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明細書 :通信装置、通信用シート、および通信用ストリップ

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4783904号 (P4783904)
公開番号 特開2008-066841 (P2008-066841A)
登録日 平成23年7月22日(2011.7.22)
発行日 平成23年9月28日(2011.9.28)
公開日 平成20年3月21日(2008.3.21)
発明の名称または考案の名称 通信装置、通信用シート、および通信用ストリップ
国際特許分類 H04B  13/00        (2006.01)
FI H04B 13/00
請求項の数または発明の数 10
全頁数 19
出願番号 特願2006-240201 (P2006-240201)
出願日 平成18年9月5日(2006.9.5)
審査請求日 平成21年5月14日(2009.5.14)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504182255
【氏名又は名称】国立大学法人横浜国立大学
発明者または考案者 【氏名】新井 宏之
個別代理人の代理人 【識別番号】100101915、【弁理士】、【氏名又は名称】塩野入 章夫
審査官 【審査官】佐藤 敬介
参考文献・文献 特開2006-019979(JP,A)
特開2005-057401(JP,A)
調査した分野 H04B 13/00
H04B 5/02
特許請求の範囲 【請求項1】
導電板により共振器を形成し、
当該複数の共振器を所定間隔を開けて1次元又は2次元に分散配列させ、
当該分散配列させた共振器間、および当該共振器と外部に設けた通信素子との間の高周波電流結合によって無線通信を行うことを特徴とする、通信装置。
【請求項2】
前記共振器の分散配列は層状であり、
第1の層は導電板を1次元又は2次元に互いに間隔を開けて配列し、第2の層は導電板を1次元又は2次元に互いに間隔を開けて配列するとともに、前記第1の層の導電板と配列方向に位置をずらして配列することを特徴とする、請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記複数の共振器の分散配列において、
互いに隣接する共振器間の高周波電流結合により、共振器の配列方向の無線通信を行い、
各層の共振器と外部に設けた通信素子と間の高周波電流結合により、外部との無線通信を行うことを特徴とする、請求項1又は2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記各共振器の層は、誘電体層に導電板を配置して形成されることを特徴とする、請求項2から請求項3の何れか一つに記載の通信装置。
【請求項5】
第1の層および第2の層の導電板は矩形状のパッチ共振板であり、
第1の層のパッチ共振板の寸法は共振器の共振周波数の波長に基づいて定め、第2の層のパッチ共振板の寸法は、同共振周波数における挿入損失を少なくするように定めることを特徴とする、請求項2から請求項4の何れか一つに記載の通信装置。
【請求項6】
前記共振器は複数の共振周波数を有する多重共振特性を備え、当該多重共振特性で定まる複数の周波数により多重通信を行うことを特徴とする、請求項1から請求項5の何れか一つに記載の通信装置。
【請求項7】
前記共振器を構成する矩形状のパッチ共振板は導電板にスリットを有し、
当該スリットにより複数の共振周波数を有する多重共振特性を備えることを特徴とする、請求項6に記載の通信装置。
【請求項8】
前記共振器の層と対向してグラウンド層を備え、このグラウンド層と共振器の層との間で形成する導波路は、第2の層に配列される導電板の間隔を通して外界に開放状態であることを特徴とする、請求項1から請求項7の何れか一つに記載の通信装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8の何れかの一つに記載の通信装置を備え、
当通信装置を形成する層材、又は支持部材を柔軟性を有するシート材とすることを特徴とする通信用シート。
【請求項10】
請求項1から請求項の何れか一つに記載の通信装置を備え、
当該通信装置を形成する層材、又は支持部材を柔軟性を有するストリップ材とすることを特徴とする通信用ストリップ。

発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、短距離間を無線通信に適した短距離ワイヤレス伝送路に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット等のコンピュータ通信網や、種々の形態の情報ネットワークが利用されている。このような種々のネットワークにおいて一般的な利用形態として、例えば10BASE-T規格や100BASE-T規格のLANケーブルを直接接続したり、IEEE802.11規格等の無線を用いて接続することによってLANを形成し、ルータ等を介してLAN内に接続するコンピュータと外部との通信を行う構成が知られている。
【0003】
LANケーブルを用いてコンピュータとの接続を行う場合、LANケーブルを引き回して敷設する必要がある。このLANケーブルによる通信では、LANケーブルの敷設に伴って、歩行や他の装置の配置等の物理的な影響や、美観の問題、あるいはコスト面での問題が指摘されている。
【0004】
一方、このような有線によるLANケーブルの他に、無線LANを用いる通信も利用されている。しかしながら、この無線LANでは、電波の放射を利用して通信を行うため、情報の漏洩や侵入等の可能性があり、セキュリティの面で問題がある他、他の電気機器との間で生じる電磁波干渉の問題がある。
【0005】
近距離通信においては、情報の漏洩、侵入や電磁波干渉の影響を低減するには、電波を一部の領域内に閉じ込め、他との干渉を抑制するとともに、領域内での装置間の通信を容易に行うことが求められる。
【0006】
無線装置間の干渉は、他の装置からの電波強度を下げる、あるいは自装置に強度を増加することによって解消することができるが、このためには、送信電力の調整が必要であり、各装置の送信電力を調整する装置を新たに加える必要があり、装置構成が複雑化することになる。
【0007】
また、電波はその性質上空間に広がるため、電波を閉じ込めるには遮断領域が必要となるため大型の装置が必要となる。この電磁波の閉じ込めを近似的に実現するものとして、例えば、漏洩同軸線を張り巡らし、この漏洩同軸線の近傍に電波の結合素子を配置することによって端末装置の近距離通信を行うことが考えられるが、漏洩同軸線の配設位置の近傍にある装置としか通信を行うことができず、装置を任意の位置に配置することができない等の実用上の点で問題がある。
【0008】
また、漏洩同軸ケーブルをスパイラル状に配置することによって、装置との通信領域を拡大することが考えられるが、漏洩同軸ケーブルは取り扱いの点で難があるという問題がある。
【0009】
また、上記した有線LANによるコードの敷設等の問題や、無線LANによる情報漏洩等の問題を、2次元状の通信用シートを用いることで解決することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0010】
この特許文献1には、複数の近接結合部と複数の中継通信部とを平面上に配置する通信用シートが開示されており、近接接合部は、他の情報通信機器と接触又は近接した場合に通信を行い、中継通信部は、隣り合う中継通信部と通信する。この構成によって情報通信器が近接結合部に接触又は近接した場合、この近接結合部を介して情報通信機器との間で通信を行う。
【0011】
ここで、この特許文献1に記載される近接接合部は、一種のコンデンサを形成する容量結合、一種のトランスを形成する誘導結合、あるいは光信号で通信を行う光結合等を用いることで、電波放射による情報漏洩を解決するものであり、アンテナを用いる電波放射による無線結合や、ケーブルを用いる有線結合と異なるものであると説明されている。

【特許文献1】特開2006-19979号公報
【非特許文献1】"Proximity Coupled Power Combiner/Divider Using Parasitic Element", Hiroyuki Arai and Tasuto Itoh, 1997 Asia-Pacific Microwave Conference Proceedings, Vol. II of III, December 2 - 5, 1997, Hong Kong, PRC, 5P16-3, p1133 - p1136
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
近距離通信において、情報の漏洩や侵入、電磁波干渉の影響等を低減するものとして、上記したように、漏洩同軸ケーブルを利用する構成や、2次元状の通信用シートを用いる構成が提案されている。
【0013】
しかしながら、漏洩同軸ケーブルを利用する構成では、装置を設置する位置が制限されたり、取り扱いに難がある等の問題がある。
【0014】
また、特許文献1において提案される2次元状の通信用シートを用いる構成では、電波放射による無線結合やケーブルによる有線結合に代えて、容量結合、誘導結合、あるいは光結合によって通信を行うものであるため、この通信に用いる近接接合部を平面上に複数配置する必要があり、さらに、これらの近接接合部を複数の中継通信部によって繋ぐ必要がある。
【0015】
そのため、多数の近接接合部や中継通信部が必要となるという問題があり、また、容量結合や誘導結合では、通信用シート上に複数の装置を載せたとき、目的とする装置以外の容量素子がう誘電素子との間においても結合が行われる可能性があるため、目的としない信号が侵入してノイズ分となるおそれがある等の問題がある。
【0016】
また、近接接合部からはずれた位置では通信が困難となるため、近接接合部の配置密度を高める必要があり、コストの上昇を招く要因となる。
【0017】
そこで、本発明は前記した従来の問題点を解決し、電波を一部の領域内に閉じ込め、他との干渉を抑制するとともに、領域内での装置間の通信を容易に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、面状の共振器を2次元配列する構成とすることで、面内において電波を伝搬させると共に、外部の無線装置の受信アンテナを共振器に近接させることで、外部の無線装置から放射される電波の面内への取り込み、および無線装置への電波の取り出しを、1次元あるいは2次元配列の任意の位置で行う。
【0019】
本発明の構成は、通信を行おうとする既存の装置に対して新たな装置を追加することが不要であり、単に通信装置を備えるシートやストリップ等のパッシブな部材を配置し、この部材に近接させるだけで、装置間の通信を行うことができる。
【0020】
また、本発明の通信装置は、共振器を用いて通信を行うものであって、この共振器の共振帯域を絞ることによって、他の通信システムとの干渉を減少させ、情報の漏洩や侵入を簡易な構成で防ぐことができる。
【0021】
本発明の通信装置は、導電板により共振器を形成し、複数の共振器を所定間隔を開けて1次元又は2次元に分散配列させ、この分散配列させた共振器間の高周波電流結合、および共振器と外部に設けた通信素子との間の高周波電流結合によって、電磁波による無線通信を行う。
【0022】
また、本発明の通信装置は、共振器の分散配列を層状に配置し、第1の層は導電板を互いに所定の間隔を1次元又は2次元に互いに間隔を開けて配列し、第2の層は導電板を互いに所定の間隔を1次元又は2次元に互いに間隔を開けて配列するとともに、第1の層の導電板と配列方向に位置をずらして配列する。なお、共振器を配列した層の最上層には絶縁層を設けてもよい。
【0023】
本発明の複数の共振器の分散配列は、通信装置内において共振器の配列方向の無線通信を行うとともに、外部に配置する機器との間で無線通信を行う。この2つの無線通信において、共振器の配列方向の無線通信は、互いに隣接する共振器間の高周波電流結合により行う。一方、外部機器との無線通信は、各層の共振器と外部に設けた通信素子と間の高周波電流結合により行う。各共振器の層は、誘電体層に導電板を配置して形成することができる。
【0024】
層状に形成する共振器において、第1の層および第2の導電板は矩形状のパッチ共振板とすることができる。この第1の層のパッチ共振板の寸法は共振器の共振周波数の波長に基づいて定める。例えば、共振器の共振周波数によって定まる波長を整数で除算することで得られる長さとすることができる。例えば、共振波長λの半波長、あるいは1/4波長とすることができる。
【0025】
一方、第2のパッチ共振板の寸法は、前記した共振周波数における挿入損失を少なくするように定める。
【0026】
本発明の通信装置が備える共振器は、複数の共振周波数を有する多重共振特性を備え、これにより複数の周波数による伝送を行う。
【0027】
また、本発明の通信装置が備える共振器は、複数の共振周波数を有する多重共振特性を備え、この多重共振特性で定まる複数の周波数により多重通信を行うことができる。共振器の多重共振特性は、共振器を構成する矩形状のパッチ共振板の形状によって持たせることができる。例えば、パッチ共振板の導電板にスリットを形成し、このスリットにより複数の共振周波数を形成し、これにより通信装置に多重共振特性を持たせることができる。
【0028】
また、共振器の層と対向してグラウンド層を備え、このグラウンド層と共振器の層との間で形成する導波路は、第2の層に配列される導電板の間隔を通して外界に開放した開放導波路を形成する。
【0029】
さらに、本発明は通信用シートあるいは、通信用ストリップの形態とすることができる。
【0030】
本発明の通信用シートは、本発明の通信装置を備え、この通信装置を形成する層材、又は支持部材を、柔軟性を有するシート材により形成する。このシート材上に外部の通信素子を近接させることで2次元の通信を行う。
【0031】
通信用シートは、ほぼ平面状の形態であって、その形状は矩形に限らず任意の形状とすることができる。また、通信用シートに柔軟性を持たせることで、机上に載置して使用する使用形態に限らず、凹凸がある立体形状の物体に載置あるいは貼り付けて使用する使用形態とすることもできる。
【0032】
また、本発明の通信用ストリップは、本発明の通信装置を備え、この通信装置を形成する各層の層材、又は支持部材を、柔軟性を有するストリップ材により形成し、このストリップ上に外部の通信素子を近接させることで1次元での通信を行う。
【0033】
なお、ここでは、1次元の通信で云う1次元は、必ずしも直線状の構成に限らず曲線状であってもよく、また、同一平面に配列される構成に限らず湾曲した曲面に配列され線状配列であってもよい。
【0034】
また、2次元の通信で云う2次元についても、必ずしも同一平面に配列される構成に限らず湾曲した曲面に配列されるものであってもよい。
【0035】
本発明の通信装置を備える通信用シートによれば、例えば、マウスやキーボード等のオフィスで使用するPC(パーソナルコンピュータ)用無線機器を通信用シート上に置き、共振周波数を用いて通信を行うことで、各無線機器間の通信を簡易に行うことができ、さらに、他装置との干渉や、情報漏洩を防ぐことができる。
【0036】
また、本発明の通信装置を備える通信用シートや通信用ストリップによれば、人体等の複雑であり、また形状が変形するようない対象体であっても、この対象物上に通信用シートや通信用ストリップを貼り付け、この通信用シートや通信用ストリップの任意の位置に外部通信装置を近接させるだけで通信を行うことができ、例えば、人体に取り付けたセンサの形成信号を簡易に取り出すことができる。また、この構成によれば、通信機器を取り付けることなく、また、コードを懸架させることになるため、取り扱いが極めて容易である。
【0037】
また、本発明の通信装置は、医療分野にも好適であり、前記したように、使用者に取り付けたセンサの測定信号をコードレスで取り出すことができる。また、通信用シートをベッド上に敷き、人体に取り付けたセンサの検出信号を通信用シートに取り出し、さらに、通信用シートの任意の位置に外部通信機器のアンテナを近接させることで、検出信号を通信用シートから取り出すことができる。特に、背中に取り付けたセンサなど、人体に姿勢によって検出信号の取り出しが難しい場合であっても、容易に行うことができる。
【0038】
なお、本発明の発明者は、本発明の通信装置に類似する構成を備えた結合器および分配器を非特許文献1に開示している。この非特許文献1に開示する結合器および分配器は、パッチ電極間を結合して共振器を構成し、これによって固定ポート間における電磁波の結合、あるいは固定ポート間における電磁波の分配を行うものである。
【0039】
この非特許文献1では、固定ポート間において、電磁波を結合あるいは分配することは開示するものの、本発明のように、共振器と外部の通信素子との間において、高周波電流によって無線通信を行う構成や技術思想については開示していない。また、これによって、電波を一部の領域内に閉じ込め、他との干渉を抑制して情報の漏洩や侵入を防ぐ点についても、領域内の任意の位置において通信を容易に行うという作用効果についても開示するものではない。
【0040】
また、本発明の通信装置は、共振器の共振帯域を制限することで、他の通信装置との干渉を制限することができるという格別な作用効果を有するが、上記した特許文献1や非特許文献1には、この点について開示も示唆もされていない。
【発明の効果】
【0041】
以上説明したように、本発明によれば、電波を一部の領域内に閉じ込め、他との干渉を抑制するとともに、領域内での装置間の通信を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照しながら詳細に説明する。
【0043】
図1は、本発明の通信装置の概略を説明するための概略図である。なお、ここでは、2次元構成の通信装置について示しているが、1次元構成の通信装置についても適用することができる。
【0044】
この通信装置1は、無線通信を行う外部装置20が備えるアンテナ(図示していない)と、通信装置1が備える共振器間の高周波電流による結合、および共振器と外部の通信機器が備える通信素子(アンテナ)との間の高周波電流による結合によって行うものであり、自由空間における伝搬損失よりも低い伝搬損失で伝送を行うことができる。そして、この通信装置1によれば、通信に用いる周波数は、共振器の共振周波数の帯域内に制限することができるため、情報漏洩や侵入を良好に抑制することができるとともに、センサモニタやウエアラブルなネットワーク等の無線通信を行う通信機器との間で高周波通信を行うことができる。
【0045】
本発明の通信装置1は、互いに強く結合した複数のマイクロストリップの共振器を備え、これらの共振器を層状にアレイ配置することによって構成するものであり、電磁波の分布を面(2次元の場合)あるいは線(1次元の場合)の近傍に集中的させ、これによって、これら共振器に近接して配置された無線機器の通信素子(アンテナ)との間のアクセスを容易として、これによって無線機器との近距離通信を行わせるものである。また、通信装置1と無線機器との間は、共振器と通信素子(アンテナ)との間の高周波電流による結合によるものであり、通信周波数は共振器の共振周波数の帯域内で行い、この帯域外の周波数では大きく減衰するため、この共振器の共振帯域を制限することで、他の通信装置との干渉を制限することができる。
【0046】
図1において、通信装置1は、1次元で実現する場合にはストリップ状の通信用ストリップの形態とすることができ、また、2次元で実現する場合にはシート状の通信用シート10の形態とすることができる。図1は通信用シート10の形態の例を示している。
【0047】
通信用シート10は、テーブル50等の上に敷いて用いることができる。この通信用シート10上には、互いに通信を行う外部装置20a~20eを配置することができる。外部装置としては、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)20a、ディスプレイ装置20b、マウス20c、プリンタ装置20d、スキャナ20eがある。なお、これらの外部装置は一例を例示したに過ぎず、これらに限られるものではなく、また、必ずしもパーソナルコンピュータに関連する装置である必要もない。要は、互いに通信を行う装置であればよい。
【0048】
これらの外部装置20a~20e間の通信は、通信用シート10が備える通信装置1を介して行う。例えば、外部装置20aから外部装置20bに信号を送信する場合には、外部装置20aのアンテナから通信用シート10が備える通信装置1に送信し、通信装置1は通信用シート10内を伝送する。外部装置20bは、外部装置20bのアンテナを介して通信装置1から信号を受信する。また、外部装置20bから外部装置20aへの送信も同様に行うことができ、通信用シート10上に載置される外部装置20間であれば同様に送受信を行うことができる。
【0049】
なお、各外部装置20a~20eは、通信装置1が備える共振器との間で高周波電流結合を行うために、共振器の共振帯域を含む帯域の信号を授受することができる通信素子(アンテナ)を備える。また、その帯域の信号を信号処理する信号回路によって、通信装置1を介して外部装置間の通信を行う。
【0050】
また、図1に示す構成において、テーブル50上において、通信用シート10から外れた位置に配置される外部装置20fは、通信用シート10が備える通信装置1からの距離が大きいため、外部装置20fのアンテナと通信装置1が備える共振器との結合が小さくなる。そのため、外部装置20fは通信装置1との間で伝送を行うことはできない。
【0051】
したがって、本発明の通信装置1によれば、通信用シート10上に載置する外部装置であって、共振器の共振周波数の帯域を含む通信素子を有するものに限って伝送を行うことができ、通信用シート10上に載置されない外部装置や、共振器の共振周波数の帯域を含む通信素子との干渉を抑制し、情報の漏洩や侵入を防ぐことができる。
【0052】
図2は、本発明の通信装置1を備える通信用シート10の一構成例を示す図である。図2において、通信用シート10は、重ねられた2つの層(第1の層3および第2の層4)を備え、層にはマイクロストリップの共振器2が、所定間隔を開けてアレイ状に配置されている。なお、図2では、第1の層3の上に第2の層4を重ね、第1の層3には共振器を構成するパッチ共振板2aの導電板がアレイ配置され、第2の層4にはパッチ共振板2bを構成する導電板がアレイ配置されている。なお、第2の層4の上層には絶縁体層(図示していない)を設けてもよい。
【0053】
層状に配置されたパッチ共振板2aとパッチ共振板2bは高周波的に結合することで、1次元あるいは2次元に配置された複数のパッチ共振板全体が結合された状態となる。また、層状に配置されたパッチ共振板2aとパッチ共振板2bとの間には開放された導波路が形成される。この開放導波路は、上層に配置されるパッチ共振板2bの間に形成される離隔部分を通して外部に露出している。
【0054】
図3は、本発明の通信装置1が構成する開放導波路を説明するための概略図である。図3において、第1の層3にはパッチ共振板2aの導電板がアレイ配置されて共振器が形成され、第2の層4にはパッチ共振板2bを構成する導電板がアレイ配置される。第2の層4は第1の層3の上に所定距離を離して重ねることで層が形成される。
【0055】
ここで、パッチ共振板2aの導電板の大きさは、共振器の共振周波数に基づいて定められる。共振周波数による波長λに対して、共振器を構成する導電板の大きさa(又はb)は例えばna(又はnb)=λの関係から定めることができる。なお、nは整数であり、nが2の場合には導電板の大きさa(又はb)は半波長λ/2に相当し、nが4の場合には導電板の大きさa(又はb)は4分の1半波長λ/4に相当する。なお、導電板の大きさaおよび大きさbは、導電板への高周波電流の供給端の接続位置によるEplaneあるいはHplaneでの励振によって異なる。
【0056】
また、パッチ共振板2bの寸法は、このパッチ共振板2b挿入したことによる挿入損失が少なくなるように設定することができる。
【0057】
図3において、パッチ共振板2aの導電板は所定距離を開けてアレイ状に配列され、また、パッチ共振板2bを構成する導電板についても所定距離を開けてアレイ状に配列される。このパッチ共振板2bのアレイ配列において、隣接するパッチ共振板2aの一部が積層方向で重なるようにパッチ共振板2aの導電板の間に配置される。この配置によって、第2の層4のパッチ共振板2b間の離隔部分を通して、第1の層3のパッチ共振板2aの導電板が外部に露出するように形成される。
【0058】
上記構成において、例えば、パッチ共振板2aの導電板の一つに高周波信号を供給すると、高周波電流結合によって隣接するパッチ共振板2aの導電板に同じ共振周波数の高周波信号が流れる。なお、このとき、第2の層のパッチ共振板2bは、第1の層のパッチ共振板2aと一部が重なるように配置されているため、第1の層のパッチ共振板2aは第2の層のパッチ共振板2bとの高周波電流結合し、次に、この第2の層のパッチ共振板2bは隣接する第1のパッチ共振板2aと高周波電流結合する。
【0059】
さらに、このパッチ共振板に隣接するパッチ共振板2aについても同様に同じ共振周波数の高周波信号が流れ、アレイ状(あるいは1次元では直線状)に配置された複数の共振器全体が高周波電流結合される。
【0060】
なお、第1の層のパッチ共振板2aの導電板と、第2の層のパッチ共振板2bの導電板間の空間には、下層に設けたグラウンド層との間の電界によって導波路が形成される。この導波路は、第1の層3と第2の層4との間の空間内に閉じ込められが、隣接するパッチ共振板2bの導電板は間隔を開けて配置されているため、この導電板間に隙間によって開放導波路を形成することになる。
【0061】
外部装置が備えるアンテナ22A,22B,22Cは、層状に形成された通信装置1の上方に近接させて配置され、共振器を構成するパッチ共振板2a,2bとの間で高周波電流結合することで通信を行う。
【0062】
図3では、ダイポールアンテナ22A,22B,22Cを、第2の層4のパッチ共振板2b、第1の層のパッチ共振板2bの導電板の上方に配置した例を示している。なお、ここでは、通信素子としてダイポールアンテナの例を示している。
【0063】
本発明の通信装置1では、外部の通信素子はパッチ共振板との間の高周波電流結合することで通信を行うため、通信素子は通信装置1に対して任意の位置で通信を行うことができ、通信装置1に対して配置する位置が制限されることはない。。
【0064】
以下、本発明の形態について、図4~図16を用いて説明する。なお、図4~図6は共振器の配列の基本構成を示し、図7~図9は共振器の一次元配列の構成を示し、図10~図16は共振器の二次元配列の構成を示している。なお、図10~図13は、第1の層の導電板を4枚とし第2の層の導電板を1枚とした構成例であり、図13,14は、第1の層の導電板を9枚とし第2の層の導電板を4枚とした構成例であり、図15,16は、第1の層の導電板を16枚とし第2の層の導電板を9枚とした構成例である。
【0065】
はじめに、図4~図6を用いて共振器の配列の基本構成を説明する。図4に示す通信装置1Aの構成は1次元配列の例であり、第1の層3に配列する一対のパッチ共振板2aと、この第1の層3の上方に誘電体を介して上層に設ける第2の層4に配列するパッチ共振板2bとを備える。パッチ共振板2a及びパッチ共振板2bは、所定の大きさの導電板で構成することができる。第2の層4の上層には絶縁体層7を設ける。また、誘電体の下層にグラウンド層を設けてもよい。なお、以下に説明する図面では、絶縁体層、グラウンド層は省略して示す。
【0066】
図4(a)は絶縁体層7を示し、図4(b)は第2の層4を示し、図4(c)は第1の層3を示し、図4(d)は第1の層3と第2の層4と絶縁体層7とを積層した状態を示し、図4(e)は通信装置1Aの断面を示している。
【0067】
なお、図4に示すパッチ共振板2aの寸法は、共振周波数を5GHzとしたときの設計値を示し、また、パッチ共振板2bとの寸法は、このときの挿入損失が低くなるように設定する。また、パッチ共振板2aとパッチ共振板2bとの間に設ける誘電体は、誘電率εrを2.6とし、厚さを0.8mmとし、パッチ共振板2aとパッチ共振板2bとの間のz方向の間隔は8.4mmとしている。
【0068】
また、図4中に示すLはポート間の最短距離であり、パッチ共振板2aのアレイ配列において、パッチ共振板2aの枚数が2枚の場合には40.4mmとなる。また、パッチ共振板2aの枚数が3、4,8枚の場合には、このポート間の最短距離Lは、それぞれ60.8mm,89.2mm,186.8mmとなる。
【0069】
この構成において、ポート1からポート2への伝搬損失特性を表すS21パラメータを図5に示す。図5において、符号Aと符号aで示す特性は、それぞれパッチ共振板2aが2枚のときの、本発明のアレイ配置による通信装置のS21パラメータと自由空間伝搬損失のS21パラメータとを示している。また、同様に、符号Bと符号b、符号Cと符号c、および符号Dと符号dで示す特性は、それぞれパッチ共振板2aが3枚、4枚、および8枚のときの、本発明のアレイ配置による通信装置のS21パラメータと自由空間伝搬損失のS21パラメータとをそれぞれ示している。
【0070】
なお、ここでは、入力ポートと出力ポートは、それぞれパッチ共振板2aに対して整合が十分にとられ、反射損失はないものとする。
【0071】
この設計例では、共振周波数は5GHzとする例であり、この共振周波数付近での伝搬損失を、本発明の通信装置による伝搬と自由空間を通したとき伝搬とで比較すると、自由空間伝搬損失PLは15dB以上であるのに対して、本発明の通信装置による伝搬損失Pwは3dB以下である。
【0072】
図6は、共振周波数5GHzにおける伝搬損失の差ΔL=Pw-PLは示している。図6のシミュレーション結果は、本発明の通信装置は十分に有効な伝送特性を示している。また、共振周波数5GHzにおいて、伝搬損失が放射損失よりも少なくなるバンド幅は76.8%である。
【0073】
図4~図6を用いて示した構成における伝搬損失は、各ポートにおける結合が理想的な場合を想定している。
【0074】
本発明の通信装置を用いて外部の通信機器と無線通信を行う場合には、本発明の通信装置の導波路と外部通信機器のアンテナとの間の結合を考慮する必要がある。図7~図9を用いて、本発明の通信装置と外部通信機器のアンテナとの間の結合について説明する。
【0075】
ここでは、図7に示すように、入力ポート及び出力ポートとして2つのダイポールアンテナ22A,22Bを用い、このダイポールアンテナ22A,22Bを5つのパッチ共振板2aを配列してなる開放導波路の通信装置1B上に配置する。ここで、ダイポールアンテナ22A,22Bの共振周波数は5GHzとし、開放導波路の両端の端部に配置したパッチ共振板2aの上方に距離hを開けて配置するものとする。
【0076】
図7(a)は第2の層4を示し、図7(b)は第1の層3を示し、図7(c)は第1の層3と第2の層4とを積層した状態を示し、図7(d)は通信装置1Bの断面を示している。
【0077】
上記構成において、ダイポールアンテナ22A,22B間のS21パラメータをシミュレートした結果を図8,図9に示す。図8は、アンテナとの共振器との距離h=5~30mmにおける伝搬損失特性(S21パラメータ)を示し、図9は各距離hにおける伝搬損失の差ΔL=Pw-PLを示している。なお、図8において、破線は自由空間伝搬損失PLを示している。伝搬損失特性(S21パラメータ)の増加は、およそ5dBであることを示している。
【0078】
次に、2次元配列の例について示す。図10~図12は、共振器を二次元配列する場合の基本構成を示している。図10に示す通信装置1Cは2次元配列の基本構成であり、第1の層3に配列する4つのパッチ共振板2aと、この第1の層3の上方に誘電体を介して上層に設ける第2の層4に配列する1つのパッチ共振板2bとを備える。パッチ共振板2a及びパッチ共振板2bは、所定の大きさの導電板で構成することができる。
【0079】
なお、図10に示すパッチ共振板2aの寸法(18mm)は、共振周波数を5GHzとしたときの設計値を示し、また、パッチ共振板2bとの寸法(24mm)は、このときの挿入損失が低くなるように設定する。また、パッチ共振板2aとパッチ共振板2bとの間に設ける誘電体は、誘電率εrを2.6とし、厚さを0.8mmとし、パッチ共振板2aとパッチ共振板2bとの重なり部分は3.8mmとし、隣接するパッチ共振板2a間の距離は16.4mmとしている。
【0080】
図10(a)は第1の層3と第2の層4とが分離した状態を示し、図10(b)は第1の層3と第2の層4とを積層した状態を示し、図10(c)は通信装置の断面を示している。
【0081】
また、図10において、Lは2つのポート(ポート1とポート2)の間の最短距離であり、パッチ共振板2aのアレイ配列において、パッチ共振板2aを1×2で配列した場合には52.4mmとなる。また、パッチ共振板2aを2×2、3×3、4×4で配列した場合には、このポート間の最短距離Lは、それぞれ62.7mm,103.9mm,159.2mmとなる。
【0082】
この構成において、ポート1からポート2への伝搬損失特性を表すS21パラメータを図11に示す。図11において、符号Eと符号eで示す特性は、それぞれパッチ共振板2aを1×2配列したときの、本発明のアレイ配置による通信装置のS21パラメータと自由空間伝搬損失のS21パラメータとを示している。また、同様に、符号Fと符号f、符号Gと符号g、および符号Hと符号hで示す特性は、それぞれパッチ共振板2aを2×2、3×3、4×4で配列したときの、本発明のアレイ配置による通信装置のS21パラメータと自由空間伝搬損失のS21パラメータとをそれぞれ示している。なお、ここでは、アンテナ損失は無視している。
【0083】
この2次元配列の例では、1次元配列における伝搬損失よりは大きくなるものの自由空間伝搬損失よりは小さくすることができる。
【0084】
また、共振周波数5GHzにおいて、伝搬損失が放射損失よりも少なくなるバンド幅は、2×2、3×3、4×4の各配列において、それぞれ28.1%、22.1%、19.8%である。また、図12に示すように、各ポート間距離Lにおける伝搬損失の差ΔL=Pw-PLは、ポート間の最短距離Lが52.4mm(1×2配列),62.7mm(2×2配列),103.9mm(3×3配列),159.2mm(4×4配列)に対して、それぞれ21,15,15,16dBとなる。なお、1×2配列と2×2配列との伝搬損失の差は、導波路内の円筒状の波の伝搬によるものである。
【0085】
図12に示すシミュレーション結果から、配列数の増加と伝搬損失の差(通信装置のS21パラメータと自由空間伝搬損失の差)との傾向は、二次元配列においてポート間の距離Lが長いほど、通信装置は自由空間伝搬よりも伝搬損失の点で有効であることを示している。
【0086】
上記した各例では、出力ポートは入力ポートと平行である場合を示しているが、出力ポートは入力ポートと直交する場合であっても、ほぼ同様の効果を奏することができる。図13,図14は、3×3の二次元配列の通信装置1Dにおいて、入力ポート(ポート1)に対して、平行なポート2と垂直なポート3の2つの出力ポートを示している。
【0087】
図13(a)は第1の層3と第2の層4とが分離した状態を示し、図13(b)は第1の層3と第2の層4とを積層した状態を示し、図13(c)は通信装置の断面を示している。
【0088】
図14は、入力ポート1に対する出力ポート2のSパラメータS21と、入力ポート1に対する出力ポート3のSパラメータS31の周波数特性を示しており、伝搬損失特性は、入力ポートに対する出力ポートの方向は依存しないといえる。
【0089】
次に、図15,図16を用いて、二次元配列の通信装置において、開放導波路と外部通信機器のアンテナとの結合について説明する。図15は、パッチ共振板2aを4×4配列するとともに、5mmの間隔を開けて3×3配列のパッチ共振板2bを層状に配列してなる二次元配列の通信装置1Eを示している。また、4×4配列の最も離れた両隅のパッチ共振板2a上にバイポーラアンテナ22A,22Bを配置する。
【0090】
図15(a)は第1の層3と第2の層4とが分離した状態を示し、図15(b)は第1の層3と第2の層4とを積層した状態を示し、図15(c)は通信装置の断面を示している。
【0091】
この構成により、図16は、ポート1,2間のSパラメータ(図中のIで示す)、1つのバイポーラアンテナとポートとの間のSパラメータ(図中のJで示す)、2つのバイポーラアンテナ間を本発明の通信装置を介して伝搬させたときのSパラメータ(図中のKで示す)、および、2つのバイポーラアンテナ間を自由空間を介して伝搬させたときのSパラメータ(図中のLで示す)をそれぞれ示している。なお、ここでは、伝搬距離Lは145.95mmの場合を示している。
【0092】
また、伝搬損失の差ΔLは、10,16,16dBであり、バンド幅は8.1%、20.0%、20.7%である。なお、この数値は、4.8GHzで規格化された数値である。
【0093】
本発明の通信装置は、上記したように単一の共振周波数によって伝搬を行う構成の他に、複数の共振周波数で伝搬を行う構成とすることができる。この複数の共振周波数による伝搬は、共振器に多重共振特性を持たせることで構成することができる。
【0094】
図17は、この多重共振特性を持たせた共振器の一構成例である。図17(a)、(b)は、共振器を構成するパッチ共振板の導電板にスリット6を形成することで多重共振特性を持たせる。図17(a)に示す構成は、導電板の中央位置に1つのスリット6を形成して、導電板に流れる電流部分を同等の大きさに2分する構成例であり、図17(b)に示す構成は、導電板の中央位置に複数の(図では4つ)のスリット6を形成して、導電板に流れる電流部分を中央部分と外周部分に2分する構成である。
【0095】
これによって、導電板を流れる電流の経路長が変わり、一つの導電板で複数の共振周波数を持つことができる。
【0096】
なお、多重とする共振周波数を如何なる周波数とするかは、スリットを入れる位置や、スリットの形状で設定することができる。
【0097】
本発明の通信装置は、上記したように1次元配列あるいは2次元配列とすることができ、この通信装置によって外部機器との間で通信を行う構成として、誘電体とこの誘電体に貼り付けた導電板とによって、一次元であれば通信用ストリップを構成し、2次元であれば通信用シートを構成することができる。通信用ストリップあるいは通信用シートを支持する部材としては、誘電体のみで行うことも、グランド層を形成する導電極シートを誘電体に貼り合わせたものを用いることもできる。また、各導電板を含む各素材は、柔軟性を有した素材や、繊維素材を用いることで、通信用ストリップあるいは通信用シートに柔軟性を持たせることができる。
【0098】
図18は、本発明の通信装置による通信用ストリップ11あるいは通信用シート10の一適用例を示すものであり、ここでは、医療関係の分野に使用する例を示している。
【0099】
図18では、ベッド40上に通信用シート10を敷設したり、使用者の衣服に通信用ストリップ11を貼る付け、この通信用シート10あるいは通信用ストリップ11を介して、使用者に取り付けたセンサ出力を取り出す例を示している。
【0100】
例えば、使用者の身体に、心拍計や体温計等の身体センサ30を取り付け、この身体センサ30を通信用シート10あるいは通信用ストリップ11に近接させることで、身体センサ30の検出出力を通信装置に取り出す。一方、通信用シート10あるいは通信用ストリップ11の任意の位置に外部通信機器21を近接させる。この外部通信機器21は、通信用シート10あるいは通信用ストリップ11の通信装置からセンサ30の検出出力を受信する。
【0101】
この構成によれば、例えば、身体センサ30が背中側に取り付けられるなど、外に直接取り出せない場合であっても、コード等を用いることなく、通信用シート10や通信用ストリップ11を介して信号を取り出すことができる。また、このとき、外部通信機器21は、通信用シート10や通信用ストリップ11上の任意の位置とすることができるため、使用者の姿勢に影響されることなく行うことができる。
【0102】
なお、通信用シート10自体で衣服を構成してもよい。また、通信用シート10自体で衣服は医療分野に限らず、種々の分野に適用することができる。例えば、火災現場等の高温環境や、ガスや放射線が存在さる環境下において、作業者の身体状態を観察するには、心拍計や体温計等の身体センサ30を取り付ける必要があるが、身体センサの信号を取り出すため巡らされるコードは身体の動きを妨げる。このような環境において、本発明の通信用シートや通信用ストリップを作業服に組み込ませることで、コードを用いることなくため、身体センサの信号を外部に取り出すことができる。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明は、パーソナルコンピュータとともに用いるマウスや、キーボード等のPC用無線機器に適用し、通信用シート等の形態で使用する他、医療機器を使用する環境や悪環境下において使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本発明の通信装置の概略を説明するための概略図である。
【図2】本発明の通信装置を備える通信用シートの一構成例を示す図である。
【図3】本発明の通信装置が構成する開放導波路を説明するための概略図である。
【図4】本発明の通信装置の共振器の配列の基本構成を説明するための概略図である。
【図5】本発明の通信装置の共振器の配列のSパラメータを説明するための図である。
【図6】本発明の通信装置の共振器の配列の伝搬損失を説明するための図である。
【図7】本発明の通信装置の導波路と外部通信機器のアンテナとの間の結合を説明するための概略図である。
【図8】本発明の通信装置の導波路と外部通信機器のアンテナとの間の結合のSパラメータを説明するための図である。
【図9】本発明の通信装置の導波路と外部通信機器のアンテナとの間の結合の伝搬損失を説明するための図である。
【図10】本発明の二次元配列の通信装置の構成を説明するための概略図である。
【図11】本発明の二次元配列の通信装置のSパラメータを説明するための図である。
【図12】本発明の二次元配列の通信装置の伝搬損失を説明するための図である。
【図13】本発明の3×3の二次元配列の通信装置の構成を説明するための概略図である。
【図14】本発明の3×3の二次元配列の通信装置のSパラメータを説明するための図である。
【図15】本発明の4×4の二次元配列の通信装置の構成を説明するための概略図である。
【図16】本発明の4×4の二次元配列の通信装置のSパラメータを説明するための図である。
【図17】本発明の通信装置の多重共振特性を持たせた共振器の一構成を説明するための概略図である。
【図18】本発明の通信装置による通信用ストリップあるいは通信用シートの一適用例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0105】
1…通信装置
2…共振器
2a、2b…パッチ共振板
3…第1の層
4…第2の層
5…誘電体
6…スリット
7…絶縁体層
10…通信用シート
11…通信用ストリップ
20…外部装置
21A,21B…外部通信機器
22…アンテナ
30…身体センサ
40…ベッド
50…テーブル
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13
【図15】
14
【図16】
15
【図17】
16
【図18】
17