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明細書 :フラーレン誘導体およびその製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4942220号 (P4942220)
登録日 平成24年3月9日(2012.3.9)
発行日 平成24年5月30日(2012.5.30)
発明の名称または考案の名称 フラーレン誘導体およびその製造方法
国際特許分類 C07C  67/347       (2006.01)
C07C  69/608       (2006.01)
C07C  69/76        (2006.01)
C07F  17/02        (2006.01)
FI C07C 67/347 CSP
C07C 69/608
C07C 69/76 A
C07F 17/02
請求項の数または発明の数 21
全頁数 21
出願番号 特願2008-507459 (P2008-507459)
出願日 平成19年3月15日(2007.3.15)
国際出願番号 PCT/JP2007/055933
国際公開番号 WO2007/111226
国際公開日 平成19年10月4日(2007.10.4)
優先権出願番号 2006081836
優先日 平成18年3月24日(2006.3.24)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成20年11月4日(2008.11.4)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】中村 栄一
【氏名】松尾 豊
【氏名】中江 隆博
個別代理人の代理人 【識別番号】100092783、【弁理士】、【氏名又は名称】小林 浩
【識別番号】100095360、【弁理士】、【氏名又は名称】片山 英二
【識別番号】100114409、【弁理士】、【氏名又は名称】古橋 伸茂
【識別番号】100104282、【弁理士】、【氏名又は名称】鈴木 康仁
審査官 【審査官】岩井 好子
参考文献・文献 特開平10-167994(JP,A)
特開平11-255509(JP,A)
特開2003-212881(JP,A)
ORGANIC LETTERS,2006年 3月30日,vol. 8, no. 7,pages 1463 - 1466
SAWAMURA M. ET AL.,JOURNAL OF THE AMERICAN CHEMICAL SOCIETY,2002年,vol. 124, no. 32,pages 9354 - 9355
社団法人日本化学会,実験化学講座18 有機化合物の合成VI-金属を用いる有機合成-,丸善株式会社,2004年 9月10日,第5版,pages 77 - 79, 280 - 282
TOGANOH M. ET AL.,JOURNAL OF THE AMERICAN CHEMICAL SOCIETY,2003年,vol. 125, no. 19,pages 13974 - 13975
調査した分野 C07C 67/347
C07C 69/608
C07C 69/76
C07F 17/02
CA/REGISTRY(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
フラーレン、
置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリールアルキル基もしくは置換基を有してもよいアリール基、ならびに、B、Al、Zn、Sn、Pb、Te、Ti、Mn、ZrもしくはSmを含む有機金属試薬(A)、ならびに、
銅化合物(B)
を反応させることを特徴とするフラーレン誘導体の製造方法であって、
前記置換基は、エステル基、カルボキシル基、アミド基、アルキン基、トリメチルシリル基、トリメチルシリルエチニル基、アリール基、アミノ基、ホスホニル基、チオ基、カルボニル基、ニトロ基、スルホ基、イミノ基、ハロゲノ基またはアルコキシ基である製造方法
【請求項2】
フラーレン、
置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリールアルキル基もしくは置換基を有してもよいアリール基、ならびに、Al、Zn、SnもしくはPbを含む有機金属試薬(A)、ならびに、
銅化合物(B)
を反応させることを特徴とするフラーレン誘導体の製造方法であって、
前記置換基は、エステル基、カルボキシル基、アミド基、アルキン基、トリメチルシリル基、トリメチルシリルエチニル基、アリール基、アミノ基、ホスホニル基、チオ基、カルボニル基、ニトロ基、スルホ基、イミノ基、ハロゲノ基またはアルコキシ基である製造方法
【請求項3】
60フラーレン、
エステル基とアミド基とシアノ基とハロゲン原子とからなる群から選ばれる1以上を有してもよいアルキル基、エステル基とアミド基とシアノ基とハロゲン原子とからなる群から選ばれる1以上を有してもよいアルケニル基、もしくは、エステル基とアミド基とシアノ基とハロゲン原子とからなる群から選ばれる1以上を有してもよいアリール基、および、Znを含む有機金属試薬(A)、ならびに、
1価もしくは2価の銅化合物(B)
を反応させることを特徴とするフラーレン誘導体の製造方法。
【請求項4】
フラーレン誘導体が、下記式(1)
Cn(R(R (1)
[式中、nは60以上の偶数;mは3~10の整数;pは1または2;Rはそれぞれ独立し置換基を有してもよいC~C20炭化水素基、置換基を有してもよいC~C20アルコキシ基、置換基を有してもよいC~C20アリールオキシ基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいシリル基、置換基を有してもよいアルキルチオ基(-SY、式中、Yは置換基を有してもよいC~C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールチオ基(-SY、式中、Yは置換基を有してもよいC~C18アリール基を示す。)、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基(-SO、式中、Yは置換基を有してもよいC~C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールスルホニル基(-SO、式中、Yは置換基を有してもよいC~C18アリール基を示す。)を示し;Rは水素原子、C~C20炭化水素基を示し、前記置換基は、エステル基、カルボキシル基、アミド基、アルキン基、トリメチルシリル基、トリメチルシリルエチニル基、アリール基、アミノ基、ホスホニル基、チオ基、カルボニル基、ニトロ基、スルホ基、イミノ基、ハロゲノ基またはアルコキシ基である。]
で表されるフラーレン誘導体である、請求項に記載のフラーレン誘導体の製造方法。
【請求項5】
フラーレン誘導体が、下記式(2)
【化1】
JP0004942220B2_000013t.gif
[式中、Rはそれぞれ独立し置換基を有してもよいC~C20炭化水素基、置換基を有してもよいC~C20アルコキシ基、置換基を有してもよいC~C20アリールオキシ基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいシリル基、置換基を有してもよいアルキルチオ基(-SY、式中、Yは置換基を有してもよいC~C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールチオ基(-SY、式中、Yは置換基を有してもよいC~C18アリール基を示す。)、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基(-SO、式中、Yは置換基を有してもよいC~C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールスルホニル基(-SO、式中、Yは置換基を有してもよいC~C18アリール基を示す。)を示し;Rは水素原子またはC~C20炭化水素基を示し、前記置換基は、エステル基、カルボキシル基、アミド基、アルキン基、トリメチルシリル基、トリメチルシリルエチニル基、アリール基、アミノ基、ホスホニル基、チオ基、カルボニル基、ニトロ基、スルホ基、イミノ基、ハロゲノ基またはアルコキシ基である。]
で表されるフラーレン誘導体C60(Rである、請求項1~3のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。
【請求項6】
が、エステル基、カルボキシル基、アミド基、アルキン基、トリメチルシリル基、トリメチルシリルエチニル基、アリール基、アミノ基、ホスホニル基、チオ基、カルボニル基、ニトロ基、スルホ基、イミノ基、ハロゲノ基およびアルコキシ基からなる群から選ばれる1以上の置換基を有する、請求項4または5に記載のフラーレン誘導体の製造方法。
【請求項7】
が、エステル基、アミド基、アルキン基、トリメチルシリル基、トリメチルシリルエチニル基およびアリール基、からなる群から選ばれる1以上の置換基を有する、請求項4または5に記載のフラーレン誘導体の製造方法。
【請求項8】
は水素原子、C~C20アルキル基を示す、請求項4~7のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。
【請求項9】
フラーレン誘導体が、下記式(3)
【化2】
JP0004942220B2_000014t.gif
[式中、Rは水素原子、または、置換基を有してもよいC~C20炭化水素基を示し、Rはそれぞれ独立して水素原子、または置換基を有してもよいC~C20炭化水素基を示し、前記置換基は、エステル基、カルボキシル基、アミド基、アルキン基、トリメチルシリル基、アミノ基、ホスホニル基、チオ基、カルボニル基、ニトロ基、スルホ基、イミノ基、ハロゲノ基、アルコキシ基である。
で表されるフラーレン誘導体である、請求項1~3のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。
【請求項10】
は水素原子、置換基を有してもよいC~C20アルキル基を示す、請求項9に記載のフラーレン誘導体の製造方法であって、前記置換基は、エステル基、カルボキシル基、アミド基、アルキン基、トリメチルシリル基、アミノ基、ホスホニル基、チオ基、カルボニル基、ニトロ基、スルホ基、イミノ基、ハロゲノ基、アルコキシ基である。
【請求項11】
は水素原子、置換基を有してもよいC~C20アルキル基、置換基を有してもよいC~C20アルケニル基、または、置換基を有してもよいC~C20アルキニル基を示す、請求項9または10に記載のフラーレン誘導体の製造方法であって、前記置換基は、エステル基、カルボキシル基、アミド基、アルキン基、トリメチルシリル基、アミノ基、ホスホニル基、チオ基、カルボニル基、ニトロ基、スルホ基、イミノ基、ハロゲノ基、アルコキシ基である。
【請求項12】
有機金属試薬(A)に含まれる有機基が、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基またはフェニル基である、請求項1~11のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。
【請求項13】
銅化合物(B)がCuBr・S(CHである、請求項1~12のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。
【請求項14】
下記式(3)
【化3】
JP0004942220B2_000015t.gif
[式中、Rは水素原子、または、置換基を有してもよいC~C20炭化水素基を示し、Rはそれぞれ独立して水素原子、または置換基を有してもよいC~C20炭化水素基を示し、前記置換基は、エステル基、カルボキシル基、アミド基、アルキン基、トリメチルシリル基、アミノ基、ホスホニル基、チオ基、カルボニル基、ニトロ基、スルホ基、イミノ基、ハロゲノ基、アルコキシ基である。
で表されるフラーレン誘導体。
【請求項15】
は水素原子、置換基を有してもよいC~C20アルキル基を示す、請求項14に記載のフラーレン誘導体であって、前記置換基は、エステル基、カルボキシル基、アミド基、アルキン基、トリメチルシリル基、アミノ基、ホスホニル基、チオ基、カルボニル基、ニトロ基、スルホ基、イミノ基、ハロゲノ基、アルコキシ基である。
【請求項16】
は水素原子、置換基を有してもよいC~C20アルキル基、置換基を有してもよいC~C20アルケニル基、または、置換基を有してもよいC~C20アルキニル基を示す、請求項14または15に記載のフラーレン誘導体であって、前記置換基は、エステル基、カルボキシル基、アミド基、アルキン基、トリメチルシリル基、アミノ基、ホスホニル基、チオ基、カルボニル基、ニトロ基、スルホ基、イミノ基、ハロゲノ基、アルコキシ基である。
【請求項17】
下記式(4)
【化4】
JP0004942220B2_000016t.gif
[式中、Rはそれぞれ独立して水素原子、または置換基を有してもよいC~C20炭化水素基を示し、Mは金属原子であり、LはMの配位子であり、nはLの数であり、前記置換基は、エステル基、カルボキシル基、アミド基、アルキン基、トリメチルシリル基、アミノ基、ホスホニル基、チオ基、カルボニル基、ニトロ基、スルホ基、イミノ基、ハロゲノ基、アルコキシ基である。
で表されるフラーレン誘導体。
【請求項18】
は水素原子、置換基を有してもよいC~C20アルキル基、置換基を有してもよいC~C20アルケニル基、または、置換基を有してもよいC~C20アルキニル基を示す、請求項17に記載のフラーレン誘導体であって、前記置換基は、エステル基、カルボキシル基、アミド基、アルキン基、トリメチルシリル基、アミノ基、ホスホニル基、チオ基、カルボニル基、ニトロ基、スルホ基、イミノ基、ハロゲノ基、アルコキシ基である。
【請求項19】
Mが遷移金属である、請求項17または18に記載のフラーレン誘導体。
【請求項20】
Mが8~10族の遷移金属である、請求項17または18に記載のフラーレン誘導体。
【請求項21】
MがFe、RuまたはOsであり、nが~5の整数であり、Lがハロゲン原子、アルコキシ基、アルキル基、アルキン基またはシクロペンタジエニル基である、請求項17または18に記載のフラーレン誘導体。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明はフラーレン誘導体に関する。また、本発明は有機金属試薬と銅化合物とを用いた前記フラーレン誘導体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
炭素原子が球状またはラグビーボール状に配置して形成される炭素クラスター(以下、「フラーレン」ともいう)の合成法が確立されて以来、フラーレンに関する研究が精力的に展開されている。その結果、数多くのフラーレン誘導体が合成されてきた。
このようなフラーレン誘導体の具体例として、フラーレン骨格に5個の有機基が結合したフラーレン誘導体(以下、単に、「5重付加フラーレン誘導体」ともいう)の合成方法について報告されている[たとえば、特開平10-167994号公報、特開平11-255509号公報、J.Am.Chem.Soc.,118,12850(1996),Org.Lett.,,1919(2000),Chem.Lett.,1098(2000)]。
5重付加フラーレン誘導体の製造方法としては、たとえば、フェニルグリニヤール試薬とCuBr・S(CHとから調製される有機銅試薬をフラーレンC60と反応させることにより、フェニルグリニヤール試薬を構成するフェニル基がフラーレンC60の一つの5員環の周囲を取り囲むように位置選択的に付加したフェニル化フラーレン誘導体(C60PhH)が定量的に得られることが知られている[たとえば、特開平10-167994号公報]。
しかしながら、カルボキシル基やエステル基等の置換基を持つ化合物はグリニャール試薬に対して活性であるため、これらの置換基を有するグリニャール試薬を調整することが困難である。そのため、カルボキシル基やエステル基等の置換基を持つグリニャール試薬を用いて、カルボキシル基やエステル基等の置換基を持つフラーレン誘導体を簡便に合成する方法を用いることができなかった。
その結果、これらの置換基を有するフラーレン誘導体を合成するには、たとえば、大過剰のブロモマロン酸エステル誘導体とフラーレンを多段階で反応させて5重付加体を製造する方法[Angew.Chem.Int.Ed.Engl.,33,2339(1994)、Angew.Chem.Int.Ed.Engl.,34,1607(1995)等]や、C60をベンゼンに対して求電子置換させる工程を含む多段合成法[J.Chem.Soc.,Chem.Commun.1464(1994)]等の手間と時間のかかる方法を用いてフラーレン誘導体を合成せざるを得なかった。加えて、これらのフラーレン誘導体の製造方法では、位置選択的に5重付加フラーレン誘導体を得ることは極めて困難であり、またフラーレン誘導体の収率も低いという問題点もあった。
【発明の開示】
【0003】
上記の状況の下、たとえば、エステル基やカルボキシル基等の置換基を持つフラーレン誘導体の簡便な合成方法が求められている。また、たとえば、置換基が位置選択的に付加された5重付加フラーレン誘導体を簡便に得ることが求められている。
本発明者等は、フラーレン誘導体の製造において、フラーレンに有機金属試薬(A)と銅化合物(B)とを添加して反応させることによって、新規なフラーレン誘導体および簡便なフラーレン誘導体の製造方法を見出し、この知見に基づいて本発明を完成した。本発明は以下のようなフラーレン誘導体およびフラーレン誘導体の製造方法等を提供する。

[1] フラーレン、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリールアルキル基もしくは置換基を有してもよいアリール基、ならびに、B、Al、Zn、Sn、Pb、Te、Ti、Mn、ZrもしくはSmを含む有機金属試薬(A)、ならびに、銅化合物(B)を反応させることを特徴とするフラーレン誘導体の製造方法。
[2] フラーレン、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリールアルキル基もしくは置換基を有してもよいアリール基、ならびに、Al、Zn、SnもしくはPbを含む有機金属試薬(A)、ならびに、銅化合物(B)
を反応させることを特徴とするフラーレン誘導体の製造方法。
[3] C60フラーレン、エステル基とアミド基とシアノ基とハロゲン原子とからなる群から選ばれる1以上を有してもよいアルキル基、エステル基とアミド基とシアノ基とハロゲン原子とからなる群から選ばれる1以上を有してもよいアルケニル基、もしくは、エステル基とアミド基とシアノ基とハロゲン原子とからなる群から選ばれる1以上を有してもよいアリール基、および、Znを含む有機金属試薬(A)、ならびに、1価もしくは2価の銅化合物(B)を反応させることを特徴とするフラーレン誘導体の製造方法。
[4]フラーレン誘導体が、下記式(1)
Cn(R(R (1)
[式中、nは60以上の偶数;mは3~10の整数;pは1または2;Rはそれぞれ独立し置換基を有してもよいC~C20炭化水素基、置換基を有してもよいC~C20アルコキシ基、置換基を有してもよいC~C20アリールオキシ基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいシリル基、置換基を有してもよいアルキルチオ基(-SY、式中、Yは置換基を有してもよいC~C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールチオ基(-SY、式中、Yは置換基を有してもよいC~C18アリール基を示す。)、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基(-SO、式中、Yは置換基を有してもよいC~C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールスルホニル基(-SO、式中、Yは置換基を有してもよいC~C18アリール基を示す。)を示し;Rは水素原子、C~C20炭化水素基を示す。]
で表されるフラーレン誘導体である、[1]~[3]のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。
[5] フラーレン誘導体が、下記式(2)
【化5】
JP0004942220B2_000002t.gif


[式中、Rはそれぞれ独立し置換基を有してもよいC~C20炭化水素基、置換基を有してもよいC~C20アルコキシ基、置換基を有してもよいC~C20アリールオキシ基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいシリル基、置換基を有してもよいアルキルチオ基(-SY、式中、Yは置換基を有してもよいC~C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールチオ基(-SY、式中、Yは置換基を有してもよいC~C18アリール基を示す。)、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基(-SO、式中、Yは置換基を有してもよいC~C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールスルホニル基(-SO、式中、Yは置換基を有してもよいC~C18アリール基を示す。)を示し;Rは水素原子またはC~C20炭化水素基を示す。]
で表されるフラーレン誘導体C60(Rである、[1]~[3]のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。
[6] Rが、エステル基、カルボキシル基、アミド基、アルキン基、トリメチルシリル基、トリメチルシリルエチニル基、アリール基、アミノ基、ホスホニル基、チオ基、カルボニル基、ニトロ基、スルホ基、イミノ基、ハロゲノ基およびアルコキシ基からなる群から選ばれる1以上の置換基を有する、[4]または[5]に記載のフラーレン誘導体の製造方法。
[7] Rが、エステル基、アミド基、アルキン基、トリメチルシリル基、トリメチルシリルエチニル基およびアリール基、からなる群から選ばれる1以上の置換基を有する、[4]または[5]に記載のフラーレン誘導体の製造方法。
[8] Rは水素原子、C~C20アルキル基を示す、[4]~[7]のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。
[9]フラーレン誘導体が、下記式(3)
【化6】
JP0004942220B2_000003t.gif


[式中、Rは水素原子、または、置換基を有してもよいC~C20炭化水素基を示し、Rはそれぞれ独立して水素原子、または置換基を有してもよいC~C20炭化水素基を示す。]
で表されるフラーレン誘導体である、[1]~[3]のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。
[10] Rは水素原子、置換基を有してもよいC~C20アルキル基を示す、[9]に記載のフラーレン誘導体の製造方法。
[11] Rは水素原子、置換基を有してもよいC~C20アルキル基、置換基を有してもよいC~C20アルケニル基、または、置換基を有してもよいC~C20アルキニル基を示す、[9]または[10]に記載のフラーレン誘導体の製造方法。
[12] 有機金属試薬(A)に含まれる有機基が、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基またはフェニル基である、[1]~[11]のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。
[13] 銅化合物(B)がCuBr・S(CHである、[1]~[12]のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。
[14] 下記式(3)
【化7】
JP0004942220B2_000004t.gif


[式中、Rは水素原子、または、置換基を有してもよいC~C20炭化水素基を示し、Rはそれぞれ独立して水素原子、または置換基を有してもよいC~C20炭化水素基を示す。]
で表されるフラーレン誘導体。
[15] Rは水素原子、置換基を有してもよいC~C20アルキル基を示す、[14]に記載のフラーレン誘導体。
[16] Rは水素原子、置換基を有してもよいC~C20アルキル基、置換基を有してもよいC~C20アルケニル基、または、置換基を有してもよいC~C20アルキニル基を示す、[14]または[15]に記載のフラーレン誘導体。
[17] 下記式(4)
【化8】
JP0004942220B2_000005t.gif



[式中、Rはそれぞれ独立して水素原子、または置換基を有してもよいC~C20炭化水素基を示し、Mは金属原子であり、LはMの配位子であり、nはLの数である。]
で表されるフラーレン誘導体。
[18] Rは水素原子、置換基を有してもよいC~C20アルキル基、置換基を有してもよいC~C20アルケニル基、または、置換基を有してもよいC~C20アルキニル基を示す、[17]に記載のフラーレン誘導体。
[19] Mが遷移金属である、[17]または[18]に記載のフラーレン誘導体。
[20] Mが8~10族の遷移金属である、[17]または[18]に記載のフラーレン誘導体。
[21] MがFe、RuまたはOsであり、nが~5の整数であり、Lがハロゲン原子、アルコキシ基、アルキル基、アルキン基またはシクロペンタジエニル基である、[17]または[18]に記載のフラーレン誘導体。

本発明の好ましい態様に係るフラーレン誘導体の製造方法を用いると、たとえば、エステル基、アミド基、アルキン基、トリメチルシリル基等の官能基を置換基として有するフラーレン誘導体を簡便に得ることができる。本発明の好ましい態様に係るフラーレン誘導体の製造方法を用いると、たとえば、置換基が位置選択的に付加された5重付加フラーレン誘導体を簡便に得ることができる。また、本発明の好ましい態様に係るフラーレン誘導体の製造方法を用いると、たとえば、高い収率でフラーレン誘導体を得ることができる。

【発明を実施するための最良の形態】
【0004】
1.本発明のフラーレン誘導体
上述したとおり、本発明のフラーレン誘導体は、上記式(1)で表されるフラーレン誘導体である。本発明のフラーレン誘導体は、例えば、本発明のフラーレン誘導体の製造方法を用いて製造できる。
ここで、フラーレンとは、炭素原子が球状またはラグビーボール状に配置して形成される炭素クラスターの総称であり(現代化学2000年6月号46頁,Chemical Reviews, 98, 2527(1998)参照)、たとえば、フラーレンC60(いわゆるバックミンスター・フラーレン)、フラーレンC70、フラーレンC76、フラーレンC78、フラーレンC82、フラーレンC84、フラーレンC90、フラーレンC94、フラーレンC96等が挙げられる。
(1)式中、nは60以上の偶数、フラーレン誘導体の製造原料に用いられるフラーレンの種類に依存する。具体的には、nは60、70、76、78、82、84、90、94、96等の偶数である。
(1)式中、mは、mは3~10の整数であり、5~10であることが好ましい。mが3~5の場合pは1であることが好ましく、mが6,8または10の場合pは2であることが好ましく、mが7または9の場合pは1であることが好ましい。
また、(1)式中、R置換基を有してもよいC~C20炭化水素基、置換基を有してもよいC~C20アルコキシ基、置換基を有してもよいC~C20アリールオキシ基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいシリル基、置換基を有してもよいアルキルチオ基(-SY、式中、Yは置換基を有してもよいC~C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールチオ基(-SY、式中、Yは置換基を有してもよいC~C18アリール基を示す。)、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基(-SO、式中、Yは置換基を有してもよいC~C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールスルホニル基(-SO、式中、Yは置換基を有してもよいC~C18アリール基を示す。)を示す。Rは互いに同一でも異なっていてもよい。
また、(1)式中、Rは水素原子またはC~C20アルキル基を示す。
本発明の製造方法で得られるフラーレン誘導体において、フラーレン骨格に付加する基(R,R)は、フラーレン骨格に対して位置選択的に付加され得る。たとえば、フラーレンC60を原料として用いた場合には、フラーレンC60の1つの5員環を取り囲むようにRがフラーレン骨格に付加し、前記5員環の1つの炭素にRがフラーレン骨格に付加できる。
本明細書において、「C~C20炭化水素基」の炭化水素基は、飽和若しくは不飽和の非環式であってもよいし、飽和若しくは不飽和の環式であってもよい。C~C20炭化水素基が非環式の場合には、線状でもよいし、枝分かれでもよい。「C~C20炭化水素基」には、C~C20アルキル基、C~C20アルケニル基、C~C20アルキニル基、C~C20アルキルジエニル基、C~C18アリール基、C~C20アルキルアリール基、C~C20アリールアルキル基、C~C20シクロアルキル基、C~C20シクロアルケニル基、(C~C10シクロアルキル)C~C10アルキル基などが含まれる。
本明細書において、「C~C20アルキル基」は、C~C10アルキル基であることが好ましく、C~Cアルキル基であることが更に好ましい。アルキル基の例としては、制限するわけではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ドデカニル等を挙げることができる。
本明細書において、「C~C20アルケニル基」は、C~C10アルケニル基であることが好ましく、C~Cアルケニル基であることが更に好ましい。アルケニル基の例としては、制限するわけではないが、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、2-メチル-1-プロペニル、2-メチルアリル、2-ブテニル等を挙げることができる。
本明細書において、「C2~C20アルキニル基」は、C~C10アルキニル基であることが好ましく、C~Cアルキニル基であることが更に好ましい。アルキニル基の例としては、制限するわけではないが、エチニル、プロピニル、ブチニル等を挙げることができる。
本明細書において、「C~C20アルキルジエニル基」は、C~C10アルキルジエニル基であることが好ましく、C~Cアルキルジエニル基であることが更に好ましい。アルキルジエニル基の例としては、制限するわけではないが、1,3-ブタジエニル等を挙げることができる。
本明細書において、「C~C18アリール基」は、C~C10アリール基であることが好ましい。アリール基の例としては、制限するわけではないが、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、インデニル、ビフェニリル、アントリル、フェナントリル等を挙げることができる。
本明細書において、「C~C20アルキルアリール基」は、C~C12アルキルアリール基であることが好ましい。アルキルアリール基の例としては、制限するわけではないが、o-トリル、m-トリル、p-トリル、2,3-キシリル、2,4-キシリル、2,5-キシリル、o-クメニル、m-クメニル、p-クメニル、メシチル等を挙げることができる。
本明細書において、「C~C20アリールアルキル基」は、C~C12アリールアルキル基であることが好ましい。アリールアルキル基の例としては、制限するわけではないが、ベンジル、フェネチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、1-ナフチルメチル、2-ナフチルメチル、2,2-ジフェニルエチル、3-フェニルプロピル、4-フェニルブチル、5-フェニルペンチル等を挙げることができる。
本明細書において、「C~C20シクロアルキル基」は、C~C10シクロアルキル基であることが好ましい。シクロアルキル基の例としては、制限するわけではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等を挙げることができる。
本明細書において、「C~C20シクロアルケニル基」は、C~C10シクロアルケニル基であることが好ましい。シクロアルケニル基の例としては、制限するわけではないが、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル等を挙げることができる。
本明細書において、「C~C20アルコキシ基」は、C~C10アルコキシ基であることが好ましく、C~Cアルコキシ基であることが更に好ましい。アルコキシ基の例としては、制限するわけではないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ等がある。
本明細書において、「C~C20アリールオキシ基」は、C~C10アリールオキシ基であることが好ましい。アリールオキシ基の例としては、制限するわけではないが、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ等を挙げることができる。
本明細書において、「アルキルチオ基(-SY、式中、Yは置換基を有してもよいC~C20アルキル基を示す。)」及び「アルキルスルホニル基(-SO、式中、Yは置換基を有してもよいC~C20アルキル基を示す。)」において、Y及びYは、C~C10アルキル基であることが好ましく、C~Cアルキル基であることが更に好ましい。アルキル基の例としては、制限するわけではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ドデカニル等を挙げることができる。
本明細書において、「アリールチオ基(-SY、式中、Yは置換基を有してもよいC~C18アリール基を示す。)」及び「アリールスルホニル基(-SO、式中、Yは置換基を有してもよいC~C18アリール基を示す。)」において、Y及びYは、C~C10アリール基であることが好ましい。アリール基の例としては、制限するわけではないが、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、インデニル、ビフェニリル、アントリル、フェナントリル等を挙げることができる。
「C~C20炭化水素基」、「C~C20アルコキシ基」、「C~C20アリールオキシ基」、「アミノ基」、「シリル基」、「アルキルチオ基」、「アリールチオ基」、「アルキルスルホニル基」、「アリールスルホニル基」には、置換基が導入されていてもよい。この置換基としては、例えば、エステル基、カルボキシル基、アミド基、アルキン基、トリメチルシリル基、アミノ基、ホスホニル基、チオ基、カルボニル基、ニトロ基、スルホ基、イミノ基、ハロゲノ基、アルコキシ基などを挙げることができる。この場合、置換基は、置換可能な位置に1個以上、置換可能な最大数まで導入されていてもよく、好ましくは1個~4個導入されていてもよい。置換基数が2個以上である場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。また、置換基として、F,Cl,Br,I等のハロゲン原子も含まれる。
本明細書において、「置換基を有してもよいアミノ基」の例としては、制限するわけではないが、アミノ、ジメチルアミノ、メチルアミノ、メチルフェニルアミノ、フェニルアミノ等がある。
本明細書において、「置換基を有していてもよいシリル基」の例としては、制限するわけではないが、ジメチルシリル、ジエチルシリル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリメトキシシリル、トリエトキシシリル、ジフェニルメチルシリル、トリフェニルシリル、トリフェノキシシリル、ジメチルメトキシシリル、ジメチルフェノキシシリル、メチルメトキシフェニル等がある。
本明細書において、「芳香族基」の例としては、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基等がある。
本明細書において、「複素環基」の例としては、チエニル基、ピロリル基、ピリジル基、ビピリジル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、ターチエニル基等がある。
本明細書において、「縮合多環芳香族基」の例としては、フルオレニル基、ナフチル基、フルオランテニル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基、テトラセニル基、ペンタセニル基、トリフェニレニル基、ペリレニル基等がある。
本明細書において、「縮合多環複素環基」の例としては、カルバゾリル基、アクリジニル基、フェナントロリル基等がある。
また、これらの、「芳香族基」、「複素環基」、「縮合多環芳香族基」および「縮合多環複素環基」が有しても良い置換基の例としては、制限するわけではないが、C~C10炭化水素基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、ナフチル、インデニル、トリル、キシリル、ベンジル等)、C~C10アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、C~C10アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ等)、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)又はシリル基などを挙げることができる。この場合、置換基は、置換可能な位置に1個以上導入されていてもよく、好ましくは1個~4個導入されていてもよい。置換基数が2個以上である場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
式(1)で表されるフラーレン誘導体の中でも、本発明の製造方法を用いると、上記式(3)で表されるフラーレン誘導体が高収率で合成される。
また、本発明は、上記式(4)で表されるフラーレン誘導体を提供する。式(4)で表されるフラーレン誘導体は、例えば、式(3)で表されるフラーレン誘導体に[CpFe(CO)等の金属錯体を加えて加熱する等の公知の方法で合成できる。

2.本発明のフラーレン誘導体の製造方法
本発明のフラーレン誘導体の製造方法は、フラーレン、有機金属試薬(A)、および、銅化合物(B)を反応させてフラーレン誘導体を合成することを特徴とする。
2.1 フラーレン
本発明のフラーレン誘導体の製造方法に用いられるフラーレンは、特に限定されるものではないが、たとえば、フラーレンC60(いわゆる「バックミンスター・フラーレン」)、フラーレンC70、フラーレンC76、フラーレンC78、フラーレンC82、フラーレンC84、フラーレンC90、フラーレンC94、フラーレンC96等が挙げられる。これらのフラーレンの中でも、入手の容易性から、本製造工程においてC60およびC70を用いることが好ましい。
2.2 有機金属試薬(A)
本発明の製造方法で用いられる有機金属試薬(A)はハロゲン原子を有してもよい有機基と金属原子としてB、Al、Zn、Sn、Pb、Te、Ti、Mn、ZrもしくはSmとを含む化合物であれば特に限定されない。有機基としては、たとえば、置換基を有していてもよいC~C20炭化水素基、置換基を有していてもよいC~C20アルコキシ基、置換基を有していてもよいC~C20アリールオキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいシリル基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基(-SY、式中、Yは置換基を有していてもよいC~C20アルキル基を示す。)、置換基を有していてもよいアリールチオ基(-SY、式中、Yは置換基を有していてもよいC~C18アリール基を示す。)、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基(-SO、式中、Yは置換基を有していてもよいC~C20アルキル基を示す。)、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基(-SO、式中、Yは置換基を有していてもよいC~C18アリール基を示す。)が挙げられる。これらの有機基の中でも、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリールアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基等が好ましい。
また、前記有機基は、エステル基、カルボキシル基、アミド基、アルキン基、トリメチルシリル基、トリメチルシリルエチニル基、アリール基、アミノ基、ホスホニル基、チオ基、カルボニル基、ニトロ基、スルホ基、イミノ基、ハロゲノ基、アルコキシ基等の官能基を含む置換基を有することができる。有機金属試薬(A)の合成の容易性の点から、エステル基(たとえば、エチルエステル基、メチルエステル基等)、アミド基、シアノ基からなる群から選ばれる1つ以上の官能基を含むことが好ましい。この際、有機基に含まれる官能基が2以上の場合、各官能基は同一であっても異なっていてもよい。
有機基に含まれることがあるハロゲン原子は特に限定されるものではないが、F、Cl、Br、Iが挙げられる。これらのハロゲン原子の中でもF、BrまたはIが含まれることが好ましい。
有機金属試薬(A)に含まれる金属原子はB、Al、Zn、Sn、Pb、Te、Ti、Mn、ZrまたはSmであり、さらにAl、Zn、SnまたはPbが好ましく、Znが最も好ましい。
また、有機金属試薬(A)は複数の有機基を有してもよい。
有機金属試薬としては、たとえば、R-M-R(式中、RとRが互いに独立して有機基、Mが金属原子を示す。)、R-M-X(式中、Rが有機基、Mが金属原子、Xがハロゲン原子を示す。)等の構造を有する化合物が挙げられる。
これらの有機金属試薬(A)は、一般に市販されている試薬を用いることができるが、たとえば、Znなどの金属粉末の活性化処理を行った後、所望の有機ハロゲン化物等を加えて、室温で攪拌(例えば、約2時間)することなどの方法を用いて調製することもできる。

2.3 銅化合物(B)
本発明の製造方法で用いられる銅化合物(B)は、有機基と銅原子を含む化合物であれば特に限定されるものではないが、1価または2価の銅化合物から調整されたものであることが好ましい。これらの中でも、精製が容易で純度を高めることができる点から、銅化合物としてCuBr・S(CHを用いることが好ましい。
また、銅化合物(B)の安定化や溶解度を向上させること等を目的として、場合により、N,N-ジメチルイミダゾリジノン(DMI)や、N-ブチルピロリドン(NBT)などの添加剤を適時用いることもできる。
2.4 混合比等
通常、有機金属試薬(A)は、原料となるフラーレンに対して5~50等量、好ましくは10~30当量用いられる。
銅化合物(B)が用いられる量は特に限定されるものではないが、有機金属試薬(A)と銅化合物(B)との混合比(モル比)が8:1~1:2が好ましく、2:1~1:2がさらに好ましく、1:1程度となるように用いられることが最も好ましい。
2.5 反応条件
本発明の製造方法における、フラーレン、有機金属試薬(A)および銅化合物(B)の反応は、一般的には、トルエン、テトラヒドロフラン、ジクロロベンゼン、またはそれらの混合溶媒などの不活性溶媒中で行われる。
当該反応は常圧下で、-70℃~70℃の温度範囲で行われることが好ましく、-50℃~50℃の温度範囲で行われることがさらに好ましい。
また、反応時間は用いられる溶媒や温度等に依存するが、一般的には、通常、数分~5時間、好ましくは10分~4時間程度で行われる。
本発明におけるフラーレン誘導体の合成反応の停止は、塩化アンモニウム水溶液などを反応系中に添加することによって行うことができる。
2.6 フラーレン誘導体の単離
本発明の合成反応の反応系からフラーレン誘導体を単離する方法は、特に限定されないが、たとえば反応液をそのままシリカゲルカラムに通すことによって、無機物等の副生成物を除くことによって行われる。必要に応じて、単離した物質について、HPLCや通常のカラムクロマトグラフィー等で更に精製し、フラーレン誘導体の純度を向上させてもよい。
2.7 フラーレン骨格に付加された置換基の変換
上記本発明のフラーレン誘導体合成反応によってフラーレン骨格に付加された置換基を変換することができる。
2.7.1 カルボキシル基が付加されたフラーレン誘導体の製造方法
上記本発明のフラーレン誘導体合成反応によって得られたフラーレン誘導体に付加された置換基がエステル基を有する場合、このフラーレン誘導体にNaHやNaOH等の塩基を添加して処理することによって、エステル基をカルボキシル基に変換することができる。
これによって、カルボキシル基が付加されたフラーレン誘導体を得ることができる。
2.8 さらにハロゲン化アルキルを添加して得られるフラーレン誘導体の製造方法
フラーレン、有機金属試薬および銅化合物を反応させた後に、さらにハロゲン化アルキルR(5)を添加して反応させることによって、Rをフラーレン誘導体に付加させることができる。
添加されるハロゲン化アルキルを表す上記(5)式中、Rは置換基を有してもよいC~C20アルキル基を示し、Xはハロゲン原子を示す。
ハロゲン化アルキルは、式(5)を満たせば特に限定されるものではないが、ヨウ化メチルが最も好ましい。
この反応によって付加するアルキル基はフラーレン骨格に位置選択的に付加できる。たとえば、フラーレンC60を原料として用いた場合には、付加した5つの基に取り囲まれたフラーレンC60の5員環を構成する炭素に、アルキル基が結合することができる。

3.本発明の合成反応によって得られたフラーレン誘導体の用途
本発明のフラーレン誘導体合成反応を用いて得られた官能基を含む置換基を有するフラーレン誘導体は、従来のフラーレン誘導体と比べて異なる電気的性質および溶媒溶解性を示す。したがって、置換基の種類にもよるが、電池添加剤などの電子材料や、生理活性物質として用いることができる。
また、特にエステル基やカルボン酸基、アルキン基、シアノ基などの極性官能基を有するフラーレン誘導体では、極性官能基上でさらなる反応を行い、さらに置換基を導入することができる。このようにして得られたフラーレン誘導体は、ポリマーとシグマ結合で結合等させることができるため、原料としても有用である。
また、例えば、特開平10-167994号公報、特開平11-255509号公報等に記載された公知の方法を用いて、官能基を含む置換基を有するフラーレン誘導体の金属錯体を容易に製造することができる。このようなフラーレン誘導体の金属錯体には、フラーレン骨格に由来する電気的、光化学的、磁気的性質等に加えて金属原子固有の性質を付与することができるため、電子材料用素子としても有用である。

【実施例】
【0005】
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
[実施例1]C60(CHCOOCHの製造
下記スキーム1に示すように、窒素雰囲気下において、2.0gのフラーレンC60を90mLのオルトジクロロベンゼンに溶解させ、有機金属試薬(A)として15当量のエトキシカルボニルメチル亜鉛臭化物試薬BrZnCHCOEtのTHF溶液(濃度約0.7M)、銅化合物(B)として15当量の臭化銅(I)ジメチルスルフィド錯体CuBr・S(CH、および15当量のN,N-ジメチルイミダゾリジノン(4.75g)を加えて25℃で反応を行い、2.5時間後、2.0mLの飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止した。反応生成物を10mLの脱気したトルエンを加えて希釈し、展開溶媒をトルエンとしたシリカゲルショートパスを通して副生する亜鉛塩等を除去した。溶媒を留去して、メタノール100mLを加えて再沈して得られた固体をろ過後、メタノールで洗浄して2.94gの5重付加体C60(CHCOOCHを得た(単離収率92%)。
JP0004942220B2_000006t.gif 得られた生成物のNMRによる分析データを以下に示す。
H NMR(CDCl)δ5.16(s,1H,CpH),4.28(q,J=7.16Hz,2H),4.25(q,J=7.16Hz,4H),4.22(q,J=7.16Hz,4H),3.71(s,2H),3.69(d,J=14.3Hz,1H),3.61(d,J=14.6Hz,1H),3.54(d,J=14.6Hz,1H),3.50(d,J=14.3Hz,1H),1.29(t,J=7.16Hz,3H),1.28(t,J=7.16Hz,6H),1.24(t,J=7.16Hz,6H).
13C NMR(CDCl)δ171.32,170.49,169.91,155.17(2C),153.34(2C),152.15(2C),150.57(2C),148.59(2C),148.55(2C),148.24(2C),148.04(2C),148.00(1C),147.87(2C),147.63(2C),147.04(2C),146.92(2C),146.85(1C),146.52(2C),145.48(2C),145.13(2C),145.03(2C),144.56(2C),144.13(2C),144.01(2C),143.86(2C),143.85(2C),143.78(2C),143.69(2C),143.69(2C),143.57(2C),142.75(2C),61.23(1C,CHCH),61.18(2C,CHCH),61.14(2C,CHCH),57.56(1C),53.79(2C),52.39(1C),51.55(2C),44.58(3C,CCO),44.09(2C,CO),14.26(2C CHCH),14.22(3C,CHCH).
さらに、下記スキーム2に示すとおり、スキーム1で得られたエステル基を有するフラーレン誘導体(C60(CHCOOCH)をフェニルシアン溶媒に溶解させて、[CpFe(CO)]を加えて180℃で24時間反応させることによって、官能基を有するバッキーフェロセン誘導体の単結晶を得ることができた。
JP0004942220B2_000007t.gif 当該誘導体の単結晶についてX線結晶構造解析を行ったところ、以下のとおりであった。
JP0004942220B2_000008t.gif 当該X線結晶構造解析により、メチレンエステル基および鉄錯体の導入を確認することができた。
[実施例2]C60(CCOOC-4)Hの製造
下記スキーム3に示すように、窒素雰囲気下において、200mgのC60を10mLのオルトジクロロベンゼンに溶解させ、有機金属試薬(A)として15当量の4-エトキシカルボニルフェニル亜鉛ヨウ化物試薬4-IZnPhCOEtのTHF溶液(濃度約0.5M)、および銅化合物(B)として15当量の臭化銅(I)ジメチルスルフィド錯体CuBr・S(CHを0℃で加えたのち、25℃へ昇温して反応を行い、3時間後、0.5mLの飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止した。反応生成物を5mLの脱気したトルエンを加えて希釈し、展開溶媒を酢酸エチルとしたシリカゲルショートパスを通して副生する亜鉛塩等を除去した。溶媒を留去して、メタノール50mLを加えて再沈して得られた固体をろ過後、メタノールで洗浄して395mgの5重付加体C60(CCOOC-4)Hを得た(単離収率97%)。
JP0004942220B2_000009t.gif 得られた生成物のNMR、IRおよびAPCI-MSによる分析データを以下に示す。
H NMR(CDCl):δ 1.40(m,15H,5CH),4.40(m,10H,5CH),5.34(s,1H,C60H),7.42(d,J=8.00Hz,2H,ArH),7.64(d,J=8.00Hz,4H,ArH),7.83(d,J=8.00Hz,2H,ArH),7.84(d,J=8.00Hz,4H,ArH),7.88(d,J=8.00Hz,4H,ArH),8.03(d,J=8.00Hz,4H,ArH).
13C NMR(CDCl):δ 14.07(1C,CH),14.28(2C,2CH),14.32(2C,2CH),58.55(2C,2C60(Cα)),58.72(1C,C60(Cα)),60.74(2C,2C60(Cα),61.17(3C,3CH),61.26(2C,2CH),62.72(1C,C60(CH)),127.39,127.64,127.66,129.67,129.97,130.15,130.21,130.35,130.44,143.21,143.23,143.89,143.94,143.97,144.10,144.17,144.25,144.38,144.93,145.23,145.31,145.33,146.72,146.92,147.00,147.63,147.98,148.13,148.27,148.56,148.64,148.68,149.60,150.64,151.50,152.57,155.27,165.84(1C,COEt),165.93(2C,2COEt),165.95(2C,2COEt).
IR(powder,cm-1):2977(m,νC-H),1694(m,νC=O),1607(s),1409(s),1258(νC-O),1181(s).
APCI-MS(-):m/z 1466(M).APCI-HRMS(-):calcd.for C1054510(M-H)1465.3013,found 1465.2966.
[実施例3] C60(CHCO-1-hexyl)Hの製造
窒素雰囲気下において、亜鉛粉末(196mg,3.0mmol)に,THF1.0mLと9.0μLの1,2-ジブロモエタンを加えて加熱還流し、トリメチルクロロシラン2滴加えて亜鉛の活性化処理を行った後、15当量のブロモ酢酸(1-ヘキシル)(335mg,1.5mmol)を加え室温で2時間撹拌することにより有機亜鉛試薬を調製した。
その後、下記スキーム4に示すように、窒素雰囲気下において、15当量の上記有機亜鉛試薬に、15当量の臭化銅(I)ジメチルスルフィド錯体CuBr・SMe(308mg,1.5mmol)、15当量のN,N-ジメチルイミダゾリジノン(0.16mL,1.5mmol)、THF1.0mLおよびC60の1,2-ジクロロベンゼン溶液(C6072.0mg,1,2-ジクロロベンゼン5mL)を加えて40℃で反応を行った。1時間後、0.1mLの飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止し、反応生成物を10mLの脱気したトルエンを加えて希釈し、トルエン、次いで酢酸エチルを展開溶媒として用いたシリカゲルショートパスを通して副生する亜鉛塩等を除去した。溶媒を留去して、メタノール100mLを加えて再沈して得られた固体をろ過後、メタノールで洗浄して、C60(CHCO-1-hexyl)Hを得た(単離収率91%)。
JP0004942220B2_000010t.gif 得られた生成物のNMRによる分析データを以下に示す。
H NMR(CDCl,500MHz)δ 5.16,4.20(t,J=6.6Hz,2H),4.17(t,J=6.5Hz,2H),4.14(t,J=6.7Hz,2H),3.711(s,2H),3.707(d,J=14.6Hz,2H),3.61(d,J=14.6Hz,2H),3.54(d,J=14.6Hz,2H),3.51(d,J=14.6Hz,2H),1.67-1.55(m,10H),1.35-1.20(m,30H),0.90-0.84(t overlapped,15H);13C{H}NMR(CDCl,125Hz)δ 171.31(1C,CO),170.51(2C,CO),169.91(2C,CO),155.20(2C),153.36(2C),152.19(2C),150.54(2C),148.62(2C),148.55(2C),148.51(2C),148.21(2C),148.01(2C),147.97(1C),147.83(2C),147.60(2C),147.01(2C),146.90(2C),146.82(1C),146.53(2C),145.45(2C),145.13(2C),145.00(2C),144.56(2C),144.11(2C),143.98(2C),143.82(2+2C),143.74(2C),143.66(2C),143.64(2C),142.72(2C),65.37(1+2C,COH2CH2-),65.31(2C,COH2CH2-),57.61(1C),53.78(2C),52.37(1C),51.56(2C),44.69(1+2C,C60H2CO),44.10(2C,C60H2CO),31.39(1+2C,CH2),31.37(2C,CH2),28.54(2C,CH2),28.50(1+2C,CH2),25.56(2C,CH2),25.54(1+2C,CH2),22.52(1+2C,CH2),22.50(2C,CH2),13.99(1+2C,-CH3),13.98(2C,-CH3).
[実施例4] C60(CHCOCHHの製造
ブロモ酢酸(1-ヘキシル)の代わりにブロモ酢酸ベンジル(344mg)を用いた以外は、実施例3と同様に有機亜鉛試薬を調製した。
その後、下記スキーム5に示すように、当該有機亜鉛試薬を用いた以外は、実施例3と同様にしてC60(CHCOCHHを得た(単離収率89%)。
JP0004942220B2_000011t.gif 得られた生成物のNMRおよびAPCI-MSによる分析データを以下に示す。
H NMR(CDCl,500MHz)δ 7.32-7.23(m,25H),5.19-5.09(overlapped d,C,8H),5.13(s,overlapped,CpH and C,2+1H),3.69(d,J=14.3Hz,2H),3.68(s,2H),3.59(d,J=14.3Hz,2H),3.56(d,J=14.3Hz,2H),3.50(d,J=14.3Hz,2H);13C{H}NMR(CDCl,125Hz)δ 171.08(1C,CO),170.29(2C,CO),169.67(2C,CO),155.02(2C),153.35(2C),152.00(2C),150.38(2C),148.60(2C),148.53(2C),148.46(2C),148.16(2C),147.97(2C),147.93(1C),147.79(2C),147.56(2C),146.96(2C),146.84(2C),146.77(1C),146.32(2C),145.25(2C),144.95(2C),144.87(2C),144.38(2C),144.10(2C),143.81(2C),143.79(2C),143.74(2C),143.66(2C),143.64(2C),143.55(2C),142.73(2C),137.83(C,1C),135.38(C,2C),135.28(C,2C),128.56(C,2C),128.55(C,4C),128.53(C,4C),128.52(C,4C),128.47(C,1+2+2C),128.39(C,2C),128.37(C,4C),66.92(,2C),66.91(,1C),66.87(,2C),57.66(1C),53.68(2C),52.30(1C),51.48(2C),47.24(1C),44.44(2C),43.92(2C).
MS(APCI-):m/z 1465(M-H)-;HRMS(APCI-)m/z calcd for C1054510(M-H),1465.3013;found 1465.3030.
[実施例5] C60(CHCOCHCFHの製造
ブロモ酢酸(1-ヘキシル)の代わりにブロモ酢酸2,2,2-トリフルオロエチル(331mg)を用いた以外は、実施例3と同様に有機亜鉛試薬を調製した。
その後、下記スキーム6に示すように、当該有機亜鉛試薬を用いた以外は、実施例3と同様にしてC60(CHCHCFHを得た(単離収率59%)。
JP0004942220B2_000012t.gif 得られた生成物のNMRおよびAPCI-MSによる分析データを以下に示す。
H NMR(CDCl,500MHz)δ 5.12(s,1H),4.65-4.52(m,10H,CCF),3.90(s,2H),3.89(d,J=15.5Hz,2H),3.74(d,J=14.6Hz,2H),3.73(d,J=15.5Hz,2H),3.66(d,J=14.6Hz,2H);13C{H}NMR(CDCl,125Hz)δ 169.95(1C,CO),169.11(2C,CO),168.29(2C,CO),154.83(2C),153.49(2C),151.75(2C),149.77(2C),148.84(2C),148.77(2C),148.66(2C),148.38(2C),148.15(2C+1C),147.99(2C),147.76(2C),147.06(2C),146.98(2C),146.88(1C),145.87(2C),145.00(2C),144.77(2C),144.65(2C),144.38(2C),144.00(2C),143.93(2C),143.87(2),143.82(2C),143.80(2C),143.51(2C),143.34(2C),143.00(2C),122.72(q,CF=277.3Hz,1C+2C),122.69(q,CF=277.3Hz,2C),60.80(q,CF=37.0Hz,2C),60.77(q,CF=36.9,1C),60.75(q,CF=36.8Hz,2C),57.84(1C),53.22(2C),51.94(1C),51.05(2C),46.33(1C),43.75(2C),43.10(2C);19F NMR(CDCl,500MHz)δ -73.59(s,15F).
MS(APCI-):m/z 1425(M-H)-;HRMS(APCI-)m/z calcd for C80201510(M-H),1425.0817;found 1425.0825.
【産業上の利用可能性】
【0006】
本発明で得られたフラーレン誘導体は、たとえば、電子材料、生理活性物質、金属錯体の配位子等に利用することができる。また、本発明で得られたフラーレン誘導体は、更なる転換反応を加えて、様々な種類のフラーレン誘導体を合成するための中間体として用いることができる。