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明細書 :適応指向性受信装置、自動車及び携帯情報機器

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4929463号 (P4929463)
公開番号 特開2008-211668 (P2008-211668A)
登録日 平成24年2月24日(2012.2.24)
発行日 平成24年5月9日(2012.5.9)
公開日 平成20年9月11日(2008.9.11)
発明の名称または考案の名称 適応指向性受信装置、自動車及び携帯情報機器
国際特許分類 H01Q   3/30        (2006.01)
FI H01Q 3/30
請求項の数または発明の数 5
全頁数 22
出願番号 特願2007-048012 (P2007-048012)
出願日 平成19年2月27日(2007.2.27)
審査請求日 平成22年2月9日(2010.2.9)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304023318
【氏名又は名称】国立大学法人静岡大学
発明者または考案者 【氏名】桑原 義彦
個別代理人の代理人 【識別番号】100083806、【弁理士】、【氏名又は名称】三好 秀和
【識別番号】100108914、【弁理士】、【氏名又は名称】鈴木 壯兵衞
審査官 【審査官】岸田 伸太郎
参考文献・文献 特開2006-279785(JP,A)
特開2006-19991(JP,A)
特開2003-264419(JP,A)
特表平10-503892(JP,A)
国際公開第2004/109952(WO,A1)
調査した分野 H01Q 3/24-3/46
H01Q 21/00-25/04
特許請求の範囲 【請求項1】
アンテナアレイを構成する複数のアンテナ素子と、
該複数のアンテナ素子のそれぞれの接地リアクタンスを調整する負荷をそれぞれ有し、且つ該負荷からの反射電流をそれぞれ出力する複数の反射電流出力回路と、
前記複数の反射電流出力回路がそれぞれ出力する前記反射電流をベクトル合成して、合成信号を生成する合成回路と、
前記合成信号から復調信号を生成するベースバンド信号生成回路と、
前記復調信号から目的関数を求め、該目的関数が最適値になるように、前記負荷の値をそれぞれ制御する演算処理回路
とを備え、前記負荷の値の制御により前記アンテナアレイの指向性を制御することを特徴とする適応指向性受信装置。
【請求項2】
前記複数の反射電流出力回路のそれぞれに、前記複数の反射電流出力回路がそれぞれ出力する前記反射電流の振幅を調整する反射電流振幅調整回路が接続され、
該反射電流振幅調整回路を介して、前記反射電流がそれぞれ前記合成回路に入力し、それぞれの反射電流振幅調整回路は前記演算処理回路に制御されて前記反射電流の振幅を調整することを特徴とする請求項1に記載の適応指向性受信装置。
【請求項3】
前記複数のアンテナ素子のそれぞれに、前記複数のアンテナ素子がそれぞれ出力する励振電流の振幅を調整する励振電流振幅調整回路が接続され、
該励振電流振幅調整回路を介して、前記励振電流が前記複数の反射電流出力回路のそれぞれに入力し、それぞれの励振電流振幅調整回路は、前記演算処理回路に制御されて前記励振電流の振幅を調整することを特徴とする請求項1に記載の適応指向性受信装置。
【請求項4】
ボンネット、屋根の前端若しくは後端、Aピラー、又はリアウィンドウ若しくはリアサイドウィンドウの少なくともいずれかに配置され、アンテナアレイを構成する複数のアンテナ素子と、
該複数のアンテナ素子のそれぞれの接地リアクタンスを調整する負荷をそれぞれ有し、且つ該負荷からの反射電流をそれぞれ出力する複数の反射電流出力回路と、
前記複数の反射電流出力回路がそれぞれ出力する前記反射電流をベクトル合成して、合成信号を生成する合成回路と、
前記合成信号から復調信号を生成するベースバンド信号生成回路と、
前記復調信号から目的関数を求め、該目的関数が最適値になるように、前記負荷の値をそれぞれ制御する演算処理回路
とを備え、前記負荷の値の制御により前記アンテナアレイの指向性を制御して無線通信を行う受信機を装備したことを特徴とする自動車。
【請求項5】
棒状アンテナ、逆F型アンテナ、若しくは基板アンテナの少なくともいずれかから複数個を選んでアンテナアレイを構成する複数のアンテナ素子と、
該複数のアンテナ素子のそれぞれの接地リアクタンスを調整する負荷をそれぞれ有し、且つ該負荷からの反射電流をそれぞれ出力する複数の反射電流出力回路と、
前記複数の反射電流出力回路がそれぞれ出力する前記反射電流をベクトル合成して、合成信号を生成する合成回路と、
前記合成信号から復調信号を生成するベースバンド信号生成回路と、
前記復調信号から目的関数を求め、該目的関数が最適値になるように、前記負荷の値をそれぞれ制御する演算処理回路
とを備え、前記負荷の値の制御により前記アンテナアレイの指向性を制御することにより無線通信を行うことを特徴とする携帯情報機器。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信用のアンテナに係り、特に移動通信において高い信号対干渉除去比(SIR)が得られるアダプティブアンテナを用いた適応指向性受信装置、この適応指向性受信装置を実装した自動車及び携帯情報機器に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車で米国、豪州、中国等の広い走行領域を長時間の移動をしながらFM放送等を受信する場合や、高層ビルが密集した市街地のようなフェージングの影響を受けやすい環境でFM放送等を受信する場合、或いは携帯電話で無線信号を受信する場合、安定して受信することは困難であり、アレイアンテナ技術を使った指向性制御が必要となっている。
【0003】
フェーズドアレイアンテナは電子的に指向性が制御できる複数のアンテナ(放射素子)からなる機能アンテナである。複数の放射素子・移相器と制御回路を必要とするため、その利用は軍用レーダなどの特殊用途に限定されていた。ところが近年ではマイクロ波ハードウェアの低廉化により通信応用として衛星搭載中継器や公衆無線基地局にも採用されるようになってきた。無線による移動通信において、低電力で高い伝送品質を維持するには、所望波の利得を最大にし、或いは所望波に対する干渉波の影響を最小にするようなアンテナ制御技術が有用である。指向性を電波環境に適応した最適化アルゴリズムによって自動制御される機能アンテナは「アダプティブアンテナ」と呼ばれる。具体的には、主ビームを所望波到来方向へ向ける、ヌル点を干渉波到来方向へ向ける、信号対干渉雑音比SINRを最大にする、マルチパス波を合成補償するなど、刻々変動する電波環境にアンテナ指向性を自律的に適応させるアンテナ制御技術である。アダプティブアンテナは、複数のアンテナで受信した信号を用い、空間フィルタによって信号対干渉除去比(SIR)を最大化しようとするものである。
【0004】
近年、簡単なハードウェア構成のアダプティブアンテナとして電子走査導波器(ESPAR)アンテナが精力的に研究されている(特許文献1~3参照。)。電子走査導波器アンテナの開口は、1つの放射素子とその周りに配置された複数の寄生素子から構成される。放射素子と寄生素子は電磁的に結合され、寄生素子で受信した信号の最放射により、放射素子には寄生素子の受信信号の一部が受信される。寄生素子の出力にはバラクタなどの可変リアクタンス素子が接続されており、そのリアクタンス値を適当に変化させことにより、寄生素子に発生する誘導電流を制御し、放射指向性を変化させる。電子走査導波器アンテナでは、規範信号系列と放射素子受信信号の相関係数を最大とするリアクタンス値を勾配法などで見出すことにより、信号対干渉雑音比SINRを最大とする指向性を形成させる。

【特許文献1】特開2003-142926号公報
【特許文献2】特開2003-209426号公報
【特許文献3】特開2003-258532号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のアダプティブアンテナは複数の送受信系統が必要で装置規模・消費電力が大きく、既存の機器に追加して使用することができない。よって低コスト化が図れず、民生無線端末製品に適用することが困難であった。従来の機器に追加して使用可能な、送受信系統が1チャンネルのアダプティブアンテナとして、励振素子とその励振素子と電磁結合させた非励振素子を利用する方法があるが、電磁結合の小さい小型アンテナを使うことができない。又、アンテナ素子を接近させて使用するため、実装上の制約が生じるという問題があった。
【0006】
上記問題を鑑み、本発明は、小型化が容易で、実装上の制約が少ない適応指向性受信装置、この適応指向性受信装置を実装した自動車及び携帯情報機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様は、(イ)アンテナアレイを構成する複数のアンテナ素子と、(ロ)この複数のアンテナ素子のそれぞれの接地リアクタンスを調整する負荷をそれぞれ有し、且つこの負荷からの反射電流をそれぞれ出力する複数の反射電流出力回路と、(ハ)複数の反射電流出力回路がそれぞれ出力する反射電流をベクトル合成して、合成信号を生成する合成回路と、(ニ)合成信号から復調信号を生成するベースバンド信号生成回路と、(ホ)復調信号から目的関数を求め、この目的関数が最適値になるように、負荷の値をそれぞれ制御する演算処理回路とを備え、負荷の値の制御によりアンテナアレイの指向性を制御する適応指向性受信装置であることを特徴とする。
【0008】
本発明の第2の態様は、(イ)ボンネット、屋根の前端若しくは後端、Aピラー、又はリアウィンドウ若しくはリアサイドウィンドウの少なくともいずれかに配置され、アンテナアレイを構成する複数のアンテナ素子と、(ロ)この複数のアンテナ素子のそれぞれの接地リアクタンスを調整する負荷をそれぞれ有し、且つこの負荷からの反射電流をそれぞれ出力する複数の反射電流出力回路と、(ハ)複数の反射電流出力回路がそれぞれ出力する反射電流をベクトル合成して、合成信号を生成する合成回路と、(ニ)合成信号から復調信号を生成するベースバンド信号生成回路と、(ホ)復調信号から目的関数を生成し、この目的関数が最適値になるように、負荷の値をそれぞれ制御する演算処理回路とを備え、負荷の値の制御によりアンテナアレイの指向性を制御して無線通信を行う受信機を装備した自動車であることを特徴とする。
本発明の第3の態様は、(イ)棒状アンテナ、逆F型アンテナ、若しくは基板アンテナの少なくともいずれかから複数個を選んでアンテナアレイを構成する複数のアンテナ素子と、(ロ)この複数のアンテナ素子のそれぞれの接地リアクタンスを調整する負荷をそれぞれ有し、且つこの負荷からの反射電流をそれぞれ出力する複数の反射電流出力回路と、(ハ)複数の反射電流出力回路がそれぞれ出力する反射電流をベクトル合成して、合成信号を生成する合成回路と、(ニ)合成信号から復調信号を生成するベースバンド信号生成回路と、(ホ)復調信号から目的関数を生成し、この目的関数が最適値になるように、負荷の値をそれぞれ制御する演算処理回路とを備え、負荷の値の制御によりアンテナアレイの指向性を制御することにより無線通信を行う携帯情報機器であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、小型化が容易で、実装上の制約が少ない適応指向性受信装置、この適応指向性受信装置を実装した自動車及び携帯情報機器を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に、図面を参照して、本発明の第1~第3の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。但し、以下に示す第1~第3の実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、アンテナ素子、回路素子や回路ブロックの構成や配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0011】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係る適応指向性受信装置は、図1に示すように、無線信号を受信する複数のアンテナ素子A1~Am(mは2以上の正の整数)と、複数のアンテナ素子A1~Amにそれぞれ接続され、複数のアンテナ素子A1~Amのそれぞれの接地リアクタンスを調整する負荷を有し、且つこの負荷からの反射電流Ir1~Irmをそれぞれ出力する反射電流出力回路31~3mと、反射電流出力回路31~3mがそれぞれ出力する反射電流Ir1~Irmをベクトル合成して、合成信号CSを生成する合成回路2と、合成信号CSから復調信号を生成するベースバンド信号生成回路1とを備える。
【0012】
ここで、「アンテナ素子」は、空中から捉えた無線信号を受信装置側に出力する励振素子(給電素子)として機能する。複数のアンテナ素子A1~Amの配列により、アダプティブアンテナの開口が構成される。第2の実施の形態を含め、本明細書では、図1に示すように、m=3の場合、即ち、第1~第3のアンテナ素子A1~Amにそれぞれ第1~第3の反射電流出力回路31~33が接続された場合を例に技術内容を説明するが、m=3の場合のみに限定されるものではないことは勿論である(但し、実用的な観点、特に小型化、低コスト化、高速化の観点からはm=3、若しくはm≧3で、3に近い値が好ましい。)。
【0013】
即ち、m=3の場合において、第1の反射電流出力回路31は、第1のアンテナ素子A1に接続された第1の方向性結合器DC1と、この第1の方向性結合器DC1に接続され、第1のアンテナ素子A1の接地リアクタンスを調整する負荷としての第1の可変リアクタンス回路Zn1を有する。第1の可変リアクタンス回路Zn1は、第1のアンテナ素子A1から第1の方向性結合器DC1を介して励振電流Id1を入力し、反射電流Ir1を反射する。第1の方向性結合器DC1は、第1のアンテナ素子A1が出力する励振電流Id1を第1の可変リアクタンス回路Zn1に伝送すると共に、第1の可変リアクタンス回路Zn1が反射した反射電流Ir1を合成回路2に出力する。
【0014】
又、第2の反射電流出力回路32は、第2のアンテナ素子A2に接続された第2の方向性結合器DC2と、この第2の方向性結合器DC2に接続され、第2のアンテナ素子A2の接地リアクタンスを調整する負荷としての第2の可変リアクタンス回路Zn2を有する。第2の可変リアクタンス回路Zn2は、第2のアンテナ素子A2から第2の方向性結合器DC2を介して励振電流Id2を入力し、反射電流Ir2を反射する。第2の方向性結合器DC2は、第2のアンテナ素子A2が出力する励振電流Id2を第2の可変リアクタンス回路Zn2に伝送すると共に、第2の可変リアクタンス回路Zn2が反射した反射電流Ir2を合成回路2に出力する。更に、第3の反射電流出力回路33は、第3のアンテナ素子A3に接続された第3の方向性結合器DC3と、この第3の方向性結合器DC3に接続され、第3のアンテナ素子A3の接地リアクタンスを調整する負荷としての第3の可変リアクタンス回路Zn3を有する。第3の可変リアクタンス回路Zn3は、第3のアンテナ素子A3から第3の方向性結合器DC3を介して励振電流Id3を入力し、反射電流Ir3を反射する。第3の方向性結合器DC3は、第3のアンテナ素子A3が出力する励振電流Id3を第3の可変リアクタンス回路Zn3に伝送すると共に、第3の可変リアクタンス回路Zn3が反射した反射電流Ir3を合成回路2に出力する。
【0015】
そして、図1に示す適応指向性受信装置は、復調信号から求めた目的関数が最適になるように、アンテナ素子A1~A3のそれぞれの負荷(接地リアクタンス)をそれぞれ制御し、反射電流Ir1~Ir3の位相を調整することにより、アンテナ素子A1~A3により開口を構成するアダプティブアンテナの指向性を制御しながら、無線信号を復調する。
【0016】
合成回路2にベースバンド信号生成回路1が接続され、アンテナ素子A1~A3が空中から捉えた無線信号をベクトル合成して生成された合成信号CSが、ベースバンド信号生成回路1の低雑音増幅器11に入力される。ベースバンド信号生成回路1の出力側には、「演算処理回路」としてのディジタルシグナルプロセッサ(DSP)4が接続され、ベースバンド信号生成回路1で生成された復調信号を処理する。演算処理回路(DSP)4は、復調信号から目的関数を求め、この目的関数が最適値になるように、負荷としての第1、第2、第3の可変リアクタンスZn1、Zn2、Zn3のそれぞれのリアクタンス値を制御する。
【0017】
第1のアンテナ素子A1の接地リアクタンスを調整する負荷である第1の可変リアクタンス回路Zn1の構成例を、図2に示す。第1の可変リアクタンス回路Zn1は、一端を方向性結合器DC1に接続した第1インダクタL1と、第1インダクタL1の他端側に接続した第2インダクタL2と、第2インダクタL2に接続したキャパシタC1と、キャパシタC1に接続した可変容量ダイオードD1を備え、可変容量ダイオードD1のアノード側が接地される。第2インダクタL2とキャパシタC1の接続点には、第3インダクタL3の一端が接続され、第3インダクタL3の他端が接地される。即ち、キャパシタC1と可変容量ダイオードD1とからなる直列接続回路に、第3インダクタL3が並列接続されている。また、キャパシタC1と可変容量ダイオードD1の接続点に一方の端子が接続された抵抗Rの他方の端子が、D-A変換器51に接続される。例えば、第1インダクタL1、第2インダクタL2、第3インダクタL3のインダクタンスは、それぞれ0.1μH、0.22nH、0.22nHであり、キャパシタC1の容量は、0.1μF、抵抗Rの抵抗値は100kΩ程度にすることができる。
【0018】
第2、第3のアンテナ素子A2,A3の接地リアクタンスを調整する負荷である第2、第3の可変リアクタンスZn2、Zn3の構成も、第1の可変リアクタンス回路Zn1と同様である。
【0019】
第1、第2、第3の可変リアクタンスZn1、Zn2、Zn3は、それぞれD-A変換器51、52、53を介して、それぞれ演算処理回路としてのDSP4に接続される。
【0020】
ベースバンド信号生成回路1は、合成回路2に接続された低雑音増幅器11と、低雑音増幅器11に接続されたミキサ12、ミキサ12に接続された局部発振器18を備える。ミキサ12は、低雑音増幅器11の出力するRF信号と局部発振器18の出力するRF信号とを混合し、例えば10.7MHzの中間周波数(IF)の信号を生成する。
【0021】
ベースバンド信号生成回路1において、局部発振器18の出力するRF信号と合成回路2の出力するRF信号とはミキサ12で混合された、IFフィルタ13に伝達される。IFフィルタ13に、自動利得調整(AGC)増幅器14が接続され、AGC増幅器14には、復調器15が接続されている。IFフィルタ13により、合成回路2の出力するRF信号と局部発振器18の出力するRF信号との差の周波数が抽出され、AGC増幅器14により、差の周波数であるIF信号が増幅される。このIF信号は、復調器15によりベースバンド信号が生成される。ベースバンド信号は、更に、A-D変換器17でディジタル信号に変換され、演算処理回路(DSP)4に入力される。
【0022】
図3は、図1に示した演算処理回路としてのDSP4の内容を主に説明するための論理的なブロック図である。即ち、演算処理回路(DSP)4は、その論理構成として、目的関数計算装置41、調整装置42及び可変リアクタドライバ43を含むことを図3は示している。
【0023】
ベースバンド信号は、図1に示すように、A-D変換器17により、ディジタルのベースバンド信号としての復調信号SRが生成される。この復調信号SRは演算処理回路(DSP)4に入力されるが、演算処理回路(DSP)4においては、図3に示すように、目的関数計算装置41及び調整装置42を用いて、復調信号SRが信号処理され、制御信号Sc1、Sc2、Sc3が生成される。制御信号Sc1、Sc2、Sc3は、可変リアクタドライバ43へ出力される。可変リアクタドライバ43は、可変リアクタンス回路Zn1、Zn2、Zn3にリアクタンス制御用電圧V1、V2、V3を出力し、反射電流出力回路31~33をそれぞれ構成している可変リアクタンス回路Zn1、Zn2、Zn3のそれぞれの接地リアクタンス値が制御され、適応ビームが形成される。
【0024】
図1~図3に示す第1の実施の形態に係るアダプティブアンテナでは、空中から捉えた無線信号の取り出しがアンテナ素子A1~A3から行われ、全体の指向性パターンを制御し、適応ビームを形成する。「適応ビームを形成」とは、主ビームを所望波到来方向へ向ける、ヌル点を干渉波到来方向へ向ける、信号対干渉雑音比SINRを最大にするような指向性制御をいう。
【0025】
そして、図3に示すように、可変リアクタドライバ43が、反射電流出力回路31~33のそれぞれの可変リアクタンス回路Zn1、Zn2、Zn3にそれぞれ接続され、可変リアクタンス回路Zn1、Zn2、Zn3の接地リアクタンス値が制御される。可変リアクタドライバ43は、可変リアクタンス回路Zn1、Zn2、Zn3がそれぞれ有する可変容量ダイオードD1に対して逆バイアス電圧を印加し、容量を変化させる可変電圧直流電源である。可変リアクタドライバ43により、可変リアクタンス回路Zn1、Zn2、Zn3に印加するリアクタンス制御用電圧V1、V2、V3をそれぞれ変化させることにより、可変リアクタンス回路Zn1、Zn2、Zn3それぞれのバラクタ回路の可変容量ダイオードD1の容量値を独立に変化させ、接地リアクタンス値を、それぞれ所望の値になるように独立に制御する。
【0026】
これにより、アンテナ素子A1~A3上の励振電流の位相を変化させ、アダプティブアンテナの指向性特性を変化させることができる。図2に例示した回路では、可変リアクタンス回路Zn1、Zn2、Zn3のそれぞれに直列に固定の第1インダクタL1を挿入しているので、可変リアクタンス回路Zn1、Zn2、Zn3の接地リアクタンス値は、正から負の値までの範囲の値をとることができる。可変リアクタンス回路Zn1、Zn2、Zn3を、容量性の回路素子とすれば、接地リアクタンス値は常に負の値となる。いずれにせよ、可変リアクタンス回路Zn1、Zn2、Zn3は、上述した第1インダクタL1、第2インダクタL2、第3インダクタL3、キャパシタC1、抵抗R及び可変容量ダイオードD1からなる回路に限定されず、接地リアクタンス値を制御可能な素子であれば良い。
【0027】
なお、物理的構成としては、図3に示すベースバンド信号生成回路1、目的関数計算装置41及び調整装置42をすべてカーラジオ(FM受信機)の内部に実装する等の態様が可能である。更に、図1に示した受信装置全体を、携帯電話、或いはコンピュータ等の携帯型情報処理機器の内部に実装する等の態様が可能である。
【0028】
調整装置42の出力は、可変リアクタドライバ43に接続され、可変リアクタドライバ43の出力は、可変リアクタンス回路Zn1、Zn2、Zn3に接続されている。可変リアクタドライバ43も、ベースバンド信号生成回路1、目的関数計算装置41及び調整装置42と共に、カーラジオ(FM受信機)、携帯電話、携帯型情報処理機器等に内蔵するようにしても良い。
【0029】
ベースバンド信号生成回路1では、合成回路2から出力される合成信号CSから復調信号SRを復調する。例えば、所望波がアナログFMのように包絡線が一定である変調方式の場合には定振幅性に着目し、ブラインドビーム形成が可能である。例えば、「所望信号の包絡線が一定である」という事前知識のみを用いた定包絡線基準によるアルゴリズムである定包絡線信号用アルゴリズム(Constant Modulus Algorithm:CMA)の評価関数Q(X)は、p、qを正の整数として:

Q(Zn)=E[||y(t)|p-σp|q] ・・・・・(1)

である。Zn=[ZnZnZn]は、アンテナ素子A1~A3にそれぞれ接続される負荷、y(t)はアンテナ出力で、N素子アレイにP個の波sm(t)(m=1、2、・・・P)が方向ψmから入射する時:

【数1】
JP0004929463B2_000002t.gif

【0030】

と表される。αn(ψm)は第n素子の方向ψmから入射する波の応答である。また、inはアンテナで1Vの開放電圧が発生する時、アンテナ素子から出力する電流で次のように表される:

【数2】
JP0004929463B2_000003t.gif

【0031】

Zaはアンテナの自己インピーダンス、Xiはリアクタ値である(i=1~n)。 p、qは正の整数で、本発明の第1の実施の形態ではp=q=2とする。フェージングを考慮し、σは短区間平均値を用いる。評価関数Qを最小化するXを直接探索法で求める。
【0032】
ベースバンド信号生成回路1から出力した復調信号SRは、図3に示した目的関数計算装置41に入力される。目的関数計算装置41は、例えば、復調信号SRから同期検出して規範信号SSを発生させて相関をとり、規範信号SSと復調信号SRの相関係数を目的関数(評価関数)Qとして出力する相関器が採用可能である。相関器以外に、目的関数計算装置41は、規範信号SSと復調信号SRの差電力を目的関数(評価関数)Qとして出力するようにしても良い。目的関数(評価関数)Qとしては、その他、信号対干渉雑音比SINRが採用可能であるが、以後の説明は、目的関数(評価関数)Qは、規範信号SSと復調信号SRの相関係数であるとして記載する。目的関数計算装置41の出力した目的関数(評価関数)Qは、調整装置42へ入力される。
【0033】
調整装置42は、入力された目的関数(評価関数)Qが、最適値(最大又は最小)になるように、直接探索法、勾配法、逐次探索法、或いは遺伝的アルゴリズムによって探索する。「直接探索法」は、最適化問題を解く方法であり、
(a)目的関数の勾配を必要としない、
(b)数学的に収束が保証されている、
(c)中庸な収束が得られることである、
のような特徴があるので、以下では、直接探索法を用いる場合について説明するが、調整装置42の処理のアルゴリズムは、直接探索法に限定する必要はない。
【0034】
直接探索法は、現在点の周りの一組の点(「メッシュ」という。)を探索し、最小化問題では目的関数が現在点より低い値を探す。低い点があれば、現在点を低い点に移し、メッシュを拡大して探索を続け、低い値がなければメッシュを縮小し再探索する手順を繰り返し、目的関数(評価関数)Qを最小にする。目的関数(評価関数)Qの逆数或いはQの負値を用いれば最大値を探索することができる。
【0035】
このため、調整装置42は、可変リアクタンス回路Zn1、Zn2、Zn3の初期値及び初期設定での目的関数値O0を計算する初期設定手段421、可変リアクタンス回路Zn1、Zn2、Zn3に対応したメッシュを作成するメッシュ作成手段422、各メッシュポイントでの目的関数値を計算し評価する(ポーリングする)ポーリング手段423、現在の最適値とポーリングの結果を比較する最適値/ポーリング結果比較手段424、現在の最適値とポーリングの結果を比較し、低い点(又は高い点)があれば、現在最適値を低い点(又は高い点)に更新し、メッシュサイズを拡大し、低い値(又は高い値)がなければメッシュサイズを縮小するメッシュサイズ変更手段425、収束判定をする収束判定手段426を論理的な構成として備える。これらの初期設定手段421、メッシュ作成手段422、ポーリング手段423、最適値/ポーリング結果比較手段424、メッシュサイズ変更手段425、収束判定手段426は、専用のハードウェア(論理回路)で構成しても良く、汎用のプロセッサを用い、それを制御するソフトウェアにより等価な機能を実現するように、構成しても良い。
【0036】
この様な論理的構成を備える調整装置42は、直接探索法によって探索した結果を、可変リアクタンス回路Zn1、Zn2、Zn3の値を最適化するための制御信号Sc1、Sc2、Sc3として生成する。調整装置42が生成した個々の制御信号Sc1、Sc2、Sc3は、可変リアクタドライバ43へ出力される。可変リアクタドライバ43は、可変リアクタンス回路Zn1、Zn2、Zn3のリアクタンスを最適化するために、可変リアクタンス回路Zn1、Zn2、Zn3にリアクタンス制御用電圧V1、V2、V3を出力する。
【0037】
<アンテナの制御方法>
図4に示すフローチャートを用いて、図1~図3に示したアダプティブアンテナの制御方法、即ち、調整装置42による可変リアクタンス回路Zn1、Zn2、Zn3の値を最適化し、これにより主ビームを所望波到来方向へ向け、ヌル点を干渉波到来方向へ向け、信号対干渉雑音比SINRを最大にする指向性制御(最適値が最大値の場合)について、説明する。目的関数を相関値とする場合、相関値の逆数を目的関数とし最小化する。目的関数(評価関数)Qが、信号対干渉雑音比SINRの場合は、調整装置42は、入力された目的関数(評価関数)Qが、最大になるように、直接探索法によって探索する。目的関数(評価関数)Qは、規範信号SSと復調信号SRの差電力である場合は、調整装置42は、入力された目的関数(評価関数)Qが最小になるように、直接探索法によって探索する。
【0038】
(イ)先ず、ステップS101において、調整装置42の初期設定手段421は、j=1、Kj=1、Zj=[Z1,Z2,Z3]=0として、アンテナ素子A1~A3に対応する可変リアクタンス回路Zn1、Zn2、Zn3の初期値を設定する。更に、この初期設定での目的関数値O0を計算する、
(ロ)次に、ステップS102において、調整装置42のメッシュ作成手段422は、アンテナ素子A1~A3に対応したメッシュポイントを作成する。例えばアンテナ素子A1~A3が直線上に配置されたモノポールアンテナからなる場合、6個のメッシュポイントが作成される。
【0039】
(ハ)そして、ステップS103において、調整装置42のポーリング手段423は、各メッシュポイントでの目的関数値O1~O6を計算し評価する(ポーリングする)。
【0040】
(ニ)ステップS104において、j=j+1とインクリメントした後、ステップS105において、調整装置42の最適値/ポーリング結果比較手段424は、現在の最適値とポーリングの結果を比較する。即ち、各メッシュポイントでの目的関数値O1~O6の内、初期設定での目的関数値O0より小さな値があるか否か判断する。
【0041】
(ホ)各メッシュポイントでの目的関数値O1~O6の内、初期設定での目的関数値O0より小さな値があればステップS106に進む。ステップS106において、調整装置42のメッシュサイズ変更手段425は、現在最適値Ojを低い点Zjに更新し、Kjを1.4*Kj-1としてメッシュサイズを、1.4の倍数で拡大する。
【0042】
(ヘ)各メッシュポイントでの目的関数値O1~O6の内、初期設定での目的関数値O0より小さな値がなければ、ステップS107に進む。ステップS107において、調整装置42のメッシュサイズ変更手段425は、KjをKj-1/1.4として、メッシュサイズを1.4の倍数で縮小する。
【0043】
(ト)そして、ステップS108において、調整装置42の収束判定手段426は、収束判定をし、終了条件を1つでも満たせば終了とする。通常、メッシュサイズが許容誤差範囲に入ったときを終了条件とすれば良い。終了条件を満たさなければ、ステップS102に戻り、メッシュポイントを作成する。
【0044】
一般に、受信信号には所望波と遅延波を含まれることが多い。例えば、FM放送を受信するとき遅延波があると定包絡性が損なわれるので、CMAアルゴリズムによって遅延波を取り除くことができる。又、地上波ディジタル放送を受信する場合、ガードインターバルとコピー元の信号の相関を最大化することにより遅延波を取り除くことができる。つまり、図1に示した適応指向性受信装置は、直接探索法を用い、定包絡ひずみを最小化或いはガードインターバルとコピー元の信号の相関関数を最大化する可変リアクタンス回路Zn1、Zn2、Zn3の接地リアクタンス値の組を探索する。
【0045】
<性能評価1>
本発明の第1の実施の形態に係る適応指向性受信装置の性能評価を行った結果の例を、図5~図6に示す。ここで、マルチパス環境でのFM多重VICS(登録商標)受信を想定し、入射信号を周波数が50kHz異なる等振幅のCW信号とした。マルチパス環境では遅延波の干渉によりビートが発生することを模擬したモデルである。アダプティブアンテナの開口のボアサイト方向から入射すると仮定し、図4に示すフローチャートに従い、目的関数(1)が最小になる条件を直接探索法によって探索した。図5~図6は、第1波の到来方向を90°として固定し、第2波の到来方向がそれぞれ、150°、270°である場合の、電波暗室での指向性測定結果を示している。図5、6に示すように、所望波の方向に主ビームが形成され、干渉波の方向にヌルが形成されていることが分かる。
【0046】
<性能評価2>
図7は、第1の実施の形態に係るアダプティブアンテナの具体例として、自動車100に、3本の棒状アンテナ(ロッドアンテナ)を実装した例を示している。即ち、3本の棒状アンテナ(ロッドアンテナ)をそれぞれアンテナ素子A1~A3として機能させ、アダプティブアンテナを構成している。
【0047】
図8(a)に、図1に示す適応指向性受信装置を自動車に搭載して、FM多重VICS(登録商標)を受信して受信品質を調査する走行実験を行った結果を示す。ここで、アダプティブアンテナの開口は、図7に示した自動車100に実装された3本のロッドアンテナにより構成される。比較のため、図8(b)にモノポールアンテナ単体(指向性形成をしない)で走行実験を行った結果を示す。図8(b)は、図7の3本のアンテナを全て取り払い、あらたに車両ルーフ後方右端に取り付けた1本のアンテナを使った走行実験の結果である。
【0048】
図8(a)及び図8(b)において図示された、黒丸、ハッチング付き四角、ハッチング付き丸、黒三角、及び×印はそれぞれの測定地点でのパケット誤り率を示しており、
(ア)黒丸は、パケット誤り率が15%未満、
(イ)ハッチング付き四角は、パケット誤り率が15%以上25%未満、
(ウ)ハッチング付き丸印は、パケット誤り率が25%以上50%未満、
(エ)黒三角は、パケット誤り率が50%以上75%未満、
(オ)×印は、パケット誤り率が75%以上、
をそれぞれ示す。図8(a)及び図8(b)から、1本のモノポールアンテナを自動車に搭載した場合に比べて、図1に示す適応指向性受信装置を自動車に搭載した場合にパケット誤り率が著しく改善していることが分かる。
【0049】
<実装形態>
第1の実施の形態に係るアダプティブアンテナではアンテナ素子A1~A3により開口が構成されるが、特許文献1~3に記載のような1つの励振素子及びその励振素子と電磁結合する非励振素子(パラサイト素子)を使用するアダプティブアンテナと異なり、励振素子と非励振素子との区別はなく、アンテナ素子A1~A3のそれぞれは、互いに等価な素子である。励振素子と非励振素子との区別はないので、励振素子を中央にして非励振素子をその周辺に配置する等のトポロジーも不要であり、複数のアンテナ素子A1~Am(mは2以上の正の整数)の配置のトポロジーは任意である。
【0050】
又、複数のアンテナ素子A1~Amの構造は、例えばモノポールアンテナやヘリカルアンテナ等の外付けアンテナや、PIFA(planer inverted-F antenna)方式のいわゆる逆F型アンテナ、折れ曲がりモノポール方式のアンテナ、或いは配線パターンで平面バランを構成したプリント基板を利用した平面型の基板アンテナ等の内蔵アンテナを採用しても良い。つまり、アンテナ素子は円柱状の導電体棒に限定されるものではなく、平面アンテナ(パッチアンテナなど)を含めた種々のアンテナ構造が採用可能である。
【0051】
又、複数のアンテナ素子A1~Amのそれぞれは、互いに同一の構造や同一の形状である必要はなく、モノポールアンテナとフィルム状のアンテナ等の異なる構造のアンテナの組み合わせでも良い。
【0052】
このため、第1の実施の形態に係るアダプティブアンテナは、携帯電話、FM受信機、パーソナルコンピュータ、電子手帳やPDA等の携帯情報機器、放送受信用自動車アンテナ、RFタグ(電子タグ)リーダ等種々の分野に応用可能である。
【0053】
以下においては、自動車及び携帯情報機器(携帯電話、FM受信機、パーソナルコンピュータ、PDA)に実装する場合を例示するが、第1の実施の形態に係るアダプティブアンテナの実装の形態は、これらの例示的な実装構造に限定されるものではないことは勿論である。
【0054】
-実装例1:自動車-
例えば、自動車用の用途に限定しても、棒状アンテナ(ロッドアンテナ)の他、自動車の屋根の前端か後端に設置され、樹脂コートされたルーフアンテナ、自動車のAピラーに内蔵され、金属製アンテナを手動で引き出すタイプのピラーアンテナや、リアウィンドウやリアサイドウィンドウ等に貼られるフィルム状のガラスアンテナのいずれかを、アンテナ素子A1~A3のいずれかとして採用し、それらを適宜組み合わせることにより、第1の実施の形態に係るアダプティブアンテナを実装した自動車を提供できる。即ち、ボンネット、屋根の前端若しくは後端、Aピラー、又はリアウィンドウ若しくはリアサイドウィンドウの少なくともいずれかを選んでアンテナアレイを構成する複数のアンテナ素子A1~A3を配置すれば良く、その場合、理論上は、同一構造のアンテナ同士の組み合わせ、例えば、図7に示すように、3本の棒状アンテナ(ロッドアンテナ)でアンテナ素子A1~A3を構成しても良い。又、3個のアンテナ素子A1~A3の内、2個が同一構造で、残る1個が異なる構造でも構わない。
【0055】
この際、図1~図3に示したのと同様に、アンテナ素子A1~A3とともに、反射電流出力回路31~33、合成回路2、ベースバンド信号生成回路1、目的関数計算装置41、調整装置42及び可変リアクタドライバ43も同時に組み込む必要がある。
【0056】
この場合、ベースバンド信号生成回路1、目的関数計算装置41、調整装置42及び可変リアクタドライバ43等は、それぞれ専用の回路として実装しても良く、自動車が搭載しているFM受信機やGPS或いは、その他の電子機器の機能を利用して実装しても良い。特に、目的関数計算装置41や調整装置42等の一部の回路は、専用のハードウェア資源を用意せず、自動車が搭載しているFM受信機等の電子機器が本来的に内蔵するマイクロプロセッサの機能を利用し、所定のソフトウェアでマイクロプロセッサを駆動することにより実現しても良い。
【0057】
-実装例2:携帯電話-
又、図9に示すように、第1の実施の形態に係る携帯情報機器として、携帯電話200にアンテナ素子A1~A3を実装すれば、第1の実施の形態に係るアダプティブアンテナを実装した携帯電話200を提供できる。即ち、図9は、第1~3のアンテナ素子A1~A3である棒状アンテナ(ホイップアンテナ)211a~211cを携帯電話に実装した例を示す。或いは、図10~図11に示すアンテナ素子を携帯電話に実装してもよい。図10はアンテナ素子として、携帯電話200に内蔵可能な逆F型アンテナ212を示し、図11は、アンテナ素子として採用可能な基板アンテナ213を例示する。
【0058】
逆F型アンテナ212は、図10に示すようにマイクロストリップ・フィード・ラインに接続され、ビアホールを介して接地される。基板アンテナ213は、図11に示すように2箇所のスリットを有する蛇行形状の誘電材質のパッチが、空間層(空隙)を挟んでグランドプレーンと分離された構造であり、1つのフィードポイント、及びショートポイント1、2を有する。
【0059】
これらのアンテナ素子A1~A3を用い、図1~図3に示したのと同様に、反射電流出力回路31~33、合成回路2、ベースバンド信号生成回路1、目的関数計算装置41、調整装置42及び可変リアクタドライバ43を携帯電話200に内蔵すれば、第1の実施の形態に係るアダプティブアンテナを実装した携帯電話200を提供できる。
【0060】
図示を省略しているが、携帯電話200の構成としては、無線装置、キーボード等の入力装置、液晶表示装置(LCD)等の表示装置、マイク、スピーカー、音声のアナログ信号をディジタル信号に変換し、ディジタル信号をアナログ信号に変換するCODEC、ディジタル音声信号を音声符号化/復号化する音声処理装置、その他種々の信号処理や制御を行うマイクロプロセッサ等が含まれるのは勿論である。
【0061】
ベースバンド信号生成回路1、目的関数計算装置41、調整装置42及び可変リアクタドライバ43等は、ハードウェア資源としてそれぞれ専用の回路を集積化した半導体チップを用意して実装しても良く、それらの一部を携帯電話200が本来的に内蔵しているマイクロプロセッサが、所定のソフトウェアで駆動されることにより実現されるようにしても良い。ベースバンド信号生成回路1は、携帯電話200が本来的に内蔵している無線装置のハードウェア資源が採用可能であろう。
【0062】
図9~図11に異なる構造のアンテナの例を説明したが、例えば、第1~3のアンテナ素子A1~A3を、それぞれホイップアンテナ、逆F型アンテナ、基板アンテナとしてもよい。また、理論上は、同一構造のアンテナ同士の組み合わせ、例えば、3本の棒状アンテナ(ホイップアンテナ)でアンテナ素子A1~A3を構成する等、組み合わせの自由度は高く、任意に組み合わせることは可能である。又、3個のアンテナ素子A1~A3の内、2個が同一構造で、残る1個が異なる構造でも構わない。即ち、棒状アンテナ、逆F型アンテナ、若しくは基板アンテナの少なくともいずれかから、適宜、複数個を選んでアンテナアレイを構成する3個のアンテナ素子A1~A3の組み合わせを実現できる。
【0063】
更に、棒状アンテナ(ホイップアンテナ)、逆F型アンテナ、基板アンテナは例示であり、他の種類のアンテナと、棒状アンテナ(ホイップアンテナ)、逆F型アンテナ、基板アンテナのいずれかとの組み合わせ等によっても、アンテナ素子A1~A3を実現可能なことは勿論である。
【0064】
いずれにせよ、上記のように携帯電話200に第1の実施の形態に係る適応指向性受信装置を実装することによって、高層ビルが密集した市街地においても、指向性良無線信号を受信し、良好な通話を実現できる。
【0065】
-実装例3:FM受信機-
携帯電話と同様に、棒状アンテナ(ホイップアンテナ)、逆F型アンテナ、基板アンテナ等、或いは他のアンテナを適宜組み合わせて、アンテナ素子A1~A3を構成し、更に、反射電流出力回路31~33及び合成回路2を従来のFM受信機に直接接続し、FM受信機の内部にベースバンド信号生成回路1と共に、目的関数計算装置41、調整装置42及び可変リアクタドライバ43を組み込めば、第1の実施の形態に係るアダプティブアンテナを実装したFM受信機が提供できる。
【0066】
この際、ベースバンド信号生成回路1は、FM受信機が本来的に内蔵しているであろうが、目的関数計算装置41、調整装置42及び可変リアクタドライバ43については、ハードウェア資源としてそれぞれ専用の回路を実装しても良く、それらの一部をFM受信機が内蔵するマイクロプロセッサが、所定のソフトウェアで駆動されることにより実現されるようにしても良い。これにより、FM受信機の安定したデータ通信を実現できる。
【0067】
-実装例4:PC及びPDA-
同様に、棒状アンテナ(ホイップアンテナ)、逆F型アンテナ、基板アンテナ等、或いは他のアンテナを適宜組み合わせて、アンテナ素子A1~A3を構成し、更に、反射電流出力回路31~33及び合成回路2と共に、ノート型パーソナルコンピュータやPDA等に実装し、ベースバンド信号生成回路1、目的関数計算装置41、調整装置42及び可変リアクタドライバ43を組み込めば、第1の実施の形態に係るアダプティブアンテナを実装したノート型パーソナルコンピュータやPDAを提供できる。ベースバンド信号生成回路1、目的関数計算装置41、調整装置42及び可変リアクタドライバ43は、ハードウェア資源としてそれぞれ専用の回路を実装しても良く、目的関数計算装置41や調整装置42等、一部の回路は、ノート型パーソナルコンピュータやPDAが内蔵するマイクロプロセッサが、所定のソフトウェアで駆動されることにより実現されるようにしても良い。これにより、ノート型パーソナルコンピュータやPDA安定したデータ通信を実現できる。
【0068】
以上において、説明したように、本発明の第1の実施の形態に係る適応指向性受信装置によれば、従来のように励振素子を中央に配置し、中央の励振素子に電磁結合する非励振素子を周辺に配置した電子走査導波器アンテナと比べて、電磁結合の小さい小型アンテナを使用することができる。
【0069】
又、アダプティブアンテナを構成するためにアンテナ素子を接近して配置する必要がなく、アンテナ素子間の距離を任意に設定でき、更に、アンテナ素子の形状を統一する必要もないため、実装上の制約が少ない。
【0070】
つまり、本発明の第1の実施の形態に係る適応指向性受信装置によれば、小型化が容易で、実装上の制約が少ない適応指向性受信装置、自動車用アンテナ及び携帯電話等の携帯情報機器を提供できる。又、送受信系統が1系統であるため、構成が単純で低コスト化が図れる。更に、合成回路2の出力を分岐して従来の送受信機に接続すれば,従来の送受信機の機能をそのまま使用でき、高価な位相器も必要としない。
【0071】
又、本発明の第1の実施の形態に係るアダプティブアンテナのアンテナ素子数は3程度でも高い干渉除去能力が期待できるため、多数の非励振素子をアダプティブアンテナに利用する場合に比べて、アンテナ素子のリアクタンス値を最適化する演算に要する時間を短縮できる。
【0072】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係る適応指向性受信装置は、図12に示すように、第1、第2、第3のアンテナ素子A1~A3のそれぞれが、第1、第2、第3の反射電流振幅調整回路61~63を更に備える点が図1と異なる。即ち、第1の反射電流振幅調整回路61は、第1の反射電流出力回路31の第1の方向性結合器DC1と合成回路2の間に接続された、可変減衰器と増幅器とを直列接続した減衰・増幅回路である。第1の反射電流振幅調整回路61は、更に第1の振幅調整回路用D-A変換器71を介して演算処理回路(DSP)4に接続されている。又、第2の反射電流振幅調整回路62は、第2の反射電流出力回路32の第2の方向性結合器DC2と合成回路2の間に接続された、可変減衰器と増幅器とを直列接続した減衰・増幅回路である。第2の反射電流振幅調整回路62は、更に第2の振幅調整回路用D-A変換器72を介して演算処理回路(DSP)4に接続されている。そして、第3の反射電流振幅調整回路63は、第3の反射電流出力回路33の第3の方向性結合器DC3と合成回路2の間に接続された、可変減衰器と増幅器とを直列接続した減衰・増幅回路である。第3の反射電流振幅調整回路63は、更に第3の振幅調整回路用D-A変換器73を介して演算処理回路(DSP)4に接続されている。他は、図1に示した第1の実施の形態に係る適応指向性受信装置と実質的に同様であるので、重複した説明を省略する。
【0073】
図13は、主に図12に示した演算処理回路(DSP)4の内容を説明する論理的なブロック図である。即ち、演算処理回路(DSP)4は、その論理構成として、目的関数計算装置41及び調整装置42を含むことを図13は示している。詳細な論理構成の説明を省略するが、調整装置42は、入力された目的関数(評価関数)Qが、最適値(最大又は最小)になるように、直接探索法、勾配法、逐次探索法、或いは遺伝的アルゴリズムによって探索する。例えば、直接探索法で最適化問題を解く場合は、図3において示したと同様に、調整装置42は、初期設定手段421、メッシュ作成手段422、ポーリング手段423、最適値/ポーリング結果比較手段424、メッシュサイズ変更手段425、収束判定手段426を備える。反射電流振幅調整回路61~63は、それぞれD-A変換器71~73を介して調整装置42によってその減衰率又は増幅率を制御され、反射電流出力回路31~33がそれぞれ出力する反射電流Ir1~Ir3の振幅を調整する。
【0074】
具体的には、第1の実施の形態で説明したように、調整装置42は、入力された目的関数(評価関数)Qが最適値(最大又は最小)になるように探索し、その結果を、図13に示すように、反射電流Ir1~Ir3の振幅の値を最適化するための制御信号Sx1、Sx2、Sx3として生成する。調整装置42が生成した個々の制御信号Sx1、Sx2、Sx3は、それぞれD-A変換器71~73を介して、反射電流振幅調整回路61~63に個別に出力される。そして、反射電流振幅調整回路61~63は、制御信号Sx1、Sx2、Sx3に応じて反射電流Ir1~Ir3の振幅がそれぞれ所望の値になるように独立にその減衰率又は増幅率を調整し、反射電流Ir1a~Ir3aを出力する。図3を参照して説明した可変リアクタンス回路Zn1、Zn2、Zn3に印加するリアクタンス制御用電圧V1、V2、V3による位相制御と併せて、反射電流Ir1a~Ir3aの振幅を制御することにより、アダプティブアンテナの指向性特性をより精緻に変化させることができる。
【0075】
<シミュレーションによる評価>
図14及び図15は、第2の実施の形態に係る適応指向性受信装置において、アダプティブアンテナを円形アレイアンテナとして構成した場合の、期待できる信号対干渉雑音比SINRをシミュレーションにより評価した結果であり、縦軸は受信電力の累積確率分布(CDF)、横軸は信号対干渉雑音比SINRである。ここで、到来する信号は2つの相関のないBPSK(2相位相シフトキーイング)信号系列で、目的関数は規範信号と復調信号の相関値で、これを直接探索法により最大化する。
【0076】
図14(a)は、アレイ半径を半波長とし、アンテナ素子数mを、m=3~6まで変化させた場合の信号対干渉雑音比SINRを示す。図14(a)に示すように、アンテナ素子数が3の場合にも、90%以上の確率でSINR>20dBが期待できる。
【0077】
図14(b)は、アンテナ素子数mを3とした場合に、アレイ半径RをR=0.25λ~λまで変化させた場合の信号対干渉雑音比SINRを示す。図14(b)に示すように、アレイ半径Rが0.25λの場合にも、90%以上の確率でSINR>20dBが期待できる。
【0078】
図15は、アンテナ素子数mを3、アレイ半径を0.5λとした場合に、励振電流の位相と反射電流の振幅を制御した場合、反射電流の振幅を制御しない場合、及び反射電流の振幅を規格化した場合の信号対干渉雑音比SINRを示す。反射電流の振幅を制御しない場合にも、80%以上の確率でSINR>20dBが期待できるが、振幅を制御すると特に高い信号対干渉雑音比SINRが得られるようになる。
【0079】
以上に説明したように、本発明の第2の実施の形態に係る適応指向性受信装置によれば、反射電流の振幅を制御することにより、信号対干渉雑音比SINRを改善することができる。他は、第1の実施の形態と実質的に同様であり、重複した記載を省略する。
【0080】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態に係る適応指向性受信装置は、図16に示すように、第1、第2、第3のアンテナ素子A1~A3のそれぞれが、第1、第2、第3の励振電流振幅調整回路81~83を直結して更に備える点が、図1に示した第1の実施の形態に係る適応指向性受信装置と異なる。
【0081】
第1の励振電流振幅調整回路81は、第1のアンテナ素子A1と第1の反射電流出力回路31との間に接続された増幅器である。そして、第1の励振電流振幅調整回路81は、第1の振幅調整回路用D-A変換器91を介して演算処理回路(DSP)4に接続される。又、第2の励振電流振幅調整回路82は、第2のアンテナ素子A2と第2の反射電流出力回路32との間に接続された増幅器である。そして、第2の励振電流振幅調整回路82は、第2の振幅調整回路用D-A変換器92を介して演算処理回路(DSP)4に接続される。一方、第3の励振電流振幅調整回路83は、第3のアンテナ素子A3と第3の反射電流出力回路33との間に接続された増幅器である。更に、第3の励振電流振幅調整回路83は、第3の振幅調整回路用D-A変換器93を介して演算処理回路(DSP)4に接続される。その他の構成については、図1に示した第1の実施の形態に係る適応指向性受信装置と同様である。
【0082】
図17は、主に図16に示した演算処理回路(DSP)4の内容を説明する論理的なブロック図である。即ち、演算処理回路(DSP)4は、その論理構成として、目的関数計算装置41及び調整装置42を含むことを図17は示している。詳細な論理構成の説明を省略するが、調整装置42は、入力された目的関数(評価関数)Qが、最適値(最大又は最小)になるように、直接探索法、勾配法、逐次探索法、或いは遺伝的アルゴリズムによって探索する。例えば、直接探索法で最適化問題を解く場合は、図3において示したと同様に、調整装置42は、初期設定手段421、メッシュ作成手段422、ポーリング手段423、最適値/ポーリング結果比較手段424、メッシュサイズ変更手段425、収束判定手段426を備える。第1、第2、第3の励振電流振幅調整回路81~83は、調整装置42によってそれぞれその増幅率を制御され、第1、第2、第3のアンテナ素子A1~A3がそれぞれ出力する励振電流Id1~Id3の振幅を調整する。
【0083】
具体的には、第1の実施の形態で説明したように調整装置42が、入力された目的関数(評価関数)Qが最適値(最大又は最小)になるように探索した結果を、図17に示すように、励振電流Id1~Id3の振幅の値を最適化するための制御信号Sy1、Sy2、Sy3として生成する。調整装置42が生成した個々の制御信号Sy1、Sy2、Sy3は、第1、第2、第3の励振電流振幅調整回路81~83へそれぞれ出力される。そして、第1、第2、第3の励振電流振幅調整回路81~83は、制御信号Sy1、Sy2、Sy3に応じて励振電流Id1~Id3の振幅をそれぞれ所望の値になるように独立に調整して、電流Id1a~Id3aを出力する。電流Id1a~Id3aは、それぞれ第1、第2、第3の反射電流出力回路31~33に出力される。
【0084】
つまり、励振電流Id1~Id3の振幅を変化させることにより、反射電流Ir1b~Ir3bの振幅が変化し、可変リアクタンス回路Zn1、Zn2、Zn3に印加するリアクタンス制御用電圧V1、V2、V3の制御による位相制御と併せ、アダプティブアンテナの指向性特性をより精緻に変化させることができる。また、低利特のアンテナを用いる場合、振幅を制御せず、単に低雑音増幅器を用いることも考えられる。
【0085】
この様に、第1、第2、第3の励振電流振幅調整回路81~83は、調整装置42にそれぞれその増幅率を制御されて、目的関数が最適値になるように反射電流Ir1b~Ir3bの振幅を調整する。リアクタンス制御用電圧V1、V2、V3の制御による励振電流Id1~Id3の位相と振幅を制御することにより、図12に示した適応指向性受信装置と同様に、信号対干渉雑音比SINRを改善することができる。他は、第1の実施の形態に係る適応指向性受信装置と実質的に同様であり、重複した記載を省略する。
【0086】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は第1~第3の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0087】
例えば、既に述べたように、第1~第3の実施の形態においては、アンテナ素子数m=3である場合の構成を示したが、4以上の多数のアンテナ素子を用いた構造でも構わない。
【0088】
又、第1~第3の実施の形態では、反射電流出力回路に方向性結合器を用いる場合を例示したが、方向性結合器の代わりにサーキュレータ等方向性結合器と等価な機能を有する電子部品に置き換えてよいことは勿論である。
【0089】
更に、第1~第3の実施の形態では、直接探索法について主に例示的に説明した。収束性が優れているという特徴からは、直接探索法が最も優れているが、本発明は、直接探索法に限定されるものと解釈すべきではなく、直接探索法以外の勾配法、逐次探索法、或いは遺伝的アルゴリズムを採用しても実現可能である。
【0090】
又、第1の実施の形態に係るアダプティブアンテナが、放送受信用自動車アンテナ、RFタグリーダ、携帯情報機器としての携帯電話、FM受信機、パーソナルコンピュータやPDAに実装可能であると例示的に説明したが、第2及び第3の実施の形態に係るアダプティブアンテナも、同様に、携帯電話、パーソナルコンピュータ、電子手帳、PDA等の携帯情報機器、自動車、RFタグ(電子タグ)リーダ等の種々の分野に応用可能であることは勿論である。
【0091】
この様に、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る適応指向性受信装置の物理的な構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る可変リアクタンス回路を例示する回路図である。
【図3】図1に示した演算処理回路(DSP)の内容を主に説明するための論理的なブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るアダプティブアンテナの制御方法の例を説明するためのフローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る適応指向性受信装置の指向性測定結果の例を示すグラフである。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る適応指向性受信装置の指向性測定結果の例を示すグラフである。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係るアダプティブアンテナの実装状態の例を示す模式図である。
【図8】図8(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る適応指向性受信装置による受信品質を調査する実験の結果を例示する図であり、図8(b)はモノポールアンテナによる受信品質を調査する実験の結果を例示する図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係るアダプティブアンテナの実装状態の他の例を示す模式図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態に係るアダプティブアンテナの開口を構成するアンテナ素子の例を示す模式図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態に係るアダプティブアンテナの開口を構成するアンテナ素子の他の例を示す模式図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る適応指向性受信装置の構成を示すブロック図である。
【図13】図12に示した演算処理回路(DSP)の内容を主に説明するための論理的なブロック図である。
【図14】図14(a)は、本発明の第2の実施の形態に係るアダプティブアンテナの開口を構成するアンテナ数を変化させた場合の期待できる信号対干渉雑音比SINRの確率を示す図で、図14(b)はアレイ半径を変化させた場合の信号対干渉雑音比SINRの確率を示す図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態に係る適応指向性受信装置の反射電流振幅の制御の有無による期待できる信号対干渉雑音比SINRの確率を示す図である。
【図16】本発明の第3の実施の形態に係る適応指向性受信装置の構成を示すブロック図である。
【図17】図16に示した演算処理回路(DSP)の内容を主に説明するための論理的なブロック図である。
【符号の説明】
【0093】
A1~A3…アンテナ素子
1…ベースバンド信号生成回路
2…合成回路
4…演算処理回路(DSP)
11…低雑音増幅器
12…ミキサ
13…IFフィルタ
14…AGC増幅器
15…復調器
17…A-D変換器
18…局部発振器
31~33…反射電流出力回路
41…目的関数計算装置
42…調整装置
43…可変リアクタドライバ
61~63…反射電流振幅調整回路
81~83…励振電流振幅調整回路
421…初期設定手段
422…メッシュ作成手段
423…ポーリング手段
424…最適値/ポーリング結果比較手段
425…メッシュサイズ変更手段
426…収束判定手段
図面
【図1】
0
【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
4
【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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