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明細書 :半導体デバイス

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4649604号 (P4649604)
公開番号 特開2005-327808 (P2005-327808A)
登録日 平成22年12月24日(2010.12.24)
発行日 平成23年3月16日(2011.3.16)
公開日 平成17年11月24日(2005.11.24)
発明の名称または考案の名称 半導体デバイス
国際特許分類 H01L  27/14        (2006.01)
H01L  31/12        (2006.01)
H01L  27/15        (2006.01)
FI H01L 27/14 Z
H01L 31/12 B
H01L 27/15 D
請求項の数または発明の数 5
全頁数 8
出願番号 特願2004-142537 (P2004-142537)
出願日 平成16年5月12日(2004.5.12)
審査請求日 平成18年12月26日(2006.12.26)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504157024
【氏名又は名称】国立大学法人東北大学
発明者または考案者 【氏名】櫻庭 政夫
【氏名】山田 敦史
【氏名】室田 淳一
個別代理人の代理人 【識別番号】100077838、【弁理士】、【氏名又は名称】池田 憲保
審査官 【審査官】粟野 正明
参考文献・文献 特開平11-046014(JP,A)
特開平03-191572(JP,A)
特開平05-218384(JP,A)
特開2003-031790(JP,A)
特開平06-097499(JP,A)
特開平06-097420(JP,A)
調査した分野 H01L 27/14
H01L 27/15
H01L 31/12
特許請求の範囲 【請求項1】
電気信号を光信号に変換する発光デバイスと、光信号を電気信号に変換する受光デバイスと、これら発光デバイスおよび受光デバイスを表面上に搭載配置した半導体基板とをシリコン系四族元素半導体又はこれらの複合物を主成分とする半導体材料で構成すると共に、前記発光デバイスと、前記受光デバイスとは、シリコン系四族元素の酸化物、窒化物、及び酸窒化物のいずれか一つによって形成された光伝送路によって接続されており、且つ、前記発光デバイス、前記受光デバイス、及び前記光伝送路を酸化膜で覆われたシリコン基板上に設けると共に、前記発光デバイス及び前記受光デバイスには、それぞれ2つの電極が形成されていることを特徴とする半導体デバイス。
【請求項2】
前記発光デバイスおよび前記受光デバイスの少なくとも一方は、p型半導体とn型半導体とを接合させたpn接合構造を有していることを特徴とする請求項に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
前記発光デバイスおよび前記受光デバイスの少なくとも一方は、p型半導体とn型半導体との間に不純物濃度1018atoms・cm-3以下の半導体層を設けたpin接合構造を有していることを特徴とする請求項に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
前記発光デバイスおよび前記受光デバイスの少なくとも一方は、組成比が1%以上異なる異種(ヘテロ)材料を接合させた構造を有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一つに記載の半導体デバイス。
【請求項5】
前記半導体基板には、シリコン集積回路が形成されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一つに記載の半導体デバイス。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体デバイスに係わり、特に四族元素半導体を用いた光半導体デバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の半導体集積回路の高性能化にともない、光信号を伝送させる技術として、周期律表の二族及び六族の元素からなる二—六族化合物半導体、周期律表の三族及び五族の元素からなる三—五族化合物半導体が光デバイスとして採用されているが、四族元素半導体は実用化に至っていない。
【0003】
ここで、四族元素半導体とは、C,Si,Ge,Sn等の四族元素及びそれらの複合物を主成分とする半導体である。二—六族化合物半導体とは、二族元素(Zn、Cd等)と六族元素(O,S,Se,Te等)の化合物を主成分とする半導体である。三—五族化合物半導体とは、三族元素(B,Al,Ga,In等)と五族元素(N,P,As,Sb等)の化合物を主成分とする半導体である。
【0004】

【特許文献1】特開2001-144382号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし光デバイス材料として優れているとされる二—六族化合物半導体、三—五族化合物半導体は、シリコン集積回路のデバイス特性を変化させる要因となるために、シリコン集積回路製作においては排除されるべき材料とされている。したがって、光信号を扱う装置においては、シリコン集積回路を製作した後に、個別の発光・受光デバイスを実装することになるが、これらの実装技術の位置精度が高くないことから高集積化が困難な状況にある。
【0006】
一方、高品質シリコン結晶薄膜成長技術や、四族へテロ構造形成、超高濃度不純物導入技術の進展とともにシリコン系四族半導体材料による光デバイスが期待されている。最も大規模化技術が進展しているシリコン系四族半導体材料による光デバイスが実現すると、シリコン半導体と組み合わせることで新機能の実現が可能となるが、シリコン系四族半導体材料による光デバイスは実現されていない。
【0007】
本願の課題は、より高度な情報処理装置の実現のため、シリコン集積回路と同一シリコン基板上にシリコン系四族半導体材料を用いた発光デバイス、受光デバイスを製作集積化し、二—六族化合物半導体及び三—五族化合物半導体を用いずに光により情報伝達を可能とする半導体デバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の半導体デバイスは、電気信号を光信号に変換する発光デバイスと、光信号を電気信号に変換する受光デバイスと、これら発光デバイスおよび受光デバイスを表面上に搭載配置した半導体基板とを、同一主成分の半導体材料で構成したことを特徴とする。
【0009】
本発明の半導体デバイスは、電気信号を光信号に変換する発光デバイスと、光信号を電気信号に変換する受光デバイスと、これら発光デバイスおよび受光デバイス間を光接続するための導光手段とを、同一半導体基板上に配置したことを特徴とする。
【0010】
本発明の半導体デバイスにおいては、前記発光デバイス、前記受光デバイス、および前記半導体基板は四族の元素の少なくとも一つまたはそれらの複合物を主成分として構成されていることを特徴とする。
【0011】
本発明の半導体デバイスにおいては、前記発光デバイスおよび前記受光デバイスの少なくとも一方は、p型半導体とn型半導体とを接合させたpn接合構造を有していることを特徴とする。
【0012】
本発明の半導体デバイスにおいては、前記発光デバイスおよび前記受光デバイスの少なくとも一方は、p型半導体とn型半導体との間に不純物濃度1018atoms・cm-3以下の半導体層を設けたpin接合構造を有していることを特徴とする。
【0013】
本発明の半導体デバイスにおいては、前記発光デバイスおよび前記受光デバイスの少なくとも一方は、組成比が1%以上異なる異種(ヘテロ)材料を接合させた構造を有することを特徴とする。
【0014】
本発明の半導体デバイスにおいては、前記導光手段は、四族元素半導体の窒化物、酸化物、または酸窒化物を含むことを特徴とする。
【0015】
本発明の半導体デバイスにおいては、前記発光デバイスおよび前記受光デバイスを、光信号を伝送するための透明材料薄膜により光学的に結合させたことを特徴とする。
【0016】
本発明の半導体デバイスにおいては、前記発光デバイスおよび前記受光デバイスを、光信号を伝送するための透明材料の細線により光学的に結合させたことを特徴とする。
【0017】
本発明の半導体デバイスにおいては、前記透明材料は、シリコン系四族元素の酸化物あるいは窒化物あるいは酸窒化物であることを特徴とする。
【0018】
本発明の半導体デバイスにおいては、前記半導体基板には、シリコン集積回路が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本願発明の半導体デバイスは、二—六族化合物半導体や三—五族化合物半導体を用いずに、シリコン集積回路と同一シリコン基板上にシリコン系四族半導体材料を用いた発光デバイス、受光デバイスを製作集積化する。シリコン系四族半導体材料を使うことから、シリコン集積回路とともに成熟してきた集積化技術をそのまま利用できる。その結果、光デバイスをシリコン集積回路と同等の高集積化することが可能となり、光により情報伝達を可能とする半導体デバイスにより高度な情報処理装置が実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の半導体装置及びその製造方法について、図を参照して説明する。
【実施例1】
【0021】
本発明をその実施例1について詳細に説明する。図1に本発明の半導体デバイスの概略俯瞰図、図2、図3に半導体デバイスの製作工程における断面図、図4に発光/受光デバイスにおける電流相関図、図5に光伝送路と関連した半導体デバイスの構成図、図6に半導体デバイスの接合構造図を示す。
【0022】
図1に示すように、シリコン集積回路製作プロセスを利用して、シリコン結晶基板(図示せず)上にシリコンを主成分とする材料を用いて発光デバイス9、受光デバイス10、両デバイス9,10を光結合する光伝送路4を製作した。図2、図3に示すように、対向する発光・受光デバイスは電気的絶縁のために酸化膜薄膜2で覆われたシリコン基板1の上に製作した。その結果、発光デバイス9に電流を流すことにより、受光デバイス10の電流が大きく増加することを見出した(図4)。
【0023】
図2において、シリコン基板1の上に、膜厚1000nmの酸化膜2を成膜し、さらに酸化膜2上に、膜厚約300nmで不純物濃度1018atoms・cm-3以下のシリコン層3を成長させる。フォトリソグラフィ及びエッチングにより発光デバイス9及び受光デバイス10となるべきパターンを形成する。さらに、透明材料としてシリコン窒化膜を約200nm成膜し、それぞれのデバイスを接続するように光伝送路4を3μm幅としてパターニングする。本実施例においては光伝送路4を窒化膜により形成しているが酸化膜あるいは酸窒化膜により形成することもできる。
【0024】
図3において、発光・受光デバイスとなるように、光伝送路4に自己整合させて、P型及びn型不純物をイオン注入し、P型不純物領域5、及びn型不純物領域6を形成する。全面に絶縁膜としてリンドープ酸化膜7を成膜し、コンタクトホールを開口し、P型不純物領域5、及びn型不純物領域6にそれぞれの電極8を形成する。これらの電極は1%シリコンを含むAlにより形成した。このように形成された発光デバイス9と、受光デバイス10と、を図1に示すように配置し、2つのデバイス間を透明なシリコン窒化物細線の光伝送路4で接続する。このとき発光デバイス9と受光デバイス10との間隔は240μm離れている。これらの発光デバイス9と、受光デバイス10と、光伝送路4との配置関係を模式的に図5に示す。図5(A)は、発光デバイス9と受光デバイス10との間に光伝送路4がない場合であり、図5(B)は、発光デバイス9と受光デバイス10とが光伝送路4により結合された場合である。
【0025】
図5のように配置されたデバイスにおいて発光デバイス9に電圧を印加し、半導体間に電流を流し、このとき受光デバイス10における流れる電流を測定する。これらの電流値の関係を図4に示す。図4において、Aグループの△の各点は、発光デバイス9と受光デバイス10との間隔は240μmで、デバイス間には光伝送路4がない場合(図5(A))である。Bグループの●の各点(B)は、光伝送路4がある場合(図5(B))である。光伝送路4がない場合(Aグループ)においては受光デバイスにおいては信号電流が検出されなかった。光伝送路4が在る場合(Bグループ)には、発光デバイスの電流に比例した信号電流が受光デバイスにおいて検出され、発光デバイスの信号が受光デバイスに受信できた。導光手段である光伝送路4により信号が伝送されていることが確認できた。このときの受光デバイスの印加電圧は-1Vである。
【0026】
この結果は、発光効率が低すぎて発光デバイス材料には不向きであると考えられていたシリコン系四族元素半導体においても光デバイス間を光伝送路で結合させることで光信号による情報伝送が可能であることを意味している。従って、シリコン系四族元素半導体において、光デバイスと大規模シリコン集積回路とを同一シリコン基板上に製作することで、より高度な情報処理装置が実現できる。
【実施例2】
【0027】
本発明の実施例2について説明する。図6に半導体デバイスの接合構造図を示す。ここでも、シリコン系四族半導体材料を用いていることは、図1~3と同様である。実施例2においては、さらに発光効率を向上させるために、シリコン集積回路に適用可能な接合とするものである。

【0028】
図6(A)はp型半導体21とn型半導体22とによるpn型である。図6(B)はp型半導体21とn型半導体22との間に不純物濃度1018atoms・cm-3以下の半導体23を介在させたpin型であり、実施例1と同様の構造である。図6(C)はp型半導体21と、p型半導体21と組成比が1%以上異なる異種(ヘテロ)材料のn型半導体24とによるpnヘテロ型である。図6(D)はn型半導体22と、n型半導体22と組成比が1%以上異なる異種(ヘテロ)材料のp型半導体25とによるpnヘテロ型である。図6(E)はp型半導体21と、n型半導体22との間に、半導体26を介在させたダブルヘテロ型である。この半導体26はp型半導体21及びn型半導体22とは組成比が1%以上異なる異種(ヘテロ)材料のp型半導体あるいはn型半導体あるいは不純物濃度1018atoms・cm-3以下の半導体である。
【0029】
上記した接合においても、シリコン系四族元素半導体を使った光による情報伝送が可能である。光により情報伝達を可能とする半導体デバイスにより高度な情報処理装置が実現できる。
【0030】
本願によれば、シリコン集積回路と同一シリコン基板上にシリコン系四族半導体材料を用いた発光デバイス、受光デバイスを製作集積化する。シリコン系四族半導体材料を使うことから、シリコン集積回路とともに成熟してきた集積化技術をそのまま利用できる。その結果、光デバイスをシリコン集積回路と同等の高集積化することが可能となり、光により情報伝達を可能とする半導体デバイスが得られる。
【0031】
以上本願発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本願発明は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明における半導体デバイスの概略俯瞰図である。
【図2】本発明の半導体デバイスの工程(その1)における断面図である。
【図3】本発明の半導体デバイスの工程(その2)における断面図である。
【図4】本発明における発光/受光デバイスにおける電流相関図である。
【図5】本発明における光伝送路と関連した半導体デバイスの構成図である。
【図6】本発明における半導体デバイスの接合構造図である。
【符号の説明】
【0033】
1 シリコン基板
2 酸化膜
3 シリコン層
4 透明材料(光伝送路)
5 p型半導体
6 n型半導体
7 絶縁膜(リンドープ酸化膜)
8 電極
9 発光デバイス
10 受光デバイス
21 p型半導体
22 n型半導体
23 不純物濃度1018atoms・cm-3以下の半導体
24 n型半導体
25 p型半導体
26 半導体
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5