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明細書 :画像処理装置および方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4531835号 (P4531835)
公開番号 特開2010-130599 (P2010-130599A)
登録日 平成22年6月18日(2010.6.18)
発行日 平成22年8月25日(2010.8.25)
公開日 平成22年6月10日(2010.6.10)
発明の名称または考案の名称 画像処理装置および方法
国際特許分類 H04N   1/387       (2006.01)
G06T   3/40        (2006.01)
FI H04N 1/387 101
G06T 3/40 C
請求項の数または発明の数 13
全頁数 15
出願番号 特願2008-305828 (P2008-305828)
出願日 平成20年12月1日(2008.12.1)
審査請求日 平成20年12月1日(2008.12.1)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】寅市 和男
【氏名】李 佳
【氏名】大宮 康宏
個別代理人の代理人 【識別番号】100103171、【弁理士】、【氏名又は名称】雨貝 正彦
審査官 【審査官】白石 圭吾
参考文献・文献 特開2005-117501(JP,A)
調査した分野 H04N 1/38 - 1/393
G06T 3/40
特許請求の範囲 【請求項1】
所定範囲において2変数によって標本位置および補間位置が特定される標本化関数について、複数の標本位置およびこれらの標本位置間を分割した位置のそれぞれに対応して前記所定範囲に含まれる複数の関数値を記憶する標本化関数値記憶手段と、
前記2変数によって位置が特定される画素の画素値を含む画像データを取り込んで、前記2変数のいずれか一方に沿って順番に前記画素値を出力する画像データ入力手段と、
前記標本化関数値記憶手段に格納された複数の関数値のそれぞれと、前記画像データ入力手段から出力される画素値とを乗算することにより、前記複数の関数値のそれぞれに対応する複数の乗算結果を出力する乗算手段と、
前記乗算手段から出力される複数の乗算結果のそれぞれに対応する複数の中間値を作成して出力する第1の中間値作成手段と、
前記乗算手段から出力される複数の乗算結果と、前記第1の中間値作成手段から出力される複数の中間値とを、1対1に対応させて対応するもの同士を加算して複数の加算結果を出力する第1の対応点加算手段と、
前記第1の対応点加算手段から出力される複数の加算結果を記憶する第1の演算結果記憶手段と、
前記第1の演算結果記憶手段に記憶された複数の加算結果のそれぞれに対応する複数の中間値を作成して出力する第2の中間値作成手段と、
前記第1の演算結果記憶手段に記憶された複数の加算結果と、前記第2の中間値作成手段から出力される複数の中間値とを、1対1に対応させて対応するもの同士を加算して複数の加算結果を出力する第2の対応点加算手段と、
前記第2の対応点加算手段から出力される複数の加算結果を記憶する第2の演算結果記憶手段と、を備え、
前記第1の中間値作成手段は、前記画像データ入力手段から出力される画素値が切り替わる毎に、前記第1の演算結果記憶手段に記憶された複数の加算結果を、前記2変数の一方に沿って前記標本化関数の隣接する標本位置に対応する区間分ずらして中間値を作成し、
前記第2の中間値作成手段は、前記画像データ入力手段から出力される画素値が切り替わる毎に、前記第2の演算結果記憶手段に記憶された複数の加算結果を、前記2変数の他方に沿って前記標本化関数の隣接する標本位置に対応する区間分ずらして中間値を作成することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1の中間値作成手段は、前記2変数の一方に沿って前記標本化関数の隣接する標本位置に対応する区間分ずらして中間値を作成する際に、前記第1の演算結果記憶手段に、対応する加算結果が記憶されていない場合には0を内容とする中間値を作成することを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記第2の中間値作成手段は、前記2変数の他方に沿って前記標本化関数の隣接する標本位置に対応する区間分ずらして中間値を作成する際に、前記第2の演算結果記憶手段に、対応する加算結果が記憶されていない場合には0を内容とする中間値を作成することを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかにおいて、
前記第1の演算結果記憶手段に記憶されている複数の加算結果の中で、前記第1の対応点加算手段による加算回数が最も多い加算結果が前記第2の対応点加算手段による加算演算に用いられることを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかにおいて、
前記第2の演算結果記憶手段に記憶されている複数の加算結果の中で、前記第2の対応点加算手段による加算回数が最も多い加算結果を取り出して出力する補間値出力手段をさらに備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかにおいて、
前記標本化関数は、前記所定範囲に含まれる複数の標本位置のそれぞれに対応する関数値が0で、それ以外の位置の少なくとも一部に対応する関数値が0以外の有限の値を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
請求項6において、
前記標本化関数は、前記所定範囲以外で関数値が0であることを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかにおいて、
前記標本化関数は、前記2変数のそれぞれに沿って前記所定範囲を2以上に分割した各分割区間がn次多項式で表現される区分的多項式関数であることを特徴とする画像処理装置。
【請求項9】
所定範囲において2変数によって標本位置および補間位置が特定される標本化関数について、複数の標本位置およびこれらの標本位置間を分割した位置のそれぞれに対応して前記所定範囲に含まれる複数の関数値を記憶する標本化関数値記憶手段を有する画像処理装置における画像処理方法であって、
前記2変数によって位置が特定される画素の画素値を含む画像データを画像データ入力手段によって取り込んで、前記2変数のいずれか一方に沿って順番に前記画素値を出力する画像データ入力ステップと、
前記標本化関数値記憶手段に格納された複数の関数値のそれぞれと、前記画像データ入力手段から出力される画素値とを乗算することにより、前記複数の関数値のそれぞれに対応する複数の乗算結果を乗算手段を用いて出力する乗算ステップと、
前記乗算手段から出力される複数の乗算結果のそれぞれに対応する複数の中間値を作成して出力する動作を第1の中間値作成手段を用いて行う第1の中間値作成ステップと、
前記乗算手段から出力される複数の乗算結果と、前記第1の中間値作成手段から出力される複数の中間値とを、1対1に対応させて対応するもの同士を加算して複数の加算結果を出力する動作を第1の対応点加算手段を用いて行う第1の対応点加算ステップと、
前記第1の対応点加算手段から出力される複数の加算結果を第1の演算結果記憶手段に記憶する第1の演算結果記憶ステップと、
前記第1の演算結果記憶手段に記憶された複数の加算結果のそれぞれに対応する複数の中間値を作成して出力する動作を第2の中間値作成手段を用いて行う第2の中間値作成ステップと、
前記第1の演算結果記憶手段に記憶された複数の加算結果と、前記第2の中間値作成手段から出力される複数の中間値とを、1対1に対応させて対応するもの同士を加算して複数の加算結果を出力する動作を第2の対応点加算手段を用いて行う第2の対応点加算ステップと、
前記第2の対応点加算手段から出力される複数の加算結果を第2の演算結果記憶手段に記憶する第2の演算結果記憶ステップと、を有し、
前記第1の中間値作成手段は、前記画像データ入力手段から出力される画素値が切り替わる毎に、前記第1の演算結果記憶手段に記憶された複数の加算結果を、前記2変数の一方に沿って前記標本化関数の隣接する標本位置に対応する区間分ずらして中間値を作成し、
前記第2の中間値作成手段は、前記画像データ入力手段から出力される画素値が切り替わる毎に、前記第2の演算結果記憶手段に記憶された複数の加算結果を、前記2変数の他方に沿って前記標本化関数の隣接する標本位置に対応する区間分ずらして中間値を作成することを特徴とする画像処理方法。
【請求項10】
請求項9において、
前記第1の中間値作成手段は、前記2変数の一方に沿って前記標本化関数の隣接する標本位置に対応する区間分ずらして中間値を作成する際に、前記第1の演算結果記憶手段に、対応する加算結果が記憶されていない場合には0を内容とする中間値を作成することを特徴とする画像処理方法。
【請求項11】
請求項9または10において、
前記第2の中間値作成手段は、前記2変数の他方に沿って前記標本化関数の隣接する標本位置に対応する区間分ずらして中間値を作成する際に、前記第2の演算結果記憶手段に、対応する加算結果が記憶されていない場合には0を内容とする中間値を作成することを特徴とする画像処理方法。
【請求項12】
請求項9~11のいずれかにおいて、
前記第1の演算結果記憶手段に記憶されている複数の加算結果の中で、前記第1の対応点加算手段による加算回数が最も多い加算結果が前記第2の対応点加算手段による加算演算に用いられることを特徴とする画像処理方法。
【請求項13】
請求項9~12のいずれかにおいて、
前記第2の演算結果記憶手段に記憶されている複数の加算結果の中で、前記第2の対応点加算手段による加算回数が最も多い加算結果を取り出して出力する動作を補間値出力手段を用いて行う補間値出力ステップさらに有することを特徴とする画像処理方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、2変数で位置が特定される画像データに基づく補間処理を行って画像の拡大や高解像度化を行う画像処理装置および方法に関する。
【0002】
なお、本明細書においては、関数値が局所的な領域(標本位置を除く)の全部あるいは一部において0以外の有限の値を有し、それ以外の領域で0となる場合を「有限台」と称して説明を行うものとする。
【背景技術】
【0003】
従来から、原画像に対してX方向に沿った補間処理を行った後にY方向に沿った補間処理を行って所望の補間位置における画素値を求めることにより、画像の拡大を行うようにした画像処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。

【特許文献1】特開平11-353473号公報(第4-8頁、図1-10)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に開示された画像処理装置では、補間位置が決まったときにその都度X方向に沿った補間処理とその後のY方向に沿った補間処理を行っているため、原画像の画素間の多くの補間位置で補間値を演算する場合(拡大率が大きい場合)に演算に時間がかかるという問題があった。例えば、原画像を4倍に拡大する場合を考えると、補間位置を4×4(=16)回変更してその都度画素値を演算する必要がある。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、演算時間を短縮することができる画像処理装置および方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の画像処理装置は、所定範囲において2変数によって標本位置および補間位置が特定される標本化関数について、複数の標本位置およびこれらの標本位置間を分割した位置のそれぞれに対応して所定範囲に含まれる複数の関数値を記憶する標本化関数値記憶手段と、2変数によって位置が特定される画素の画素値を含む画像データを取り込んで、2変数のいずれか一方に沿って順番に画素値を出力する画像データ入力手段と、標本化関数値記憶手段に格納された複数の関数値のそれぞれと、画像データ入力手段から出力される画素値とを乗算することにより、複数の関数値のそれぞれに対応する複数の乗算結果を出力する乗算手段と、乗算手段から出力される複数の乗算結果のそれぞれに対応する複数の中間値を作成して出力する第1の中間値作成手段と、乗算手段から出力される複数の乗算結果と、第1の中間値作成手段から出力される複数の中間値とを、1対1に対応させて対応するもの同士を加算して複数の加算結果を出力する第1の対応点加算手段と、第1の対応点加算手段から出力される複数の加算結果を記憶する第1の演算結果記憶手段と、第1の演算結果記憶手段に記憶された複数の加算結果のそれぞれに対応する複数の中間値を作成して出力する第2の中間値作成手段と、第1の演算結果記憶手段に記憶された複数の加算結果と、第2の中間値作成手段から出力される複数の中間値とを、1対1に対応させて対応するもの同士を加算して複数の加算結果を出力する第2の対応点加算手段と、第2の対応点加算手段から出力される複数の加算結果を記憶する第2の演算結果記憶手段とを備えている。第1の中間値作成手段は、画像データ入力手段から出力される画素値が切り替わる毎に、第1の演算結果記憶手段に記憶された複数の加算結果を、2変数の一方に沿って標本化関数の隣接する標本位置に対応する区間分ずらして中間値を作成する。第2の中間値作成手段は、画像データ入力手段から出力される画素値が切り替わる毎に、第2の演算結果記憶手段に記憶された複数の加算結果を、2変数の他方に沿って標本化関数の隣接する標本位置に対応する区間分ずらして中間値を作成する。
【0007】
また、本発明の画像処理方法は、所定範囲において2変数によって標本位置および補間位置が特定される標本化関数について、複数の標本位置およびこれらの標本位置間を分割した位置のそれぞれに対応して所定範囲に含まれる複数の関数値を記憶する標本化関数値記憶手段を有する画像処理装置における画像処理方法であって、2変数によって位置が特定される画素の画素値を含む画像データを画像データ入力手段によって取り込んで、2変数のいずれか一方に沿って順番に画素値を出力する画像データ入力ステップと、標本化関数値記憶手段に格納された複数の関数値のそれぞれと、画像データ入力手段から出力される画素値とを乗算することにより、複数の関数値のそれぞれに対応する複数の乗算結果を乗算手段を用いて出力する乗算ステップと、乗算手段から出力される複数の乗算結果のそれぞれに対応する複数の中間値を作成して出力する動作を第1の中間値作成手段を用いて行う第1の中間値作成ステップと、乗算手段から出力される複数の乗算結果と、第1の中間値作成手段から出力される複数の中間値とを、1対1に対応させて対応するもの同士を加算して複数の加算結果を出力する動作を第1の対応点加算手段を用いて行う第1の対応点加算ステップと、第1の対応点加算手段から出力される複数の加算結果を第1の演算結果記憶手段に記憶する第1の演算結果記憶ステップと、第1の演算結果記憶手段に記憶された複数の加算結果のそれぞれに対応する複数の中間値を作成して出力する動作を第2の中間値作成手段を用いて行う第2の中間値作成ステップと、第1の演算結果記憶手段に記憶された複数の加算結果と、第2の中間値作成手段から出力される複数の中間値とを、1対1に対応させて対応するもの同士を加算して複数の加算結果を出力する動作を第2の対応点加算手段を用いて行う第2の対応点加算ステップと、第2の対応点加算手段から出力される複数の加算結果を第2の演算結果記憶手段に記憶する第2の演算結果記憶ステップとを有している。第1の中間値作成手段は、画像データ入力手段から出力される画素値が切り替わる毎に、第1の演算結果記憶手段に記憶された複数の加算結果を、2変数の一方に沿って標本化関数の隣接する標本位置に対応する区間分ずらして中間値を作成する。第2の中間値作成手段は、画像データ入力手段から出力される画素値が切り替わる毎に、第2の演算結果記憶手段に記憶された複数の加算結果を、2変数の他方に沿って標本化関数の隣接する標本位置に対応する区間分ずらして中間値を作成する。
【0008】
また、上述した第1の中間値作成手段は、2変数の一方に沿って標本化関数の隣接する標本位置に対応する区間分ずらして中間値を作成する際に、第1の演算結果記憶手段に、対応する加算結果が記憶されていない場合には0を内容とする中間値を作成することが望ましい。
【0009】
また、上述した第2の中間値作成手段は、2変数の他方に沿って標本化関数の隣接する標本位置に対応する区間分ずらして中間値を作成する際に、第2の演算結果記憶手段に、対応する加算結果が記憶されていない場合には0を内容とする中間値を作成することが望ましい。
【0010】
また、上述した第1の演算結果記憶手段に記憶されている複数の加算結果の中で、第1の対応点加算手段による加算回数が最も多い加算結果が第2の対応点加算手段による加算演算に用いられることが望ましい。
【0011】
また、上述した第2の演算結果記憶手段に記憶されている複数の加算結果の中で、第2の対応点加算手段による加算回数が最も多い加算結果を取り出して出力する補間値出力手段、補間値出力ステップをさらに備えることが望ましい。
【0012】
また、上述した標本化関数は、所定範囲に含まれる複数の標本位置のそれぞれに対応する関数値が0で、それ以外の位置の少なくとも一部に対応する関数値が0以外の有限の値を有することが望ましい。
【0013】
また、上述した標本化関数は、所定範囲以外で関数値が0であることが望ましい。また、上述した標本化関数は、2変数のそれぞれに沿って所定範囲を2以上に分割した各分割区間がn次多項式で表現される区分的多項式関数であることが望ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、標本化関数に対応する複数の関数値について並行して画素値との乗算や各種の加算を行うことにより、2変数のそれぞれに沿って隣接する4つの標本位置(画素位置)の間の複数の補間値を同時に生成することができ、補間値の演算時間を短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を適用した一実施形態の画像処理装置について、図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】
図1は、一実施形態の画像処理装置の構成を示す図である。図1に示すように、本実施形態の画像処理部は、画像データ入力部10、標本化関数値記憶部20、乗算部30、対応点加算部40、70、水平中間値作成部50、演算結果記憶部60、90、垂直中間値作成部80、補間値出力部100、拡大画像データ格納部102、表示処理部104、表示部106を含んで構成されている。本実施形態の画像処理装置では、原画像を4倍に拡大(あるいは解像度を4倍に変更)する動作を行うものとして、以下の説明を行う。
【0017】
画像データ入力部10は、所定の解像度の原画像に対応する画像データを取り込むためのものである。この画像データは、水平方向(X方向)と垂直方向(Y方向)のそれぞれに沿って等間隔に配置された複数の画素の各画素値から構成されている。また、画像データ入力部10は、取り込まれた画像データに含まれる各画素値を水平方向に沿って一つずつ順番に出力する。例えば、画像データ入力部10は、取り込んだ画像データについて、水平方向に沿った所定の画素列に着目して各画素の画素値を1画素ずつ出力した後、着目する画素列を垂直方向に一つずらしながら同様の動作を繰り返す。
【0018】
具体的には、紙原稿に描かれた画像を所定の解像度で光学的に読み取るスキャナを画像データ入力部10として用いることができる。あるいは、CDやDVD等の挿抜可能な記憶媒体に記録された画像データを取り込む場合には、これらの記憶媒体のドライブ装置(読み取り装置)を画像データ入力部10として用いることができる。半導体メモリやハードディスク装置に記録された画像データを取り込む場合には、これらを接続する入出力インタフェースを画像データ入力部10として用いることができる。また、インターネットやその他のネットワーク、あるいは電話回線等を介した通信によって画像データを取り込む場合には、回線の種類等に応じた通信装置を画像データ入力部10として用いることができる。また、放送による配信によって画像データを取り込む場合には、放送の形態に応じた受信装置を画像データ入力部10として用いることができる。
【0019】
標本化関数値記憶部20は、2変数で定義される標本化関数の波形を示す複数の値(標本化関数値)を記憶しており、これら複数の標本化関数値を並行して出力する。図2は、標本化関数値記憶部20の具体例を示す図である。本実施形態では、以下の(1)式で示される2変数の標本化関数ψ(x,y)が用いられる。
【0020】
ψ(x,y)=φ(x)φ(y) ・・・(1)
ここで、φは以下の式で表される。
【0021】
φ(t)=0 (t≦-2)
-0.25t2-t-1 (-2≦t≦-1.5)
0.75t2+2t+1.25 (-1.5≦t≦-1)
1.25t2+3t+1.75 (-1≦t≦-0.5)
-1.75t2+1 (-0.5≦t≦0.5)
1.25t2-3t+1.75 (0.5≦t≦1)
0.75t2-2t+1.25 (1.0≦t≦1.5)
-0.25t2+t-1 (1.5≦t≦2)
0 (2≦t)
t=0,±1,±2,・・・が標本位置に対応している。この関数φ(t)は、微分可能性に着目した有限台の関数であり、例えば全域において1回だけ微分可能であって、横軸に沿った標本位置tが-2から+2の間にあるときに、標本位置以外の位置において関数値が0以外の有限な値を有する有限台の関数である。また、標本位置tが-2以下あるいは2以上のときは関数値が常に0となる。また、φ(t)は標本化関数であるため、t=0の標本点でのみ1になり、t=±1,±2の標本点において0になるという特徴を有する。
【0022】
本実施形態では、隣接する2つの標本位置(原画像の画素位置)の間を水平方向および垂直方向のそれぞれについて4分割して補間位置が設定されており、各補間位置に対応する標本化関数値が標本化関数値記憶部20に記憶されている。具体的には、水平方向および垂直方向に沿って隣接する2つの標本位置で区画される四角形領域に対応して16(=4×4)個の標本化関数値、全体範囲(水平方向および垂直方向のそれぞれについて標本位置-2から2までの範囲)に対応して合計256(16×16)個の標本化関数値のそれぞれが、標本化関数値記憶部20内の256個の格納部に記憶されている。
【0023】
乗算部30は、複数の乗算器(図2に示す256個の格納部を有する標本化関数値記憶部20の場合には256個の乗算器)を含んで構成されており、標本化関数値記憶部20から出力される複数の標本化関数値のそれぞれと、画像データ入力部10から出力される画素値とを乗算する。これにより、乗算部30は、256個の乗算結果を並行して出力する。
【0024】
対応点加算部40は、乗算部30から出力される256個の乗算結果と、水平中間値作成部50から出力される256個の中間値について、対応するもの同士を加算し、256個の加算結果を並行して出力する。具体的には、対応点加算部40には256個の加算器が備わっており、各加算器は、乗算部30から出力される1つの乗算結果と、水平中間値作成部50から出力される1つの中間値とを加算する。
【0025】
水平中間値作成部50は、256個の中間値を作成して保持するために256個の格納部を有し、これら256個の格納部に格納した中間値を並行して出力する。図3は、水平中間値作成部50と演算結果記憶部60の概略を示す図である。図3に示すように、水平中間値作成部50に含まれる256個の格納部の中で、64(=4×16)個の格納部(図3ではハッチングが付されている)に格納された64個の中間値の値は「0」に固定されており、残りの192個の格納部に格納された192個の中間値の内容が、画像データ入力部10から画素値が出力されるタイミングに同期して更新される。
【0026】
演算結果記憶部60は、対応点加算部40から出力される256個の加算結果を一時的に記憶する。この中で、64個の加算結果は、対応点加算部70に向けて出力される。また、残りの192個の加算結果は、水平中間値作成部50によって読み出される。具体的には、図3に示すように、演算結果記憶部60は、256個の格納部を有しており、対応点加算部40から出力される256個の加算結果をそれぞれの格納部に格納する。
【0027】
なお、図2および図3において、標本化関数値記憶部20の256個の格納部、水平中間値作成部50の256個の格納部、演算結果記憶部60の256個の格納部は、実線あるいは点線の水平線および垂直線で区画された256個のマス目によって示されており、配置の順番が同じもの同士が対応している。
【0028】
図3に示すように、水平中間値作成部50は、演算結果記憶部60から192個の演算結果を読み出すが、64個分ずれた192個の格納部に格納することにより中間値を作成している。
【0029】
対応点加算部70は、演算結果記憶部60に記憶されている64個の演算結果(対応点加算部40による加算結果)と、垂直中間値作成部80から出力される64個の中間値について、対応するもの同士を加算し、64個の加算結果を並行して出力する。具体的には、対応点加算部70には64個の加算器が備わっており、各加算器は、演算結果記憶部60から出力される1つの演算結果と、垂直中間値作成部80から出力される1つの中間値とを加算する。
【0030】
垂直中間値作成部80は、64個の中間値を作成して保持するために64個の格納部を有し、これら64個の格納部に格納した中間値を並行して出力する。図4は、垂直中間値作成部80と演算結果記憶部90の概略を示す図である。図4に示すように、垂直中間値作成部80に含まれる64個の格納部の中で、16(=4×4)個の格納部(図4ではハッチングが付されている)に格納された16個の中間値の値は「0」に固定されており、残りの48個の格納部に格納された48個の中間値の内容が、画像データ入力部10から画素値が出力されるタイミングに同期して更新される。
【0031】
演算結果記憶部90は、対応点加算部70から出力される64個の加算結果を一時的に記憶する。この中で、16個の加算結果は、補間値として補間値出力部100に向けて出力される。また、残りの48個の加算結果は、垂直中間値作成部80によって読み出される。
【0032】
ところで、本実施形態では、水平方向に1画素分の画素値が画像データ入力部10から出力される毎に、対応点加算部70から64個の加算結果が出力される。演算結果記憶部90は水平方向に並んだ画素数に対応する数の格納部を有しており、画像データ入力部10から画素値が出力される毎に、対応点加算部70から出力される64個の加算結果の格納位置が変更され、画素の垂直方向の位置が更新されるまで各加算結果が上書きされないようになっている。
【0033】
水平方向に沿った画素値の出力が一巡し、次の水平方向に沿った画素値の出力が行われているときに、垂直中間値作成部80は、この画素値と垂直方向の位置が同じである1水平ライン分前の画素値に対応する64個の加算結果の中の48個の加算結果を読み出し、16個分ずれた48個の格納部に格納することにより中間値を作成している。また、垂直中間値作成部80によって読み出されない残りの16個の加算結果が、上述したように補間値として補間値出力部100に向けて出力される。
【0034】
補間値出力部100は、演算結果記憶部90から出力された64個の補間値を拡大画像データ格納部102に格納する。表示処理部104は、拡大画像データ格納部102に格納された補間値(拡大後の画像の画素値)を読み出して表示部106に表示する。
【0035】
上述した標本化関数値記憶部20が標本化関数値記憶手段に、画像データ入力部10が画像データ入力手段に、乗算部30が乗算手段に、対応点加算部40が第1の対応点加算手段に、水平中間値作成部50が第1の中間値作成手段に、演算結果記憶部60が第1の演算結果記憶手段に、垂直中間値作成部80が第2の中間値作成手段に、対応点加算部70が第2の対応点加算手段に、演算結果記憶部90が第2の演算結果記憶手段に、補間値出力部100が補間値出力手段にそれぞれ対応する。
【0036】
また、上述した画像データ入力部10による動作が画像データ入力ステップの動作に、乗算部30による動作が乗算ステップの動作に、対応点加算部40による動作が第1の対応点加算ステップの動作に、水平中間値作成部50による動作が第1の中間値作成ステップの動作に、演算結果記憶部60に対する記憶動作が第1の演算結果記憶ステップの動作に、垂直中間値作成部80による動作が第2の中間値作成ステップの動作に、対応点加算部70による動作が第2の対応点加算ステップの動作に、演算結果記憶部90に対する記憶動作が第2の演算結果記憶ステップの動作に、補間値出力部100による動作が補間値出力ステップの動作にそれぞれ対応する。
【0037】
本実施形態の画像処理装置はこのような構成を有しており、次に、この装置によって行われる画像の拡大処理(補間処理)について説明する。
【0038】
図5は、原画像と拡大画像に含まれる各画素との関係を示す図である。図5において、白丸(○)は原画像の各画素を、黒丸(●)は拡大処理後の補間画素をそれぞれ示している。例えば、画像データ入力部10からは、画素p1、p2、p3、p4の順で水平方向に並んだ各画素の画素値が出力され、この水平ラインの最終画素の画素値が出力された後に、画素p5、p6、p7、p8が含まれる水平ラインに沿って同様の画素値出力が行われる。以後、同様にして各水平ラインに沿った画素値出力が順番に行われる。以下の説明では、画素p6、p7、p10、p11で区画される領域に含まれる黒丸で示される16個の補間画素の画素値を出力する場合について考えるものとする。
【0039】
図2に示す標本化関数値記憶部20に関数値が記憶されている2変数の標本化関数は、水平および垂直方向のそれぞれにそって±2画素分の広がりを有している。したがって、画素p6、p7、p10、p11で区画される領域に含まれる16個の補間画素(●)の画素値は、原画像に含まれる16個の画素p1~p16の各画素値を用いて演算することができる。
【0040】
(ステップS1)まず、画素p1の画素値が画像データ入力部10から出力された場合を考える。乗算部30では、標本化関数値記憶部20に記憶されている256個の関数値のそれぞれと、この入力された画素値とを乗算し、256個の乗算結果を並行して出力する。対応点加算部40では、これら256個の乗算結果のそれぞれと、水平中間値作成部50から出力される256個の中間値のそれぞれとを加算(1対1に対応するもの同士を加算)する。ここで、水平中間値作成部50において作成される256個の中間値の中の符号A(図3)が付された(値が「0」に固定された)64個の中間値に着目すると、これら64個の中間値に対応して、対応点加算部40からは、標本化関数値記憶部20の符号A(図2)が付された64個の格納部に格納された64個の関数値のそれぞれと画素p1の画素値とを乗算した乗算結果(この乗算結果を「p1×A」と表すものとする。)と、固定値「0」の中間値とを加算した結果が出力される。これらの加算結果は、演算結果記憶部60の符号A(図3)が付された領域に格納される。
【0041】
(ステップS2)次に、画素p2の画素値が画像データ入力部10から出力された場合を考える。乗算部30では、標本化関数値記憶部20に記憶されている256個の関数値のそれぞれと、この入力された画素値とを乗算し、256個の乗算結果を並行して出力する。対応点加算部40では、これら256個の乗算結果のそれぞれと、水平中間値作成部50から出力される256個の中間値のそれぞれとを加算(1対1に対応するもの同士を加算)する。ここで、水平中間値作成部50において作成される256個の中間値の中の符号B(図3)が付された64個の中間値に着目すると、これら64個の中間値は、ステップS1において演算結果記憶部60の符号Aが付された領域に格納された加算結果(p1×A)に等しい。したがって、水平中間値作成部50の符号Bが付された領域に対応して、対応点加算部40からは、標本化関数値記憶部20の符号B(図2)が付された64個の格納部に格納された64個の関数値のそれぞれと画素p2の画素値とを乗算した乗算結果(この乗算結果を「p2×B」と表すものとする。)と、水平中間値作成部50の符号Bが付された64個の中間値(p1×A)とを加算した結果が出力される。これらの加算結果は、演算結果記憶部60の符号B(図3)が付された領域に格納される。
【0042】
(ステップS3)次に、画素p3の画素値が画像データ入力部10から出力された場合を考える。乗算部30では、標本化関数値記憶部20に記憶されている256個の関数値のそれぞれと、この入力された画素値とを乗算し、256個の乗算結果を並行して出力する。対応点加算部40では、これら256個の乗算結果のそれぞれと、水平中間値作成部50から出力される256個の中間値のそれぞれとを加算(1対1に対応するもの同士を加算)する。ここで、水平中間値作成部50において作成される256個の中間値の中の符号C(図3)が付された64個の中間値に着目すると、これら64個の中間値は、ステップS2において演算結果記憶部60の符号Bが付された領域に格納された加算結果(p1×A+p2×B)に等しい。したがって、水平中間値作成部50の符号Cが付された領域に対応して、対応点加算部40からは、標本化関数値記憶部20の符号C(図2)が付された64個の格納部に格納された64個の関数値のそれぞれと画素p3の画素値とを乗算した乗算結果(この乗算結果を「p3×C」と表すものとする。)と、水平中間値作成部50の符号Cが付された64個の中間値(p1×A+p2×B)とを加算した結果が出力される。これらの加算結果は、演算結果記憶部60の符号C(図3)が付された領域に格納される。
【0043】
(ステップS4)次に、画素p4の画素値が画像データ入力部10から出力された場合を考える。乗算部30では、標本化関数値記憶部20に記憶されている256個の関数値のそれぞれと、この入力された画素値とを乗算し、256個の乗算結果を並行して出力する。対応点加算部40では、これら256個の乗算結果のそれぞれと、水平中間値作成部50から出力される256個の中間値のそれぞれとを加算(1対1に対応するもの同士を加算)する。ここで、水平中間値作成部50において作成される256個の中間値の中の符号D(図3)が付された64個の中間値に着目すると、これら64個の中間値は、ステップS3において演算結果記憶部60の符号Cが付された領域に格納された加算結果(p1×A+p2×B+p3×C)に等しい。したがって、水平中間値作成部50の符号Dが付された領域に対応して、対応点加算部40からは、標本化関数値記憶部20の符号D(図2)が付された64個の格納部に格納された64個の関数値のそれぞれと画素p4の画素値とを乗算した乗算結果(この乗算結果を「p4×D」と表すものとする。)と、水平中間値作成部50の符号Dが付された64個の中間値(p1×A+p2×B+p3×C)とを加算した結果が出力される。これらの加算結果は、演算結果記憶部60の符号D(図3)が付された領域に格納される。
【0044】
(ステップT1)このようにして、演算結果記憶部60の符号Dが付された領域に格納された64個の演算結果は、対応点加算部70によって読み出される。対応点加算部70は、読み出した64個の演算結果のそれぞれと、垂直中間値作成部80から出力される64個の中間値のそれぞれとを加算(1対1に対応するもの同士を加算)する。ここで、垂直中間値作成部80において作成される64個の中間値の中の符号a(図4)が付された16個の中間値に着目すると、これら16個の中間値に対応して、対応点加算部70からは、演算結果記憶部60の符号Dと符号a(図4)が付された16個の演算結果と、固定値「0」の中間値とを加算した結果が出力される。これらの加算結果は、例えば演算結果記憶部90の符号pと符号a(図4)が付された領域に格納される。
【0045】
なお、演算結果記憶部60の符号Dと符号a(図4)が付された16個の演算結果とは、p1×A+p2×B+p3×C+p4×Dで示される64個の演算結果の中で、図2において符号aで示される領域に含まれる関数値に対応するもの(この乗算結果を「(p1-p4)×a」と表すものとする。)である。
【0046】
(ステップT2)次の水平ラインに含まれる画素p8の画素値が画像データ入力部10から出力され、同様の処理が行われる。そして、演算結果記憶部60の符号Dが付された領域に格納された64個の演算結果は、対応点加算部70によって読み出される。対応点加算部70は、読み出した64個の演算結果のそれぞれと、垂直中間値作成部80から出力される64個の中間値のそれぞれとを加算(1対1に対応するもの同士を加算)する。ここで、垂直中間値作成部80において作成される64個の中間値の中の符号b(図4)が付された16個の中間値に着目すると、これら16個の中間値は、ステップT1において演算結果記憶部90の符号pと符号aが付された領域に格納された演算結果((p1-p4)×a)に等しい。したがって、垂直中間値作成部80の符号bが付された領域に対応して、対応点加算部70からは、演算結果記憶部60の符号Dと符号b(図4)が付された16個の演算結果と、垂直中間値作成部80の符号bが付された16個の中間値((p1-p4)×a)とを加算した結果が出力される。これらの加算結果は、演算結果記憶部90の符号pと符号b(図4)が付された領域に格納される。
【0047】
なお、演算結果記憶部60の符号Dと符号b(図4)が付された16個の演算結果とは、p5×A+p6×B+p7×C+p8×Dで示される64個の演算結果の中で、図2において符号bで示される領域に含まれる関数値に対応するもの(この乗算結果を「(p5-p8)×b」と表すものとする。)である。
【0048】
(ステップT3)次の水平ラインに含まれる画素p12の画素値が画像データ入力部10から出力され、同様の処理が行われる。そして、演算結果記憶部60の符号Dが付された領域に格納された64個の演算結果は、対応点加算部70によって読み出される。対応点加算部70は、読み出した64個の演算結果のそれぞれと、垂直中間値作成部80から出力される64個の中間値のそれぞれとを加算(1対1に対応するもの同士を加算)する。ここで、垂直中間値作成部80において作成される64個の中間値の中の符号c(図4)が付された16個の中間値に着目すると、これら16個の中間値は、ステップT2において演算結果記憶部90の符号pと符号bが付された領域に格納された演算結果((p1-p4)×a+(p5-p8)×b)に等しい。したがって、垂直中間値作成部80の符号cが付された領域に対応して、対応点加算部70からは、演算結果記憶部60の符号Dと符号c(図4)が付された16個の演算結果と、垂直中間値作成部80の符号cが付された16個の中間値((p1-p4)×a+(p5-p8)×b)とを加算した結果が出力される。これらの加算結果は、演算結果記憶部90の符号pと符号c(図4)が付された領域に格納される。
【0049】
なお、演算結果記憶部60の符号Dと符号c(図4)が付された16個の演算結果とは、p9×A+p10×B+p11×C+p12×Dで示される64個の演算結果の中で、図2において符号cで示される領域に含まれる関数値に対応するもの(この乗算結果を「(p9-p12)×c」と表すものとする。)である。
【0050】
(ステップT4)次の水平ラインに含まれる画素p16の画素値が画像データ入力部10から出力され、同様の処理が行われる。そして、演算結果記憶部60の符号Dが付された領域に格納された64個の演算結果は、対応点加算部70によって読み出される。対応点加算部70は、読み出した64個の演算結果のそれぞれと、垂直中間値作成部80から出力される64個の中間値のそれぞれとを加算(1対1に対応するもの同士を加算)する。ここで、垂直中間値作成部80において作成される64個の中間値の中の符号d(図4)が付された16個の中間値に着目すると、これら16個の中間値は、ステップT3において演算結果記憶部90の符号pと符号cが付された領域に格納された演算結果((p1-p4)×a+(p5-p8)×b+(p9-p12)×c)に等しい。したがって、垂直中間値作成部80の符号dが付された領域に対応して、対応点加算部70からは、演算結果記憶部60の符号Dと符号d(図4)が付された16個の演算結果と、垂直中間値作成部80の符号dが付された16個の中間値((p1-p4)×a+(p5-p8)×b+(p9-p12)×c)とを加算した結果が出力される。これらの加算結果は、演算結果記憶部90の符号pと符号d(図4)が付された領域に格納される。
【0051】
なお、演算結果記憶部60の符号Dと符号d(図4)が付された16個の演算結果とは、p13×A+p14×B+p15×C+p16×Dで示される64個の演算結果の中で、図2において符号dで示される領域に含まれる関数値に対応するもの(この乗算結果を「(p13-p16)×d」と表すものとする。)である。すなわち、演算結果記憶部90の符号pと符号d(図4)が付された領域には、(p1-p4)×a+(p5-p8)×b+(p9-p12)×c+(p13-p16)×dで示される演算結果が格納される。これらの演算結果は、図5に示す画素p6、p7、p10、p11で囲まれた領域に含まれる16個の補間画素の画素値であり、その後これらの補間画素の画素値が補間値出力部100によって読み出される。
【0052】
このように、本実施形態の画像処理装置では、標本化関数に対応する複数の関数値について並行して画素値との乗算や各種の加算を行うことにより、2変数のそれぞれに沿って隣接する4つの標本位置(画素位置)の間の複数の補間値を同時に生成することができ、補間値の演算時間を短縮することができる。
【0053】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施形態では、(1)式で示される標本化関数を用いたが、他の標本化関数を用いるようにしてもよい。水平方向および垂直方向に沿って各関数値を記憶可能であれば、どのような標本化関数に対しても本発明を適用することができる。
【0054】
また、上述した実施形態においては、標本化関数はt=±2で0に収束するようにしたが、本発明はこれに限らず、t=±3以上で0に収束するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】一実施形態の画像処理装置の構成を示す図である。
【図2】標本化関数値記憶部の具体例を示す図である。
【図3】水平中間値作成部と演算結果記憶部の概略を示す図である。
【図4】垂直中間値作成部と演算結果記憶部の概略を示す図である。
【図5】原画像と拡大画像に含まれる各画素との関係を示す図である。
【符号の説明】
【0056】
10 画像データ入力部
20 標本化関数値記憶部
30 乗算部
40、70 対応点加算部
50 水平中間値作成部
60、90 演算結果記憶部
80 垂直中間値作成部
100 補間値出力部
102 拡大画像データ格納部
104 表示処理部
106 表示部
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4