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明細書 :ポリカーボネート製造用触媒とポリカーボネート製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5403537号 (P5403537)
公開番号 特開2009-242794 (P2009-242794A)
登録日 平成25年11月8日(2013.11.8)
発行日 平成26年1月29日(2014.1.29)
公開日 平成21年10月22日(2009.10.22)
発明の名称または考案の名称 ポリカーボネート製造用触媒とポリカーボネート製造方法
国際特許分類 C08G  64/34        (2006.01)
FI C08G 64/34
請求項の数または発明の数 12
全頁数 22
出願番号 特願2009-058729 (P2009-058729)
出願日 平成21年3月11日(2009.3.11)
優先権出願番号 2008061870
優先日 平成20年3月11日(2008.3.11)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成23年10月18日(2011.10.18)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504137912
【氏名又は名称】国立大学法人 東京大学
【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】新日鐵住金株式会社
【識別番号】306022513
【氏名又は名称】新日鉄住金エンジニアリング株式会社
【識別番号】000006644
【氏名又は名称】新日鉄住金化学株式会社
発明者または考案者 【氏名】小林 修
【氏名】秋山 良
【氏名】鈴木 公仁
【氏名】藤本 健一郎
個別代理人の代理人 【識別番号】100099759、【弁理士】、【氏名又は名称】青木 篤
【識別番号】100077517、【弁理士】、【氏名又は名称】石田 敬
【識別番号】100087413、【弁理士】、【氏名又は名称】古賀 哲次
【識別番号】100111903、【弁理士】、【氏名又は名称】永坂 友康
審査官 【審査官】▲吉▼澤 英一
参考文献・文献 特開2006-257374(JP,A)
特開2004-263168(JP,A)
特開2001-11170(JP,A)
調査した分野 C08G 64/34
特許請求の範囲 【請求項1】
エポキシドと二酸化炭素からポリカーボネートを製造する際に用いられる触媒であって、スカンジウムのアルコキシド、ハロゲン化物及びトリフラート化合物から選ばれる一種又は二種以上のスカンジウム化合物(第1の触媒)と、チタン、ジルコニウム、ハフニウム及びセリウムの金属アルコキシド、金属ハロゲン化物、及び金属ハロゲン化物アルコキシドから選ばれる一種又は二種以上の金属化合物(第2の触媒)が混合されてなることを特徴とするポリカーボネート製造用触媒。
【請求項2】
前記第1の触媒として、スカンジウムのアルコキシド、ハロゲン化物及びトリフラート化合物から選ばれる一種又は二種以上のスカンジウム化合物と、前記第2の触媒として、チタンのアルコキシド、ハロゲン化物、及びハロゲン化物アルコキシドから選ばれる一種又は二種以上の金属化合物が、混合されてなる、請求項1に記載のポリカーボネート製造用触媒。
【請求項3】
前記第1の触媒が、炭素数1~6の脂肪族アルコキシ基のスカンジウムアルコキシドである、請求項1又は2に記載のポリカーボネート製造用触媒。
【請求項4】
前記第2の触媒として、炭素数1~10の脂肪族アルコキシ基のチタンアルコキシドを用いる、請求項2又は3に記載のポリカーボネート製造用触媒。
【請求項5】
前記第1の触媒が、スカンジウムイソプロポキシド及び塩化スカンジウムの一方又は双方であり、前記第2の触媒が、チタンイソプロポキシド、四塩化チタン及びジクロロチタニウムジイソプロポキシドから選ばれる1種又は2種以上である、請求項2に記載のポリカーボネート製造用触媒。
【請求項6】
前記第1の触媒に対する前記第2の触媒のモル比が0.1~20である、請求項1~5のいずれか1項に記載のポリカーボネート製造用触媒。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の触媒の存在下、エポキシドと二酸化炭素からポリカーボネートを製造することを特徴とするポリカーボネートの製造方法。
【請求項8】
脂環式エポキシドと二酸化炭素とを反応させて脂環式ポリカーボネートを製造する、請求項7に記載のポリカーボネートの製造方法。
【請求項9】
エチレンオキシドまたは1~4置換エポキシドの少なくともいずれかと二酸化炭素とを反応させて脂肪族ポリカーボネートを製造する、請求項7に記載のポリカーボネートの製造方法。
【請求項10】
前記エポキシドと二酸化炭素を反応させる際に、溶媒の存在下で反応させる、請求項7~9のいずれか1項に記載のポリカーボネートの製造方法。
【請求項11】
スカンジウムイソプロポキシドとチタンイソプロポキシドを触媒として用い、シクロヘキセンオキシドと二酸化炭素を反応させて脂環式ポリカーボネートを製造する、請求項7又は10に記載のポリカーボネートの製造方法。
【請求項12】
スカンジウムイソプロポキシドとチタンイソプロポキシドを触媒として用い、プロピレンオキシドと二酸化炭素を反応させて脂肪族ポリカーボネートを製造する、請求項7又は10に記載のポリカーボネートの製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、エポキシドと二酸化炭素を触媒の存在下で反応させて、ポリカーボネートを製造するための触媒及びその触媒を用いたポリカーボネートの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポリカーボネートとは、モノマー単位同士の接合部がすべてカーボネート基(-O-(C=O)-O-)で構成されるプラスチックの総称である。一般に、透明性、耐衝撃性、耐熱性、難燃性等において高い物性を示す一方、その物性に比べて安価なため、CDやDVDをはじめとする電気電子材料(または部品)、自動車など輸送車両、光学、医療機器などに幅広く用いられ、ここ数年年率10%の市場の伸びを示す非常に有用なエンジニアリングプラスチックの一つである。
【0003】
従来のポリカーボネートの製造方法としては、ホスゲンをカルボニルソースとしてビスフェノールAと直接反応させる方法(界面重縮合)が主流である。この方法は、極めて有害で腐食性の高いホスゲンを用いるため、その輸送や貯蔵等の取扱に細心の注意が必要であり、製造設備の維持管理及び安全性の確保のために多大なコストがかかっていた。また、この方法で製造する場合、原料や触媒中に塩素などのハロゲンが含まれており、得られるポリカーボネート中には、簡単な精製工程では取り除くことのできない微量のハロゲンが含まれる。このハロゲンは腐食の原因となる懸念も存在するため、微量に存在するハロゲンを極微量にするための徹底的な精製工程が必須となる。さらに、最近では、人体に極めて有害なホスゲンを利用することから、この製造方法での製造設備の新設が許可されないなど行政指導が厳しくなされてきており、ホスゲンを用いない新たな製造方法が強く望まれている。
【0004】
一方、ホスゲンを用いないポリカーボネートの合成方法は古くから研究がなされており、例えば非特許文献1に示されているようにプロピレンオキシドと二酸化炭素をジエチル亜鉛/水存在下で脂肪族ポリカーボネートを重合させることに成功した例もあるが、触媒の活性が極端に低く、ポリマーの生産性が低いという問題があった。しかし、その研究を契機に、エポキシドと二酸化炭素からのポリカーボネート合成への不均一系触媒が数多く研究されてきた(非特許文献2)が、いずれも高い活性を示すレベルには至っていない。
【0005】
それに対し、最近十年の間、シクロヘキセンオキシドと二酸化炭素からのポリカーボネート合成に対して均一系触媒(金属錯体触媒)を適用することにより目覚しい進展が見られている。例えば、式1に示す亜鉛ベース錯体触媒(非特許文献2)や式2に示すクロムサレン錯体触媒(非特許文献3)、式3に示すコバルトサレン錯体触媒(非特許文献4)、式4に示す亜鉛錯体触媒(非特許文献5)などが挙げられる。いずれもその触媒の制御にヘテロ原子を有する配位子を必要とするため、触媒を精密に合成することが必須であり、その合成工程が複雑なため、触媒自体が高価になってしまう。また、それら錯体触媒は一般に酸素や水などの外的環境に不安定なため、空気中での取扱が困難であり、厳密な不活性ガス中での取り扱いが必要であるなどの問題がある。
【0006】
こうした中、非特許文献6に記載されているように、ホスゲンを用いない炭酸エステルの製造法として、二酸化炭素をエチレンオキシドなどと反応させて環状炭酸エステルを合成し、更にメタノールと反応させて炭酸ジメチルを得、フェノールとのエステル交換反応によるジフェニルカーボネートを経由してポリカーボネートを製造する方法が実用化されてきている。この方法は、塩酸などの腐食性物質を使用したり、発生することがほとんど無く、地球温暖化ガスとして削減を求められている二酸化炭素を骨格に入れることにより削減効果が期待できる環境にやさしい優れた方法であるが、特許文献1に記載されているように、副生するエチレングリコールなどの有効利用が大きな課題であり、またエチレンオキシドの原料であるエチレンや、エチレンオキシドの安全な輸送は困難であるため、これらエチレンとエチレンオキシドの製造工程用プラントに隣接して炭酸エステル製造工程用プラントを立地しなければならないといった制約もある。
【0007】
【化1】
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【0008】
【化2】
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【0009】
また、特許文献2には、還元性化合物の存在下、スカンジウムのトリス(2,2,6,6-テトラメチル-3,5-へプタンジオネート)を触媒としてステアリルグリシジルエーテルと二酸化炭素を共重合するポリステアリルグリシジルカーボネートの製造が教示されている。このポリカーボネートの製造方法は、比較的に安価な触媒を用い、比較的に高い生産性及び選択率での合成が可能であるが、まだその効果は限られたものである。さらにより安価に、より高い生産性、収率、選択率での合成が望まれる。
【先行技術文献】
【0010】

【特許文献1】WO2004/014840号公報
【特許文献2】特許第4,064,003号公報
【0011】

【非特許文献1】J. Polym. Sci. PartB: Polym. Lett., 1969, 7, 287
【非特許文献2】Angew. Chem. Int. Ed., 2002, 41, 2599
【非特許文献3】Organometallics, 2005, 24, 144
【非特許文献4】J. Am. Chem. Soc., 2007, 129, 8082
【非特許文献5】Chem. Commun., 2005, 1871
【非特許文献6】化学工学 第68巻 第1号 41頁(2004)
【非特許文献7】Chem. Lett., 2002, 164
【非特許文献8】J. Am. Chem. Soc., 2006, 128, 6312
【非特許文献9】Tetrahedron Lett., 2001, 42, 4673
【非特許文献10】Org. Lett., 2002, 4, 1607
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、エポキシドと二酸化炭素を触媒存在下で反応させてポリカーボネートを直接合成する際に、従来技術と比較して、より安価な触媒を用いてもより高い生産性、より高い選択率でポリカーボネートを合成可能なポリカーボネート用触媒とポリカーボネートの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、エポキシドと二酸化炭素からのポリカーボネートの製造に際し、反応基質の一つである二酸化炭素を活性化させる触媒を開発することに着目して開発を進めた結果、スカンジウムのアルコキシド、ハロゲン化物、トリフラート化合物から選ばれる一種又は二種以上のスカンジウム化合物(第1の触媒)と、チタン、ジルコニウム、ハフニウム及びセリウムの金属アルコキシド、金属ハロゲン化物、金属ハロゲン化物アルコキシドから選ばれる一種又は二種以上の金属化合物(第2の触媒)が混合されてなることを特徴とするポリカーボネート製造用触媒を用いた場合に、特許文献2を含む従来技術と比較しても、還元性化合物が無くても良く、高活性を示すと共に、試薬品で購入可能な比較的安価な材料であって空気中でも取扱いが可能であり、脂環式及び脂肪族ポリカーボネートを高効率、高選択的に合成可能な結果を見出して発明を為した。
【0014】
ここで着目したスカンジウム化合物の一つであるスカンジウムイソプロポキシドは、従来はベンズアルデヒドとジエチル亜鉛を用いる触媒的不斉アルキル化反応や(非特許文献7)、メソエポキシドに対するトリメチルシリルアジドの触媒的不斉付加開環反応(非特許文献8)、さらにはニトロMannich反応(非特許文献9)などに用いられていたが、ポリカーボネート製造用触媒としての利用は知られていなかった。本発明は、スカンジウム化合物と他の特定の金属化合物との混合触媒の有効性を教示するものであり、スカンジウム化合物はスカンジウムイソプロポキシドに限定されるものではないが、特許文献2においてはスカンジウムイソプロポキシドは具体的に検討されていない。本発明者らは、本化合物中の金属の保有する比較的高い酸性度に着目し鋭意検討した結果として、高生産性且つ高選択率でポリカーボネートを合成することが可能であることを見出した。
【0015】
本発明者は、触媒についてさらに検討したところ、前記スカンジウム化合物(第1の触媒)に、チタン、ジルコニウム、ハフニウム及びセリウムの金属アルコキシド、金属ハロゲン化物、及び金属ハロゲン化物アルコキシドから選ばれる一種又は二種以上の化合物(第2の触媒)を混合したものを触媒に用いることにより、反応基質であるエポキシドと二酸化炭素から、より高い生産性(より少ない触媒量、より高い収率)、より高い選択率でポリカーボネートを製造できることを見出し、本発明に至った。
【0016】
以下に、その特徴を示す。
(1) エポキシドと二酸化炭素からポリカーボネートを製造する際に用いられる触媒であって、スカンジウムのアルコキシド、ハロゲン化物及びトリフラート化合物から選ばれる一種又は二種以上のスカンジウム化合物(第1の触媒)と、チタン、ジルコニウム、ハフニウム及びセリウムの金属アルコキシド、金属ハロゲン化物、及び金属ハロゲン化物アルコキシドから選ばれる一種又は二種以上の金属化合物(第2の触媒)が混合されてなることを特徴とするポリカーボネート製造用触媒。
【0017】
(2) 前記第1の触媒としてスカンジウムのアルコキシド、ハロゲン化物及びトリフラート化合物の一種又は二種以上から選ばれるスカンジウム化合物と、前記第2の触媒としてチタンのアルコキシド、ハロゲン化物、及びハロゲン化物アルコキシドから選ばれる一種又は二種以上の金属化合物が混合されてなる、上記(1)に記載のポリカーボネート製造用触媒。
【0018】
(3) 前記第1の触媒が、炭素数1~6の脂肪族アルコキシ基のスカンジウムアルコキシドである、上記(1)又は(2)記載のポリカーボネート製造用触媒。
【0019】
(4) 前記第2の触媒として、炭素数1~10の脂肪族アルコキシ基のチタンアルコキシドを用いる、上記(2)又は(3)に記載のポリカーボネート製造用触媒。
【0020】
(5) 前記第1の触媒が、スカンジウムイソプロポキシド及び塩化スカンジウムの一方又は双方であり、前記第2の触媒が、チタンイソプロポキシド、四塩化チタン及びジクロロチタニウムジイソプロポキシドから選ばれる1種又は2種以上である、上記(2)に記載のポリカーボネート製造用触媒。
【0021】
(6) 前記第1の触媒に対する前記第2の触媒のモル比が0.1~20である、上記(1)~(5)のいずれか1項に記載のポリカーボネート製造用触媒。
【0022】
(7) 上記(1)~(6)のいずれか1項に記載の触媒の存在下、エポキシドと二酸化炭素からポリカーボネートを製造することを特徴とするポリカーボネートの製造方法。
【0023】
(8) 脂環式エポキシドと二酸化炭素とを反応させて脂環式ポリカーボネートを製造する、上記(7)に記載のポリカーボネートの製造方法。
【0024】
(9) エチレンオキシドまたは1~4置換エポキシドの少なくともいずれかと二酸化炭素とを反応させて脂肪族ポリカーボネートを製造する、上記(7)に記載のポリカーボネートの製造方法。
【0025】
(10) 前記エポキシドと二酸化炭素を反応させる際に、溶媒の存在下で反応させる、上記(7)~(9)のいずれか1項に記載のポリカーボネートの製造方法。
【0026】
(11) スカンジウムイソプロポキシドとチタンイソプロポキシドを触媒として用い、シクロヘキセンオキシドと二酸化炭素を反応させて脂環式ポリカーボネートを製造する、上記(7)又は(10)に記載のポリカーボネートの製造方法。
【0027】
(12) スカンジウムイソプロポキシドとチタンイソプロポキシドを触媒として用い、プロピレンオキシドと二酸化炭素を反応させて脂肪族ポリカーボネートを製造する、上記(7)又は(10)に記載のポリカーボネートの製造方法。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、煩雑な合成が不要で安価な触媒を用い、より少ない触媒量で、反応基質であるエポキシドと二酸化炭素から高生産性、高選択率で脂環式または脂肪族ポリカーボネートを合成することができる。また、本発明によれば、分子量分布(多分散度)を狭くすることが可能であり、さらにポリカーボネートの分子量を増加させることも可能である。また、本発明の触媒は、殆どが空気中で取り扱うことができる点で有利である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、具体例を示して、本発明を更に詳細に説明する。
本発明の触媒を用いたポリカーボネートの製造方法では、反応基質であるエポキシドの溶液に触媒を加えて、またはエポキシドが液体であれば溶媒を加えずにエポキシド中に触媒を加えるだけでも、エポキシドと二酸化炭素を直接反応させてポリカーボネートを生成することができる。

【0030】
ここで、反応基質としてシクロヘキセンオキシドに代表される脂環式エポキシドを用いた場合、例えば以下の式5のように脂環式ポリカーボネートを製造することが可能となる。

【0031】
【化3】
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【0032】
本発明の方法で用いることができる脂環式エポキシドとしては、前記シクロヘキセンオキシドが好適であるが、それ以外の基質としては、1,2-エポキシ-5,9-シクロドデカジエン、シクロドデセンオキシド、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメチルシラン、1,2-エポキシシクロペンタデカン、シクロペンテンオキシド、シクロオクテンオキシド、2,3-エポキシ-2,3-ジヒドロ-1,4-ナフトキノン、2,3-エポキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン、1,2-エポキシ-4-シクロヘキセン、tert-ブチル6-オキサ-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-カルボキシレート、3,6-ジオキサビシクロ[3.1.0]ヘキサンなどを用いることが可能である。

【0033】
また、反応基質としてエチレンオキシドなどの無置換エポキシドまたはプロピレンオキシドに代表される1置換エポキシドを用いた場合、例えば以下の式6のように脂肪族ポリカーボネートを製造することが可能となる。
【化4】
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【0034】
さらに本発明では、種々の2~4置換エポキシドを基質として用いた場合も、対応する脂肪族ポリカーボネートを製造することが可能である。

【0035】
前記で述べた以外の基質としては、1置換エポキシドとしてエピクロロヒドリン、1,2-エポキシデカン、1,2-エポキシ-9-デセン、1,2-エポキシドデカン、1,2-エポキシエイコサン、スチレンオキシド、1,2-エポキシヘプタン、1,2-エポキシへキサン、1,2-エポキシ-5-ヘキセン、1,2-エポキシオクタン、1,2-エポキシオクタデカン、グリシジルイソプロピルエーテル、グリシジルメチルエーテル、グリシジルフェニルエーテル、グリシジルトリチルエーテル、ベンジルグリシジルエーテル、4-ビニルベンジルグリシジルエーテル、[2-(4-ビニルフェネチルオキシ)メチル]オキシランなど、2置換エポキシドとしてイソブチレンオキシド、1-フェニルプロピレンオキシド、cis-2,3-エポキシブタン、cis-3,4-エポキシへキサン、cis-4,5-エポキシオクタン、cis-2,3-エポキシペンタンなど、3置換エポキシドとしてα-ピネンオキシドなど、4置換エポキシドとして2,3-ジメチル-2-ブテンオキシドなどを用いることが可能である。

【0036】
ここで、本発明に係るエポキシドと二酸化炭素からポリカーボネートを合成する際の触媒は、スカンジウムのアルコキシド、ハロゲン化物及びトリフラート化合物から選ばれる一種又は二種以上のスカンジウム化合物(第1の触媒)と、チタン、ジルコニウム、ハフニウム及びセリウムの金属アルコキシド、金属ハロゲン化物、及び金属ハロゲン化物アルコキシドから選ばれる一種又は二種以上の金属化合物(第2の触媒)が混合されてなる触媒である。

【0037】
第1の触媒であるスカンジウムアルコキシドにおけるアルコキシ基としては、1級から3級のすべてのアルコキシ基を広く用いることができるが、炭素数1~6の脂肪族アルコキシ基が好ましく用いられ、特にイソプロポキシ基などの2級アルコキシ基が好ましく、アルコキシ基が3個結合していることが好ましい。

【0038】
また、第1の触媒であるスカンジウムのハロゲン化物としては、塩化スカンジウム、臭化スカンジウム、ヨウ化スカンジウムなどを用いることができるが、塩化スカンジウムが好ましい。

【0039】
また、第1の触媒としては、スカンジウムに、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲンや、上記のアルコキシ基、トリフラート基の2種以上が結合した化合物でもよい。

【0040】
第2の触媒であるチタン、ジルコニウム、ハフニウム及びセリウムの金属アルコキシドにおけるアルコキシ基としては、1級から3級のすべてのアルコキシ基を広く用いることができるが、炭素数1~10の脂肪族アルコキシ基が好ましく用いられ、特にイソプロポキシ基などの2級アルコキシ基が好ましい。

【0041】
また、第2の触媒であるチタン、ジルコニウム、ハフニウム及びセリウムの金属ハロゲン化物のハロゲン化物としては、塩化物、臭化物、ヨウ化物などを用いることができるが、塩化物が好ましい。

【0042】
第2の触媒であるチタン、ジルコニウム、ハフニウム、セリウムの金属ハロゲン化物アルコキシドとは、これらの金属にハロゲンとアルコキシ基の両方が結合した化合物であり、ハロゲンとアルコキシ基のそれぞれについては上記と同様である。例えば、ジクロロチタンジイソプロポキシドを挙げることができる。

【0043】
本発明において第1の触媒と第2の触媒の好ましい組み合わせとしては、第1の触媒がスカンジウムイソプロポキシド及び塩化スカンジウムの一方又は双方であり、第2の触媒が、チタンイソプロポキシド、四塩化チタン、及びジクロロチタニウムジイソプロポキシドから選ばれる1種又は2種以上であるものを挙げることができる。

【0044】
従来、ポリカーボネート合成用触媒として検討されている金属錯体触媒では、ヘテロ原子を有する配位子が必須で、そのために触媒自体を精密に合成することが必要であるが、その合成工程が煩雑で、収率も低いため、高価になりやすい。また、空気中では極めて不安定で、取り扱う際には厳密な不活性ガス下で行う必要があった。

【0045】
通常、式7で示すような反応機構で高分子は合成されるが、単一の金属では金属アルコキシドがブレンステッド塩基として機能して二酸化炭素と反応することで経路aが進行し、生じた金属カーボネートは逆にルイス酸としての性質を帯びるので、エポキシドを活性化しながら開環付加反応が進行し、この二つの反応を交互に行うことで選択的にポリカーボネートが得られる。

【0046】
また、金属アルコキシドが二酸化炭素と反応せずに分子内でカルボニル基に付加した場合、高分子鎖の切断が起こり、分子量の低下を伴いながら環状カーボネートを与える。
【化5】
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【0047】
一方、本発明者らが鋭意検討した結果、ポリカーボネート合成用触媒として、スカンジウムアルコキシド(第1の触媒)と、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、セリウムの一種又は二種以上の金属アルコキシド(第2の触媒)を混合して用いることで、安価で空気中での取り扱いが容易なだけでなく、より少ない触媒量で、高生産性、高収率、高選択率でポリカーボネートを合成できること、分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量との比=多分散度)の狭いポリカーボネートを合成できること、さらには平均分子量の大きなポリカーボネートを合成できることを見出した。さらに、この新規な効果は、第1の触媒はスカンジウムのハロゲン化物、トリフラート化合物、これらの複合物であっても同様の作用効果が得られることがわかった。また、第2の触媒であるチタン、ジルコニウム、ハフニウム、セリウムの一種又は二種以上の金属アルコキシドは、ハロゲン化物、ハロゲン化物とアルコキシドの複合物でも同様の作用効果が得られることがわかった。

【0048】
スカンジウムアルコキシドとともに上述の金属アルコキシドを用いることにより、より高い生産性、高収率でポリカーボネートを合成できる理由としては、金属アルコキシドにおいて、式8(ここでは、金属としてスカンジウム及びチタンを用いた場合を例示する)に示すような電荷の偏りが生じることが予想され、この酸性の性質の金属と塩基性の性質の金属を同時に用いることがポリカーボネート合成反応を円滑に進行させる大きな要因であると考えられる。
【化6】
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【0049】
このような新たな知見に基づく作用効果について、鋭意検討した結果、式9に示すようにスカンジウムアルコキシドにチタンアルコキシドのアルコキシ基の一部がハロゲンで置換された化合物であっても同様にポリカーボネートが得られることが判った。本発明は、上記新たな知見により為すに至ったものである。

【0050】
【化7】
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【0051】
また、本発明の触媒および基質は、通常試薬として市販されている化合物をそのまま、若しくは定法により精製して使用できる。

【0052】
本発明の触媒は、粉体などの固体、または液体のいずれの形態であってもよい。触媒の構造に関しては核磁気共鳴スペクトルあるいは赤外分光法などにより分析可能である。

【0053】
また、本発明で用いる二酸化炭素は、工業ガスとして調製されたものだけでなく、各製品を製造する工場や製鉄所、発電所等からの排出ガスから分離回収したものも用いることができる。

【0054】
本発明の反応は、エポキシド溶液に触媒を加えて溶液中で反応を行わせることができるが、エポキシドが液体であれば、触媒を溶媒なしのエポキシドに直接に添加して反応させることもできる。溶液を用いる場合の反応溶媒としては、プロトン性溶媒以外を用いることができ、炭化水素系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒などが好ましく、中でもエーテル系溶媒が好ましい。

【0055】
次に、本発明の金属触媒を用いたポリカーボネートの合成反応は、回分反応器、半回分反応器や連続槽型反応器、管型反応器のような流通反応器のいずれを用いてもよい。

【0056】
共重合における反応温度としては、室温から約200℃までの範囲であれば適宜設定可能であるが、他の条件が同じであれば反応温度が一般的には低い方がポリエーテル構造が少ない高品質なポリカーボネートを得ることができることから、20~100℃とすることが好ましい。さらに好ましくは40~80℃である。反応温度が20℃未満の場合は、反応速度が低く、ポリカーボネート合成反応が進行しにくいため、ポリカーボネートの生産性が低くなる恐れがある。また、反応温度が100℃を超える場合は、目的物であるポリカーボネートに対して不純物であるポリエーテルの割合が増加する傾向がある。

【0057】
本発明の触媒は、第1の触媒と第2の触媒を混合する触媒調製時など、その取り扱いの際の雰囲気として、アルゴンガスその他の不活性ガス中のみならず、空気中も利用可能である点で有利である。ただし、ハロゲン化チタンなどのように、空気中の水分と直ちに反応して分解する恐れがある触媒の場合には、除湿することが好ましい。

【0058】
反応圧力としては、特に制限なく、適当な圧力の下で反応を行うことができる。しかし、経済性などの理由から、0.1~5.0MPa(絶対圧)とすることが好ましい。反応圧力が0.1MPa(絶対圧)未満の場合は、減圧装置が必要となり、設備が複雑且つコスト高となるのに加え、減圧にするための動力エネルギーが必要となり、エネルギー効率が悪くなる恐れがある。また反応圧力が5.0MPaを超える場合は、昇圧に必要な動力エネルギーが必要となるなど、効率が悪くなる恐れがある。

【0059】
また、ポリカーボネート合成反応に用いる金属触媒は、反応基質に対し、0.001mol%未満を使用した場合には、ポリカーボネート合成反応に寄与する金属触媒量が少ないためにポリカーボネートの生産性が悪くなる恐れがある。一方、 1mol%を超えて使用した場合には、反応終了後、生成物であるポリカーボネートと反応に関与しなかった多量の金属触媒との分離が煩雑になることや、得られる高分子の分子量の著しい低下を招く。また必要以上に多量に加えることは経済的でない。

【0060】
スカンジウムアルコキシドなどの第1の触媒に第2の触媒を添加することにより共重合反応に好ましい影響を与えることができる。第1の触媒であるスカンジウム化合物触媒に対する第2の金属触媒の量比は触媒金属の種類にもよるが、0.1~20(モル/モル)の範囲で適宜決定できる。例えばスカンジウムイソプロポキシドとチタンイソプロポキシドの組み合わせでは、スカンジウム触媒に対して等モル以上のチタン化合物の添加により反応収率の向上、好ましくない副生物であるポリエーテルの減少、生成物であるポリカーボネートの分子量分布が狭まるなどの効果が認められる。これらの効果は原料であるエポキシドに対するスカンジウム触媒の量を減らした場合に特に著しい(実施例7及び実施例8と比較例2)。ここで、スカンジウム触媒を用いずチタンアルコキシド単独では目的物はまったく得ることはできない(比較例3)。

【0061】
また、反応系の規模を大きくするほど、スケールアップ効果により、反応基質に対する触媒の割合を少なくしても反応が円滑に進行し、且つ、より高分子量のポリカーボネートの製造が可能となる。そのため、反応装置は大きい方がコストパフォーマンスおよび品質上より好ましい。

【0062】
本発明の混合触媒を用いれば、従来技術と比べて、特に特許文献2に教示されているスカンジウム化合物だけを触媒として用いた場合と比べても、より少ない触媒量で大量のポリカーボネートを製造することができ、生産性、収率、選択率、分子量分布(多分散度)などにおいて、より優れることが可能である。
【実施例】
【0063】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。尚、以下の実施例及び比較例で得られたポリカーボネートの収率、選択率、分子量の測定は以下の方法にて行った。
【実施例】
【0064】
(1)ポリカーボネートの収率の測定方法
下記(2)の方法に従い、得られた高分子中のポリカーボネートとポリエーテルの比率を決定後、高分子の重量に当てはめて高分子に変換された基質エポキシドの量(モル数)を算出し、用いたエポキシドの総量(モル数)で除して収率を決定した。
【実施例】
【0065】
(2)核磁気共鳴(1H NMR)によるポリカーボネートの選択率の測定方法
日本電子データム(JEOL)製核磁気共鳴装置(JNM-ECX-500)を用いて測定した。実施例記載の方法により得られた高分子を粉砕し、その一部を重クロロホルムに溶かして1H NMRを測定した。NMRで得られたチャートの酸素原子に隣接した炭素原子に結合したプロトン(ポリカーボネート部分(約4.2~4.6ppm)とポリエーテル部分(約3.2~3.6ppm))の積分値をもとにm/n(選択率)を決定した。
【実施例】
【0066】
(3)ゲルパーミエションクロマトグラフィー(GPC)測定
島津製作所製GPCシステムを用いて測定した。得られた高分子を約25mg量り取り、それをテトラヒドロフラン2.5mLに溶解して分析サンプルを調製作成した。これを10μL注入し、RID検出器を用いて測定し分析を行った。分析条件としては、溶離液としてテトラヒドロフランを用い、流速0.1mL/min、分析時間40分間、カラム温度40℃で行った。検量線はポリスチレンスタンダードを用いて作成し、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、分子量分散度(Mw/Mn)を決定した。
【実施例】
【0067】
(実施例1)
空気中でスカンジウムイソプロポキシド(シグマアルドリッチ製)を54.9 mg(0.247 mmol)を試験管に量り取り、そこへ溶媒として3 mLのテトラヒドロフランを加えて、さらにチタンイソプロポキシド(和光純薬工業製)を76.0μL(0.246 mmol)添加した。そこへシクロヘキセンオキシド(10 mL、98.8 mmol)を加えた後、試験管を190 mLのオートクレーブに入れて5.0 MPaになるよう二酸化炭素を封入し、40 ℃にて1時間攪拌した。オートクレーブへ試験管を入れたが、試験管は用いなくてもよい(以下の実施例においても同じ)。二酸化炭素を放出後、揮発成分を減圧下留去し、残渣にメタノールを加えて生じた沈殿をろ別した。得られた固形物を塩化メチレンに溶解し、セライトろ過により触媒の分解物を除去後、ろ液を濃縮して高分子を析出させた。得られたポリカーボネートは減圧乾燥の後、1H NMR及びGPC分析を用いて評価した。
【実施例】
【0068】
【化8】
JP0005403537B2_000009t.gif
【実施例】
【0069】
その結果、ポリカーボネートが収率98%で得られ、カーボネート単位の含有量(選択率)は99%以上であった。また、分子量はMw=44,600、Mn=21,000で、多分散度Mw/Mn=2.12であった。
【実施例】
【0070】
(比較例1)
空気中でスカンジウムイソプロポキシド(シグマアルドリッチ製)を54.9 mg(0.247 mmol)を試験管に量り取り、そこへ溶媒として3 mLのテトラヒドロフランを加えた。そこへシクロヘキセンオキシド(10 mL、98.8 mmol)を加えた後、試験管を190 mLのオートクレーブに入れて5.0 MPaになるよう二酸化炭素を封入し、40 ℃にて1時間攪拌した。二酸化炭素を放出後、揮発成分を減圧下留去し、残渣にメタノールを加えて生じた沈殿をろ別した。得られた固形物を塩化メチレンに溶解し、セライトろ過により触媒の分解物を除去後、ろ液を濃縮して高分子を析出させた。得られたポリカーボネートは減圧乾燥の後、1H NMR及びGPC分析を用いて評価した。
【実施例】
【0071】
すなわち、実施例1と同様の反応を、チタンイソプロポキシドを添加せずに実施した場合は、ポリカーボネートの収率が59%に低下し、カーボネート単位の含有量(選択率)は98%であった。また、分子量はMw=71,500、Mn=19,600で、多分散度Mw/Mn=3.65であった。
【実施例】
【0072】
(実施例2)
空気中でスカンジウムイソプロポキシド(シグマアルドリッチ製)を54.9 mg(0.247 mmol)を試験管に量り取り、そこへ溶媒として3 mLのテトラヒドロフランを加えて、さらにジルコニウムテトライソプロポキシドイソプロパノール錯体を95.8mg(0.247 mmol)添加した。そこへシクロヘキセンオキシド(10 mL、98.8 mmol)を加えた後、試験管を190 mLのオートクレーブに入れて5.0 MPaになるよう二酸化炭素を封入し、40 ℃にて6時間攪拌した。二酸化炭素を放出後、揮発成分を減圧下留去し、残渣にメタノールを加えて生じた沈殿をろ別した。得られた固形物を塩化メチレンに溶解し、セライトろ過により触媒の分解物を除去後、ろ液を濃縮して高分子を析出させた。得られたポリカーボネートは減圧乾燥の後、1H NMR及びGPC分析を用いて評価した。
【実施例】
【0073】
すなわち、チタンイソプロポキシドに変えてジルコニウムテトライソプロポキシドイソプロパノール95.8mg(0.247 mmol)を用い、反応時間を6時間にして実施例1と同様の実験を行った結果、ポリカーボネートが収率80%で得られ、カーボネート単位の含有量(選択率)は95%であった。また、分子量はMw=53,800、Mn=14,500で、多分散度Mw/Mn=3.71であった。
【実施例】
【0074】
(実施例3)
空気中でスカンジウムイソプロポキシド(シグマアルドリッチ製)を22.0 mg(0.0988 mmol)を試験管に量り取り、そこへ溶媒として3 mLのテトラヒドロフランを加えて、さらにチタンイソプロポキシド(和光純薬工業製)を30.5μL(0.0987 mmol)添加した。そこへシクロヘキセンオキシド(10 mL、98.8 mmol)を加えた後、試験管を190 mLのオートクレーブに入れて5.0 MPaになるよう二酸化炭素を封入し、40 ℃にて6時間攪拌した。二酸化炭素を放出後、揮発成分を減圧下留去し、残渣にメタノールを加えて生じた沈殿をろ別した。得られた固形物を塩化メチレンに溶解し、セライトろ過により触媒の分解物を除去後、ろ液を濃縮して高分子を析出させた。得られたポリカーボネートは減圧乾燥の後、1H NMR及びGPC分析を用いて評価した。
【実施例】
【0075】
すなわち、スカンジウムイソプロポキシドとチタンイソプロポキシドの量をそれぞれ5分の2に減らし、反応時間を6時間にして実施例1と同様の実験を行った結果、ポリカーボネートが収率51%で得られ、カーボネート単位の含有量(選択率)は98%であった。また、分子量はMw=79,600、Mn=27,100で、多分散度Mw/Mn=2.94であった。
【実施例】
【0076】
(実施例4)
空気中でスカンジウムイソプロポキシド(シグマアルドリッチ製)を22.0 mg(0.0988 mmol)を試験管に量り取り、そこへ溶媒として3 mLのテトラヒドロフランを加えて、さらにチタンイソプロポキシド(和光純薬工業製)を61.0μL(0.197 mmol)添加した。そこへシクロヘキセンオキシド(10 mL、98.8 mmol)を加えた後、試験管を190 mLのオートクレーブに入れて5.0 MPaになるよう二酸化炭素を封入し、40 ℃にて6時間攪拌した。二酸化炭素を放出後、揮発成分を減圧下留去し、残渣にメタノールを加えて生じた沈殿をろ別した。得られた固形物を塩化メチレンに溶解し、セライトろ過により触媒の分解物を除去後、ろ液を濃縮して高分子を析出させた。得られたポリカーボネートは減圧乾燥の後、1H NMR及びGPC分析を用いて評価した。
【実施例】
【0077】
すなわち、チタンイソプロポキシドを2倍量とし、それ以外の条件は実施例3と同様の実験を行った結果、ポリカーボネートが定量的(収率100%)に得られ、カーボネート単位の含有量(選択率)は99%であった。また、分子量はMw=65,000、Mn=17,400で、多分散度Mw/Mn=3.74であった。
【実施例】
【0078】
(実施例5)
空気中でスカンジウムイソプロポキシド(シグマアルドリッチ製)を22.0 mg(0.0988 mmol)を試験管に量り取り、そこへ溶媒として3 mLのテトラヒドロフランを加えて、さらにチタンイソプロポキシド(和光純薬工業製)を91.5μL(0.296 mmol)添加した。そこへシクロヘキセンオキシド(10 mL、98.8 mmol)を加えた後、試験管を190 mLのオートクレーブに入れて5.0 MPaになるよう二酸化炭素を封入し、40 ℃にて6時間攪拌した。二酸化炭素を放出後、揮発成分を減圧下留去し、残渣にメタノールを加えて生じた沈殿をろ別した。得られた固形物を塩化メチレンに溶解し、セライトろ過により触媒の分解物を除去後、ろ液を濃縮して高分子を析出させた。得られたポリカーボネートは減圧乾燥の後、1H NMR及びGPC分析を用いて評価した。
【実施例】
【0079】
すなわち、チタンイソプロポキシドを3倍量とし、それ以外の条件は実施例3と同様の実験を行った結果、ポリカーボネートが定量的(収率100%)に得られ、カーボネート単位の含有量(選択率)は99%であった。また、分子量はMw=49,400、Mn=16,800で、多分散度Mw/Mn=2.94であった。
【実施例】
【0080】
(実施例6)
空気中でスカンジウムイソプロポキシド(シグマアルドリッチ製)を22.0 mg(0.0988 mmol)を試験管に量り取り、そこへ溶媒として3 mLのテトラヒドロフランを加えて、さらにチタンイソプロポキシド(和光純薬工業製)を30.5μL(0.0987 mmol)添加した。そこへシクロヘキセンオキシド(10 mL、98.8 mmol)を加えた後、試験管を190 mLのオートクレーブに入れて5.0 MPaになるよう二酸化炭素を封入し、40 ℃にて24時間攪拌した。二酸化炭素を放出後、揮発成分を減圧下留去し、残渣にメタノールを加えて生じた沈殿をろ別した。得られた固形物を塩化メチレンに溶解し、セライトろ過により触媒の分解物を除去後、ろ液を濃縮して高分子を析出させた。得られたポリカーボネートは減圧乾燥の後、1H NMR及びGPC分析を用いて評価した。
【実施例】
【0081】
すなわち、反応時間を24時間とし、それ以外の条件は実施例3と同様の実験を行った結果、ポリカーボネートが定量的(収率100%)に得られ、カーボネート単位の含有量(選択率)は99%以上であった。また、分子量はMw=105,800、Mn=56,700で、多分散度Mw/Mn=1.87であった。
【実施例】
【0082】
(実施例7)
空気中でスカンジウムイソプロポキシド(シグマアルドリッチ製)を22.0 mg(0.099 mmol)を試験管に量り取り、そこへ溶媒として3 mLのテトラヒドロフランを加えて、さらにチタンイソプロポキシド(和光純薬工業製)を61.5μL(0.197 mmol)添加した。そこへシクロヘキセンオキシド(20 mL、198 mmol)を加えた後、試験管を190 mLのオートクレーブに入れて5.0 MPaになるよう二酸化炭素を封入し、40 ℃にて24時間攪拌した。二酸化炭素を放出後、揮発成分を減圧下留去し、残渣にメタノールを加えて生じた沈殿をろ別した。得られた固形物を塩化メチレンに溶解し、セライトろ過により触媒の分解物を除去後、ろ液を濃縮して高分子を析出させた。得られたポリカーボネートは減圧乾燥の後、1H NMR及びGPC分析を用いて評価した。
【実施例】
【0083】
すなわち、シクロヘキセンオキシドを2倍量とし、反応時間を24時間にした以外の条件は実施例4と同様の実験を行った。なお、実施例6の反応スケールでは触媒量をそれ以上減らすことは難しいので、実施例7~10ではシクロヘキセンオキシドの量を2倍のスケールにして実施した。したがって、実施例7における触媒量0.1mmolは、表1では触媒量0.05mol%である。
【実施例】
【0084】
その結果、ポリカーボネートが収率96%で得られ、カーボネート単位の含有量(選択率)は99%以上であった。また、分子量はMw=87,800、Mn=33,700で、多分散度Mw/Mn=2.61であった。
【実施例】
【0085】
(比較例2)
空気中でスカンジウムイソプロポキシド(シグマアルドリッチ製)を22.0 mg(0.0988 mmol)を試験管に量り取り、そこへ溶媒として3 mLのテトラヒドロフランを加えた。そこへシクロヘキセンオキシド(20 mL、198 mmol)を加えた後、試験管を190 mLのオートクレーブに入れて5.0 MPaになるよう二酸化炭素を封入し、40 ℃にて24時間攪拌した。二酸化炭素を放出後、揮発成分を減圧下留去し、残渣にメタノールを加えて生じた沈殿をろ別した。得られた固形物を塩化メチレンに溶解し、セライトろ過により触媒の分解物を除去後、ろ液を濃縮して高分子を析出させた。得られたポリカーボネートは減圧乾燥の後、1H NMR及びGPC分析を用いて評価した。
【実施例】
【0086】
すなわち、実施例7と同様の反応を、チタンイソプロポキシドを添加せずに実施した場合は、メタノールを加えても沈殿は生成せず、ポリカーボネートが全く得られなかった。
【実施例】
【0087】
(実施例8)
空気中でスカンジウムイソプロポキシド(シグマアルドリッチ製)を22.0 mg(0.0988 mmol)を試験管に量り取り、そこへ溶媒として3 mLのテトラヒドロフランを加えて、さらにチタンイソプロポキシド(和光純薬工業製)を91.1μL(0.296 mmol)添加した。そこへシクロヘキセンオキシド(20 mL、198 mmol)を加えた後、試験管を190 mLのオートクレーブに入れて5.0 MPaになるよう二酸化炭素を封入し、40 ℃にて24時間攪拌した。二酸化炭素を放出後、揮発成分を減圧下留去し、残渣にメタノールを加えて生じた沈殿をろ別した。得られた固形物を塩化メチレンに溶解し、セライトろ過により触媒の分解物を除去後、ろ液を濃縮して高分子を析出させた。得られたポリカーボネートは減圧乾燥の後、1H NMR及びGPC分析を用いて評価した。
【実施例】
【0088】
すなわち、チタンイソプロポキシドを1.5倍量用い、他の条件は実施例7と同様の実験を行った結果、ポリカーボネートが収率97%で得られ、カーボネート単位の含有量(選択率)は99%であった。また、分子量はMw=76,000、Mn=23,200で、多分散度Mw/Mn=3.11であった。
【実施例】
【0089】
(実施例9)
空気中でスカンジウムイソプロポキシド(シグマアルドリッチ製)を22.0 mg(0.0988 mmol)を試験管に量り取り、そこへ溶媒として3 mLのテトラヒドロフランを加えて、さらにチタンイソプロポキシド(和光純薬工業製)を122μL(0.395 mmol)添加した。そこへシクロヘキセンオキシド(20 mL、198 mmol)を加えた後、試験管を190 mLのオートクレーブに入れて5.0 MPaになるよう二酸化炭素を封入し、40 ℃にて16時間攪拌した。二酸化炭素を放出後、揮発成分を減圧下留去し、残渣にメタノールを加えて生じた沈殿をろ別した。得られた固形物を塩化メチレンに溶解し、セライトろ過により触媒の分解物を除去後、ろ液を濃縮して高分子を析出させた。得られたポリカーボネートは減圧乾燥の後、1H NMR及びGPC分析を用いて評価した。
【実施例】
【0090】
すなわち、チタンイソプロポキシドを2.0倍量用い、反応時間を16時間に短縮して、他の条件は実施例7と同様の実験を行った結果、ポリカーボネートが収率91%で得られ、カーボネート単位の含有量(選択率)は98%以上であった。また、分子量はMw=65,100、Mn=30,100で、多分散度Mw/Mn=2.16であった。
【実施例】
【0091】
(実施例10)
空気中でスカンジウムイソプロポキシド(シグマアルドリッチ製)を22.0 mg(0.0988 mmol)を試験管に量り取り、そこへ溶媒として3 mLのテトラヒドロフランを加えて、さらにチタンイソプロポキシド(和光純薬工業製)を153μL(0.495 mmol)添加した。そこへシクロヘキセンオキシド(20 mL、198 mmol)を加えた後、試験管を190 mLのオートクレーブに入れて5.0 MPaになるよう二酸化炭素を封入し、40 ℃にて16時間攪拌した。二酸化炭素を放出後、揮発成分を減圧下留去し、残渣にメタノールを加えて生じた沈殿をろ別した。得られた固形物を塩化メチレンに溶解し、セライトろ過により触媒の分解物を除去後、ろ液を濃縮して高分子を析出させた。得られたポリカーボネートは減圧乾燥の後、1H NMR及びGPC分析を用いて評価した。
【実施例】
【0092】
すなわち、チタンイソプロポキシドを2.5倍量用い、反応時間を16時間に短縮して、他の条件は実施例7と同様の実験を行った結果、ポリカーボネートが定量的に得られ、カーボネート単位の含有量(選択率)は99%であった。また、分子量はMw=57,500、Mn=30,800で、多分散度Mw/Mn=1.87であった。
【実施例】
【0093】
これらの結果を表1にまとめた。
【表1】
JP0005403537B2_000010t.gif
【実施例】
【0094】
(比較例3)
試験管に3 mLのテトラヒドロフランを加え、さらにチタンイソプロポキシド(和光純薬工業製)を76.0μL(0.246 mmol)添加した。そこへシクロヘキセンオキシド(5 mL、49.4 mmol)を加えた後、試験管を50 mLのオートクレーブに入れて5.0 MPaになるよう二酸化炭素を封入し、80 ℃にて6時間攪拌した。二酸化炭素を放出後、揮発成分を減圧下留去し、残渣にメタノールを加えたが沈殿は生成せず、ポリカーボネートは全く得られなかった。
【実施例】
【0095】
(実施例11)
空気中でスカンジウムイソプロポキシド(シグマアルドリッチ製)を54.9mg(0.247mmol)を計り取って試験管に入れ、そこへ溶媒として1mLのテトラヒドロフランを加えて、さらにチタンイソプロポキシド(和光純薬工業製)を76.0μL(0.246mmol)順次添加した。そこへプロピレンオキシド(17.5mL、250mmol)を加えた後、試験管を190mLのオートクレーブに入れて5.0MPaになるよう二酸化炭素を封入した後、40℃にて24時間攪拌した。反応終了後、二酸化炭素を放出した後、揮発成分を減圧下留去し、残渣にメタノールを加えて生じた沈殿をろ別した。得られた固形物を塩化メチレンに溶解させ、触媒の分解物をセライトろ過によって取り除いた後、ろ液を濃縮して高分子を析出させた。得られたポリカーボネートは減圧乾燥の後、1H NMR及びGPC分析を用いて評価した。
【実施例】
【0096】
その結果、ポリカーボネートが収率26%、プロピレンカーボネートが収率10%で得られ、ポリカーボネート中のカーボネート単位の含有量(選択率)は96%であった。また、分子量はMw=12,500、Mn=9,300で、多分散度Mw/Mn=1.34であった。
【実施例】
【0097】
以上の結果より、本金属触媒を用いることで脂肪族ポリカーボネートが得られることが確認された。
【実施例】
【0098】
(実施例12)
空気中でスカンジウムトリフラート(シグマアルドリッチ製)を121.6mg(0.247mmol)を量り取って試験管に入れ、そこへ溶媒として3mLのテトラヒドロフランを加えて、さらにチタンイソプロポキシド(和光純薬工業製)を76μL(0.246mmol)順次添加した。そこへシクロヘキセンオキシド(10mL、98.8mmol)を加えた後、試験管を190mLのオートクレーブに入れて5.0MPaになるよう二酸化炭素を封入した後、40℃にて6時間攪拌した。反応終了後、二酸化炭素を放出した後、揮発成分を減圧下留去し、残渣にメタノールを加えて生じた沈殿をろ別した。得られた固形物を塩化メチレンに溶解させ、触媒の分解物をセライトろ過によって取り除いた後、ろ液を濃縮して高分子を析出させた。得られたポリカーボネートは減圧乾燥の後、1H NMR及びGPC分析を用いて評価した。
【実施例】
【0099】
その結果、ポリカーボネートが収率24%で得られ、カーボネート単位の含有量(選択率)は51%であった。また、GPC分析を行った結果、2つのピークが観測され、それぞれの分析結果はMw(1)=25,300、Mn(1)=17,800、Mw(1)/Mn(1)=1.42及びMw(2)=2,800、Mn(2)=2,400、Mw(2)/Mn(2)=1.18であった。
【実施例】
【0100】
以上の結果より、本金属触媒を用いることで脂環式ポリカーボネートが得られることが確認された。
【実施例】
【0101】
(実施例13)
空気中でスカンジウムイソプロポキシド(シグマアルドリッチ製)を22.0mg(0.0988mmol)、ジクロロチタンジイソプロポキシド23.4 mg(0.0988mmol)量り取って試験管に入れ、そこへ溶媒として3mLのテトラヒドロフランを加えた。次いでシクロヘキセンオキシド(10mL、98.8mmol)を加えた後、試験管を190mLのオートクレーブに入れて5.0MPaになるよう二酸化炭素を封入した後、40℃にて24時間攪拌した。反応終了後、二酸化炭素を放出した後、揮発成分を減圧下留去し、残渣にメタノールを加えて生じた沈殿をろ別した。得られた固形物を塩化メチレンに溶解させ、触媒の分解物をセライトろ過によって取り除いた後、ろ液を濃縮して高分子を析出させた。得られたポリカーボネートは減圧乾燥の後、1H NMR及びGPC分析を用いて評価した。
【実施例】
【0102】
その結果、ポリカーボネートが定量的(収率100%)に得られ、カーボネート単位の含有量(選択率)は99%以上であった。また、分子量はMw=119,500、Mn=43,200で、多分散度Mw/Mn=2.77であった。
【実施例】
【0103】
以上の結果より、本金属触媒を用いることで脂環式ポリカーボネートを高効率且つ高選択的に得られることが確認された。
【実施例】
【0104】
(実施例14)
アルゴン雰囲気下で、塩化スカンジウム-テトラヒドロフラン錯体(ScCl3・(THF)3)(非特許文献10の方法に従い市販の塩化スカンジウム6水和物より合成)147mg(0.40mmol)、テトラヒドロフラン12.2mL、チタンイソプロポキシド(和光純薬工業製)494μL(1.60mmol)をフラスコに順次加え、室温で2時間撹拌し溶解した。本溶液3mLとシクロヘキセンオキシド(10mL、98.8mmol)を試験管に入れ、その試験管を190mlのオートクレーブに入れて5.0MPaになるよう二酸化炭素を封入した後、40℃にて24時間攪拌した。反応終了後、二酸化炭素を放出した後、揮発成分を減圧下留去し、残渣にメタノールを加えて生じた沈殿をろ別した。得られた固形物を塩化メチレンに溶解させ、触媒の分解物をセライトろ過によって取り除いた後、ろ液を濃縮して高分子を析出させた。得られたポリカーボネートは減圧乾燥の後、1H NMR及びGPC分析を用いて評価した。
【実施例】
【0105】
その結果、ポリカーボネートが収率99%で得られ、カーボネート単位の含有量(選択率)は97%であった。また、分子量はMw=45,400、Mn=21,800で、多分散度Mw/Mn=2.08であった。
【実施例】
【0106】
以上の結果より、本金属触媒を用いることで脂環式ポリカーボネートを高効率且つ高選択的に得られることが確認された。
【実施例】
【0107】
(実施例15)
アルゴン雰囲気下で、塩化スカンジウム-テトラヒドロフラン錯体(ScCl3・(THF)3)(非特許文献10の方法に従い市販の塩化スカンジウム6水和物より合成)48.4mg(0.132 mmol)、テトラヒドロフラン4mL、四塩化チタン(和光純薬工業製)58.0μL(0.529mmol)をフラスコに順次加え、室温で撹拌し溶解した。本溶液3mLとシクロヘキセンオキシド(10mL、98.8mmol)を試験管に入れ、その試験管を190mlのオートクレーブに入れ、5.0MPaになるよう二酸化炭素を封入した後、40℃にて24時間攪拌した。反応終了後、二酸化炭素を放出した後、揮発成分を減圧下留去し、残渣にメタノールを加えて生じた沈殿をろ別した。得られた固形物を塩化メチレンに溶解させ、触媒の分解物をセライトろ過によって取り除いた後、ろ液を濃縮して高分子を析出させた。得られたポリカーボネートは減圧乾燥の後、1H NMR及びGPC分析を用いて評価した。
【実施例】
【0108】
その結果、ポリカーボネートが定量的(収率100%)に得られ、カーボネート単位の含有量(選択率)は90%であった。また、分子量はMw=43,700、Mn=21,100で、多分散度Mw/Mn=2.07であった。
以上の結果より、本金属触媒を用いることで脂環式ポリカーボネートを高効率に得られることが確認された。
【実施例】
【0109】
(実施例16)
アルゴン雰囲気下で、ヨウ化スカンジウム-テトラヒドロフラン錯体(ScI3・(THF)3)(市販のヨウ化スカンジウムより、テトラヒドロフラン中3時間還流後、室温まで冷却した後に過剰のテトラヒドロフランを留去することにより合成)42.2mg(0.0657 mmol)、テトラヒドロフラン2mL、チタンイソプロポキシド(和光純薬工業製)77.9μL(0.267mmol)をフラスコに順次加え、室温で撹拌し懸濁液を調製した。本懸濁液1.5mLとシクロヘキセンオキシド(10mL、98.8mmol)を試験管に入れ、その試験管を190mlのオートクレーブに入れ、5.0MPaになるよう二酸化炭素を封入した後、40℃にて6時間攪拌した。反応終了後、二酸化炭素を放出した後、揮発成分を減圧下留去し、残渣にメタノールを加えて生じた沈殿をろ別した。得られた固形物を塩化メチレンに溶解させ、触媒の分解物をセライトろ過によって取り除いた後、ろ液を濃縮して高分子を析出させた。得られたポリカーボネートは減圧乾燥の後、1H NMR及びGPC分析を用いて評価した。
【実施例】
【0110】
その結果、ポリカーボネートが収率8%で得られ、カーボネート単位の含有量(選択率)は95%であった。また、分子量はMw=28,500、Mn=16,000で、多分散度Mw/Mn=1.78であった。
【実施例】
【0111】
以上の結果より、ポリカーボネートを得られることが確認された。