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明細書 :磁気分離装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5077821号 (P5077821)
公開番号 特開2009-119421 (P2009-119421A)
登録日 平成24年9月7日(2012.9.7)
発行日 平成24年11月21日(2012.11.21)
公開日 平成21年6月4日(2009.6.4)
発明の名称または考案の名称 磁気分離装置
国際特許分類 B03C   1/00        (2006.01)
B01D  35/06        (2006.01)
B03C   1/027       (2006.01)
B03C   1/029       (2006.01)
B03C   1/03        (2006.01)
FI B03C 1/00 A
B01D 35/06 A
B01D 35/06 K
請求項の数または発明の数 1
全頁数 9
出願番号 特願2007-298682 (P2007-298682)
出願日 平成19年11月16日(2007.11.16)
審査請求日 平成22年11月9日(2010.11.9)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304027279
【氏名又は名称】国立大学法人 新潟大学
発明者または考案者 【氏名】岡 徹雄
個別代理人の代理人 【識別番号】100080089、【弁理士】、【氏名又は名称】牛木 護
【識別番号】100137800、【弁理士】、【氏名又は名称】吉田 正義
【識別番号】100119312、【弁理士】、【氏名又は名称】清水 栄松
審査官 【審査官】関口 哲生
参考文献・文献 特開2003-320272(JP,A)
特開平11-226321(JP,A)
特開平09-141018(JP,A)
特開2002-361010(JP,A)
特開昭62-079820(JP,A)
調査した分野 B03C 1/00 - 1/30
B01D 35/06
特許請求の範囲 【請求項1】
高温超伝導バルク磁石と、この高温超伝導バルク磁石が発する磁場空間に交替で出入りして配置される複数の磁気分離配管とを備え、前記高温超伝導バルク磁石が発する磁場空間中の前記磁気分離配管では磁性物質の吸着、前記高温超伝導バルク磁石が発する磁場空間外の前記磁気分離配管では磁性物質の離脱が行われるように構成され、前記高温超伝導バルク磁石が複数備えられ、この複数の高温超伝導バルク磁石の磁極は、同極を相互に対向して設置されるとともに、前記磁気分離配管の中に粒状の非磁性媒体が粒状の磁性媒体と混合されて充填されたことで前記磁性媒体の相互間の平均距離が拡大して前記磁性媒体間の磁場空間が広がるように構成されたことを特徴とする磁気分離装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気分離装置に関し、特に、液体中の磁性粒子を磁力で吸着して分離する磁気分離装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の磁気分離方法としては、例えば、圧延油からの鉄分除去方法として、電磁石の励磁コイルのボア内に設置した配管に磁性球体を配置し、圧延油中の鉄分を除去する方法が開示されている(特許文献1)。しかし、この方法では、付着した鉄分の除去工程が必要であるために、連続的に処理を行うことができず、効率が低いことが問題であった。
【0003】
また、永久磁石の磁極間に配置した筒体を磁極から移動させる進退機構をもち、複数の磁極間で作る磁場空間を用いて磁気分離する湿式磁力選別機が開示されている(特許文献2)。しかし、この装置は、永久磁石を用いるために磁力が弱く、強い磁性をもった物質しか処理できず、分離性能が低いことが問題であった。
【0004】
また、電磁石の磁場を用いて磁性フィルタを磁化して磁性フロックを吸着し、配管の切り替えによって連続的に洗浄可能な磁気分離装置が開示されている(特許文献3)。しかし、この装置は、可動な磁気マトリックスを用いるために、磁場の変化に対して磁気マトリックスの見かけの密度が変化し、吸着性能の安定性に欠けるという問題があった。また、電磁石から移動させるときに切り替わる水路の嵌合部に吸着物が挟まってシール材料が破損しやすく、ここから水漏れが置きやすいため、耐久性と信頼性に欠けることが問題であった。
【0005】
また、重金属イオンと懸濁物を含む液体を超伝導磁石の強磁場で磁化した磁気フィルタによって処理する、高勾配磁気分離を利用した超電導磁気分離システムが開示されている(特許文献4)。しかし、この装置は、超伝導ソレノイド磁石を利用するために装置が大型で高価であり、また、連続運転できないため、効率が低いという問題があった。
【0006】
さらに、対向する超伝導バルク磁石を用いたコンパクトな磁気分離装置が開示されている(特許文献5)。この装置は、超伝導バルク磁石を用いた強磁場に感磁性体からなるフィルタを使うことによって磁性の弱い常磁性物質を吸引することを可能とし、通常は磁気分離できないとされるアルファ・ヘマタイト(赤錆の成分)でも、これを分散した水中からその90%以上を分離できる。しかし、感磁性体からなるフィルタを用いているため、磁場の変動に対してフィルタの充填密度が大きく変化して分離性能に偏りが生じ、また、反復使用によりフィルタの吸着力が大きく変化するという問題があった。

【特許文献1】特開平5-212310号公報
【特許文献2】特開平9-141018号公報
【特許文献3】特開2000-5526号公報
【特許文献4】特開2000-262924号公報
【特許文献5】特開2003-334564号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、上記の問題を解決し、簡単な構成で、連続的に処理を行うことができ、かつ、安定して高い効率で磁性物質を分離することができる、新規の磁気分離装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の磁気分離装置は、高温超伝導バルク磁石と、この高温超伝導バルク磁石が発する磁場空間に交替で出入りして配置される複数の磁気分離配管とを備え、前記高温超伝導バルク磁石が発する磁場空間中の前記磁気分離配管では磁性物質の吸着、前記高温超伝導バルク磁石が発する磁場空間外の前記磁気分離配管では磁性物質の離脱が行われるように構成され、前記高温超伝導バルク磁石が複数備えられ、この複数の高温超伝導バルク磁石の磁極は、同極を相互に対向して設置されるとともに、前記磁気分離配管の中に粒状の非磁性媒体が粒状の磁性媒体と混合されて充填されたことで前記磁性媒体の相互間の平均距離が拡大して前記磁性媒体間の磁場空間が広がるように構成されたことを特徴とする
【発明の効果】
【0009】
本発明の磁気分離装置によれば、高温超伝導バルク磁石が発する磁場空間中の磁気分離配管では磁性物質の吸着、高温超伝導バルク磁石が発する磁場空間外の磁気分離配管では磁性物質の離脱が行われるように構成され、前記高温超伝導バルク磁石が複数備えられ、この複数の高温超伝導バルク磁石の磁極は、同極を相互に対向して設置されたことで、簡単な構成でありながら、装置を停止することなく連続的に磁性物質の吸着、分離を交替で行うことができ、安定して高い効率で磁性物質を分離することができる。また、本発明の磁気分離装置は、高温超伝導バルク磁石の強く急峻な磁場によって、磁性の強い物質だけでなく弱い物質に対しても、高い分離性能を有する
【0010】
さらに、本発明の磁気分離装置によれば、前記磁気分離配管の中に粒状の非磁性媒体が粒状の磁性媒体と混合されて充填されたことで前記磁性媒体の相互間の平均距離が拡大して前記磁性媒体間の磁場空間が広がるように構成されたことで、磁性物質の吸着性能が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の磁気分離装置の実施例について、添付した図面を参照しながら説明する。なお、本発明は、以下の実施例により限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。
【実施例1】
【0012】
本実施例の磁気分離装置を示す図1~図4において、1,2は一対の高温超伝導バルク磁石であり、高温超伝導バルク磁石1,2による磁極3,4は対向して配置されている。また、高温超伝導バルク磁石1,2は、真空断熱容器内に収容され、それぞれ極低温冷凍機5,6のコールドヘッド7,8に直接的に接触しており、極低温冷凍機5,6によって冷却されて超伝導状態に保たれるようになっている。
【0013】
高温超伝導バルク磁石1,2は、Sm系、Gd系、又はY系の123相と呼ばれる高温超伝導体の磁気的に単一な磁石である。その磁力は表面で約2T(77K)である。また、極低温冷凍機5,6は、GMサイクル、スターリングサイクル、パルス管冷凍機のいずれかで構成されている。
【0014】
二つの磁極3,4は、30mmの距離を隔てて配置され、磁極3,4間には、二本の磁気分離配管9,10が交替で配置されるようになっている。
【0015】
磁極3,4間の上部には、磁気分離されるべき磁性物質を含む流体としての混合水を磁気分離配管9,10に供給するための供給管11が設けられている。また、磁気分離配管10が磁極3,4間にあるときの磁気分離配管9の上部には、洗浄のためのエア、水、温水、有機溶媒などを供給する洗浄管12が設けられている。同様に、磁気分離配管9が磁極3,4間にあるときの磁気分離配管10の上部には、洗浄管13が設けられている。
【0016】
磁極3,4間の下部には、排水管14が設けられ、排水管14は排水貯槽15に接続している。また、磁気分離配管10が磁極3,4間にあるときの磁気分離配管9の下部と、磁気分離配管9が磁極3,4間にあるときの磁気分離配管10の下部には、分岐した排出管16が設けられ、排出管16は分離貯槽17に接続している。
【0017】
供給管11には、供給切替バルブ18、洗浄管12,13には、それぞれ洗浄切替バルブ19,20が設けられ、排水管14には排水切替バルブ21が設けられている。磁気分離配管10が磁極3,4間にあるときの磁気分離配管9の下部と、磁気分離配管9が磁極3,4間にあるときの磁気分離配管10の下部において、排出管16には、それぞれ排出切替バルブ22,23が設けられている。また、24は磁気分離配管9,10を移動させるための移動機構である。
【0018】
そして、磁気分離配管9,10の切替え操作時には、移動機構24により磁気分離配管9,10を移動させるだけでよく、配管の着脱や繋ぎ替えの必要がないように構成されている。
【0019】
磁気分離配管9,10の内部には、図3、図4に示すように、例えば、粒径が0.1mm~数mmの粒状の磁性金属からなる磁性媒体25が充填され、磁極3,4間の磁場で磁化された磁性媒体25の表面近傍に急峻な磁場勾配が形成されるようになっている。この磁性媒体25は、磁性ステンレス又はニッケルめっきあるいはクロムめっきなどの防錆表面処理が施された鉄鋼からなる。なお、磁性媒体25の形状は特定の形状には限定されず、球状、円柱状、又は棒状などとすることができる。また、磁気分離配管9,10の下部には、磁性媒体25を磁場空間内に支持するための多孔板26が設けられている。
【0020】
つぎに、動作について説明する。
【0021】
磁気分離配管9が磁極3,4間にあるとき、供給切替バルブ18と排水切替バルブ21が開いた状態で、供給管11から磁気分離されるべき磁性物質を含む混合水が磁気分離配管9に供給される。高温超伝導バルク磁石1,2の磁極3,4間の強磁場で磁化された磁性媒体25がその表面近傍に急峻な磁場勾配を作るため、図5に示すように、混合水中の磁性物質Aが磁性媒体25に吸着される。このとき、急峻な磁気勾配により起こる強い磁気力場によって、強磁性粒子ならずとも、弱い磁性しかないような物質でも強く吸着されて磁気分離が効果的に行なわれる。そして、磁気分離配管9を通り過ぎて磁性物質Aが分離された混合水は、排水配管14を通って排水貯槽15に排出される。
【0022】
続いて、ある程度磁性媒体25に磁性物質Aが堆積した後、供給切替バルブ18と排水切替バルブ21が閉じられ、移動機構24によって、磁気分離配管9は磁場の外部に離脱され、その代わりに磁気分離配管10が磁極3,4間に入る。そして、磁気分離配管9の場合と同様にして磁気分離が連続して継続される。
【0023】
磁場の外部に離脱された磁気分離配管9では、洗浄切替バルブ19と排出切替バルブ22が開いた状態で、洗浄管12から圧力をかけたエア、水、温水、有機溶媒などが供給され、吸着された磁性媒体25の表面に堆積した磁性物質Aが効果的に洗浄、除去される。そして、磁性媒体25から離脱した磁性物質Aは、排出管16を通って分離貯槽17に排出される。
【0024】
そして、洗浄切替バルブ19と排出切替バルブ22が閉じられ、移動機構24によって、磁気分離配管9は再び磁極3,4間に入り、磁気分離配管10は、磁場の外部に離脱される。磁場の外部に離脱された磁気分離配管10では、洗浄切替バルブ20と排出切替バルブ23が開いた状態で、洗浄管13から圧力をかけたエア、水、温水、有機溶媒などが供給され、吸着された磁性媒体25の表面に堆積した磁性物質Aが効果的に洗浄、除去される。そして、磁性媒体25から離脱した磁性物質Aは、排出管16を通って分離貯槽17に排出される。そして、洗浄切替バルブ19と排出切替バルブ23が閉じられ、移動機構24によって、磁気分離配管10は再び磁極3,4間に入る。
【0025】
そして、上記の動作が繰り返されることによって、連続的に磁性物質Aの分離が行われる。なお、以上の動作は、磁気分離配管9,10の移動に同期して、供給切替バルブ18、洗浄切替バルブ19,20、排水切替バルブ21、排出切替バルブ22,23の開閉が制御される。
【0026】
なお、磁極3,4を異極とした場合は、図3に示すように、狭い範囲に強磁場の空間が発生する。また、磁極3,4を同極とした場合は、図4に示すように、その磁力線の反発から、広い範囲に磁場勾配が発生する。磁場強度と磁場勾配の両方が磁気力場の要因であるため、いずれも強力な磁気吸着を起こして、有効に磁気分離を行なうことができる。
【0027】
以上のように、本実施例の磁気分離装置は、高温超伝導バルク磁石1,2と、この高温超伝導バルク磁石1,2が発する磁場空間に交替で出入りして配置される複数の磁気分離配管9,10とを備え、前記高温超伝導バルク磁石1,2が発する磁場空間中の前記磁気分離配管9(10)では磁性物質Aの吸着、前記高温超伝導バルク磁石1,2が発する磁場空間外の前記磁気分離配管10(9)では磁性物質Aの離脱が行われるように構成されたものであり、簡単な構成でありながら、装置を停止することなく連続的に磁性物質Aの吸着、分離を交替で行うことができ、安定して高い効率で磁性物質Aを分離することができる。また、本実施例の磁気分離装置は、高温超伝導バルク磁石1,2の強く急峻な磁場によって、磁性の強い物質だけでなく弱い物質に対しても、高い分離性能を有する。
【0028】
また、本実施例の磁気分離装置によれば、前記高温超伝導バルク磁石1,2が複数備えられ、この複数の超伝導バルク磁石1,2の磁極3,4は、相互に対向して設置されたことで、強く急峻な磁場による高い分離性能が得られる。
【0029】
また、本実施例の磁気分離装置によれば、前記磁気分離配管9,10の中に粒状の磁性媒体25が充填されたことで、磁場の変化によって磁性媒体25の充填密度が変わることなく、一定の分離性能を維持しながら、安定して磁性物質Aを分離することができる。
【0030】
また、磁気分離配管9,10の切替え操作時には配管の着脱や繋ぎ替えの必要がないため、混合水が漏れる頻度が低く、信頼性が高い。また、供給切替バルブ18、洗浄切替バルブ19,20、排水切替バルブ21、排出切替バルブ22,23の開閉が制御されることで配管が密閉されるため、有機溶媒を使用した場合、又は減圧下、加圧下などでも安全に利用できる。
【0031】
また、磁気分離配管9,10が磁極3,4に対して移動する構造であるから、磁気分離配管9,10、供給管11、洗浄管12,13、排水管14、排出管16を汚れや劣化のために取り替える必要があるときでも、簡単に取替えができる。したがって、装置の管理維持が容易である。
【0032】
また、高温超伝導バルク磁石1,2から発生する磁場の分布は、その磁極3,4の中央に偏在するため、強磁場で急峻な磁場が得られ、その双方の積で表現される磁気力は超伝導ソレノイド磁石のそれよりも大きい。したがって、磁気分離に最適な磁場の形状となっている。
【0033】
また、高温超伝導バルク磁石1,2から発生する磁場空間は、ソレノイド磁石や永久磁石に比べて狭いため、高い磁気分離効率が得られる上にもれ磁場の発生が少なく、磁場による他の機器への弊害が少ないという利点がある。
【0034】
また、高温超伝導バルク磁石1,2は、ひとたび着磁されると、低温に維持される限り、極低温冷凍機5,6の運転に必要な電力以外には電力の供給は必要なく、きわめて電力消費が少ないという利点がある。
【0035】
また、本実施例の磁気分離装置によれば、強く急峻な磁場を用いた磁気分離を行うため、磁性媒体25の充填密度が低くとも磁性物質Aを十分に分離できる。したがって、磁性媒体25の充填密度を低くして、磁気分離の処理を行うときの圧損を少なくすることができる。このため、大量の処理や高速処理が可能である。
【0036】
さらに、磁性媒体25の充填密度を低くすることで、磁性物質Aの洗浄、除去の際に洗浄管12から供給されるエア、水、温水、有機溶媒などが少量で済むため、簡便に洗浄でき、また、洗浄時に水、温水、有機溶媒などの液体を用いた場合には、高濃度の磁性物質Aを含む液体を得ることができる。
【実施例2】
【0037】
本実施例は、実施例1と磁性媒体の構成のみが異なり、その他の構成は同じである。したがって、実施例1と同様の部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0038】
図6に示すように、本実施例においては、磁性媒体25の表面に非磁性物質による被覆層27が形成されている。
【0039】
この被覆層27を構成する非磁性物質は、磁性媒体25の表面から容易に剥離しないものであればよく、特定のものに限定されない。例えば、非磁性の合成樹脂によって被覆層27を形成することができる。
【0040】
磁性媒体25が互いに接触した場合は、その接点部分から磁束が伝達して、空間に放散する磁力線が減少し、結果的に磁性物質Aを吸着することのできる空間が減る。しかし、本実施例の磁気分離装置によれば、磁性媒体25の表面に非磁性物質による被覆層27が形成されたことで、磁性媒体25の相互間の距離が一定に保たれて磁性媒体25間の急峻な磁場空間が広がるとともに、磁力線が磁性媒体25の相互間に広く分布する。このため、磁性物質Aを吸着することのできる空間が広がり、磁性物質Aの吸着性能が向上する。
【実施例3】
【0041】
本実施例は、図7に示すように、実施例1の構成に加え、磁気分離配管9,10の中に磁性媒体25とともに粒状の非磁性媒体28が充填されたものである。
【0042】
この非磁性媒体28は、特定のものに限定されない。例えば、材質としては、非磁性の金属、ガラス、アルミナなどのセラミックス、合成樹脂などを用いることができ、形状としては、球状、円柱状、棒状、板状、不規則な小片状、フレーク状などの粒状であってもよく、或いは、網状であってもよい。このように、非磁性媒体28は、非磁性であればよく、そのほかには特段の材質や形状が要求されないため、低コストで装置を構成することができ、装置の維持管理も簡便である。
【0043】
本実施例の磁気分離装置によれば、磁気分離配管9,10の中に粒状の非磁性媒体28が磁性媒体25と混合されて充填されたことで、磁性媒体25の相互間の平均距離が拡大して磁性媒体25間の急峻な磁場空間が広がるとともに、磁力線が磁性媒体25の相互間に広く分布する。このため、磁性物質Aを吸着することのできる空間が広がり、磁性物質Aの吸着性能が向上する。
【0044】
なお、本発明の磁気分離装置は上記実施例に限定されるものではなく、例えば、高温超伝導バルク磁石1,2を複数ではなく単数としてもよい。また、磁気分離配管9,10に磁性媒体25を充填しなくとも、磁気分離を行うことができる。また、磁性媒体25から磁性物質を離脱させる際の効率を高めるために、磁気分離配管9,10又は磁性媒体25に振動を与えるように構成してもよい。
【0045】
本発明の磁気分離装置は、磁力による選鉱や分離、水質浄化、分析などに用いることができる。
【実施例4】
【0046】
実施例1の磁気分離装置を用いて、水溶性切削油の廃液を処理したところ、水溶性切削油中の残留油分の約50%が分離除去された。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施例1の磁気分離装置の全体構成を示す正面模式図である。
【図2】本発明の実施例1の磁気分離装置の全体構成を示す平面模式図である。
【図3】本発明の実施例1の磁気分離装置において、磁極が異極に着磁されたときの磁極付近を示す部分拡大模式図である。
【図4】本発明の実施例1の磁気分離装置において、磁極が同極に着磁されたときの磁極付近を示す部分拡大模式図である。
【図5】本発明の実施例1の磁気分離装置において、磁性媒体に磁性物質が吸着された様子を示す模式図である。
【図6】本発明の実施例2の磁気分離装置において、磁性媒体に磁性物質が吸着された様子を示す模式図である。
【図7】本発明の実施例3の磁気分離装置において、磁性媒体に磁性物質が吸着された様子を示す模式図である。
【符号の説明】
【0048】
1,2 高温超伝導バルク磁石
9,10 磁気分離配管
25 磁性媒体
27 被服層
28 非磁性媒体
A 磁性物質
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6