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明細書 :低密度木材を活用できる木質構造材を用いた接続構造、並びにこの接続構造を用いた構造体、並びにこの接続構造の形成方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4876255号 (P4876255)
公開番号 特開2008-126547 (P2008-126547A)
登録日 平成23年12月9日(2011.12.9)
発行日 平成24年2月15日(2012.2.15)
公開日 平成20年6月5日(2008.6.5)
発明の名称または考案の名称 低密度木材を活用できる木質構造材を用いた接続構造、並びにこの接続構造を用いた構造体、並びにこの接続構造の形成方法
国際特許分類 B27M   3/00        (2006.01)
B32B  21/13        (2006.01)
FI B27M 3/00 ZABC
B27M 3/00 E
B32B 21/13
請求項の数または発明の数 9
全頁数 13
出願番号 特願2006-314869 (P2006-314869)
出願日 平成18年11月21日(2006.11.21)
審査請求日 平成21年10月15日(2009.10.15)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304023318
【氏名又は名称】国立大学法人静岡大学
発明者または考案者 【氏名】鈴木 滋彦
【氏名】野木村 敦史
個別代理人の代理人 【識別番号】100086438、【弁理士】、【氏名又は名称】東山 喬彦
審査官 【審査官】竹中 靖典
参考文献・文献 実開平05-058206(JP,U)
特開平10-061091(JP,A)
実開昭61-008236(JP,U)
特開平09-314518(JP,A)
特開2004-168531(JP,A)
実開昭57-106935(JP,U)
調査した分野 B27M 3/00
B32B 21/13
特許請求の範囲 【請求項1】
低密度木材を芯材とし、この芯材の少なくとも対向する2面に芯材より強度の大きな素材を適用した表殻材を積層固着させて成る木質構造材が、2要素以上組み合わされる接続部の構造であって、この接続部の構造は各構造材要素が互いに入れ組み状態とされ、各構造材要素における表殻材同士が面接触を保ちながら固定されていることを特徴とする低密度木材を活用できる木質構造材を用いた接続構造。
【請求項2】
木質構造材における芯材と表殻材とは、無垢状または合板状の木質材が適用されることを特徴とする請求項1記載の低密度木材を活用できる木質構造材を用いた接続構造
【請求項3】
前記木質構造材における芯材と表殻材とは、同一又は異なる樹種が適用され、表殻材は二次処理により、高密度化されたものが適用されることを特徴とする請求項1記載の低密度木材を活用できる木質構造材を用いた接続構造
【請求項4】
前記木質構造材における表殻材は、非木質素材が適用されることを特徴とする請求項1記載の低密度木材を活用できる木質構造材を用いた接続構造
【請求項5】
前記木質構造材における表殻材の厚さ寸法は、芯材の厚さ寸法の30%以下であることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の低密度木材を活用できる木質構造材を用いた接続構造
【請求項6】
前記組み合わせられる木質構造材は、その一方の構造材要素については、その厚み寸法を大きくした太寸材としたものであり、他方の構造材要素についてはその厚み寸法を小さくした細寸材とすると共に、太寸材における芯材の厚み寸法を細寸材の厚み寸法と合致させ、太寸材の芯材に形成した接続用受入部に、細寸材が嵌まり込んだ状態で、各構造材要素における表殻材同士が面接触を保ちながら固定されていることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の低密度木材を活用できる木質構造材を用いた接続構造。
【請求項7】
前記太寸材に対し、細寸材を合流接続させるにあたっては、太寸材の接続用受入部は、側端面まで貫かないように形成されていることを特徴とする請求項記載の低密度木材を活用できる木質構造材を用いた接続構造。
【請求項8】
前記請求項6または7に記載された太寸材に細寸材を接続させるにあたっては、太寸材は少なくとも一方の面の表殻板を芯材に対し未接合とし、この状態で芯材には細寸材を嵌め込む接続用受入部を確保し、この受入部に細寸材を嵌め込んだのち、未接合の太寸材の表殻材を芯材上に積層接着させて接続することを特徴とする低密度木材を活用できる木質構造材を用いた接続構造の形成方法。
【請求項9】
前記請求項1、2、3、4、5、6または7記載の低密度木材を活用できる木質構造材を用いた接続構造が適用される製品は、椅子、机、棚、建具を含む複数種類の家具であることを特徴とする低密度木材を活用できる木質構造材の接続構造を用いた構造体。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、強度面で一定の限界がある低密度木材を使用しながらも、充分な強度を発揮できるように活用の途を広げた低密度木材を活用できる木質構造材を用いた接続構造、並びにこの接続構造を用いた構造体、並びにこの接続構造の形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば桐材等の低密度の木材は一般的に低強度というネガティブな性能の反面、多くの利点を有することから、箪笥を代表とした木製家具等に多く用いられている。具体的な利点としては、まず軽量であり、家具等としての取り扱いが行い易いこと、またその木肌の感触等を含めて感覚的に暖かさを感じさせること、更にまた低密度であることのひとつの形態として多孔質であり、吸湿性、保水性があることから、火災発生時等に消火水をひとたび掛けられれば、極めて燃えにくくなり、収容品の保護に威力を発揮する点が挙げられる。更に加えて、この種の低密度木材は、樹木としての成長が早く、製品寸法に至る年月が短いことから結果的には、自然環境面での負荷が少ないという利点をもたらしている。
しかしながら、このような低密度木材は、前述のとおり強度的には充分ではなく、特に局部的に強度を求められる接続部位等には、使用することができない。例えば、木質材料相互の接続手法は、例えばダボ等を介在させた接続構造や、ホゾ組み等による接続構造が一般的であるが、素材そのものが低密度であって充分な機械強度を備えていない場合には、このような手法は採り得ることができない。
もちろん理屈の上では、寸法的に強度を発揮できる仕様とすることにより、低密度素材による構造体の実現は可能ではあるものの、現実的には鑑賞に耐えられないいわゆる不格好な製品となり、市場での評価を得ることは難しい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、このような背景を考慮してなされたものであって、あくまで低密度木材の良さを発現しながら、負荷がかかる構造体であっても充分耐用できる低密度木材を活用できる木質構造材を用いた接続構造、並びにこの接続構造を用いた構造体、並びにこの接続構造の形成方法を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1記載の低密度木材を活用できる木質構造を用いた接続構造は、低密度木材を芯材とし、この芯材の少なくとも対向する2面に芯材より強度の大きな素材を適用した表殻材を積層固着させて成る木質構造材が、2要素以上組み合わされる接続部の構造であって、この接続部の構造は各構造材要素が互いに入れ組み状態とされ、各構造材要素における表殻材同士が面接触を保ちながら固定されていることを特徴として成るものである。
【0005】
請求項2記載の低密度木材を活用できる木質構造材を用いた接続構造は、前記請求項1記載の要件に加え、木質構造材における芯材と表殻材とは、無垢状または合板状の木質材が適用されることを特徴として成るものである。
【0006】
請求項3記載の低密度木材を活用できる木質構造材を用いた接続構造は、前記請求項1記載の要件に加え、前記木質構造材における芯材と表殻材とは、同一又は異なる樹種が適用され、表殻材は二次処理により、高密度化されたものが適用されることを特徴として成るものである。
【0007】
請求項4記載の低密度木材を活用できる木質構造材を用いた接続構造は、前記請求項1記載の要件に加え、前記木質構造材における表殻材は、非木質素材が適用されることを特徴として成るものである。
【0008】
請求項5記載の低密度木材を活用できる木質構造材を用いた接続構造は、前記請求項1、2、3または4記載の要件に加え、前記木質構造材における表殻材の厚さ寸法は、芯材の厚さ寸法の30%以下であることを特徴として成るものである。
【0009】
請求項6記載の低密度木材を活用できる木質構造材を用いた接続構造は、前記請求項1、2、3、4または5記載の要件に加え、前記組み合わせられる木質構造材は、その一方の構造材要素については、その厚み寸法を大きくした太寸材としたものであり、他方の構造材要素についてはその厚み寸法を小さくした細寸材とすると共に、太寸材における芯材の厚み寸法を細寸材の厚み寸法と合致させ、太寸材の芯材に形成した接続用受入部に、細寸材が嵌まり込んだ状態で、各構造材要素における表殻材同士が面接触を保ちながら固定されていることを特徴として成るものである。
【0010】
請求項7記載の低密度木材を活用できる木質構造材を用いた接続構造は、前記請求項記載の要件に加え、前記太寸材に対し、細寸材を合流接続させるにあたっては、太寸材の接続用受入部は、側端面まで貫かないように形成されていることを特徴として成るものである。
【0011】
請求項8記載の低密度木材を活用できる木質構造材を用いた接続構造の形成方法は、前記請求項6または7に記載された太寸材に細寸材を接続させるにあたっては、太寸材は少なくとも一方の面の表殻板を芯材に対し未接合とし、この状態で芯材には細寸材を嵌め込む接続用受入部を確保し、この受入部に細寸材を嵌め込んだのち、未接合の太寸材の表殻材を芯材上に積層接着させて接続することを特徴として成るものである。
【0012】
請求項9記載の低密度木材を活用できる木質構造材の接続構造を用いた構造体は、前記請求項1、2、3、4、5、6または7記載の低密度木材を活用できる木質構造材を用いた接続構造が適用される製品は、椅子、机、棚、建具を含む複数種類の家具であることを特徴として成るものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1、2、3記載の発明によれば、表殻材によって強度面で充分な性能を発揮するとともに低密度の木材を適用した芯材により、全体として軽量であり、加えて木質素材としての柔らかさ、暖かさを感取させる木質構造体材が得られることができ、且つ互いに接続される構造材要素がそれらの表殻材において充分広い面で接合しているから、接続部において充分な強度を発揮することができる。また表殻材については、高級材、貴重材も適用でき、結果的に高級感のある木質構造材とすることができる。
【0014】
請求項4記載の発明によれば、表殻材が非木質材であるアルミ板、FRP板、アクリル板等の合成樹脂板等が適用でき、更にデザイン的、機能的な面での豊富化が図り得る。
【0015】
請求項5記載の発明によれば、表殻材の厚さは、芯材の厚さに比べて十分に薄いものであって、あくまでも芯材が主体となって、その良さを発揮することができる。
【0016】
請求項記載の発明によれば、構造要素を太寸材と細寸材との少なくとも2種のサイズのものを用意し、これらを組み合わせて接続構造を得たものであり、より合理的な接続態様が得られる。
【0017】
請求項記載の発明によれば、接続部位において、いわば内嵌めされる細寸材は、その端面を露出させない状態に組み合わせるものであり、美観上好ましい仕上がりが得られる。
【0018】
請求項記載の発明によれば、接続構造を得るに当り、合理的に組み立てができ、且つ仕上がりの強度を充分に得ることができる。
【0019】
請求項記載の発明によれば、各種の家具等に応用でき、それらに新規なデザイン、構造のものを生み出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明を実施するための最良の形態は、以下述べる実施例をその一つとするものであると共に、この技術思想に基づく種々の改良した実施例も含まれるものである。
【実施例】
【0021】
以下、本発明を図示の実施例に基づいて具体的に説明する。
本発明に用いられる木質構造材1、並びこれを用いた接続構造2、並びに接続構造を具えた構造体3、並びにこの接続構造体の製造方法に関しては、図1に示すような応用対象の一例である椅子30を例に以下説明し、接続構造の形成方法についても接続構造2の組み立て順序を追いながら実質的に説明する。
【0022】
まず本発明に用いられる木質構造材1について説明する。このものは、接続構造2を構成する場合に当然二つ以上の要素が組み合わされるものであり、これを構造材要素10として説明すると共に、更に後述するように断面寸法が相違する場合において太寸材10Aと、細寸材10Bとして区別して説明する。
【0023】
木質構造材1は、芯材11と、表殻材12とを主要部材としている。芯材11は、低密度木材が適用されるものであって、例えば桐材、バルサ材、杉、ペルポック等を用いる。この芯材11は、典型な実施例としては、断面矩形状の杆状部材であり、その対向する2面(図に示すものは長面側)に、表殻材12を積層するように貼り付けるものである。この表殻材12は、芯材11に比較して充分大きな機械的強度を有する材料であり、例えば、ブラックウォールナット、ブラックチェリー、メイプル、カリン、エボニー(黒檀)、ローズウッド(紫檀)、マホガニー等の木質材料が用いられる。
【0024】
そして両者の寸法設定は、例えば太寸材10Aの場合、厚み寸法Dの方向で見ると、表殻材12があくまで芯材11の特性を損なわない範囲の厚み寸法に設定されるべきであるから、例えば芯材11の厚み寸法D1 に対し、表殻材12の厚み寸法D2 は、その30%以下であることが好ましい。
ここで厚み方向、厚み寸法Dとは、芯材11に対して表殻材12が積層される方向の寸法をいい、その方向を示すときは厚み方向という。なお表殻材12が貼り付けられる面の寸法を幅寸法Wといい、その方向を示すときは、幅方向という。
具体的には、例えば構造体3として椅子30を想定した場合、太寸材10Aにあっては、芯材11の厚み寸法が18mmであって、表殻材12の寸法が3mmであり、また細寸材10Bにあっては、芯材11の厚み寸法が12mmであって、表殻材12の寸法が3mmである。
【0025】
次に本発明に係る構造材要素10の接続構造並びに、その接続構造の形成方法について説明する。図1、2、3、4に示すように、まず構造材要素10は、例えば太寸材10Aについては、接続用受入部21を太寸材10Aおける芯材11を除去するようにして確保し、更に一方の面を構成する表殻材12については、未接着の状態としておく。
一方、この接続用受入部21に対し、細寸材10Bをあてがうように嵌め込む。この状態で、細寸材10Bにおける下面になった表殻材12の外側面と、これに接する太寸材10Aの表殻材12の内側との間、及び接続用受入部21の切り取られた内端面と細寸材10Bの厚み方向端面との間、更に太寸材10Aの一体化されていなかった一方の表殻材12と太寸材10Aの露出した芯材11の表面との間、更にまた、組み付けられていない太寸材10Aにおける表殻材12の内側面と細寸材10Bの接続部位における表殻材12の上面との間、即ちそれぞれ素材同士が接触する部位に接着剤を充分塗布した上で、これらを治具等の介在により組み付けたのち、プレスして圧着し、接続構造2を完成させる。もちろんこの組み立てに当たっては、図5に示すようにすべての構成素材が未接着のものを出発状態として、これらを一例として熱接着させ一体化するようにしてもよい。
【0026】
そして、このような接続構造2は、例えば構造体3の一例である椅子30における脚柱31と座面梁32との接合部に適用され、更に左右の脚柱31は、更にいわゆる貫材等と称されている横梁材33により組み付けられて、椅子30の骨格部材を構成している。因みに脚柱31については、使用場所が水気のある場所等の場合、脚柱31の下端部から水分の吸い易いことから、防水機能を発揮するカバーを被せたり、部分的に樹脂含浸させて撥水性を付与する等の対策を採ることが好ましい。このような骨格部材に対し座面34と、背もたれ35とが組み付けられて椅子30としての形状を形成する。このような接続構造2については、構造材要素10が交差あるいは合流接続する部位において、この椅子30に見られるように意匠的な効果を狙って、幾分湾曲面Rを形成するように、ルーター等により化粧加工することも可能である(図1(c)参照)。
【0027】
加えてこの椅子30については、意匠上の要請から例えば脚柱31を太寸材10Aで構成し、座面梁32を細寸材10Bで構成し、これらの接続部分においては、図1(c)(d)に示すように接続用受入部21を太寸材10Aの芯材11の端面まで形成させず、脚柱31を芯材11の露見面から見ると、座面梁32を形成する細寸材10Bの端面が露見できないような構成をとっている。
【0028】
このような構成の時には、強度メンバとして重要な働きを奏する表殻材12同士が接続されるものであり、且つそれは、互いに充分な接触面積を確保でき、安定的な剛構造が提供される。
なお構造体3の一例である図1に示す椅子30は、前記座面34及び背もたれ35については、図1(e)(f)に示すように着座者との接触面は、その接触時の感触を良くするために低密度木材を適用し、一方の他面のみ高密度の表殻材12を貼り付けたものであり、これらをプレス成形により、幾分か湾曲するような形状としたものを適用している。
【0029】
因みに前記脚柱31と、横梁材33との接続形態については、図1(g)に示すように、横梁材33は、その表殻材12の側面と、上下端面を幾分か削り込んで嵌込部21aを形成し、一方脚柱31は、嵌込部21aの厚み寸法分、幅寸法分のホゾ穴状の嵌込孔21bを外面側外殻板内側まで形成し、両者を嵌込固定するものである。このとき、横梁材33における嵌込部21a端部の段差部21cが、脚柱31の表殻材12の外面に接することにより、この接続部における強度が充分得られる。
【0030】
なおこの実施例における椅子は、「木製家具品質基準(消費者サービス制度(mマーク制度) )脚部家具3-3繰り返し衝撃試験」に準じて下記のとおり行った試験により、破損、変形は見られなかった。
具体的には、座面に60Kgの荷重を与え、後脚柱下端を接地させたままとする一方、前脚柱を30mm引き上げ、これを落下させることを繰り返す試験であって、繰り返し速度は毎分25回、繰り返し回数は4000回で行った。
【0031】
〔他の実施例〕
本発明は以上述べた実施の形態を一つの基本的な技術思想とするものであるが、更に次のような改変が可能である。
【0032】
〔木質構造材1に関する他の実施例について〕
まず木質構造材1自体の変形例としては、既に述べた実施例は、芯材11として無垢材の低密度木材を用い、表殻材12については、それとは異なる樹種の高密度の木質素材を用いたものであるが、適宜に異ならせることができる。
芯材11については、図6に示すように必ずしも、無垢材で構成する必要はなく、これらについては適宜の板厚の素材を集成して用いることが可能である。この実施例では、更に中心部を空間状に形成しており、これを電気配線等に用いるユーティリティスペース24として用いることができるようにしたものである。
【0033】
また芯材11の形状については、先に述べた実施例は断面矩形状であったが、例えば図7(a)(b)に示すように端面が、湾曲した長円状等に形成されたものであっても差し支えない。その場合であっても同図7(b)は、芯材11の厚み方向側胴部を凹陥させ、ここに表殻材12を貼り付けたような形状としている。なお、このように木質構造材1のコーナー部を湾曲断面とするに当り、前述のように表殻材12を凹陥部に嵌め込むほか、図7(c)に示すように表殻材12の端縁部を湾曲断面の一部に含むように形成してもよい。
更にまた図8(a)に示す実施例は、前記図7(b)の考え方を発展させ、芯材11に表殻材12の嵌め込み凹溝11aを複数筋形成し、帯状の表殻材12を貼り付けるようにしたものである。更に図8(b)に示すものは、芯材11について、これを連続した杆状とせず、分断してブロックを連続させたような形態としたものである。
【0034】
一方表殻材12については、異樹種の木質素材を用いるほか同種の木材を用い、これを例えば二次処理により圧縮処理して高密度化処理を行い、表殻材12として用いることができる。また同種又は異種の低密度木質素材を適用する場合においては、二次処理として更に例えば合成樹脂等を含浸させ、高密度化して用いることももとより可能である。
【0035】
加えて表殻材12にあっては、素材は必ずしも木質素材に限られるものではなく、強化プラスチック、アルミニウムの単体素材、アクリル板、あるいは、これらと板紙素材等とを複合させたものなどを適宜用いることができる。
また表殻材12については、既に述べた実施例では、両側のものがそれぞれ同厚のものを図示しているが、図9に示すように、それぞれの厚みが異なっているものであって差し支えない。
【0036】
更に、芯材11と表殻材12との組み合わせ手法についても、例えば接合面を平坦にするほか、図10に示すように例えば構造体3の長手方向に沿った、凹凸の筋によって構成される接合強化構造13を採用し、その接続をより確実にすることも可能である。
もちろんこのような場合には、先に図1、2等で述べたような接続構造2を構成する場合には、例えば太寸材10Aにあっては、その表殻材12の内側に形成されている、接合強化構造13の凹凸筋を除去し、図10(b)に示すように平板状として接続用受入部21を形成するようにすることが必要である。
【0037】
〔接続構造2に関する他の実施例について〕
次に接続構造2における種々のバリエーションについて説明する。
まず先に述べた基本的な実施例については、太寸材10Aと細寸材10Bとの組み合わせであったが、例えば同じ仕様の構造材要素10同士を接続させることもできる。この接続に当たっては、図11に示すように両者の中心C12 がずれるように、いわば互い違いに接合するものである。
【0038】
更に、図12に示すものは、2本の構造材要素10が互いに接続されるにあたり、それぞれが直接されるのではなく、別途形成したジョイントピース22を介して接続させることも可能である。
例えばジョイントピース22については、全体としてT字状、L字状、あるいは十字状となるような芯材11と表殻材12との組み合わせにより構成したものであり、例えばこの厚み寸法Dを細寸材10Bの寸法に設定しておき、これに太寸材10Aをそれぞれ嵌め込むようにして、二本の構造材要素10を接続するようにしたものである。
また各構造材要素10の側面がフラットに接続されるようにするための手法としては、図13(a)に示すように、一方の構造材要素10については、表殻材12を厚肉としておき、ここに全幅を薄くするような段差加工を施すことも可能である。
【0039】
また図13(b)に示す実施例は、強度的な要求が厳しい場合に、構造材要素10の接続構造2を並設するようにして、強度を維持するようにしたものである。
また更に図14に示す実施例は、接続構造2において、接着等を用いず、接続角度を調整し得るようにしたものであり、例えば太寸材10Aの上部の芯材11を除去し、ここに細寸材10Bを内嵌めし、両者をボルト締め等を行うクランプ23により固定するものである。このものは、後に述べる電気スタンド38に適用することが可能である。
【0040】
〔構造体3に関する他の実施例について〕
更に構造体3たる製品についての応用例について説明する。
既に述べた実施例は、椅子30として適用したものであるが、図15(a)に示すように机36ないしはスツール等に用いることができる。
また図15(b)に示すような棚37、更には図15(c)に示すように電気スタンド38等に用いることができる。なお既に述べたように電気スタンド38に適用するにあたり、例えば接続構造2として角度屈曲自在の接続構造2を取り入れたり、更には構造材要素10の芯材11として複合材を用いて、中心部の空間をユーティリティスペース24として用いて配線L等を通すことが可能である。
また更に図15(d)に示すような障子等の建具39に適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明に用いられる低密度木材を活用できる木質構造材、並びにこれを用いた本発明に係る接続構造、並びにこの接続構造を用いた構造体を示すものであって、構造体の一例である椅子の斜視図、並びにそれらの部分の拡大図である。
【図2】本発明に用いられる低密度木材を活用できる木質構造材、並びにこれを用いた本発明に係る接続構造を示す斜視図である。
【図3】本発明に用いられる低密度木材を活用できる木質構造材の異なる要素を示す説明図である。
【図4】本発明の低密度木材を活用できる木質構造材を用いた接続構造の形成方法を示す斜視図である。
【図5】同上、更に他の形成方法を示す斜視図である。
【図6】本発明に用いられる低密度木材を活用できる木質構造材の他の実施例を示す斜視図である。
【図7】同上、更に他の実施例を示す断面図である。
【図8】同上、更に他の実施例を示す斜視図である。
【図9】同上、更に他の実施例を示す斜視図である。
【図10】同上、更に他の実施例を示す斜視図である。
【図11】本発明の低密度木材を活用できる木質構造材を用いた接続構造の他の実施例を示す斜視図である。
【図12】同上、更に他の実施例を示す斜視図である。
【図13】同上、更に他の実施例を示す斜視図である。
【図14】同上、更に他の実施例を示す斜視図である。
【図15】本発明の低密度木材を活用できる木質構造材の接続構造を用いた構造体の種々の実施例を示す斜視図であり、(a)は机、(b)は棚、(c)は、電気スタンド、(d)は建具を示す。
【符号の説明】
【0042】
1 木質構造材
10 構造材要素
10A 太寸材
10B 細寸材
11 芯材
11a 嵌め込み凹溝
12 表殻材
13 接合強化構造
2 接続構造
21 接続用受入部
21a 嵌込部
21b 嵌込孔
21c 段差部
22 ジョイントピース
23 クランプ
24 ユーティリティスペース
3 構造体
30 椅子
31 脚柱
32 座面梁
33 横梁材
34 座面
35 背もたれ
36 机
37 棚
38 スタンド
39 建具
1 中心
2 中心
D 厚み寸法
1 厚み寸法(芯材)
2 厚み寸法(表殻材)
W 幅寸法
L 配線
R 湾曲面
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13
【図15】
14