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明細書 :シンボル挿入によるピーク電力低減および復号誤り率改善方法ならびに無線送受信装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4911521号 (P4911521)
公開番号 特開2009-055111 (P2009-055111A)
登録日 平成24年1月27日(2012.1.27)
発行日 平成24年4月4日(2012.4.4)
公開日 平成21年3月12日(2009.3.12)
発明の名称または考案の名称 シンボル挿入によるピーク電力低減および復号誤り率改善方法ならびに無線送受信装置
国際特許分類 H04L  27/20        (2006.01)
H03M  13/25        (2006.01)
FI H04L 27/20 A
H03M 13/25
請求項の数または発明の数 10
全頁数 15
出願番号 特願2007-217385 (P2007-217385)
出願日 平成19年8月23日(2007.8.23)
審査請求日 平成22年8月23日(2010.8.23)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504182255
【氏名又は名称】国立大学法人横浜国立大学
発明者または考案者 【氏名】落合 秀樹
【氏名】棚橋 誠
個別代理人の代理人 【識別番号】100077481、【弁理士】、【氏名又は名称】谷 義一
【識別番号】100088915、【弁理士】、【氏名又は名称】阿部 和夫
審査官 【審査官】岡 裕之
参考文献・文献 特開平8-195782(JP,A)
特表2004-500726(JP,A)
棚橋 誠 外1名,シンボル挿入に基づく簡易なピーク電力低減および通信路符号化方式,電子情報通信学会技術研究報告,2008年 8月20日,Vol.108, No.188,pp.169-174,RCS2008-81
Makoto Tanahashi et al.,A Simple Modulation Code with Peak Power Reduction and Coding Gain,Communications, 2008. ICC '08. IEEE International Conference on,2008年 5月23日,pp.1365-1369
落合 秀樹,OFDMシステムにおけるピーク電力低減技術,電子情報通信学会技術研究報告,2006年10月20日,Vol.106, No.321,pp.25-30,WBS2006-34
調査した分野 H04L 27/20
H03M 13/25
IEEE Xplore
CiNii
特許請求の範囲 【請求項1】
情報データに基づいて、所定のデジタル変調方式に応じて、信号空間に配置された信号点に対応する複数の情報シンボルを決定し、第1の出力シンボル列を出力するデジタル変調部と、
前記デジタル変調部からの前記第1の出力シンボル列の各情報シンボル間に、所定の交番パターンに従って少なくとも1つの挿入シンボルを挿入し、第2のシンボル列を出力するシンボル挿入部であって、前記第2のシンボル列の隣り合う各情報シンボル間の信号空間上の位相遷移は、前記所定のデジタル方式により決定される90度以下の遷移角度に制限され、かつ、前記挿入シンボルは、前記デジタル変調方式により変調された情報データの復調時に誤り訂正符号として利用されること
を備えたことを特徴とするシングルキャリア変調装置。
【請求項2】
前記挿入シンボルは、前記第1のシンボル列における連続する2つの情報シンボル組について、前記連続する2つの情報シンボル間に挿入する前記少なくとも1つの挿入シンボル含む一覧テーブルを記憶した記憶手段をさらに備え、前記記憶手段から読み出された前記挿入シンボル挿入して前記第2のシンボル列を出力することを特徴とする請求項1に記載のシングルキャリア変調装置。
【請求項3】
前記所定のデジタル変調方式は、複数種類の異なるデジタル変調方式を含み、前記記憶手段は前記複数種類のデジタル変調方式に対応した複数の一覧テーブルを記憶していることを特徴とする請求項2に記載のシングルキャリア変調装置。
【請求項4】
前記所定の交番パターンは、連続する2つの情報シンボル間に1つの前記挿入シンボルを1つ挿入して交互に繰り返すことを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のシングルキャリア変調装置。
【請求項5】
前記複数種類のデジタル変調方式は、PSK変調およびQAM変調の少なくとも1つを含むこと特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載のシングルキャリア変調装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載された変調装置により変調された変調送信波を受信する受信装置あって、
前記挿入シンボルを抽出し、前記情報シンボルおよび前記挿入シンボルにより規定されるトレリスに基づいて、抽出された挿入シンボル列を復号する第1のSISOデコーダと、
デインターリーバを介して接続され、前記第1のSISOデコーダと協働して復号された挿入シンボル列の尤度を出力する第2のSISOのデコーダであって、前記挿入シンボル列は前記情報データ復号時の誤り訂正に利用され、記第1のSISOデコーダおよび前記第2のSISOデコーダが協働して反復復号を行ない、前記情報データのビット列の尤度値を生成することと、
前記第2のデコーダからの前記尤度値に基づいて硬判定処理により前記情報データを復号する硬判定復号処理部と
を備えたことを特徴とする受信装置。
【請求項7】
情報データに基づいて、所定のデジタル変調方式による送信変調信号の瞬時ピーク電力を低減する方法であって、
前記所定のデジタル変調方式に応じて、信号空間に配置された信号点に対応する複数の情報シンボルを決定し、第1の出力シンボル列を決定するステップと、
前記決定するステップにおいて生成された前記第1の出力シンボル列の各情報シンボル間に、所定の交番パターンに従って少なくとも1つの挿入シンボルを挿入し、第2のシンボル列を決定するステップであって、前記第2のシンボル列の隣り合う各情報シンボル間の信号空間上の位相遷移は、前記所定のデジタル方式により決定される90度以下の遷移角度に制限され、かつ、前記挿入シンボルは、前記デジタル変調方式により変調された情報データの復調時に誤り訂正符号として利用されることと、
を備えることを特徴とする瞬時ピーク電力低減方法。
【請求項8】
第2のシンボル列を決定する前記ステップは、前記第1のシンボル列における連続する2つの情報シンボル組について、前記連続する2つの情報シンボル間に挿入する前記少なくとも1つの挿入シンボル含む一覧テーブルを記憶した記憶手段から読み出された前記挿入シンボル挿入するステップを含むことを特徴とする請求項7に記載の瞬時ピーク電力低減方法。
【請求項9】
前記所定のデジタル変調方式は、複数種類の異なるデジタル変調方式を含み、前記記憶手段は前記複数種類のデジタル変調方式に対応した複数の一覧テーブルを記憶していることを特徴とする請求項8に記載の瞬時ピーク電力低減方法。
【請求項10】
前記所定の交番パターンは、連続する2つの情報シンボル間に1つの前記挿入シンボルを1つ挿入して交互に繰り返すことを特徴とする請求項7乃至9いずれかに記載の瞬時ピーク電力低減方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、シングルキャリア変調方法および復号方法に関する。より詳細には、シングルキャリア変調における瞬時ピーク電力を低減し、誤り率を改善した復号方法ならびにシングルキャリア変調装置および復調装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在標準規格の決定が進められている第4世代移動通信システム(4G)においては、変調方式として、周波数選択フェージング特性に優れた耐性を持つOFDMの採用が有力となっている。OFDMは、周波数利用効率や周波数選択フェージング特性におけるメリットがある反面、PAR(Peak-to-Average Ratio)特性が非常に悪いという欠点を持っている。すなわち、平均電力に対して瞬時ピーク電力の変動幅が大きいという欠点がある。
【0003】
PAR特性の悪い送信信号は、一般に広いダイナミックレンジを持つ。つまり、電力増幅器で増幅される変調送信信号の包絡線変動が、大きいことを意味する。第2世代移動通信システム(2G)では、包絡線変動の少ない線形変調方式であるπ/4シフトQPSK変調または定包絡線変調方式であるGMSK変調が採用されていた。包絡線変動が少ないかまたは包絡線が一定の変調信号を増幅する場合に、電力付加効率の高いB級増幅器やC級増幅器を使用することもできるからである。
【0004】
一方、OFDMにおいては、平均電力と瞬時ピーク電力との比であるPAR値は、10dBにも達する。このOFDM特有のPAR特性は、送信機の最終段において使用される電力増幅器(PA)に非常に高い線形性を要求する。電力増幅器の線形性が十分でない場合、すなわち電力増幅器に非線形性がある場合には、送信信号のひずみの発生や帯域外の不要輻射電力を増大といった問題が生じてくる。
【0005】
電力増幅器における非線形ひずみの発生を抑えるためには、電力増幅器を線形領域において動作させることが必要である。すなわち、電力増幅時に瞬時ピーク電力に対応する包絡線を保存するため、電力増幅器には大きな出力バックオフ(OBO:Output Back-Off)が必要となる。
【0006】
一般に、出力バックオフを大きく確保すると、電力増幅器の電力付加効率が悪化する。バッテリ駆動する携帯端末においては、省電力が求められている。したがって、電力増幅器の電力付加効率の低下は重大な問題である。また、平均電力レベルを基準に考えると、出力バックオフの確保のためには、最大出力電力レベルの大きい電力増幅器を使用すること必要となる。最大出力電力レベルの大きい電力増幅器は一般に高価であり、一般の携帯端末に搭載をするのは、コストの点からも難しい。
【0007】
このような理由から、第4世代移動通信システム(4G)において、上り回線にOFDMの代わりに、シングルキャリア方式を採用することが検討されている。一般に、シングルキャリア方式を用いた線形変調においては、波形整形フィルタからの出力信号には振幅変動が生じ、特にロールオフ率αが小さくなるとダイナミックレンジも大きくなる。ロールオフ係数が小さければ、周波数軸上において変調信号のスペクトル拡がりを抑えることができるので、周波数利用効率を向上させることができる。しかし、変調信号のダイナミックレンジは大きくなるため、瞬時ピーク電力が増大し、電力増幅器の付加効率の要請と相容れない。
【0008】
上述のような瞬時ピーク電力の問題を背景に、送信電力を低減する技術としてシェイピングが知られている。このシェイピングは、変調後のシンボルの分布を正規分布に近づけ、平均電力を低減して、通信路容量に近づけることを指す。一般には、正規分布に近づけることに限らず、通信路の特性に対応して、シンボルの分布が好ましくなるように、入力ビット系列を符号化している。シェイピング技術としては、トレリスシェイピングがよく知られている(非特許文献1を参照のこと)。トレリスシェイピングでは、ビタビアルゴリズムにおける符号語検索メトリックを適切に定義することによって、任意のシェイピングが可能となる。トレリスシェイピングによって、平均電力の低減だけでなく、送信信号のダイナミックレンジを低減することが検討されている。トレリスシェイピングは、π/4シフトQPSK変調の考え方を発展させたものである。すなわち、送信シンボル系列に対し、連続する2シンボル間における信号点の遷移角度の合計が最小になるように送信系列を符号化するものである(非特許文献2を参照)。
【0009】
本特許出願の発明者らは、トレリスシェイピングにおいてピーク電力の低減をさらに改善する方法として、シングルキャリアに対してQAM変調を適用するシングルキャリア変調において適切なメトリックを定めることを目的として、参照電力との統計的モーメントを使用したメトリックに基づいたシングルキャリア変調方法を提案している(非特許文献3を参照)。この方法では、瞬時ピーク電力の分散値をメトリックとする。さらに、発明者らはリミッタモデルを使用したメトリックについてもその概念を提案している(非特許文献4)。すなわち、リミッタ法の概念に基づいて波形整形フィルタ以降の出力信号波形の瞬時ピークが一定包絡線に近づくような符号語を選択できるメトリックを提案している。
【0010】

【特許文献1】特許第3763023号 明細書
【非特許文献1】G. D. Forney, Jr., “Trellis shaping,” IEEE Trans. Inform. Theory, vol. 38, pp. 281-300, Mar. 1992.
【非特許文献2】I.S.Morrison: “Trellis shaping applied to reducing the envelope fluctuations of MQAM and band-limited MPSK”, Proc.Int/Conf. on Digital Satellite Commum. (ICDSC'92), pp.143-149 1992
【非特許文献3】棚橋、落合、「シングルキャリアQAMにおけるトレリスシェイピングを用いたピーク電力制御」、電子情報通信学会技術研究報告、無線通信システムRCS2006-35-58, Vol.106, No.119
【非特許文献4】棚橋誠、 落合秀樹, “トレリスシェイピングを用いたシングルキャリアPSK変調信号のピーク電力低減に関する検討”、 電子情報通信学会技術報告, WBS2006-49, pp.31-36, 横須賀リサーチパーク(YRP), 2007年3月
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上述のトレリスシェイピング技術においては、送信符号系列を決定するために符号語探索が必要となる。この符号語探索のためには、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)などによる送信側の信号処理の負担が非常に大きなものとなる。このため、送信側の変調処理回路が複雑となり、回路規模も大きくなるという問題点があった。送信変調信号のピーク電力を低減することによって、電力増幅器の電力付加効率の改善や最大送信電力の抑制の観点からは、低消費電力化に貢献できるものの、送信符号系列を決定するための信号処理によって、かえって装置全体の消費電力が増大してしまうという問題があった。特に、信号処理の増加に適応するためにDSPの動作周波数が上がるにしたがって、DSPによる消費電力が携帯型の端末装置の中で占める割合は増えている。さらには、DSPにおける発熱量の増大が装置小型化の障害ともなっていた。
【0012】
また、ピーク電力低減のために、トレリスシェイピングにより冗長ビットが付加されるが、復号にあたって冗長ビットは何ら有効に利用されておらず、通信システム全体で、トレリスシェイピングをより効率的に利用することが望まれていた。
【0013】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、送信側の信号処理負担を軽減して、消費電力を大幅に低減させたピーク電力の低減方法ならびに付加された冗長ビットを復号にも利用して、誤り率を改善した復号方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、情報データに基づいて、所定のデジタル変調方式に応じて、信号空間に配置された信号点に対応する複数の情報シンボルを決定し、第1の出力シンボル列を出力するデジタル変調部と、前記デジタル変調部からの前記第1の出力シンボル列の各情報シンボル間に、所定の交番パターンに従って少なくとも1つの挿入シンボルを挿入し、第2のシンボル列を出力するシンボル挿入部であって、前記第2のシンボル列の隣り合う各情報シンボル間の信号空間上の位相遷移は、前記所定のデジタル方式により決定される90度以下の遷移角度に制限され、かつ、前記挿入シンボルは、前記デジタル変調方式により変調された情報データの復調時に誤り訂正符号として利用されること、を備えたことを特徴とするシングルキャリア変調装置である。
【0015】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のシングルキャリア変調装置であって、前記挿入シンボルは、前記第1のシンボル列における連続する2つの情報シンボル組について、前記連続する2つの情報シンボル間に挿入する前記少なくとも1つの挿入シンボル含む一覧テーブルを記憶した記憶手段をさらに備え、前記記憶手段から読み出された前記挿入シンボル挿入して前記第2のシンボル列を出力することを特徴とする。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のシングルキャリア変調装置であって、前記所定のデジタル変調方式は、複数種類の異なるデジタル変調方式を含み、前記記憶手段は前記複数種類のデジタル変調方式に対応した複数の一覧テーブルを記憶していることを特徴とする。
【0017】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載のシングルキャリア変調装置であって、前記所定の交番パターンは、連続する2つの情報シンボル間に1つの前記挿入シンボルを1つ挿入して交互に繰り返すことを特徴とする。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載のシングルキャリア変調装置であって、前記複数種類のデジタル変調方式は、PSK変調およびQAM変調の少なくとも1つを含むこと特徴とする。
【0019】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5に記載された変調装置により変調された変調送信波を受信する受信装置あって、前記挿入シンボルを抽出し、前記情報シンボルおよび前記挿入シンボルにより規定されるトレリスに基づいて、抽出された挿入シンボル列を復号する第1のSISOデコーダと、デインターリーバを介して接続され、前記第1のSISOデコーダと協働して復号された挿入シンボル列の尤度を出力する第2のSISOのデコーダであって、前記挿入シンボル列は前記情報データ復号時の誤り訂正に利用され、記第1のSISOデコーダおよび前記第2のSISOデコーダが協働して反復復号を行ない、前記情報データのビット列の尤度値を生成することと、前記第2のデコーダからの前記尤度値に基づいて硬判定処理により前記情報データを復号する硬判定復号処理部とを備えたことを特徴とする受信装置である。
【0020】
請求項7に記載の発明は、情報データに基づいて、所定のデジタル変調方式による送信変調信号の瞬時ピーク電力を低減する方法であって、前記所定のデジタル変調方式に応じて、信号空間に配置された信号点に対応する複数の情報シンボルを決定し、第1の出力シンボル列を決定するステップと、前記決定するステップにおいて生成された前記第1の出力シンボル列の各情報シンボル間に、所定の交番パターンに従って少なくとも1つの挿入シンボルを挿入し、第2のシンボル列を決定するステップであって、前記第2のシンボル列の隣り合う各情報シンボル間の信号空間上の位相遷移は、前記所定のデジタル方式により決定される90度以下の遷移角度に制限され、かつ、前記挿入シンボルは、前記デジタル変調方式により変調された情報データの復調時に誤り訂正符号として利用されることとを備えることを特徴とする瞬時ピーク電力低減方法である。
【0021】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の瞬時ピーク電力低減方法であって、第2のシンボル列を決定する前記ステップは、前記第1のシンボル列における連続する2つの情報シンボル組について、前記連続する2つの情報シンボル間に挿入する前記少なくとも1つの挿入シンボル含む一覧テーブルを記憶した記憶手段から読み出された前記挿入シンボル挿入するステップを含むことを特徴とする。
【0022】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の瞬時ピーク電力低減方法であって、前記所定のデジタル変調方式は、複数種類の異なるデジタル変調方式を含み、前記記憶手段は前記複数種類のデジタル変調方式に対応した複数の一覧テーブルを記憶していることを特徴とする。
【0023】
請求項10に記載の発明は、請求項7乃至9のいずれかに記載の瞬時ピーク電力低減方法であって、前記所定の交番パターンは、連続する2つの情報シンボル間に1つの前記挿入シンボルを1つ挿入して交互に繰り返すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように、本発明によれば、送信側の信号処理負担を軽減して、送信処理回路を簡素化し、携帯端末装置の消費電力を大幅に削減することができる。同時に、シェイピングのための挿入シンボルを復号にも利用して、誤り訂正符号の復号誤り率を改善することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。本発明のピーク電力低減方法は、トレリスシェイピングを利用する従来の構成と比較して送信回路を大幅に簡素化することができると同時に、後述する挿入シンボルによって、受信誤り率特性を改善することを特徴としている。
【0026】
図1は、本発明のシンボル挿入によるピーク電力低減方法の基本概念を説明する図である。図1aに示すように、デジタル通信においては、複数の情報ビットが、複数のシンボルに対応付けられ、さらに、直交するI信号とQ信号によって形成されるIQ信号空間上において、シンボルに対応する信号点にマッピングが行なわれる。例えば、8PSK変調の場合には、IQ信号空間において8つのシンボルに対応付けられた8つの信号点にマッピングされる。信号点へのマッピングが決定されれば、その後、直交変調器に入力される波形フィルタ帯域制限を受けたアナログ波形信号に基づいて、送信変調波が生成される。変調波のピーク電力は、包絡線と対応し、送信シンボルの選択如何によって、ピーク電力の変動量が決定される。
【0027】
図1bは、従来の8PSK変調における包絡線の時間遷移を概念的に表した図である。時間軸上で、シンボル時間間隔で、シンボルに対応する包絡線振幅の変化を、●によって示している。従来技術において説明したようにシングルキャリア方式を用いた線形変調において、包絡線振幅の変動ができる限り小さいことが求められている。
【0028】
図1cは、本発明のシンボル挿入によるピーク電力低減方法による包絡線の時間遷移を概念的に表した図である。本発明は、送信情報ビットに起因するシンボル点●の間に、包絡線のピーク変動を制御する制御シンボル11、12、13を挿入する点に特徴がある。制御シンボルは、□(黒四角)で表示されている。制御シンボルは、情報ビットに起因するシンボルに対応する包絡線の振幅変動をできるだけ抑えるように選択される。
【0029】
図2は、本発明のピーク電力低減方法を実装する送信・変調部の構成を示す図である。本発明のピーク電力低減は、従来技術のトレリスシェイピングと比べて非常に簡素化された構成によって実現できる点に特徴がある。図2aは、送信・変調部のブロック図を示しており、8PSK変調部1と、シンボル挿入処理部2とから構成される。情報ビットは、8PSK変調部1に入力され、情報ビットに基づくシンボル列S(I)が出力される。シンボル列S(I)は、シンボル挿入処理部2に入力され、シンボル列S(I)に、制御シンボルを挿入して、出力シンボル列S(O)が決定される。出力シンボル列S(O)は、空間信号点にマッピングされ、さらに信号点に対応して、I信号、Q信号が、図2aには示されない直交変調器へ供給される。
【0030】
図2bは、シンボル挿入処理部の構成を概念的に示す図である。シンボル挿入処理部2は、入力シンボル列S(I)を遅延させる遅延素子4と、1時点前のシンボルおよび現在のシンボルに基づいて、挿入する制御シンボル(以下、挿入シンボルという)を決定するシンボル選択手段3とを含む。シンボル選択手段3には、後述するルックアップテーブルが含まれる。シンボル挿入処理部2は、入力シンボル列S(I)からのシンボルと、シンボル選択手段3により決定される挿入シンボルとを、交互に出力し出力シンボル列S(O)を生成する。図2bは概念図なので、情報シンボルと挿入シンボルとを交互に選択する手段は具体的には示してはいないが、どのような実現方法であっても良い。次に、挿入シンボルの選択方法について詳細に説明する。
【0031】
図3は、従来技術のデジタル変調方法における信号点の位相遷移を説明する図である。従来技術においてIQ平面上の信号点の最大遷移角度を比較すれば、図3aに示す通常のQPSK変調では、信号点31から信号点32へ遷移する場合の180°が最大遷移角度となる。同様に、図3bに示す広く利用されているπ/4シフトQPSK変調では、信号点33から信号点34へ遷移する場合の135°が最大遷移角度となる。また、図3cに示す3PSK変調(特許文献1を参照)では、信号点35から信号点36へ遷移する場合の120°が最大遷移角度となる。一般に、連続するシンボルに対応する信号点間の最大遷移角度が小さいほど、送信変調波の包絡線に生じるピーク電力変動量が小さくなることが知られている。
【0032】
本発明のシンボル挿入によるピーク電力低減方法では、挿入シンボルを、情報シンボルからのおよび情報シンボルへの位相遷移ができるだけ小さくなるように選択する。ここでは、ピーク電力の低減量および後述する誤り率訂正能力の両面において優れた挿入シンボルのパターンを、系統的に設計する方法を示す。尚、ここで示す設計法および挿入シンボルのパターンはあくまで一例であって、ピーク電力低減性能および誤り率訂正能力のいずれかに重点を置いた設計法など、様々な設計法を取りえることに留意されたい。
【0033】
情報シンボルと情報シンボルの間に1つ挿入シンボルを挿入することで、信号点の最大位相遷移は180°÷2=90°となる。すなわち、8PSK変調方式では、0°、45°、90°の遷移角度の中から選択することになる。簡単のため、まず、一時点前の情報シンボル(すなわち出発点の信号点)が0の場合を規定し、出発点が0以外の場合は、0を出発点とする信号点の遷移を巡回シフトさせることで得るとする。まず、到達信号点に対応する現時点の情報シンボルが4ならば、位相遷移を90°とするためには、挿入シンボルは2または6でなければならない。しかし、対称性を考慮すればどちらの場合でも位相遷移量の観点から特性は全く変わりないので、2を選択するとする。現時点の情報シンボルが3の場合は、可能な挿入シンボルは1および2の2通りである。現時点の情報シンボルが2の場合は0、1、2の3通りである。以下同様に、全ての8シンボルについて可能な挿入シンボルを列挙し,全てのパターンを組み合わせると、取り得る挿入シンボルのパターンは5×4×3×2×1×2×3×4=2880通りとなる。
【0034】
本発明において最も重要な特徴は、挿入したシンボルを、ピーク電力の低減のみならず、誤り率訂正にも有効に利用する点にある。したがって、この取り得る2880通りのパターンの中から、受信時に最も誤り訂正能力の高い挿入シンボルのパターンを選択する。
【0035】
誤り訂正能力を考慮して、挿入するシンボルを決定するために、平均相互情報量(誤り訂正まで考慮した時、達成できる通信速度の限界値)に基づいて、最適なシンボルパターンを探索することができる。すなわち,2880のパターンについて平均相互情報量を求め,一番大きな値を有するパターンが最適である。
【0036】
このように、最適な挿入シンボルパターンは、基礎とする変調方式(例えば、8PSK変調)に基づいて、予め探索して決定しておけば良いので、トレリスシェイピングのようにリアルタイムに符号探索を行なう必要が全くないことに注目されたい。したがって、リアルタイムの高速演算処理を必要とすることなく、予め決定された挿入シンボルパターンを記憶したルックアップテーブルを参照して、挿入シンボルを選択するだけで済む。
【0037】
図4は、8PSK変調について、挿入シンボルの選択パターン例を示す図である。図4aは、2つの連続する情報シンボルの組みに対する挿入シンボルの一覧表である。最上段の行に現時点の情報シンボルを、最も左の列に1時点前の情報シンボルを表し、各々の連続する情報シンボル各々の組合せの行列位置に、入力シンボル列S(I)に挿入される挿入シンボルが記載されている。図4bは、8PSKの空間信号点を示しており、各信号点に表記された数字はシンボル番号を示す。ここで、1時点前のシンボル0から現時点のシンボル3へ遷移する場合を考えると、図4aの一覧表から挿入シンボルとして2が選択され、出力シンボル列S(O)としては、0→2→3が出力されて、空間信号点は図4bの経路37を辿る。同様に、1時点前のシンボル0から現時点のシンボル5へ遷移する場合を考えると、挿入シンボルとして7が選択され、出力シンボル列S(O)としては、0→7→5が出力されて、空間信号点は図4bの経路38を辿る。
【0038】
ここで、いずれの経路37、38でも、シンボル間の最大遷移角度は、90°以下に抑えられている。ここで留意すべきなのは、図4aで表された挿入シンボルパターンが、受信時に誤り訂正符号として利用され、その復号時に誤り率を改善するような挿入シンボルが選択されていることである。次に、受信時に本発明の挿入シンボルがどのように利用されるかについては、受信側動作として後述する。
【0039】
以上の説明からわかるように、本発明のシンボル挿入によるピーク電力低減方法では、図4に示した、所定の変調方式に対して最適化された挿入シンボルのルックアップテーブルに基づいて、連続する2つの情報シンボルから挿入シンボルを選択することにより出力シンボル列S(O)を生成できる。したがって、シンボル列S(O)の形成には、図2に示したシンボル選択手段などに記憶されたルックアップテーブルに基づいて、挿入するシンボルを選択する処理だけで済む。従来技術のトレリスシェイピングにおいては、シェイピング符号系列を決定するために、複雑で高速な演算処理がリアルタイムで必要となるため、送信処理回路は極めて大規模で複雑なものであった。これに比べて、本発明に係る送信・変調回路は、挿入シンボルを選択するだけであるので、DSPなどの高速の演算処理装置を必要としない。例えば、ルックアップテーブルは、装置内のROM等に記憶しておいて、シンボル選択は、通信端末の制御に利用されている安価でより低速なCPUなどによって処理することも可能である。トレリスシェイピングを実装する場合と比較すれば、送信処理に要する演算量はほとんど無視できる程度である。したがって、トレリスシェイピングと比べて、送信処理回路を大幅に簡素化し、演算量の大幅な削減により、消費電力も大幅に低減できる。
【0040】
さらに、ルックアップテーブルは、複数の種類を持つことも、簡単に書き換えることも可能となる。このため、基礎とするデジタル変調方式が複数ある場合に、変調方式ごとに最適のルックアップテーブルを持つこともできる。また、対抗する無線送受信装置間で、ルックアップテーブルを送受信して、変調および復調システムを配布したり、交換したり、共有したりすることも可能である。このように、本発明のシンボル挿入変調は、無線送受信装置に必要とされる異なる変調方式に柔軟に対応して、または適応的に構成することができるという優れた特徴を持つ。
【0041】
これまで8PSK変調を例として説明をしてきたが、本発明の挿入シンボル変調は、QAM変調をはじめとして他の変調方式にも適用ができる。例えば、16PSK変調を基礎として挿入シンボル変調を行うときは、0°、22.5°、45°、67.5°、90°の5つの遷移角度の中から選択することになる。同様に、32PSK変調を基礎として挿入シンボル変調を行うときは、0°、11.25°、22.5°33.75°、45°、56.25°、67.5°、78.75°、90°の9つの遷移角度の中から選択することになる。
【0042】
また、図1cにおいては、情報シンボルと挿入シンボルとを1つずつ、交互に出力するパターン(情報→挿入→情報→挿入)として説明してきたが、必ずしもこれに限定されない。2つの連続する情報シンボルの間に1つの挿入シンボルを挿入したりするなどの変形も可能である。例えば、情報シンボルと挿入シンボルの数の比を2:1として、情報→情報→挿入→情報→情報→挿入のような交番パターンによって出力しても良い。また、情報シンボルと挿入シンボルの数の比を1:2として、情報→挿入→挿入→情報→挿入→挿入のような交番パターンによって出力しても良い。また、複数の交番パターンのルックアップテーブルを持ち、適応的に切り替えることもできる。
【0043】
このような場合、情報シンボルと挿入シンボルの比率によって、ピーク低減性能や誤り率訂正能力に変化が生じることには留意が必要である。例えば、シンボル比が2:1の場合、情報シンボルが2つ連続するので、最も好ましくない180°の遷移が生じる可能性がある。しかし、この場合でも、180°の遷移が発生する確率は低減されるので、本発明が効果的であることには変わりはない。一方、シンボル比が1:2の場合は、情報と情報の間に2つ挿入シンボルを挟むため、最大位相差は180÷3=60°となり、高いピーク低減性能が期待できる。ただし8PSKの場合は、60度の遷移はありえないで、最大の位相遷移は90°と、1:1の場合と変わらない。
【0044】
上述のように、情報シンボルと挿入シンボルとの交番パターンには様々な変形が可能であって、挿入シンボルにより変調信号のピーク電力を低減するとともに、挿入シンボルを誤り訂正符号として利用して、送信側のピーク電力低減と受信側の誤り訂正能力の改善を同時に行なえば、どのような交番出力パターンでも本願発明の効果が得られる。
【0045】
また、挿入シンボルを構成するビットの内、いくつかを情報ビットとして扱うことによって、情報レートを上げることもできる。例えば、16APSK(リング比の異なる2つの8PSK)において、3ビットで8つの位相を選び、残り1ビットで振幅を選ぶというビットのマッピングを考える。このとき、挿入シンボルとして、位相だけを決め、振幅は任意とすれば、挿入シンボルも1ビットの情報を運ぶことができる。したがって、わずかであるが、情報レートを上昇させることもできる。
【0046】
上述の挿入シンボルによってピーク電力を低減した変調信号を、受信側において復調する際は、受信信号には1シンボルごとに情報シンボルと挿入シンボルが繰り返されているので、1シンボルごとに情報シンボルを抜き出すことで、復調が完了する。しかし、挿入シンボルを利用せずに破棄するのではなく、抜き出した挿入シンボルを誤り訂正に利用することで、送信処理のために利用された冗長なビットを受信側で有効に活用ができる。
【0047】
図5は、本発明のシンボル挿入による変調動作をトレリス線図によって表現した図である。図2に示した変調部による変調動作は、8つのシンボルに対応する状態5と、各シンボルから次の情報シンボルおよびその間に挿入される挿入シンボルの組に対応する8本の枝6とにより構成されるトレリス線図で表現できる。例えば、1時点前の情報シンボルは、0から7までの8つの状態(シンボル)をとることができる。シンボル0に対応する状態からは、図4で例示的に示した一覧テーブルによって、現時点における入力シンボルおよび対応する挿入シンボルが一意に決定されるので、図5のようなトレリス線図が得られる。このトレリス線図によって表現される本発明のシンボル挿入処理は、入力と出力が8通りのアルファベットであるトレリス符号化に他ならない。したがって、本発明のシンボル挿入処理に対応する復調には、トレリス復号やビタビ復号を利用することができる。
【0048】
図6は、本発明のシンボル挿入によるピーク電力低減させる変調部を含む送信系および対応する受信系を備えた送受信システムのブロック図である。図6aは、シンボル挿入を適用した送受信システムのうち、送信系ブロック図を示している。情報データは、通信路符号化部21により誤り訂正符号等による符号化処理がなされ、さらにインターリーバ22によりインターリーブされる。その後、変調・シンボル挿入処理部23によって瞬時ピークの低減がなされた後に、出力信号として送信装置から通信路へ出力される。図6bは、対応する受信系ブロック図を示し、反復復号システムを構成している。第1のSISOデコーダ24、デインターリーバ25、第2のSISO26および硬判定復号器27を含む。ここで、SISO(Soft-In Soft-Out)デコーダは、ターボ符号に対する反復復号法において用いられる要素復号器の1つである。
【0049】
図6aのように、送信系の構成を、符号化処理および変調・シンボル挿入処理部がインタリーバを介して従属接続されたものと見なすことで、図6bに示すようなSISO復号器を連結した反復復号法を利用することでターボ復号により、大幅に誤り率特性を改善することができる。すなわち、シンボル挿入処理によって変調する前に、情報ビットを畳み込み符号などで符号化しておけば、シンボル挿入処理と合わせて、システム全体がターボ復号可能となる。その際は、ビタビアルゴリズムではなく、BCJRアルゴリズムなどを適用しSISO復号することができる。シンボル挿入(8PSK)をBCRJやビタビアルゴリズムによって復号する際の計算量は、状態数32の畳み込み符号(つまりメモリ数5)の計算量とほぼ等しい。したがって、従来技術の復号方法と同じレベルの複雑さで十分である。したがって、無線送受信装置全体において、送信系における回路を簡素化するメリットをそのまま享受できる。
【0050】
図7は、本発明のシンボル挿入による変調を適用した場合のピーク電力低減効果を示す図である。横軸は、正規化瞬時電力を示し、縦軸は、CCDF(Complementary Cumulative Distribution Function)補累積分布を示す。すなわち、正規化瞬時電力は、平均電力を1に正規化した場合の信号の瞬時電力を、CCDFは、瞬時電力が横軸の値を超える確率を示している。通常のQPSK変調のCCDFを比較のために示しており、波形整形フィルタのα=0.1、0.4の場合をそれぞれ示す。CCDF(10-5)に対する横軸の瞬時電力値を参照すれば、α=0.1の場合、通常のQPSK変調では瞬時電力のうちの99.999%が6.4dB以下の範囲内に含まれるのに対し、本発明のシンボル挿入によれば、99.999%が4.3dB以下の範囲内に収まっていることが確認できる。したがって、CCDF(10-5)に対する横軸の瞬時電力値をピーク電力とみなした場合、本発明のシンボル挿入によって、ピーク電力を2.1dB低減する改善がなされたと言える。
【0051】
図8は、本発明のシンボル挿入による変調で挿入されたシンボルを復号に利用した場合のBER特性を示す図である。ここで、本発明のシンボル挿入による変調システムは、符号化率1/3の畳み込み符号(CC)をシンボル挿入変調部(8PSKを基礎とする)に連接したシステムであり、情報レートは0.5[ビット/シンボル]となる。比較対象として、符号化率1/4のLDPC符号をQPSKに連接したシステムのBER特性を示している。情報レートは同じく0.5[ビット/シンボル]となる。誤り率の改善量は、BER=0.001%において、0.9dBである。
【0052】
図7に示したピーク電力の低減量2.1dBと、図8に示したBERの改善量0.9dBとを合わせれば、本発明のシンボル挿入による変調方法および挿入シンボルを利用した復調方法により、情報伝送レートを同じに設定したQPSK変調方式と比較して、送受信合計で、システムSN比を3dB改善ができる。
【0053】
図9は、本発明のシンボル挿入による変調を適用した変調波の包絡線分布を信号空間図上で示した図である。図9aは、α=0.4、図9bはα=0.1の場合をそれぞれ示す。トレリスシェイピングには及ばないものの、十分にピーク電力発生を抑制している。
【0054】
以上詳細に述べたように、本発明のピーク電力低減方法によれば、送信側の回路構成を大幅に簡素化し、送信信号処理による消費電力を大幅に抑える。シンボル挿入処理は、DSPを使用することなく、低速のCPUを用いて処理できるため、DSPの動作周波数を抑え、DSPにおける消費電力を抑えて、発熱量を減らす。さらにルックアップテーブルの選択によって、複数の異なる変調方式に対して、最適のピーク電力低減方法を柔軟に選択できる。携帯端末装置の消費電力を、大幅に削減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、通信装置に利用可能である。電池駆動の携帯端末に特に有効であり、携帯端末の小型軽量化を実現する。さらに無線送受信装置を含む通信システムに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明のシンボル挿入によるピーク電力低減方法の基本概念を説明する図である。
【図2】本発明のピーク電力低減方法を実現する送信・変調部の構成を示す図である。
【図3】変調方法における信号点の位相遷移を説明する図である。
【図4】8PSK変調について、挿入シンボルの選択パターン例を示す図である。
【図5】本発明の挿入シンボルによる変調動作をトレリス線図で表現した図である。
【図6】本発明のシンボル挿入によるピーク電力低減させる変調処理部を含む送信系および対応する受信系のブロック図である。
【図7】本発明のシンボル挿入による変調を適用した場合のピーク電力低減効果を示す図である。
【図8】本発明のシンボル挿入による変調で挿入されたシンボルを復号に利用した場合のBER特性を示す図である。
【図9】本発明のシンボル挿入による変調を適用した変調波の包絡線分布を信号空間図上で示した図である。
【符号の説明】
【0057】
1 8PSK変調部
2 シンボル挿入処理部
3 シンボル選択手段
4 遅延素子
5 状態
6 枝
11、12、13 制御シンボル
21 通信符号化処理部
22 インターリーバ
23 変調・シンボル挿入処理部
24、26 SISOデコーダ
25 デインターリーバ
27 硬判定処理部
31、32、33、34、35、36 信号点
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8