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明細書 :シュベルトマナイトの製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5362292号 (P5362292)
公開番号 特開2010-052975 (P2010-052975A)
登録日 平成25年9月13日(2013.9.13)
発行日 平成25年12月11日(2013.12.11)
公開日 平成22年3月11日(2010.3.11)
発明の名称または考案の名称 シュベルトマナイトの製造方法
国際特許分類 C01G  49/00        (2006.01)
B01D   9/02        (2006.01)
FI C01G 49/00 Z
B01D 9/02 601C
B01D 9/02 602E
B01D 9/02 604
B01D 9/02 606
B01D 9/02 620
B01D 9/02 625A
B01D 9/02 625Z
請求項の数または発明の数 3
全頁数 11
出願番号 特願2008-218678 (P2008-218678)
出願日 平成20年8月27日(2008.8.27)
審査請求日 平成23年8月3日(2011.8.3)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504139662
【氏名又は名称】国立大学法人名古屋大学
発明者または考案者 【氏名】岩井 一彦
【氏名】アクバルエスカンダルプール
【氏名】興戸 正純
個別代理人の代理人 【識別番号】100081776、【弁理士】、【氏名又は名称】大川 宏
審査官 【審査官】廣野 知子
参考文献・文献 国際公開第2008/023853(WO,A1)
特開2005-022937(JP,A)
特開2003-112162(JP,A)
特開2005-000875(JP,A)
特開平08-059245(JP,A)
特開2007-223833(JP,A)
調査した分野 C01G 49/00-49/08
C01G 49/14
JSTPlus/JST7580(JDreamIII)
特許請求の範囲 【請求項1】
Fe(SO・nHO(n:1~50の整数)の水溶液を60~95℃に加熱する加熱工程と、
加熱された前記水溶液のpHが1.6~2.5となるように、アルカリ金属含有の弱塩基性塩よりなるpH調整剤を該水溶液に添加して、シュベルトマナイトを析出させる析出工程と、を備えていることを特徴とするシュベルトマナイトの製造方法。
【請求項2】
前記弱塩基性塩がアルカリ金属の炭酸塩である請求項1に記載のシュベルトマナイトの製造方法。
【請求項3】
前記アルカリ金属の炭酸塩がNaHCO及びNaCOの少なくとも一方である請求項2に記載のシュベルトマナイトの製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明はシュベルトマナイトの製造方法に関する。本発明により製造したシュベルトマナイトは、例えば、クロム酸イオン、リン酸イオンやフッ化物イオン等の有害イオンを含む廃液からこれらの有害イオンを除去する際に好適に利用することができる。
【背景技術】
【0002】
シュベルトマナイトは、Fe(OH)8-2x(SOの組成式をもつ準安定鉱物であり、また、クロム酸イオンやリン酸イオン等の有害イオンを含む特定のイオンに対して高い吸着能力を示すなどの興味深い化学特性を示す。
【0003】
このようなシュベルトマナイトを触媒や化学吸着物質として工業的に利用するには、高純度のシュベルトマナイトを低コストで量産できる製造方法が必要となる。
【0004】
シュベルトマナイトの製造法として、FeCl又はFe(NOと、NaSO又はCaSOとを60℃程度の温度で反応させて、シュベルトマナイトを析出させる方法が知られている。しかし、この方法で得られるシュベルトマナイトは50%程度の不純物塩を含む。しかもその不純物塩がシュベルトマナイトと分子的に結合しているため、その不純物塩を分離、除去することは困難である。
【0005】
また、シュベルトマナイトの他の製造方法として、60~95℃程度に加熱したFe(SO・nHOの水溶液に、尿素((NHCO)を2~4時間程度かけて滴下して、水溶液のpHを最終的に2~6程度まで増加させて、シュベルトマナイトを析出させる方法も知られている(例えば、非特許文献1参照)。しかし、この方法では、得られるシュベルトマナイトの収率が低いという問題がある。例えば、30gのFe(SO・nHOに対して170gの尿素を反応させた場合、5gのシュベルトマナイトしか得られない。
【0006】
さらに、シュベルトマナイトの他の製造方法として、pHが3以下の工業廃水又は抗廃水である含鉄硫酸酸性水を、硫酸酸性水に対する反応性を有するアルカリ土類金属系材料及び鉄系材料から選ばれる少なくとも1種の固形pH調整材で処理し、鉄酸化細菌の存在下、pH2.5~4に維持して、シュベルトマナイトを析出させる方法も知られている(例えば、特許文献1参照)。

【非特許文献1】Materials Research Bulletin, Vol.34, No.6, pp.905-914, 1999, “UNIFORM PARTICLES WITH A LARGE SURFACE AREA FORMED BY HYDROLYSIS OF Fe2(SO4)3 WITH UREA”, Jan Subrt, Jaroslav Bohacek, Vaclav Stengl, Tomas Grygar, and Peter Bezdicka
【特許文献1】特開2005-22937号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記実情に鑑みなされたものであり、高純度のシュベルトマナイトを短時間でかつ高収率で製造することのできる製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する本発明のシュベルトマナイトの製造方法は、Fe(SO・nHO(n:1~50の整数)の水溶液を60~95℃に加熱する加熱工程と、加熱された前記水溶液のpHが1.6~2.5となるように、アルカリ金属含有の弱塩基性塩よりなるpH調整剤を該水溶液に添加して、シュベルトマナイトを析出させる析出工程とを備えていることを特徴とする。
【0009】
本発明のシュベルトマナイトの製造方法によれば、後述する実施例で示されるように、高純度のシュベルトマナイトを短時間でかつ高収率で得ることができる。この理由は、以下のように考えることができる。
【0010】
すなわち、pH調整剤として弱塩基性塩を用いるため、pH調整剤の添加によるpHの上昇が比較的緩やかとなる。この緩やかなpHの上昇が安定したシュベルトマナイトの析出を実現していると考えられる。また、本発明のシュベルトマナイトの製造方法では、pH調整剤としての弱塩基性塩がアルカリ金属を含むため、これらのアルカリ金属イオンがシュベルトマナイトの合成において触媒効果を示す可能性がある。したがって、本発明のシュベルトマナイトの製造方法によれば、短時間で高純度のシュベルトマナイトを合成できる。なお、例えばアルカリ土類金属イオンでは、シュベルトマナイトの合成において触媒効果を示さない。
【0011】
前記弱塩基性塩はアルカリ金属の炭酸塩であることが好ましい。アルカリ金属の炭酸塩はNaHCO及びNaCOの少なくとも一方であることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
したがって、本発明のシュベルトマナイトの製造方法によると、高純度のシュベルトマナイトを短時間でかつ高収率で得ることができるので、シュベルトマナイトの製造において低コスト化及び高生産性を実現することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明のシュベルトマナイトの製造方法は、加熱工程と、析出工程とを備えている。
【0014】
加熱工程では、Fe(SO・nHO(n:1~50の整数)の水溶液を60~95℃に加熱する。硫酸第二鉄n水和物におけるnの数は、実質的には特に限定されず、1~10としてもよいし、10を超えてもよい。硫酸第二鉄n水和物におけるnの数は、Fe(SO・nHOの水溶液におけるFe(SOの濃度に影響を及ぼすのみで、シュベルトマナイトの合成には影響を及ぼさない。
【0015】
加熱工程における加熱温度が95℃を超えると、反応液の蒸発により反応効率が低下し、60℃未満になるとシュベルトマナイトの合成が不可能になる。安定したシュベルトマナイトの析出を実現させる観点より、この加熱温度は65~80℃であることが好ましい。
【0016】
Fe(SO・nHOの水溶液のpHは、水溶液中のFe(SO・nHOの濃度によらず、0.001~1の範囲になると予測され、実際は0.1~0.9程度になると予測される。Fe(SO・nHOの水溶液のpHは、シュベルトマナイトの合成に影響を及ぼさないと考えられる。
【0017】
析出工程では、加熱された水溶液のpHが1.6~2.5となるように、この水溶液にアルカリ金属含有の弱塩基性塩よりなるpH調整剤を添加して、シュベルトマナイトを析出させる。このときのpHの調整は、Fe(SO・nHOの水溶液に対するpH調整剤の添加量を調整することで行うことができる。pH調整剤を添加し終わった後の水溶液のpHが1.6~2.5の範囲を外れると、安定したシュベルトマナイトの析出が困難となる。具体的には、pH調整剤を添加し終わった後の水溶液のpHが1.6未満であるとシュベルトマナイトの合成が不可能となり、2.5を超えると不純物が増加する。したがって、安定したシュベルトマナイトの析出を実現させる観点より、このpHは1.7~2であることが好ましい。
【0018】
pH調整剤としてのアルカリ金属含有の弱塩基性塩は、アルカリ金属の炭酸塩であることが好ましい。本発明で用いることのできるアルカリ金属の炭酸塩としては、KHCOやKCOのカリウムの炭酸塩、NaHCOやNaCOのナトリウムの炭酸塩などを挙げることができるが、NaHCO及びNaCOの少なくとも一方であることが好ましい。ナトリウムの炭酸塩であれば、適切な条件を選ぶことにより、反応生成物がシュベルトマナイトと水だけになる。NaHCO及びNaCOは、どちらか一方のみを用いてもよいし、双方を用いてもよい。
【0019】
pH調整剤の添加速度は、5~20g/minであることが好ましく、6~15g/minであることがより好ましい。pH調整剤の添加速度が速すぎると安定したシュベルトマナイトの析出が困難となり、遅すぎると生産性が低下する。
【0020】
pH調整剤の形状や大きさは特に限定されないが、シュベルトマナイトの安定した析出を実現させる観点より、粉末状のpH調整剤を用いることが好ましい。
【0021】
析出工程で析出したシュベルトマナイトは、イオン交換水等で洗浄して、濾過、乾燥し、必要に応じて粉体化する。
【実施例】
【0022】
(実施例1)
以下に示す実施例1の製造方法によりシュベルトマナイトを製造した。
【0023】
<加熱工程>
市販品のFe(SO・nHO(商品名「EXTRA PURE REAGENT, Code 19529-75 500g, Iron(III)Sulfate n-Hydrate, 硫酸鉄(III)n水和物、ナカライテスク株式会社製)を準備した。
【0024】
そして、20gのFe(SO・nHOと200gの水とを混合して、100g/LのFe(SO・nHO水溶液220gを得た。このFe(SO・nHOの水溶液のpHは0.8であった。
【0025】
また、pH調整剤として、NaHCO粉末を準備した。
【0026】
そして、上記Fe(SO・nHO水溶液を加熱して、室温から70℃の温度まで約10分かけて昇温し、その後その温度で10分間保持した。
【0027】
<析出工程>
その後、70℃の温度に加熱したままの水溶液に、18gのNaHCO粉末を9g/min程度の添加速度で添加した。このときのFe(SO・nHOに対するNaHCO粉末の添加量は、質量比で、NaHCO粉末/Fe(SO・nHO=0.9とした。
【0028】
この析出工程で、pH調整剤の添加にかかった時間は2分程度であった。また、pH調整剤の添加が完了した時点での水溶液のpHは2.0であった。そして、このpH調整剤の添加が完了した時点で、多量のシュベルトマナイトが水溶液中に析出していた。
【0029】
<洗浄、濾過、乾燥、粉体化工程>
析出工程で得られたシュベルトマナイトをイオン交換水で洗浄し、濾過した。その後、約45℃で乾燥してから、粉体化した。
【0030】
こうして得られたシュベルトマナイトの量は7gであった。
【0031】
ここに、pH調整剤の添加が完了した(水溶液のpHが2.0になった)後、直ぐにその後の洗浄工程を行った場合と、pH調整剤の添加が完了した(水溶液のpHが2.0になった)後、数分間そのまま保持してからその後の洗浄工程を行った場合とで、シュベルトマナイトの析出量に差がなかった。
【0032】
実施例1における析出工程の時間は2分程度であり、極めて短時間で、多量のシュベルトマナイトを析出させることができた。
【0033】
また、実施例1では、4モルのFe(SO・nHOから1モルのシュベルトマナイトを得ることができ、収率は100%であった。
【0034】
さらに、実施例1では、析出工程で析出した沈殿物の全てがシュベルトマナイトであるため、沈殿物から不純物を分離、除去する必要がなかった。
【0035】
(比較例1)
以下に示す比較例1の製造方法によりシュベルトマナイトを製造した。
【0036】
<加熱工程>
実施例1と同様、市販品のFe(SO・nHO(商品名「EXTRA PURE REAGENT, Code 19529-75 500g, Iron(III)Sulfate n-Hydrate, 硫酸鉄(III)n水和物、ナカライテスク株式会社製)を準備した。
【0037】
そして、20gのFe(SO・nHOと、200gの水とを混合して100/LのFe(SO・nHO水溶液220gを準備した。このFe(SO・nHOの水溶液のpHは0.8であった。
【0038】
また、pH調整剤として、170gの尿素と500gの水とを混合して、340g/Lの尿素水溶液670gを準備した。
【0039】
そして、上記Fe(SO・nHO水溶液を加熱して、室温から70℃の温度まで約10分かけて昇温し、その後その温度で10分間保持した。
【0040】
<析出工程>
その後、70℃の温度に加熱したままの水溶液に、上記尿素水溶液を添加した。このときのFe(SO・nHOに対する尿素水溶液の添加量は、質量比で、(NHCO/Fe(SO・nHO=170/20とした。なお、pH調整剤の添加にかかった時間は2時間程度であった。また、pH調整剤の添加が完了した時点での水溶液のpHは2であった。
【0041】
このpH調整剤の添加により、シュベルトマナイトを水溶液中に析出させた。
【0042】
<洗浄、濾過、乾燥、粉体化工程>
析出工程で得られたシュベルトマナイトをイオン交換水で洗浄し、濾過した。その後、約45℃で乾燥してから、粉体化した。
【0043】
こうして得られたシュベルトマナイトの量は5gであった。
【0044】
この比較例1では、析出工程に約2時間もかかるとともに、大量のpH調整剤を必要とし、しかも得られるシュベルトマナイトの量はたったの5gであった。
【0045】
(評価1)
実施例1及び比較例1で得られたシュベルトマナイトについて、X線回折装置によりXRD分析をした。実施例1で得られたシュベルトマナイトのXRD分析結果を図1に、比較例1で得られたシュベルトマナイトのXRD分析結果を図2に示す。
【0046】
図1及び図2より、実施例1及び比較例1で得られたシュベルトマナイトは、いずれも不純物のない純粋なものであった。
【0047】
(評価2)
実施例1及び比較例1で得られたシュベルトマナイトについて、Cr吸収量を調べた。まず、Crの初期濃度が200ppmのKCr溶液に、シュベルトマナイトを1g/Lの添加割合で添加して50分間攪拌した。そして、紙フィルタで固形分を濾過して除去した後の溶液について、誘導結合プラズマ原子放出分光計(ICP)(SII(Seiko Instruments Inc) SPS 7800)を用いて、液中のCr濃度を測定した。そして、その測定結果からCr吸収量を算出した。
【0048】
また、実施例1及び比較例1で得られたシュベルトマナイトについて、P吸収量を調べた。まず、Pの初期濃度が80ppmのKHPO溶液に、シュベルトマナイトを1g/Lの添加割合で添加して50分間攪拌した。そして、紙フィルタで固形分を濾過して除去した後の溶液について、光度計(mobile laboratory photometer, LASA 30-“Germany”)を用いて、液中のP濃度を測定した。この測定では、波長800nm用のフィルタを用いた。その測定結果からP吸収量を算出した。
【0049】
これらの結果をまとめて表1に示す。
【0050】
【表1】
JP0005362292B2_000002t.gif

【0051】
表1から、Crイオン及びPイオンのいずれに対しても、実施例1で得られたシュベルトマナイトは、比較例1で得られたシュベルトマナイトより高い吸収性能を発揮した。
【0052】
(評価3)
実施例1の析出工程における反応時間(Fe(SO・nHO水溶液にNaHCO粉末を添加してからの経過時間)と、この水溶液のpH及び酸化還元ポテンシャル(ORP:Oxidation-Reduction Potential)との関係を調べた。
【0053】
水溶液のpH及び酸化還元ポテンシャルは、pHメータ(MM-60R、東亜DKK株式会社製)により測定した。
【0054】
反応時間とpHとの関係を図3に示し、反応時間と酸化還元ポテンシャルとの関係を図4に示す。水溶液のpHは、NaHCO粉末を添加してから約2分が経過するまでの間で、添加前のpH0.8からpH2まで上昇し、その後はほぼpH2のままであった。また、水溶液の酸化還元ポテンシャルは、時間の経過とともに減少した。これらの結果から、2~3分で、pHがほぼ2に、酸化還元ポテンシャルが1V以下にそれぞれなり、シュベルトマナイトが析出したことが確認できた。
【0055】
(実施例2)
pH調整剤として、NaHCO粉末の代わりにNaCO粉末を用いること以外は、実施例1と同様の製造方法を実施した。
【0056】
その結果、実施例1と同様、極めて短時間で、多量のシュベルトマナイトを析出させることができた。
【0057】
実施例2の析出工程で、pH調整剤の添加にかかった時間は2分程度であった。また、pH調整剤の添加が完了した時点での水溶液のpHは1.7であった。そして、このpH調整剤の添加が完了した時点で、多量のシュベルトマナイトが水溶液中に析出していた。
【0058】
また、実施例2では、4モルのFe(SO・nHOから1モルのシュベルトマナイトを得ることができ、収率は100%であった。
【0059】
さらに、実施例2では、析出工程で析出した沈殿物の全てがシュベルトマナイトであるため、沈殿物から不純物を分離、除去する必要がなかった。
【0060】
(比較例2)
pH調整剤として、NaHCO粉末の代わりに、アルカリ土類金属の炭酸塩であるCaCO粉末を用いること以外は、実施例1と同様の製造方法により、シュベルトマナイトを製造しようとした。
【0061】
しかし、pH調整剤としてCaCO粉末を用いた比較例2ではシュベルトマナイトが析出しなかった。
【0062】
(評価4)
実施例2で得られたシュベルトマナイト及び比較例2で得られた生成物について、X線回折装置によりXRD分析をした。実施例2で得られたシュベルトマナイトのXRD分析結果を図5に、比較例2で得られた生成物のXRD分析結果を図6に示す。
【0063】
図5より、実施例2で得られたシュベルトマナイトは、不純物のない純粋なものであった。一方、図6より、比較例2で得られた生成物はシュベルトマナイトではないことがわかる。
【0064】
(評価5)
実施例2の析出工程における反応時間(Fe(SO・nHO水溶液にNaCO粉末を添加してからの経過時間)と、この水溶液のpHとの関係を調べた。
【0065】
同様に、比較例2の析出工程における反応時間(Fe(SO・nHO水溶液にCaCO粉末を添加してからの経過時間)と、この水溶液のpHとの関係を調べた。
【0066】
実施例2における反応時間とpHとの関係を図7に示し、比較例2における反応時間とpHとの関係を図8に示す。図7より、実施例2では、pH2付近でシュベルトマナイトが生成することが確認できた。また図8より、比較例2では、pH1.5以下で長時間にわたってシュベルトマナイト以外の不純物が生成し、シュベルトマナイトの生成に相応しいpH2近傍は瞬時に通過することが確認できた。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】実施例1で得られたシュベルトマナイトのXRD分析結果を示す図である。
【図2】比較例1で得られたシュベルトマナイトのXRD分析結果を示す図である。
【図3】実施例1の析出工程における反応時間と水溶液のpHとの関係を示す図である。
【図4】実施例1の析出工程における反応時間と水溶液の酸化還元ポテンシャルとの関係を示す図である。
【図5】実施例2で得られたシュベルトマナイトのXRD分析結果を示す図である。
【図6】比較例2で得られた生成物のXRD分析結果を示す図である。
【図7】実施例2の析出工程における反応時間と水溶液のpHとの関係を示す図である。
【図8】比較例2の析出工程における反応時間と水溶液のpHとの関係を示す図である。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7