状態に基づいて濃淡画像と文字・イラスト画像とを分離することが可能となる。
【0012】
また、上述した濃淡画像に対応する領域の端部を輪郭線として抽出する画像処理手段をさらに備えることが望ましい。あるいは、上述した濃淡画像に対応する領域の端部を輪郭線として抽出する処理を画像処理手段を用いて行う画像処理ステップをさらに有することが望ましい。これにより、濃淡画像の輪郭を容易に抽出することができる。
【0013】
また、上述した文字・イラスト画像について、同一ラベルが付された領域の端部を輪郭線として抽出する画像処理手段をさらに備えることが望ましい。あるいは、上述した文字・イラスト画像について、同一ラベルが付された領域の端部を輪郭線として抽出する処理を画像処理手段を用いて行う画像処理ステップをさらに有することが望ましい。これにより、文字・イラスト画像に含まれる各色毎の領域の輪郭を容易に抽出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を適用した一実施形態の画像処理装置について、図面に基づいて詳細に説明する。
【0015】
図1は、一実施形態の画像処理装置の構成を示す図である。図1に示すように、本実施形態の画像処理装置は、画像入力部10、入力画像格納部12、ラベル付け処理部20、条件設定部22、操作部24、ラベル格納部30、文字・イラスト画像分離部40、濃淡画像分離部42、文字・イラスト画像格納部50、濃淡画像格納部52、文字・イラスト画像処理部60、濃淡画像処理部62を含んで構成されている。
【0016】
画像入力部10は、所定の解像度の画像データを取り込むためのものである。この画像データは、水平方向と垂直方向のそれぞれに沿って等間隔に配置された複数の画素からなる画像に対応するものである。また、各画素値が多値データ(例えばRGBのそれぞれに所定ビット数が対応したRGBデータ)で表されているものとする。
【0017】
具体的には、紙原稿に描かれた画像を所定の解像度で光学的に読み取るスキャナを画像入力部10として用いることができる。あるいは、CDやDVD等の挿抜可能な記憶媒体に記録された画像データを取り込む場合には、これらの記憶媒体のドライブ装置(読み取り装置)を画像入力部10として用いることができる。半導体メモリやハードディスク装置に記録された画像データを取り込む場合には、これらを接続する入出力インタフェースを画像入力部10として用いることができる。また、インターネットやその他のネットワーク、あるいは電話回線等を介した通信によって画像データを取り込む場合には、回線の種類等に応じた通信装置を画像入力部10として用いることができる。また、放送による配信によって画像データを取り込む場合には、放送の形態に応じた受信装置を画像入力部10として用いることができる。入力画像格納部12は、画像入力部10によって取り込まれた画像データを格納する。
【0018】
ラベル付け処理部20は、入力画像格納部12に格納された画像データを構成する各画素の画素値を読み出して、周囲の画素の画素値に基づいて、各画素に対するラベル付けを行う。条件設定部22は、ラベル付け処理部20によるラベル付け処理に必要な条件を設定する。例えば、この条件として、同一のラベルを付与するか否かの画素値の基準となる閾値(第1の閾値)や、文字・イラスト画像と濃淡画像の切り分けを行う面積の基準となる閾値(第2の閾値)などが、条件設定部22によって設定される。ラベルおよびラベル付けの具体例については後述する。操作部24は、条件設定部22による条件の設定に際して、利用者の指示入力を行うためのものである、例えば、閾値を入力するテンキーや閾値を選択するマウスなどが操作部24として用いられる。ラベル格納部30は、各画素毎に付されたラベルを格納する。
【0019】
文字・イラスト画像分離部40は、入力画像格納部12に格納されている画像データの中から文字・イラスト画像に対応する部分を分離する。同様に、濃淡画像分離部42は、入力画像格納部12に格納されている画像データの中から濃淡画像に対応する部分を分離する。これらの文字・イラスト画像の分離や濃淡画像の分離は、ラベル格納部30に格納されているラベルに基づいて行われる。文字・イラスト画像分離部40によって分離された文字・イラスト画像に対応する画像データは文字・イラスト画像格納部50に格納される。また、濃淡画像分離部42によって分離された濃淡画像に対応する画像データは濃淡画像格納部52に格納される。
【0020】
文字・イラスト画像処理部60は、文字・イラスト画像格納部50に格納された画像データを読み出して、輪郭線抽出を含む文字・イラスト画像に対する所定の処理を行う。濃淡画像処理部62は、濃淡画像格納部52に格納された画像データを読み出して、輪郭線抽出を含む濃淡画像に対する所定の処理を行う。なお、これらの画像処理の内容は、具体的な目的等によって適宜決定される。例えば、各画像を拡大して表示する場合には、画素数を増加させる補間処理が上記画像処理として行われる。また、通信回線を介して送信する場合には、その前処理として各画像の画像データを圧縮する処理が上記画像処理として行われる。
【0021】
上述した画像入力部10が画像入力手段に、ラベル付け処理部20がラベル付け処理手段に、文字・イラスト画像分離部40、濃淡画像分離部42が画像分離手段に、文字・イラスト画像処理部60、濃淡画像処理部62が画像処理手段にそれぞれ対応する。また、画像入力部10による動作が画像入力ステップの動作に、ラベル付け処理部20による動作がラベル付け処理ステップの動作に、文字・イラスト画像分離部40、濃淡画像分離部42のそれぞれによる動作が画像分離ステップの動作に、文字・イラスト画像処理部60、濃淡画像処理部62のそれぞれによる動作が画像処理ステップの動作にそれぞれ対応する。
【0022】
また、上述した画像処理装置は、CPU、ROM、RAM等を備えたコンピュータの構成によって実現することができる。この場合に、入力画像格納部12やラベル格納部30、文字・イラスト画像格納部50、濃淡画像格納部52はハードディスク装置や半導体メモリによって構成することが可能である。画像入力部10、ラベル付け処理部20、条件設定部22、文字・イラスト画像分離部40、濃淡画像分離部42、文字・イラスト画像処理部60、濃淡画像分離部62は、ROMやRAMあるいはハードディスク装置等に格納された所定の画像処理プログラムをCPUで実行することにより実現することができる。
【0023】
本実施形態の画像処理装置はこのような構成を有しており、次にその動作を説明する。図2は、本実施形態の画像処理装置の動作手順を示す流れ図であり、文字・イラスト画像分離部40および濃淡画像分離部42による画像の分離処理までの動作手順が示されている。
【0024】
最初に、分類条件の設定が行われる(ステップ100)。分類条件とは、入力画像に文字・イラスト画像と濃淡画像が含まれる場合に、これらを別々の画像として分類するための条件である。具体的には、上述したラベル付け処理部20によって行われるラベル付け処理に必要な条件(第1および第2の閾値)が条件設定部22によって行われる。利用者は、操作部24を用いて条件の内容を指示することができる。但し、一般的な画像に適した第1および第2の閾値(推奨値)が予め設定されており、これらの推奨値を変更しない場合には、利用者による指示は省略することができる。次に、画像入力部10を用いて分類対象の画像の入力が行われ、この画像に対応する所定解像度の画像データが入力画像格納部12に格納される(ステップ101)。
【0025】
次に、ラベル付け処理部20は、入力画像格納部12に格納された分類対象の画像の画像データの中から、ラベル付け対象となる1画素の画像データ(画素値)を読み出し(ステップ102)、この画素の近傍に同じ色でラベル付きの画素があればこの近傍の画素と同じラベルを付ける処理を行い、なければ新しいラベルを付ける(ステップ103)。例えば、ラベル付け対象となる1画素を囲む8個の画素が近傍の画素となる。また、同じ色であるか否かは、ラベル付け対象の画素の画素値と近傍画素の画素値との差と、条件設定部22によって設定された第1の閾値とを比較することにより行われ、これらの画素値の差が第1の閾値以下であれば、同じ色であるとして、近傍画素に付されているラベルと同じラベルがラベル付け対象の画素に付される。一方、これらの画素値の差が第1の閾値よりも大きい場合には、異なる色であるとして、新しいラベル(今までのラベル付けで使用していないラベル)がラベル付け対象の画素に付される。また、ステップ103におけるラベル付け処理では、1よりも大きい整数がラベルとして用いられる。なお、画素値がRGBデータで表されている場合にはR、G、Bの各成分について、ラベル付け対象の画素の画素値と近傍画素の画素値との差が求められ、その中で最も差の値が大きい成分についてステップ103のラベル付け処理が行われる。
【0026】
1画素についてラベル付けが終了すると、次にラベル付け処理部20は、未処理の(ラベル付けが行われていない)画素があるか否かを判定する(ステップ104)。未処理の画素がある場合には肯定判断が行われ、ステップ103に戻って、未処理の1画素に対応するラベル付けが行われる。
【0027】
このようにして、例えば、最初の画素に対してラベル付けを行う場合には、1より大きい最小の整数である「2」がラベルとして付与される。次に、色が異なる画素に対してラベル付けを行う場合には、2より大きい最小の整数である「3」がラベルとして用いられる。以後、同様にして、色が異なる画素が現れる毎に、それまでに用いられていない最小の整数がラベルとして用いられる。
【0028】
全ての画素についてラベル付けが終了するとステップ104の判定において否定判断が行われる。次に、ラベル付け処理部20は、同じラベル付けがなされた領域(部分画像)の画素数を計算し(ステップ105)、この画素数が条件設定部22によって設定された第2の閾値よりも少ないか否かを判定する(ステップ106)。少ない場合(領域の面積が小さい場合)には肯定判断が行われ、ラベル付け処理部20は、この領域に含まれる全ての画素に付されたラベルを新たなラベル「1」に変更する(ステップ107)。一方、多い場合(領域の面積が大きい場合)にはステップ106の判定において否定判断が行われる。この場合には、ステップ107のラベルの変更処理がスキップ(省略)される。
【0029】
次に、ラベル付け処理部20は、未処理の領域(画素数の判定を行っていない領域)があるか否かを判定する(ステップ108)。未処理の領域がある場合には肯定判断が行われ、ステップ105に戻って、未処理の領域に対する画素数判定およびラベル「1」への変更等が行われる。未処理の領域がない場合にはステップ108の判定において否定判定が行われる。
【0030】
次に、文字・イラスト画像分離部40および濃淡画像分離部42による文字・イラスト画像と濃淡画像の分類(分離)が行われる(ステップ109)。具体的には、文字・イラスト画像分離部40は、「1」以外のラベル(2以上のラベル)が付された領域を文字・イラスト画像として抽出する。また、濃淡画像分離部42は、ラベル「1」が付された領域を濃淡画像として抽出する。ラベル「1」が付された領域とは、同じ色に対応して同じラベルが付された領域の内、面積の小さな領域であり、濃淡画像のように色が徐々に変化するような場合にはこのようなラベル付けがなされる。本実施形態では、ラベル「1」が付された領域を濃淡画像として抽出している。
【0031】
このようにして、ラベルの内容に基づいて文字・イラスト画像と濃淡画像の分離が行われる。文字・イラスト画像処理部60は、分離された文字・イラスト画像の輪郭線を抽出した後、抽出した輪郭線で区画される各領域に対する各種の画像処理を行う。輪郭線の抽出は、同じラベルが付された領域の端部に位置する画素を抽出して連結することにより行われる。具体的には、周囲の8画素について同じラベルが付されている場合には、その8画素の中心に位置する画素は輪郭線に含まれていないと判定される。反対に、周囲の8画素のラベルが全て同じでない場合(周囲に8画素が存在しない場合を含む)には、その8画素の中心に位置する画素は輪郭線に含まれていると判定される。文字・イラスト画像を構成する全ての画素について上記の判定を行うことにより、同一ラベルが付された各領域毎に輪郭線を構成する画素の抽出が行われる。
【0032】
また、濃淡画像処理部62は、分離された濃淡画像の輪郭線を抽出した後、抽出された輪郭線で囲まれた領域(濃淡画像)に対する各種の画像処理を行う。輪郭線の抽出は、ラベル「1」が付された領域の端部に位置する画素を抽出して連結することにより行われる。具体的には、周囲の8画素について同じラベル「1」が付されている場合には、その8画素の中心に位置する画素は輪郭線に含まれていないと判定される。反対に、周囲の8画素のラベルが全て「1」でない場合(周囲に8画素が存在しない場合を含む)には、その8画素の中心に位置する画素は輪郭線に含まれていると判定される。濃淡画像を構成する全ての画素について上記の判定を行うことにより、ラベル「1」が付された領域(濃淡画像)について、輪郭線を構成する画素の抽出が行われる。
【0033】
このように、本実施形態の画像処理装置では、画素値に基づいて複数の画像を分離することにより、画像の特徴(内容)に合わせて画像を分類することが可能となる。また、各画素の色を基準にして、画像の特徴を把握することが可能になる。特に、色の変化が激しい領域とそうでない領域とを区別し、色の変化の状態に基づいて濃淡画像と文字・イラスト画像とを分離することが可能となる。さらに、濃淡画像の輪郭や文字・イラスト画像に含まれる各色毎の領域の輪郭を容易に抽出することができる。
【0034】
図3は、画像分類の具体例を示す図である。図3(A)には入力画像の具体例が示されている。図3(A)に示す入力画像には、3つの領域S1、S2、S3が含まれている。領域S1は、文字P1を含み、背景は単一色(例えば白)を有する。領域S2は、色付きの濃淡画像(濃淡画像に対応する部分にハッチングが付されている)を含んでいる。領域S3は、イラストP2と文字P3を含み、背景は単一色(例えば白)を有する。このような画像が入力されると、ラベル付け処理部20は、領域S1、S3内の文字P1、P3、イラストP2および背景のそれぞれについて「1」以外のラベル付けを行い、領域S2に含まれる濃淡画像についてラベル「1」を付ける。文字・イラスト画像分離部40は、ラベル付け処理部20によって付されたラベルの内容に基づいて、領域S1、S3を文字・イラスト画像として分離する(図3(B))。また、濃淡画像分離部42は、ラベル付け処理部20によって付されたラベルの内容に基づいて、領域S2を濃淡画像として分離する(図3(C))。
【0035】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施形態では、各画素がRGBデータで表されている場合を考えたが、各画素が1種類の多値データ(例えば、白黒の濃淡を示す多値データ)で表されている場合であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】一実施形態の画像処理装置の構成を示す図である。
【図2】本実施形態の画像処理装置の動作手順を示す流れ図である。
【図3】画像分類の具体例を示す図である。
【符号の説明】
【0037】
10 画像入力部
12 入力画像格納部
20 ラベル付け処理部
22 条件設定部
24 操作部
30 ラベル格納部
40 文字・イラスト画像分離部
42 濃淡画像分離部
50 文字・イラスト画像格納部
52 濃淡画像格納部
60 文字・イラスト画像処理部
62 濃淡画像処理部
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2