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明細書 :磁性粉末微粒子の製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4604197号 (P4604197)
公開番号 特開2007-157815 (P2007-157815A)
登録日 平成22年10月15日(2010.10.15)
発行日 平成22年12月22日(2010.12.22)
公開日 平成19年6月21日(2007.6.21)
発明の名称または考案の名称 磁性粉末微粒子の製造方法
国際特許分類 H01F   1/40        (2006.01)
G02F   1/09        (2006.01)
C01G  31/00        (2006.01)
C01G  51/00        (2006.01)
H01F  10/193       (2006.01)
FI H01F 1/00 A
G02F 1/09 501
C01G 31/00
C01G 51/00 A
H01F 10/193
請求項の数または発明の数 3
全頁数 13
出願番号 特願2005-347698 (P2005-347698)
出願日 平成17年12月1日(2005.12.1)
審査請求日 平成20年11月10日(2008.11.10)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504182255
【氏名又は名称】国立大学法人横浜国立大学
発明者または考案者 【氏名】君嶋 義英
【氏名】山田 和香
【氏名】瀬々 佳奈
個別代理人の代理人 【識別番号】100113022、【弁理士】、【氏名又は名称】赤尾 謙一郎
【識別番号】100110249、【弁理士】、【氏名又は名称】下田 昭
【識別番号】100102130、【弁理士】、【氏名又は名称】小山 尚人
審査官 【審査官】山田 倍司
参考文献・文献 特開2001-358493(JP,A)
特開2001-207081(JP,A)
特開平07-022229(JP,A)
特開平07-090476(JP,A)
特開2001-130915(JP,A)
特開2002-145622(JP,A)
調査した分野 C01G 49/00-49/08
C04B 35/26-35/40
35/622
H01F 1/00- 1/44
10/00-10/32
41/14-41/34
特許請求の範囲 【請求項1】
ZnO系化合物又はTiO2系化合物と、Fe,V,Cr,Mn,Co及びNiの群から選ばれる1種以上の遷移元素との混合物を、ボールミル内で100~700回転/分、かつ30~120分間処理する工程を有し、
前記遷移元素が前記ZnO系化合物又はTiO2系化合物中のZn又はTiの1~50原子%を置換する割合で混合されている、粒径5~20nmの磁性粉末微粒子の製造方法。
【請求項2】
前記ボールミルの回転数を100~400回転/分とし、かつ30~120分間処理する、請求項1記載の磁性粉末微粒子の製造方法。
【請求項3】
前記ボールミルの回転数を500~700回転/分とし、かつ30~120分間処理し、前記磁性粉末微粒子の粒径を5~10nmとする、請求項1記載の磁性粉末微粒子の製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、強磁性を示し、可視光に透明で紫外線を吸収するZnO又はTiO2系磁性粉末微粒子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
酸化亜鉛および二酸化チタンは、禁制帯巾が3~3.3 eVのn型半導体であり、液晶ディスプレイや太陽電池の透明電極、湿度やガスセンサー、携帯機器の高周波フィルター用表面弾性波素子、紫外線レーザー発振素子等の電気・電子産業分野、ならびに抗菌剤および環境浄化用光触媒材料等の化学工業分野において使用されている。また、これら半導体は可視光に透明な紫外線遮断剤として化粧品材料にも多く使われている。
【0003】
これらの諸物性は、電子による電荷移動や電荷分離現象を用いたものであるが、さらに上記半導体の電子のスピンを制御し、高い強磁性特性を持たせることができれば、大量情報の伝達に必要な光アイソレータ、高密度磁気記録、巨大磁気抵抗効果素子やスピン電界効果トランジスターなどへの応用が可能になり、将来の大量情報伝達に必要な電子材料を作製することができる。また現在多くの需要が見込める透明電磁波防護材や、紫外線防護機能と磁気機能とを併せもつ化粧品・医薬品などを安価に供給することが可能となる。さらに透明磁石や透明電極など、上記半導体の応用可能性は多岐にわたると考えられる。
【0004】
このような材料は透明磁性半導体と呼ばれている。特に、酸化亜鉛および二酸化チタン材料の透明磁性半導体化に成功すれば、光、電荷、スピンを制御しうる新規な素子の開発が可能となる。
これらの材料として、MBE(分子線エピタキシー)やMOCVD(有機金属化学気相成長)を用い、ZnO中のZnの50原子%以上を、Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni等の遷移金属で置換する化合物が開示されている(例えば、特許文献1参照)。又、二酸化チタン・コバルト磁性膜をレーザアブレーション堆積装置で成膜する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。又、酸化チタンにセリウムを添加してなる紫外線遮断剤の微粒子を、沈澱法(共沈法)により得る方法が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
【0005】

【特許文献1】特開2001-130915号公報
【特許文献2】特開2002-145622号公報
【特許文献3】特開2002-80823号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の製造法の場合、いずれも高価な成膜装置を用いたり、多数の処理段階を経る必要があり、製造に長い時間と高いコストを要するものとなっている。工業的な応用のため、ワンステップ処理で短時間かつ低コストでZnO又はTiO2系透明磁性半導体を製造する方法が求められている。
従って、本発明の目的は、強磁性を示し、可視光に透明で紫外線を吸収するZnO又はTiO2系磁性粉末微粒子を、簡便かつ低コストで製造できる方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは鋭意検討を行った結果、ボールミルを用い、所定の条件でZnO又はTiO2と遷移金属の粉末とを混合することにより、遷移金属元素で一部置換されたZnO又はTiO2系磁性粉末微粒子が簡易に得られることを見出した。
すなわち、本発明の粒径5~20nmの磁性粉末微粒子の製造方法は、ZnO系化合物又はTiO2系化合物と、Fe,V,Cr,Mn,Co及びNiの群から選ばれる1種以上の遷移元素との混合物を、ボールミル内で100~700回転/分、かつ30~120分間処理する工程を有し、前記遷移元素が前記ZnO系化合物又はTiO2系化合物中のZn又はTiの1~50原子%を置換する割合で混合されている。
【0008】
前記ボールミルの回転数を100~400回転/分とし、かつ30~120分間処理することが好ましい。前記ボールミルの回転数を500~700回転/分とし、かつ30~120分間処理し、前記磁性粉末微粒子の粒径を5~10nmとすることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、強磁性を示し、可視光に透明で紫外線を吸収する粒径5~20nmのZnO又はTiO2系磁性粉末微粒子を、簡便かつ低コストで製造できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について説明する。
<磁性粉末微粒子の組成>
本発明によって製造される磁性粉末微粒子は、ZnO又はTiO2系化合物中のZn又はTiの1~50原子%を、Fe,V,Cr,Mn,Co及びNiの群から選ばれる1種以上の遷移元素の合計で置換されたものである。
ZnO又はTiO2系化合物を用いる理由は、これらの化合物が透明性の半導体であるからである。又、上記遷移元素をZnO又はTiO2系化合物に含有させる理由は、これらの遷移元素が含有すると、ZnO又はTiO2系化合物が強磁性を示すからである。
ZnO又はTiO2系化合物中のZn又はTiの1~50原子%は上記遷移元素の合計で置換される。Zn又はTiの置換割合が1原子%未満であると、化合物が強磁性を示さない。一方、置換割合が50原子%を超えると、可視光に対する透明性および紫外線吸収機能が損なわれる。
【0011】
<製造方法>
本発明は、前記ZnO系化合物又はTiO2系化合物と前記遷移元素との混合物を、ボールミル内で100~700回転/分、かつ30~120分間ミリング処理するものである。
前記遷移元素の混合量は、前記ZnO又はTiO2系化合物中のZn又はTiを置換する量に相当する。
図1は本発明の実施形態に係る製造方法に好適に用いられるボールミル(ドイツフリッチュ社製 P-7型)の構造を示す。図1において、回転盤2は0~700 rpm(回転/分)の間で回転数の制御が可能であり、クロムスチール製のボールミル容器4は、回転盤2と同じ回転数で逆向きに自転する機構となっている。以後「回転数」とは、回転盤2の毎分回転数を意味する。ボールミル容器4の容積は45 ccで、内部には直径15 mmのクロムスチール製のボールが7個入っている。この容器に1~10 ccの混合粉末原料をボールと共に封入し、必要な回転数で回転盤2と容器4を回転させると、ボールの衝撃力により混合粉末原料が化学反応を起こす。この粉末合成法をメカニカル・アロイングとよぶ。なお、回転数700 rpmの場合、粉末原料にかかる衝撃力は約30 g(30 kgの重さに相当)である。
なお、この実施形態では遊星型のボールミルを用いたが、他のボールミルでもよい。
【0012】
ボールミルを用いることにより、一つの工程で極めて簡易に、かつ短時間で磁性粉末微粒子を得ることができる。
【0013】
ボールミルの回転数を100~700回転/分とする。回転数が100回転/分未満であると、ボールの衝撃力が充分でなく、前記遷移元素がZn又はTiと充分に置換しないため、粉末微粒子の磁性が向上しない。又、回転数が100回転/分未満であると、粒径5~20nmの粒子が得られない。回転数が700回転/分を超えるのは装置上難しい。又、回転数が100~700回転/分の範囲であれば、ZnOの結晶構造(ウルツ鉱型)又はTiO2系の結晶構造(ルチル型)が変化しない。又、回転数が700回転/分を超えると、微粒子の結晶性が不安定となって非定形(アモルファス)化し、本来の磁性機能が損なわれる。
ボールミルによる処理時間を30~120分とする。処理時間が30分未満であると、ボールの衝撃力による粉末原料の混合が充分でなく、120分を超えても混合効果が飽和する。
以上の条件により、粒径5~20nmの磁性粉末微粒子が得られる。ここで、「粒径」は平均粒径である。粒子の粒径が20nmを超えると、可視光線による散乱が生じ、透明な粒子が得られない。粒子の粒径が5nm未満であると、取り扱いが困難となると同時に結晶性が不安定となって非定形(アモルファス)化し、本来の磁性機能を失う。
【0014】
なお、ボールミルの回転数を100~400回転/分とし、かつ30~120分間処理するとよい。一方、ボールミルの回転数を500~700回転/分とし、かつ30~120分間処理すると、粒径5~10nmの磁性粉末微粒子が得られる。
【0015】
なお、上記の方法により得られた磁性粉末微粒子を溶媒に分散し、基板上に塗布し乾燥させることにより、ZnO又はTiO2系化合物中のZn又はTiの一部が上記遷移元素で置換された透明磁性半導体皮膜を製造することができる。この皮膜は、室温で強磁性を示し、可視光に透明で紫外線を吸収する機能を有する。
本発明によれば、大量情報の伝達に必要な光アイソレータ、高密度磁気記録、巨大磁気抵抗効果素子やスピン電界効果トランジスターなどへの応用することにより、大量情報伝達に必要な電子材料を安価に作製することができる。また、本発明によれば、現在多くの需要が見込める透明電磁波防護材や、紫外線防護機能と磁気機能を併せもつ化粧品、医薬品などを安価に供給することが可能となり、さらに透明磁石や透明電極などその応用は多岐にわたる。
【0016】
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例1】
【0017】
<ウルツ鉱型ZnOのミリングの効果>
ウルツ鉱型ZnO(酸化亜鉛:高純度化学研究所製99.9%)の粉末原料を、図1のボールミル(ドイツフリッチュ社製P-7型)に投入し、100~700 rpmの範囲で30分間のミリングを行った。
図2にミリング後の生成粉末のX線回折パターンを示す。図2に示すように回転数が100 ~400 rpmの間では、X線回折ピークの高さの減少と共に半値幅が急速に広がるが、500 ~700 rpmの間ではピークの高さ、幅共にほとんど変化しない。また100 rpmから700 rpmの範囲でX線回折ピークの幅は広がるが回折角θは殆ど変化しない。
シェラーの式(d=0.9λ/Bcosθ(d:粒子の直径、λ:使用X線の波長0.1452nm、B:回折ピークの半値幅、θ:X線の回折角))を用い、図2から生成粉末の直径dを評価した結果を図3に示す。図3に示すように、回転数が100 ~400 rpmに上昇すると、粒径が45nmから10nmに急激に減少するが、500 ~700 rpmの間では粒径は6~8 nmの範囲でほとんど変化しない。
以上より、回転数100 ~700 rpmの範囲でミリングすることにより、ZnOはウルツ鉱型の結晶構造が変化しないこと、および粉末の粒径を回転数を変化させて調整できることを示している。
【実施例2】
【0018】
<ZnO-V系化合物の製造>
ウルツ鉱型ZnO(酸化亜鉛:高純度化学研究所製99.9%)粉末原料と、遷移元素としてV2O5(五酸化バナジウム:高純度化学研究所製99.9%)粉末を混合した。V2O5の混合量は、VとZnのモル比が0.05:0.95になるように調整した。この混合粉末を上記ボールミルに投入し、300rpmおよび700 rpmで30分間ミリングし、生成粉末を得た。
ミリング前の混合粉末のX線回折パターン(0rpm)、及び生成粉末のX線回折パターンを図4に示す。図4に示すように、300 rpmでミリングした生成粉末は、ウルツ鉱型のV0.05Zn0.95Oであり、V2O5の回折ピークが消滅することが分かる。さらに700 rpmでミリングした生成粉末は、ウルツ鉱型V0.05Zn0.95Oであり、微量の岩塩型V0.05Zn0.95Oが共存することが判明した。なお、シェラーの式より、700 rpmでミリングした生成粉末は、粒径が約6 nmであることが判明した。
【0019】
<生成粉末の磁気特性>
各生成粉末の磁化曲線を図5と図6に示す。図5は高磁場領域での磁化曲線を示し、いずれの粉末も室温(300 K)で強磁性を示すことがわかった。Vイオン1個当りの飽和磁化は300 rpmでの粉末で6.6 mμB(6.6x10-3μ、)、700 rpmでの粉末で 2.2μBであった。なお、μBはボーア磁子を示し、単位は1.165x10-29 Wb・mである。この生成粉末(V0.05Zn0.95O)のVイオンの価数は2であり、V2+の磁気モーメントが完全に一方向に整列したときの値は3μBである。700 rpmの場合、3μBに匹敵する大きな飽和磁化をもつこと、つまり十分大きな磁石の性質を示すことが判明した。
図6は低磁場領域での磁化曲線を示し、いずれの粉末も約7900A/m(100 Oe)の保磁力を示した。この値は代表的な強磁性体であるマグネタイト(Fe3O4)に匹敵する大きさである。また700 rpmでの粉末の場合、残留磁化も約0.2μBであり、マグネタイトに匹敵する大きさを示した。
図7は、各生成粉末の磁気温度曲線を示す。測定は79000A/m(1 kOe)の磁場下で行った。5 K から400 Kまでの範囲では、磁化の大きさに殆ど変化は無く、500 K以上の温度でも強磁性を示す可能性があることがわかった。
【実施例3】
【0020】
<ZnO-Co系化合物の製造>
ウルツ鉱型ZnO(酸化亜鉛:高純度化学研究所製99.9%)粉末原料と、遷移元素としてCo3O4(三四酸化コバルト:高純度化学研究所製99.9%)粉末を混合した。Co3O4の混合量は、CoとZnのモル比が0.05:0.95になるように調整した。この混合粉末を上記ボールミルに投入し、700 rpmで30分及び60分間ミリングし、生成粉末を得た。
ミリング前の混合粉末のX線回折パターン(0rpm)、及び生成粉末のX線回折パターンを図8に示す。図8に示すように、各生成粉末は、ウルツ鉱型Co0.05Zn0.95Oであり、微量の岩塩型Co0.05Zn0.95Oが共存することが判明した。又、Co3O4の回折ピークが消滅することが分かる。なお、シェラーの式より、各生成粉末は、粒径が約6 nmであることが判明した。
さらに1時間ミリングした粉末の場合、岩塩型V0.05Zn0.95Oの割合が30分ミリングした粉末に較べて増加することが分かった。各生成粉末が強い磁気を示すことが定性的に確認された。
【実施例4】
【0021】
<ルチル型TiO-V系化合物の製造>
ルチル型TiO2(ルチル型二酸化チタン:高純度化学研究所製99.9%)粉末原料と、遷移元素としてV2O5(五酸化バナジウム:高純度化学研究所製99.9%)粉末を混合した。V2O5の混合量は、VとTiのモル比が0.2:0.8になるように調整した。この混合粉末を上記ボールミルに投入し、700 rpmで30分間ミリングし、生成粉末を得た。
ミリング前の混合粉末のX線回折パターン(0rpm)、及び700 rpmで30分間ミリングした生成粉末のX線回折パターンを図9に示す。図9に示すように、生成粉末は、ルチル型のV0.2Ti0.8O2であり、V2O5の回折ピークが消滅することが分かる。なお、シェラーの式より、生成粉末は、粒径が約6 nmであることが判明した。
【0022】
<生成粉末の磁気特性>
生成粉末の磁化曲線を図10と図11に示す。図10は高磁場領域での磁化曲線を示し、この粉末も室温(300 K)で強磁性を示すことがわかった。Vイオン1個当りの飽和磁化は30mμBであった。この生成粉末(V0.2Ti0.8O2)のVイオンの価数は4であり、V2+の磁気モーメントが完全に一方向に整列したときの値は1μBである。この生成粉末の場合、1μBの3%程度の飽和磁化をもつことが判明した。
図11は低磁場領域での磁化曲線を示し、生成粉末は約7900A/m(100 Oe)の保磁力を示した。この値は上記したV0.05Zn0.95O系粉末と同程度の値であった。
図12は、生成粉末の磁気温度曲線を示す。測定は79000A/m(1 kOe)の磁場下で行った。5 K から400 Kまでの範囲では、磁化の大きさに殆ど変化は無く、500 K以上の温度でも強磁性を示す可能性があることがわかった。
【実施例5】
【0023】
<アナターゼ型TiO-V系化合物の製造>
アナターゼ型TiO2(アナターゼ型二酸化チタン:和光純薬株式会社製99%)粉末原料と、遷移元素としてV2O5(五酸化バナジウム:高純度化学研究所製99.9%)粉末を混合した。V2O5の混合量は、VとTiのモル比が0.2:0.8になるように調整した。この混合粉末を上記ボールミルに投入し、700 rpmで30分間ミリングし、生成粉末を得た。
ミリング前の混合粉末のX線回折パターン(0rpm)、及び生成粉末のX線回折パターンを図13に示す。図に示すように、生成粉末は、ルチル型のV0.2Ti0.8O2であり、アナターゼ型のV0.2Ti0.8O2とV2O5の回折ピークが消滅することが分かる。なお、シェラーの式より、生成粉末は、粒径が約6 nmであることが判明した。
生成粉末が強い磁気を示すことが定性的に確認された。
【0024】
なお、実施例2,3において、微量の岩塩型を含むウルツ鉱型Co0.05Zn0.95O粉末も室温で強い磁性を示すことが定性的に確認された。
また、実施例2~5の生成粉末は、可視光に透明で紫外線を吸収することが定性的に確認された。
なお、各図の単位において、emu/gはA・m2/kgであり、Oeは103/(4()・A/mである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】ボールミルの構造の一例を示す図である。
【図2】実施例1の生成物のX線回折パターンを示す図である。
【図3】シェラーの式を用い、図2から生成粉末の直径dを評価した結果を示す図である。
【図4】実施例2の生成粉末のX線回折パターンを示す図である。
【図5】実施例2の生成粉末の磁化曲線を示す図である。
【図6】実施例2の生成粉末の磁化曲線を示す別の図である。
【図7】実施例2の生成粉末の磁気温度曲線を示す図である。
【図8】実施例3の生成粉末のX線回折パターンを示す図である。
【図9】実施例4の生成粉末のX線回折パターンを示す図である。
【図10】実施例4の生成粉末の磁化曲線を示す図である。
【図11】実施例4の生成粉末の磁化曲線を示す別の図である。
【図12】実施例4の生成粉末の磁気温度曲線を示す図である。
【図13】実施例5の生成粉末のX線回折パターンを示す図である。
【符号の説明】
【0026】
2 回転盤
4 ボールミル容器
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12