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明細書 :Gタンパク質共役型レセプター作動剤

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5420400号 (P5420400)
登録日 平成25年11月29日(2013.11.29)
発行日 平成26年2月19日(2014.2.19)
発明の名称または考案の名称 Gタンパク質共役型レセプター作動剤
国際特許分類 A61K  31/18        (2006.01)
A61K  31/4402      (2006.01)
A61K  31/41        (2006.01)
A61K  31/196       (2006.01)
C07D 213/74        (2006.01)
C07D 277/82        (2006.01)
C07D 277/20        (2006.01)
C07D 277/42        (2006.01)
A61K  31/4409      (2006.01)
A61K  31/428       (2006.01)
A61K  31/44        (2006.01)
A61K  31/426       (2006.01)
A61K  31/4406      (2006.01)
A61P   1/04        (2006.01)
A61P  43/00        (2006.01)
A61P   3/00        (2006.01)
A61P   3/04        (2006.01)
A61P   3/10        (2006.01)
A61P   1/18        (2006.01)
A61P   1/00        (2006.01)
A61P  25/00        (2006.01)
A61P  25/18        (2006.01)
A61P  11/00        (2006.01)
A61P   5/06        (2006.01)
FI A61K 31/18
A61K 31/4402
A61K 31/41
A61K 31/196
C07D 213/74 CSP
C07D 277/82
C07D 277/42
A61K 31/4409
A61K 31/428
A61K 31/44
A61K 31/426
A61K 31/4406
A61P 1/04
A61P 43/00 111
A61P 3/00
A61P 3/04
A61P 3/10
A61P 1/18
A61P 1/00
A61P 25/00
A61P 25/18
A61P 11/00
A61P 5/06
請求項の数または発明の数 10
全頁数 55
出願番号 特願2009-514126 (P2009-514126)
出願日 平成20年4月25日(2008.4.25)
国際出願番号 PCT/JP2008/058457
国際公開番号 WO2008/139987
国際公開日 平成20年11月20日(2008.11.20)
優先権出願番号 2007116374
優先日 平成19年4月26日(2007.4.26)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成23年4月25日(2011.4.25)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
【識別番号】506218664
【氏名又は名称】公立大学法人名古屋市立大学
発明者または考案者 【氏名】辻本 豪三
【氏名】平澤 明
【氏名】宮田 直樹
【氏名】鈴木 孝禎
【氏名】高原 義之
【氏名】石黒 正路
【氏名】畑 美絵
個別代理人の代理人 【識別番号】100102842、【弁理士】、【氏名又は名称】葛和 清司
審査官 【審査官】瀬下 浩一
参考文献・文献 国際公開第89/003819(WO,A1)
調査した分野 A61K 31/18
A61K 31/196
A61K 31/41
A61K 31/426
A61K 31/428
A61K 31/44
A61K 31/4402
A61K 31/4406
A61K 31/4409
A61P 1/00
A61P 1/04
A61P 1/18
A61P 3/00
A61P 3/04
A61P 3/10
A61P 5/06
A61P 11/00
A61P 25/00
A61P 25/18
A61P 43/00
C07D 213/74
C07D 277/20
C07D 277/42
C07D 277/82
CAplus/REGISTRY(STN)
JSTPlus/JMEDPlus (JDreamIII)
特許請求の範囲 【請求項1】
下記一般式(I)で表されるアラルキルカルボン酸化合物又は薬学的に許容されるその塩を有効成分として含有するGPR120の作動剤。
【化1】
JP0005420400B2_000055t.gif
[ここで、環Qは、フェニル基、ピリジル基(該ピリジル基は、ハロゲン原子、C1-4アルキル基及びC1-4アルコキシ基からなる群から選ばれる1乃至2個の置換基で置換されてもよい)又はベンゼン環と縮合してもよいチアゾリル基であり、
は、フェニル基であり(該フェニル基は、アミノ基で置換されてもよい)、
は、水素原子であり、
Xは、酸素原子であり、
mは2の整数であり、nは3の整数である。
【請求項2】
有効成分が、下記化合物群から選ばれるアラルキルカルボン酸化合物又は薬学的に許容されるその塩である請求項1に記載のGPR120の作動剤。
【化2】
JP0005420400B2_000056t.gif

【請求項3】
有効成分が、下記NCG21、NCG30、NCG37、NCG46又はNCG54である請求項2に記載のGPR120の作動剤。
【化3】
JP0005420400B2_000057t.gif

【請求項4】
有効成分が、下記NCG21、NCG46又はNCG54である請求項3に記載のGPR120の作動剤。
【化4】
JP0005420400B2_000058t.gif

【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のGPR120の作動剤を有効成分として含有するGPR120が関与する疾患の治療又は予防のための医薬組成物。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のGPR120の作動剤を有効成分として含有する、食欲調節剤、肥満抑制剤、糖尿病治療剤、膵臓ベータ分化細胞増促進殖剤、メタボリックシンドローム治療剤、消化器疾患治療剤、神経障害治療剤、精神障害治療剤、肺疾患治療剤又は下垂体ホルモン分泌不全症治療剤である請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項7】
下記一般式(I)で表されるGPR120に対してアゴニスト作用を有するアラルキルカルボン酸化合物又は薬学的に許容されるその塩。
【化5】
JP0005420400B2_000059t.gif
[ここで、環Qは、フェニル基、ピリジル基(該ピリジル基は、ハロゲン原子、C1-4アルキル基及びC1-4アルコキシ基からなる群から選ばれる1乃至2個の置換基で置換されてもよい)又はベンゼン環と縮合してもよいチアゾリル基であり、
は、フェニル基であり(該フェニル基は、アミノ基で置換されてもよい)、
は、水素原子であり、
Xは、酸素原子であり、
mは2の整数であり、nは3の整数である。
【請求項8】
下記化合物群から選ばれる請求項7に記載のGPR120に対してアゴニスト作用を有するアラルキルカルボン酸化合物又は薬学的に許容されるその塩。
【化6】
JP0005420400B2_000060t.gif

【請求項9】
PR120に対してアゴニスト作用を有するアラルキルカルボン酸化合物が下記NCG21、NCG30、NCG37、NCG46又はNCG54である請求項8に記載のアラルキルカルボン酸化合物又は薬学的に許容されるその塩。
【化7】
JP0005420400B2_000061t.gif

【請求項10】
PR120に対してアゴニスト作用を有するアラルキルカルボン酸化合物が、下記NCG21、NCG46又はNCG54である請求項9に記載のアラルキルカルボン酸化合物又は薬学的に許容されるその塩。
【化8】
JP0005420400B2_000062t.gif
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、GPR120及び/又はGPR40に対するアゴニスト作用を有する新規フェニル化合物、特にアラルキルカルボン酸化合物に関するものであり、また、これら化合物又はその塩を有効成分とするGタンパク質共役型レセプター(GPCR)の作動剤に関するものであり、更には、それらGタンパク質共役型レセプター(GPCR)の作動剤を有効成分として含有する食欲調節剤、肥満抑制剤、糖尿病治療剤、膵臓ベータ分化細胞増促進殖剤、メタボリックシンドローム治療剤、消化器疾患治療薬、神経障害治療薬、精神障害治療薬、肺疾患治療薬、下垂体ホルモン分泌不全症治療薬及び脂質風味調味料に関する。
【背景技術】
【0002】
GPCRは、細胞膜を貫通して存在するレセプターであり、細胞外からの特定のリガンドを刺激として受け取り、その情報を細胞内のGタンパク質に伝達して活性化させる。GPCRの構造上の特徴は、細胞膜を7回貫通していることである。GPCRは、特定のリガンドと結合することによって、構造が大きく変化して、Gタンパク質の活性化を引き起こす。
脂肪酸をリガンドとするGタンパク質共役型レセプター(GPCR)として、GPR120及びGPR40とその類縁分子が知られており、更に、GPR40の類縁分子としてGPR41、GPR42などが知られている。
脂肪酸受容体GPR120は、腸管、肺、脳などに存在し、特に腸管に特異的に存在すし、また、Gタンパク質共役レセプターである14273レセプターと95%のアミノ酸同一性を有することが知られている。腸管に存在するGPR120を保有する細胞は、GPR120を作動させるリガンドとしての脂肪酸を作用させると、グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)、コレシストキニン(CCK)などの腸管ホルモンペプチドを放出することが知られている。
14273レセプターに関しては、グラクスマン(GLUCKSMANN,M.Alexandra)等は、14273レセプターと呼ばれる新規なGPCRを提供し、同時にこれらGPCRを用いたアゴニスト及びアンタゴニストの同定方法について報告している。(WO00/00611、WO00/50596)
また、ギメノ(GIMENO,Ruth)等は代謝性疾患に関連する核酸分子やポリペプチドの特定方法、14273ポリペプチド活性によって特徴付けられる代謝性疾患のための化合物の特定方法について報告し、14273レセプターが肥満症、拒食症、過食症、糖尿病等の代謝性疾患の診断や予防/治療に使用可能であることを報告している。(WO02/067868)
これらペプチドは摂餌行動に関係する生理的機能を制御しており、例えば、すい臓β細胞からのインスリン分泌、すい臓からの膵液分泌、胆嚢からの胆汁分泌、中枢への食欲抑制作用などを制御している。しかるにGPR120の機能を作動させる物質を生体に投与することにより、インスリン分泌亢進による糖尿病の予防及び治療、消化液分泌促進による消化活動不全の治療、食欲抑制作用による肥満の予防及び治療が考えられる。さらに、これらペプチドは中枢で神経細胞の維持に関与する。また、GPR120は腸管以外に肺、下垂体、脂肪細胞および舌に存在し、それぞれの器官で重要な働きをしている。下垂体では下垂体ホルモン分泌促進、脂肪細胞では脂肪分解促進、舌では味覚への関与、肺では肺細胞保護に関与すると推定される。
ちなみに、本発明者等は、先に、GPCR遺伝子GT01(GPR120)ポリペプチドの機能を解析し、そのペプチドに作用する化合物を同定すべく、鋭意研究を行った結果、意外にもGT01ポリペプチドはヒト腸内分泌細胞表面に分布し、摂食制御に機能するCCKの分泌を促進する機能を有することをここで初めて明らかにし、併せて、GT01ポリペプチドのリガンドとなる化合物を明らかにした。より具体的には、摂食障害を治療するための医薬組成物のための化合物を提案し、その具体例としてカプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデカノイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、マルガリン酸、パルミトレイン酸、エイコサトリエノイン酸、エライジン酸、ペトロセリニン酸、オレイン酸、リノレン酸、γリノレン酸、ホモγリノレン酸、アラキドン酸、エイコサジエン酸、エイコサトリエン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、リノール酸、エイコサテトラエン酸、バクセン酸等の遊離脂肪酸を提案した。(特開2005-15358号公報)
GPR40は、リガンドが未知のオーファン受容体として1997年に発見され、その後の研究で、同受容体が膵臓に発現しリガンドが脂肪酸であることが明らかにされ、オレイン酸やリノレン酸などの遊離脂肪酸がGPR40に作用して膵臓β細胞からのインスリン分泌を促進することが明らかにされた。したがって、GPR40に作用する化合物もまた糖尿病に対する新たな作用機序による予防・治療薬として期待される。(WO03/068959A1)
ところで、宮田、鈴木らは、下記化合物がPPARγリガンドとしての活性を有することを報告している。(Bioorganic & Medicinal Chemistry Letter(2005).15(6),1547-1551)
JP0005420400B2_000002t.gifJP0005420400B2_000003t.gif しかし、これらPPARγは核内レセプターであって、GPCRとは根本的に異なるものである。
また、宮田、鈴木らは、下記化合物がPPARαリガンドとしての活性を有することを報告している。(Bioorganic & Medicinal Chemistry Letter(2006).16(12),3249-3254)
JP0005420400B2_000004t.gif しかし、これらPPARαは核内レセプターであって、GPCRとは根本的に異なるものである。
また、GPR40及びのGPR120アゴニスト化合物として下記の如きGW9508が知られている。(Br J Pharmacol.2006 Jul;148(5)619-628)
JP0005420400B2_000005t.gif
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のとおり、従来よりGPR120及びGPR40の生体分布やその機能、役割は知られていたが、それに対する具体的なアゴニスト化合物、特に医薬品としての実用化が期待できるような活性の優れたアゴニスト化合物は提案されていなかった。
したがって、本発明の目的は、GPR120及び/又はGPR40に対して優れたアゴニスト活性を有する化合物の提供することであり、更にはそのような化合物を有効成分とする医薬組成物、特には作動剤、該作動剤を有効成分として含有する食欲調節剤、肥満抑制剤、糖尿病治療薬、膵臓ベータ分化細胞増促進殖剤、メタボリックシンドローム治療薬、消化器疾患治療薬、神経障害治療薬、精神障害治療薬、肺疾患治療薬又は下垂体ホルモン分泌不全症治療薬、及び脂質風味調味料を提供することにある。
最近のオーダーメイド治療等への関心から、メカニズムの異なる医薬品の研究・開発が盛んです。このような背景の下、同じ糖尿病等の治療薬であっても、作用機序が異なれば、異なる医薬品であると認識するのが普通です。したがって、本発明のGPR120及び/又はGPR40に対する作動薬は、新たな作用機序に基づく医薬品として大いに期待できるであろう。特にGPR120に対する作動薬として期待される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、GPR120は、腸管、肺、脳などに存在することから、腸管に存在するGPR120を保有する細胞は脂肪酸によりGPR120を作動させることによってグルカゴン様ペプチド1(GLP-1)、コレシストキニン(CCK)などの腸管ホルモンペプチドが放出されることを先に見出し、かかる知見に基づいて更に研究を重ねた結果、優れたアゴニスト活性を有する化合物を見出すことに成功し、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明は、GPR120及び/又はGPR40に対して優れたアゴニスト活性を有するアラルキルカルボン酸化合物等のフェニル化合物又はその塩を提供し、更に、該化合物を有効成分として含有する医薬組成物、特には作動剤、及び該化合物又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含む食欲調節剤、肥満抑制剤、糖尿病治療剤、膵臓ベータ分化細胞増促進殖剤、メタボリックシンドローム治療剤、消化器疾患治療薬、神経障害治療薬、精神障害治療薬、肺疾患治療薬、下垂体ホルモン分泌不全症治療薬及び該化合物又はその塩を有効成分として含む脂質風味調味料を提供するものである。
以下、本発明について具体的に述べる。
1.下記一般式(i)で表されるフェニル化合物又は薬学的に許容されるその塩を有効成分として含有するGタンパク質共役型レセプター(GPCR)の作動剤。
JP0005420400B2_000006t.gif[ここで、
は、芳香族炭化水素基、1個乃至4個のヘテロ原子を有する芳香族複素環基(該芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基は1個乃至3個の置換基で置換されてもよい)又は下記式(ii)で表される置換アミノ基を意味し、
JP0005420400B2_000007t.gifは、カルボキシ基、1個乃至4個のヘテロ原子を有する5員又は6員の芳香族複素環基(該芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基は1個乃至3個の置換基で置換されてもよい)又は置換されてもよいカルバモイル基を意味し、
環Qは、芳香族炭化水素基又は1個乃至3個のヘテロ原子を有する芳香族複素環基(該芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基は1個乃至3個の置換基で置換されてもよい)を意味し、
は、C1-6アルキル基、芳香族炭化水素基又は1個乃至3個のヘテロ原子を有する芳香族複素環基(これらC1-10アルキル基、該芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基は、1個乃至3個の置換基で置換されてもよい)を意味し、
は、水素原子、C1-4アルキル基又はC1-4アルコキシ基を意味し、
Xは、酸素原子、硫黄原子又は‐NR-(ここで、Rは、水素原子又はC1-4アルキル基を意味する)を意味し、
m及びnは、それぞれ同一又は異なって1乃至5の整数を意味する。
(ただし、Rがフェノキシフェニル基であるとき、Rは、1個乃至4個のヘテロ原子を有する5員又は6員の芳香族複素環基(該芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基は1個乃至3個の置換基で置換されてもよい)又は置換されてもよいカルバモイル基である。)]
2.Rがキノリル基であり、Rが、カルボキシ基、テトラゾリル基又はアルキルスルホニル置換カルバモイル基であり、Xが窒素原子であり、Rが水素原子である請求項1に記載のフェニル化合物、又はRがフェノキシフェニル基であり、Rが、テトラゾリル基又はアルキルスルホニル置換カルバモイル基であり、Xが窒素原子であり、Rが水素原子である上記1に記載のフェニル化合物又は薬学的に許容されるその塩を有効成分として含有するGタンパク質共役型レセプター(GPCR)の作動剤。
3.下記化合物群から選ばれる上記2に記載のフェニル化合物又は薬学的に許容されるその塩を有効成分として含有するGタンパク質共役型レセプター(GPCR)の作動剤。
JP0005420400B2_000008t.gif4.上記1に記載の一般式(i)で表されるフェニル化合物であって、Rが下記式(ii)で表される置換アミノ基であって、
JP0005420400B2_000009t.gifかつ、Rがカルボキシ基である下記一般式(I)で表されるアラルキルカルボン酸化合物又は薬学的に許容されるその塩を有効成分として含有するGタンパク質共役型レセプター(GPCR)の作動剤。
JP0005420400B2_000010t.gif [ここで、環Qは、芳香族炭化水素基又は1個乃至3個のヘテロ原子を有する芳香族複素環基(該芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基は1個乃至3個の置換基で置換されてもよい)を意味し、Rは、C1-6アルキル基、芳香族炭化水素基又は1個乃至3個のヘテロ原子を有する芳香族複素環基(これらC1-10アルキル基、該芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基は、1個乃至3個の置換基で置換されてもよい)を意味し、Rは、水素原子、C1-4アルキル基又はC1-4アルコキシ基を意味し、Xは、酸素原子、硫黄原子又は-NR-(ここで、Rは、水素原子又はC1-4アルキル基を意味する)を意味し、m及びnは、それぞれ同一又は異なって1乃至5の整数を意味する。]
5.環Qが、単環の芳香族炭化水素基又は1個乃至3個のヘテロ原子を有する単環の芳香族複素環基(該芳香族複素環基はベンゼン環と縮合してもよい。また、これら芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基は、下記グループAから選ばれる1個乃至3個の置換基で置換されてもよい)であり、
[グループA]
(1)C1-4アルキル基(該アルキル基は、ハロゲン原子、C1-4アルコキシ基、カルボキシ基、C1-4アルコキシカルボニル基及びアミノ基から選ばれる1個乃至3個の置換基で置換されてもよい。)
(2)ハロゲン原子、
(3)C1-4アルコキシ基、
(4)C1-4アルコキシC1-4アルキル基、
(5)アミノ基、及び
(6)水酸基;
が、C1-6アルキル基(該アルキル基は、ハロゲン原子、C1-4アルコキシ基、カルボキシ基、C1-4アルコキシカルボニル基及びアミノ基から選ばれる1個乃至3個の置換基で置換されてもよい。)、単環の芳香族炭化水素基又は1個乃至3個のヘテロ原子を有する単環の芳香族複素環基(該芳香族複素環基はベンゼン環と縮合してもよい。また、これら芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基は、下記グループBから選ばれる1個乃至3個の置換基で置換されてもよい)であり、
[グループB]
(1)C1-4アルキル基(該アルキル基は、ハロゲン原子、C1-4アルコキシ基、カルボキシ基、C1-4アルコキシカルボニル基及びアミノ基から選ばれる1個乃至3個の置換基で置換されてもよい。)
(2)ハロゲン原子、
(3)C1-4アルコキシ基、
(4)C1-4アルコキシC1-4アルキル基、
(5)アミノ基、及び
(6)水酸基;
が、水素原子、C1-4アルキル基又はC1-4アルコキシ基であり、Xが、酸素原子、硫黄原子又は-NH-であり、m及びnが、それぞれ同一又は異なって1乃至5の整数である、上記4に記載のアラルキルカルボン酸化合物又は薬学的に許容されるその塩を有効成分として含有するGタンパク質共役型レセプター(GPCR)の作動剤。
6.環Qが、フェニル基又は少なくとも1つの窒素原子を有する5員又は6員の単環の芳香族複素環基(該芳香族複素環基はベンゼン環と縮合してもよい。また、これらフェニル基又は芳香族複素環基は、下記グループA1から選ばれる1個乃至3個の置換基で置換されてもよい)であり、
[グループA1]
(1)C1-4アルキル基(該アルキル基は、フッ素原子、塩素原子、C1-4アルコキシ基、カルボキシ基、C1-4アルコキシカルボニル基及びアミノ基から選ばれる1個乃至3個の置換基で置換されてもよい。)
(2)フッ素原子、塩素原子、
(3)C1-4アルコキシ基、
(4)C1-4アルコキシC1-4アルキル基、
(5)アミノ基、及び
(6)水酸基;
が、C1-6アルキル基(該アルキル基は、フッ素原子、塩素原子、C1-4アルコキシ基、カルボキシ基、C1-4アルコキシカルボニル基及びアミノ基から選ばれる1個乃至3個の置換基で置換されてもよい。)、フェニル基又は少なくとも1つの窒素原子を有する5員又は6員の芳香族複素環基(これら芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基は、下記グループB1から選ばれる1個乃至3個の置換基で置換されてもよい)であり、
[グループB]
(1)C1-4アルキル基(該アルキル基は、ハロゲン原子、C1-4アルコキシ基、カルボキシ基、C1-4アルコキシカルボニル基及びアミノ基から選ばれる1個乃至3個の置換基で置換されてもよい。)
(2)ハロゲン原子、
(3)C1-4アルコキシ基、
(4)C1-4アルコキシC1-4アルキル基、
(5)アミノ基、及び
(6)水酸基;
が、水素原子、C1-4アルキル基又はC1-4アルコキシ基であり、Xが、酸素原子、硫黄原子又は-NH-であり、m及びnが、それぞれ同一又は異なって1乃至4である、上記5に記載のアラルキルカルボン酸化合物又は薬学的に許容されるその塩を有効成分として含有するGタンパク質共役型レセプター(GPCR)の作動剤。
7.環Qが、フェニル基、ベンゼン環と縮合してもよいピリジル基又はベンゼン環と縮合してもよいチアゾリル基(これらフェニル基、ピリジル基及びチアゾリル基は、ハロゲン原子、水酸基、C1-4アルコキシ基、アミノ基からなる群から選ばれる1乃至2個の置換基で置換されてもよい)であり、
が、C1-6アルキル基、フェニル基又はピリジル基(これらフェニル基及びピリジル基は、ハロゲン原子、水酸基、C1-4アルコキシ基、アミノ基からなる群から選ばれる1乃至2個の置換基で置換されてもよい)であり、
が、水素原子であり、
Xが、酸素原子、硫黄原子又はーNH-であり、
m及びnが、それぞれ同一又は異なって1乃至4の整数である上記6に記載のアラルキルカルボン酸化合物又は薬学的に許容されるその塩を有効成分として含有するGタンパク質共役型レセプター(GPCR)の作動剤。
8.下記化合物群から選ばれる上記4に記載のアラルキルカルボン酸化合物又は薬学的に許容されるその塩を有効成分として含有するGタンパク質共役型レセプター(GPCR)の作動剤。
JP0005420400B2_000011t.gifJP0005420400B2_000012t.gifJP0005420400B2_000013t.gif9.アラルキルカルボン酸化合物が下記NCG21、NCG30、NCG37、NCG46又はNCG54である上記8に記載のアラルキルカルボン酸化合物又は薬学的に許容されるその塩を有効成分として含有するGタンパク質共役型レセプター(GPCR)の作動剤。
JP0005420400B2_000014t.gif10.前記Gタンパク質共役型レセプター(GPCR)が、GPR120である上記1乃至9のいずれか1項に記載のGタンパク質共役型レセプター(GPCR)の作動剤。
11.前記Gタンパク質共役型レセプター(GPCR)が、GPR40である上記1乃至9のいずれか1項に記載のGタンパク質共役型レセプター(GPCR)の作動剤。
12.上記1乃至11のいずれか1項に記載のGタンパク質共役型レセプター(GPCR)の作動剤を有効成分として含有するGPR120及び/又はGPR40が関与する疾患の治療又は予防のための医薬組成物。
13.食欲調節剤、肥満抑制剤、糖尿病治療剤、膵臓ベータ分化細胞増促進殖剤、メタボリックシンドローム治療剤、消化器疾患治療剤、神経障害治療剤、精神障害治療剤、肺疾患治療剤又は下垂体ホルモン分泌不全症治療剤である上記12に記載の医薬組成物。
14.上記1乃至11のいずれか1項に記載のGタンパク質共役型レセプター(GPCR)の作動剤を有効成分として含有する脂質風味調味料。
15.上記1の一般式(i)で表されるフェニル化合物又は薬学的に許容されるその塩(ただし、環Qがピリジル基であり、RがC1-6アルキル基又はフェニル基であり、Xが酸素原子であり、Rが水素原子であり、Rがカルボキシ基であり、かつ、mが2であるとき、nは1、3、4又は5である。また、Rがフェノキシフェニル基であるとき、Rは、1個乃至4個のヘテロ原子を有する5員又は6員の芳香族複素環基(該芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基は1個乃至3個の置換基で置換されてもよい)又は置換されてもよいカルバモイル基である。))。
16.上記1の下記一般式(i)で表されるフェニル化合物であって、Rがキノリル基であり、Rがカルボキシ基、テトラゾリル基又はアルキルスルホニル置換カルバモイル基であり、Xが窒素原子であり、Rが水素原子である請求項14に記載のフェニル化合物、又はRがフェノキシフェニル基であり、Rが、テトラゾリル基又はアルキルスルホニル置換カルバモイル基であり、Xが窒素原子であり、Rが水素原子である上記15に記載のフェニル化合物又は薬学的に許容されるその塩。
JP0005420400B2_000015t.gif17.下記化合物群から選ばれる上記16に記載のフェニル化合物又は薬学的に許容されるその塩。
JP0005420400B2_000016t.gif18.上記4の下記一般式(I)で表されるアラルキルカルボン酸化合物又は薬学的に許容されるその塩(ただし、環Qがピリジル基であり、RがC1-6アルキル基又はフェニル基であり、Xが酸素原子であり、Rが水素原子であり、かつ、mが2であるとき、nは1、3、4又は5である)。
JP0005420400B2_000017t.gif19.環Qが、単環の芳香族炭化水素基又は1個乃至3個のヘテロ原子を有する単環の芳香族複素環基(該芳香族複素環基はベンゼン環と縮合してもよい。また、これら芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基は、下記グループAから選ばれる1個乃至3個の置換基で置換されてもよい)であり、
[グループA]
(1)C1-4アルキル基(該アルキル基は、ハロゲン原子、C1-4アルコキシ基、カルボキシ基、C1-4アルコキシカルボニル基及びアミノ基から選ばれる1個乃至3個の置換基で置換されてもよい。)
(2)ハロゲン原子、
(3)C1-4アルコキシ基、
(4)C1-4アルコキシC1-4アルキル基、
(5)アミノ基、及び
(6)水酸基;
が、C1-6アルキル基(該アルキル基は、ハロゲン原子、C1-4アルコキシ基、カルボキシ基、C1-4アルコキシカルボニル基及びアミノ基から選ばれる1個乃至3個の置換基で置換されてもよい。)、単環の芳香族炭化水素基又は1個乃至3個のヘテロ原子を有する単環の芳香族複素環基(該芳香族複素環基はベンゼン環と縮合してもよい。また、これら芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基は、下記グループBから選ばれる1個乃至3個の置換基で置換されてもよい)であり、
[グループB]
(1)C1-4アルキル基(該アルキル基は、ハロゲン原子、C1-4アルコキシ基、カルボキシ基、C1-4アルコキシカルボニル基及びアミノ基から選ばれる1個乃至3個の置換基で置換されてもよい。)
(2)ハロゲン原子、
(3)C1-4アルコキシ基、
(4)C1-4アルコキシC1-4アルキル基、
(5)アミノ基、及び
(6)水酸基;
が、水素原子、C1-4アルキル基又はC1-4アルコキシ基であり、Xが、酸素原子、硫黄原子又は-NH-であり、m及びnが、それぞれ同一又は異なって1乃至5の整数である、上記18に記載のアラルキルカルボン酸化合物又は薬学的に許容されるその塩(ただし、環Qがピリジル基であり、RがC1-6アルキル基又はフェニル基であり、Xが酸素原子であり、Rが水素原子であり、かつ、mが2であるとき、nは1、3、4又は5である)。
20.環Qが、フェニル基又は少なくとも1つの窒素原子を有する5員又は6員の単環の芳香族複素環基(該芳香族複素環基はベンゼン環と縮合してもよい。また、これらフェニル基又は芳香族複素環基は、下記グループA1から選ばれる1個乃至3個の置換基で置換されてもよい)であり、
[グループA1]
(1)C1-4アルキル基(該アルキル基は、フッ素原子、塩素原子、C1-4アルコキシ基、カルボキシ基、C1-4アルコキシカルボニル基及びアミノ基から選ばれる1個乃至3個の置換基で置換されてもよい。)
(2)フッ素原子、塩素原子、
(3)C1-4アルコキシ基、
(4)C1-4アルコキシC1-4アルキル基、
(5)アミノ基、及び
(6)水酸基;
が、C1-6アルキル基(該アルキル基は、フッ素原子、塩素原子、C1-4アルコキシ基、カルボキシ基、C1-4アルコキシカルボニル基及びアミノ基から選ばれる1個乃至3個の置換基で置換されてもよい。)、フェニル基又は少なくとも1つの窒素原子を有する5員又は6員の芳香族複素環基(これら芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基は、下記グループB1から選ばれる1個乃至3個の置換基で置換されてもよい)であり、
[グループB]
(1)C1-4アルキル基(該アルキル基は、ハロゲン原子、C1-4アルコキシ基、カルボキシ基、C1-4アルコキシカルボニル基及びアミノ基から選ばれる1個乃至3個の置換基で置換されてもよい。)
(2)ハロゲン原子、
(3)C1-4アルコキシ基、
(4)C1-4アルコキシC1-4アルキル基、
(5)アミノ基、及び
(6)水酸基;
が、水素原子、C1-4アルキル基又はC1-4アルコキシ基であり、Xが、酸素原子、硫黄原子又は-NH-であり、m及びnが、それぞれ同一又は異なって1乃至4である、上記19に記載のアラルキルカルボン酸化合物又は薬学的に許容されるその塩(ただし、環Qがピリジル基であり、RがC1-6アルキル基又はフェニル基であり、Xが酸素原子であり、Rが水素原子であり、かつ、mが2であるとき、nは1、3、4又は5である)。
21.環Qが、フェニル基、ベンゼン環と縮合してもよいピリジル基又はベンゼン環と縮合してもよいチアゾリル基(これらフェニル基、ピリジル基及びチアゾリル基は、ハロゲン原子、水酸基、C1-4アルコキシ基、アミノ基からなる群から選ばれる1乃至2個の置換基で置換されてもよい)であり、
が、C1-6アルキル基、フェニル基又はピリジル基(これらフェニル基及びピリジル基は、ハロゲン原子、水酸基、C1-4アルコキシ基、アミノ基からなる群から選ばれる1乃至2個の置換基で置換されてもよい)であり、
が、水素原子であり、
Xが、酸素原子、硫黄原子又はーNH-であり、
m及びnが、それぞれ同一又は異なって1乃至4の整数である上記20に記載のアラルキルカルボン酸化合物又は薬学的に許容されるその塩(ただし、環Qがピリジル基であり、RがC1-6アルキル基又はフェニル基であり、Xが酸素原子であり、Rが水素原子であり、かつ、mが2であるとき、nは1、3、4又は5である)。
22.下記化合物群から選ばれる上記21に記載のアラルキルカルボン酸化合物又は薬学的に許容されるその塩。
JP0005420400B2_000018t.gifJP0005420400B2_000019t.gifJP0005420400B2_000020t.gif23.アラルキルカルボン酸化合物が下記NCG21、NCG30、NCG37、NCG46又はNCG54である上記22に記載のアラルキルカルボン酸化合物又は薬学的に許容されるその塩。
JP0005420400B2_000021t.gif
【発明の効果】
【0005】
本発明のアラルキルカルボン酸化合物等のフェニル化合物は、Gタンパク質共役型レセプター(GPCR)、特にGPR120及び/又はGPR40に対して優れたアゴニスト活性を有する。したがって、本発明化合物は、GPR120に作用することによってグルカゴン様ペプチド1(GLP-1)、コレシストキニン(CCK)などの腸管ホルモンペプチドを放出させることが可能となり、食欲調節剤、肥満抑制剤、糖尿病治療剤、膵臓ベータ分化細胞増促進殖剤、メタボリックシンドローム治療剤、消化器疾患治療薬、神経障害治療薬、精神障害治療薬、肺疾患治療薬及び下垂体ホルモン分泌不全症治療薬として有効である。
また、GPR40に対しても優れたアゴニスト活性を有するので、膵臓β細胞からのインスリン分泌を促進し、糖尿病に対する新たな作用機序による予防・治療薬として期待される。
このように、これらアラルキルカルボン酸化合物等の本発明フェニル化合物を有効成分とする医薬組成物、特にGPCR作動剤、より具体的にはGPR120作動薬、GPR40作動薬は、新たな作用機序に基づく医薬品として期待され、具体的には、食欲調節剤、肥満抑制剤、糖尿病治療剤、膵臓ベータ分化細胞増促進殖剤、メタボリックシンドローム治療剤、消化器疾患治療薬、神経障害治療薬、精神障害治療薬、肺疾患治療薬及び下垂体ホルモン分泌不全症治療薬として有効である。また、GPR120は味覚への関与もあることから脂質風味調味料としての効果も期待される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1は、試験例1におけるERKアッセイによるGPR40のリガンドスクリーニングの結果を示すグラフである。
ここで、DMはネガティブコントロールとしてDMSOを意味し、PMAはポジティブコントロールとしてPhorbol-12-myristate-13-acetateを意味する。また、LAは陽性対象としてのシスαリノレン酸を意味する。使用した化合物は、NCG21及びNCG28である。
1Aは、細胞株TXGPR40を用いたNCG21刺激時のウエスタンブロットによるtotal ERKの検出結果を示す図である。
1Bは、細胞株TXGPR40を用いたNCG28刺激時のウエスタンブロットによるtotal ERKの検出結果を示す図である。
1Cは、細胞株TXGPR40を用いたNCG21の刺激時のウエスタンブロットによるリン酸化ERKの検出結果を示す図である。
1Dは、細胞株TXGPR40を用いたNCG28の刺激時のウエスタンブロットによるリン酸化ERKの検出結果を示す図である。
図2は、試験例1におけるERKアッセイによるGPR40のリガンドスクリーニングの結果を示すグラフである。縦軸はphospho ERK/total ERKを意味する。
図3は、細胞株TXGPR40を用いた各化合物(NCG21及びNCG28)のERK活性を比較の結果を示す図である。
図4は、細胞株TXGPR40を用いたその他本発明化合物(NCG29、NCG30、NCG31、NCG34、NCG35、NCG37、NCG38、NCG44、NCG45、NCG46、及びNCG54)のERK活性比較の結果を示す図である。
図5は、試験例1におけるERKアッセイによるGPR120のリガンドスクリーニングの結果を示すグラフである。
ここで、DMはネガティブコントロールとしてDMSOを意味し、PMAはポジティブコントロールとしてPhorbol-12-myristate-13-acetateを意味する。また、LAは陽性対象としてのシスαリノレン酸を意味する。使用した化合物は、NCG21及びNCG28である。
5Aは、細胞株TXGPR120を用いたNCG21の刺激時のウエスタンブロットによるtotal ERKの検出結果を示す図である。
5Bは、細胞株TXGPR120を用いたNCG28の刺激時のウエスタンブロットによるtotal ERKの検出結果を示す図である。
5Cは、細胞株TXGPR120を用いたNCG21の刺激時のウエスタンブロットによるリン酸化ERKの検出結果を示す図である。
5Dは、細胞株TXGPR120を用いたNCG28の刺激時のウエスタンブロットによるリン酸化ERKの検出結果を示す図である。
図6は、試験例1におけるERKアッセイによるGPR120のリガンドスクリーニングの結果を示すグラフである。縦軸はphospho ERK/total ERKを意味する。
図7は、細胞株TXGPR120を用いた各化合物(NCG21及びNCG28)のERK活性を比較の結果を示す図である。GPRの組み込まれていないTXCONTおよびDoxycycline処理を行っていない細胞(Dox(-))をネガティブコントロールとして並べ、Doxycycline処理を行ったもの(Dox(+))について化合物のERK活性を比較した。
図8は、細胞株TXGPR120と同様のFlp-In h GPR120/G15を用いたその他本発明化合物(NCG29、NCG30、NCG31、NCG34、NCG35、NCG37、NCG38、NCG44、NCG45、NCG46、及びNCG54)のERK活性を比較の結果を示す図である。
図9は、細胞株TXGPR40における細胞内Ca2+濃度とリガンド濃度の関係を示したグラフである。
図10は、細胞株TXGPR120における細胞内Ca2+濃度とリガンド濃度の関係を示したグラフである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明のフェニル化合物は基本的には下記構造式(A)を有する。
JP0005420400B2_000022t.gif そして、特に好ましくはR-CmH2m-X-基と-CnH2n-R基がベンゼン環に対してパラ位の関係で結合した下記(i)で表されるフェニル化合物である。
JP0005420400B2_000023t.gif [ここで、Rは、芳香族炭化水素基、1個乃至4個のヘテロ原子を有する芳香族複素環基(該芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基は1個乃至3個の置換基で置換されてもよい)又は下記式(ii)で表される置換アミノ基を意味し、
JP0005420400B2_000024t.gifは、カルボキシ基、1個乃至4個のヘテロ原子を有する5員又は6員の芳香族複素環基(該芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基は1個乃至3個の置換基で置換されてもよい)又は置換されてもよいカルバモイル基を意味し、
環Qは、芳香族炭化水素基又は1個乃至3個のヘテロ原子を有する芳香族複素環基(該芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基は1個乃至3個の置換基で置換されてもよい)を意味し、
は、C1-6アルキル基、芳香族炭化水素基又は1個乃至3個のヘテロ原子を有する芳香族複素環基(これらC1-10アルキル基、該芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基は、1個乃至3個の置換基で置換されてもよい)を意味し、
は、水素原子、C1-4アルキル基又はC1-4アルコキシ基を意味し、
m及びnは、それぞれ同一又は異なって1乃至5の整数を意味し、
Xは、酸素原子、硫黄原子又は‐NR-(ここで、Rは、水素原子又はC1-4アルキル基を意味する)を意味する。]
特に好ましいフェニル化合物は下記一般式(I)で示されるアラルキルカルボン酸化合物である。
JP0005420400B2_000025t.gif [ここで、環Qは、芳香族炭化水素基又は1個乃至4個のヘテロ原子を有する芳香族複素環基(該芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基は1個乃至3個の置換基で置換されてもよい)を意味し、Rは、C1-6アルキル基、芳香族炭化水素基又は1個乃至3個のヘテロ原子を有する芳香族複素環基(これらC1-10アルキル基、該芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基は、1個乃至3個の置換基で置換されてもよい)を意味し、Rは、水素原子、C1-4アルキル基又はC1-4アルコキシ基を意味し、m及びnは、それぞれ同一又は異なって1乃至5の整数を意味し、Xは、酸素原子、硫黄原子又は‐NR-(ここで、Rは、水素原子又はC1-4アルキル基を意味する)を意味する。]
ただし、一般式(i)及び(I)のいずれにおいても、Rがフェノキシフェニル基であるとき、Rは、1個乃至4個のヘテロ原子を有する5員又は6員の芳香族複素環基(該芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基は1個乃至3個の置換基で置換されてもよい)又は置換されてもよいカルバモイル基である。
また、化学物質発明にあっては、環Qがピリジル基であり、RがC1-6アルキル基又はフェニル基であり、Xが酸素原子であり、Rが水素原子であり、Rがカルボキシ基であり、かつ、mが2であるとき、nは1、3、4又は5である。
GPR120及び/又はGPR40に対する特に優れたアゴニスト活性を有する上記一般式(i)で表される化合物の一例を示せば以下のとおりである。しかし、本発明化合物は、これら化合物に限定されるものではない。
JP0005420400B2_000026t.gifJP0005420400B2_000027t.gif 上記化合物のうち、NCP04、NCG20、NCG21、NCG22、NCG23、NCG28、NCG29、NCG30、NCG31、NCG34、NCG35、NCG37、NCG38、NCG40、NCG45、NCG46及びNCG54は新規である。
本発明における用語の意味は以下のとおりである。
「芳香族炭化水素基」とは、炭素数6乃至14のアリール基を意味し、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントリル基、インデニル基、アズレニル基、フルオレニル基、フェナントリル基等である。該アリール基は、場合により、部分的に飽和されていてもよい。部分的に飽和されたアリール基としては、例えばジヒドロインデニル、テトラヒドロナフチルなどが挙げられる。好適には、C6-10アリール基であり、更に好適には、ビフェニル基、フェニル又はナフチル基であり、最も好適には、フェニル基である。
として好ましい芳香族炭化水素基はフェノキシフニル基であり、式(I)における環Qとして好ましい芳香族炭化水素基、Rとして好ましい芳香族炭化水素基は、フェニル基である。
「1個乃至4個のヘテロ原子を有する芳香族複素環基」又は「1個乃至3個のヘテロ原子を有する芳香族複素環基」とは、環を構成する原子として、炭素原子の他に、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選ばれる同一又は異なった1乃至4個又は1乃至3個のヘテロ原子を有し、環を構成する原子の数が3乃至14である縮合してもよい芳香族複素環基を意味する。好ましくは5乃至7員、特に好ましくは5員又は6員の単環の芳香族複素環基又は該単環の芳香族複素環基とベンゼン環が縮合した複素環基である。式(i)におけるRとしての好ましい複素環基はキノリル基であり、Rとして好ましい複素環基はテトラゾリル基であり、式(I)における環Qとして好ましい複素環基はそれそれベンゼン環と縮合してもよいピリジル基、ピリミジル基又はチアゾリル基であり、Rとして好ましい複素環基は、ピリジル基である。
「少なくとも1個の窒素原子を有する単環の芳香族複素環基」とは、少なくとも1個の窒素原子を有し、他に窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる1個乃至3個のヘテロ原子を有してもよい5員または6員の単環の芳香族複素環基又は該単環の芳香族複素環基とベンゼン環が縮合した複素環基を意味する。例えば、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、1,3,5-トリアジニル基、ピロリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、1,2,4-トリアゾリル基、テトラゾリル基、チエニル基、フリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、チアジアゾリル基、キノリル基、ベンゾチアゾリル基である。式(I)における環Qとして好ましい単環の複素環基はピリジル基、キノリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ピリミジル基、キナゾリニル基、特に好ましくはピリジル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基又はピリミジル基であり、Rとして好ましい単環の複素環基は、ピリジル基である。
「C1-6アルキル基」とは、炭素数が1乃至6の直鎖状又は分枝状のアルキル基を意味し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等である。Rとして特に好ましいC1-6アルキル基は、n-ブチル基である。しかし、特に限定されるものではないが、GPR120アゴニストの観点からすると炭素数が4乃至6であることが好ましく、また、GPR40アゴニストの観点からすると炭素数が1乃至5、特に3乃至6が好ましい。
「C1-4アルキル基」とは、炭素数1乃至4個の直鎖状又は分枝状のアルキル基を意味し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基である。
「C1-4アルコキシ基」とは、そのアルキル部位が上記「C1-4アルキル基」である炭素数1乃至4個のアルコキシ基を意味し、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基である。
「ハロゲン原子」とは、弗素、塩素、臭素又は沃素原子である。好適には、フッ素原子又は塩素原子である。
「C1-4アルコキシカルボニル基」とは、炭素数1乃至4個の上記アルコキシ基がカルボニル基に結合した基を意味し、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、s-ブトキシカルボニル基、t-ブトキシカルボニル基である。
「アミノ基」とは、アミノ基の他に、C1-4アルキル基で置換されたアミノ基、具体的にはC1-4アルキル基でモノ置換された「モノC1-4アルキルアミノ基」またはC1-4アルキル基でジ置換された「ジC1-4アルキルアミノ基」を意味する。また、アシルアミノ基であってもよい。
「モノC1-4アルキルアミノ基」とは、上記に定義される1個の「C1-4アルキル基」で置換されたアミノ基を意味し、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、s-ブチルアミノ基、t-ブチルアミノ基である。
「ジC1-4アルキルアミノ基」は、上記に定義される同一又は異なった2個の「C1-4アルキル基」で置換されたアミノ基を意味し、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、N-エチル-N-メチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基のようなジ-C1-4アルキルアミノ基である。
「アシルアミノ基」とは、前記「アシル基」で置換されたアミノ基を意味し、例えば、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ブチリルアミノ基、イソブチリルアミノ基のような炭素数2乃至4個の分枝してもよい低級脂肪族アシルアミノ基、またはベンゾイルアミノ基のような芳香アシルアミノ基である。
「C1-4アルコキシC1-4アルキル基」とは、上記C1-4アルコキシで置換されたC1-4アルキル基を意味する。例えば、メトキシメチル基、2-メトキシエチル基、3-メトキシプロピル基、3エトキシプロピル基等を挙げることができる。
「置換されてもよいカルバモイル基」とは、アミノ基部分がC1-4アルキル基やC1-4アルキルスルホニル基で置換されてもよいカルバモイル基を意味する。例えば、メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基、メチルスルホニルカルバモイル基等を挙げることができる。
「Gタンパク質共役型レセプター(GPCR)の作動剤」とは、具体的にはGPR120及び/又はGPR40レセプターに対する作動薬(「アゴニスト」とも言う)を意味し、好ましくはGPR120の作動薬である。
として好ましい芳香族炭化水素基は、少なくとも1個の置換基で置換された芳香族炭化水素基であり、特に好ましくはフェノキシフェニル基である。ただし、Rがフェノキシフェニル基であるとき、Rは、1個乃至4個のヘテロ原子を有する5員又は6員の芳香族複素環基(該芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基は1個乃至3個の置換基で置換されてもよい)、好ましくはテトラゾリル基、又はアルキルスルホニル基等の置換基で置換されてもよいカルバモイル基であり、Xは好ましくは窒素原子であり、Rは好ましくは水素原子である。る。また、Rがキノリル基であるとき、Rはカルボキシ基、テトラゾリル基又はアルキルスルホニル置換カルバモイル基であり、Xは窒素原子であり、Rは水素原子である。
として好ましい1個乃至4個のヘテロ原子を有する芳香族複素環基は縮合環であってもよく、特に好ましくはキノリル基である。
として最も好ましいのは、カルボキシ基である。また、Rとして好ましい1個乃至4個のヘテロ原子を有する5員又は6員の芳香族複素環基はテトラゾリル基であり、Rとして好ましい置換されてもよいカルバモイル基は、アミノ基が1個のメチルスルホニル基等のアルキルスルホニル基で置換されたカルバモイル基である。
として最も好ましいのは、下記式(ii)で表される置換アミノ基である。
JP0005420400B2_000028t.gif また、環Qとして好ましい芳香族炭化水素基はフェニル基であり、環Qとして好ましい芳香族複素環基は少なくとも1つの窒素原子を有する5員又は6員の芳香族複素環基である。該芳香族複素環基はベンゼン環と縮合してもよい。このような芳香族複素環基として好ましいのはベンゼン環と縮合してもよいピリジル基、ベンゼン環と縮合してもよいピリミジル基 又はベンゼン環と縮合してもよいチアゾリル基である。これらフェニル基又は芳香族複素環基は、下記グループAから選ばれる1個乃至3個の置換基で置換されてもよい。
[グループA]
(1)C1-4アルキル基、
(2)ハロゲン原子、
(3)C1-4アルコキシ基、
(4)C1-4アルコキシC1-4アルキル基、
(5)アミノ基、及び
(6)水酸基;
特に好ましい置換基は、水酸基、C1-4アルコキシ基、ハロゲン原子又はC1-4アルキル基である。
として好ましい芳香族炭化水素基はフェニル基であり、Rとして好ましいC1-6アルキル基は、エチル基、プロピル基、ブチル基、n-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等であり、Rとして好ましい芳香族複素環基はピリジル基である。
これら芳香族炭化水素基及び芳香族複素環基は下記グループBから選ばれる1個乃至3個の置換基で置換されてもよい。
[グループB]
(1)C1-4アルキル基、
(2)ハロゲン原子、
(3)C1-4アルコキシ基、
(4)C1-4アルコキシC1-4アルキル基、
(5)アミノ基、及び
(6)水酸基;
n及びmは1乃至5の整数であり、好ましくは1乃至4の整数である。mは、好ましくは1乃至3の整数、特に好ましくは2である。nは、好ましくは2乃至4の整数であり、GPR120のアゴニスト活性の観点からすると特に好ましくは2又は3、特に3である。なお、アラルキルカルボン酸化合物又は薬学的に許容されるその塩に関する物質発明に関しては、環Qがピリジル基であり、RがC1-6アルキル基又はフェニル基であり、Xが酸素原子であり、Rが水素原子であり、かつ、mが2であるとき、nは1、3、4又は5であり、特に好ましいnは3である。
Xとして特に好ましいものは酸素原子である。
は、好ましくは水素原子である。
したがって、本発明の最も好ましい化合物は、下記一般式(I)で表されるアラルキルカルボン酸化合物である。
JP0005420400B2_000029t.gif ここで、環Q、R、R、X、m、nの意味は上記と同様である。
次に、上記一般式(i)、特に(I)で示されるアラルキルカルボン酸化合物の代表的な製造方法の1例について述べるが、本発明化合物の製造方法はこれに限定されるものでない。周知乃至公知の方法を適宜組合せ、あるいは応用することにより容易に製造することができるであろう。
JP0005420400B2_000030t.gif ここで、環Q、R、R、m及びn、X及びRの意味は、上記と同じである。X’は同一又は異なってハロゲン原子又は水酸基を意味する。
(第1工程)
第1工程は、化合物(3)の製造方法であり、化合物(3)は、化合物(1)を溶媒中、塩基の存在下、化合物(2)と加熱下に反応を行うことにより得ることができる。化合物(2)におけるX’は臭素原子、塩素原子等のハロゲン原子であり、同一であっても異なってもよい。好ましいX’は臭素原紙である。溶媒としては、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル等の極性非プロトン性溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒;トルエン、キシレン等のベンゼン系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒等が挙げられ、好ましくはN,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル等の極性非プロトン性溶媒である。反応に用いる塩基としては、水素化ナトリウム、水素化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等が挙げられ、好ましくは炭酸カリウムが用いられる。反応温度は40℃乃至100℃で行うが、好ましくは50℃乃至80℃である。反応時間は5乃至100時間であり、好ましくは24乃至50時間である。
(第2工程)
第2工程は化合物(5)の製造方法であり、化合物(5)は、工程1で得た化合物(3)を溶媒中、塩基の存在下、化合物(4)と加熱下に反応を行うことにより得ることができる。溶媒としては、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル等の極性非プロトン性溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒;トルエン、キシレン等のベンゼン系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒等が挙げられ、好ましくはN,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル等の極性非プロトン性溶媒である。反応に用いる塩基としては、トリエチルアミン、水素化ナトリウム、水素化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等が挙げられ、好ましくはトリエチルアミン、水素化ナトリウムが用いられる。反応温度は40℃乃至100℃で行うが、好ましくは50℃乃至80℃である。反応時間は1乃至100時間であり、好ましくは1乃至3時間である。なおこの反応は、よう化ナトリウム等の触媒を用いることによってスムーズに行うことができる。
(第3工程)
第3工程は、化合物(I)の製造方法であり、化合物(I)は、工程2で得た化合物(5)を溶媒中、塩基条件で加水分解反応を行うことにより得ることができる。溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒;メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒が挙げられ、好ましくはメタノール、エタノール等のアルコール系溶媒である。反応に用いる塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等が挙げられ、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムが用いられる。反応温度は10℃乃至100℃で行うが、好ましくは20℃乃至30℃である。反応時間は1乃至100時間であり、好ましくは1乃至24時間である。
本発明の新規GPCR作動剤、具体的にはGPR120作動薬及び/又はGPR40作動薬は、上記したアラルキルカルボン酸化合物等のフェニル化合物を有効成分として含有する。本発明者らの研究によりこれら化合物がGPR120及び/又はGPR40の機能を作動(亢進)させることが明らかとなった。
具体的には、本発明のGPCRの作動剤は、これら化合物が腸管ホルモン分泌細胞に働いて、腸管ホルモンを放出し、このホルモン(具体的にはCCKおよびGLP-1)が標的細胞の受容体(CCK受容体またはGLP-1受容体)に作用して種々の薬効を示すという新しいメカニズムに基づくものである。
本発明の対象疾患と効能は血中または対象臓器内のCCK濃度の増加、および血中又は対象臓器内のGLP-1濃度の増加に基づいている。本発明はGPCRを作動させて、血中又は対象臓器内のCCKまたはGLP-1濃度の亢進にともなう広範な治療が可能となる。
CCKの濃度増加にともなう対象疾患乃至治療剤として、例えば、下記を挙げることができる。
(i)消化活動の促進;
膵液分泌促進、胃液分泌促進、胆汁分泌促進、胃における食物滞留の保持、腸管運動の促進、食道下部括約筋収縮による逆流防止などである。したがって、CCKを増加させることにより消化活動の不全な疾患を治療し得る。
(ii)食欲抑制作用;
CCKを増加させることにより満腹感を与え食欲を抑制する。それゆえ、食欲に関する疾患、たとえば肥満を抑制したり、神経性過食症を治療したりすることが可能である。
(iii)胃粘膜中の細胞の分化増殖の促進;
胃粘膜中の細胞の分化増殖を促進することにより、胃壁障害の治療剤としての使用が可能である。
(iv)インスリン分泌の促進;
膵臓β細胞からインスリン分泌の促進作用により、糖尿病治療剤としての使用が可能である。
(v)神経の修復、維持作用;
神経の修復、維持作用により神経障害治療としての使用が可能である。
なお、本発明の対象は、上記に限定されるものでなく、CCKの濃度亢進ともなう疾患の治療全体が対象となり得ることは容易に理解できるであろう。
一方、GLP-1の濃度増加にともなう対象疾患乃至は治療剤としては、例えば、下記を挙げることができる。
(i)膵臓β細胞からインスリン分泌の促進;
膵臓β細胞からインスリンの分泌を促進することにより、糖尿病治療薬としての使用が可能である。
(ii)膵臓β細胞の分化増殖促進;
膵臓β細胞の分化増殖促進作用により、高血糖、インスリン抵抗性、肥満などから糖尿病に移行することを予防する糖尿病予防薬としての使用が可能である。また、β細胞移植時の移植細胞の生着率向上のための医薬としての使用が可能である。
(iii)胃酸分泌抑制;
胃酸分泌抑制による胃酸過多治療剤としての使用が可能である。
(iv)腸管運動抑制;
腸管運動抑制による下痢治療剤としての使用が可能である。
(v)神経の可塑性や生存の維持作用;
神経の可塑性や生存を維持し、神経障害による疾患の治療剤としての使用が可能である。また、
(vi)食欲抑制作用;
食欲抑制による肥満予防治療剤としての使用が可能である。
なお、本発明の対象は、上記に限定されるものでなく、GLP-1の濃度亢進ともなう疾患の治療全体が対象となり得ることは容易に理解できるであろう。
本発明のフェニル化合物、特にアラルキルカルボン酸化合物は、CCKとGLP-1放出を同時に行なう為、両者が同様な薬効を表すケースが多いが、消化活動では互いに拮抗するように見える。実際は両者が協調して消化活動を円滑に行なっており、CCKとGLP-1が同時に放出されることはより生理的に合理的治療剤となる。
したがって、本発明のフェニル化合物、特にアラルキルカルボン酸化合物がGPR120を介してCCKやGLP-1を放出してこれらが標的臓器に効果的に作用する治療例は次の通りとなる。
(i)消化活動の協調的促進、消化活動障害の治療、
(ii)食欲抑制による肥満予防治療、過食症の治療、
(iii)膵臓β細胞からのインスリン分泌促進あるいはβ細胞またはその前駆細胞の分化増殖促進による糖尿病予防治療。あるいは、β細胞あるいはその前駆細胞移植治療時の治療効果促進剤、
(iv)神経細胞可塑性、生存維持作用による神経移植、神経接合時の治療促進剤あるいはアルツハイマー症等、神経細胞障害が原因の疾患治療、
(v)腸管運動の正常化作用による腸炎時の腸管運動異常の治療、
(vi)腸管細胞の障害抑制あるいは腸管に存在する神経細胞の障害抑制
なお、腸管以外に、GPR120は肺、下垂体、脂肪細胞、舌にその発現が知られている。よって、
(vii)肺における肺機能向上例えばサーファクタント分泌促進によるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)などの肺疾患治療、
(viii)下垂体からの下垂体ホルモンの分泌促進作用、
(ix)脂肪細胞における脂質分解促進による肥満治療、予防、
(x)脂質の味風味の改善等を挙げることができる。
更には、下垂体にGPR120が発現しており、この受容体を介して副腎皮質刺激ホルモンACTHの分泌を抑制することがしられている(PCT WO2004/065960 A1)。
それゆえ、ACTH分泌過剰症あるいは副腎からACTHの刺激で分泌される、糖質コルチコイド(コルチゾール)、および副腎アンドロゲンの分泌過剰症の治療剤としての有効性も期待される。
一方、本発明のフェニル化合物、特にアラルキルカルボン酸化合物は、GPR40に対してNCG21は僅かであったが、その他の化合物は、いずれも優れたGPR40アゴニスト作用を有していた(表3)。GPR40は膵臓β細胞に存在し、GPR40の作動によりインスリン分泌が促進される。
したがって、GPR40作動性化合物は、
(i)膵臓β細胞からのインスリン分泌促進による糖尿病治療薬、
(ii)β細胞またはその前駆細胞の分化増殖促進による、高血糖、インスリン抵抗性、肥満などから糖尿病に移行することを予防する糖尿病予防剤としての使用が可能である。また、β細胞移植時の移植細胞の生着率向上のための医薬としての使用も可能である。
本発明のフェニル化合物、特にアラルキルカルボン酸化合物を有効成分として含有するGPCRの作動剤は、上記したような薬効を有しており、例えば、次のようにして製剤化できる。
本発明のGPCRの作動剤は、静脈内、経口への投与を含む、治療上適切な投与経路に適合するように製剤化される。静脈内への投与に使用される溶液又は懸濁液には、限定はしないが、注射用の水などの滅菌的希釈液、生理食塩水溶液、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、又は他の合成溶媒、ベンジルアルコール又は他のメチルパラベンなどの保存剤、アスコルビン酸又は亜硫酸水素ナトリウムなどの抗酸化剤、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカインなどの無痛化剤、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)などのキレート剤、酢酸塩、クエン酸塩、又はリン酸塩などの緩衝剤、塩化ナトリウム又はデキストロースなど浸透圧調製のための薬剤を含んでもよい。
pHは塩酸又は水酸化ナトリウムなどの酸又は塩基で調整することができる。非径口的標品はアンプル、ガラスもしくはプラスチック製の使い捨てシリンジ又は複数回投与用バイアル中に収納される。
注射に適する製剤とするには、滅菌された注射可能な溶液又は分散媒であって、使用時に調製するための滅菌水溶液(水溶性の)又は分散媒及び滅菌されたパウダー(凍結乾燥されたタンパク質、核酸などを含む)が含まれる。静脈内の投与に関し、適切な担体には生理食塩水、静菌水、CREMOPHOR EL(登録商標。BASF,Parsippany,N.J.)、又はリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)が含まれる。注射剤として使用する場合、GPCR作動剤は滅菌されており、また、シリンジを用いて投与されるために十分な流動性を保持していなくてはならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコールなど)、及び適切な混合物を含む溶媒又は分散媒培地を使用することができる。例えば、レクチンなどのコーティング剤を用い、分散媒においては必要とされる粒子サイズを維持し、界面活性剤を用いることにより適度な流動性が維持される。種々の抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、及びチメロサールなどは、微生物のコンタミネーションを防ぐために使用可能である。また、糖、マンニトール、ソルビトールなどのポリアルコール及び塩化ナトリウムのような等張性を保つ薬剤が組成物中に含まれてもよい。吸着を遅らせることができる組成物には、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンなどの薬剤が含まれる。
滅菌的な注射可能溶液は、必要な成分を単独で又は他の成分と組み合わせた後に、適切な溶媒中に必要量の活性化合物を加え、滅菌することで調製される。一般に、分散媒は、基本的な分散培地及び上述したその他の必要成分を含む滅菌的媒体中に活性化合物を取り込むことにより調製される。滅菌的な注射可能な溶液の調製のための滅菌的なパウダーの調製方法には、活性な成分及び滅菌溶液に由来する何れかの所望な成分を含むパウダーを調製する真空乾燥及び凍結乾燥が含まれる。
経口用の製剤とする場合には、不活性な希釈剤又は体内に取り込んでも害を及ぼさない担体が含まれる。経口用製剤は、例えば、ゼラチンのカプセル剤に包含されるか、加圧されて錠剤化される。経口的治療のためには、活性化合物は賦形剤と共に取り込まれ、錠剤、トローチ又はカプセル剤の形態で使用される。また、経口用製剤は、流動性担体を用いて調製することも可能である。さらに、薬剤的に適合する結合剤、及び/又はアジュバント物質などが包含されてもよい。
錠剤、丸薬、カプセル剤、トローチ剤及びその類似物は、以下の成分又は類似の性質を持つ化合物の何れかを含み得る。微結晶性セルロースのような賦形剤、アラビアゴム、トラガント又はゼラチンなどの結合剤;スターチ又はラクトース、アルギン酸、PRIMOGEL、又はコーンスターチなどの膨化剤;ステアリン酸マグネシウム又はSTRROTESなどの潤滑剤;コロイド性シリコン二酸化物などの滑剤;スクロース又はサッカリンなどの甘味剤;又はペパーミント、メチルサリシル酸又はオレンジフレイバーなどの香料添加剤。
全身投与用の製剤とする場合には、経粘膜的又は経皮的に行うことができる。経粘膜的又は経皮的投与について、標的のバリアーを透過することができる浸透剤が選択される。経粘膜浸透剤は界面活性剤、胆汁酸塩、及びフシジン酸誘導体が含まれる。経鼻スプレー又は坐薬は経粘膜的な投与に対して使用することができる。経粘膜的投与に対して、活性化合物はオイントメント、軟膏、ジェル又はクリーム中に製剤化される。
また、本発明医薬組成物は、直腸への送達に対して、坐薬(例えば、ココアバター及び他のグリセリドなどの基剤と共に)又は滞留性の浣腸の形態で調製することもできる。
制御放出製剤とする場合には、体内から即時に除去されことを防ぎ得る担体を用いて調製することができる。例えば、エチレンビニル酢酸塩、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、及びポリ乳酸などの、生物分解性、生物適合性ポリマーを用いることができる。このような材料は、ALZA Corporation(Mountain View,CA)及びNOVA Pharmaceuticals,Inc.(Lake Elsinore,CA)から入手することが可能で、また、当業者によって容易に調製することもできる。また、リポソームの懸濁液も薬学的に受容可能な坦体として使用することができる。有用なリポソームは、限定はしないが、ホスファチジルコリン、コレステロール及びPEG誘導ホスファチジルエタノール(PEG-PE)を含む脂質組成物として、使用に適するサイズになるように、適当なポアサイズのフィルターを通して調製され、逆相蒸発法によって精製される。例えば、抗体のFab’断片などは、ジスルフィド交換反応を介して、リポソームに結合させてもよい(Martin及びPapahadjopoulos,1982)。詳細な調製方法は、例えば、Eppstein等,1985;Hwang等,1980中の記載を参照。
本発明のGPCR作動剤の投与量は、特定の疾患の治療又は予防において、投与される患者(人)又は動物の状態、投与方法等に依存するが、当業者であれば容易に最適化することが可能である。例えば、注射投与の場合は、例えば、一日に患者の体重あたり約0.1μg/kgから500mg/kgを投与するのが好ましく、一般に一回又は複数回に分けて投与され得るであろう。好ましくは、投与量レベルは、一日に約0.1μg/kgから約250mg/kgであり、より好ましくは一日に約0.5~約100mg/kgである。
経口投与の場合は、好ましくは1.0から1000mgの活性成分を含む錠剤の形態で提供される。好ましくは治療されるべき患者(人)又は動物に対する有効活性成分の投与量は、0.01~100mg/kgである。化合物は一日に1~4回の投与計画で、好ましくは一日に一回又は二回投与される。
また、本発明のフェニル化合物、特にアラルキルカルボン酸化合物のスクリーニング手段として、GPR120およびGPR40への作動性を測定することにより、ここで述べた適用拡大の対象疾患に対するより優れた医薬品をスクリーニングすることができる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【実施例1】
【0008】
4-{4-[2-(2-ブチルピリジニルアミノ)エトキシ]フェニル}ブタン酸(5,NCG20)の製造
JP0005420400B2_000031t.gif工程1:4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン酸(1)の製造
JP0005420400B2_000032t.gif 4-(4-メトキシフェニル)ブタン酸(5.0g)を48%臭化水素酸(50mL)、酢酸(80mL)に溶解し、6時間加熱還流した。反応液に酢酸エチル(300mL)を加え、水(100mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄して、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過、減圧濃縮後、n-ヘキサンで洗浄し、表題化合物(4.6g,収率99%)を得た。
H-NMR(CDCl,500MHz,δ;ppm)7.04(2H,d,J=8.6Hz),6.75(2H,d,J=8.6Hz),2.60(2H,t,J=8.0Hz),2.36(2H,t,J=7.3Hz),1.92(2H,quintet,J=7.6Hz).
工程2:4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン酸メチルエステル(2)の製造
JP0005420400B2_000033t.gif 前工程で得られた4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン酸(1)(4.6g)をメタノール(60mL)に溶解し、濃硫酸(1mL)を加え、2日間加熱還流した。反応液を水に注ぎ、酢酸エチル(200mL)で抽出した。有機層を、水(50mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄して、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、減圧濃縮し、表題化合物(4.9g,収率99%)を得た。
H-NMR(CDCl,500MHz,δ;ppm)7.03(2H,d,J=8.5Hz),6.75(2H,d,J=8.3Hz),4.85(1H,s),3.67(3H,s),2.58(2H,t,J=7.6Hz),2.32(2H,t,J=7.3Hz),1.92(2H,quintet,J=7.6Hz).
工程3:4-(4-(2-ブロモエトキシ)フェニル)ブタン酸メチルエステル(3)の製造
JP0005420400B2_000034t.gif 前工程で得られた4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン酸メチルエステル(2)(2.6g)をN,N-ジメチルホルムアミド(30mL)に溶解し、1,2-ジブロモエタン(12.6g)、炭酸カリウム(3.7g)を加え、80℃で2日間攪拌した。反応液を水に注ぎ、酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機層を、水(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄して、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n-ヘキサン:酢酸エチル=8:1)で精製し、表題化合物(676mg,収率17%)を得た。
H-NMR(CDCl,500MHz,δ;ppm)7.10(2H,d,J=8.9Hz),6.84(2H,d,J=8.9Hz),4.27(2H,t,J=6.4Hz),3.66(3H,s),3.63(2H,t,J=6.4Hz),2.59(2H,t,J=7.6Hz),2.32(2H,t,J=7.6Hz),1.92(2H,quintet,J=7.6Hz).
工程4:N-ブチルピリジン-2-アミン(4)の製造
JP0005420400B2_000035t.gif 2-アミノピリジン(5.0g)をクロロホルム(40mL)、酢酸(10mL)に溶解し、n-ブチルアルデヒド(4.2g)を加え、室温で30分間攪拌した。さらに、ナトリウムトリアセトキシボロハイドライド(16.9g)を加え室温で3時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(300mL)を加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄して、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n-ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、表題化合物(2.7g,収率34%)を得た。
H-NMR(CDCl,500MHz,δ;ppm)8.06(1H,d,J=4.9Hz),7.40(1H,t,J=7.8Hz),6.54(1H,dd,J=6.1Hz),6.36(1H,d,J=8.6Hz),4.56(1H,broad s),3.24(2H,q,J=7.4Hz),1.60(2H,quintet,J=7.3Hz),1.43(2H,sextet,J=7.6Hz),0.95(3H,t,J=7.4Hz).
工程5:4-{4-[2-(2-ブチルピリジニルアミノ)エトキシ]フェニル}ブタン酸(5,NCG20)の製造
JP0005420400B2_000036t.gif 工程3で得られた4-(4-(2-ブロモエトキシ)フェニル)ブタン酸メチルエステル(3)(956mg)および工程4で得られたN-ブチルピリジン-2-アミン(4)(1.4g)をテトラヒドロフラン(6mL)に溶解し、トリエチルアミン(0.88mL)、ヨウ化カリウム(530mg)を加え終夜加熱還流した。反応液に酢酸エチル(100mL)を加え、水(100mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄して、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n-ヘキサン:酢酸エチル=6:1)で精製し、4-{4-[2-(2-ブチル(ピリジン2-イル)アミノ)エトキシ]フェニル}ブタン酸メチルエステルとN-ブチルピリジン-2-アミン(4)の混合物を得た。その混合物をメタノール(4mL)、テトラヒドロフラン(4mL)に溶解し、2N水酸化ナトリウム水溶液(1.1mL)を加え、室温で終夜攪拌した。反応液に2N塩酸(1.1mL)を加え、濃縮後、残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n-ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、表題化合物(128mg,収率11%)を無色油状物として得た。
H-NMR(CDCl,500MHz,δ;ppm)8.14(1H,d,J=4.0Hz),7.41(1H,dt,J=1.9,7.1Hz),7.06(2H,d,J=8.6Hz),6.82(2H,d,J=8.5Hz),6.51(1H,t,J=4.9Hz),6.50(1H,d,J=7.4Hz),4.14(2H,t,J=6.1Hz),3.91(2H,t,J=5.8Hz),3.49(2H,t,J=7.7Hz),2.60(2H,t,J=7.3Hz),2.34(2H,t,J=7.3Hz),1.92(2H,quintet,J=7.7Hz),1.62(2H,quintet,J=7.7Hz),1.37(2H,sextet,J=7.7Hz),0.96(3H,t,J=7.3Hz);MS(EI)m/z:356(M);HRMS calcd for C2128 356.210,found 356.211.
【実施例2】
【0009】
4-{4-[2-(2-フェニルピリジニルアミノ)エトキシ]フェニル}ブタン酸(7,NCG21)の製造
JP0005420400B2_000037t.gif工程1:N-フェニルピリジン-2-アミン(6)の製造
JP0005420400B2_000038t.gif 2-ブロモピリジン(3.0g)、アニリン(5.3g)をトルエン(40mL)に溶解し、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(350mg)、2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル(480mg)、ナトリウムtert-ブトキシド(2.6g)を加え、80℃で3時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(100mL)を加え、水(100mL)で洗浄した。有機層を2N塩酸(100mL)で抽出し、酢酸エチル(100mL)で洗浄した。水層に2N水酸化ナトリウム水溶液(150mL)を加えアルカリ性にした後、酢酸エチル(200mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水(50mL)で洗浄して、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、減圧濃縮した。残渣をジエチルエーテルで洗浄し、表題化合物(2.1g,収率72%)を得た。
H-NMR(CDCl,500MHz,δ;ppm)8.21(1H,dd,J=0.9,4.9Hz),7.49(1H,dt,J=2.1,7.9Hz),7.40-7.30(4H,m),7.06(1H,m),6.88(1H,d,J=8.2Hz),6.73(1H,ddd,J=0.9,4.9,7.1Hz),6.61(1H,broad s).
工程2:4-{4-[2-(2-フェニルピリジニルアミノ)エトキシ]フェニル}ブタン酸メチルエステルの製造
JP0005420400B2_000039t.gif 工程1で得られたN-フェニルピリジン-2-アミン(6)(305mg)をN,N-ジメチルホルムアミド(3mL)に溶解し、水素化ナトリウム(60%)(86mg)を加え、60℃で30分攪拌した。反応液にヨウ化カリウム(150mg)、実施例1の工程3で得られた4-(4-(2-ブロモエトキシ)フェニル)ブタン酸メチルエステル(3)(539mg)のN,N-ジメチルホルムアミド(2mL)溶液を加え、80℃で2時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(100mL)を加え、水(100mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄して、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n-ヘキサン:酢酸エチル=6:1)で精製し、表題化合物(150mg,収率21%)を得た。
H-NMR(CDCl,500MHz,δ;ppm)8.20(1H,d,J=4.9Hz),7.41(2H,t,J=7.6Hz),7.34(2H,d,J=7.3Hz),7.30-7.20(2H,m),7.04(2H,d,J=8.5Hz),6.80(2H,d,J=8.6Hz),6.60(1H,t,J=7.1Hz),6.41(1H,d,J=8.6Hz),4.33(2H,t,J=6.7Hz),4.26(2H,t,J=6.7Hz),3.65(3H,s),2.56(2H,t,J=7.3Hz),2.30(2H,t,J=7.3Hz),1.90(2H,quintet,J=7.3Hz).
工程3:4-{4-[2-(2-フェニルピリジニルアミノ)エトキシ]フェニル}ブタン酸(7,NCG21)の製造
JP0005420400B2_000040t.gif 前工程で得られた4-{4-[2-(2-フェニルピリジニルアミノ)エトキシ]フェニル}ブタン酸メチルエステル(149mg)をメタノール(2mL)、テトラヒドロフラン(2mL)に溶解し、2N水酸化ナトリウム水溶液(0.6mL)を加え、室温で終夜攪拌した。反応液に2N塩酸(0.6mL)を加え、濃縮後、残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 クロロホルム:メタノール=19:1)で精製し、表題化合物(115mg,収率80%)を無色結晶として得た。
mp 98-99°C;H-NMR(CDCl,500MHz,δ;ppm)8.21(1H,d,J=4.0Hz),7.41(2H,t,J=7.3Hz),7.33(2H,d,J=7.4Hz),7.30-7.20(2H,m),7.04(2H,d,J=8.6Hz),6.79(2H,d,J=8.6Hz),6.60(1H,t,J=7.0Hz),6.41(1H,d,J=8.9Hz),4.32(2H,t,J=5.2Hz),4.26(2H,t,J=5.8Hz),2.59(2H,t,J=7.4Hz),2.34(2H,t,J=7.4Hz),1.91(2H,quintet,J=7.4Hz);MS(EI)m/z:376(M);HRMS calcd for C2324 376.179,found 376.178.
【実施例3】
【0010】
5-{4-[2-(2-フェニルピリジニルアミノ)エトキシ]フェニル}ペンタン酸(12,NCG23)の製造
JP0005420400B2_000041t.gif工程1:5-(4-メトキシフェニル)-5-オキソペンタン酸(8)の製造
JP0005420400B2_000042t.gif 無水グルタル酸(10.0g)をアニソール(100mL)に溶解し、塩化アルミニウム(25.7g)を加え、氷冷下3時間攪拌した。反応液に酢酸エチル(300mL)を加え、水(100mL)、飽和食塩水(100mL)で洗浄して、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、減圧濃縮した。残渣をn-ヘキサンで洗浄し、表題化合物(11.5g,収率59%)を無色固体として得た。
H-NMR(CDCl,500MHz,δ;ppm)7.95(2H,d,J=8.9Hz),6.93(2H,d,J=8.9Hz),3.87(3H,s),3.03(2H,t,J=7.0Hz),2.50(2H,t,J=7.3Hz),2.08(2H,quintet,J=7.0Hz).
工程2:5-(4-メトキシフェニル)ペンタン酸(9)の製造
JP0005420400B2_000043t.gif 前工程で得られた5-(4-メトキシフェニル)-5-オキソペンタン酸(8)(11.5g)をエチルアルコール(150mL)および酢酸(50mL)に溶解し、10%パラジウム-(活性炭素1.2g)を加え、水素雰囲気下、室温で終夜攪拌した。反応液をろ過後、減圧濃縮し、表題化合物(10.7g,収率99%)を無色固体として得た。
H-NMR(CDCl,500MHz,δ;ppm)7.08(2H,d,J=8.6Hz),6.82(2H,d,J=8.8Hz),3.78(3H,s),2.57(2H,t,J=7.0Hz),2.37(2H,t,J=7.0Hz),1.75-1.55(4H,m).
工程3:5-(4-ヒドロキシフェニル)ペンタン酸の製造
JP0005420400B2_000044t.gif 4-(4-メトキシフェニル)ブタン酸の代わりに前工程で得られた5-(4-メトキシフェニル)ペンタン酸(9)(10.7g)を用い、実施例1の工程1と同様の方法により表題化合物(9.9g,収率99%)を得た。
H-NMR(CDCl,500MHz,δ;ppm)7.03(2H,d,J=8.6Hz),6.74(2H,d,J=8.5Hz),2.56(2H,t,J=7.4Hz),2.37(2H,t,J=7.3Hz),1.72-1.56(4H,m).
工程4:5-(4-ヒドロキシフェニル)ペンタン酸メチルエステル(10)の製造の製造
JP0005420400B2_000045t.gif 4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタン酸の代わりに前工程で得られた5-(4-ヒドロキシフェニル)ペンタン酸(9.9g)を用い、実施例1の工程2と同様の方法により表題化合物(10.5g,収率99%)を得た。
H-NMR(CDCl,500MHz,δ;ppm)7.02(2H,d,J=8.5Hz),6.75(2H,d,J=8.6Hz),5.10(1H,s),3.67(3H,s),2.55(2H,t,J=7.7Hz),2.33(2H,t,J=7.1Hz),1.70-1.55(4H,m).
工程5:5-(4-(2-ブロモエトキシ)フェニル)ペンタン酸メチルエステル(11)の製造
JP0005420400B2_000046t.gif 前工程で得られた5-(4-ヒドロキシフェニル)ペンタン酸メチルエステル(10)(5.0g)、2-ブロモエタノール(3.3g)および2.2M ジエチルアゾジカロボキシレートトルエン溶液(16.4mL)をテトラヒドロフラン(65mL)に溶解させ、氷冷下トリフェニルホスフィン(9.5g)を加え、室温で2時間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 n-ヘキサン:酢酸エチル=8:1)で精製し、表題化合物(3.1g,収率41%)を得た。
H-NMR(CDCl,500MHz,δ;ppm)7.09(2H,d,J=8.6Hz),6.83(2H,d,J=8.9Hz),4.27(2H,t,J=6.4Hz),3.66(3H,s),3.62(2H,t,J=6.4Hz),2.57(2H,t,J=7.6Hz),2.33(2H,t,J=7.3Hz),1.70-1.55(4H,m).
工程6、工程7:5-{4-[2-(2-フェニルピリジニルアミノ)エトキシ]フェニル}ペンタン酸(12,NCG23)の製造
JP0005420400B2_000047t.gif 4-(4-(2-ブロモエトキシ)フェニル)ブタン酸メチルエステル(3)の代わりに前工程で得られた5-(4-(2-ブロモエトキシ)フェニル)ペンタン酸メチルエステル(11)(565mg)を用い、実施例2の工程2、工程3と同様の方法により表題化合物(176mg,収率25%)を無色結晶として得た。
mp 74-75°C;H-NMR(CDCl,500MHz,δ;ppm)8.21(1H,d,J=4.9Hz),7.41(2H,t,J=8.3Hz),7.33(2H,d,J=8.6Hz),7.30-7.22(2H,m),7.03(2H,d,J=8.6Hz),6.79(2H,d,J=8.6Hz),6.60(1H,t,J=6.0Hz),6.41(1H,d,J=8.9Hz),4.32(2H,t,J=6.1Hz),4.26(2H,t,J=6.1Hz),2.55(2H,t,J=7.4Hz),2.35(2H,t,J=7.0Hz),1.72-1.57(4H,m);MS(EI)m/z:390(M);HRMS calcd for C2426 390.194,found 390.195.
【実施例4】
【0011】
5-{4-[2-(2-ブチルピリジニルアミノ)エトキシ]フェニル}ペンタン酸(13,NCG22)の製造
JP0005420400B2_000048t.gif 4-(4-(2-ブロモエトキシ)フェニル)ブタン酸メチルエステル(3)の代わりに、実施例3の工程5で得られた5-(4-(2-ブロモエトキシ)フェニル)ペンタン酸メチルエステル(11)(595mg)を用い、実施例1の工程5と同様の方法により表題化合物(107mg,収率14%)を無色油状物として得た。
H-NMR(CDCl,500MHz,δ;ppm)8.14(1H,d,J=4.9Hz),7.41(1H,dt,J=1.9,7.1Hz),7.05(2H,d,J=8.6Hz),6.82(2H,d,J=8.6Hz),6.51(1H,t,J=4.9Hz),6.50(1H,d,J=7.4Hz),4.14(2H,t,J=6.2Hz),3.91(2H,t,J=5.8Hz),3.49(2H,t,J=7.7Hz),2.56(2H,t,J=7.4Hz),2.35(2H,t,J=7.0Hz),1.57-1.70(6H,m),1.37(2H,sextet,J=7.6Hz),0.96(3H,t,J=7.7Hz);MS(EI)m/z:370(M);HRMS calcd for C2230 370.226,found 370.226.
以下、同様にして、または公知の方法に従って下記化合物を製造した。
【表1】
JP0005420400B2_000049t.gif
JP0005420400B2_000050t.gif 次に、これら化合物を用いて各種の試験を行なった。
試験1;
細胞外シグナル制御キナーゼ(ERK)アッセイによるGPR40およびGPR120のリガンドスクリーニング
本試験1に用いた材料及び方法は以下の通りである。
1.蛋白質回収
(1)本実験には細胞株TXGPR40およびTXGPR120を用い、35mm dishに細胞数5×10/dishになるよう播種した。Dishへの定着を確認した後Doxycycline処理(10μg Doxycyclinを細胞溶液に加える)し、その28時間前にStarvation(FBS(-)Mediumに置き換え)を行い、更にその20時間後にアッセイした。
なお、TXGPR40、TXGPR120はそれぞれ、ヒトGPR40(hGPR40)またはヒトGPR120(hGPR120)遺伝子をDoxycycline処理で発現する発現ベクターに組み込んだプラスミドを遺伝子導入し、安定的にGPR40またはGPR120蛋白質を安定的に発現する細胞株を意味する。
(2)使用したリガンドは、NCP04、NCP14、NCG20、NCG21、NCG22、NCG23、NCP02、NCP03、NCP05、NCP06、NCG14、NCG17、NCG19、NCG28、NCG29、NCG30、NCG31、NCG34、NCG35、NCG37、NCG38、NCG44、NCG45、NCG46、NCG54である。
これらをDMSOに溶解して調製し、Mediumで10倍に希釈して、全量100μlとした。また、ネガティブコントロールとしてDMSOを、ポジティブコントロールとしてPMA(Phorbol-12-myristate-13-acetate)を用いた。
(3)細胞のdishからMediumを除き、全液量を0.9mlとした。
(4)Ligand溶液を細胞の溶液の上からポタポタと垂らすように加え、軽くdishを揺すって拡散させ、室温で反応させた。
(5)5分間の反応の後、Mediumを捨て、dishに残ったMediumは氷上にてアスピレータで除去した。
(6)150μl Lysis buffer(50mM HEPES(pH7.0),150mM NaCl,10% glycerol,1% NonidetP-40,2mM MgCl,1mM EDTA,100mM NaF,10mM Sodiumphosphate,1mM NaVO,20mM β-glycerophosphate,Proteinase Inhibitor)を入れ、Cell Scraperで細胞を回収した。
(7)回収した液は150μl(等量)の1×SDS Sample Buffer(0.1M Tris-HCl(pH6.8),4% SDS,12% Mercaptoethanol,20% glycerol,BPB)と混合し、以下のWestern Blottingに使用、または-20℃で保存した。
2.SDS-PAGE
(1)SDS Sample Bufferに混合した粗酵素液は、sonifierを用いて超音波破砕した後、90℃で5minインキュベートした。
(2)ボルテックスにかけて遠心(15,000rpm 5min 4℃)した。
(3)泳動槽に1×SDS-PAGE Running Buffer(25mM Tris,0.2M Glycine,1% SDS)を満たし、2枚の7.5%アクリルアミドゲルをセットし、サンプル遠心後の上清をアプライした。泳動は40mAの定電流で行った。(約80~90min)
3.Blotting(Semi-Dry法)
(1)PVDF membraneはゲルの大きさにあわせて切り、methanolに約15sec浸した後、Transfer Buffer C solution(25mM Tris,0.02% SDS,2% methanol,40mM 6-aminohexanoic acid)中で15min振盪(室温)して膨潤させた。Blottingに使用する濾紙は10cm×10cmの大きさに切った。
(2)Blotting装置にA solution(0.3M Tris,0.02% SDS,2% methanol)に浸した濾紙2枚、B solution(25mM Tris,0.02% SDS,2% methanol)に浸した濾紙2枚の順に重ね、その上にmembraneを乗せた。更にその上に泳動終了後のゲルを乗せ、最後にC solutionに浸らせた濾紙2枚を重ねてふたをした。
(3)15Vで30分間Transferを行った。
4.ブロッキング(Blocking)
(1)以下の作業はすべて室温。Transfer終了後のmembraneを1×TTBS(0.2M Tris,1.5M NaCl,0.2& Tween20)を入れたケースに移し、15分間washした。
(2)TTBSを除き、Block Ace約10mlを加えて1時間振盪してBlockingした。
5.一次抗体
(1)一次抗体(p44/42 MAP Kinase AntibodyおよびPhospho-p44/42 MAP Kinase Antibody)は、それぞれTTBSで1000倍希釈。
(2)Blocking終了後、Block Ace溶液を除き、一次抗体溶液を入れて2時間振盪して反応させた。
6.二次抗体
(1)二次抗体(Anti-rabbit Ig,Horseradish Peroxidase linkednF(ab’)fragment)はTTBSで5000倍希釈。
(2)一次抗体溶液を除き、TTBS中で5分~10分間振盪しwashした。washは3回。
(3)TTBSを除き、二次抗体溶液を入れて1時間振盪した。
7.検出
(1)氷上にてECL kit中のDetection Reagent 1とDetection Reagent 2それぞれ2mlずつを混合した。
(2)二次抗体反応終了後のmembraneから、二次抗体溶液を除き、TTBS中で5分間振盪しwashした。washは3回。
(3)membraneを、しっかり水を切ってパック内へ入れ、1枚のmembraneにつき2mlのDetection Reagent混合液をかけた。
(4)カセット内でmembraneとフィルムとを1分~5分間接触させ、自動現像機で現像した。
8.解析
(1)フィルムをスキャンしてパソコンに取り込み、「Image J」のアプリケーション(Image J 1.345:National Institutes of Healthから公開されているフリーソフト)を用いてバンドを数値化した。
(2)DMSOおよびPMAによりnormalizeし、薬物間の値を比較した。
TXGPR40およびTXGPR120に対し、各種リガンドを10μM、100μMの濃度で反応させた。シグナルは数値化し、DMSOおよびPMAによりnormalizeした。
TXGPR40およびTXGPR120の結果を、それぞれ図1及び図2に示す。
GPRの組み込まれていない発現ベクターを遺伝子導入した細胞株TXCONTおよびDoxycycline処理を行っていない細胞(Dox(-))をネガティブコントロールとして並べ、Doxycycline処理を行ったもの(Dox(+))について化合物のERK活性を比較した。
ここで、DMはネガティブコントロールとしてDMSOを意味し、PMAはポジティブコントロールとしてPhorbol-12-myristate-13-acetateを意味する。また、LAは陽性対象としてのシスαリノレン酸を意味する。使用した化合物は、NCG21及びNCG28である。
図1Aは、細胞株TXGPR40を用いたNCG21刺激時のウエスタンブロットによるtotal ERKの検出結果を示す図である。
図1Bは、細胞株TXGPR40を用いたNCG28刺激時のウエスタンブロットによるtotal ERKの検出結果を示す図である。
図1Cは、細胞株TXGPR40を用いたNCG21の刺激時のウエスタンブロットによるリン酸化ERKの検出結果を示す図である。
図1Dは、細胞株TXGPR40を用いたNCG28の刺激時のウエスタンブロットによるリン酸化ERKの検出結果を示す図である。
また、図2は、上記試験例1におけるERKアッセイによるGPR40のリガンドスクリーニングの結果を示すグラフである。縦軸はphospho ERK/total ERKを意味する。
GPR40において、NCG21およびNCG28の刺激によってERKが活性化されたが、NCG28を刺激した方が、より低い濃度からERKの活性化が見られた。
細胞株TXGPR40を用いた各化合物(NCG21及びNCG28)のERK活性を比較の結果を図3に示した。同様に、図4に左から順に化合物NCG21、NCG29、NCG30、NCG31、NCG34、NCG35、NCG37、NCG38、NCG44、NCG45、NCG46、NCG54のERK活性を比較の結果を示した。GPRの組み込まれていないTXCONTおよびDoxycycline処理を行っていない細胞(Dox(-))をネガティブコントロールとして並べ、Doxycycline処理を行ったもの(Dox(+))について化合物のERK活性を比較した。GPR40に対して、NCG28、NCG29、NCG30、NCG31、NCG35、NCG38が強くERKを活性化した。
さらに、試験例1におけるERKアッセイによるGPR120のリガンドスクリーニングの結果をグラフをもって図5に示した。
図5において、DMはネガティブコントロールとしてDMSOを意味し、PMAはポジティブコントロールとしてPhorbol-12-myristate-13-acetateを意味する。また、LAは陽性対象としてのシスαリノレン酸を意味する。使用した化合物は、NCG21及びNCG28である。
図5Aは、細胞株TXGPR120を用いたNCG21の刺激時のウエスタンブロットによるtotal ERKの検出結果を示す図である。
図5Bは、細胞株TXGPR120を用いたNCG28の刺激時のウエスタンブロットによるtotal ERKの検出結果を示す図である。
図5Cは、細胞株TXGPR120を用いたNCG21の刺激時のウエスタンブロットによるリン酸化ERKの検出結果を示す図である。
図5Dは、細胞株TXGPR120を用いたNCG28の刺激時のウエスタンブロットによるリン酸化ERKの検出結果を示す図である。
GPR120において、NCG21およびNCG28の刺激によってERKが活性化されたが、NCG21を刺激した方が、より強いERKの活性化が見られた。
また、図6に試験例1におけるERKアッセイによるGPR120のリガンドスクリーニングの結果を示した。縦軸はphospho ERK/total ERKを意味する。
GPR120において、NCG21およびNCG28の刺激によってERKが活性化されるが、NCG21を刺激した方が、より強いERKの活性化が見られた。
更に、細胞株TXGPR120を用いた各化合物(NCG21及びNCG28)のERK活性を比較した結果を図7に示した。同様に、図8に細胞株TXGPR120と同様のFlp-In h GPR120/G15を用いたその他本発明化合物(NCG29、NCG30、NCG31、NCG34、NCG35、NCG37、NCG38、NCG44、NCG45、NCG46、及びNCG54)のERK活性を左から順に示した。GPRの組み込まれていないTXCONTおよびDoxycycline処理を行っていない細胞(Dox(-))をネガティブコントロールとして並べ、Doxycycline処理を行ったもの(Dox(+))について化合物のERK活性を比較した。
この結果、GPR120に対して、NCG21、NCG29、NCG30、NCG31、NCG34、NCG35、NCG37、NCG38、NCG46、NCG54、特にNCG21、NCG29、NCG31、NCG35、NCG37、NCG38が強くERKを活性化し、GPR120に対して優れたアゴニストであること、またそのうちある種の化合物、例えばNCG21、NCG30、NCG37、NCG46、NCG54はGPR120に対して選択的であることがわかった。
試験例2;マウスを用いたGLP-1(グルカゴン様ペプチド1)放出試験
マウスC57BL/6J(8週齢)にネンブタール(ペントバルビタールナトリウム塩)(60mg/kg body weight)で麻酔後、開腹、結腸にカテーテルを挿入し、そこから試験化合物液を投与した(NCG21を100nmol/g体重、PEGへ懸濁液として、100ul/minの速度で)。15分後、門脈より採血し、8000rpm、10min遠心後、上清を-80℃で保存、翌日までにELISAキット(和光純薬製)にてGLP-1(ng/ml)の測定を行った。マウスは各群12匹、NCG21のみ11匹を使用した。
【表2】
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JP0005420400B2_000052t.gif 表2のように陽性対象のLA(シスαリノレン酸)による門脈血中のGLP-1濃度が対象のDMSOに対して、2.4倍の上昇したのに対して、GPR120に対してアゴニスト作用のあったNCG21(実施例2化合物)は2.5倍にGLP-1濃度を上昇させた。本上昇はDMSOに比較しても有意な上昇であった。以上の試験により、in vitroで選択されたGPR120に対するアゴニストはin vivoでもGPR120を作動させて、血中にGLP-1を放出せしめることが示された。
試験例3;細胞内Ca2+濃度の測定
(1)本実験には細胞株TXGPR40,TXGPR120およびGPR120/Flp-inを用い、コラーゲンコートを施した黒色96well plateに細胞数2×10/wellとなるよう播種した。細胞を播種した96well plateを遠心した後、Doxycycline処理(最終濃度10μg/mL)を行い、COインキュベータで21時間培養した後、アッセイに用いた。
なお、TXGPR40、TXGPR120およびGPR120/Flp-inはそれぞれ、ヒトGPR40(hGPR40)またはヒトGPR120(hGPR120)遺伝子をDoxycycline処理で発現する発現ベクターに組み込んだプラスミドを遺伝子導入し、安定的にGPR40またはGPR120蛋白質を安定的に発現する細胞株を意味する。
(2)使用したリガンドは、NCP04、NCP14、NCG20、NCG21、NCG22、NCG23、NCP02、NCP03、NCP05、NCP06、NCG14、NCG17、NCG19、NCG28、NCG29、NCG30、NCG31、NCG34、NCG35、NCG37、NCG38、NCG44、NCG45、NCG46、NCG54である。
これらをDMSOに溶解して10mMで調製し、20mM HEPES含有Hanks’ Balanced Salt Solution(pH7.4)(以下、FLIPR buffer)で最終濃度1~100μMとなるように希釈した。また、ネガティブコントロールとして1% DMSOを、ポジティブコントロールとしてLAを用いた。
リガンドとコントロールを細胞とは別の96well plateに準備した。
(3)細胞を播種した96well plateをCOインキュベータから取り出し、2倍濃度の蛍光色素(Ca Assay Kit Component AをFLIPR Bufferで溶解)を50μL/well加え、1時間室温で遮光条件の下、静置した。
(4)1時間後、細胞を播種した96well plateとリガンド等を準備した96well plateをFLIPR(Fluorometric Imaging Plate Reader)にセットし、測定を行った。
(5)FLIPRによる蛍光測定はレーザー出力1.0Wで5分間行った。測定開始10秒後にリガンドを細胞plateに速度50μL/secで25μL滴下した。蛍光強度はCCDカメラで撮影(露光時間0.40秒)した画像を基にFLIPR内のアプリケーションで自動的に数値化される。データのサンプリング間隔は、測定開始後1分間は1秒、残り4分間は6秒とした。
(6)各wellにおける蛍光強度の経時変化を示したデータから、蛍光強度の最大値を求めた。リガンド濃度と蛍光強度の最大値をプロットし、pEC50を算出した。また、10μMにおけるリガンドとLAの蛍光強度比を算出し、各種リガンドの相対強度とした。
hGPR40及びhGPR120を用いて細胞内Ca2+濃度の測定を行なった。hGPR40を用いた試験の結果を図9に、hGPR120を用いた試験結果を図10に示す。
これら結果から、NCG21がhGPR120に対して特に優れたアゴニスト作用を有することが明らかになった。したがって、NCG21はインスリン分泌亢進による糖尿病の予防及び治療剤、消化液分泌促進による消化活動不全の治療剤、食欲抑制作用による肥満の予防及び治療剤としての有効性が期待される。
細胞内Ca2+濃度に関する相対強度ならびにpEC50値及び試験例1の細胞外シグナル制御キナーゼ(ERK)アッセイの結果をまとめて下記表3及び表4に示す。表3及び表4において、+++はLAより高値を意味し、++はLAの50~100%を意味し、+はLAの0~100%意味する。
【表3】
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【表4】
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NCG14、17、19はGPR40に選択的な作動薬であったが、他の化合物はいずれもGPR120及びGPR40の両者に対して作動薬としての有効性が確認された。
上記のとおり、hGPR120に対して、NCG21以外のNCP02、NCP03、NCP04、NCP05、NCP06、NCP14、NCG14、NCG17、NCG19、NCG20、NCG22、NCG23、NCG28、NCG29、NCG30、NCG31、NCG34、NCG35、NCG37、NCG38、NCG44、NCG45、NCG46、NCG54についても、GPR120を誘導発現した細胞に対して同様の効果が見られた。したがって、これら化合物は、GPR120作動剤(アゴニスト)として有用である。
hGPR40についても、同様に、NCP02、NCP03、NCP04、NCP05、NCP14、NCG14、NCG17、NCG19、NCG20、NCG21、NCG22、NCG23、NCG28、NCG29、NCG31、NCG34、NCG35、NCG38、NCG46、NCG54の本発明化合物は、GPR40を誘導発現した細胞に対して特異的な反応性を示した。従って、これら化合物は、GPR40作動剤(アゴニスト)として有用である。
なお、NCG21、NCG30、NCG37、NCG46及びNCG54は、GPR40及びGPR120の両者に対してもアゴニスト作用を有していたが、GPR40に対するアゴニスト作用は比較的穏やかであり、GPR120には強く作動しており、選択的であった。他の化合物はいずれもGPR120とGPR40双方を作動させた。
GPR120アゴニストは論文および特許(Nature Medicine、11(1),90-94,2005および特開2005-15358)に示すようにGPR120保有細胞からGLP-1あるいはCCKの放出を促進し、消化活動の協調的促進、消化活動障害の治療薬、食欲抑制による肥満予防治療薬、過食症の治療薬、膵臓β細胞の分化増殖促進による糖尿病予防治療薬、特にβ細胞あるいはその前駆細胞移植治療時の治療効果促進剤、神経細胞可塑性、生存維持作用による神経移植、神経接合時の治療促進剤あるいはアルツハイマー症等、神経細胞障害が原因の疾患治療薬、腸管運動の正常化作用による腸炎時の腸管運動異常の治療薬、肺におけるサーファクタント分泌促進によるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)などの肺疾患治療薬として有効であることは、下記論文からも明らかである。
(i) 消化活動の協調的促進、消化活動障害の治療薬;
Nutrition 2001;17(3):230-5、Best Pract Res Clin Endocrinol Metab 2004;18(4):569-86、Dig Dis Sci.2004;49(3):361-9、Endocrinology 2004;145(6):2653-9、Pharmacol Toxicol 2002;91(6):375-81、Gastroenterology 2004;127(3):957-69、Best Pract Res Clin Endocrinol Metab 2004;18(4):569-86、Med Res Rev.2003;23(5):559-605、Med Res Rev.2003;23(5):559-605、Horm Metab Res 2004;36(11-12):842-5、Horm Metab Res 2004;36(11-12):842-5、Am J Phyusiol Endcrinol Metab 2004;287(6):E1209-15、Dig Dis Sci 1998;43(4):799-805、
(ii) 食欲抑制による肥満予防治療薬、過食症の治療薬;
Physiol Behav.2004;83(4):617-21,Best Pract Res Cli Endocrinol Metab.2004;18(4):569-86、Trends Endcrinol Metab.2004;15(6):259-63,Cuur Drug Target CNS Neurol disord 2004;3(5):379-88
(iii)膵臓β細胞の分化増殖促進による糖尿病予防治療薬、特にβ細胞あるいはその前駆細胞移植治療時の治療効果促進剤;
Diobetology,2005;48(9):1700-13、Diabetes 2004;53suppl 3:S225-32、Hormone Metab Res.2004(11-12):766-70、Hormone Metab Res.2004、36(11-12):846-51
(iv)神経細胞可塑性、生存維持作用による神経移植、神経接合時の治療促進剤あるいはアルツハイマー症等、神経細胞障害が原因の疾患治療薬;
Curr Drug Target CNS Neurol Disord 2002;1(5):495-510、Curr Drug Targets.2004;5(69:565-71、Curr Alzheimer Res 2005,2(3):377-85
(v)腸管運動の正常化作用による腸炎時の腸管運動異常の治療薬;
Drug 2003;63(12):1785-97、Br J Pharmacol.2004;141(8):1275-84,
(vi)肺におけるサーファクタント分泌促進によるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)などの肺疾患治療薬;
Endocrinology.1998;139(5):2363-8.Am J Respir Crit Care Med.2001;163(4):840-6.
図面
【図2】
0
【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図1】
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【図5】
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