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明細書 :距離測定装置及びその方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4565171号 (P4565171)
公開番号 特開2002-090139 (P2002-090139A)
登録日 平成22年8月13日(2010.8.13)
発行日 平成22年10月20日(2010.10.20)
公開日 平成14年3月27日(2002.3.27)
発明の名称または考案の名称 距離測定装置及びその方法
国際特許分類 G01C   3/06        (2006.01)
G01B  11/00        (2006.01)
G03B  15/00        (2006.01)
G03B  17/00        (2006.01)
FI G01C 3/06 110V
G01B 11/00 B
G03B 15/00 T
G03B 15/00 P
G03B 17/00 B
請求項の数または発明の数 8
全頁数 11
出願番号 特願2000-285573 (P2000-285573)
出願日 平成12年9月20日(2000.9.20)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第1項適用 2000年3月21日電気学会全国大会委員会発行の「平成12年電気学会全国大会講演論文集」に発表
特許法第30条第1項適用 「Proceedings of JUSFA2000,2000 Japan・USA Symposium on Flexible Automation July 23-26,2000-Ann Arbor,Michigan」に発表
特許法第30条第1項適用 2000年9月発行の「平成12年度電気関係学会東海支部連合大会講演論文集」に発表
審査請求日 平成19年3月26日(2007.3.26)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304023318
【氏名又は名称】国立大学法人静岡大学
発明者または考案者 【氏名】橋本 岳
【氏名】安陪 稔
【氏名】山本 茂広
【氏名】熊岡 洋介
個別代理人の代理人 【識別番号】100059225、【弁理士】、【氏名又は名称】蔦田 璋子
【識別番号】100076314、【弁理士】、【氏名又は名称】蔦田 正人
【識別番号】100112612、【弁理士】、【氏名又は名称】中村 哲士
【識別番号】100112623、【弁理士】、【氏名又は名称】富田 克幸
【識別番号】100124707、【弁理士】、【氏名又は名称】夫 世進
審査官 【審査官】須中 栄治
参考文献・文献 実開平05-006306(JP,U)
特開平08-075462(JP,A)
特開平05-107457(JP,A)
特開平07-071940(JP,A)
特開平07-287764(JP,A)
調査した分野 G01C3/00-3/32
G01B11/00-11/30
G06T1/00-1/40
G06T3/00-5/50
G06T9/00-9/40
特許請求の範囲 【請求項1】
対象物を左右一対のカメラでステレオ視して、前記左右一対のカメラの位置と対応した位置から前記対象物までの距離である対象物距離を求める距離測定装置において、前記左右一対のカメラから取得した左右一対の画像に基づいて前記対象物距離を求める距離演算手段と、前記左右一対のカメラを異なる撮影位置に配して左右一対の画像を取得し、その異なる撮影位置毎に前記距離演算手段によって前記対象物距離を求めて、前記左右一対のカメラの撮影位置と前記対象物距離との関係を示す測定データを算出する測定データ算出手段と、前記異なる撮影位置と量子化誤差を含む対象物距離との関係を示すサンプリングデータを予め対象物距離毎に記憶したサンプリングデータ記憶手段と、前記サンプリングデータ記憶手段に記憶したサンプリングデータと、前記測定データ算出手段によって算出した測定データとを比較し、前記測定データに近いサンプリングデータを求め、このサンプリングデータに対応する対象物距離を真の対象物距離として算出するデータ比較手段と、を有することを特徴とする距離測定装置。
【請求項2】
前記データ比較手段において前記サンプリングデータと前記測定データを比較する場合に、前記左右一対のカメラの撮影位置と同じ位置における前記サンプリングデータの対象物距離と前記測定データの対象物距離との差分を求め、その求めた差分が最小になったサンプリングデータを、求めるサンプリングデータとすることを特徴とする請求項1記載の距離測定装置。
【請求項3】
前記測定データ算出手段において前記左右一対のカメラを異なる撮影位置に配して左右一対の画像を取得する場合に、左カメラと右カメラとの距離を一定にしつつ、前記左右一対のカメラを物理的に前記左右一対のカメラから前記対象物への方向と直交する方向に移動させることを特徴とする請求項1記載の距離測定装置。
【請求項4】
前記測定データ算出手段において前記左右一対のカメラを異なる撮影位置に配して左右一対の画像を取得する場合に、複数のカメラを前記左右一対のカメラから前記対象物への方向と直交する方向に並べ、この並べたカメラのうち2個のカメラを用いて前記対象物を撮影し、この撮影した画像が前記直交する方向に移動しつつ撮影した画像となるように、前記複数のカメラで順番に前記対象物を撮影することを特徴とする請求項1記載の距離測定装置。
【請求項5】
対象物を左右一対のカメラでステレオ視して、前記左右一対のカメラの位置と対応した位置から前記対象物までの距離である対象物距離を求める距離測定方法において、前記左右一対のカメラから取得した左右一対の画像に基づいて前記対象物距離を求める距離演算ステップと、前記左右一対のカメラを異なる撮影位置に配して左右一対の画像を取得し、その異なる撮影位置毎に前記距離演算ステップによって前記対象物距離を求めて、前記左右一対のカメラの撮影位置と前記対象物距離との関係を示す測定データを算出する測定データ算出ステップと、前記異なる撮影位置と量子化誤差を含む対象物距離との関係を示すサンプリングデータを予め対象物距離毎に記憶したサンプリングデータ記憶ステップと、前記サンプリングデータ記憶ステップに記憶したサンプリングデータと、前記測定データ算出ステップによって算出した測定データとを比較し、前記測定データに近いサンプリングデータを求め、このサンプリングデータに対応する対象物距離を真の対象物距離として算出するデータ比較ステップと、を有することを特徴とする距離測定方法。
【請求項6】
前記データ比較ステップにおいて前記サンプリングデータと前記測定データを比較する場合に、前記左右一対のカメラの配された撮影位置と同じ位置における前記サンプリングデータの対象物距離と前記測定データの対象物距離との差分を求め、その求めた差分が最小になったサンプリングデータを、求めるサンプリングデータとすることを特徴とする請求項記載の距離測定方法。
【請求項7】
前記測定データ算出ステップにおいて前記左右一対のカメラを異なる撮影位置に配して左右一対の画像を取得する場合に、左カメラと右カメラとの距離を一定にしつつ、前記左右一対のカメラを物理的に前記左右一対のカメラから前記対象物への方向と直交する方向に移動させることを特徴とする請求項記載の距離測定方法。
【請求項8】
前記測定データ算出ステップにおいて前記左右一対のカメラを異なる撮影位置に配して左右一対の画像を取得する場合に、複数のカメラを前記左右一対のカメラから前記対象物への方向と直交する方向に並べ、この並べたカメラのうち2個のカメラを用いて前記対象物を撮影し、この撮影した画像が前記直交する方向に移動しつつ撮影した画像となるように、前記複数のカメラで順番に前記対象物を撮影することを特徴とする請求項記載の距離測定方法。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラを用いてステレオ位置計測を行う場合の距離測定装置及びその方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、左右一対のカメラを用いて対象物を撮影し、この左右一対の画像を三角距離測定法に基づいて対象物までの距離を測定するステレオ位置測定方法が知られている。すなわち、左右一対の画像の中から対象物を特定して対応させ、この左右一対の画像のそれぞれに撮影された対象物の位置を三角測量法に基づいて、両カメラの位置から対象物までの距離を求めるものである。
【0003】
このようなステレオ位置観測方法を行う場合に、一度の観測や一点を対象とした観測の場合には、量子化誤差、すなわちサンプリング誤差が発生し、真の距離を得ることが困難であった。
【0004】
そこで、従来より、図8に示すように、この量子化誤差を最小限に押さえるいわゆる平均法が提案されている(「天井蛍光灯を用いた移動体の位置計測の量子化誤差低減に関する研究」:櫻田他、平成9年電気関係学会関西支部連合大会G2-18(1997))。
【0005】
この平均法は、量子化誤差が真の値の上下にほぼ均等に発生することを着目して提案されたものであり、左右一対のカメラ100,102をX軸方向に移動させ複数回測定する。そして、その測定した結果である距離を平均して、対象物までの真の距離を推定するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような平均法を用いた量子化誤差の低減方法であると、カメラの画素数が高くなければ、高い精度の測定を行うことが困難であった。
【0007】
また、遠距離になればなるほどその精度が低下するという問題点があった。
【0008】
さらに、距離が長くなればなるほど、平均すべきデータが多くなってしまうという問題点もあった。
【0009】
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、カメラの画素数が高くなくても、また、対象物までの距離が遠距離になっても、量子化誤差を低減することができる距離測定装置及びその方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、対象物を左右一対のカメラでステレオ視して、前記左右一対のカメラの位置と対応した位置から前記対象物までの距離である対象物距離を求める距離測定装置において、前記左右一対のカメラから取得した左右一対の画像に基づいて前記対象物距離を求める距離演算手段と、前記左右一対のカメラを異なる撮影位置に配して左右一対の画像を取得し、その異なる撮影位置毎に前記距離演算手段によって前記対象物距離を求めて、前記左右一対のカメラの撮影位置と前記対象物距離との関係を示す測定データを算出する測定データ算出手段と、前記異なる撮影位置と量子化誤差を含む対象物距離との関係を示すサンプリングデータを予め対象物距離毎に記憶したサンプリングデータ記憶手段と、前記サンプリングデータ記憶手段に記憶したサンプリングデータと、前記測定データ算出手段によって算出した測定データとを比較し、前記測定データに近いサンプリングデータを求め、このサンプリングデータに対応する対象物距離を真の対象物距離として算出するデータ比較手段と、を有することを特徴とする距離測定装置である。
【0011】
請求項2の発明は、前記データ比較手段において前記サンプリングデータと前記測定データを比較する場合に、前記左右一対のカメラの撮影位置と同じ位置における前記サンプリングデータの対象物距離と前記測定データの対象物距離との差分を求め、その求めた差分が最小になったサンプリングデータを、求めるサンプリングデータとすることを特徴とする請求項1記載の距離測定装置である。
【0012】
請求項3の発明は、前記測定データ算出手段において前記左右一対のカメラを異なる撮影位置に配して左右一対の画像を取得する場合に、左カメラと右カメラとの距離を一定にしつつ、前記左右一対のカメラを物理的に前記左右一対のカメラから前記対象物への方向と直交する方向に移動させることを特徴とする請求項1記載の距離測定装置である。
【0013】
請求項4の発明は、前記測定データ算出手段において前記左右一対のカメラを異なる撮影位置に配して左右一対の画像を取得する場合に、複数のカメラを前記左右一対のカメラから前記対象物への方向と直交する方向に並べ、この並べたカメラのうち2個のカメラを用いて前記対象物を撮影し、この撮影した画像が前記直交する方向に移動しつつ撮影した画像となるように、前記複数のカメラで順番に前記対象物を撮影することを特徴とする請求項1記載の距離測定装置である。
【0014】
請求項5の発明は、対象物を左右一対のカメラでステレオ視して、前記左右一対のカメラの位置と対応した位置から前記対象物までの距離である対象物距離を求める距離測定方法において、前記左右一対のカメラから取得した左右一対の画像に基づいて前記対象物距離を求める距離演算ステップと、前記左右一対のカメラを異なる撮影位置に配して左右一対の画像を取得し、その異なる撮影位置毎に前記距離演算ステップによって前記対象物距離を求めて、前記左右一対のカメラの撮影位置と前記対象物距離との関係を示す測定データを算出する測定データ算出ステップと、前記異なる撮影位置と量子化誤差を含む対象物距離との関係を示すサンプリングデータを予め対象物距離毎に記憶したサンプリングデータ記憶ステップと、前記サンプリングデータ記憶ステップに記憶したサンプリングデータと、前記測定データ算出ステップによって算出した測定データとを比較し、前記測定データに近いサンプリングデータを求め、このサンプリングデータに対応する対象物距離を真の対象物距離として算出するデータ比較ステップと、を有することを特徴とする距離測定方法である。
【0015】
請求項6の発明は、前記データ比較ステップにおいて前記サンプリングデータと前記測定データを比較する場合に、前記左右一対のカメラの配された撮影位置と同じ位置における前記サンプリングデータの対象物距離と前記測定データの対象物距離との差分を求め、その求めた差分が最小になったサンプリングデータを、求めるサンプリングデータとすることを特徴とする請求項記載の距離測定方法である。
【0016】
請求項7の発明は、前記測定データ算出ステップにおいて前記左右一対のカメラを異なる撮影位置に配して左右一対の画像を取得する場合に、左カメラと右カメラとの距離を一定にしつつ、前記左右一対のカメラを物理的に前記左右一対のカメラから前記対象物への方向と直交する方向に移動させることを特徴とする請求項記載の距離測定方法である。
【0017】
請求項8の発明は、前記測定データ算出ステップにおいて前記左右一対のカメラを異なる撮影位置に配して左右一対の画像を取得する場合に、複数のカメラを前記左右一対のカメラから前記対象物への方向と直交する方向に並べ、この並べたカメラのうち2個のカメラを用いて前記対象物を撮影し、この撮影した画像が前記直交する方向に移動しつつ撮影した画像となるように、前記複数のカメラで順番に前記対象物を撮影することを特徴とする請求項記載の距離測定方法である。
【0018】
【作 用】
本発明は、対象物を左右一対のカメラでステレオ視して、左右一対のカメラの位置から対象物までの距離である対象物距離を求めるものである。
【0019】
そのために、左右一対のカメラを異なる撮影位置に配し、左右一対の画像を取得し、その撮影位置毎に対象物距離を求める。そして、左右一対のカメラの異なる撮影位置と対象物距離との関係を示す測定データを算出する。
【0020】
一方、異なる撮影位置と量子化誤差を含む対象物距離との関係を示すサンプリングデータを予め対象物距離毎に記憶させておく。
【0021】
そして、この記憶したサンプリングデータと前記算出した測定データとを比較し、測定データに近いサンプリングデータを求める。この求めたサンプリングデータに対応する対象物距離を真の対象物距離として算出する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を示す距離測定装置10について、図1~図5に基づいて説明する。
【0023】
図1は、距離測定装置10のブロック図を示すものであり、以下この図1に基づいてその構成について説明する。
【0024】
距離測定装置10は、左カメラ12Lと左画像専用の画像入力部14Lを有し、また、右カメラ12Rと右画像専用の画像入力部14Rを有し、また、距離演算部16と、比較部18と、記憶部20と、出力部22を有する。
【0025】
図2は、距離測定装置10における左右一対のカメラ12R,12Lで対象物Pを測定する場合の位置関係を示した図面である。
【0026】
図2に示すように、左右一対のカメラ12R,12Lからy方向に位置する対象物Pをステレオ視している。この左右一対のカメラ12R,12Lの距離Aは一定であり、本実施例では左右一対のカメラ12R,12Lは、x軸方向に移動可能となっている。
【0027】
また、本実施例における対象物距離Qとは、左右一対のカメラ12R,12Lの中間の位置Oから対象物Pまでの距離をいう。
【0028】
上記構成の距離測定装置10によって、従来技術で説明した量子化誤差を低減させた対象物距離Qを求める方法について図3のフローチャートに基づいて説明する。
【0029】
ステップ1において、左右一対のカメラ12R,12Lを用いて画像入力部14R,14Lに左右一対の画像を入力する。この場合に、左右一対のカメラ12R,12Lの位置は、x軸方向において初期位置(0の位置)に停止させて対象物Pを測定する。
【0030】
ステップ2において、距離演算部16が、画像入力部14R,14Lに入力した左右一対の画像を用いて対象物距離Qを演算する。この演算方法は、左右一対の画像からそれぞれ対象物Pを特定して対応させ、左右一対のカメラ12R,12Lの距離Aを用いて三角測量法によって対象物距離Qを求める。なお、この対象物距離Qには、従来技術で説明したような量子化誤差が含まれている。
【0031】
ステップ3において、量子化誤差を減少させるために必要な測定データ(このデータについては後から説明する)が取得されたか否かを判断し、取得されていればステップ5に進み、取得されていなければステップ4に進む。
【0032】
ステップ4においては、左右一対のカメラ12R,12Lをx軸方向の正方向に所定距離移動させる。そして、この所定距離移動させた後停止させて、ステップ1~ステップ3を繰り返して対象物距離Qを演算する。
【0033】
以上のようにして、左右一対のカメラ12R,12Lを移動させて、図5に示すような測定データを作成する。図5に示す測定データの縦軸は量子化誤差によって変動している対象物距離Qの位置を示し、横軸は左右一対のカメラ12R,12Lの移動した距離を示している。すなわち、この測定データは各左右一対のカメラ12R,12Lの移動した場所における対象物距離Qの変動を表している。
【0034】
ステップ5においては、比較部18において上記のようにして測定した測定データと記憶部20に記憶されているサンプリングデータとを比較する。
【0035】
この記憶部20で記憶されているサンプリングデータとは、予め判明している対象物距離における量子化誤差の変動をデータとして記憶しているものであり、図4に示すような内容である。
【0036】
すなわち、図4の上図のサンプリングデータ(1)においては、対象物距離が5mにおける左右一対のカメラ12R,12Lの移動距離と、対象物距離Qの量子化誤差による変動をサンプルした二次元データである。また、図4の下図のサンプリングデータ(2)は対象物距離が10mにおける関係を示したものである。そして、記憶部20には、このサンプリングデータは対象物距離が例えば2.0cm毎にこの二次元のサンプリングデータが記憶されているものとする。
【0037】
そして、比較部18では、測定データとサンプリングデータとを比較し、最も測定データに近いサンプリングデータに対応する対象物距離を、真の対象物距離とするものである。すなわち、量子化誤差は、左右一対のカメラ12R,12Lの移動距離と対象物距離との関係によりある規則的な発生を示すものであるため、その規則性に基づいて測定データに最も近い規則性を示すサンプリングデータを選ぶことにより、真の対象物距離が判明するものである。例えば、図5の測定データの場合には、図4の下図の対象物距離が10mのサンプリングデータが最も近いと考えられるため、この真の対象物距離は10mと考えられる。
【0038】
測定データとサンプリングデータとを比較する場合には、左右一対のカメラ12R,12Lの移動距離を合致させ、同じ移動距離(同じ画像座標)における対象物距離を比較して差分を取り、この差分が最も小さいものが一番近いサンプリングデータと判断する。
【0039】
ステップ6において、上記のようにして求めた真の対象物距離を最も正確で量子化誤差が減少された対象物距離として出力する。
【0040】
以上により本実施例の距離測定装置であると、予め記憶させている量子化誤差のサンプリングデータと測定データとを比較することにより、真の対象物距離を正確に求めることができる。この場合に、撮影に用いるカメラは、従来のような高画素のものでなくても、サーモカメラのような低い画素数のものであってもその位置を正確に判別することができ、また、遠距離の対象物であっても正確に測定することができる。
【0041】
この移動距離測定装置10の適用できるものとしては、移動体の位置計測、ITS、自動車間の位置計測、またはマニプレータの位置計測等であり、その他に広く適用することが可能である。
【0042】
なお、実際に上記方法で実施する場合に、対応点誤差やノイズが発生する可能性があるが、この対策としては、サンプリングデータを作成する場合に、これら誤差要因を考慮して作成する。例えば、実際の距離(位置)計測条件においてサンプリングデータを作成することで、これら誤差の影響を含んだサンプリングデータを作ることができる。
【0043】
また、対応点誤差を抑える方法として、対象物Pとして、発光体(明るさが目印)、特別な色(色が目印)、特異な形状(形状が特徴的)等を用いることによって抑えることができる。特に、発光体は背景からのコントラストが高いために有効である。また、発光体は部屋や工場において既設である。さらに、自動車間の距離を求める場合には、前の車のブレーキランプやテールランプを使用することができる。
【0044】
(変更例1)
本実施例の変更例1について図6に基づいて説明する。
【0045】
上記実施例では左右一対のカメラ12R,12Lを移動させつつ対象物Pを測定したが、これに代えて図6に示すように複数のカメラ12をx軸方向と平行に順番に並べ、左から順番にステレオ視をしつつ2個のカメラで対象物Pを撮影するものである。
【0046】
この変更例であっても、実質的には左右一対の画像は左右一対のカメラを移動させつつ撮影したような状態となることができ、上記実施例の量子化誤差を減少させる方法を適用することができる。
【0047】
特に、本発明では、安価で低い画素数のカメラを用いることができるため、自動車間の計測においてはこの低い画素数のカメラを複数個並べることにより、カメラを移動させないでステレオ視を行うことが可能となる。
【0048】
(変更例2)
本実施例の変更例2について図7に基づいて説明する。
【0049】
上記実施例では左右一対のカメラ12R,12Lを視線方向に沿って切断した平面、すなわち、二次元で説明したが、図7に示すように三次元であってもよい。
【0050】
この場合には、左右のカメラ12R,12Lをx軸方向に移動させ、z軸方向、すなわち、高さ(図中では対象物高さ)を対象物距離Hとして求める。
【0051】
そして、x、y軸方向の水平距離は、本方法で求めた高さと左右のカメラ12R,12Lの視線の交点の平均値を、求める水平距離とする。
【0052】
【発明の効果】
以上により本発明であると、量子化誤差を減少させて正確な対象物距離を求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す距離測定装置のブロック図である。
【図2】左右一対のカメラと対象物との関係を示す図面である。
【図3】対象物距離を求めるフローチャートである。
【図4】サンプリングデータを示すグラフの図である。
【図5】測定データを示すグラフの図である。
【図6】変更例1のカメラの配置を示した説明図である。
【図7】変更例2のカメラの配置を示した説明図である。
【図8】従来の平均法における説明図である。
【符号の説明】
10 距離測定装置
12 カメラ
14 画像入力部
16 距離演算部
18 比較部
20 記憶部
22 出力部
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7