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明細書 :回転翼機構、該回転翼機構を用いた移動体、並びに発電機

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4759738号 (P4759738)
公開番号 特開2007-218172 (P2007-218172A)
登録日 平成23年6月17日(2011.6.17)
発行日 平成23年8月31日(2011.8.31)
公開日 平成19年8月30日(2007.8.30)
発明の名称または考案の名称 回転翼機構、該回転翼機構を用いた移動体、並びに発電機
国際特許分類 F03D   3/06        (2006.01)
B64C  39/00        (2006.01)
FI F03D 3/06 F
B64C 39/00 A
請求項の数または発明の数 6
全頁数 13
出願番号 特願2006-039679 (P2006-039679)
出願日 平成18年2月16日(2006.2.16)
審査請求日 平成21年1月20日(2009.1.20)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504133110
【氏名又は名称】国立大学法人電気通信大学
発明者または考案者 【氏名】田中 一男
【氏名】原 直裕
個別代理人の代理人 【識別番号】100083806、【弁理士】、【氏名又は名称】三好 秀和
【識別番号】100101247、【弁理士】、【氏名又は名称】高橋 俊一
【識別番号】100120455、【弁理士】、【氏名又は名称】勝 治人
審査官 【審査官】大谷 謙仁
参考文献・文献 特開昭54-039745(JP,A)
特開昭51-010243(JP,A)
特開2003-155972(JP,A)
特開2005-053347(JP,A)
実開平02-144673(JP,U)
特許第082899(JP,C2)
特開2003-212190(JP,A)
調査した分野 F03D 3/06
B64C 39/00
特許請求の範囲 【請求項1】
主軸と、この主軸の軸線周りに回転自在の回転体と、複数のリンク部材をパンタグラフ状に組み合わせて成り、前記回転体に対して前記主軸の径方向に伸縮自在に取り付けられたパンタグラフリンクと、前記主軸に対して平行かつ翼弦が前記リンク部材の長手方向となるように前記リンク部材に取り付けられた翼と、前記回転体の回転に伴って前記パンタグラフリンクを伸縮させるパンタグラフリンク駆動手段とを備え、前記回転体が前記主軸の軸線周りに一回転する間に前記翼に生じる流体力の合力が特定の方向に向くようにしたことを特徴とする回転翼機構。
【請求項2】
前記パンタグラフ駆動手段は、前記主軸に対して接近及び離間するように前記回転体上に摺動自在に取り付けられたスライダと、前記主軸に対して偏心した位置に固定配置され、前記主軸と平行な従節軸と、一端が前記従節軸により回動自在に軸支され、前記従節軸の径方向外側に向けて延びると共に他端が前記スライダに対して前記主軸と平行な軸線まわりに回動自在に連結された従節クランクとを備え、前記パンタグラフリンクは、前記従節クランクと前記スライダとの連結点と、前記回転体上における前記スライダよりも内側の部位に設定された支点との二点において伸縮自在に軸支されたことを特徴とする請求項1記載の回転翼機構。
【請求項3】
前記パンタグラフ駆動手段は、前記主軸に対して偏心した位置に固定配置され、前記主軸と平行な従節軸と、一端が前記従節軸により回動自在に軸支され、前記従節軸の径方向外側に向けて延びる従節クランクと、一端が前記従節クランクの他端に対して前記主軸と平行な軸線まわりに回動自在に連結され、他端が前記回転体の先端部に対して前記主軸と平行な軸線まわりに回動自在に連結されたカプラリンクとを備え、前記パンタグラフリンクは、前記従節クランクと前記カプラリンクとの連結点と、前記回転体上の中間部に設定された支点との二点において伸縮自在に軸支されたことを特徴とする請求項1記載の回転翼機構。
【請求項4】
前記パンタグラフ駆動手段は、前記主軸に対して接近及び離間するように前記回転体上に摺動自在に取り付けられたスライダと、このスライダを前記主軸の周りの閉じた非真円状の軌跡に沿って摺動自在に案内するレールとを備え、前記パンタグラフリンクは、前記スライダ上に設定された支点と、前記回転体上における前記スライダよりも内側の部位に設定された支点との二点において伸縮自在に軸支されたことを特徴とする請求項1記載の回転翼機構。
【請求項5】
請求項1記載の回転翼機構を備え、前記回転翼機構を回転駆動することにより発生する推進力で移動するようにしたことを特徴とする移動体。
【請求項6】
請求項1記載の回転翼機構を備え、前記回転翼機構が流体から与えられる力で回転することにより発生する回転力で発電を行うようにしたことを特徴とする発電機。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、回転翼機構、該回転翼機構を用いた移動体、並びに発電機に関する。
【背景技術】
【0002】
風力や水力を電力に変換するための回転翼機構として、翼の回転中心である主軸を垂直に設けた垂直型回転翼機構が知られている。また、この回転翼機構は、主軸を水平に設けて空中や水中を移動する移動体に適用することも考え得る。
【0003】
この種の回転翼機構においては、流体から得られる力を効率よく回転力に変換したり、動力を効率よく推進力に変換するためには、翼に生じる揚力を極力大きくし、抗力を極力小さくする必要がある。
【0004】
そこで、本願の発明者は、先に、回転中心を互いに偏心させた二つのリンク部材間に翼を回動自在に取り付け、これらのリンク部材を回動させることによって翼の迎角を変化させようにした回転翼機構(特許文献1)を提案した。
【0005】
また、回転中心の周りに回転するリンク部材の先端に翼を回動自在に取り付け、この翼を閉じた軌跡に沿って誘導することによって翼の迎角を変化させるようにした回転翼機構(特許文献2)も提案した。

【特許文献1】特開2005-53347号公報
【特許文献2】特願2005-028877号の願書に添付した明細書及び図面
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、発電装置においては、さらなる変換効率の向上が要請され、移動体においては、より変換効率を向上させなければ、空中飛行等を実現させることは困難であった。
【0007】
より変換効率を向上させるためには、翼の迎角が大きくなるときの翼の回転速度を大きくし、翼の迎角が小さくなるときの翼の回転速度を小さくすることが考えられるが、上記特許文献1、2の回転翼機構は、その点について考慮されたものではなかった。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、翼の迎角と回転速度を同時に変化させることにより、より揚力を大きくすると共に抗力を小さくすることができる回転翼機構を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係る回転翼機構は、主軸と、この主軸の軸線周りに回転自在の回転体と、複数のリンク部材をパンタグラフ状に組み合わせて成り、前記回転体に対して前記主軸の径方向に伸縮自在に取り付けられたパンタグラフリンクと、前記主軸に対して平行かつ翼弦が前記リンク部材の長手方向となるように前記リンク部材に取り付けられた翼と、前記回転体の回転に伴って前記パンタグラフリンクを伸縮させるパンタグラフリンク駆動手段とを備え、前記回転体が前記主軸の軸線周りに一回転する間に前記翼に生じる流体力の合力が特定の方向に向くようにしたことを特徴としている。
【0010】
また、本発明に係る移動体は、前記回転翼機構を備え、前記回転翼機構を回転駆動することにより発生する推進力で移動するようにしたことを特徴としている。
【0011】
また、本発明に係る発電機は、前記回転翼機構を備え、前記回転翼機構が流体から与えられる力で回転することにより発生する回転力で発電を行うようにしたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の回転翼機構は、翼の迎角が大きくなるときには翼の回転半径(速度)が大きくなり、翼の迎角が小さくなるときには翼の回転半径が小さくなるため、より揚力を大きくすることができると共に抗力を小さくすることができる。したがって、動力を効率良く揚力に変換したり、あるいは流体から与えられる力を効率良く回転力に変換することができる。
【0013】
また、本発明の回転翼機構を用いた移動体は、消費動力を小さくして高い推進力を得ることができる。
【0014】
また、本発明の回転翼機構を用いた発電機は、流体から与えられる力を効率良く電力に変換することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の第1の実施形態である回転翼機構の一部省略正面図、図2は図1の回転翼機構の側面図である。
【0016】
本実施形態においては、回転翼機構1を空中を飛行する移動体に適用した場合、すなわち翼の回転中心である主軸を水平に設ける場合について説明するが、主軸を垂直に設ければ、適宜発電機に適用できることは言うまでもない。
【0017】
この回転翼機構1はスライダクランク機構を用いたもので、図2に示すように、垂直に配置された支持板2に水平かつ回転しないように一端が支持された主軸3を備えている。また、支持板2にはモータ4が取り付けられており、その回転軸の先端には第1の歯車5が固着されている。この第1の歯車5は、後述するスライダホイール7に同心状に固着された第2の歯車6に噛み合っている。
【0018】
主軸3の中間部には、環状のスライダホイール7が、ベアリング等の適宜の機構により、回転自在かつ軸方向に移動しないように支持されている。このスライダホイール7は大径部と小径部から成り、大径部の外周部には、図1に示すように、主軸3の周りに所定の角度間隔をおいて設けられ、主軸3の径方向外側に向けて放射状に延びる複数本の角柱状のスライダクランク8(回転体)の一端が固着されている。これらのスライダクランク8は、実質的に変形しない剛性の高い材料で形成されている。
【0019】
各スライダクランク8の正面の中間部には主軸3と平行に延びる第1の支軸9の一端が固着されている。また、各スライダクランク8には、第1の支軸9に近い部位から先端部に向けて長手方向に延びる溝8aが刻設されている。この溝8aにはスライダ10(図2参照)が摺動自在に係合しており、このスライダ10の正面には、主軸3と平行に延びる第2の支軸11の一端が固着されている。
【0020】
主軸3の先端部には、その径方向外側に向けて突出した帯板状の固定節12の一端が固着されている。そして、この固定節12の先端部には、主軸3と平行に延びる従節軸13の一端が固着されている。この従節軸13の先端部には、環状の従節ホイール14が、ベアリング等の適宜の機構により、回転自在かつ軸方向に移動しないように支持されている。
【0021】
従節ホイール14の外周部には、従節軸13の周りに所定の角度間隔をおいて設けられ、従節軸13の径方向外側に向けて放射状に延びる複数本の従節クランク15の一端が固着されている。また、各従節クランク15の他端はそれぞれ第2の支軸11を介してスライダ10に回動自在に連結されている。これらの従節クランク15は、実質的に変形しない剛性の高い材料で形成されている。
【0022】
そして、各スライダクランク8には、パンタグラフリンク16が取り付けられている。図1に示すように、このパンタグラフリンク16は、互いに平行に配置された複数本のリンク部材16aと、これらのリンク部材16aと交差する方向に延びると共に互いに平行に配置された複数本のリンク部材16bとを平行四辺形状に組み合せると共に、リンク部材16aと16bの交差点をピン(図示せず)により回動自在に連結したものであり、スライダクランク8の長手方向(主軸3の径方向)に伸縮自在となっている。これらのリンク部材16a、16bは実質的に変形しない剛性の高い材料で形成されている。
【0023】
このパンタグラフリンク16における主軸3に最も近いリンク部材16a、16bの主軸3側の連結点(以下、第1節と記す)は第1の支軸9により支持されており、これらのリンク部材16a、16bに隣接したリンク部材16a、16bにおける中央部の連結点(以下、第2節と記す)は第2の支軸11により支持されている。
【0024】
図2に示すように、リンク部材16aには、その正面側と背面側において、前後に延びる骨18を介して、矩形板状の翼19を、主軸3と平行かつ翼弦がリンク部材16aの長手方向となるように取り付けてある。この翼19は、比較的軽量で強度が高い材質により構成される。
【0025】
このように構成された回転翼機構1において、モータ4を駆動すると、歯車5、6を介してスライダホイール7が回転し、その外周部に取り付けられた複数本のスライダクランク8が図1の矢印方向に回転する。
【0026】
この際、第1の支軸9はスライダクランク8に固定されているため、主軸3を中心とする円形状の第1の軌跡T1に沿って移動する。一方、第2の支軸11は従節軸13の周りに回動自在の従節クランク15の一端に取り付けられているため、従節軸13を中心とする円形状の第2の軌跡T2に沿って移動する。
【0027】
第2の軌跡T2は第1の軌跡T1に対して偏心しているため、スライダクランク8の回転に伴って第2の支軸11は第1の支軸9に対して離間したり接近したりする。したがって、第1の支軸9と第2の支軸11によって支持されたパンタグラフリンク16が主軸3の径方向に伸縮することになる。
【0028】
これにより、リンク部材16aに支持された翼19の迎角が変化して翼19に生じる空気力が変化するので、スライダクランク8が一回転する間に翼19に生じる空気力の合力を特定の方向に向かせることができる。例えば、図1に示すように、主軸3を水平にして、翼19の振り下げ時の迎角が大きく、振り上げ時の迎角が小さくなるようにすることで、上昇力を得ることができる。
【0029】
なお、スライダクランク8が、第1の軌跡T1上におけるパンタグラフリンク16が最も伸びる位置から略180°回転した位置においてはパンタグラフリンク16が最も収縮するようになっており、翼19の振り下げ時には迎角が最大になると共に翼19の回転半径(すなわち速度)が最大になるため翼19に生じる上向きの空気力(上昇力)が大きくなり、翼19の振り上げ時には翼19の迎角及び回転半径が最小になるため翼19に生じる下向きの空気力(抗力)が小さくなる。したがって、大きな上昇力を得ることができると共に無駄な消費エネルギーを少なくすることができるので、モータ4の動力を効率良く上昇力に変換することができる。
【0030】
また、推進力の大きさは、パンタグラフリンク16に支持させる翼19の翼幅や翼弦長を変更する他に、翼19の数を変更することによっても可能であり、設計の自由度が高いという利点を有する。
【0031】
さらに、機構要素を用いて翼19の迎角や回転半径を制御するようにしているので、アクチュエータ等の外的な要素によって翼19の迎角や回転半径を制御する場合と比べて、構造が簡素でコスト安であると共に、動作精度が高いという利点を有する。
【0032】
そして、従節軸13の主軸3に対する位置を適当な機構で変化させることにより、翼19によって生じる合力の方向が変化するので、合力を任意の方向へ向かせることができる。
【0033】
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。図3は本発明の第2の実施形態である回転翼機構の一部省略正面図である。
【0034】
本実施形態の回転翼機構21は両クランク機構を用いたもので、垂直に配置された支持板(図示せず)に水平かつ回転しないように一端が支持された主軸22を備えている。
【0035】
主軸22の中間部には、環状のホイール23が、ベアリング等の適宜の機構により、回転自在かつ軸方向に移動しないように支持されている。このホイール23を回転させるモータや歯車等は第1の実施形態と同様であるので説明を割愛する。
【0036】
そして、ホイール23の外周部には、主軸22の周りに所定の角度間隔をおいて設けられ、主軸22の径方向外側に向けて放射状に延びる複数本の角柱状の主クランク24(回転体)の一端が固着されている。これらの主クランク24は実質的に変形しない剛性の高い材料で形成されている。
【0037】
各主クランク24の正面の中間部には主軸22と平行に延びる第1の支軸25の一端が固着されている。また、各主クランク24の正面の先端部には主軸22と平行に延びる回転軸26の一端が固着されている。
【0038】
主軸22の先端部には、その径方向外側に向けて突出した帯板状の固定節27の一端が固着されている。そして、この固定節27の先端部には、主軸22と平行に延びる従節軸28の一端が固着されている。この従節軸28の先端部には、環状の従節ホイール29が、ベアリング等の適宜の機構により、回転自在かつ軸方向に移動しないように支持されている。
【0039】
従節ホイール29の外周部には、従節軸28の周りに所定の角度間隔をおいて設けられ、従節軸28の径方向外側に向けて放射状に延びる複数本の従節クランク30の一端が固着されている。各従節クランク30の先端部にはそれぞれ主軸22と平行に延びる第2の支軸31の一端が固着されている。これらの従節クランク30は実質的に変形しない剛性の高い材料で形成されている。
【0040】
各第2の支軸31にはカプラリンク32の一端が回動自在に連結され、このカプラリンク32の他端は回転軸26に回動自在に連結されている。これらのカプラリンク32は実質的に変形しない剛性の高い材料で形成されている。
【0041】
そして、図示しないが、第1の支軸25には、図1に示すパンタグラフリンク16の第1節が支持され、第2の支軸31には、パンタグラフリンク16の第2節が支持される。
【0042】
このように構成された回転翼機構21において、モータを駆動すると、歯車を介してホイール23が回転し、その外周部に取り付けられた複数本の主クランク24が主軸22の周りに矢印方向に回転する。
【0043】
この際、第1の支軸25は主クランク24に固定されているため、主軸22を中心とする円形状の第1の軌跡T3に沿って移動する。一方、第2の支軸31は従節軸28の周りに回動自在の従節クランク30の一端に設けられているため、従節軸28を中心とする円形状の第2の軌跡T4に沿って移動する。
【0044】
第2の軌跡T4は第1の軌跡T3に対して偏心しており、主クランク24の回転に伴って第2の支軸31は第1の支軸25に対して離間したり接近したりする。したがって、第1の支軸25と第2の支軸31によって支持されたパンタグラフリンクが主軸22の径方向に伸縮する。
【0045】
これにより、パンタグラフリンクに取り付けられた翼の迎角及び回転半径が変化するので、第1の実施形態と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0046】
次に、本発明の第3の実施形態を説明する。図4は本発明の第3の実施形態である回転翼機構の一部省略正面図である。
【0047】
本実施形態の回転翼機構41は、レールスライダ機構を用いたもので、垂直に配置された支持板(図示せず)に水平かつ回転しないように一端が支持された主軸42を備えている。
【0048】
主軸42の中間部には、環状のスライダホイール43が、ベアリング等の適宜の機構により、回転自在かつ軸方向に移動しないように支持されている。このスライダホイール43を回転させるモータや歯車等は第1の実施形態と同様であるので説明を割愛する。
【0049】
そして、スライダホイール43の外周部には、主軸42の周りに所定の角度間隔をおいて設けられ、主軸42の径方向外側に向けて放射状に延びる複数本の角柱状のスライダクランク44(回転体)の一端が固着されている。これらのスライダクランク44は実質的に変形しない剛性の高い材料で形成されている。
【0050】
各スライダクランク44の正面の中間部には主軸42と平行に延びる第1の支軸45の一端が固着されている。また、各スライダクランク44には、この第1の支軸45に近い部位から先端部に向けて長手方向に延びる溝44aが刻設されている。この溝44aにはスライダ46が摺動自在に係合しており、このスライダ46の正面には、主軸42と平行に延びる第2の支軸47の一端が固着されている。
【0051】
このスライダ46は、環状のレール48に摺動自在に係合している。このレール48は摺動性に優れた帯状の部材によって形成された無端状のもので、非真円状を呈している。
【0052】
そして、図示しないが、第1の支軸45には、図1に示すパンタグラフリンク16の第1節が支持され、第2の支軸47には、パンタグラフリンク16の第2節が支持されている。
【0053】
このように構成された回転翼機構41において、モータを駆動すると、歯車を介してスライダホイール43が回転し、その外周部に取り付けられた複数本のスライダクランク44が主軸43の周りに矢印方向に回転する。
【0054】
この際、第1の支軸45はスライダクランク44に固定されているため、主軸43を中心とする円形状の第1の軌跡T5に沿って移動する。一方、第2の支軸47はレール48に沿う第2の軌跡T6に沿って移動する。
【0055】
第2の軌跡T6は非真円状であるため、スライダクランク44の回転に伴って第2の支軸47は第1の支軸45に対して離間したり接近したりする。したがって、第1の支軸45と第2の支軸47によって支持されたパンタグラフリンクが主軸42の径方向に伸縮することになる。
【0056】
これにより、パンタグラフリンクに取り付けられた翼の迎角及び回転半径が変化するので、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0057】
なお、本実施形態の場合、第2の軌跡T6を任意の形状に設定することができるため、翼の迎角や回転速度を回転角度に応じて最適なものにきめ細かく設定することができる。したがって、モータの回転力をより効率良く推進力に変換することができるという利点を有する。
【0058】
次に、本発明の第4の実施形態を説明する。図5は第1の実施形態と同様の構造の回転翼機構を備えた移動体の斜視図、図6は図5の移動体の側面図、図7は図5の移動体の平面図である。
【0059】
この移動体51は、H字形に形成された機体52を有している。この機体52は、実質的に変形しない剛性の高い材料で形成されており、水平方向に間隔をおいて対向配置された一対の水平梁52a、52aと、これらの中央部を相互に連結する連結梁52bとから成っている。
【0060】
各水平梁52aの両端には、それぞれ第1の実施形態と同様の構造の回転翼機構53が取り付けられている。なお、この回転翼機構53における第1の実施形態と対応する部分には同一の符号を付してあり、重複する説明は省略してある。この回転翼機構53はパンタグラフリンク16を5個備えている。
【0061】
この回転翼機構53が1個の場合、パンタグラフリンク16の回転方向と逆方向の力が機体52に作用して機体52が垂直面内で回転してしまうことになる。そこで、一つの回転翼機構53の背面側に別の回転翼機構53を背中合わせに配置することで、この力を相殺して垂直面内での回転を防ぐことができる。
【0062】
しかし、この二つの回転翼機構53だけでは機体52に水平面内で回転する力が発生する。そこで、さらに背中合わせに配置された二つの回転翼機構53を設けてこの力を相殺している。したがって、合計4個の回転翼機構53を備えている。
【0063】
この移動体51では、翼19の振り下げ時には迎角及び速度が大きくなり、翼19の振り上げ時には迎角及び速度が小さくなるため、消費動力を小さくして高い上昇力を得ることができる。
【0064】
なお、図6に示す従節軸13の主軸3に対する位置をアクチュエータで変化させることで、回転翼機構53で発生する合力の方向を変化させることができるので、任意の方向への移動が可能となると共に、機敏性のある移動が可能となる。
【0065】
例えば、ヘリコプターが前進する際には、必ず機体の前側を下げて飛行する必要があるが、この移動体51の場合には、機体52の後側を下げたり、あるいは機体52を垂直にした状態でも前進が可能である。すなわち、機体52の姿勢に関わらず所望の方向に移動することができる。また、空中で停止するホバリング飛行や低速飛行も可能である。
【0066】
したがって、そのような機敏性が特に必要とされる場所(例えば災害地)において、特に有効であるといえる。
【0067】
なお、このような構造の移動体は、空中を移動するものだけでなく、水中を移動するものにも適用することができる。
【0068】
次に、本発明の第5の実施形態を説明する。図8は第1の実施形態と同様の構造の回転翼機構を備えた発電機の斜視図、図9は図8の発電機の側面図、図10は図8の発電機の平面図である。
【0069】
この発電機81は風力によって発電を行うもので、円柱状等に形成された基台82を有しており、その上面には、第1の実施形態の回転翼機構と同様の構造の回転翼機構83を主軸3が垂直となるように取り付けてある。なお、この回転翼機構83における第1の実施形態と対応する部分には同一の符号を付してあり、重複する説明は省略してある。この回転翼機構83はパンタグラフリンク16を5個備えている。なお、スライダホイール7には、モータに代えて、スライダホイール7の回転力を電力に変換する変換器(図示せず)が連結されている。
【0070】
回転翼機構83は、翼19の迎角が回転角度によって変化するため、翼19に一方向から風が当たることで、風力を回転力に変換して発電を行うことができる。
【0071】
なお、図10に示す如く、風向きを検知するセンサ84を設けておき、従節軸13の主軸3に対する位置をアクチュエータ85で風向きに応じて変化させ、翼19が風の流れ方向に回転する際に翼19の迎角及び速度が大きくなるようにすることで、効率の良い発電を行うことができる。
【0072】
なお、このような構造は、風力で発電を行うものだけでなく、その他の流体力(例えば水力)で発電を行うものにも適用することができる。
【0073】
以上、具体例を挙げて本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記の各実施形態で示した構造に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で上記の各実施形態に種々の改変を施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の第1の実施形態である回転翼機構の一部省略正面図である。
【図2】図1の回転翼機構の側面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態である回転翼機構の一部省略正面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態である回転翼機構の一部省略正面図である。
【図5】本発明の第4の実施形態である移動体の斜視図である。
【図6】図5の移動体の側面図である。
【図7】図5の移動体の平面図である。
【図8】本発明の第5の実施形態である発電機の斜視図である。
【図9】図8の発電機の側面図である。
【図10】図8の発電機の平面図である。
【符号の説明】
【0075】
1 回転翼機構
3 主軸
8 スライダクランク(回転体)
10 スライダ
13 従節軸
15 従節クランク
16 パンタグラフリンク
19 翼
21 回転翼機構
22 主軸
28 従節軸
30 従節クランク
32 カプラリンク
41 回転翼機構
42 主軸
46 スライダ
48 レール
51 移動体
53 回転翼機構
81 発電機
83 回転翼機構
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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