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明細書 :多重循環式液体ヘリウム再凝縮装置および方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3530040号 (P3530040)
公開番号 特開2000-105072 (P2000-105072A)
登録日 平成16年3月5日(2004.3.5)
発行日 平成16年5月24日(2004.5.24)
公開日 平成12年4月11日(2000.4.11)
発明の名称または考案の名称 多重循環式液体ヘリウム再凝縮装置および方法
国際特許分類 F25J  1/02      
F25B  9/00      
FI F25J 1/02
F25B 9/00
請求項の数または発明の数 3
全頁数 5
出願番号 特願平10-275291 (P1998-275291)
出願日 平成10年9月29日(1998.9.29)
審査請求日 平成15年5月29日(2003.5.29)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人 科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】武田 常広
早期審査対象出願または早期審理対象出願 早期審査対象出願
個別代理人の代理人 【識別番号】100099265、【弁理士】、【氏名又は名称】長瀬 成城
審査官 【審査官】新居田 知生
参考文献・文献 特開 平5-312424(JP,A)
特開 平10-245208(JP,A)
特開 平8-254367(JP,A)
調査した分野 F25J 1/00 - 1/02
特許請求の範囲 【請求項1】
液体ヘリウム貯留槽と、該貯留槽で気化した高温ヘリウムガスを回収するラインと、同ラインから供給された高温ヘリウムガスを極低温のヘリウムガスにまで冷却する第1段目の冷凍サイクルと、同ラインから供給された高温ヘリウムガスを液化する第2段目の冷凍サイクルとを備え、前記第2段目の冷凍サイクルによって液化された液体ヘリウムを、前記第1段目で極低温まで冷却されたヘリウムガスにより、高温部と接触することの無いようにして、液化ヘリウム状態で液体ヘリウム貯留槽に移送するようにしたことを特徴とする多重循環式液体ヘリウム再凝縮装置。

【請求項2】
前記第2段目の冷凍サイクルで液化された液体ヘリウムは、液体ヘリウム貯留槽内に配置した気液分離器に供給され、該気液分離器によって分離された液体ヘリウムが液体ヘリウム貯留槽内に貯留されるようにし、貯留槽内の熱バランスが安定化するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の多重循環式液体ヘリウム再凝縮装置。

【請求項3】
液体ヘリウム貯留槽で気化した高温ヘリウムガスを回収し、回収した高温ヘリウムガスの大部分を第1段目の冷凍サイクルによって極低温まで冷却されたヘリウムガスとして前記液体ヘリウム貯留槽に供給するとともに、残りの高温ヘリウムガスを第2段目の冷凍サイクルによって液化し、この液体ヘリウムを流すパイプの周囲に前記冷却されたヘリウムガスを流すことによって高温部に直接触れないようにして前記液体ヘリウムを前記液体ヘリウム貯留槽に供給するようにした多重循環式液体ヘリウム再凝縮方法。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【1】

【発明の属する技術分野】本発明は、多重循環式液体ヘリウム再凝縮装置および方法に関するものであり、具体的には、脳磁気計測システム内で使用する脳磁計を極低温に維持するための液体ヘリウム貯留槽において、同槽から気化したヘリウムガスを再び液体ヘリウム貯留槽に循環利用できる多重循環式液体ヘリウム再凝縮装置および方法に関するものである。また、この多重循環式液体ヘリウム再凝縮装置および方法は前記脳磁気計測システム以外にも心磁図やMRIを測定する装置等に利用可能である。

【10】
この方法によれば、約40Kのヘリウムガスが約300Kにまで昇温する間に必要とする大量の熱量を液体ヘリウム貯留槽を冷却するために有効利用できるため、液体ヘリウム貯留槽を従来の装置と遜色なく効率的に冷却することができる。さらに約300Kのヘリウムガスから約40Kのヘリウムガスにまで冷却するエネルギーは、約40Kのヘリウムガスから4Kの液体ヘリウムとするまでに必要とするエネルギーに比較して格段に少なくてすむため、従来のように回収したヘリウムガスを全量液化する従来の方法に比較してヘリウムガスを液化するための冷凍機運転等に必要なエネルギーを従来の1/10程度にまで押さえることができ、極めて経済的である。また、液体ヘリウム貯留槽で蒸発によって減少する液体ヘリウムは少量であるため、冷凍機の第2段目の冷凍サイクルで液化して補充する液体ヘリウムはごく少量とすることができる。さらに冷凍機で液化された液体ヘリウムは、前記冷凍機で冷却されたヘリウムガスによって高温部と接触することを無くした状態で移送されるようにすると、移送中に液体ヘリウムが気化することを防止できる。

【11】

【課題を解決するための手段】このため、本発明が採用した課題解決手段は、液体ヘリウム貯留槽と、該貯留槽で気化した高温ヘリウムガスを回収するラインと、同ラインから供給された高温ヘリウムガスを極低温のヘリウムガスにまで冷却する第1段目の冷凍サイクルと、同ラインから供給された高温ヘリウムガスを液化する第2段目の冷凍サイクルとを備え、前記第2段目の冷凍サイクルによって液化された液体ヘリウムを、前記第1段目で極低温まで冷却されたヘリウムガスにより、高温部と接触することの無いようにして、液化ヘリウム状態で液体ヘリウム貯留槽に移送するようにしたことを特徴とする多重循環式液体ヘリウム再凝縮装置である。また、前記第2段目の冷凍サイクルで液化された液体ヘリウムは、液体ヘリウム貯留槽内に配置した気液分離器に供給され、該気液分離器によって分離された液体ヘリウムが液体ヘリウム貯留槽内に貯留されるようにし、貯留槽内の熱バランスが安定化するようにしたことを特徴とする多重循環式液体ヘリウム再凝縮装置である。また、液体ヘリウム貯留槽で気化した高温ヘリウムガスを回収し、回収した高温ヘリウムガスの大部分を第1段目の冷凍サイクルによって極低温まで冷却されたヘリウムガスとして前記液体ヘリウム貯留槽に供給するとともに、残りの高温ヘリウムガスを第2段目の冷凍サイクルによって液化し、この液体ヘリウムを流すパイプの周囲に前記冷却されたヘリウムガスを流すことによって高温部に直接触れないようにして前記液体ヘリウムを前記液体ヘリウム貯留槽に供給するようにした多重循環式液体ヘリウム再凝縮方法である。

【12】
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【13】
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【14】
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【15】
以下図面を参照して本発明に係わる多重循環式液体ヘリウム再凝縮装置を説明すると図1は同装置の概略構成図である。図1において、1は磁気シールドルーム内に配置されSQUIDを収容するための液体ヘリウム貯留槽、1aは同槽内に配置した気液分離器、1bは槽内の液体ヘリウムの液面を測定する液面計、1cは貯留槽1内からヘリウムガスを回収するための管、2は気化したヘリウムガスを回収しヘリウムガス内の水分を除去するためのドライポンプ、3はヘリウムガスを一次的に溜めておくバッファーの機能を果たす中圧タンク、5は最近進歩の著しい4KGM冷凍機、6は同冷凍機の第1熱交換器、7は第2熱交換器、8はヘリウムコンプレッサー、9は前記冷凍機からヘリウムガスまたは液体ヘリウムを液体ヘリウム貯留槽1に供給するトランスファーライン、10は緊急時にヘリウムガス不足を補うことができるヘリウム補給用ボンベであり、各機器は、図示のように矢印で流れ方向を示している流路で連通されており、またトランスファーライン9の出口側端部は液体ヘリウム貯留槽1への挿入管11を介して気液分離器1aに接続されている。トランスファーラインは液体ヘリウムを流すパイプの周囲を冷却されたヘリウムガスがながれ、このヘリウムガスによって液体ヘリウムが高温部に触れず蒸発しにくいように構成されており、また、前記装置内の流路中には、圧力計P、流量調整弁4が図のように配置されている。

【16】
以上のように構成された多重循環式液体ヘリウム再凝縮装置の作動を説明する。液体ヘリウム貯留槽内に貯留された液体ヘリウムは同槽内で、約4Kの液体からガス化され、さらに、約300Kの常温状態になるまで昇温しながら顕熱により同槽の冷却作用を行う。

【17】
昇温したヘリウムガスは、ヘリウムガス回収管1cを介してドライポンプ2で吸引され、さらに中圧タンク3を経由して小型冷凍機の第1熱交換器に送られる。この時、流量調整弁の開度を調整しながらヘリウムガスの大部分を第1熱交換器によって約40Kまで冷却し、冷却したヘリウムガスをトランスファーライン内の流路を通して液体ヘリウム貯留槽内に供給する。なお、何らかの非常事態により装置内のヘリウムガスが不足した場合には、必要に応じてヘリウムガスを補給用ボンベ10から補給することができる。

【18】
また、残りのヘリウムガスは小型冷凍機の第1熱交換器6、第2熱交換器7を経て液化され、液体ヘリウムはトランスファーライン内の流路を通って液体ヘリウム貯留槽1内の気液分離器1aを介して液体ヘリウム貯留槽1に供給される。こうして同槽内で蒸発によって減少した分の液体ヘリウムは冷凍機で液化された液体ヘリウムによって常時補われる。また、トランスファーライン内では液体ヘリウムが同ライン内を通る冷却ヘリウムガスで高温部から保護されながら移送されるため、液体ヘリウムの気化を極力押さえることができる。液体ヘリウム貯留槽に送られた約40Kの冷却ヘリウムガスは同槽内で約300Kに昇温する間、顕熱により効率的に液体ヘリウム貯留槽を冷却する。また、貯留槽の下部は液体ヘリウムの気化により常に約4Kに保持され、液体ヘリウム蒸発量が押さえられる。

【19】
以上のように、上記多重循環式液体ヘリウム再凝縮装置では、液体ヘリウム貯留槽で約300Kにまで昇温したヘリウムガスを回収し、回収ヘリウムガスの大部分を冷凍機の第1段目の冷凍サイクルを利用して約40Kにまで冷却して液体ヘリウム貯留槽に還流し、残りの少量のヘリウムガスを冷凍機の第2段目の冷凍サイクルを利用して液体ヘリウムにし液体ヘリウム貯留槽に還流する構成を採用しているため、約40Kのヘリウムガスが約300Kにまで昇温して行く間に奪う大量の熱量を液体ヘリウム貯留槽の冷却用として有効に活用でき、貯留槽下部は液体ヘリウムによって約4Kに保たれるため冷却効果としては従来の装置と遜色のない装置とすることができる。

【2】

【従来の技術】人間の脳から発生する磁界を検出する脳磁気計測システムの開発が進められている。このシステムでは脳の活動を高時空間分解能で非侵襲的に計測できるSQUID(超電導量子干渉素子)が利用されており、このSQUIDは断熱された槽内に貯留されている液体ヘリウムに侵漬され、冷却された状態で用いられる。

【20】
また本発明では、液体ヘリウム貯留槽で蒸発によって減少した液体ヘリウムは冷凍機の第2段目の冷凍サイクルで液化したヘリウムを還流して使用するため、液体ヘリウムボンベから液体ヘリウムを補充する作業が不要となる。さらに冷凍機で液化された液体ヘリウムは、前記冷凍機で冷却されたヘリウムガスによって高温部と接触することを無くした状態で移送されるため、移送中に液体ヘリウムが気化する量を大幅に低減できる。 また、約40Kのヘリウムガスを4Kの液体ヘリウムに凝縮するまでに必要とするエネルギーは莫大であるが、液体ヘリウムの生成量が少ないため、液化するためのエネルギーを少なく押さえることができ、小型の冷凍機を使用することができる。

【21】
なお、上記実施形態中で説明した小型冷凍器に代えて他の冷凍機を使用することができることは当然であり、また、本システムで液体ヘリウムを補うための流量調整弁等の制御は液体ヘリウム貯留槽内に配置した液面計等のセンサからの情報により図示せぬ制御機器によって制御することができる。また、装置内に使用する機器の材質等は適宜最適なものを選択して使用することができる。さらに、トランスファーラインは液体ヘリウムを流すパイプの周囲に冷却されたヘリウムガスが流れ、液体ヘリウムが高温部と触れぬようにして気化を極力防止できる構成のものであればどの様な形態のものでも使用することができる。上記例では液体ヘリウム、冷却ヘリウムガスを生成するために一台の小型冷凍器を使用しているが、パワーの小さい冷凍機を機能別に複数使用することも可能である。さらに、上記実施形態では冷凍機において冷却するヘリウムガスの温度は約40Kとしているが、この温度に限ることはなく目的に応じて種々の温度のヘリウムガスを使用することができる。本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいかなる形でも実施できる。そのため、前述の実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず限定的に解釈してはならない。

【22】

【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明によれば、約40Kのヘリウムガスが約300Kにまで昇温する間に必要とする大量の顕熱を液体ヘリウム貯留槽を冷却するために有効利用できるため、従来装置のようにヘリウムガスを全量液体ヘリウムにする必要がなくなり、従来システムに比較して多大なエネルギー、費用を節約できる。液体ヘリウム貯留槽内で蒸発し減少する液体ヘリウムは少量であり、装置内の小型冷凍機によって液化した液体ヘリウムで充分に補うことができ、液化するためのエネルギーが極めて少ない。また、ヘリウムを完全回収して再利用できるため、煩雑なヘリウムガスの補充作業を不要にできるとともに液体ヘリウムに掛かる費用を大幅に低減できる。冷凍機で液化された液体ヘリウムは、前記冷凍機で冷却されたヘリウムガスによって高温部と接触することを無くした状態で移送されるようにしてあるため移送中に液体ヘリウムが気化することを防止でき、安定した状態で液体ヘリウムを槽内に還流することができる。等の優れた効果を奏することができる。

【3】
上記システムに使用している従来からの液体ヘリウム貯留槽では、同槽から蒸発したヘリウムガスはほとんどの場合大気に開放している。しかしこの方式では1リットル当たり1200円以上する高価なヘリウムを多量に無駄に消費するため経済的に極めて不利である。また小さなシステムではガスバッグ等に回収し再液化を行ったりしているがこのための作業が面倒でありさらに高価な液体ヘリウムを完全に回収することが不可能である。いずれの方式でも液体ヘリウム貯留槽で減少した分の液体ヘリウムを液体ヘリウムボンベから補う必要があるが、液体ヘリウムを補充するための作業は極めて煩雑で業者に依頼する場合にはコストも嵩む等の問題がある。

【4】
上記背景から最近では、液体ヘリウム貯留槽で気化したヘリウムガスを全量回収し再凝縮して液化し、再び液体ヘリウム貯留槽内に戻す液体ヘリウム再循環システムの開発が進められている。こうした液体ヘリウム再循環システムの一例の概略構成を図2を参照して簡単に説明すると、図中101は脳磁計を収容している液体ヘリウム貯留槽、102は貯留槽101内で気化したヘリウムガスを回収するドライポンプ、103はヘリウムガス内に混入している水分を除去する乾燥器、104は流量調整弁、105は精製器、106は補助冷凍機、107は同補助冷凍機106の第1熱交換器、108は再凝縮冷凍機、109は再凝縮冷凍機108の再凝縮熱交換器であり、液体ヘリウム貯留槽101で気化し昇温した約300Kのヘリウムガスはドライポンプ102で吸引され、乾燥器103、精製器105を経て補助冷凍機106で約40Kの極低温ヘリウムガスに冷却され、さらに再凝縮冷凍機108の再凝縮熱交換器109で4Kの液体ヘリウムに液化され、ここからトランスファーライン110を経由して液体ヘリウム貯留槽に供給される構成となっている。

【5】
この液体ヘリウム再循環システムは基本的に、液体ヘリウム貯留槽内で蒸発したヘリウムガスを全量回収し再利用する方式であるため、従来のように大気開放したり、あるいはガスバッグ等に回収して再液化を行う方法に比較して、ヘリウムの使用量が非常に少なく、極めて経済的、かつ、効率的であり、最近では積極的にその実用化が進められている。また、不足分の液体ヘリウムを充填する作業もほとんど必要ないため装置の維持管理の面で取扱いが容易である。

【6】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような再循環システムでは次のような改善すべき問題点がある。即ち、液体ヘリウムはSQUIDなどを冷却するためには不可欠であるが、ヘリウムガスを液体ヘリウムにするためには、冷凍機を作動するための非常に大きな電気エネルギーが必要となる、また、冷凍機用の圧縮ポンプを冷却するために大量の水が必要となる、冷凍機で液化した液体ヘリウムをトランスファーラインを経由して液体ヘリウム貯留槽に循環する際に、液体ヘリウムを高温部と完全に隔離することが難しく液体ヘリウムが、移送途中で気化する割合が高くなり移送効率が悪くなる、など全体として装置の維持管理に莫大な運転コストが必要となり、結果的に大気開放と同程度のコストがかかっている。このためさらに経済効率に優れた新しい形態の液体ヘリウム再循環システムの開発が必要とされている。

【7】
上記のような背景のもと、本発明者らは、液体ヘリウム貯留槽内における液体ヘリウムの冷却効果について研究してきた結果、液体ヘリウムは4Kの液化状態から約4Kのガス状態に状態変化する際に必要とする熱量(気化熱)よりも、約4Kのガスから約300Kのガスに昇温するまでに必要とする熱量(顕熱)の方が遙かに大きいことを見いだした。同時に高温ヘリウムガスを低温ヘリウムガスに冷却するのは、それほどエネルギーを必要としないが、低温ヘリウムガスを液体ヘリウムに液化する際には大きなエネルギーを必要とすることを確認した。即ち、従来の再循環システムでは、蒸発した液体ヘリウムを全量、液体ヘリウムにして機器を低温に保持していたため、冷却効率、エネルギー効率が悪いということを見いだした。

【8】
本発明は上記知見に基づいてなされたものであり、ヘリウムを循環する際に、回収した大部分のヘリウムガスを約40Kまで冷却して液体ヘリウム貯留槽に還流するとともに、残りのヘリウムガスを槽内で蒸発し減量した液体ヘリウムを補うために4Kの液体ヘリウムにして液体ヘリウム貯留槽に還流することによって、ヘリウムの補充が不要であり、かつ、ヘリウムガスを冷却するエネルギを大幅に低減し従来装置と遜色のない冷却効率を維持可能な新しい液体ヘリウム再循環システムを提供し、上記従来の再循環システムのもつ問題点を解決することを目的とする。

【9】
この方法は、液体ヘリウム貯留槽で約300Kにまで昇温したヘリウムガスを回収し、回収ヘリウムガスの大部分を冷凍機の第1段目の冷凍サイクルを利用して約40Kにまで冷却して、液体ヘリウム貯留槽に還流する。そして、残りの少量のヘリウムガスを冷凍機の第2段目の冷凍サイクルを利用して液体ヘリウムとし、液体ヘリウム貯留槽に還流し、同槽内で蒸発して減量した液体ヘリウムを補充できるようにする。この場合、液体ヘリウム貯留槽内では冷却ヘリウムガスの顕熱によって大量の熱を奪うことが可能なため、蒸発する液体ヘリウムは極めて少量に押さえることが可能である。
図面
【図1】
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【図2】
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