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明細書 :小型磁気共鳴イメージング装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B1)
特許番号 特許第4248588号 (P4248588)
登録日 平成21年1月23日(2009.1.23)
発行日 平成21年4月2日(2009.4.2)
発明の名称または考案の名称 小型磁気共鳴イメージング装置
国際特許分類 A61B   5/055       (2006.01)
G01R  33/422       (2006.01)
FI A61B 5/05 362
G01N 24/02 540B
請求項の数または発明の数 3
全頁数 13
出願番号 特願2007-310432 (P2007-310432)
出願日 平成19年11月30日(2007.11.30)
審査請求日 平成20年10月17日(2008.10.17)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504171134
【氏名又は名称】国立大学法人 筑波大学
発明者または考案者 【氏名】巨瀬 勝美
【氏名】半田 晋也
【氏名】拝師 智之
早期審査対象出願または早期審理対象出願 早期審査対象出願
個別代理人の代理人 【識別番号】100087398、【弁理士】、【氏名又は名称】水野 勝文
【識別番号】100103506、【弁理士】、【氏名又は名称】高野 弘晋
【識別番号】100105072、【弁理士】、【氏名又は名称】小川 英宣
【識別番号】100126147、【弁理士】、【氏名又は名称】川上 成年
審査官 【審査官】伊藤 幸仙
参考文献・文献 特開平02-074235(JP,A)
特開2007-282860(JP,A)
特開2007-260001(JP,A)
半田晋也、巨瀬勝美、拝師智之,「0.3T永久磁石磁気回路を用いた手専用コンパクトMRIの開発」,第11回NMRマイクロイメージング研究会講演要旨集,日本,2007年 8月 6日,p17-p20
調査した分野 A61B 5/055
要約 【課題】高周波電磁シールドルームが不要で、手全体を一度に撮像できる小型磁気共鳴イメージング装置。
【解決手段】静磁場を形成する永久磁石41と、該静磁場と同方向の磁場勾配を形成する第1の勾配磁場コイル43と、該第1の勾配磁場コイルに垂直で、互いに直交する第2と第3の勾配磁場コイル44、45と、高周波磁場を形成するRF(高周波)コイルを高周波電磁シールドボックス内に含むRFプローブ42とからなる手全体を一度に撮像するのに必要十分な撮像領域を確保する小型磁気共鳴イメージング装置おいて、導体板と絶縁体シートからなる電磁シールド部492を有する局所高周波電磁シールド板49を被検者の前腕部に施し、高周波電磁シールドボックス425内に、RFコイル回路421のインピーダンスマッチング回路と直列に挿入されるLCバラン回路424を格納することによって、高周波電磁シールドルームを不要にする。
【選択図】図2
特許請求の範囲 【請求項1】
静磁場を形成する永久磁石と、該静磁場と同方向の磁場勾配を形成する第1の勾配磁場コイルと、該第1の勾配磁場コイルに垂直で、互いに直交する第2と第3の勾配磁場コイルと、高周波磁場を形成する高周波(RF)コイル回路を高周波電磁シールドボックス内に含む高周波(RF)プローブによって、手全体を一度に撮像するのに必要十分な撮像領域を確保する小型磁気共鳴イメージング装置において、
撮像時における被験者の前腕と高周波的結合をし、かつ接地した局所高周波電磁シールドを施し、さらに前記RFコイル回路に含まれるインピーダンスマッチング回路に直列にLCバラン回路を挿入し、該インピーダンスマッチング回路と該LCバラン回路を、前記RFプローブの高周波電磁シールドボックス内に配置することを特徴とする小型磁気共鳴イメージング装置。
【請求項2】
前記局所高周波電磁シールドが、導体板と絶縁体シートからなる局所高周波電磁シールド板によって形成されることを特徴とする請求項1に記載の小型磁気共鳴イメージング装置。
【請求項3】
前記LCバラン回路が、前記RFコイル回路に含まれるインピーダンスマッチング回路と一体的に同一基板上に実装されていることを特徴とする請求項1または2に記載の小型磁気共鳴イメージング装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
この発明は、小型磁気共鳴イメージング装置に関し、特に高周波電磁シールドルームを不要とする関節リウマチ診断用磁気共鳴イメージング装置(RA診断用MRI装置)に関する。
【背景技術】
【0002】
関節リウマチ(RA: Rheumatoid Arthritis)とは、原因不明の持続性の多発関節炎を特徴とし、軟骨や骨を破壊しつつ関節変形をきたす疾患で、国内の患者数は約70万人と言われている。このRAによる関節破壊は、発症後2年以内に急速に進行することが解明され、RAを早期に診断し、生物学的製剤などの新規薬剤を用いた治療を開始することが極めて有効であることが明らかとなってきた。
【0003】
そして、RAの早期診断には種々の血清マーカーに加え、手を対象としたMRI検査が有用であることが分かっており、現在は主として全身用MRI(WB-MRI:Whole Body MRI)装置を使用した検査が行われると共に、欧米では、すでに設備費、撮像料等に有利な小型MRIを使用した早期RA診断が普及しつつある。
【0004】
また、MRI装置においては、外部からの高周波電磁ノイズが、高周波(RF)プローブにおいて受信されてNMR信号に混入することによりMR画像に現れるノイズを防ぐために、図11に示すように、下記特許文献1(図11(A))、特許文献2(図11(B))に記載されているようなMRI装置全体を収容する高周波電磁シールドルームや、下記特許文献3に記載されるような被検者の全身および作業室全体を覆う高周波電磁シールド(不図示)が使用されている。

【特許文献1】United States Patent 6,255,823
【特許文献2】United States Patent 6,882,547
【特許文献3】United States Patent 4,613,820
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、現在使用されている全身用MRI装置は、脳・心肺・腹部の撮像等に最適化されており、RAの早期診断のための手の撮像に全身用MRI装置を使用することは、広い設置スペースを必要とする高価な装置による高額の撮像料や、長い撮像時間とそれに伴う撮像時間枠の確保の困難性や、撮像時に患者に無理な姿勢を要求する等の問題がある。
【0006】
また、欧米で使用されている四肢用の小型のMRI装置は、撮像領域が小さいため、手全体の撮像を行うためには複数回の撮像に分けなければならず、検査時間が長くなり、読影の効率の点でも問題があった。
【0007】
また、上記特許文献に記載されているような高周波電磁シールドルーム等は、MRI装置に対する広い設置スペースを必要とし、高価であり、またしばしば開放性に欠けるため、小型のMRI装置においては、高周波電磁シールドルーム等を必要としない方式が望まれていた。
【0008】
本発明は、係る問題点に鑑みて鋭意研究を重ねてなされたものであり、高周波電磁シールドルームを不要とし、手全体を撮像対象とした小型・安価であり、かつ開放的な空間で被検者の姿勢に自由度が大きく楽な姿勢で、手全体を一度に短時間で撮像し、読影することのできるMRI装置の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
の発明は、静磁場を形成する永久磁石と、該静磁場と同方向の磁場勾配を形成する第1の勾配磁場コイルと、該第1の勾配磁場コイルに垂直で、互いに直交する第2と第3の勾配磁場コイルと、高周波磁場を形成する高周波(RF)コイル回路を高周波電磁シールドボックス内に含む高周波(RF)プローブによって、手全体を一度に撮像するのに必要十分な撮像領域を確保する小型磁気共鳴イメージング装置において、撮像時における被験者の前腕と高周波的結合をし、かつ接地した局所高周波電磁シールドを施し、さらに前記RFコイル回路に含まれるインピーダンスマッチング回路に直列にLCバラン回路を挿入し、該インピーダンスマッチング回路と該LCバラン回路を、前記RFプローブの高周波電磁シールドボックス内に配置することを特徴とする小型磁気共鳴イメージング装置である。この場合、インピーダンスマッチング回路とLCバラン回路は、RFプローブの高周波電磁シールドボックス内に配置するのが、スペース効率が良く、高周波電磁シールドにも有効である。

【0011】
の発明は、第1の発明において、前記局所高周波電磁シールドが、導体板と絶縁体シートからなる局所高周波電磁シールド板によって形成されることを特徴とする小型磁気共鳴イメージング装置ある。

【0012】
の発明は、第または第の発明において、前記LCバラン回路が、前記RFコイル回路に含まれるインピーダンスマッチング回路と一体的に同一基板上に実装されていることを特徴とする小型磁気共鳴イメージング装置である。
【発明の効果】
【0013】
第1の発明によれば、撮像時における被験者の前腕と高周波的結合をし、かつ接地した局所高周波電磁シールドを施すことによって、高周波電磁シールドルームを不要とする小型磁気共鳴イメージング装置であるから、従来より狭いスペースにMRI装置の設置が可能となり、小型・安価であり、かつ開放的な空間で被検者の姿勢に自由度が大きく楽な姿勢で、手全体を一度に、短時間で撮像し、読影することができるという効果が得られる。
特に、不特定な手の関節に発生するRAに係る撮像を安価かつ容易にして、RAの早期診断・早期治療に有効である。
【0014】
第2の発明によれば、第1の発明に加えて、さらに前記RFコイル回路に含まれるインピーダンスマッチング回路に直列にLCバラン回路を挿入し、該インピーダンスマッチング回路と該LCバラン回路を、前記RFプローブの高周波電磁シールドボックス内に配置されたものであり、高周波電磁シールドルームの廃止をより確実なものとすることができる。
【0015】
第3の発明によれば、第1または第2の発明において、前記局所高周波電磁シールドが、導体板と絶縁体シートからなる局所高周波電磁シールド板によって形成されるものであり、第4の発明によれば、第2または第3の発明において、前記LCバラン回路が、前記RFコイル回路に含まれるインピーダンスマッチング回路と一体的に同一基板上に実装されているから、簡便かつより確実に、それぞれの発明の効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るMRI装置のブロック図であり、MRI装置の構成概要は、システム全体1を制御し、NMR(Nuclear Magnetic Resonance)信号を収集し、画像再構成・表示等を行うコンピュータ(PC)10、核スピン系を励起する高周波(RF)信号を作り、また受信したNMR信号を増幅・検波する高周波信号ユニット部(送受信部)30、勾配磁場コイル(以下「勾配コイル」という。)43~45をドライブする勾配磁場電源部50、核スピン系を励起するパワーアンプ(高周波送信機)60、均一な静磁場を発生して核磁化を作り出す永久磁石(以下「磁石」という。)41、勾配磁場を作る勾配コイル43~45、と核スピン系に高周波を与え、信号を受信するRFコイル421からなっている。
【0017】
図2は、本発明の実施の形態に係るMRI装置の架台部の説明図であり、(A)は正面視断面図、(B)は左側面視断面図である。図2において磁石41は通常Fe-Nd-B系の磁石材料で構成されている。411はヨークを構成する左右方向の上下2本の横要素、412はヨークを構成する縦要素であり、ヨークはコラム型永久磁石磁気回路を形成し磁束を磁気回路内に閉じ込める機能を有している。413はヨークの2本の横要素411の内面側に形成されたポールピースである。ポールピース413は静磁場の均一度を高めるためにその周辺に、突起状のローズシムを有し、また表面に局所的に静磁場の不均一性を補正するための多数の磁性体の小片からなるパッシブシムを有している。勾配コイル43~45はポールピース413の内面側に取付けられ、上下のポールピース413の間にRFプローブ42が取付けられている。
【0018】
局所高周波電磁シールド板49は、銅板等の導体板491と、その表面を被覆した絶縁体シート492で形成されている。局所高周波電磁シールド板49は、基材493の上面の1端側に敷設され、基材493の他端側に、銅箔等が貼着され、かつ接地して、高周波電磁シールドがなされた高周波電磁シールドボックス425が着座している。局所高周波電磁シールド板49は、高周波電磁シールドボックス425と接合するように基材493上に敷設されている。
【0019】
局所高周波電磁シールド板49を形成する導体板491の表面を被覆する絶縁体シート492は、銅板等の導体板が直接人体に接触するのを避けるためのものである。
【0020】
図2(B)の423は、後述のインピーダンスマッチング回路とLCバラン回路を一体的に実装し、RFプローブ42のボックス内、即ち高周波電磁シールドボックス425内の縦壁に取付けた回路基板である。
【0021】
インピーダンスマッチング回路とLCバラン回路を同一基板上に一体的に実装して、高周波電磁シールドボックス425内に配置することは、スペース効率および高周波電磁シールド効果を高める点で有効である。また、RFプローブ42の格納ボックスの外表面に銅箔等の導体箔を貼着して高周波電磁シールドボックス425とすることは、高周波電磁シールドルームを不要とするために必須である。
【0022】
被検者は、撮像された画像の標準化や読影が容易な画像を取得するため、手の平および指を真直ぐ伸ばして、副え板47に副わせ、その上からカバー48を被せてRFプローブの開口422から、左または右の手全体を挿入して撮像を受ける。
【0023】
図3は本発明の実施の形態に係るRFコイル回路とLCバラン回路の回路図である。図3の右側がRFコイル回路421であり、コイルの同調をとるチューニングキャパシタ(Ct1、VCt1)と、特性インピーダンスとのマッチングをとるマッチングキャパシタ(VCm1、VCm2)からなり、RFコイルはチューニングキャパシタとほぼ同じ容量の固定キャパシタ(C)で分割され、被写体とのカップリングを抑制している。
【0024】
図3の左側がLCバラン回路であり、コンデンサ(Cb)とコイル(Lb)を挿入したブリッジ回路である。RFコイル回路に含まれるインピーダンスマッチング回路に直列にLCバラン回路が挿入され、LCバラン回路は接地され、高周波電磁シールドボックス425も接地されている。
【0025】
RFコイルが、高周波電磁シールドボックス425内に格納され、外来電波からシールドされていること、被検者の前腕部が、局所高周波電磁シールド板49によって、高周波的に接地されていること、RFコイル回路421の中心点が、LCバラン回路424によって接地と同電位になっていることによって、高周波電磁シールドルームを不要にすることができる。
【0026】
本発明の実施の形態においては、解剖学的な情報を得るためのT強調画像の撮像シーケンスとして、3D-勾配エコー法を採用し、病変を検出する脂肪抑制T強調画像の撮像シーケンスとしてSTIR-3DFSE法を採用しているが、撮像シーケンスはこれに限定されるものではない。
【0027】
図8は、本発明の実施の形態に係る3D-勾配エコー法のシーケンスの説明図であり、図9は、本発明の実施の形態に係るSTIR-3DFSE法のシーケンスの説明図である。
【0028】
本実施の形態に係るMRI装置の動作の手順は、先ず被写体となる手Rを磁石41の中に設置されたRFプローブ42の開口422中に入れ、PC10の撮像プログラムを起動する。撮像プログラムは、キーボード(不図示)から入力された撮像パラメータに従って、撮像パルスシーケンスを起動すると同時に、データ収集プログラムを起動する。
【0029】
パルスシーケンスは、DSP(パルス発生器)14から、正確なタイミング信号として出力され、DAC(DA変換器)12に送られ、DAC12でアナログ化され、RFパルス波形がLPF(ローパスフィルタ)33とアンプ35を経て高周波変調器31へ供給され、一方勾配磁場電流の波形が勾配磁場電源部50の3つの電流増幅器51~53へ供給される。高周波変調器31では、シンセサイザ13から定常的に出力されるラーモア周波数の参照信号とパルス波形が混合され、RFパルスが出力される。RFパルスはVGA36を経て、パワ-アンプ(高周波送信機)60へと入力され、RFコイル42に高周波磁場を発生するための電力増幅が行われた後、切替器70を介してRFコイルに供給される。勾配磁場電源部50の電流増幅器51~53は、信号波形に比例した定電流パルスを勾配コイル43~45へ供給する。
【0030】
RFパルスによって励起された被写体である手R中の核スピンは、RFコイルにNMR信号を誘起し、切替器70を介してプリアンプ80に送られ、プリアンプ80で増幅され、さらにVGA37を経て、検波器32において回転系のNMR信号が得られる。
【0031】
この検波された信号は、アンプ38、LPF34を経てADC(AD変換器)11に送られ、ADC11にてデジタル化され、PC10のメモリ(不図示)上に一時的に格納される。そして、画像再構成に必要なデータ収集が終わった後に、画像再構成プログラムによって、画像ディスプレイ20上に再構成画像が表示される。
【0032】
なお、測定時のRFパルスの送信ゲインや、NMR信号の受信ゲインは、USB I/F(インターフェイス)35を通してPC10から送受信部30に指示が出され、送受信部30に内蔵されているCPUによってVGA36、37に送信され、VGAで所定のゲインに増幅される。
【実施例】
【0033】
次に実施例により、本発明について、より詳細に説明する。本実施例に用いたMRI装置は本発明の実施の形態で説明したところおよび図面に基き、その各構成要素の主要諸元は次の通りである。
【0034】
(永久磁石 41)
・メーカ:日立金属(株)
・永久磁石材:Fe-Nd-B系
・寸法:
幅×高さ×奥行き=460mm×780mm×440mm
・静磁場強度:0.3T
・磁極間ギャップ:13cm
・磁場の均一度:
回転楕円体領域(22cm×22cm×8cm)内で50ppm
(勾配コイル 43~45)
・巻き線方式:
x、y軸方向の勾配コイル・・・ターゲットフィールド法
z軸方向の勾配コイル・・・遺伝的アルゴリズム
・巻き線数:
x、y軸方向の勾配コイル・・・25ターン、
z軸方向の勾配コイル・・・32ターン
・勾配磁場均一領域:回転楕円体(長軸20cm×短軸6cm)
・コイルの巻き枠:
材質・・・ベークライト板(厚さ2.7mm)
加工法・・・CADデータを元にNCフライスで巻き線パターンを座板にミリング
コイル間隔・・・12cm
電流面直径・・・40cm以下
・巻き線:
直径×材質=1.0mm×銅線(ポリエチレン被覆付き)
求めた巻き線分布からビオ・サバールの法則で3次元磁場解析を行い、次の式1による勾配磁場均一領域を10%以内としている。
【0035】
【数1】
JP0004248588B1_000002t.gif

【0036】
(RFプローブ 42)
・RFコイル回路 421
・コイル
幅×厚さ×材質×ターン数=10mm×0.1mm×銅箔×長円形型(短軸6.5mm×長軸12.5cm)14ターン
・キャパシタ
=100pF×3個、Ct1=100pF、VCt1=2~40pF、
VCm1=2~40pF、Vcm2=2~40pF
・LCバラン回路 424
・コイル
=0.623μH×2個
・コンデンサ
=249pF×2個
・高周波電磁シールドボックス 425・・・樹脂板製、銅箔貼着
(局所高周波電磁シールド板 49)
・導体板 491・・・銅板、厚さ1mm
・絶縁体シート 492・・・FRPシート、厚さ0.5mm
・局所高周波電磁シールド板の基材 493・・・樹脂板、厚さ10mm
【0037】
[局所高周波電磁シールド性能の評価]
人工雑音として、磁石の開口面から2m離れた高さ59cmの位置に、直径2cmのループコイルを設置し、信号発生器(ANRITSU、MG3641A)からループコイルへ12.5787990MHz、16dBmの高周波を供給し、健常被験者がRFプローブ内に手を入れた状態で、局所高周波電磁シールド板とLCバラン回路の組み合わせを変えて、外乱雑音電力の周波数特性測定を行い、高周波送受信機の受信ゲインを最大に設定し、高周波電力増幅器OFFの状態で、NMR信号を発生させずに残留雑音成分のみの測定を行い、収集データに対して、高速フーリエ変換による周波数分析を行った。
【0038】
図6にLCバラン回路と局所高周波電磁シールド板の組み合わせを変えたときの残留雑音電力の周波数特性の測定結果を示している。図6から、局所高周波電磁シールド板を用いることによって平均で-17.7dBのシールド効果があり、更にLCバラン回路を併用することによって-22.9dBのシールド効果が得られた。このように,局所シールド対策を施すことによってシールドルーム無しで良好な信号対雑音比(SNR)で画像取得が可能である。
【0039】
[健常被検者の撮像]
図8は、健常被験者(53歳男性)の下記の3D-GRE法によるT1強調画像の撮像画像を示し、(A)~(D)に従って手背側にスライス位置が変化した画像を示している。このT1強調画像により、従来の全身用MRI装置と同様の遠位指節間関節から手根骨までの各関節の位置、靱帯の付着部、軟骨など手全体の形態情報を確認することができた。 *3D-勾配エコー法、T強調シーケンス
パルス系列の繰り返し時間 TR=35ms
エコー時間 TE=5.5ms
フリップ角 FA=60°
Voxel Size・・・0.4mm×0.8mm×1.6mm
画素数・・・512×192×32(フーリエ補間後512×512×16)
励起回数 NEX=2
撮像時間・・・7分10秒
【0040】
図9に同一被験者の下記のSTIR-3DFSE法よる脂肪抑制T2強調画像の撮像画像を示し、(A)~(D)に従って手背側にスライス位置が変化した画像を示している。この脂肪抑制T2強調画画像により、従来の全身用MRI装置と同様の骨髄や皮下脂肪の信号が抑制された滑液、静脈血など脂肪信号が抑制されT2の比較的長い成分が顕著な高信号領域として確認された。
*STIR-3DFSE法、脂肪抑制T強調シーケンス
パルス系列の繰り返し時間 TR=1000ms
反転時間 TI=100ms
有効エコー時間 TEeff=60ms
エコー数 ETL=12
Voxel Size ・・・ 0.8mm×0.8mm×1.6mm
画素数・・・256×384×16
撮像時間・・・8分30秒
【0041】
なお、図7は、局所高周波電磁シールド対策なしのMRI装置の撮像画像であるが、各関節の位置、靱帯の付着部、軟骨などの撮像部位の形態情報を全く確認できなかった。
【0042】
局部高周波電磁シールド対策を行った本実施例によれば、-22.9 dBのシールド効果が得られ、高周波電磁シールドルームが不要でMRI装置が小型となることから、従来より狭いスペースにMRI装置の設置が可能となり、小型・安価であり、かつ開放的な空間で被検者の姿勢に自由度が大きく楽な姿勢で、手全体を一度に短時間で撮像し、読影することができた。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施の形態に係るMRI装置のブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るMRI装置の架台部の説明図であり、(A)は正面視断面図、(B)は左側面視断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るRFコイル回路とLCバラン回路の回路図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る3D-勾配エコー法のシーケンスの説明図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るSTIR-3DFSE法のシーケンスの説明図である。
【図6】LCバラン回路と局所高周波電磁シールド板の組み合わせを変えたときの残留雑音電力の周波数特性である。
【図7】局所高周波電磁シールド対策なしのMRI装置の撮像画像である。
【図8】本発明の実施例に係る3D-勾配エコー法で撮像した、RA患者の手の撮像画像である。
【図9】本発明の実施例に係るSTIR-3DFSE法で撮像した、RA患者の手の撮像画像である。
【図10】従来例に係る高周波電磁シールドルームであり、(A)は特許文献1に記載されているもの、(B)は特許文献2に記載されているものである。
【符号の説明】
【0044】
1・・MRI装置
10・・PC(コンピュータ)
11・・ADC
12・・DAC
13・・シンセサイザ
14・・DSP
15・・USB I/F
20・・画像ディスプレイ
30・高周波信号ユニット部(送受信部)
31・・変調器
32・・検波器
33・・LPF(ローパスフィルタ)
34・・LPF(ローパスフィルタ)
35・・アンプ
36・・VGA
37・・VGA
38・・アンプ
39・・切替器
40・・架台部
41・・磁石(永久磁石)
411・・ヨーク(横要素)
412・・ヨーク(縦要素)
413・・ポールピース
42・・RFプローブ
421・・RFコイル回路
422・・開口
423・・回路基板
424・・LCバラン回路
425・・高周波電磁シールドボックス
43・・勾配コイル(x軸方向)
44・・勾配コイル(y軸方向)
45・・勾配コイル(z軸方向)
46・・台座
47・・副え板
48・・カバー(手袋)
49・・局所高周波電磁シールド板
491・・導体板
492・・絶縁体シート
493・・局所高周波電磁シールド板の基材
50・・勾配磁場電源部
51・・勾配アンプ(x軸方向)
52・・勾配アンプ(y軸方向)
53・・勾配アンプ(z軸方向)
60・・パワアンプ(高周波送信機)
70・・切替器(切替回路)
80・・プリアンプ
R・・手

図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9