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明細書 :鉛直判定センサ及び鉛直測量システム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4335271号 (P4335271)
公開番号 特開2009-025276 (P2009-025276A)
登録日 平成21年7月3日(2009.7.3)
発行日 平成21年9月30日(2009.9.30)
公開日 平成21年2月5日(2009.2.5)
発明の名称または考案の名称 鉛直判定センサ及び鉛直測量システム
国際特許分類 G01C   9/06        (2006.01)
G01C   9/36        (2006.01)
G01C   9/32        (2006.01)
G01C  15/06        (2006.01)
FI G01C 9/06 A
G01C 9/36
G01C 9/32
G01C 15/06
請求項の数または発明の数 1
全頁数 15
出願番号 特願2007-191782 (P2007-191782)
出願日 平成19年7月24日(2007.7.24)
審査請求日 平成20年8月14日(2008.8.14)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】307016294
【氏名又は名称】有限会社 ジオテック
発明者または考案者 【氏名】土田 寛
【氏名】湊 淳
【氏名】桑原 祐史
早期審査対象出願または早期審理対象出願 早期審査対象出願
審査官 【審査官】須中 栄治
参考文献・文献 実開昭56-016010(JP,U)
特開2005-172833(JP,A)
特表2005-530987(JP,A)
特開2007-071870(JP,A)
特開平02-071115(JP,A)
実開昭56-107512(JP,U)
調査した分野 G01C9/06
G01C9/24
特許請求の範囲 【請求項1】
気泡を封入した円形型気泡管を有する気泡部、発光素子を有する発光部、前記発光素子からの光を電気信号に変換する受光素子を有する受光部、前記受光素子の前記円形型気泡管の傾きに対応する受光量を検出する受光量検出部とを備え、前記発光素子と前記受光素子とを直線上に配置し、前記発光素子と前記受光素子との間に前記気泡を配置し鉛直判定センサにおいて、前記発光素子、前記受光素子、及び前記気泡は、それぞれ1個であり、前記発光素子を所定回数点滅させ、点灯状態と消灯状態における受光量の差を求める点滅成分検出手段を備え、前記点滅成分検出手段により求めた受光量の差(A)を、前記鉛直判定センサを用いて、前記傾きの所定範囲で予め求めた前記受光量の差を基に、任意に設定された受光量の差(B)と比較して、AがB以下のときに鉛直と判定することを特徴とする鉛直判定センサ。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、鉛直判定センサに関し、特に円形型気泡管を用いて鉛直度を判定するのに適した鉛直判定センサ及び鉛直測量システムに関するものである。本発明は、鉛直判定センサに関し、特に円形型気泡管の傾斜角度に応じて鉛直度を判定するのに適した円形型気泡管を備えた鉛直判定センサ及び鉛直測量システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、水平センサでは、気泡管内の気泡位置を検出して水平度合いや傾斜度合いを検知、判定する。この水平センサを用いて気泡位置の検出方法として、気泡管に向って、光源(例えば赤外色発光ダイオード(LED))から光を照射し気泡の投影光の位置を受光素子で検出する光学透過式が知られている。
【0003】
このような従来の光学透過式水平センサとして、特許文献1に示されているように、主として発光ダイオード(LED)からなる光源、円形型気泡管、4個の受光素子等から素子部品で構成される水平センサが広く知られている。
【0004】
この特許文献1に示されている水平センサは、水平度(水平方向の2軸であるX、Y軸)を中心に判定するセンサであり、鉛直度(鉛直方向に1軸であるZ軸)の判定のみに特化したものでないのでその構成は複雑であった。
【0005】
また、特許文献1に示されている水平センサは、水平方向(X軸とY軸の2軸)測定のために構成上4個の受光素子を設けていた。
【0006】
また、特許文献1に示されている水平センサにおいて、正確な鉛直度の確認又は鉛直度の許容できる範囲(鉛直度許容公差範囲)の検知、判定については何ら考慮されていなかった。

【特許文献1】特開2007-71870号公報
【0007】
一般に知られている発光素子及び受光素子を構成上有していない気泡管は、その上面に気泡の位置許容範囲を確認する真円状のマークを気泡管面上に備えている。しかしながら、気泡管内の気泡の位置が測量者の見る角度によって、上記マークの中心に合っている(中心に入っている)ように見える弊害があった。この気泡管を用いた測量では、水平度のみに注目しており、鉛直度及び鉛直度の許容できる範囲(鉛直度許容公差範囲)は、測量者の目視で行っているので、その確認は測量者の裁量に任されており、場合によって測量者の鉛直度の検知、判定に疑問が生じていた。
【0008】
また、上記気泡管の構成においては、背景光の影響、即ち気泡管の周囲の光の強さによって変化する受光量の影響、又は気泡管の傾きが同じでも背景光の強さによって変化する受光量の影響を受けていた。
【0009】
一般に知られている気泡管を用いて、発注者から与えられる測量作業規程として国土交通省公共測量作業規程がある。この公共測量作業規程に適合した円形型気泡管の性能には、例えばTS(トータルステーション)による距離の測定(円形型気泡管の感度30分/2mm)、水準測量(1級標尺(円形型気泡管の感度15分-25分/2mm)、2級標尺(円形型気泡管の感度15分-25分/2mm)、箱尺(円形型気泡管の感度30分/2mm))及びGPS測量(GPS衛星電波受信アンテナポールに装着する円形型気泡管の感度45分/2mm以上の感度)等がある。測量作業は測量者の目視で行っているので、上述に規程された気泡管の感度に適格に沿った鉛直度が保たれているかどうかは測量者の判断に任されていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、その目的は鉛直度の判定のみに特化した鉛直判定センサ及び鉛直測量システムを提供することにある。
【0011】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、その目的は1個の受光素子のみで構成された鉛直判定センサ及び鉛直測量システムを提供することにある。
【0012】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、その目的は発光部の発光素子を点滅させ、この発光部の発光素子の点滅成分による受光部の受光素子の受光量の大きさを検出する鉛直判定センサ及び鉛直測量システムを提供することにある。
【0013】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、背景光の影響を除去した鉛直判定センサ及び鉛直測量システムを提供することにある。
【0014】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、その目的は鉛直度の確認又は鉛直度の許容できる範囲(鉛直度許容公差範囲)を目的に応じて自由に設定できる鉛直判定センサ及び鉛直測量システムを提供することにある。
【0015】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、その目的は鉛直度の確認又は鉛直度の許容できる範囲(鉛直度許容公差範囲)を容易に検知、判断できる鉛直判定センサ及び鉛直測量システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明では、上記目的を達成するために、気泡を封入した円形型気泡管を有する気泡部、発光素子を有する発光部、前記発光素子からの光を電気信号に変換する受光素子を有する受光部、前記受光素子の前記円形型気泡管の傾きに対応する受光量を検出する受光量検出部とを備え、前記発光素子と前記受光素子とを直線上に配置し、前記発光素子と前記受光素子との間に前記気泡を配置し鉛直判定センサにおいて、前記発光素子、前記受光素子、及び前記気泡は、それぞれ1個であり、前記発光素子を所定回数点滅させ、点灯状態と消灯状態における受光量の差を求める点滅成分検出手段を備え、前記点滅成分検出手段により求めた受光量の差(A)を、前記鉛直判定センサを用いて、前記傾きの所定範囲で予め求めた前記受光量の差を基に、任意に設定された受光量の差(B)と比較して、AがB以下のときに鉛直と判定することを特徴とする鉛直判定センサにある。

【0018】
さらに本発明においては、上記目的を達成するために、傾きが前記鉛直度許容公差範囲内にあるか、前記鉛直度許容公差範囲外にあるかを表示する表示素子を設けたことを特徴とする鉛直判定センサにある。
【0019】
また、前記気泡部に加えてさらに他の気泡管を取り付けたことを特徴とする鉛直判定センサにある。
【0020】
また、前記鉛直判定センサをポールに装着し前記ポールをトータルステーションに組み合わせ、前記鉛直判定センサの鉛直度の判定結果を表示する信号を前記トータルステーション受け取ることを特徴とする鉛直測量システムにある。

【0021】
また、前記鉛直判定センサをプリズム反射鏡を取り付けたポールに装着し、前記ポールをトータルステーションに組み合わせ、前記鉛直判定センサの鉛直度の判定結果を表示する表示素子からの信号を前記トータルステーションの望遠鏡で受け取ることを特徴とする鉛直測量システムにある。

【0022】
また、前記鉛直判定センサを水準標尺に装着し、前記水準標尺を水準儀に組み合わせ、前記鉛直判定センサの鉛直度の判定結果を表示する信号を前記水準儀で受け取ることを特徴とする鉛直測量システムにある。

【0023】
また、前記鉛直判定センサを水準標尺に装着し、前記気泡管の前記傾きが前記鉛直度許容公差範囲内にあるか、前記鉛直度許容公差範囲外にあるかを前記水準標尺に組み込まれた発光素子の発光によって表示することを特徴とする水準標尺にある。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、鉛直度の判定のみに特化した鉛直判定センサ及び鉛直測量システムが得られた。
【0025】
本発明によれば、1個の受光素子で構成された鉛直判定センサ及び鉛直測量システムが得られた。
【0026】
本発明によれば、背景光の影響を除去した鉛直判定センサ及び鉛直測量システムが得られた。
【0027】
本発明によれば、鉛直度の確認又は鉛直度の許容できる範囲(鉛直度許容公差範囲)が容易に設定できる鉛直判定センサ及び鉛直測量システムが得られた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明の一実施例(第1の実施例)である円形型気泡管を有する鉛直判定センサについて、図面に基づいて以下説明する。
【0029】
図1は、本発明の一実施例(第1の実施例)を示す円形型気泡管を有する鉛直判定センサの側面図であり、円形型気泡管を有する鉛直判定センサ100Aは、主として気泡管及びセンサ取り付け部10、この気泡管及びセンサ取り付け部10に取り付けられた円形型気泡管部20、この気泡管部20の下方部に取り付けられたセンサ部30とから構成されている。図2は鉛直判定センサ100Aの断面図、図3は鉛直判定センサ100Aの平面図、図4は鉛直判定センサ100Aの受光部の配置図である。
【0030】
鉛直判定センサ100Aの気泡管及びセンサ取り付け部10は、主として気泡管及びセンサ取り付け本体11と、このセンサ取り付け本体11の上端に一体的に形成された円筒容器固定部(円形型気泡管本体固定部)12とで構成されている。図1、図2及び図3に示すように、気泡管部20は、円筒容器(円形型気泡管本体)21を有し、この気泡管本体21は、気泡管本体固定部12に固定されている。鉛直判定センサ100Aの気泡管及びセンサ取り付け部10に布製のバンド40を設けている。気泡管本体21の内部は空洞であり、ほぼ透明な液体(例えば、アルコール)22を封入しており、上部に移動可能な一個の気泡23が存在している。気泡管本体21の気泡23の位置は上部の円い透明部を通して確認する。
【0031】
センサ部30は、発光部60と受光部70とから構成されている。また、気泡管本体21の上面に光源となる発光部60を形成する赤外色LED(発光ダイオード)61が取り付けられている。センサ部30は、気泡管本体21の下方に取り付けられ、1個の受光素子71は受光部70の内部に収納されている。1個の受光素子71は、発光部60を形成する赤外色LED61の光を電気信号に変換する。
【0032】
図5は、発光部60である赤外色LED61、気泡管部20、受光部70である受光素子71、表示LED(発光ダイオード)80と制御回路50の関連を示す模式図、図6は、気泡管部20、発光部60と受光部70の関連を示す模式図である。図5の制御回路50は、図6に示す発光部60と受光部70とで構成されている。この制御回路50は、発光部60の赤外色LED61の光源の信号処理を行う制御回路である。図6は、制御回路50の発光部60及び受光部70の概念を整理、分離して示している。
【0033】
上記発光部60と上記受光部70とは、発光回路部60A及び受光回路部70Aとで構成されている。発光回路部60Aは、赤外色LED61、マイクロコンピュータ62、バッテリ(電池)63、抵抗(R1)64等とで構成されている。受光回路部70Aは、フォトトランジスタ(Tr)(受光素子)71、電圧測定器(ボルトメータ)(VM)72、バッテリ(電池)73、抵抗(R2)74等で構成されている。
【0034】
この実施例では、表示LED80は、気泡管本体21の移動可能な気泡23を見ることができる円状の透明部分で点灯する。表示LED80は、鉛直判定センサ100Aが鉛直度許容公差範囲内(基準範囲内)であるときは緑色点灯表示を行い、鉛直判定センサ100Aが鉛直度許容公差範囲外(基準範囲外)であるときは赤色点灯表示を行う。
【0035】
図7は、本発明の一実施例である鉛直判定センサ100Aの円形型気泡管21の傾き度合い(傾斜角度(曲率半径):deg)とボルトメータ(VM)72の電圧(mV)との関係を示す一例のグラフである。なお、円形型気泡管21として、30分/2mmの感度のものを使用した。
【0036】
本発明に一実施例である鉛直判定センサ100Aでは、気泡管本体21の傾斜角度に応じて、受光素子71の受光量を検出する。気泡管本体21の上方から光源である赤外色LED61から1KHzの赤外色LED光を所定回数点滅させて、気泡管本体21に断続的に照射し、気泡管本体21の下方で、照射光を受光素子であるフォトトランジスタ(Tr)71で受光している。対称的で滑らかな曲線が得られた。
【0037】
この場合、図7の曲線(グラフ)のほぼ直線部分は、気泡管21の傾斜角度0.6(deg)の範囲で電圧差70mVである。即ち70mV/0.6deg=167mV/degで鉛直度の測定が可能となった。70mVは曲線の直線部分のボルトメータ(VM)72の電圧の最大値と最小値との差であり、0.6degはこの70mVに相当する気泡管21の傾斜角度の度合いである。
【0038】
図7の曲線(グラフ)では、気泡管本体21の傾き(角度)が零度(傾いていない)の場合受光量は最小であり、この受光量が最小の場合を中心に左右対称になっている。そして、曲線は、気泡管本体21の傾き(角度)が約0.6deg内の範囲までは、ほぼ直線状を呈している。本発明の鉛直判定センサ100Aでは、この受光量が最小の場合を中心にした左右のV字状の直線部分であるW1の範囲を、鉛直度の確認又は鉛直度許容公差範囲として活用する。この場合、鉛直度許容公差範囲W1は、ボルトメータ(VM)72の電圧は60mVの上限とした。
【0039】
本発明の鉛直判定センサ100Aでは、光源である赤外色LED61からの赤外色LED光を所定回数点滅させて、つまりオン・オフを行う所定の大きさの方形波パルスを所定時間(所定回数)発生させて、気泡管本体21に断続的に照射して得られる図7の曲線を活用し、受光量が最小の場合を中心にしたV字状の直線部分を、鉛直度の確認又は鉛直度許容公差範囲の基準範囲として、鉛直度許容公差範囲を自由に設定、鉛直度を検知、判断する。
【0040】
図8は、本発明の一実施例である鉛直判定センサ100Aの時間と発光部60の1KHzの赤外色LED光61の所定回数点滅による成分とを示すグラフである。図8で、横軸は時間、縦軸は鉛直判定センサ100Aの発光部60の赤外色LED光61の所定回数点滅による成分を示している。鉛直判定センサ100Aのセンサ部30の発光部60の赤外色LED光61の点滅による成分は、図5の受光回路部70Aの抵抗(R2)74の端子間電圧である。
【0041】
本発明の鉛直判定センサ100Aでは、気泡管21内の気泡23の位置に応じてフォトトランジスタ(Tr)(受光素子)71の受光量は変化する。ボルトメータ(VM)72の電圧は、フォトトランジスタ(Tr)(受光素子)71の受光量に比例するので、ボルトメータ(VM)72の電圧をモニタすることによって、気泡23が中心にあるかどうか判定することができる。しかし背景光が混入すると、背景光に比例してボルトメータ(VM)72の電圧が上昇し正確な測定ができなくなる。そこで、ボルトメータ(VM)72の電圧に現れる背景光の影響を除去するため、赤外色LED61を所定回数点滅させて測定を行なっている。
【0042】
赤外色LED光61の点滅による成分は、赤外色LED光61が点灯している時の受光量の大きさ(背景光の大きさを含む)と赤外色LED光61が消灯している時の受光量の大きさ(背景光の大きさを含む)との差を示している。赤外色LED光61の点滅による成分を採用することによって、背景光の大きさ(鉛直判定センサ100Aの周囲の光の強さ)の影響を除去している。このように、本発明のこの実施例の鉛直判定センサ100Aは、背景光の大きさによって変化する受光量の影響、即ち気泡管の傾きが同じでも背景光の強さによって変化する受光量の影響を除去している。
【0043】
図8において、横軸の時間単位は1目盛り0.5msec、縦軸の設定電圧単位は1目盛り20mVである。図8において、赤外色LED光61の点滅によって発生する赤外色LED光61の点滅による成分は、上下40mVである。図8で、設定電圧値の上限設定電圧値(V1)と下限設定電圧値(V2)が示されている。この場合、設定電圧値の大きさは60mVである。
【0044】
図8で、Hは赤外色LED光61の点滅による成分の鉛直度許容公差範囲の最大範囲を示している。この最大範囲Hの最上部が鉛直度許容交差範囲の上限値であり、そして上限設定電圧値(V1)になる。鉛直判定センサ100Aの表示LED80は、例えば、緑色で点灯する。本発明の一実施例である鉛直判定センサ100Aでは、この表示LED80の緑色点灯によって、鉛直判定センサ100Aの鉛直度許容公差範囲内にあることが容易に検知、判断できる。
【0045】
図8において、鉛直度許容公差範囲の設定基準である範囲Hの上限値を超えたとき(外れたとき)は、例えば鉛直判定センサ100Aの表示LED80が赤色で点灯表示する。このように、表示LED80の赤色点灯表示によって、鉛直度許容公差範囲外にあることが容易に検知、判断できる。
【0046】
図7を用いて、図8で得られたグラフの現象を説明する。図7の気泡管本体21の傾き(傾斜角度)の範囲W1では、表示LED80の動作により、表示LED80が緑色点灯し、気泡管本体21の傾き(角度)の範囲W1を超えた(外れた)左右の範囲では、表示LED80の動作により、表示LED80が赤色点灯する。
【0047】
本発明の一実施例である鉛直判定センサ100Aの作用を説明する。測量者は、鉛直判定センサ100Aを例えば測量用ポ-ルにバンド40を利用して装着し、鉛直度の確認、測量、判定する。赤外色LED61から光が点滅し、断続的に照射される。この赤外色LED61からの光は、気泡管本体21の液体22と気泡23との界面に当たり、この界面で屈折又は反射され、気泡管本体21から射出され、受光部70のフォトトランジスタ(Tr)(受光素子)71に入射する。
【0048】
この発光回路部60Aの赤外色LED61からの光によって照射された気泡23の投影光は、受光部70に投影され、1個の受光素子71で受光される。そして、気泡管本体21が傾斜し気泡管本体21内の気泡23が移動すると、受光素子71に投影された気泡23の気泡影の位置が変化する。このように、気泡管本体21の傾斜角度(傾斜度合い)に応じて受光素子71の受光量が変化する。
【0049】
受光回路部70Aのフォトトランジスタ(Tr)71(受光素子)に光が入ると受光回路部70Aに電流が流れ、抵抗(R2)74に至る。抵抗(R2)74の端子間の電圧は、電圧測定器(ボルトメータ)(VM)72で測定される。このように、フォトトランジスタ(Tr)71の電圧の大小(高低)で、気泡管本体21の気泡23の傾き度合いとフォトトランジスタ(Tr)(受光素子)71の受光量の関係が図7のように測定される。
【0050】
一方、鉛直判定センサ100Aの発光回路部60Aを動作させ、赤外色LED61の光の点滅による成分を、図8に示すように0.5msec単位で電気信号であるパルスで発生させる。本発明の一実施例では、赤外色LED61の光の点滅による成分の最大範囲(H)を、鉛直度許容公差範囲の基準範囲の上限(即ち上限値)に設定する。
【0051】
このように、鉛直判定センサ100Aの発光回路部60Aを動作させ、赤外色LED61の光の点滅による成分が、鉛直度許容公差範囲の基準範囲内にあるときは、鉛直判定センサ100Aの表示LED80が緑色点灯表示する。一方、赤外色LED61の光の点滅による成分が、鉛直度許容公差範囲の基準範囲外のときは、鉛直判定センサ100Aの表示LED80が赤色点灯表示する。
【0052】
このように、本発明の一実施例である鉛直判定センサ100Aでは、この表示LED80の緑色点灯によって、鉛直度の確認又は鉛直度許容公差範囲の基準範囲が容易に検知、判断できる。
【0053】
一方、鉛直判定センサ100Aの発光回路部60Aを動作させ、赤外色LED光61の点滅による成分が、鉛直度許容公差範囲の設定基準を超えたとき(即ち設定基準の上限値を外れたとき)は、鉛直判定センサ100Aの表示LED80が赤色点灯する。
【0054】
図9、図10、及び図11は、本発明の他の実施例(第2の実施例)である。鉛直判定センサ100Bを示すもので、図9は鉛直判定センサ100Bの断面図、図10は発光部の断面図、図11は鉛直判定センサ100Bの平面図である。この実施例(第2の実施例)では、赤外色LED60bは発光部60Bに収納され、受光部70Bの1個の受光素子70bは円形型気泡管本体21bに取り付けられている。1個の受光素子70bは、気泡23bの上部に配置されている。
【0055】
本発明のさらに他の実施例(第3の実施例)である鉛直判定センサを有する鉛直判定測量システムについて説明する。この鉛直判定センサは、前述の実施例(第1の実施例)である鉛直判定センサ100Aの構成に、さらにもう1個の円形型気泡管本体を有する気泡管部を設けた構成である。つまり、この他の実施例(第3の実施例)の鉛直判定センサは、鉛直判定センサ100Aの円形型気泡管本体21とこの円形型気泡管本体21の上方に設けた円形型気泡管本体とよりなる2個の円形型気泡管本体を有する構成である。
【0056】
1個の円形型気泡管本体21のみで構成される鉛直判定センサ100Aでは、発光部60を形成する赤外色LED61と気泡23が重なって、気泡23が見にくい場合がある。しかしながら、さらにもう1個の円形型気泡管本体を追加した2個の円形型気泡管本体を有するこの実施例(第3の実施例)の鉛直判定センサでは、円形型気泡管本体21の上部に追加した円形型気泡管本体は発光部を有さないので追加した円形型気泡管本体の気泡が見易い。
【0057】
図12は、本発明の実施例(第1の実施例)である鉛直判定センサ100Aをトータルステーション(TS)に組み合わせた実施例である鉛直判定センサを有する鉛直判定測量システムの概略図を示す。図12において、ポ-ル200には、プリズム反射鏡201が取り付けられている。鉛直判定センサ100Aは、ポ-ル200に取り付けられている。鉛直判定センサ100Aの制御回路50を形成する表示LED80とポ-ル200に取り付けられたプリズム反射鏡201とは電気的に連動する。トータルステーション(TS)300は望遠鏡301を備えている。
【0058】
鉛直判定センサ100Aの発光部60からの電気信号がポ-ル200に取り付けらたプリズム201反射鏡に送られ、鉛直度許容公差範囲にあるときは、プリズム201反射鏡が緑色点灯する。又、鉛直度許容公差範囲でないときは、プリズム反射鏡201が赤色点灯する。このポール200からプリズム反射鏡201の緑色点灯又は赤色点灯をトータルステーション(TS)300の望遠鏡301で確認する。
【0059】
このように、本発明の他の実施例である鉛直判定センサを有する鉛直判定測量システムでは、鉛直判定センサ100Aを用いて、トータルステーション(TS)300でポ-ル200に取り付けたプリズム201反射鏡を視準して、プリズム反射鏡201の緑色発光を確認してから距離測定作業ができる。従来の距離測定作業は、観測者が目標のプリズム反射鏡を視準し、ポールの左右の傾きがあれば正しく鉛直方向に立て直させることは可能であったが、ポールの前後の傾きに関しては観測者側から確認できないために、測定された距離にはポールの前後傾斜による不定誤差が常に含まれていた。
【0060】
このように、本発明の他の実施例である鉛直判定センサを有する鉛直判定測量システムでは、距離測定の分野において、本発明の鉛直判定センサを備えたポールを用いることにより正確な距離測定ができる。
【0061】
図13は、本発明の実施例(第1の実施例)である鉛直判定センサ100Aを水準標尺に組み合わせた実施例である鉛直判定センサを有する鉛直判定測量システムを示す。図13において、水準標尺400は、目盛面と発光体401を備えている。鉛直判定センサ100Aは、水準標尺400に取り付けられている。鉛直判定センサ100Aの表示LED80と水準標尺400に取り付けられた発光体401とは電気的に連動する。
【0062】
鉛直判定センサ100Aの表示LED80からの電気信号が水準標尺400に取り付けられた発光体401に送られ、鉛直度許容公差範囲内にあるときは、発光体401が緑色点灯する。又、鉛直度許容公差範囲外にあるときは、発光体401が赤色点灯する。
【0063】
この鉛直判定測量システムでは、水準標尺400の設置個所から離れた個所に望遠鏡を取り付けた水準儀(図示せず)を有する。そして鉛直判定センサ100Aを取り付けた水準標尺400の発光体401の発光を、水準儀の望遠鏡を覗いて発光体401の点灯を確認する。発光体401が緑色点灯であれば観測を開始しデータを取得する。一方、発光体401が赤色点灯であれば、緑色点灯を待ってから観測する。このシステムを用いることにより水準標尺の傾きによる誤差を排除でき、精度を向上させることができる。
【0064】
図14は、本発明のさらに他の実施例である鉛直判定センサを有する鉛直判定測量システムである。鉛直判定センサ100Aは、先端にアンテナ501を取り付けたGPS衛星電波受信アンテナポール500に取り付けられている。そして、本発明の鉛直判定センサ100Aの表示LED80を緑色、赤色等を発光(点灯)させて、アンテナポール500が鉛直度許容公差範囲にあることを緑色の点灯によって観測者(ポールマン)に伝達して正確な観測ができる。
【0065】
本発明の一実施例である鉛直判定センサでは、鉛直度許容公差範囲は、気泡管の傾斜角度を±0.6degに設定している。しかしながら、鉛直度許容公差範囲はこれに限定されることなく、発注者から与えられる測量作業規程、例えば水準測量(1級、2級、3級等)及びGPS測量等の規程に沿って任意に適格に設定できる。
【0066】
本発明の一実施例である鉛直判定センサでは、鉛直度許容公差範囲の判定は、2色(例えば、緑色と赤色)の識別サインの点灯で行われているが、2色(例えば、緑色と赤色)の識別サインの点滅でもよい。また、色の識別色の変わりに音の識別サインを用いることも可能であり、例えば鉛直度許容公差範囲でない時は警告音を発生させることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の一実施例を示す円形型気泡管を有する鉛直判定センサの側面図。
【図2】図1の鉛直判定センサの断面図。
【図3】図1の鉛直判定センサの平面図。
【図4】図1の鉛直判定センサの受光部の平面図。
【図5】赤外色LED、気泡管部、受光素子、表示LEDと制御回路の関連を示す模式図。
【図6】気泡管部、発光部と受光部の関連を示す模式図。
【図7】図1の鉛直判定センサの角度と電圧との関係を示すグラフ。
【図8】鉛直判定センサ100Aの時間と発光部60の1KHzの赤外色LED光61の所定回数点滅による成分とを示すグラフ。
【図9】鉛直判定センサ100Bの断面図。
【図10】図9の鉛直判定センサ100Bの発光部の断面図。
【図11】図9の鉛直判定センサ100Bの平面図。
【図12】本発明のさらに他の実施例である鉛直判定センサをトータルステーションに組み合わせた鉛直判定センサを有する鉛直測量システムの概略部。
【図13】本発明のさらに他の実施例である鉛直判定センサを水準標尺に組み合わせた鉛直判定センサを有する鉛直測量システムの概略部。
【図14】本発明のさらに他の実施例である鉛直判定センサをアンテナポールに組み合わせた鉛直判定センサを有する鉛直測量システムの概略部。
【符号の説明】
【0068】
10 … 気泡菅及びセンサ取り付け部
11 … 気泡菅及びセンサ取り付け本体
12 … 円筒容器固定部(円形型気泡管本体固定部)
20 … 気泡管部
21 … 円筒容器(気泡管本体)
22 … 液体
23 … 気泡
30 … センサ部
40 … バンド
50 … 制御回路
60 … 発光部
60A … 発光回路部
61 … 赤外色LED
62 … マイクロコンピュータ
63 … バッテリ(電池)
64 … 抵抗
70 … 受光部
70A … 受光回路部
71 … フォトトランジスタ(受光素子)
72 … 電圧測定器(ボルトメータ)
73 … バッテリ(電池)
74 … 抵抗
100A … 鉛直判定センサ
100B … 鉛直判定センサ
200 … ポール
201 … プリズム反射鏡
300 … トータルステーション
301 … 望遠鏡
400 … 水準標尺
401 … 発光体
500 … アンテナポール
501 … アンテナ
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
6
【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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