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明細書 :安熱法による成長で作製された、窒素面またはM面GaN基板を用いた光電子デバイスと電子デバイス

発行国 日本国特許庁(JP)
公表番号 特表2009-541997 (P2009-541997A)
公報種別 特許公報(B2)
公表日 平成21年11月26日(2009.11.26)
特許番号 特許第5604102号 (P5604102)
登録日 平成26年8月29日(2014.8.29)
発行日 平成26年10月8日(2014.10.8)
発明の名称または考案の名称 安熱法による成長で作製された、窒素面またはM面GaN基板を用いた光電子デバイスと電子デバイス
国際特許分類 H01L  21/208       (2006.01)
H01L  33/32        (2010.01)
C30B  29/38        (2006.01)
C30B   7/10        (2006.01)
H01L  29/812       (2006.01)
H01L  29/778       (2006.01)
H01L  21/338       (2006.01)
FI H01L 21/208 Z
H01L 33/00 186
C30B 29/38 D
C30B 7/10
H01L 29/80 H
請求項の数または発明の数 10
全頁数 16
出願番号 特願2009-516560 (P2009-516560)
出願日 平成19年6月20日(2007.6.20)
国際出願番号 PCT/US2007/014383
国際公開番号 WO2007/149487
国際公開日 平成19年12月27日(2007.12.27)
優先権出願番号 60/815,507
優先日 平成18年6月21日(2006.6.21)
優先権主張国 アメリカ合衆国(US)
審査請求日 平成22年5月26日(2010.5.26)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】橋本 忠朗
【氏名】佐藤 均
【氏名】シュウジ・ナカムラ
個別代理人の代理人 【識別番号】100089635、【弁理士】、【氏名又は名称】清水 守
審査官 【審査官】井上 由美子
参考文献・文献 特表2005-530674(JP,A)
特表2005-506271(JP,A)
調査した分野 H01L 21/208
C30B 29/38
C30B 7/10
H01L 21/338
H01L 29/778
H01L 29/812
H01L 33/32
特許請求の範囲 【請求項1】
GaN層を備えた電子デバイスであって、前記GaN層はGaN基板のM面上を覆い、前記GaN基板はGaN種上に安熱法により成長されたGaNバルク結晶からなり、成長した前記M面は安熱法により成長されたGaNバルク結晶の成長したGa面表面よりも平坦であることを特徴とする電子デバイス。
【請求項2】
前記GaN層のM面の表面を覆うAlGaN層と、前記AlGaN層を覆う第2のGaN層とを更に備え、電子が前記AlGaN層と前記第2のGaN層の前記第2GaN層との界面の、前記第2のGaN層側で誘起されることを特徴とする、請求項に記載の電子デバイス。
【請求項3】
GaN基板のM面の表面を覆う複数のn型III族窒化物層であって、前記GaN基板はGaN種上に安熱法により成長されたGaNバルク結晶からなり、成長した前記M面表面は安熱法により成長されたGaNバルク結晶の成長したGa面表面より平坦であることを特徴とするn型III族窒化物層と、
前記複数のn型III族窒化物層を覆う少なくとも一つのIII族窒化物の発光する活性層と、
前記活性層を覆うMgがドープされた、少なくとも一つのp型III族窒化物層とを備えることを特徴とする光電子デバイス。
【請求項4】
前記Mgがドープされた層の濃度は1021cm-3より高いことを特徴とする、請求項に記載の光電子デバイス。
【請求項5】
GaN基板のM面表面上に成長したIII族窒化物層であって、前記GaN基板はGaN種上に安熱法により成長されたGaNバルク結晶からなり、成長したM面表面は安熱法により成長されたGaNバルク結晶の成長したGa面表面より平坦であり、前記III族窒化物層は、前記III族窒化物層の成長の結果として直接露出したM面(10-10)を含むことを特徴とするIII族窒化物層。
【請求項6】
前記成長は、安熱法による成長であることを特徴とする、請求項に記載のIII族窒化物層。
【請求項7】
前記M面は、前記基板表面に対して傾いていることを特徴とする、請求項に記載のIII族窒化物層。
【請求項8】
前記M面は、前記基板表面に対して10度未満の角度で傾いていることを特徴とする、請求項に記載のIII族窒化物層。
【請求項9】
前記M面は、少なくとも一つの更なるIII族窒化物層の直接成長を受け入れることを特徴とする、請求項に記載のIII族窒化物層。
【請求項10】
前記少なくとも一つの更なるIII族窒化物層は、少なくとも一つのMgがドープされた層を含み、前記Mgがドープされた層の濃度は1021cm-3より高いことを特徴とする、請求項に記載のIII族窒化物層。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照関係
本出願は次の出願と関係している。
【0002】
橋本 忠朗(Tadao Hashimoto)らによる、米国特許仮出願第60/790,310号、2006年4月7日出願、発明の名称「超臨界アンモニア中での大表面積窒化ガリウム結晶の成長方法および大表面積窒化ガリウム結晶(A METHOD FOR GROWING LARGE SURFACE AREA GALLIUM NITRIDE CRYSTALS IN SUPERCRITICAL AMMONIA AND LARGE SURFACE AREA GALLIUM NITRIDE CRYSTALS)」代理人整理番号30794.0179USP1;
この出願は、参照として本明細書中に組み込まれているものとする。
【0003】
本出願は米国特許法第119条(e)に基づいて、以下の米国特許出願の優先権を主張するものである。
【0004】
橋本 忠朗、佐藤 均(Hitoshi Sato)、およびシュウジ ナカムラ(Shuji Nakamura)による、米国特許仮出願第60/815,507号、2006年6月21日出願、発明の名称「安熱法による成長法を用いて作製したN面GaN基板を用いた光電子デバイスおよび電子デバイス(OPTO-ELECTRONIC AND ELECTRONIC DEVICES USING N-FACE GaN SUBSTRATE PREPARED WITH AMMONOTHERMAL GROWTH)」、代理人整理番号30794.184-US-P1(2006-666)
この出願は、参照として本明細書中に組み込まれているものとする。
【背景技術】
【0005】
1.本発明の技術分野
本発明は、安熱法による成長技術を用いた窒素面の窒化ガリウム(GaN)またはM面の窒化ガリウムの成長方法と材料に関するものである。
2.関連技術の説明
窒化ガリウム(GaN)およびそのアルミニウムとインジウムを含む3元及び4元合金(AlGaN、InGaN、AlInGaN)の有用性は、可視光及び紫外光の光電子デバイス及び大電力電子デバイスの作製に関して確立されてきた。これらのデバイスは、通常はサファイヤ及び炭化珪素のような異種基板上に、有機金属化学気相成長法(MOCVD)及び分子線エピタキシャル法(MBE)のような気相エピタキシャル成長(VPE)技術を用いてエピタキシャルに成長される。デバイス層の成長は、通常はMOCVDまたはMBE反応装置の中で基板上にバッファ層を成長することによって開始される。バッファ層は、引き続くデバイス層の成長のために適当なGaNまたはAlNの平坦な表面を実現する。しかしながら、有極性窒素(窒素面)方向に沿って成長すると、VPE成長時に表面が粗くなってしまうため、バッファ層は通常は有極性Ga面(Ga面)である。
【0006】
市販のGaNベースのデバイスは、全て有極性Ga表面(C面のGa面、(0001)面としても知られる面)上に成長される。しかしながら、最近では有極性窒素面(C面の窒素面、(000-1)面としても知られる面)上のデバイスに多くの利点があることを指摘するいくつかの研究がある。また、(10-10)面としても知られるM面上に成長したデバイスは、有極性Ga面または有極性窒素面上のデバイスよりも更なる利点を持つことが指摘されてきた。
【0007】
有極性窒素面(窒素面)上の成長の第1の大きな利点はp型ドーピングである。MgをドープしたGaNの有極性Ga面(Ga面)上の成長では、薄膜の分極が局所的に有極性窒素面(窒素面)の方向に反転し始める。この現象は反転ドメインとして知られ、Mgの濃度がある限界を超えたときに起こる。この反転ドメインは表面の平坦性を劣化させるため、有極性Ga面(Ga面)上の薄膜は、その正孔濃度が制限されている。Mgの高濃度ドーピングは有極性窒素面(窒素面)上の成長を優位にする。そのため、有極性窒素面(窒素面)を持つ基板を用いることにより、より高濃度のMgが得られ、それにより高い正孔濃度が得られると期待される。p型伝導性の高い光電子デバイスは、デバイスの直列抵抗を低減し、その効率を改善する。
【0008】
第2の大きな利点は反転分極電荷である。現在、GaNベースの高電子移動度トランジスタ(HEMT)は入手可能であるが、多くの未解決問題があるため、その使用状況は非常に制限されている。現在入手可能なGaNベースのHEMTは、ゲートのリークが大きく、通常はディプリーション・モードのデバイスである。窒素面のGaN上に成長したトランジスタは、ゲートのリークの少ないデバイスを実現する。エンハンスメント・モード(ノーマリー・オフ・モード)で動作するデバイスは、電力スイッチング・デバイス、低分散デバイス、及びキャリア閉じ込めの改良において重要である。
【0009】
M面光デバイスの主要な利点の一つは、分極電界が存在しないために発光効率がより高いことである。M面光デバイスの他の主要な利点は、光学的に活性な層により多くのInが含まれるため、それによってより長波長での発光ができることである。このことにより緑色、黄色、及び赤色LEDさえ可能となる。
【0010】
これらの利点があるにも関わらず、現行の技術は、有極性窒素面(窒素面)の表面またはM面表面の表面平坦性が乏しいために、有極性Ga面(Ga面)上のデバイスに限定されている。それ故、超高輝度LED、低閾値電流レーザ・ダイオード(LD)、高電力、高速トランジスタ、及び高電力スイッチング・トランジスタのような次世代高性能デバイスを実現するためには、有極性窒素面(窒素面)またはM面GaNの平坦な表面を得るための新しい技術が必要になる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記のような従来技術における制限を克服するために、また、本明細書を読んで理解して明らかになる他の制限を克服するために、本発明は、安熱法による成長技術を用いて、窒素面またはM面のGaNを成長するための方法を開示する。
【0012】
要約すると、本発明は、直接成長したC面の窒素面(000-1)またはM面(10-10)を有するデバイスと成長方法を記述する。ここではGaNに関して記述されるが、本発明の教示は、任意のIII族窒化物材料に対して利点がある。
【0013】
本発明による電子デバイスは、GaN層を備え、GaN層は、オフ角が10度未満のGaN層の有極性窒素面(000-1)またはM面(10-10)の表面を用いることによって作製されることを特徴とし、有極性窒素面(000-1)の表面またはM面(10-10)の表面は、安熱法という成長技術を用いて作製されることを特徴とする。
【0014】
そのようなデバイスは、任意で760Torr未満の圧力下で作製されたGaNと、該GaN層の有極性窒素面またはM面の表面と結合したAlGaN層と、該AlGaN層に結合した第2のGaN層とを更に備え、電子が該AlGaN層と該第2のGaN層との間の界面の、第2のGaN層側に誘起される。
【0015】
本発明による光電子デバイスは、安熱法による成長方法で作製された、オフ角が10度未満の有極性窒素面またはM面表面を有する、導電性のGaN基板と、該GaN基板の有極性窒素面またはM面の表面に結合した複数のn型III族窒化物層と、該複数のn型III族窒化物層と結合した、少なくとも一つのIII族窒化物の発光する活性層と、該活性層に結合した、Mgのドーピングを有する少なくとも一つのp型III族窒化物層とを備える。
【0016】
このようなデバイスは、任意で少なくとも一つのMgがドープされた層を更に備え、該Mgがドープされた層の濃度が1021cm-3より高く、厚さは0.1μmより厚いことを特徴とする。
【0017】
本発明によって有極性窒素面(000-1)またはM面(10-10)の窒化ガリウム(GaN)を直接成長する方法は、GaNの窒素面(000-1)またはM面(10-10)が露出したGaNの種結晶を耐圧釜へ設置するステップと、鉱化剤を耐圧釜へ設置するステップと、原料を耐圧釜へ設置するステップと、アンモニアを耐圧釜へ添加するステップと、耐圧釜を加熱するステップとを備える。
【0018】
このような方法は、任意でNaNH2、KNH2、LiNH2、NH4Cl、NH4Br、およびNH4Iを含むグループから選択される鉱化剤と、金属Gaを含む原料と、帯域に分けて加熱され、第1の帯域は第1の温度に加熱され、第2の帯域は第2の温度に加熱される耐圧釜とを備え、該原料は第1の帯域に設置され、GaNの窒素面(000-1)またはM面(10-10)が露出した該GaNの種結晶は第2の帯域に設置される。
【0019】
本発明によるIII族窒化物層は、基板上に成長したIII族窒化物層を備え、該III族窒化物層は、III族窒化物層の成長の結果として直接露出した、C面の窒素面(000-1)またはM面(10-10)を含むことを特徴としている。
【0020】
このような層は、任意で安熱法による成長をさらに含み、該C面の窒素面(000-1)またはM面(10-10)が実質的に基板の表面と共平面であり、該C面の窒素面(000-1)またはM面(10-10)は基板表面に対して傾いていて、該C面の窒素面(000-1)またはM面(10-10)は基板の表面に対して10度未満の角度で傾いていて、該C面の窒素面(000-1)またはM面(10-10)は、少なくとも一つの更なるIII族窒化物層の成長を直接受け入れ、該少なくとも一つの更なるIII族窒化物層は、少なくとも一つのMgがドープされた層であって、該Mgがドープされた層の濃度が1021cm-3より高く、厚さは0.1μmより厚いことを特徴とするMgがドープされた層を含む。
【0021】
本発明は、安熱法による成長方法を用いて作製したN面またはM面のGaN基板を用いることによって、既存のデバイスよりも高性能を持つ、発光ダイオード(LED)及びレーザダイオード(LD)のような光電子デバイス、および、高電子移動度トランジスタ(HEMT)、電界効果トランジスタ(FET)及びヘテロバイポーラ・トランジスタ(HBT)のような電子デバイスを提供する。N面またはM面のGaN基板を用いればよりよい特性が提供されるが、現時点では、市販のGaN関連デバイスは全てGaN基板のGa面上に製作されている。これは、サファイヤまたはSiCのような異種基板上のGaNテンプレートの成長がGa面上の成長を有利にし、通常は窒素面またはM面上の成長の表面分布が粗くなり、処理と更なる成長がより困難になるためである。安熱法による成長方法を用いた窒素面またはM面上の成長は、Ga面上の成長よりも平坦な表面を実現する。有極性窒素面(窒素面)またはM面の基板の平坦な表面を用いることにより、GaN及びその関連合金からなる様々な光電子デバイスおよび電子デバイスの特性を改善することができる。
【0022】
以下、図面を参照し、対応する部分には一貫して同じ参照番号を付与する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下の好ましい実施形態に関する説明では、本発明が実施される特定の実施形態が言及される。本発明の技術範囲から逸脱することなしに、他の実施形態を用いてもよく、また構造的な変化を行ってもよいことは明らかである。
結晶学
図1(a)および図1(b)は、六方晶GaNにおいて重要な結晶学的な方位と面を示す概略図である。これらの概略図は、六方晶ウルツ鉱型GaN構造において重要な様々な結晶学的成長方向と面も示す。斜線などが施されたパターンは、重要な面を示すものであり、構造の材料を表すものではない。
【0024】
図1(a)はc面100の上面図を示し、方向a1を102、a2を104、およびa3を106として、ウルツ鉱型結晶の方位を示す。方位108と110も結晶方位を補助的に示すものであり、それぞれ<10-10>と<11-20>方向を示している。
【0025】
図1(b)はウルツ鉱型結晶の等測図を示す。結晶のc面のGa面(0001)は、面112として示されている。結晶のc面の窒素面(000-1)は、面114として示されている。明瞭にするために、a面を116、m面を118、およびr面を120として示している。
【0026】
成長の窓(圧力、温度、および前駆体の流量)が大きく安定しているため、c面(Ga面、(0001))のGaNを成長することは比較的容易である。それ故に、ほぼすべてのGaNベースのデバイスは、この有極性のc軸に沿って成長される。しかしながら、c面成長の結果、各材料層において、層の対向する面への電子と正孔が分離してしまう。更に、隣接する層間の界面における歪は圧電分極を引き起こし、更なる電荷分離を誘起する。
成長室
図2は、本発明の実施形態による耐圧釜の概略図を示す。
【0027】
耐圧釜 (200)は、耐圧釜蓋(202)、耐圧釜ねじ(204)、ガスケット(206)、内室(208)、アンモニア開放口(210)、アンモニア導入口(212)、内室仕切板(214)、及び内室蓋(216)を備える。
【0028】
上記のように、本発明の目的は、超臨界アンモニア中で大きな高品質GaN結晶を高い成長速度で成長する方法を提供することである。GaNのバルク結晶は、一般的に金属Gaまたは多結晶GaNであるGaを含む原材料を用いて、超臨界アンモニア中で成長される。
【0029】
垂直の方向に沿って長い寸法を有する耐圧釜 (200)は、300℃を超える温度で高圧のアンモニアを含むために用いられる。アンモニアの圧力は1.5kbarより高くなるので、耐圧釜(200)の壁厚は少なくとも1インチでなければならない。
【0030】
大きな結晶を成長させるために、耐圧釜 (200)の内径を5cmより大きく設計する。耐圧釜(200)は高圧かつ大きい断面であるので、耐圧釜(200)の蓋(202)を閉じるためのねじ(204)を締めるために必要なトルクは非常に高い。300℃より高い温度で高い圧力を維持するためには、Ni-Crベースの超合金が耐圧釜(200)の材料として用いられる。しかしながら、Ni-Crにより、蓋(202)のねじ(204)は、GaNを成長する熱サイクルの後で動かなくなる。耐圧釜 (200)が冷却した後、蓋(202)のねじ(204)を緩めるために必要なトルクは、水力レンチの最大トルクを容易に超える。
【0031】
それ故に、耐圧釜(200)を冷却する前に蓋(202)のねじ(204)を緩めることが必要である。冷却する前に蓋(202)のねじ(204)を緩めるために、高圧のアンモニアはGaN成長後の加熱条件下で開放される。耐圧釜(200)は、高圧力バルブ付きアンモニア開放口(210)を備えている。成長反応によって生成したH2がアンモニア開放口(210)の管の内部に留まり、それによる開放口(210)の故障を防ぐために、アンモニア開放口(210)は耐圧釜(200)の最上部に置かれる。
【0032】
内室(208)は、安全に操作し、純粋な結晶を成長するために用いられる。大きなGaN結晶を成長するための耐圧釜 (200)の全体積は非常に大きいので、100gより多い量の無水アンモニア液が必要となる。アンモニア開放口(210)を通して耐圧釜(200)へのアンモニアの直接供給は、高圧バルブのコンダクタンスが非常に小さいために非常に時間がかかるので、アンモニア開放口(210)よりもコンダクタンスが大きいアンモニア導入口(212)を備えた内室(208)を用いる必要がある。このようにして、原材料として用いるGaを含む材料と、種結晶として用いるGaN単結晶と、鉱化剤と、アンモニアとを重量の大きい耐圧釜(200)の外側に装填することができる。
【0033】
内室(208)は、内室(208)を耐圧釜(200)の縦方向に沿って2つの領域に分割する仕切板(214)を備えている。これらの領域は上部領域および底部領域と呼ばれる。Gaを含む材料は通常は上部領域に装填され、GaN単結晶は、通常は底部領域に設置される。アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む鉱化剤も内室(208)内に装填される。更に、通常は金属InであるInを含む材料が、GaNの成長速度を速くするために添加されるのが好ましい。すべての固体材料を内室(208)内に装填後、内室(208)の蓋(216)が閉められる。内室(208)のアンモニア導入口(212)を通してアンモニアが供給される。アンモニアを充填後、アンモニア導入口(212)が気密性のねじで閉められる。このようにして、全ての固体材料とアンモニアが、酸素と湿気に汚染されることなく内室(208)に装填できる。
【0034】
既存技術においては、通常は鉱化剤としてKNH2、NaNH2、LiNH2、K,Na,Liが用いられる。I族アルカリ金属を含む鉱化剤を用いるとI族アルカリ金属の汚染によりGaN結晶に色がついてしまうので、代わりにCa(NH2)2、Mg(NH2)2、Ba(NH2)2、Ca32、Mg32、MgCl2、CaCl2、MgBr2、CaBr2、MgI2、またはCaI2のようなII族アルカリ土類化合物を用いることが好ましい。GaNの成長速度を速くするために、金属InのようなInを含む材料を添加してもよい。
【0035】
全ての必要な材料を内室(208)内へ装填した後、内室(208)は耐圧釜(200)の中へ移送される。内室(208)は、加熱条件下でアンモニアを開放するように設計されていて、高圧のアンモニアは耐圧釜(200)内に含まれる。耐圧釜(200)は多重帯域に分かれたヒータで加熱され、上部領域と底部領域の間で温度差が設定される。このようにして、原材料は超臨界アンモニア内に溶解し、種結晶へ輸送され、GaN が種結晶上に結晶化する。
【0036】
既存技術においては、内室材料としてNi-Crの超合金が用いられる。しかしながら、Ni-Crの超合金により、成長したGaNは汚染される。様々な金属を用いた耐腐食性の実験に基づくと、バナジウムとバナジウム・ベースの合金が内室(208)の材料として、あるいは内室(208)の内部被覆の材料として適している。
【0037】
内室は、内室(208)を耐圧釜の縦方向に沿って2つの領域に分割する仕切板(214)を備えている。2つの領域は、上部領域および底部領域として知られる。大きなサイズの高圧容器は高圧を保持するために厚い壁を有するため、1枚だけの仕切板でこの2つの領域の間に十分な温度差を設定することは難しい。従って、複数の仕切板を用いることが好ましい。
【0038】
金属Gaまたは多結晶GaNのようなGaを含む原材料(218)は内室の上部領域(218)内に置かれ、単結晶GaNのような種結晶(220)は内室(208)の底部領域(222)に置かれる。
【0039】
反応を促進するために、鉱化剤とよばれる少量の化学薬品が添加される。既存技術では、基礎的条件を得るために、通常はKNH2、NaNH2、LiNH2、K、Na、Liを用いる。I族アルカリ金属を含む鉱化剤の代わりに、Ca(NH2)2、Mg(NH2)2、Ba(NH2)2、Ca32、Mg32、MgCl2、CaCl2、MgBr2、CaBr2、MgI2、またはCaI2のようなII族アルカリ土類化合物を用いることにより、成長したGaN結晶がアルカリ金属により汚染されるを予防する。更に、本発明では、金属InのようなInを含む材料がGaNの成長速度を増大させるために添加される。
【0040】
内室(208)はアンモニアで充填され、耐圧釜(200)内へ装填され、耐圧釜(200)は外部から、上部領域(220)と底部領域(224)の間で設定された温度差まで、多重帯域ヒータによって加熱される。
【0041】
本発明による耐圧釜(200)を用いて、適当に加熱し、そして耐圧釜(200)へ添加される材料(218、222)を用いることにより、デバイス品質である露出した窒素面またはM面を持つGaNを直接成長することができる。これにより、成長したGaNの剥離および/または劈開を行って窒素面またはM面を露出させたり、デバイス層の成長の前に粗い窒素面またはM面を加工したりするのではなく、GaNデバイスを直接加工することができる。この処理ステップを減らすことにより、GaNデバイス全体の経費を削減し、同時にそのようなデバイスの生産にかかる時間を低減し、そのようなデバイスの歩留まりを向上する。
工程の流れ
図3は工程のフローチャートである。
【0042】
本発明の目的は、有極性窒素面(窒素面)GaNまたはM面GaNの平坦な表面を基板として用いることによって、高性能な光電子デバイスおよび電子デバイスを提供することである。ボックス300は、平坦な有極性窒素面(窒素面)GaNまたはM面GaNの基板を本明細書に記載された安熱法成長によって成長するステップを示す。ボックス300によって示された安熱法による成長は、GaNの有極性窒素面(窒素面)をもつ薄膜またはM面をもつ薄膜の成長、またはバルクのGaNの成長ために用いることが出来る。薄膜成長の場合に、ボックス302は、VPE反応装置に収まるように、基板を整形し、裏面エッチングするステップを表す。更に、ボックス302はデバイス層を成長する前に、ボックス300で成長した有極性窒素面(窒素面)またはM面の表面を溶剤で洗浄し、必要な場合には表面研磨、表面の角度研摩、または表面エッチングを行うステップを示す。
【0043】
バルク成長の場合は、ボックス304は、箱300で成長したバルク結晶からGaN基板を薄片に切り出すステップを示し、引き続く適当な表面研磨と処理を更に示す。次に、ボックス306は、MOCVDまたはMBEのような従来の気相エピタキシャル成長法を用いて、有極性窒素面(窒素面)またはM面の表面上にデバイス層を成長するステップを表す。露出した窒素面またはM面がちょうどC面114内にあるか、またはGaNの表面がその面からオフ角25度以下、通常は10度以下で少しずれていてもよい。最後に、ボックス308は、半導体処理工程を用いてデバイス構造を作製する工程を示す。
【0044】
このように、本発明により、III族窒化物の層の成長の結果として直接現れるC面の窒素面(000-1)またはM面(10-10)を備えることを特徴とするIII族窒化物の層を基板上に成長させることができる。窒素面またはM面を直接露出させるということは、レーザ・リフトオフ、切り出し、または剥離技術を用いて基板から窒素面またはM面を分離するのではなく、窒素面またはM面が安熱法による成長工程の結果として露出することを意味する。更に、本発明は、先行技術に記述された側壁横方向エピタキシャル成長(SLEO)または横方向エピタキシャル成長(LEO)技術におけるような実質的に垂直方向ではなく、窒素面またはM面は、基板面と実質的に同一平面となることを意図している。しかしながら、種結晶に少しミス・カットがある場合は、窒素面またはM面は、上記のように25度程度、基板面とは少し不一致となる。
【0045】
本発明によって成長したC面の窒素面(000-1)またはM面(10-10)を有するIII族窒化物層は、少なくとも一つの更なるIII族窒化物層の成長を直接受け入れる。成長を直接受け入れるということは、通常は本発明によって成長したIII族窒化物層は、層を平坦化する更なる処理を行うことなく、例えば、InGaN層や更なるGaN層などの更なる層を成長するために用いることができるということを意味している。本発明の方法とデバイスが用いられる時は、通常C面の窒素面(000-1)またはM面(10-10)を用意するために、ドライ・エッチング、ウェット・エッチング、または研磨を必要としない。
【0046】
本明細書には安熱法による成長に関して記述したが、本発明の技術範囲を逸脱することなしに、他の成長技術も、本明細書に記述した安熱法による成長技術と併せて、または安熱法による成長技術に代わって用いることもできる。
デバイス例
図4は、有極性窒素面(窒素面)またはM面基板上のMgの高濃度ドープ層を用いたLEDの例を示す。有極性窒素面(窒素面)またはM面の表面を用いることによって、Mgのドーピング・レベルが反転ドメインの形成によって制限されなくなる。この構造は直列抵抗がより低いため、発光効率の向上につながる。
【0047】
基板400は、本明細書中に開示した安熱法による方法を用いて成長したものである。基板400は、次の成長ステップの表面である有極性窒素面(窒素面)またはM面の表面402とともに成長される。次に、n型GaN層404が、VPEまたは他の成長技術を用いて、有極性窒素面(窒素面)またはM面の表面402上に成長される。次に、活性層406がn型層404上に成長される。この活性層406は発光する材料の層である。次に、高濃度ドープ層408が活性層406上に成長される。高濃度ドープ層408は、通常は高濃度ドープp型GaN層であり、Mgがドープされ、厚さは0.1μmより厚く、Mgのドーピング・レベルは通常は1020cm-3を超え、時には1021cm-3を超える。アノード410及びカソード412は、LEDであるデバイス414の電極として働く。
【0048】
図5は、安熱法による方法によって成長したGaNの有極性窒素面(窒素面)の平坦な表面を利用したHEMTを示す。基板500は、図2に示したように、本明細書中に開示した安熱法による方法を用いて成長したものである。基板500は、次の成長ステップのための表面である有極性窒素面(窒素面)の表面502とともに成長される。次に、アンドープAlGaN層504が、VPEまたは他の成長技術を用いて有極性窒素面(窒素面)の表面502上に成長される。次に、アンドープGaN層506が、アンドープAlGaN層504上に成長される。ここで、層506は、HEMTの電荷走行層として動作する。次に、アンドープAlGaNゲート層508が層506上に成長される。ゲート電極510、ソース電極512及びドレイン電極514がHEMTであるデバイス516の電極として動作する。
【0049】
有極性Ga面(Ga面)のGaNを用いた従来のHEMT構造とは異なり、電子のシート電荷518は、AlGaN層504の下ではなく、AlGaN層504の上に誘起される。それ故、誘起した電荷は、基板500へ漏れ出ることは無い。また、ゲート電極510の下のAlGaN層508は内部電界を変形して、ゲートの下の電子を掃き出すようになる。一方、ソース512及びドレイン514領域下の電子はそのまま維持される。これにより、有極性Ga面(Ga面)の表面上に成長したGaN/AlGaN系では得られなかった、エンハンスメント・モードのHEMT(ノーマリー・オフ・モードの)デバイス516を可能にする。
実験結果
実施例1(安熱法による、金属Gaを用いた平坦な有極性窒素面(窒素面)をもつGaNの成長)
約3cm×4cmの大表面積のGaN種結晶、約5mm×5mmの小表面積のGaN種結晶、40gの金属Ga、NaNH2(アンモニアに対して1mol%)、NaI(アンモニアに対して0.05mol%)、1.0gの金属In、および114.3gの無水液体アンモニアを内室に装填した。内室208を内径が約5cmの耐圧釜200内へ移送した後、耐圧釜200を625℃(上部領域220)と675℃(底部領域224)に加熱した。その結果の最高圧力は31,505psi(2.2kbar)であった。耐圧釜200をこの高温で1日間保持し、1日後にアンモニアを開放した。本発明の方法により耐圧釜200内で成長したGaN結晶を図6(a)および図6(b)に示す。図6(a)は、有極性窒素面(窒素面)の表面を示し、図6(b)は、有極性Ga面(Ga面)の表面を示す。安熱法による成長層(図4および図5の層400および/または500)の厚さは約40μmであった。図6(a)および図6(b)に示すように、窒素面はGa面に比べてより平坦であった。この平坦な表面は、気相成長法によって引き続くデバイスの作製に適している。
【0050】
図6(a)に示した窒素面は、引き続いて処理をすることなしに、図4~図5に記したデバイス層の成長ができる。それ故に、本発明の方法によって製作されたGaNウェーハは、デバイス作製のために剥離したり基板を取り除いてc面の窒素面を露出させたりする必要は無い。
実施例2(安熱法による、多結晶GaNを用いた平坦な有極性窒素面(窒素面)をもつGaNの成長)
約5mm×5mmのサイズのGaN種結晶、約120gの多結晶GaN、NaNH2(アンモニアに対して3mol%)、および101.3gの無水液体アンモニアを内室に装填した。内室208を内径が約5cmの耐圧釜200内へ移送した後、耐圧釜200を550℃(上部領域220)と675℃(底部領域224)に加熱した。その結果の最高圧力は27,686psi(1.9kbar)であった。耐圧釜200をこの高温で10日間保持し、10日後にアンモニアを開放した。約2.5~2.6μmのGaN薄膜が種結晶上に成長した。出来上がったGaN 結晶の走査型電子顕微鏡像を図7(a)と図7(b)に示す。図7(a)は窒素面を示し、図7(b)はGa面を示す。実験1と同様に、有極性窒素面(窒素面)の表面は、有極性Ga面(Ga面)よりも平坦である。図7(a)に示した窒素面は、図4~図5に記述したようなデバイス層の直接成長ができる程度に十分平坦である。
実施例3(安熱法による、多結晶GaNを用いた平坦なM面をもつGaNの成長)
約3mm×3mmのサイズのM面GaN種結晶、約100gの多結晶GaN、NaNH2(アンモニアに対して3.8mol%)、および101.5gの無水液体アンモニアを内室に装填した。内室208を内径が約5cmの耐圧釜200内へ移送した後、耐圧釜200を510℃(上部領域220)と700℃(底部領域224)に加熱した。その結果の最高圧力は27,986psi(1.9kbar)であった。耐圧釜200をこの高温で83日間保持し、83日後にアンモニアを開放した。平坦なM面GaNがM面GaN種結晶上に成長した。図7(c)は、成長したM面GaNの写真を示す。
実施例4(安熱法で作製した有極性窒素面(窒素面)GaN上の、MOCVDを用いた平坦な有極性窒素面(窒素面)をもつGaNの成長)
実験1で成長した窒素面GaN上にMOCVD法を用いてGaN薄膜を成長した。成長に先立って、基板の裏面(Ga面)を、研磨機を用いて約400μmまで薄くした。トリメチルガリウムとアンモニアを原料ガスとしてGaN薄膜を低圧で成長した。トリメチルガリウムとアンモニアの流速は、それぞれ18μmol/分と3リットル/分であった。基板温度は1,185℃であり、反応装置内圧力は76Torrであった。通常、成長圧力は760Torr未満であり、典型的には約100Torrである。図8に示すように、1時間の成長後、C面のN面の平坦な表面が直接露出した約1μm厚のGaN層が得られた。
好ましい実施形態に関する改良と変形の可能性
安熱法によるGaN薄膜成長が例に示されたが、安熱法により成長したバルクGaN結晶から薄く切り出したGaN基板もまた、高性能光電子デバイス及び電子デバイスのために用いることが出来る。実験例に用いた鉱化剤はNaNH2であったが、KNH2、LiNH2、NH4Cl、NH4Br、NH4Iなどのような他の鉱化剤も、平坦な有極性窒素面(窒素面)をもつGaNを成長するために用いることができる。
利点
既存の方法とデバイスでは、有極性Ga面(Ga面)の表面がデバイス作製に用いられている。有極性Ga面(Ga面)の表面を用いることは、性質的に欠点があり、出来上がる光電子デバイス及び電子デバイスの性能が制限される。しかしながら、有極性窒素面(窒素面)またはM面デバイスの利点が予想されるにも関わらず、既存の成長方法は、引き続く成長とデバイス処理工程のための平坦な有極性窒素面(窒素面)またはM面をもつ表面を実現することができない。
【0051】
本発明では、安熱法による成長方法は、引き続くデバイス作製に適した平坦な有極性窒素面(窒素面)またはM面の表面を実現することが示された。本発明の安熱法による方法で作製した有極性窒素面(窒素面)またはM面の表面を用いることによって、あらゆる種類の光電子デバイスと電子デバイスの性能を改善することができる。また、本発明では窒素面またはM面を露出させるためのチップの貼り合せおよび剥離の工程が必要なくなるため、工程のステップを減らすことができる。
工程図
図9は、本発明を実行するために用いられる工程の概略を示す工程図である。
【0052】
ボックス900は、GaNの露出した窒素面またはM面を持つGaNの種結晶を耐圧釜に設置するステップを表す。
【0053】
ボックス902は、鉱化剤を耐圧釜内に設置するステップを表す。
【0054】
ボックス904は、原料を耐圧釜内に設置するステップを表す。
【0055】
ボックス906は、アンモニアを耐圧釜内に添加するステップを表す。
【0056】
ボックス908は、耐圧釜を加熱するステップを表す。
結論
要約すると、本発明は、C面の窒素面(000-1)またはM面(10-10)を直接成長する方法とデバイスを記述している。本明細書ではGaNに関してして記述したが、本発明の技術は、任意のIII族窒化物材料に対して利点がある。
【0057】
本発明による電子デバイスはGaN層を備え、該GaN層はオフ角が10度未満の有極性窒素面(000-1)を持つGaN層を利用して作製され、有極性窒素面(000-1)は安熱法による成長技術を用いて作製されることを特徴とする。
【0058】
そのようなデバイスは、任意で760Torr未満の圧力下で作製されたGaNと、該GaN層の有極性窒素面の表面に結合したAlGaN層と、該AlGaN層に結合した第2のGaN層とを更に備え、電子が該AlGaN層と該第2のGaN層の界面の該第2のGaN層側に誘起されることを特徴とする。
【0059】
本発明による光電子デバイスは、安熱法による成長方法を用いて作製された、有極性窒素面またはM面の表面を持ち、オフ角が10度未満である導電性のGaN基板と、該GaN基板の該有極性窒素面またはM面の表面に結合した複数のn型III族窒化物層と、該複数のn型III族窒化物層に結合した、少なくとも一つのIII族窒化物の発光する活性層と、および該活性層に結合した、Mgドーピングを有する少なくとも一つのp型III族窒化物層とを備える。
【0060】
そのようなデバイスは、任意で少なくとも一つのMgがドープされた層を更に備え、該Mgがドープされた層の濃度は1021cm-3より高く、厚さは0.1μmより厚いことを特徴とする。
【0061】
本発明によって有極性窒素面(000-1)またはM面の窒化ガリウム(GaN)を直接成長する方法は、GaNの露出した窒素面(000-1)またはM面を持つGaNの種結晶を耐圧釜に設置するステップと、鉱化剤を耐圧釜に設置するステップと、原料を耐圧釜に設置するステップ、アンモニアを耐圧釜に添加するステップ、および耐圧釜を加熱するステップを備える。
【0062】
このような方法は、任意でNaNH2、KNH2、LiNH2、NH4Cl、NH4Br、およびNH4Iを含むグループから選択される鉱化剤と、金属Gaを含む原料と、帯域に分けて加熱される耐圧釜であって、第1の帯域は第1の温度に加熱され、第2の帯域は第2の温度に加熱され、原料は第1の帯域に置かれ、露出したGaNの窒素面(000-1)またはM面を有するGaNの種結晶は第2の帯域に置かれることを特徴とする耐圧釜とを更に備える。
【0063】
本発明によるIII族窒化物層は、基板上に成長したIII族窒化物層を備え、該III族窒化物層は、III族窒化物層の成長の結果として直接露出したC面の窒素面(000-1)またはM面(10-10)を備えることを特徴とする。
【0064】
そのような層は、任意で安熱法による成長である成長を備え、C面の窒素面(000-1)またはM面(10-10)が基板の表面と実質的に共平面であり、C面の窒素面(000-1)またはM面(10-10)が基板の表面に対して傾いていて、C面の窒素面(000-1)またはM面(10-10)が基板の表面に関して10度未満の角度で傾いていて、C面の窒素面(000-1)またはM面(10-10)が少なくとも一つの更なるIII族窒化物の層の成長を直接受け入れ、該少なくとも一つの更なるIII族窒化物の層は少なくとも一つのMgがドープされた層を含み、Mgがドープされた層の濃度が1021cm-3より高く、Mgがドープされた層の厚さは0.1μmより厚いことを特徴とする。
【0065】
これで本発明の好ましい実施形態の記述は終わる。本発明の一つ以上の実施形態に関する上記の記述は例示と記載のために示された。開示の形態そのものによって本発明を包括または限定することを意図するものではない。上記の教示に照らして多くの変更と変形が可能である。本発明の技術範囲はこの詳細な説明によってではなく、本発明に添付の請求項によって限定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】図1(a)は、六方晶GaNにおいて重要な結晶学的方向と面の概略図である。図1(b)は、六方晶GaNにおいて重要な結晶学的方向と面の概略図である。
【図2】本発明の実施形態による耐圧釜の概略図である。
【図3】工程のフローチャートである。
【図4】有極性窒素面(窒素面)の基板上の高濃度ドープのMg層を用いたLEDの一例を示す。
【図5】安熱法による方法によって成長した、平坦なGaNの有極性窒素面(窒素面)の表面を利用したHEMTを示す。
【図6】図6(a)は本発明による第1の方法で成長したGaN結晶を示す。図6(b)は本発明による第1の方法で成長したGaN結晶を示す。
【図7】図7(a)は本発明による第2の方法で成長したGaN結晶を示す。図7(b)は本発明による第2の方法で成長したGaN結晶を示す。図7(c)は成長したM面GaNの写真を示す。
【図8】図4(a)のGaN結晶上に成長した、平坦表面を有する厚さ1μmのGaN層を示す。
【図9】本発明を実行するために用いられるステップの概要を示す工程図である。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図9】
5
【図6】
6
【図7】
7
【図8】
8