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明細書 :携帯端末

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4501001号 (P4501001)
公開番号 特開2006-190079 (P2006-190079A)
登録日 平成22年4月30日(2010.4.30)
発行日 平成22年7月14日(2010.7.14)
公開日 平成18年7月20日(2006.7.20)
発明の名称または考案の名称 携帯端末
国際特許分類 G06F   3/02        (2006.01)
H04M   1/23        (2006.01)
H01H  13/14        (2006.01)
FI G06F 3/02 310A
H04M 1/23 D
H01H 13/14 Z
請求項の数または発明の数 2
全頁数 8
出願番号 特願2005-001449 (P2005-001449)
出願日 平成17年1月6日(2005.1.6)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第1項適用 平成16年7月9日 電気通信大学主催の「第8回 学生アイディアコンテスト」において文書をもって発表
審査請求日 平成19年11月22日(2007.11.22)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504133110
【氏名又は名称】国立大学法人電気通信大学
発明者または考案者 【氏名】足立 博
審査官 【審査官】山崎 慎一
参考文献・文献 特開平05-265618(JP,A)
特開2004-102566(JP,A)
実開昭61-101788(JP,U)
特開2003-296001(JP,A)
特開2000-100276(JP,A)
特開平11-134963(JP,A)
調査した分野 G06F 3/02
H01H 13/14
H04M 1/23
特許請求の範囲 【請求項1】
文字を入力する文字入力キーを有する携帯端末であって、
前記文字入力キーは、
ユーザが操作を行う操作部と、
前記操作部の端部に形成され、基盤に設けられた文字を入力するためのスイッチを選択的に押下する複数の押下部と、
前記操作部を前記基盤に支持させるために前記基盤に対して嵌め込む嵌込部と
前記操作部の前記基盤側面であって、前記押下部の近傍に、略断面三角形状であって基盤側方向に拡開して形成される切込部と、を備えるとともに、
弾性変形材により形成されることを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記嵌込部の先端部に、前記嵌込部の嵌込方向に直行する方向における伸縮を補助するためのスリットを有することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話やPHS(Personal Handyphone System)といった携帯端末においては、従来、文字を入力する文字入力キーの数は、小型化の要請などから限られているため、一つの文字入力キーにいくつもの文字を割り振ることが行われている。
【0003】
従来の携帯端末では、ユーザが文字入力キーを1回押下する毎に当該文字入力キーに割り振られた文字が一文字ずつ選択可能な状態となり、ユーザが選択可能となった文字を選択することで、当該文字が入力されるようになっている。このため、ユーザは、入力しようとする文字が選択可能な状態になるまで、文字入力キーを押下しなければならず、手間がかかる上、文字入力キーの連打による誤操作が生じやすいという問題があった。
【0004】
このような不都合を解決したものとして、ユーザが文字入力の際に操作する操作部の基盤側の面の中央、左右および上下に突起部を設けるとともに、この突起部に対応する位置に文字を入力するスイッチを設けた携帯端末が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
この携帯端末では、例えば、「あ」行の文字がそれぞれ中央および上下左右に割り振られており、操作部を垂直方向に押圧すると、操作部の基盤側の面の中央に設けられた突起部がスイッチを押下して、「あ」の文字が入力され、同様に、操作部を左方向に押圧すると「い」の文字が入力され、上方向に押圧すると「う」の文字が入力され、右方向に押圧すると「え」の文字が入力され、下方向に押圧すると「お」の文字が入力されるようになっている。
【0006】
また、スティックタイプのスイッチを備え、操作部を垂直および上下左右方向に押圧すると、当該スティックタイプのスイッチの中心軸がそれぞれに応じて傾き、これにより、各方向に対応した文字が入力されるようにした携帯端末も開示されている(特許文献1参照)。

【特許文献1】特開2003-296001号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来の操作部に形成された突起部に対応する位置に文字を入力するスイッチをそれぞれ備えた携帯端末では、操作部をスイッチが設けられた基盤に対して安定させるために何らかの固定手段を設ける必要があるため、製造が困難であり、コストも高くなるという問題があった。
【0008】
また、スティックタイプのスイッチを用いた携帯端末では、スイッチの構造が複雑であるためコストが高くなるという問題があった。
【0009】
そこで、本発明は、文字を入力する際に1つの文字入力キーを連打することによる煩わしさや入力の誤りを防止することができるとともに、簡易な構成により低コストで容易に製造することができる携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明は、文字を入力する文字入力キーを有する携帯端末であって、前記文字入力キーは、ユーザが操作を行う操作部と、前記操作部の端部に形成され、基盤に設けられた文字を入力するためのスイッチを選択的に押下する複数の押下部と、前記操作部を前記基盤に支持させるために前記基盤に対して嵌め込む嵌込部と、前記操作部の前記基盤側面であって、前記押下部の近傍に、断面三角形状であって基盤側方向に拡開して形成される切込部と、を備えるとともに、弾性変形材により形成されることを特徴とする。

【0011】
請求項1に記載の発明によれば、弾性変形材よりなる文字入力キーの端部に、複数の押下部が形成されているため、ユーザが所望する文字を担当する押下部を選択して押下すると、当該押下部が変形して対応するスイッチが押圧されて文字が入力される。したがって、各押下部に一つの文字を担当させておけば、文字入力キーを連打することなく全ての文字が入力可能となる。
【0012】
また、製造時には、嵌込部を基盤に対して嵌め込むだけで、操作部を基盤に支持させることができる。この嵌込部は、弾性変形材により形成されているため、嵌め込みが容易である。
【0014】
また、押下部が押下され押下部近傍が変形することによる歪みが、切込部に吸収されて、押下部近傍がより変形しやすくなり、押下部のスイッチに対する近接動作が補助される。

【0015】
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の携帯端末において、前記嵌込部の先端部に、前記嵌込部の嵌込方向に直行する方向における伸縮を補助するためのスリットを有することを特徴とする。

【0016】
請求項に記載の発明によれば、嵌込部の先端部にはスリットが設けられているため、嵌込部を基盤に対して嵌め込む際には、スリットが閉じて嵌め込みが容易にはり、嵌め込んだ後には、スリットが開いて嵌込部が抜け出ることが防止される。

【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の発明によれば、ユーザが所望する文字を担当する押下部を選択して押下すると、当該押下部が変形して対応するスイッチが押圧されて文字が入力されるため、文字を入力する際に1つの文字入力キーを連打することによる煩わしさや入力の誤りを防止することができる。
【0018】
また、製造時には、嵌込部を基盤に対して嵌め込むだけで、操作部を基盤に支持させることができる上、嵌込部は、弾性変形により容易に嵌め込むことができるため、簡易な構成により低コストで容易に製造することができる。
【0019】
また、押下部の近傍に設けられた切込部により押下部のスイッチに対する近接動作が補助されるため、より確実に所望の文字を入力することができる。

【0020】
請求項に記載の発明によれば、嵌込部の先端部にはスリットが設けられているため、製造時に、より容易に嵌込部を基盤に嵌め込んで押下部を基盤に対して支持させることができる上、嵌め込んだ後はより確実に文字入力キーの抜け落ちを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を適用した携帯電話機の一実施形態を図1から図2を参照して説明する。
【0022】
携帯電話機1は、図1に示すように、筐体2の上部に、基地局(図示しない)と通信を行うためのアンテナ3を有している。筐体2の上面上部には、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)により構成され、文字等を表示する表示部4が設けられており、表示部4の下部には、ユーザの指示を入力する入力部5が設けられている。また、筐体2の内部には、携帯電話を構成する各部を制御するための制御装置(図示しない)が設けられているとともに、入力部5により入力されたユーザからの指示を電気信号として制御装置に入力させるための基盤6(図2参照)が設けられている。
【0023】
入力部5は、筐体2上面に配設され電源の入切等を行う電源ボタン7と、電話の発信及び受信を行う通信ボタン8と、数字や仮名、英字等の文字を入力する文字入力キー9と、携帯電話会社等による各種サービスを選択したり、携帯電話機1に備えられている各種機能を選択したり、数字を入力する数字モードと仮名文字を入力する仮名モードと英字を入力する英字モードとを手動で選択したり、あるいは、漢字変換の候補を選択するための選択ボタン10と、筐体2の測面に配設され大文字小文字の変換等を行うためのシフトキー11とにより構成されている。
【0024】
基盤6の各文字入力キー9に対応する位置であって所定の位置には、図2に示すように、文字入力キー9を嵌め込むための嵌入孔12が、それぞれ設けられている。嵌入孔12は、その入口部が内部よりも狭められて形成されている。
【0025】
また、各嵌入孔12を挟んで表示部側及びこれに対向する側の所定位置には、例えば、メンブレンスイッチ13により構成され、押圧されることにより各文字に対応する電気信号を制御装置に送信するスイッチ13が、それぞれ設けられている。
【0026】
各文字入力キー9は、図1に示すように、平面視して略方形状に形成され、ユーザが文字を入力する際に指により操作を行う操作部14を有しており、この操作部14における表示部側端部及びこれに対向する端部には、図2に示すように、基盤6に設けられたスイッチ13を選択的に押下する押下部15が、基盤側に対してそれぞれ突出形成されている。
【0027】
そして、操作部14の上面であって各押下部15に対応する位置には、図1に示すように、当該押下部15が担当しユーザが押下することにより入力される文字が表記されている。
【0028】
本実施形態における携帯電話機1は、数字モードにおいて0~9の数字を入力するための10個の文字入力キー9の他3個の文字入力キー9を有しており、各文字入力キー9に設けられた2つの押下部15は、A~Zの26個のアルファベットを1つずつ担当し、各アルファベットに係る電気信号を送信するスイッチ13を押圧するようになっている。
【0029】
アルファベットの割り振りは、例えば、数字モードにおいて「1」を入力する文字入力キー9の表示部側の押下部15が「A」および「1」を担当し、これと対向する側の押下部15が「B」を担当し、数字モードにおいて「2」を入力する文字入力キー9の表示部側の押下部15が「C」および「2」を担当し、これと対向する側の押下部15が「D」を担当するというように、アルファベット順に割り振るとよい。この場合、操作部14の上面の上部(表示部側)には「1」及び「A」を表記し、下部(表示部側と対向する側)には「B」を表記しておくことになる。
【0030】
そして、本実施形態においては、制御装置は、各スイッチ13より送信されてきたアルファベットに関する電気信号に従い、ローマ字で日本語を入力するようになっている。
【0031】
また、各押下部15の近傍には、図2に示すように、操作部14の一側部から他側部にわたる断面三角形上の切込部16が、各押下部15に沿ってそれぞれ形成されており、各押下部15のスイッチ13に対する近接動作を補助するようになっている。
【0032】
また、文字入力キー9は、操作部14に対して略垂直に設けられ、操作部14を支持する支持部17を有している。この支持部17の端部には、操作部14を基盤6に対して支持させるために基盤6の嵌入孔12に嵌め込まれる嵌込部18が、嵌込方向と直行する方向に突出形成されており、嵌込部18は、基盤6に嵌め込むと、その上端が嵌入孔12の入口部の内側縁部に係止されるようになっている。
【0033】
また、嵌込部18の先端部には、嵌込部18の略中央部分を基盤6に対する嵌込方向に沿って一部切り欠いたスリット19が形成されており、嵌込部18の嵌込方向に直行する方向における伸縮を補助するようになっている。
【0034】
操作部14と支持部17と嵌込部18とは、一体形成され文字入力キー9を構成しており、文字入力キー9は、例えば合成ゴム等の弾性変形材により形成されている。
【0035】
次に、本実施形態における携帯電話機1の作用について説明する。
【0036】
文字を入力する際には、ユーザにより所望の文字が表示された押下部15が順次押下される。押下された押下部15の近傍は弾性変形するとともに、この変形による歪みが切込部16における隙間に吸収されて、押下部15近傍がさらに変形し、これにより、押下部15が基盤6上のスイッチ13に近接して、ついには押下部15によりスイッチ13が押圧される。そして、当該スイッチ13から所定の文字に係る電気信号が、制御装置に対して送信されて、ユーザが所望する文字が入力されることになる。
【0037】
したがって、ユーザは、例えば「電話」と入力する場合、仮名モードにした状態で、操作部14における「D」が表記された部分を1回、「E」が表記された部分を1回、「N」が表記された部分を1回、「W」が表記された部分を1回、「A」が表記された部分を1回それぞれ押下して、ローマ字入力により仮名文字「でんわ」を入力した後、選択ボタン10を操作して漢字の「電話」を選択入力すればよい。
【0038】
また、携帯電話機1を製造する際には、操作部14と支持部17と嵌込部18とが一体形成された文字入力キー9を、基盤6の所定位置に配置して、嵌込部18を嵌入孔12に対して挿入させる。このとき、嵌込部18のスリット19が閉じて、嵌込部18が容易に嵌入孔12に嵌め込まれる。その後、スリット19が嵌入孔12内において開くとともに、嵌込部18の操作部14側端部が嵌入孔12の入口部の内側縁部に係止される。
【0039】
以上より、本実施携帯に係る携帯電話機1によれば、ユーザが所望する文字を担当する押下部15を選択して押下すると、当該押下部15が変形して対応するスイッチ13が押圧されて所望の文字が入力されるため、文字を入力する際に1つの文字入力キー9を連打することによる煩わしさや入力の誤りを防止することができる。
【0040】
このとき、押下部15の近傍に設けられた切込部16により押下部15のスイッチ13に対する近接動作が補助されるため、より確実に所望の文字を入力することができる。
【0041】
また、製造時には、操作部14が一体形成された嵌込部18を基盤6に対して嵌め込むだけで、操作部14を基盤6に支持させることができる上、嵌込部18は、弾性変形により容易に嵌め込むことができるため、簡易な構成により低コストで容易に製造することができる。
【0042】
さらに、嵌込部18の先端部にはスリット19が設けられているため、製造時には、より容易に嵌込部18を基盤6に嵌め込んで押下部15を基盤6に対して支持させることができる上、嵌め込んだ後はより確実に文字入力キー9の抜け落ちを防止することができる。
【0043】
なお、本実施形態においては、切込部16は、基盤側の面に形成するようにしたが、基盤側の面と対向する面に設けるようにしてもよい。この場合、切込部16は断面三角形状とすることなく、単に切れ目を入れて形成するようにしてもよい。このようにしても、ユーザが押下部15を押下すると、切込部16の切れ目が開いて、押下部15のスイッチ13に対する近接動作が補助される。また、切込部16は、基盤側の面とその対向面の両方に設けるようにしてもよい。なお、指の押下力により押下部15がスイッチ13を押圧可能な程度の弾性変形率を有する材料により文字入力キー9を形成すれば、切込部16を設けなくてもよい。
【0044】
また、本実施形態においては、アルファベットを用いてローマ字入力をするようにしたが、仮名入力をするようにしてもよい。この場合、仮名文字はアルファベットより文字数が多いため、例えば図3に示すように、一つの文字入力キー9の四方の端部にそれぞれ押下部15を設けて、4つの押下部15にそれぞれ一文字ずつ仮名文字を担当させるようにするとよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明に係る携帯端末を適用した携帯電話機の一実施形態の構成を示した正面図である。
【図2】図1の携帯電話機に備えられた文字入力キーの構成を示す説明図である。
【図3】図1の携帯電話機に備えられた文字入力キーにおける仮名文字の割り振り例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0046】
1 携帯電話機
5 入力部
6 基盤
9 文字入力キー
12 嵌入孔
13 スイッチ
14 操作部
15 押下部
16 切込部
18 嵌込部
19 スリット
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2