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明細書 :自動変速装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5441030号 (P5441030)
登録日 平成25年12月27日(2013.12.27)
発行日 平成26年3月12日(2014.3.12)
発明の名称または考案の名称 自動変速装置
国際特許分類 F16H  15/52        (2006.01)
FI F16H 15/52 C
請求項の数または発明の数 4
全頁数 11
出願番号 特願2009-150812 (P2009-150812)
出願日 平成21年6月25日(2009.6.25)
審査請求日 平成24年6月15日(2012.6.15)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503027931
【氏名又は名称】学校法人同志社
発明者または考案者 【氏名】松岡 敬
【氏名】岡村 暉久夫
【氏名】平山 朋子
【氏名】田中 清隆
個別代理人の代理人 【識別番号】110000475、【弁理士】、【氏名又は名称】特許業務法人みのり特許事務所
特許請求の範囲 【請求項1】
入力軸と、
前記入力軸と同心の出力軸と、
前記入出力軸に対して公転しながら自転する円錐状のコーンと、
前記コーンに摩擦係合する変速リングと、
前記コーンと前記変速リングとの間に接圧力を与える接圧力付与手段と、
前記変速リングを前記入出力軸の軸方向に進退移動する移動手段と、
前記変速リングの進退移動を付勢する付勢手段とを備え、
前記コーンは、前記コーンの回転軸心が前記入出力軸の回転軸心と交わらないように設けられると共に、前記コーンの回転軸心が、前記コーンと前記変速リングとの接触点と前記入出力軸の回転軸心とを結ぶ線に対して、角度αだけ傾斜するように規制されており、前記出力軸に負荷トルクが生じると、前記変速リングに対して前記入出力軸の軸方向に変速力が作用し、
前記付勢手段は、前記変速力に対して反対方向の付勢力が予め設定した出力特性で動作するように設定されていることを特徴とする自動変速装置。
【請求項2】
前記コーンは、前記入出力軸における回転方向の変化に応じて、前記コーンの回転軸心を所定範囲の角度で揺動可能とする揺動手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の自動変速装置。
【請求項3】
前記付勢手段は、長さ方向の変位に対してバネ定数が変化する非線形特性バネであることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動変速装置。
【請求項4】
前記移動手段を介して前記出力特性を変化させるための変速操作手段を備えることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の自動変速装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、負荷の変化に対応して連続的に速度比を変化させる自動変速装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動変速装置は、車両、各種巻取り機、攪拌機等の変速機として用いられる。従来の自動変速装置は、例えば特許文献1に開示されている。この自動変速装置は、円錐形転子に摩擦係合する変速リングを動かすことにより無段変速する。そして、自動変速装置は、負荷トルクの増減に伴って変速リングが自動で動くようにするために、変速リングを高速側に動かす方向の力を及ぼす押圧装置と、変速リングに加わるトルクの増大に伴い、押圧装置の及ぼす力に抗して変速リングを低速側に動かすカム装置とを備える。そして、変速リングは、これら二つの力が平衡する位置を求めつつ動き、負荷トルクが増大する場合には低速側に、負荷トルクが減少する場合には高速側に移動する。
【0003】
上記の通り、自動変速装置は、変速リングを低速側に動かすカム装置を備える。このカム装置は、変速リング上に切欠き孔を形成して、切欠き孔のカム面にローラを係合し、歯車列を介して動力が出力軸に伝えられるようになっている。このように、従来の自動変速装置は、非常に複雑な構成のカム装置によって、負荷トルクの増減に伴う回転力を変速力に変換して変速リングを動かすよう構成していたので、装置の大型化と生産コストアップの原因となっていた。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特公平4-34022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、非常に簡単な構成で出力軸の負荷トルクに応じた自動変速を可能とし、それによって装置の小型化と生産コストダウンをなし得る自動変速装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る自動変速装置は、入力軸と、入力軸と同心の出力軸と、入出力軸に対して公転しながら自転する円錐状のコーンと、コーンに摩擦係合する変速リングと、コーンと変速リングとの間に接圧力を与える接圧力付与手段と、変速リングを入出力軸の軸方向に進退移動する移動手段と、変速リングの進退移動を付勢する付勢手段とを備える。
コーンは、コーンの回転軸心が入出力軸の回転軸心と交わらないように設けられると共に、コーンの回転軸心が、コーンと変速リングとの接触点と入出力軸の回転軸心とを結ぶ線に対して、角度αだけ傾斜するように規制されており、出力軸に負荷トルクが生じると、変速リングに対して入出力軸の軸方向に変速力が作用し、付勢手段は、変速力に対して反対方向の付勢力が予め設定した出力特性で動作するように設定されている。
【0007】
好ましくは、コーンは、入出力軸における回転方向の変化に応じて、コーンの回転軸心を所定範囲の角度で揺動可能とする揺動手段を備える。
【0008】
好ましくは、付勢手段は、長さ方向の変位に対してバネ定数が変化する非線形特性バネである。
【0009】
好ましくは、移動手段を介して出力特性を変化させるための変速操作手段を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る自動変速装置において、入出力軸に対して公転しながら自転する円錐状のコーンは、コーン回転軸心が入出力軸の回転軸心と交わらないように設けられている。このため、変速リングとコーンとの接触面に回転力の分力が生じるが、この分力を変速力として利用する。これにより、出力軸に負荷トルクが生じると、変速リングに対して入出力軸の軸方向に変速力が作用する。付勢手段は、この変速力に対抗するように反対方向に付勢して、予め設定した出力特性で動作するようになっている。
【0011】
このように、従来の自動変速装置のような複雑なカム装置を設けることなく、コーンの回転軸心を入出力軸の回転軸心と交わらないように設けることで、出力軸の負荷トルクに応じた変速力を変速リングに作用することができる。そして、付勢手段によって、変速力に対抗して付勢して、予め設定したトルク-変速比となる出力特性で動作するように自動変速できるようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】自動変速装置を示す側面断面図。
【図2】自動変速装置の一部を拡大して示す側面図。
【図3】自動変速装置を入出力軸の軸方向から見た正面断面図。
【図4】変速比と出力トルクの関係を説明する図。
【図5】変速力を説明するための図。
【図6】付勢手段となる非線形特性バネを説明する図。
【図7】自動変速装置の第二実施形態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に基づいて、本発明に係る自動変速装置について説明する。

【0014】
図1の通り、自動変速装置は、ケーシング20を備える。自動変速装置は、入力軸1及び出力軸2を備える。入力軸1及び出力軸2は、ケーシング20に設けられたベアリング21,22を介して、ケーシング20に対して回転自在に支持されている。

【0015】
入力軸1及び出力軸2は、同一の回転軸心1aになるように配置されている。入力軸1及び出力軸2は、連結軸部1bを介して、互いに回転自在に連結している。入力軸1は、エンジン、駆動モータ等の駆動手段(図示略)に連結されている。

【0016】
自動変速装置は、複数個のコーン3、変速リング4、入力円板13及び伝達円板14を備える。コーン3は、主として円錐形で構成されている。コーン3は、底面(軌道面)3bの中心に配置される回転軸心3d上に回転軸3eを備える(図2)。

【0017】
図2の通り、コーン3は、円錐形部分に伝動部3a、軌道面(底面)3b及び変速面3cを有する。伝動部3aは、コーン3の外周の円上端部である。なお、伝動部3aは、回転軸3eの略外周面でもよい。軌道面3bは、コーン3の底面(平面)部である。変速面3cは、コーン3の傾斜面部である。

【0018】
図1の通り、コーン3は、支持円板15で支持されている。コーン3は、回転軸3eを介して、支持円板15の周囲に回転自在に支持されている。そして、図2の通り、側面視において、コーン3は、コーン3の回転軸心3dが入出力軸1,2の回転軸心1aに対して角度θだけ傾斜して支持されている。また、支持円板15は、入出力軸1,2に対して回転自在に支持されている。従って、コーン3は、入出力軸1,2に対して自転及び公転自在になっている。

【0019】
入力円板13は、入力軸1に対してキー結合されている。従って、入力円板13は、入力軸1の回転と同一方向及び同一回転速度で回転する。入力円板13は、コーン3の伝動部3aに当接して摩擦係合する(図2)。これにより、入力円板13の回転が、コーン3に伝達される。

【0020】
伝達円板14は、コーン3の軌道面3bに当接して摩擦係合する(図2)。図1の通り、伝達円板14は、出力軸2に対して接圧力付与手段23を介して結合されている。接圧力付与手段23は、コーン3と、変速リング4及び伝達円板14との間に、接触面に垂直な接圧力(法線力)P(図3)を与える。従って、出力軸2は、伝達円板14の回転と同一方向及び同一回転速度で回転する。

【0021】
変速リング4は、コーン3の変速面3cに当接して摩擦係合する(図2)。また、図1の通り、自動変速装置は、変速リング4を入出力軸1,2の軸方向に進退移動する移動手段5を備える。本例では、移動手段5は、回転軸心1aの方向に延設されたリング移動部材5からなり、リング移動部材5は、ケーシング20に対して、長さ方向(回転軸心1aの方向)に進退移動するように構成されている。そして、変速リング4は、リング移動部材5に連結されており、リング移動部材5の進退移動に伴って移動するようになっている。

【0022】
自動変速装置は、移動手段5を介して出力特性Lを変化させる変速操作手段7を備える。本例では、変速操作手段7は、回転軸心1aの方向に延設された変速操作部材7からなり、変速操作部材7は、ケーシング20に対して、長さ方向(回転軸心1aの方向)に進退移動するように構成されている。また、リング移動部材5は、入力軸1側に付勢手段6を備える。付勢手段6は、バネ手段、ゴム手段等で構成される。

【0023】
付勢手段6は、一端側6aがリング移動部材5に設けられた移動端50に連結され、他端側6bが変速操作部材7に設けられた固定端70に連結されている。そして、変速操作部材7の固定端70は、リング移動部材5に対して移動自在(フリー)に構成されている。

【0024】
図3の通り、自動変速装置を入出力軸1,2の軸方向(回転軸心1aの方向)から見た正面視において、コーン3の回転軸心3dが、コーン3と変速リング4の接触点(コーン3と変速リング4との接触面における中心点)4aと、入出力軸1,2の回転軸心1aと、を結ぶ線4bに対して角度αだけ傾斜するように設けられている。角度αは支持円板15によって規制されている。即ち、コーン3は、その回転軸心3dが入出力軸1,2の回転軸心1aと交わらないように設けられている。

【0025】
上記の通り、コーン3を角度α傾斜して設置することによって、自動変速装置は、出力軸2に負荷トルクが作用すると、コーン3と変速リング4との接触面において、入出力軸1,2の回転軸心1aの方向に変速力Fが生じるようになる(図2)。

【0026】
図4の通り、自動変速装置は、変速比Rが小さくなると出力トルクTが大きくなり、変速比Rが大きくなると出力トルクTが小さくなって、変速比Rと出力トルクTとの関係において出力特性線Lを描く。なお、変速比R=N2/N1(出力軸2の回転数/入力軸1の回転数)である。

【0027】
そして、自動変速機は、コーン3の変速面3cにおいて、変速リング4が、コーン3の有効半径が大きくなる方向(図4の左方向)に移動すると、変速比Rが小さく(減速)出力トルクTが大きくなり、有効半径が小さくなる方向(図4の右方向)に移動すると、変速比Rが大きく(加速)出力トルクTが小さくなる。

【0028】
自動変速機は、出力軸2に負荷トルクが作用したとき、予め設定した出力特性線Lに沿って変速リング4が移動して自動変速するようになっている。この自動変速について、変速操作部材7を所定位置に停止した場合で説明する。

【0029】
図4の通り、変速リング4が所定位置にあるとき、変速比R1と出力トルクT1の関係点をM1とする。なお、点M1は出力特性線L上にある。この状態で、出力軸2における負荷トルクが増大すると、出力トルクT2に上昇するので、変速比R1と出力トルクT2の関係点がM1’となる。

【0030】
そして、上記の通り、出力軸2における負荷トルクが増大すると、接触面には負荷トルクに略比例した変速力Fが生じて、変速リング4は変速比Rを減ずる方向(図4の左方向)へ移動する。これに伴い、移動部材5も移動して、付勢手段6は移動端50で押圧されて、付勢力(反発力)Sが生じる。付勢力Sは、移動距離xに応じて増減するようになっている。

【0031】
従って、変速リング4が所定距離x1だけ移動すると、変速力F=付勢力Sとなり、変速リング4は停止するようになっている。このときに、変速比R2と出力トルクT2の関係点がM2となる。そして、点M2が出力特性線L上になるように、付勢手段6は付勢力Sが設定されている。

【0032】
同様に、出力軸2の負荷トルクがT2からT1に減少すると、変速力Fも減少し、付勢手段6の付勢力Sに対して小さく(F<S)となり、出力特性線L上になるように変速リング4がR2からR1まで移動するようになっている。即ち、付勢手段6は、変速力Fに対して反対方向の付勢力Sが、予め設定した出力特性で動作するように設定されており、出力軸2に負荷トルクが作用しても、変速比Rと出力トルクTの関係点Mが、予め設定した出力特性線L上になるように構成されている。

【0033】
このように、自動変速装置は、出力軸2に負荷トルクが作用したとき、予め設定した出力特性線Lに沿って変速リング4が移動して自動変速するので、変速操作部材7を操作することなく、予め設定した最適な出力特性になるように動作させることができる。

【0034】
一方、変速操作部材7と共に固定端70を図4の右方向に移動させると、出力特性線Lは上方に移動して出力特性線L’となる。また、変速操作部材7と共に固定端70を図5の左方向に移動させると、出力特性線Lは下方に移動して出力特性線L’’となる。従って、変速比R1の状態で変速操作部材7を操作することにより、出力トルクTを増減することができる。

【0035】
変速操作部材7を運転者が操作するアクセルやモード切替え手段等に連動させることによって、例えば、自動車等の移動車における速度の設定やパワフルな運転、経済的な運転などを自由に選択できる。

【0036】
ここで、図5に基づいて変速力Fについて説明する。接圧力付与手段23として、調圧カムを採用した場合について説明する。調圧カム23は、コーン3と変速リング4との接圧力(法線力)P(図3)を、出力軸2に対する負荷(出力トルク)Tの変動に応じて変化させるものであって、負荷Tが小さいときは小さな接圧力Pを、負荷Tが大きいときは大きな接圧力Pを発生する。

【0037】
先ず、図5の符号を説明する。δは、角度θによって生じる接触面(図5の楕円面)のスピン角速度を示す(δとθは比例関係)。wは、角度αによって生じる接触面中心の移動量を示す(αとwは比例関係)。F1は、変速方向の力を示す。F2は、付勢力S方向の力を示す。

【0038】
この条件では、変速力F=F1-F2となる。α=0では、w=0となるので、F1とF2がy軸を対称軸として同じ面積になるため、負荷Tの変化にかかわらず常にF1=F2となって、F=0となる。

【0039】
また、接触楕円のx軸方向の長径を2aとすると、ヘルツ理論によって、aとP^(1/3)は比例関係であるから、スピンによる三角形で構成されるF1,F2は次式で表される。

【0040】
【数1】
JP0005441030B2_000002t.gif

【0041】
【数2】
JP0005441030B2_000003t.gif

【0042】
ここで、上記したように、調整カム23によって、出力トルクTと、接触面に垂直な接圧力(法線力)P(図3)とは比例する。さらに、aとP^(1/3)は比例するので、上記(1)式及び(2)式から、下記(3)式が成立する。

【0043】
【数3】
JP0005441030B2_000004t.gif

【0044】
また、Q(図3)は、負荷トルクTを回転半径で除した接線力であるので、TとQは比例関係である。上記の通り、TとPは比例関係であるので、Q/P=const.=トラクション係数(摩擦係数)となる。ここで、Q>トラクション係数×Pがスリップせずに伝達できる条件となるので、調圧カム23を、この条件が満足するように設定する。また、上記(3)式より、αが小さい場合は変速力Fも小さいが、αが大きくなると変速力Fも大きくなり、自動変速のレスポンスがよくなる。しかし、αの増大はスキューの増加となり、スキューが接触面損失の原因になることは公知技術で明らかである。従って、十分なレスポンスを得ながら損失を少なくするために角度α=0.02~6°とするのが好ましい。

【0045】
また、接圧力付与手段23として、一定の接圧力Pを与えるばね等の弾性体を採用してもよい。この場合、上記(2)式の左辺をF’とし、スピン中心軸のずれによって生じる接線力Qの分力をF3とすると、変速力Fは、「F=F’+F3」となる。ここで、(2)式のaが一定であることから、F’一定となるので、変速比Fは、F3の変化によってのみ増減するが、接線力Qの分力F3は微小なので、Fの変化量は小さく、レスポンスはそれほど大きくならない。

【0046】
次に、図6に基づいて、付勢手段6がバネ手段である場合について説明する。
上記(3)式より、入力軸1が一定の動力で駆動されるときは、図6(A1)の出力特性L1となるが、このときは図6(A2)の等ピッチコイルスプリングが最も変速装置の出力特性に適合する。駆動源や出力特性を変化させたい場合は、適宜、バネの組み合わせを変えることによって、図6(B1)、(C1)が可能となる。

【0047】
出力特性線L2がL1と異なる急勾配の曲線の場合、付勢手段6は円錐形コイルスプリング(図6(B2))とする。図6(C1)の通り、出力特性線L3が二段折れ直線の場合、付勢手段6は二重コイルスプリング(図6(C2))とする。なお、付勢手段6は、出力特性線に応じて不等ピッチコイルスプリング、つづみ形コイルスプリング、たる形コイルスプリング等とすることができる。

【0048】
次に、図7に基づいて、自動変速装置の第二実施形態について説明する。なお、上記した実施形態と異なる部分のみ詳細に説明する。
自動変速装置は、コーン3の回転軸3eに揺動手段30を備える。揺動手段30は、コーン3を支持円板15に対して揺動自在にする。図7(A)の通り、揺動手段30は、回転軸3eの周囲を円弧状(半球状)に形成し、この円弧部分を支持円板15で揺動自在に支持することにより、コーン3を所定角度の範囲で揺動するようになっている。
揺動の角度αは、変速リング4と伝達円板14との隙間に、コーン3の変速面3cと軌道面3bとで構成された楔が挟み込まれるように配置されていることと、接圧力Pが接線力Qの数十倍(約20倍)になるため、これらの要素に規制されて角度αは所定の値で安定する。

【0049】
そして、図7(B)の通り、出力軸2が図反時計方向に回転するとき、コーン3は、回転軸心3dが線4bに対して図時計方向に角度α傾斜する。また、図7(C)の通り、回転軸2が図時計方向に回転するとき、コーン3は、回転軸心3dが線4bに対して図反時計方向に角度α傾斜する。これにより、自動変速装置は、入力軸1の回転方向が正回転及び逆回転の双方に対して、自動変速を可能とするようになっている。
ここで、接圧力付勢手段23が調圧カムの場合、上記(3)式から、出力軸2が時計回り又は反時計回りの何れの回転方向に設定されても、出力トルクTと接触面中心の移動量wとがともに正負の符号を変えることになり、変速力Fの符号(ベクトルの方向)が変わることがない。また、接圧力付勢手段23がばね等の弾性体の場合も同様に出力トルクTの正負によって変速力Fの符号が変わることがない。
【符号の説明】
【0050】
1 入力軸
2 出力軸
1a 入出力軸の回転軸心
3 コーン
3d コーンの回転軸心
4 変速リング
5 リング移動部材
6 付勢手段
7 変速操作部材
F 変速力
S 付勢力
L 出力特性
30 揺動手段
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6