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明細書 :3次元座標特定装置、その方法、及びプログラム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5387906号 (P5387906)
公開番号 特開2011-138304 (P2011-138304A)
登録日 平成25年10月18日(2013.10.18)
発行日 平成26年1月15日(2014.1.15)
公開日 平成23年7月14日(2011.7.14)
発明の名称または考案の名称 3次元座標特定装置、その方法、及びプログラム
国際特許分類 G06T  19/00        (2011.01)
G06T  19/20        (2011.01)
G06F  17/50        (2006.01)
FI G06T 19/00 C
G06T 19/20
G06F 17/50 622A
請求項の数または発明の数 10
全頁数 16
出願番号 特願2009-297692 (P2009-297692)
出願日 平成21年12月28日(2009.12.28)
審査請求日 平成24年12月10日(2012.12.10)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】598015084
【氏名又は名称】学校法人福岡大学
【識別番号】504369731
【氏名又は名称】ケイレックス・テクノロジー株式会社
【識別番号】391043332
【氏名又は名称】財団法人福岡県産業・科学技術振興財団
発明者または考案者 【氏名】友景 肇
【氏名】川瀬 英路
【氏名】堀内 整
個別代理人の代理人 【識別番号】100099634、【弁理士】、【氏名又は名称】平井 安雄
審査官 【審査官】岡本 俊威
参考文献・文献 特開平06-250777(JP,A)
特開平05-073661(JP,A)
調査した分野 G06T 19/00-19/20
G06F 17/50
特許請求の範囲 【請求項1】
3次元座標空間において任意の基準面を設定する基準面設定手段と、
前記基準面設定手段が設定した基準面における任意の点を基準点として決定する基準点決定手段と、
前記基準点決定手段が決定した基準点から、任意の角度で仮想の光線を照射する光線照射手段と、
前記光線照射手段が照射した光線上の任意の点を特定する点特定手段と、
前記点特定手段が特定した点の3次元座標を演算する座標演算手段とを備えることを特徴とする3次元座標特定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の3次元座標特定装置において、
前記基準点決定手段が決定した基準点を、前記基準面上で移動する基準点移動手段を備えることを特徴とする3次元座標特定装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の3次元座標特定装置において、
前記点特定手段が、前記光線と前記3次元座標空間内に表示された表示対象物の表面との交点を特定することを特徴とする3次元座標特定装置。
【請求項4】
請求項3に記載の3次元座標特定装置において、
前記点特定手段が、前記3次元座標空間内に表示された表示対象物が有する面及び/又は線と一の光線との複数の交点を特定することを特徴とする3次元座標特定装置。
【請求項5】
請求項4に記載の3次元座標特定装置において、
前記表示対象物が複数表示されており、
前記点特定手段が、前記複数の表示対象物が有する面及び/又は線と一の光線との複数の交点を特定することを特徴とする3次元座標特定装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の3次元座標特定装置において、
前記点特定手段が、任意の複数の点を特定し、
前記特定された複数の点間の距離を算出する距離算出手段を備えることを特徴とする3次元座標特定装置。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の3次元座標特定装置において、
前記基準面設定手段が複数の基準面を設定し、前記光線照射手段が前記設定された各基準面から仮想の光線を照射し、前記点特定手段が前記設定された夫々の基準面から照射された光線の交点を特定することを特徴とする3次元座標特定装置。
【請求項8】
請求項7に記載の3次元座標特定装置において、
前記点特定手段が前記設定された夫々の基準面から照射された複数の光線の交点を特定し、当該特定された複数の交点に基づいて線、及び面を描画する描画手段を備えることを特徴とする3次元座標特定装置。
【請求項9】
コンピュータが3次元座標を特定する3次元座標特定方法であって、
3次元座標空間において任意の基準面を設定する基準面設定ステップと、
前記基準面設定ステップが設定した基準面における任意の点の座標値を決定する基準点決定ステップと、
前記基準点決定ステップが決定した基準点から、任意の角度で仮想の光線を照射する光線照射ステップと、
前記光線照射ステップが照射した光線上の任意の点を特定する点特定ステップと、
前記点特定ステップが特定した点の3次元座標を演算する座標演算ステップとを含むことを特徴とする3次元座標特定方法。
【請求項10】
3次元座標空間において任意の基準面を設定する基準面設定手段、
前記基準面設定手段が設定した基準面における任意の点の座標値を決定する基準点決定手段、
前記基準点決定手段が決定した基準点から、任意の角度で仮想の光線を照射する光線照射手段、
前記光線照射手段が照射した光線上の任意の点を特定する点特定手段、
前記点特定手段が特定した点の3次元座標を演算する座標演算手段としてコンピュータを機能させる3次元座標特定プログラム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、3次元座標における任意の点を2次元の画面上で特定する3次元座標特定装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
3次元図形をCAD等のソフトウェアを用いて設計する場合に、3次元空間内の任意の座標点を2次元で表示されたディスプレイ上でマウス等のポインティングデバイスにより特定することができない。もし、空間内の任意の座標点を特定しようとすると、座標の値(x,y,z)を入力する必要があり、操作が煩わしく処理が非効率になってしまう。
【0003】
上記に関連して、特許文献1に3次元空間内の任意の点を特定する技術が開示されている。特許文献1に示す技術は、3次元空間内における位置の指示を2次元平面として表示された操作画面により入力する3次元座標値入力方法において、Z値を固定することにより定義される、XY平面に平行な平面を入力可能範囲として指定させ、その入力可能範囲を示す平面を表示し、2次元画面の例えば上下方向にカーソルを動かしたときそれを前記平面に乗った動きと解釈してそのベクトルを3次元座標のX成分とY成分に分解することによりカーソルをその平面上でしか移動しないようにして、固定されていない方向の位置情報を入力させ、その位置情報を画面上の位置である2次元座標値として取得し、その座標値から前記平面上の3次元X座標値およびY座標値を求めるものである。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特開2003-167924号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に示す技術は少なくとも1つの座標軸の値を固定する必要があり、同一平面上や同一直線上にない座標値を特定する場合には、固定する座標軸の情報を入力する必要があり、操作が煩わしく作業が非効率なものになってしまうという課題を有する。
【0006】
また、一連の操作の中で一つの平面上の任意の点、又は直線上の任意の点しか特定することができず、複数の平面上又は直線上の座標を特定する場合には作業が煩わしく、処理が非効率となってしまう。
そこで、本発明は3次元空間における任意の一又は複数の座標を簡単な操作で正確に特定することができる3次元座標特定装置等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本願に開示する3次元座標特定装置は、3次元座標空間において任意の基準面を設定する基準面設定手段と、前記基準面設定手段が設定した基準面における任意の点を基準点として決定する基準点決定手段と、前記基準点決定手段が決定した基準点から、任意の角度で仮想の光線を照射する光線照射手段と、前記光線照射手段が照射した光線上の任意の点を特定する点特定手段と、前記点特定手段が特定した点の3次元座標を演算する座標演算手段とを備えることを特徴とするものである。
【0008】
このように、本願に開示する3次元座標特定装置においては、任意の基準面上の基準点から照射される仮想の光線上の任意の点を特定することで、2次元で表示されたディスプレイ上であっても、座標値の入力を行うことなく3次元空間内の座標を視覚的に正確に特定することができるという効果を奏する。
【0009】
(2)本願に開示する3次元座標特定装置は、前記基準点決定手段が決定した基準点を、前記基準面上で移動する基準点移動手段を備えることを特徴とするものである。
このように、本願に開示する3次元座標特定装置においては、決定した任意の基準点を基準面上で移動するため、当該基準点をマウス等のポインティングデバイスにより、簡単な操作で2次元の基準面上を移動させつつ、その点から照射される仮想の光線により3次元座標内の任意の点を自由に特定することができるという効果を奏する。
【0010】
(3)本願に開示する3次元座標特定装置は、前記点特定手段が、前記光線と前記3次元座標空間内に表示された表示対象物の表面との交点を特定することを特徴とするものである。
このように、本願に開示する3次元座標特定装置においては、光線と3次元座標空間内に表示された表示対象物の表面との交点を特定するため、既に3次座標空間内に表示されている表示対象物に対して、その表示対象物上の任意の3次元座標を容易に特定することができ、図面の編集処理を効率よく行うことができるという効果を奏する。
【0011】
(4)本願に開示する3次元座標特定装置は、前記点特定手段が、前記3次元座標空間内に表示された表示対象物が有する面及び/又は線と一の光線との複数の交点を特定することを特徴とするものである。
このように、本願に開示する3次元座標特定装置においては、光線と3次元座標空間内に表示された表示対象物が有する面及び/又は線と一の光線との複数の交点を特定するため、一回の操作で表示対象物上の複数の3次元座標を特定することができ、操作性を向上させることができるという効果を奏する。
【0012】
(5)本願に開示する3次元座標特定装置は、前記表示対象物が複数表示されており、前記点特定手段が、前記複数の表示対象物が有する面及び/又は線と一の光線との複数の交点を特定することを特徴とするものである。
このように、本願に開示する3次元座標特定装置においては、表示対象物が複数であり、当該複数の表示対象物における面及び/又は線との複数の交点を特定するため、複数の表示対象物上の3次元座標を一回の操作で特定することができると共に、既に表示されている表示対象の形状や位置に無関係に光線を表示対象物に貫通させて3次元座標を特定することができ、操作性を向上させることができるという効果を奏する。
【0013】
(6)本願に開示する3次元座標特定装置は、前記点特定手段が、任意の複数の点を特定し、前記特定された複数の点間の距離を算出する距離算出手段を備えることを特徴とするものである。
このように、本願に開示する3次元座標特定装置においては、任意の複数の点を特定し、特定された複数の点間の距離を算出するため、2次元で表示されたディスプレイ上で3次元空間の距離を簡単な操作で容易に測長することができ、作業を効率よく行うことができるという効果を奏する。
【0014】
(7)本願に開示する3次元座標特定装置は、前記基準面設定手段が複数の基準面を設定し、前記光線照射手段が前記設定された各基準面から仮想の光線を照射し、前記点特定手段が前記設定された夫々の基準面から照射された光線の交点を特定することを特徴とするものである。
このように、本願に開示する3次元座標特定装置においては、複数の基準面を設定し、各基準面から仮想の光線を照射し、照射された光線の交点を特定するため、複数の光線の交点を利用して3次元座標の任意の点を自由に特定することができるという効果を奏する。
【0015】
(8)本願に開示する3次元座標特定装置は、前記点特定手段が前記設定された夫々の基準面から照射された複数の光線の交点を特定し、当該特定された複数の交点に基づいて線、及び面を描画する描画手段を備えることを特徴とするものである。
このように、本願に開示する3次元座標特定装置においては、設定された夫々の基準面から照射された複数の光線の交点を特定し、特定された複数の交点に基づいて線、及び面を描画するため、3次元座標空間に自由形状を描画することができるという効果を奏する。
【0016】
これまで、本発明を装置として示したが、所謂当業者であれば明らかであるように本発明を方法、及び、プログラムとして捉えることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1の実施形態に係る3次元座標特定装置のハードウェア構成図である。
【図2】第1の実施形態に係る3次元座標特定装置の機能ブロック図である。
【図3】第1の実施形態に係る3次元座標特定装置における座標点を特定する処理を示す第1の図である。
【図4】第1の実施形態に係る3次元座標特定装置における座標点を特定する処理を示す第2の図である。
【図5】第1の実施形態に係る3次元座標特定装置における座標点を特定する処理を示す第3の図である。
【図6】第1の実施形態に係る3次元座標特定装置における座標点を特定する処理を示す第4の図である。
【図7】第1の実施形態に係る3次元座標特定装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】第2の実施形態に係る3次元座標特定装置の機能ブロック図である。
【図9】第2の実施形態に係る3次元座標特定装置における点間の測長を行う処理を示す図である。
【図10】第2の実施形態に係る3次元座標特定装置の動作を示すフローチャートである。
【図11】第3の実施形態に係る3次元座標特定装置の機能ブロック図である。
【図12】第3の実施形態に係る3次元座標特定装置における描画を行う処理を示す図である。
【図13】第3の実施形態に係る3次元座標特定装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を説明する。本発明は多くの異なる形態で実施可能である。従って、本実施形態の記載内容のみで本発明を解釈すべきではない。また、本実施形態の全体を通して同じ要素には同じ符号を付けている。

【0019】
以下の実施の形態では、主に装置について説明するが、所謂当業者であれば明らかな通り、本発明は方法、及び、コンピュータを動作させるためのプログラムとしても実施できる。また、本発明はハードウェア、ソフトウェア、または、ハードウェア及びソフトウェアの実施形態で実施可能である。プログラムは、ハードディスク、CD-ROM、DVD-ROM、光記憶装置、または、磁気記憶装置等の任意のコンピュータ可読媒体に記録できる。さらに、プログラムはネットワークを介した他のコンピュータに記録することができる。

【0020】
(本発明の第1の実施形態)
本実施形態に係る3次元座標特定装置について、図1ないし図7を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係る3次元座標特定装置のハードウェア構成図である。3次元座標特定装置10は、CPU11、RAM12、ROM13、ハードディスク(HDとする)14、通信I/F15、及び入出力I/F16を備える。ROM13やHD14には、オペレーティングシステムや各種プログラム(例えば、CADプログラム、3次元座標特定プログラム等)が格納されており、必要に応じてRAM12に読み出され、CPU11により各プログラムが実行される。

【0021】
通信I/F15は、他の装置(例えば、サーバ、上位装置等)と通信を行うためのインタフェースである。入出力I/F16は、キーボードやマウス等の入力機器からの入力を受け付けたり、プリンタやモニタ等にデータを出力するためのインタフェースである。この入出力I/F16は、必要に応じて光磁気ディスク、フロッピーディスク(登録商標)、CD-R、DVD-R等のリムーバブルディスク等に対応したドライブを接続することができる。各処理部はバスを介して接続され、情報のやり取りを行う。

【0022】
図2は、本実施形態に係る3次元座標特定装置の機能ブロック図である。3次元座標特定装置10は、ユーザからの入力情報20を入力する入力部21と、3次元空間内に任意の基準面を設定する基準面設定部22と、ユーザからの入力情報20に基づいて、基準面設定部22が設定した基準面上の任意の点(基準点とする)を移動する基準点移動部24と、基準点から任意の角度で仮想の光線を照射する光線照射部25と、ユーザからの入力情報20に基づいて基準点の位置を決定する基準点決定手段23と、光線照射部25が照射した光線上の任意の点を特定する点特定部26と、点特定部26が特定した点の3次元座標を演算する座標演算部27を備える。

【0023】
座標演算部27が演算した座標点は、その場所や座標値が2次元のディスプレイ29に表示され、ユーザがその点の場所や座標値を視認することができる。
ここで、2次元のディスプレイ上で3次元座標を特定する処理について詳細に説明する。図3は、本実施形態に係る3次元座標特定装置における座標点を特定する処理を示す第1の図である。図3(A)は、少なくとも1つの平面を有する表示対象物35が表示されており、その表示対象物35上の任意の点を特定する処理を示している。3次元上の3つの座標軸(x軸、y軸、z軸)の少なくとも1つに平行、及び/又は垂直な面を有する表示対象物35が表示されており、表示対象物35が有する平面(ここでは、図3(a)に示す対象面35a)に基づき、この対象面35aと平行な任意の面を基準面31として設定する。

【0024】
基準面31が設定されると、基準面31内の任意の基準点32から仮想の光線33を照射しながら、光線33が目的の座標を照射するまで基準点32を移動する。なお、基準点32から照射される光線33と基準面31との角度は、ユーザの指定により任意に設定できるようにしてもよいが、所定の角度(例えば、90度)に固定するほうが座標値を演算、基準点の決定、操作を行い易くなるため、固定することが望ましい。

【0025】
照射された光線33が、表示対象物35に当たると、その表面で光が反射し交点34aが特定される。このとき、表示対象物35が透過性を有する物であると仮定すれば、光線33が表示対象物35を貫通し、交点34bも併せて特定される。つまり、基準点32の位置を基準面31上で任意に移動させることで、光線33と表示対象物35との交点を特定し、表示対象物35の表面の座標を確認することができる。

【0026】
図3(B)の場合も同様に、表示対象物35上の任意の点を特定しているが、図3(A)の場合と異なり、表示対象物35が3つの座標軸のいずれかと平行、及び/又は垂直な面を有していない。このような場合であっても、表示対象物35における1つの対象面35aに基づいて、この対象面35と平行な基準面31を設定する。基準面31が決定された後は、図3(A)の場合と同様に、基準点32から光線33を照射させつつ、目的とする位置に基準点32を決定することで、表示対象物35上の交点34a、又は34bを特定する。

【0027】
なお、図3のように、表示対象物35が複数の平面を有する場合は、対象面35aをいずれの面にしてもよく、対象面35aとなり得る候補の面を色分けや点滅等の表示態様によりユーザに対して報知する機能を持たせてもよい。

【0028】
また、表示対象物35を透過性とするか否かについては、ユーザが任意に選択できるようにしてもよく、透過性を有しない場合は、図3における交点34aのみが特定され、透過性を有する場合は、図3における交点34aと交点34bとが特定されるようにしてもよい。

【0029】
さらに、基準面31の設定は、対象面35が決まると当該対象面35からの所定の距離(予め設定された設定情報であるとする)にある平行な平面を、装置内で自動設定するようにしてもよいし、ユーザがマウス等で任意の位置に手動設定するようにしてもよい。

【0030】
図4は、本実施形態に係る3次元座標特定装置における座標点を特定する処理を示す第2の図である。ここでは、表示対象物35が平面を有しておらず対象面35aを特定できない場合の基準面31の設定について説明する。図4に示すように、表示対象物35が平面を有していない場合は、対象面35aを特定することができないため、3つの座標軸のいずれかに平行、及び/又は垂直な面を基準面31として設定する。図4(A)がx軸、z軸(xz平面)に平行でy軸に垂直な基準面31を設定した場合の図、図4(B)がy軸、z軸(yz平面)に平行でx軸に垂直な基準面31を設定した場合の図、図4(C)がx軸、y軸(xy平面)に平行でz軸に垂直な基準面31を設定した場合の図である。

【0031】
このように、座標軸や座標平面に平行、及び/又は垂直な基準面31を設定することで、交点34a、34bの座標値が演算しやすくなると共に、装置内で基準面31となる候補の報知や決定等を行い、ユーザに提示することが容易となる。

【0032】
なお、基準面31の設定は、ユーザがマウス等で任意の位置に手動設定するようにしてもよい。また、図3の場合と同様に、表示対象物35を透過性とするか否かについては、ユーザが任意に選択できるようにしてもよい。

【0033】
図5は、本実施形態に係る3次元座標特定装置における座標点を特定する処理を示す第3の図である。ここでは、複数の表示対象物35に対して光線33を照射している。図5に示すように、光線33を表示対象物35に貫通させることで、光線33上にある複数の表示対象物35における交点34を特定することができる。

【0034】
なお、図5に示すように、表示対象物35が透過性を有するか否かに関わらず、光線33が表示対象物35を貫通させるようにしてもよい。また、光線33が照射される距離には制限を設けることができるようにしてもよい。例えば、図5における球体までは光線33が照射され、円柱までは光線が照射されないように設定することができるようにしてもよい。

【0035】
さらに、図3、及び図4に示した場合と同様に、表示対象物35が透過性を有する設定とした場合は、表示対象物35の背面側であって、光線33が物体の外部に抜ける点を特定することができる。
さらにまた、基準面31上の基準点32については、一つの基準点32を順次移動させてもよいし、図5に示すように、複数の基準点32を同時に設定できるようにしてもよい。

【0036】
図6は、本実施形態に係る3次元座標特定装置における座標点を特定する処理を示す第4の図である。ここでは、複数の基準面31から照射される複数の光線33の交点39を特定する場合の処理を示している。図3ないし図5の場合は、表示対象物35の表面における光線33の反射を交点34として特定しているが、ここでは、表示対象物35の内部や外部における任意の点を光線33の交点39として特定している。このように、任意の複数の基準面31から照射される複数の光線33の交点39を特定することで、空間内の全ての座標を対象に任意の点を容易に特定することが可能となる。この交点39の特定を利用した図形の描画処理について、第3の実施形態に詳細に説明する。

【0037】
なお、複数の基準面31の設定は、図6に示すように表示対象物35の対象面に平行な複数の面や各座標軸に平行、及び/又は垂直な基準面を設定してもよいし、ユーザがマウス等を用いて任意の位置に設定してもよい。

【0038】
また、図6のような場合に、光線33の交点39を特定する際には、各基準面31における基準点32を移動させて交点39の位置を特定することになるが、光線33同士がある距離以上近づいた場合には、それぞれの光線33又は一方の光線33の位置を近似させて、交差したものとして交点39を特定するようにしてもよい。つまり、必ずしも光線33が交差した場合のみ交点39が特定されるのではなく、ある程度光線33が近づいた場合には、交点39が特定されるようにしてもよい。

【0039】
次に、本実施形態に係る3次元座標特定装置の動作について説明する。図7は、本実施形態に係る3次元座標特定装置の動作を示すフローチャートである。まず、表示対象物の形状やユーザからの操作等に基づいて基準面を設定する(S71)。設定された基準面上で、仮想の光線を照射しながら、マウス等のポインティングデバイスを用いたユーザからの指示情報に基づいて基準点を移動する(S72)。基準点の位置が固定されたか否かを判定する(S73)。つまり、光線が目的の座標を照射しているか否かをユーザが判定し、目的の座標を照射していない場合は基準点の位置が固定されず、目的の座標を照射している場合は基準点の位置が固定される。

【0040】
基準点が固定されない場合は、S72に戻り継続して基準点の移動を制御する。基準点が固定される場合は、その固定された位置で基準点を決定する(S74)。基準点から照射された光線と表示対象物との交点、又は基準点から照射された光線と他の基準点から照射された光線との交点を特定する(S75)。特定された交点の3次元座標を演算し(S76)、2次元のディスプレイ上に所望の3次元座標点の情報を表示して(S77)、処理を終了する。

【0041】
(本発明の第2の実施形態)
本実施形態に係る3次元座標特定装置について、図8ないし図10を用いて説明する。なお、本実施形態に係る3次元座標特定装置において、前記第1の実施形態と重複する説明については省略する。

【0042】
図8は、本実施形態に係る3次元座標特定装置の機能ブロック図である。第1の実施形態における図2の構成と異なるのは、新たに距離演算部28を備えることである。この距離演算部28は、点特定部26が複数の点を特定し、座標演算部27によりそれぞれの点の座標が演算されると、座標間の距離を演算して特定された点間の測長を行うものである。

【0043】
複数の点間の測長について、図9を用いて説明する。図9は、本実施形態に係る3次元座標特定装置における点間の測長を行う処理を示す図である。図9(A)は、2つの基準点32から照射されたそれぞれの光線33と、表示対象物35との交点34間の距離を測長する場合を示し、図9(B)は、1つの基準点32から照射された光線33と、表示対象物35との交点34間の距離を測長する場合を示している。

【0044】
このように、複数の点を特定することで表示対象物35における様々な部分の長さを正確に演算することができると共に、2次元のディスプレイ上で3次元空間の任意の点間の測長を容易に行うことができる。

【0045】
次に、動作について説明する。図10は、本実施形態に係る3次元座標特定装置の動作を示すフローチャートである。S101からS104までの処理は、第1の実施形態における図7のS71からS74までの処理と同じであるため説明は省略する。S104で基準点の位置が決定されると、光線上の点を複数特定する(S105)。ここで特定された複数の点間の測長を行うことになる。特定された点のそれぞれの3次元座標を演算し(S106)、座標間の距離を演算する(S107)。所望の3次元座標の情報、測長の結果を表示して(S108)、処理を終了する。

【0046】
(本発明の第3の実施形態)
本実施形態に係る3次元座標特定装置について、図11ないし図13を用いて説明する。なお、本実施形態に係る3次元座標特定装置において、前記第1の実施形態、及び第2の実施形態と重複する説明については省略する。

【0047】
図11は、本実施形態に係る3次元座標特定装置の機能ブロック図である。第1の実施形態における図2の構成と異なるのは、新たに描画部29を備えることである。この描画部29は、点特定部26が点を特定し、座標演算部27により点の座標が演算されると、それらの点を接続して線、面、立体を描画するものである。

【0048】
描画について図12を用いて説明する。図12は、本実施形態に係る3次元座標特定装置における描画を行う処理を示す図である。図12(A)で2つの光線の交点を特定して決定する。以降、図12(B)ないし図12(E)に示すように2つの光線の交点を特定し、それらの座標点を接続することで、図12に示すように線、面、立体等を描画する。
なお、描画された線、面はCADソフトが一般的に有する機能を利用して加工することができ、例えば直線を曲線に加工したり、平面を曲面に加工することができる。

【0049】
次に、動作について説明する。図13は、本実施形態に係る3次元座標特定装置の動作を示すフローチャートである。S131からS136までの処理は、第1の実施形態における図7のS71からS76までの処理と同じであるため説明は省略する。S136で3次元座標が演算されると、既に特定されていた点と接続する(S137)。ユーザからの図形描画を終了する指示情報があるか否かを判定し(S138)、終了する指示情報がなければS132に戻って、新たな3次元座標点を特定する処理を繰り返して行う。終了する指示情報があれば、ユーザの指示情報(加工のための指示情報)に基づいて、描画された図形を加工する(S139)。完成した図形が2次元のディスプレイ上で表示されて(S140)、処理を終了する。

【0050】
以上の前記各実施形態により本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は実施形態に記載の範囲には限定されず、これら各実施形態に多様な変更又は改良を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0051】
10 3次元座標特定装置
11 CPU
12 RAM
13 ROM
14 HD
15 通信I/F
16 入出力I/F
20 入力情報
21 入力部
22 基準面設定部
23 基準点決定部
24 基準点移動部
25 光線照射部
26 点特定部
27 座標演算部
28 距離演算部
29 描画部
29 ディスプレイ
31 基準面
32 基準点
33 光線
34(34a、34b) 交点
35 表示対象物
35a 対象面
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図6】
3
【図7】
4
【図8】
5
【図10】
6
【図11】
7
【図12】
8
【図13】
9
【図4】
10
【図5】
11
【図9】
12