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明細書 :磁気共鳴画像化装置、磁気共鳴画像化方法、演算処理プログラム及びそれを記録した情報記録媒体

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4923243号 (P4923243)
公開番号 特開2007-301159 (P2007-301159A)
登録日 平成24年2月17日(2012.2.17)
発行日 平成24年4月25日(2012.4.25)
公開日 平成19年11月22日(2007.11.22)
発明の名称または考案の名称 磁気共鳴画像化装置、磁気共鳴画像化方法、演算処理プログラム及びそれを記録した情報記録媒体
国際特許分類 A61B   5/055       (2006.01)
G01R  33/54        (2006.01)
FI A61B 5/05 376
G01N 24/02 530Y
請求項の数または発明の数 7
全頁数 38
出願番号 特願2006-132702 (P2006-132702)
出願日 平成18年5月11日(2006.5.11)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第1項適用 特許法第30条第1項適用、Proc.Intl.Soc.Mag.Reson.Med.14,P693(平成18年5月6日)にて発表
審査請求日 平成21年4月2日(2009.4.2)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304036743
【氏名又は名称】国立大学法人宇都宮大学
発明者または考案者 【氏名】伊藤 聡志
【氏名】山田 芳文
個別代理人の代理人 【識別番号】100117226、【弁理士】、【氏名又は名称】吉村 俊一
審査官 【審査官】島田 保
参考文献・文献 特表平09-512723(JP,A)
特開平05-076518(JP,A)
伊藤聡志、山田芳文,「フレネル変換の複式解法を利用したMR映像のSNR改善法」,Medical Imaging Technology,日本医学画像工学会,2001年,Vol.19,No.5,P355-P369
伊藤聡志、小野晃和、上村佳嗣、山田芳文,「NMRフレネル回折型映像法による映像再構成」,Medical Imaging Technology,日本医学画像工学会,2000年11月25日,Vol.18 No.6,817-827
伊藤聡志、中村俊、他,「位相拡散フーリエ変換映像法を用いたMRアンチエイリアス画像再構成」,電子情報通信学会論文誌D,2007年 4月 1日,Vol.J90-D,No.4,p1149-p1157
調査した分野 A61B 5/055
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII)
特許請求の範囲 【請求項1】
被検体に所定の磁界を印加して当該被検体の組織を構成する原子の原子核に磁気共鳴を生じさせ、前記被検体内部の局所的な核磁化の位相を空間的に非線形に符号化して当該被検体内部の画像を再構成する磁気共鳴画像化装置であって、
前記被検体が載置される空間内に、均一な静磁界および線形勾配を有する勾配磁界を少なくとも含む前記所定の磁界を発生させる磁界発生手段と、
前記原子の原子核に磁気共鳴を生じさせる高周波パルスを発生する高周波パルス発生手段と、
前記磁気共鳴を生じさせて前記原子核のスピンにおける位相を2次関数状に変調させるとともに当該位相を空間的に非線形に符号化するため、前記磁界発生手段および前記高周波パルス発生手段を所定のシーケンスにて動作制御させる制御手段と、
前記所定のシーケンスにしたがって前記被検体から放出される核磁気共鳴信号を受信し、所定のデータに符号化する受信手段と、
前記符号化されたデータに基づいて前記被検体内部の画像を再構成する画像再構成演算を行う処理手段と、
を備え、
前記処理手段が、(1)前記符号化されたデータに対して、前記原子核の位相を2次関数状に変調させるための磁界強度に関する値、前記原子核固有の定数および再構成される画像サイズを定めるための値から構成されたパラメータに基づいて、所定の位相変調を施しつつ、フーリエ変換を実行し、(2)前記フーリエ変換されたデータに対して所定の位相変調と係数を与えつつ逆フーリエ変換を実行し、逆フレネル変換を行うことによって前記画像再構成演算を行うことを特徴とする磁気共鳴画像化装置。
【請求項2】
請求項1に記載の磁気共鳴画像化装置において、
前記磁界発生手段が、
前記被検体が載置される空間内に静磁界を発生させる静磁界発生回路と、
前記空間内に勾配磁界を発生させる勾配磁界発生回路と、
前記空間内に磁界強度が非線形に変化する非線形勾配であって、前記被検体内の原子核のスピンの位相を拡散させるために使用する2次関数状に強度が変化する特徴磁界を発生させる特徴磁界発生回路と、
を有し、
前記処理手段が、前記パラメータを構成する前記磁界強度に関する値として前記特徴磁界を印加する際の時間を用いて前記符号化されたデータに対して前記画像再構成演算を行うことを特徴とする磁気共鳴画像化装置。
【請求項3】
請求項1に記載の磁気共鳴画像化装置において、
前記磁界発生手段が、
被検体が載置される空間内に静磁界を発生させる静磁界発生回路と、
前記空間内に勾配磁界を発生させる勾配磁界発生回路と、
を有し、
前記高周波パルス発生手段が、前記勾配磁界に対して2次の位相変調を与える前記高周波パルスを発生させるとともに、
前記処理手段が、前記パラメータを構成する前記磁界強度に関する値として前記勾配磁界の強度を用いて前記符号化されたデータに対して前記画像再構成演算を行うことを特徴とする磁気共鳴画像化装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の磁気共鳴画像化装置において、
前記処理手段が、前記符号化されたデータに対して前記位相変調および前記画像サイズを定めるための値を逆数として用いた前記パラメータに基づく前記フーリエ変換を行うとともに、前記フーリエ変換されたデータに対して前記逆フーリエ変換を繰り返すことによって、前記画像再構成演算を行うことを特徴とする磁気共鳴画像化装置。
【請求項5】
被検体に所定の磁界を印加して当該被検体の組織を構成する原子の原子核に磁気共鳴を生じさせ、前記被検体内部の局所的な核磁化の位相を空間的に非線形に符号化して当該被検体内部の画像を再構成する磁気共鳴画像化方法であって、
前記被検体が載置される空間内に、均一な静磁界および線形勾配を有する勾配磁界を少なくとも含む前記所定の磁界を発生させる磁界発生工程と、
前記原子の原子核に磁気共鳴を生じさせる高周波パルスを発生する高周波パルス発生工程と、
前記磁気共鳴を生じさせて前記原子核のスピンにおける位相を2次関数状に変調させるとともに当該位相を空間的に非線形に符号化するため、前記静磁界、前記勾配磁界および前記高周波パルスを所定のシーケンスにて動作制御させる制御工程と、
前記所定のシーケンスにしたがって前記被検体から放出される核磁気共鳴信号を受信し、所定のデータに符号化する受信工程と、
前記符号化されたデータに基づいて前記被検体内部の画像を再構成する画像再構成演算を行う処理工程と、
を含み、
前記被検体内部の画像を再構成する際に、(1)前記符号化されたデータに対して、前記原子核の位相を2次関数状に変調させるための磁界強度に関する値、前記原子核固有の定数および再構成される画像サイズを定めるための値から構成されたパラメータに基づいて、所定の位相変調を施しつつ、フーリエ変換を実行し、(2)前記フーリエ変換されたデータに対して所定の位相変調と係数を与えつつ逆フーリエ変換を実行し、逆フレネル変換を行うことによって前記画像再構成演算を行うことを特徴とする磁気共鳴画像化方法。
【請求項6】
被検体に所定の磁界を印加して当該被検体の組織を構成する原子の原子核に磁気共鳴を生じさせ、前記被検体内部の局所的な核磁化の位相を空間的に非線形に符号化して当該被検体内部の画像を再構成する磁気共鳴画像化装置であって、前記被検体が載置される空間内に、均一な静磁界および線形勾配を有する勾配磁界を少なくとも含む前記所定の磁界を発生させる磁界発生手段と、前記原子の原子核に磁気共鳴を生じさせる高周波パルスを発生する高周波パルス発生手段と、前記磁気共鳴を生じさせて前記原子核のスピンにおける位相を2次関数状に変調させるとともに当該位相を空間的に非線形に符号化するため、前記磁界発生手段および前記高周波パルス発生手段を所定のシーケンスにて動作制御させる制御手段と、を備え、コンピュータによって前記所定のシーケンスにしたがって前記被検体から放出される核磁気共鳴信号を受信し、所定のデータに符号化して前記被検体内部の画像を再構成する画像再構成演算を行う前記磁気共鳴画像化装置において、
前記コンピュータを、
前記所定のシーケンスにしたがって前記被検体から放出される核磁気共鳴信号を受信し、所定のデータに符号化して取得する取得手段、
前記符号化されたデータに基づいて前記被検体内部の画像を再構成する画像再構成演算を行う演算手段、
前記画像再構成演算を行うことによって画像データを生成して出力する出力手段、
として機能させるとともに、
前記演算手段としては、前記被検体内部の画像を再構成する際に、(1)前記符号化されたデータに対して、当該原子核のスピンにおける位相を変調させる位相変調を施しつつ、前記原子核の位相を2次関数状に変調させるための磁界強度に関する値、前記原子核固有の定数および再構成される画像サイズを定めるための値から構成されたパラメータに基づくフーリエ変換を実行し、(2)前記フーリエ変換されたデータに対して所定の位相変調と係数を与えつつ逆フーリエ変換を実行し、逆フレネル変換を行うことによって前記画像再構成演算を行うことを特徴とする演算処理プログラム。
【請求項7】
コンピュータに読み取り可能な情報記憶媒体であって、請求項6に記載の演算処理プログラムを記憶したことを特徴とする情報記憶媒体。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気共鳴画像法(MRI:Magnetic Resonance Imaging)を用いた画像化装置の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、磁気共鳴画像法(MRI:Magnetic Resonance Imaging)を用いた画像化装置(以下、「MRI装置」という。)は、観察部位の断層像などの画像を撮像するものとして知られている。このMRI装置は、被検体の主な構成物質である例えばプロトンすなわち水素原子核の核磁気共鳴(NMR:nuclear magnetic resonance)現象を用いて被検体から発生する核磁気共鳴信号を検出するようになっており、検出された核磁気共鳴信号に位置情報を加え、信号の強度分布を画像化するようになっている。
【0003】
具体的には、このようなMRI装置では、静磁界が発生された装置内に被検体を載置し、当該被検体内の組織を構成する原子核の原子核スピンに対して、静磁界の強さによって定まる周波数(ラーモア周波数)にて静磁界方向を軸として歳差運動を行わせるようになっている。また、このMRI装置は、このラーモア周波数と等しい周波数の高周波パルスを、被検体に対して照射してスピンを励起こさせ、高いエネルギー状態に遷移させるようになっている。そして、このMRI装置は、スピンを励起こさせた後に、高周波パルスの照射を停止し、各スピンがそれぞれの状態に応じた時定数にて低いエネルギー状態に戻る際に外部に放出する電磁波を、この周波数に同調した高周波受信コイルによって検出するようになっており、当該受信コイルにより受信する際に、三軸方向の勾配磁界を静磁界空間に印加することによって空間内の位置情報を周波数情報として取得するようになっている。
【0004】
特に、このようなMRI装置においては、位置情報を得るために、スピンエコー(SE)法または勾配エコー(グラディエントエコー(GRE))法など各種の高周波パルスの照射および勾配磁界の印加のレベルやタイミング、すなわち、パルスシーケンスを用いるようになっており、これらのパルスシーケンスとともに磁界の強度が空間座標に比例して変化する線形勾配磁界を用いて被検体のスピン密度分布関数のフーリエ変換式で記述可能な信号を検出し、検出された信号に対して逆フーリエ変換などの画像再構成演算を行うことによって被検体の画像化を行うようになっている。
【0005】
一方、静磁界空間内にさらに磁界強度が非線形に変化する非線形勾配の特徴磁界を発生させ、被検体から放出される核磁気共鳴信号に基づいて画像再構成演算を行うMRI装置も知られている。
【0006】
このMRI装置は、特徴磁界を発生させて被検体内部の局所的な核磁化の位相を空間的に非線形に符号化するようになっており、比較的弱い磁界強度の非線形勾配の磁界を用いて被検体内全領域の情報を時間効率よく画像化するためのデータを取得することができるようになっている(例えば、特許文献1を参照)。

【特許文献1】特公平2-63009号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の各種のMRI装置においては、画像処理、被検体または高周波パルスにおけるRF(Radio Frequency)などに起因するアーチファクト(虚像)に対して種々の対策が行われている一方で、エイリアシングによるアーチファクト、すなわち、画像処理上において撮像された被検体の画像に撮像視野(FOV:Field Of View)外にある被検体の部位が移り込む折り返しアーチファクト(Wrap-around Artifact)に対する対策については、撮像視野を狭めるなどの対策の他には、事後的な演算処理にて解消するための具体的な解決方法がない。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、事後的な演算処理にてエイリアシングによるアーチファクトを防止する磁気共鳴画像化装置などを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、前記被検体に所定の磁界を印加して当該被検体の組織を構成する原子の原子核に磁気共鳴を生じさせ、前記被検体内部の局所的な核磁化の位相を空間的に非線形に符号化して当該被検体内部の画像を再構成する磁気共鳴画像化装置であって、前記被検体が載置される空間内に、均一な静磁界および線形勾配を有する勾配磁界を少なくとも含む前記所定の磁界を発生させる磁界発生手段と、前記原子の原子核に磁気共鳴を生じさせる高周波パルスを発生する高周波パルス発生手段と、前記磁気共鳴を生じさせて前記原子核のスピンにおける位相を2次関数状に変調させるとともに当該位相を空間的に非線形に符号化するため、前記磁界発生手段および前記高周波パルス発生手段を所定のシーケンスにて動作制御させる制御手段と、前記所定のシーケンスにしたがって前記被検体から放出される核磁気共鳴信号を受信し、所定のデータに符号化する受信手段と、前記符号化されたデータに基づいて前記被検体内部の画像を再構成する画像再構成演算を行う処理手段と、を備え、前記処理手段が、前記符号化されたデータに対して、前記原子核の位相を2次関数状に変調させるための磁界強度に関する値、前記原子核固有の定数および再構成される画像サイズを定めるための値から構成されたパラメータに基づき、当該原子核のスピンにおける位相を変調させる位相変調を施しつつ、フーリエ変換および逆フーリエ変換を実行することによって前記画像再構成演算を行う構成を有している。
【0010】
この構成により、請求項1に記載の発明は、受信する核磁気共鳴信号において原子核のスピンの位相が2次関数状に変調され、当該変調に用いた磁界強度に関する値とともに原子核固有の定数および再構成される画像サイズを定めるための値から構成されたパラメータに基づいて、当該原子核のスピンにおける位相を変調させる位相変調を施しつつ、フーリエ変換および逆フーリエ変換を実行することによって画像再構成演算を行うので、当該パラメータとして設定されたサイズ値にて被検体内部の画像化を行うことができる。
【0011】
したがって、請求項1に記載の発明は、被検体の撮像中の動きまたは撮像条件の不備などによって再構成される画像の視野(画像サイズ)より被検体のサイズが大きくなった場合であっても、パラメータに応じて再構成される画像の縮尺を任意のサイズに調整することができるので、再構成される画像サイズより被検体サイズを小さくするようにパラメータを調整すれば、事後的な演算処理にてエイリアシングによるアーチファクトのない再構成画像を提供することができる。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の磁気共鳴画像化装置において、前記磁界発生手段が、前記被検体が載置される空間内に静磁界を発生させる静磁界発生回路と、前記空間内に勾配磁界を発生させる勾配磁界発生回路と、前記空間内に磁界強度が非線形に変化する非線形勾配であって、前記被検体内の原子核のスピンの位相を拡散させるために使用する2次関数状に強度が変化する特徴磁界を発生させる特徴磁界発生回路と、を有し、前記処理手段が、前記パラメータを構成する前記磁界強度に関する値として前記特徴磁界を印加する際の時間を用いて前記符号化されたデータに対して前記画像再構成演算を行う構成を有している。
【0013】
この構成により、請求項2に記載の発明は、特徴磁界を印加することによって原子核のスピンにおける位相が2次関数状に変調された核磁気共鳴信号を受信することができるとともに、特徴磁界を印加するための時間を用いて、当該原子核のスピンにおける位相を変調させる位相変調を施しつつ、フーリエ変換および逆フーリエ変換を実行することによって画像再構成演算を行うので、当該パラメータとして設定されたサイズ値にて被検体内部の画像化を行うことができる。
【0014】
したがって、請求項2に記載の発明は、被検体の撮像中の動きまたは撮像条件の不備などによって再構成される画像の視野(画像サイズ)より被検体のサイズが大きくなった場合であっても、事後的な演算処理にてパラメータに応じて再構成される画像の縮尺を任意のサイズに調整することができる。
【0015】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の磁気共鳴画像化装置において、前記処理手段が、前記符号化されたデータに対して前記位相変調および前記パラメータに基づくフーリエ変換を行うとともに、前記フーリエ変換されたデータに対して所定の位相変調と係数を与えつつ逆フーリエ変換を行い、前記逆フレネル変換を行う構成を有している。
【0016】
この構成により、請求項3に記載の発明は、受信された核磁気共鳴信号に基づき符号化されたデータがフレネル回析式と同型になるため、特徴磁界を印加するための時間、原子核固有の定数および再構成される画像のサイズ値の逆数から構成されたパラメータに基づき、当該原子核のスピンにおける位相を変調させるための位相変調を施しつつ、逆フレネル変換を行えば、当該パラメータとして設定されたサイズ値にて被検体内部の画像化を行うことができる。
【0017】
また、請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の磁気共鳴画像化装置において、前記処理手段が、前記符号化されたデータに対して前記位相変調および前記画像サイズを定めるための値を逆数として用いた前記パラメータに基づくフーリエ変換を行うとともに、前記フーリエ変換されたデータに対して所定の位相変調と係数を与えつつ逆フーリエ変換を繰り返すことによって、前記画像再構成演算を行う構成を有している。
【0018】
この構成により、請求項4に記載の発明は、画像サイズを定めるための値を逆数として用いたパラメータに基づいてフーリエ変換を行う場合には、フーリエ変換および逆フーリエ変換を繰り返すことによって、当該パラメータとして設定されたサイズ値にて被検体内部の画像化を行うことができる。
【0019】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の磁気共鳴画像化装置において、前記磁界発生手段が、被検体が載置される空間内に静磁界を発生させる静磁界発生回路と、前記空間内に勾配磁界を発生させる勾配磁界発生回路と、を有し、前記高周波パルス発生手段が、前記勾配磁界に対して2次の位相変調を与える前記高周波パルスを発生させるとともに、前記処理手段が、前記パラメータを構成する前記磁界強度に関する値として前記勾配磁界の強度を用いて前記符号化されたデータに対して前記画像再構成演算を行う構成を有している。
【0020】
この構成により、請求項5に記載の発明は、高周波パルスによっておいて原子核のスピンにおける位相が2次関数状に変調された核磁気共鳴信号を受信することができるとともに、特徴磁界を印加するための時間を用いて、当該原子核のスピンにおける位相を変調させる位相変調を施しつつ、フーリエ変換および逆フーリエ変換を実行することによって画像再構成演算を行うので、当該パラメータとして設定されたサイズ値にて被検体内部の画像化を行うことができる。
【0021】
したがって、請求項5に記載の発明は、被検体の撮像中の動きまたは撮像条件の不備などによって再構成される画像の視野(画像サイズ)より被検体のサイズが大きくなった場合であっても、事後的な演算処理にてパラメータに応じて再構成される画像の縮尺を任意のサイズに調整することができる
【0022】
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の磁気共鳴画像化装置において、前記処理手段が、前記符号化されたデータに対して前記位相変調および前記画像サイズを定めるための値を逆数として用いた前記パラメータに基づくフーリエ変換を行うとともに、前記フーリエ変換されたデータに対して所定の位相変調と係数を与えつつ逆フーリエ変換を繰り返すことによって、前記画像再構成演算を行う構成を有している。
【0023】
この構成により、請求項6に記載の発明は、受信された核磁気共鳴信号に基づき符号化されたデータがフレネル回析式と同型になるため、特徴磁界を印加するための時間、原子核固有の定数および再構成される画像のサイズ値の逆数から構成されたパラメータに基づき、当該原子核のスピンにおける位相を変調させるための位相変調を施しつつ、逆フレネル変換を行えば、当該パラメータとして設定されたサイズ値にて被検体内部の画像化を行うことができる。
【0024】
また、請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の磁気共鳴画像化装置において前記処理手段が、前記符号化されたデータに対して前記位相変調および前記画像サイズを定めるための値を逆数として用いた前記パラメータに基づくフーリエ変換を行うとともに、前記フーリエ変換されたデータに対して所定の位相変調と係数を与えつつ逆フーリエ変換を繰り返すことによって、前記画像再構成演算を行う構成を有している。
【0025】
この構成により、請求項7に記載の発明は、画像サイズを定めるための値を逆数として用いたパラメータに基づいてフーリエ変換を行う場合には、フーリエ変換および逆フーリエ変換を繰り返すことによって、当該パラメータとして設定されたサイズ値にて被検体内部の画像化を行うことができる。
【0026】
また、請求項8に記載の発明は、前記被検体に所定の磁界を印加して当該被検体の組織を構成する原子の原子核に磁気共鳴を生じさせ、前記被検体内部の局所的な核磁化の位相を空間的に非線形に符号化して当該被検体内部の画像を再構成する磁気共鳴画像化方法であって、前記被検体が載置される空間内に、均一な静磁界および線形勾配を有する勾配磁界を少なくとも含む前記所定の磁界を発生させる磁界発生工程と、前記原子の原子核に磁気共鳴を生じさせる高周波パルスを発生する高周波パルス発生工程と、前記磁気共鳴を生じさせて前記原子核のスピンにおける位相を2次関数状に変調させるとともに当該位相を空間的に非線形に符号化するため、前記静磁界、前記勾配磁界および前記高周波パルスを所定のシーケンスにて動作制御させる制御工程と、前記所定のシーケンスにしたがって前記被検体から放出される核磁気共鳴信号を受信し、所定のデータに符号化する受信工程と、前記符号化されたデータに基づいて前記被検体内部の画像を再構成する画像再構成演算を行う処理工程と、を含み、前記被検体内部の画像を再構成する際に、前記符号化されたデータに対して、前記原子核の位相を2次関数状に変調させるための磁界強度に関する値、前記原子核固有の定数および再構成される画像サイズを定めるための値から構成されたパラメータに基づき、当該原子核のスピンにおける位相を変調させる位相変調を施しつつ、フーリエ変換および逆フーリエ変換を実行することによって前記画像再構成演算を行う構成を有している。
【0027】
この構成により、請求項8に記載の発明は、受信する核磁気共鳴信号において原子核のスピンの位相が2次関数状に変調され、当該変調に用いた磁界強度に関する値とともに原子核固有の定数および再構成される画像サイズを定めるための値から構成されたパラメータに基づいて、当該原子核のスピンにおける位相を変調させる位相変調を施しつつ、フーリエ変換および逆フーリエ変換を実行することによって画像再構成演算を行うので、当該パラメータとして設定されたサイズ値にて被検体内部の画像化を行うことができる。
【0028】
したがって、請求項8に記載の発明は、被検体の撮像中の動きまたは撮像条件の不備などによって再構成される画像の視野(画像サイズ)より被検体のサイズが大きくなった場合であっても、パラメータに応じて再構成される画像の縮尺を任意のサイズに調整することができるので、再構成される画像サイズより被検体サイズを小さくするようにパラメータを調整すれば、事後的な演算処理にてエイリアシングによるアーチファクトのない再構成画像を提供することができる。
【0029】
また、請求項9または10に記載の発明は、前記被検体に所定の磁界を印加して当該被検体の組織を構成する原子の原子核に磁気共鳴を生じさせ、前記被検体内部の局所的な核磁化の位相を空間的に非線形に符号化して当該被検体内部の画像を再構成する磁気共鳴画像化装置であって、前記被検体が載置される空間内に、均一な静磁界および線形勾配を有する勾配磁界を少なくとも含む前記所定の磁界を発生させる磁界発生手段と、前記原子の原子核に磁気共鳴を生じさせる高周波パルスを発生する高周波パルス発生手段と、前記磁気共鳴を生じさせて前記原子核のスピンにおける位相を2次関数状に変調させるとともに当該位相を空間的に非線形に符号化するため、前記磁界発生手段および前記高周波パルス発生手段を所定のシーケンスにて動作制御させる制御手段と、を備え、コンピュータによって前記所定のシーケンスにしたがって前記被検体から放出される核磁気共鳴信号を受信し、所定のデータに符号化して前記被検体内部の画像を再構成する画像再構成演算を行う前記磁気共鳴画像化装置において、前記コンピュータを、前記所定のシーケンスにしたがって前記被検体から放出される核磁気共鳴信号を受信し、所定のデータに符号化して取得する取得手段、前記符号化されたデータに基づいて前記被検体内部の画像を再構成する画像再構成演算を行う演算手段と、前記画像再構成演算を行うことによって画像データを生成して出力する出力手段、として機能させるとともに、前記演算手段としては、前記被検体内部の画像を再構成する際に、前記符号化されたデータに対して、前記原子核の位相を2次関数状に変調させるための磁界強度に関する値、前記原子核固有の定数および再構成される画像サイズを定めるための値から構成されたパラメータに基づき、当該原子核のスピンにおける位相を変調させる位相変調を施しつつ、フーリエ変換および逆フーリエ変換を実行することによって前記画像再構成演算を行う構成を有している。
【0030】
この構成により、請求項9または10に記載の発明は、受信する核磁気共鳴信号において原子核のスピンの位相が2次関数状に変調され、当該変調に用いた磁界強度に関する値とともに原子核固有の定数および再構成される画像サイズを定めるための値から構成されたパラメータに基づいて、当該原子核のスピンにおける位相を変調させる位相変調を施しつつ、フーリエ変換および逆フーリエ変換を実行することによって画像再構成演算を行うので、当該パラメータとして設定されたサイズ値にて被検体内部の画像化を行うことができる。
【0031】
したがって、請求項9または10に記載の発明は、被検体の撮像中の動きまたは撮像条件の不備などによって再構成される画像の視野(画像サイズ)より被検体のサイズが大きくなった場合であっても、パラメータに応じて再構成される画像の縮尺を任意のサイズに調整することができるので、再構成される画像サイズより被検体サイズを小さくするようにパラメータを調整すれば、事後的な演算処理にてエイリアシングによるアーチファクトのない再構成画像を提供することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明は、被検体の撮像中の動きまたは撮像条件の不備などによって再構成される画像の視野(画像サイズ)より被検体のサイズが大きくなった場合であっても、パラメータに応じて再構成される画像の縮尺を任意のサイズに調整することができるので、再構成される画像サイズより被検体サイズを小さくするようにパラメータを調整すれば、事後的な演算処理にてエイリアシングによるアーチファクトのない再構成画像を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
次に、本発明に好適な実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、本発明は、その技術的特徴を有する範囲を包含し、以下に示す図面等に限定されない。
【0034】
以下に説明する実施の形態は、MRI装置および当該MRI装置に用いる方法に対して本願発明を適用した場合の実施形態である。
【0035】
〔第1実施形態〕
始めに、図1~図6を用いて本願に係るMRI装置における第1実施形態について説明する。
【0036】
まず、図1および図2を用いて本実施形態のMRI装置の概略動作について説明する。なお、図1は、本実施形態のMRI装置の構成を示すブロック図であり、図2は、本実施形態のMRI装置における効果を説明するための図である。
【0037】
本実施形態のMRI装置100は、図1に示すように、均一な静磁界を所定空間内に発生させるとともに、所定のタイミングにて、所定の空間内に載置された被写体に印加するX、Y、Z軸の三軸方向の勾配磁界と、印加する磁界強度が2次関数状に変化している磁界(以下、「特徴磁界」という。)と、を発生させ、静磁界に重畳させるようになっている。
【0038】
また、このMRI装置100は、被検体10の組織を構成する原子核に磁気共鳴を起こさせるための高周波磁気パルスを所定のタイミング毎に被検体10に照射し、かつ、高周波磁気パルスを照射し、被検体10の組織を構成する原子核の磁気共鳴によって放出される各エコー信号を検出するようになっており、検出したエコー信号に所定の演算処理を行うとともに被検体10における所望の検査部位の断層像を示す画像データを生成するようになっている。
【0039】
本実施形態のMRI装置100は、静磁界に磁界強度が線形に変化する線形勾配の勾配磁界と特徴磁界とが重畳された重畳磁界において、被検体10に高周波磁界を印加し、当該高周波磁界の印加により被検体10内の原子核とのエネルギーの吸収共鳴によって生ずる核磁気共鳴交番磁界を捕捉して誘導電圧を検出するようになっている。
【0040】
また、このMRI装置100は、検出された誘導電圧に基づいて、各部の各磁化の位相が空間座標に対して非線形、具体的には、2乗関数的な形態にて推移したものの合成値に比例した振幅を有するエコー信号を取得するようになっている。特に、本実施形態のMRI装置100は、位相エンコード方向の線形勾配磁界に同期して特徴磁界を発生させるようになっており、位相エンコード方向の勾配磁界を印加する毎にエコー信号を順次取得するようになっている。
【0041】
そして、本実施形態のMRI装置100は、取得した各エコー信号にて構成されるデータ(以下、「測定データ」という。)に対して、特徴磁界を印加した時間τ、原子核固有の定数(核磁気回転比)γおよび再構成される画像サイズを定めるための係数(以下、単に「画像サイズ係数」という。)αからなるパラメータ(以下、「撮像パラメータ」という。)に基づき、被検体10内の各原子核のスピンにおける位相を変調させるための位相変調を施しつつ、逆フレネル変換を行うことによって当該被検体10における所望の検査部位の断層像(2次元画像)を示す画像データを生成するための画像再構成演算を行うようになっている。
【0042】
すなわち、本実施形態のMRI装置100は、上述のような重畳磁界において取得されたエコー信号から構成される測定データに対して、撮像パラメータに基づいて逆フレネル変換を行うことによって、当該パラメータとして設定された画像サイズ係数αにて被検体10における所望の検査部位の画像化を行うことができるようになっている。
【0043】
例えば、特徴磁場を印加せずに従来の方法によって取得された測定データに対して逆フーリエ変換を行って画像を再構成する方法(以下、「フーリエ変換映像法」という。)であっては、図2(a)に示すように、再構成される画像においてエイリアスが発生した場合には、事後的に演算処理によって当該エイリアスを除去することができない。
【0044】
また、上述のように取得した測定データに対して位相変調を行いつつ逆フーリエ変換を行って画像を再構成する方法(以下、「位相拡散フーリエ変換映像法による逆フーリエ変換再構成法」という。)であっては、画像サイズを変更することができないので、被検体10の撮像中の動きまたは撮像条件の不備などによって再構成される画像の視野(画像サイズ)より被検体10のサイズが大きくなった場合には、図2(b)に示すように、エイリアスを生じてしまう。
【0045】
しかしながら、本実施形態のMRI装置100は、図2(c)に示すように、被検体10の撮像中の動きまたは撮像条件の不備などによって再構成されるが画像においてエイリアスが発生する測定データであっても、再構成される画像の縮尺を任意のサイズに調整することができるので、再構成される画像サイズより被検体10サイズを小さくするように撮像パラメータ、具体的には、画像サイズ係数αを調整すれば、事後的な演算処理によってエイリアシングによるアーチファクトのない再構成画像を提供することができるようになっている。
【0046】
なお、図2(b)(c)に示す各再構成画像は、それぞれ、位相拡散フーリエ変換映像法による逆フーリエ変換再構成法、および、本実施形態のおける手法によって同一の測定データに基づき演算処理された画像である。
【0047】
次に、図1とともに図3を用いて本実施形態のMRI装置100における各部の構成およびその動作について説明する。なお、図3は、本実施形態のパルスシーケンスを示すシーケンス図である。
【0048】
本実施形態のMRI装置100は、均一な静磁界を発生させる静磁界コイル20と、勾配磁界を印加するとともに特徴磁界を印加する勾配磁界/特徴磁界コイル30と、高周波パルスを被検体10に照射する照射コイル40と、エコー信号を検出する受信コイル50と、の各コイルを有しているとともに、静磁界コイル20を駆動する高安定直流電源部105と、勾配磁界を発生させて勾配磁界/特徴磁界コイルを駆動する勾配磁界電源部110と、特徴磁界を発生させて勾配磁界/特徴磁界コイル30を駆動する特徴磁界発生回路115と、を備えている。
【0049】
また、このMRI装置100は、高周波信号を発生する高周波発振器120と、高周波発振器120からの高周波信号に基づいて高周波パルスを生成するパルス生成部125と、この生成された高周波パルスを増幅する高周波増幅器130と、受信コイル50からのエコー信号を受理する受信回路135と、エコー信号の位相を検波する位相検波器140と、当該位相検波器140からの信号をデジタル化するアナログ/デジタル変換器(以下、「A/D変換器」という。)145と、を備えている。
【0050】
さらに、このMRI装置100は、検出したエコー信号に所定の演算処理を行うとともに被検体10における所望の検査部位の断層像を示す画像データを生成し、装置全体を制御する信号処理制御部150と、被検体10の断層像を得るために必要な種々の指示を各部に与えるシーケンサ155と、生成された画像データを表示するディスプレイ160と、を備えている。
【0051】
なお、例えば、本実施形態の静磁界コイル20および高安定直流電源部105は、本発明の磁界発生手段および静磁界発生回路を構成し、本実施形態の勾配磁界/特徴磁界コイル30は、本発明の磁界発生手段、勾配磁界発生回路および特徴磁界発生回路を構成する。また、例えば、本実施形態の勾配磁界電源部110は、本発明の磁界発生手段および勾配磁界発生回路を構成するとともに、特徴磁界発生回路115は、本発明の磁界発生手段および特徴磁界発生回路を構成し、本実施形態のパルス生成部125および照射コイル40は、高周波パルス発生手段を構成する。さらに、例えば、本実施形態のシーケンサ155は、本発明の制御手段を構成するとともに、受信コイル50および位相検波器140は、本発明の受信手段を構成し、信号処理制御部150は、本発明の処理手段を構成する。
【0052】
静磁界コイル20は、例えば、電磁石、空心コイルマグネット、超伝導マグネットまたは永久磁石などによって構成されており、被検体10が載置される所定の空間に、均一な静磁界を形成させるようになっている。
【0053】
勾配磁界/特徴磁界コイル30は、例えば、平行線条、長方形コイルまたは円形コイルから構成されており、勾配磁界電源部110によって発生されたX、Y、Zの三軸方向の磁界強度が線形に変化する線形勾配を有する各勾配磁界Gx、Gy、Gzと、磁界強度が空間的に2次関数状に変化する特徴磁界、例えば、位相エンコード方向(y方向)および読み取り方向(x方向)に対して後述の(式3)を具備する特徴磁界、を所定の空間内に印加するようになっている。
【0054】
照射コイル40は、被検体10の近傍に配置される。また、この照射コイル40には、所定の信号レベルに増幅された高周波パルスが入力されるようになっており、この照射コイル40は、入力された高周波パルスを、1又は複数の生成した高周波パルスを被検体10に照射するようになっている。例えば、照射コイル40は、高周波パルスとしては、90度パルス、180度パルスまたは任意の角度のパルスを被検体10に印加するようになっている。
【0055】
なお、被検体10に照射される高周波パルスにおいて、高周波磁界の周波数が被検体10内における原子核の核磁気共鳴周波数に一致していると、印加高周波磁界エネルギーの共鳴吸収が起こるので、そのとき生ずる核磁気共鳴交番磁界(磁気共鳴信号)を受信コイル50にて捕捉させて誘電電圧を検出させるようになっている。
【0056】
受信コイル50は、被検体10の近傍に配置される。また、この受信コイル50は、照射コイル40から照射され、被検体10の組織を構成する原子核の磁気共鳴により放出される電磁波、すなわち、エコー信号(磁気共鳴信号)を検出するようになっている。特に、本実施形態の受信コイル50は、高周波パルスが印加され当該パルス状の高周波数磁界の消失後に、その時点にて被検体10が載値された勾配磁界によって定まるラーモア周波数を有し、被検体10に励起こされた原子核スピンにより生じて時間的に減衰していくエコー信号を検出するようになっており、検出したエコー信号を受信回路135に出力するようになっている。
【0057】
高安定直流電源部105は、シーケンサ155に接続されており、当該シーケンサ155の指示に従って静磁界コイル20を駆動させ、上述のように所定の空間内に均一な静磁界を形成させるようになっている。
【0058】
勾配磁界電源部110は、シーケンサ155に接続されており、シーケンサ155からの指示に基づいて、勾配磁界/特徴磁界コイル30を駆動するようになっている。特に、本実施形態の勾配磁界電源部110は、三軸方向の勾配磁界Gx、Gy、Gzをそれぞれ生成し、勾配磁界/特徴磁界コイル30を制御して勾配磁界Gx、Gy、Gzを所定の空間内に印加させるようになっている。
【0059】
特徴磁界発生回路115は、シーケンサ155に接続されており、シーケンサ155からの指示に従って特徴磁界を一定時間τだけ発生させるようになっている。また、この特徴磁界発生回路115は、勾配磁界/特徴磁界コイル30を駆動し、発生させた特徴磁界を、勾配磁界/特徴磁界コイル30を介して被検体10に印加するようになっている。
【0060】
高周波発振器120は、被検体10が載置された勾配磁界の磁界強度に対応したラーモア周波数に等しい周波数にて高周波信号を発振し、発振した高周波信号をパルス生成部125に出力するようになっている。
【0061】
パルス生成部125には、高周波発振器120にて発振された高周波信号が入力されるようになっており、このパルス生成部125は、シーケンサ155からの指示の下、入力された高周波信号に基づいて、被検体10内が載置された勾配磁界の磁界強度に対応したラーモア周波数に等しい高周波磁界を有する適切な幅および高さのパルス形態であって、所定の周波数スペクトルを有する高周波パルスを生成し、高周波増幅器130に出力するようになっている。
【0062】
高周波増幅器130には、高周波パルスが入力されるようになっており、この高周波増幅回路は、入力された高周波パルスの信号レベルを、予め定められた所定の信号レベルに増幅し、照射コイル40に出力するようになっている。
【0063】
受信回路135には、受信コイル50にて検出されたエコー信号が入力されるようになっており、この受信回路135は、入力されたエコー信号を所定の信号レベルに増幅し、位相検波器140に出力するようになっている。
【0064】
位相検波器140には、受信回路135から出力されたエコー信号が入力されるようになっている。この位相検波器140は、シーケンサ155に接続され、このシーケンサ155からの指示にしたがって、エコー信号の位相を検波し、検波されたエコー信号をA/D変換器145に出力するようになっている。
【0065】
A/D変換器145には、検波されたエコー信号が入力されるようになっており、このA/D変換器145は、入力されたエコー信号をデジタル量に変換して信号処理制御部150に出力するようになっている。
【0066】
信号処理制御部150は、検波され、かつ、デジタル化されたエコー信号を計測データとして逆フレネル変換などの種々の演算処理を行いつつ、被検体10の検査部位の断層像を示す再構成画像を表示するための画像データを生成する演算処理部151と、MRI装置100全体を制御するシステム制御部153と、から構成され、各部とバスBにより接続されている。
【0067】
演算処理部151には、特徴磁界が印加される毎に、デジタル化された位相信号が入力されるようになっている。この演算処理部151は、入力された各位相信号を順次取得して測定データを生成し、当該測定データに対して逆フレネル変換などの演算処理を行うことによって、ディスプレイ160に出力するための画像データを生成するようになっており、生成された画像データをディスプレイ160に出力するようになっている。なお、本実施形態の演算処理部151における演算処理の詳細について後述する。
【0068】
なお、ディスプレイ160は、例えば、液晶素子、EL(Electro Luminescence)素子またはCRT(Cathode Ray Tube)によって構成され、入力された画像データに基づいて所定の画像を表示するようになっている。
【0069】
システム制御部153は、各部と接続されているとともに、例えば、CPU、ROM、RAMおよびハードディスクを有し、MRI装置100の各部を制御するようになっている。具体的には、ROMには、MRI装置100の各部を制御するための各種制御情報が記録されると共に、ハードディスクには、制御プログラムやOS(Operating System)などの各種プログラムが記録されている。また、CPUは、ハードディスクに記録されたプログラムを実行することにより、各種の処理を実行し、RAMはワークエリアとして用いられるようになっている。
【0070】
なお、このシステム制御部153には、更に装置の一時停止若しくは停止の解除を指示するための手段として、キーボード或いはスイッチ(図示せず)等の入力手段が備えられている。
【0071】
シーケンサ155は、高安定直流電源部105、勾配磁界電源部110、特徴磁界発生回路115、高周波発振器120および位相検波器140と接続され、予め定められたパルスシーケンスによって各部における磁界を発生させ、または、エコー信号を検波させるようになっている。
【0072】
具体的には、本実施形態のシーケンサ155は、図3に示すように、均一な静磁界を発生された所定の空間において、被検体10の所望する部位を2次元画像(スライス画像)として画像再構成するための勾配磁界Gzとともに、高周波パルスである90度パルスを同時に印加し、その後に特徴磁界を時間τだけ印加させるシーケンス制御を行うようになっている。
【0073】
そして、このシーケンサ155は、位相エンコード方向(y方向)の勾配磁界Gyおよび読み取り方向(x方向)の勾配磁界Gxをそれぞれのタイミングにて印加させるとともに、エコー時間tx後にエコー信号を所定の時間(例えば、2tx)だけ検出させるシーケンス制御を行うようになっている。なお、このとき、このシーケンサ155は、当該検出されたエコー信号の位相を検波させるようになっている。
【0074】
また、このシーケンサ155は、特徴磁界を発生させてこのパルスシーケンスを所定の繰返し時間TRにて繰り返すことによって位相エンコード数を変化させ、すなわち、時間tyにて印加するエンコード勾配磁界Gyの大きさを変化させるシーケンス制御を行うようになっており、位相信号を演算処理部151に取得させるようになっている。なお、本実施形態の演算処理部151は、このように取得させた位相信号によって上述の測定データを構築するようになっている。
【0075】
このように、本実施形態のMRI装置100は、均一な静磁界が発生している所定の空間において、磁界強度が線形に変化する線形勾配の勾配磁界を印加しつつ高周波パルスを印加するようになっており、この磁界中に磁界強度が2次関数上に変化する特徴磁界を一定時間τのみ被検体10に印加すると、高周波磁界が存在しない状態における被検体10内の原子核スピンが、静磁界環境によって一義的に定まるラーモア周波数にて自由最差運動を行うことにより、被検体10内の各場所毎に特徴磁界の強度に応じて、被検体10内に励起された各原子核のスピンの位相を変化させることができるようになっている。
【0076】
すなわち、均一な静磁界中に上述のような各磁界を発生させると、被検体10内の場所を示す情報が位相情報の形態となるので、本実施形態のMRI装置100は、それらの情報の寄与を積分した形態のエコー信号を取得することができるようになっている。
【0077】
また、このMRI装置100は、特徴磁界を発生させつつ、エコー信号における位相信号を順次検出すると、特徴磁界の磁界強度が非線形に変化しているために被検体10内の各場所における原子核スピンの位相信号に対する寄与が各場所により異なることから、必要な個数の位相信号を取得して上述の測定データを構成させ、当該測定データに対して所定の演算を行うことによって、緩和時間とともに画像化する際にその基準となるスピン密度の情報を各場所(部位)毎に分離して取り出すことが可能になっている。
【0078】
次に、図4を用いて本実施形態のMRI装置100における演算処理部151の詳細について説明する。なお、図4は、本実施形態のMRI装置100における演算処理部151の演算処理において、従来の方法と比較し、本実施形態の演算処理の原理を説明するための図である。
【0079】
本実施形態のMRI装置100は、2次元画像の画像再構成を行う場合に、上述のように、勾配磁界Gz、高周波パルス、位相エンコード方向の勾配磁界Gyおよび読み取り方向の勾配磁界Gxを印加させるととともに、磁界強度が非線形に変化する特徴磁界を一定時間τのみ被検体10に印加させ、特徴磁界を発生させつつ、エコー信号を順次検出するようになっている。そして、このMRI装置100は、緩和による信号の減衰を無視すると、順次検出された各エコー信号における検波された信号によって(式1)から(式3)により(式4)に示す測定データv(k,k)を取得することができるようになっている。
【0080】
【数1】
JP0004923243B2_000002t.gif

【0081】
【数2】
JP0004923243B2_000003t.gif

【0082】
【数3】
JP0004923243B2_000004t.gif

【0083】
【数4】
JP0004923243B2_000005t.gif

【0084】
なお、(式1)は、特徴磁界を印加しない場合において、すなわち、フーリエ変換映像法において取得される測定データを示し、当該(式1)において、(k=γG)および(ky=γG)とおくと、(式2)が得られるようになっている。また、本実施形態では、例えば、特徴磁界として(式3)を満たす2次関数状磁界を印加するようになっており、位相エンコード方向(y方向)の勾配磁界Gyは、図3に示すように、時間tyだけ印加され、読み取り方向(x方向)の勾配磁界Gxは、時間3txだけ印加される。ただし、ρは、被写体関数を示し、γは核の固有の定数(核磁気回転比)を示す。
【0085】
また、この(式4)は、(式5)から(式7)に示すように数式の変形および変数変換を行うことによってフレネル回折式と同形の式を導くことができるようになっている。ただし、(式7)におけるx’およびy’は、以下の(式8)によって変数変換を行った形である。
【0086】
【数5】
JP0004923243B2_000006t.gif

【0087】
【数6】
JP0004923243B2_000007t.gif

【0088】
【数7】
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【0089】
【数8】
JP0004923243B2_000009t.gif

【0090】
ただし、上述の(式7)は、x’およびy’にて変数変換された測定データv(x’,y’)に対して2次の位相変調項が乗算されている形となっている。また、vfrは、フレネル変換形式に変換された測定データを示す。
【0091】
このように本実施形態では、上述のような測定データを取得することができるようになっている。このため、本実施形態の演算処理部151は、再構成される画像サイズを示す予め定められたまたは操作者の操作により設定された画像サイズ係数αに基づいて、取得した測定データに対して上述のように変数変換および原子核のスピンにおける位相変調の調整を行いつつ、逆フレネル変換を行うことが可能となり、被検体10の検査部位の断層像を示す再構成画像ρα(x、y)を表示するための画像データを生成することができるようになっている。
【0092】
具体的には、本実施形態の演算処理部151は、画像サイズ係数α、特徴磁界を印加するための時間τ、原子核固有の定数γおよび特徴磁界を印加する際の係数bから構成された撮像パラメータを構成し、この撮像パラメータに基づいて、以下に示す逆フレネル変換を行うようになっている。
【0093】
(1)まず、本実施形態の演算処理部151は、上述のように取得した測定データv(k,k)を、測定データv(x’,y’)に変数変換しつつ、撮像パラメータαγbτに基づいて(式9)に示す位相変調処理およびフーリエ変換を実行するようになっている。なお、F[‥]はフーリエ変換を示す(以下の各式において同様)。
【0094】
【数9】
JP0004923243B2_000010t.gif

【0095】
(2)次いで、この演算処理部151は、フーリエ変換された測定データに対して位相変調を施すようになっている。すなわち、この演算処理部151は、(式11)の位相変調項exp{-j(ω+ω/(4αγbτ))}、すなわち(式10)のS1の逆位相項であるTを乗じて位相変調を施すようになっている。
【0096】
【数10】
JP0004923243B2_000011t.gif

【0097】
より具体的には、(式7)に示すフレネル変換式は、畳み込みに積分となっているから、そのフーリエ変換は、(式11)となるので、本実施形態の演算処理部151は、(式11)に現れる2次変調項に対する逆位相項をフーリエ変換された測定データに対して乗算するようになっている。
【0098】
【数11】
JP0004923243B2_000012t.gif

【0099】
なお、exp{—jαγbτ(x’+y’)}のフーリエ変換は(式12)に示す値となる。また、(式11)において、2次の変調項以外の係数および逆位相項に関しては、後述のように、逆フーリエ変換後に乗算するようになっている。ただし、この2次変調項以外の係数および逆位相項、定数なので、逆フーリエ変換前に乗じてもよい。
【0100】
【数12】
JP0004923243B2_000013t.gif

【0101】
(3)次いで、この演算処理部151は、測定データvに対して2次の位相変調項における逆位相項を乗じて位相調整されたものに対して、逆フーリエ変換を行い、上述の(式11)によって示される残りの係数および逆位相項を所定の係数として乗算し、再構成画像ρα(x、y)を表示するための画像データを生成するようになっている。
【0102】
すなわち、本実施形態の演算処理部151は、(式13)に示すように、測定データv(x’,y’)に対して位相変調を行った関数に対してフーリエ変換を行うとともに、当該フーリエ変換後に位相変調を行い、さらに、逆フーリエ変換を行うようになっているので、元の測定データvと同じ空間にて再構成画像を生成することができるようになっている。
【0103】
【数13】
JP0004923243B2_000014t.gif

【0104】
なお、この(式13)において、xおよびyは、それぞれα倍されているので、再生画像がα倍にスケーリング、すなわち、拡大または縮小されることがわかる。また、この(式13)の導出については後述する。
【0105】
ただし、F-1[‥]は逆フーリエ変換を示し(以下の式において同様)、Nは、測定データvのデータ数を示す。また、この場合に、再構成される画像の分解能および視野は、(式14)および(式15)によって示される。
【0106】
【数14】
JP0004923243B2_000015t.gif

【0107】
【数15】
JP0004923243B2_000016t.gif

【0108】
(4)最後に、演算処理部151は、(式13)示されるexpの値について逆位相項を乗じるかまたは絶対値をとることによって、最終的に補正し、再構成画像ρ(x,y)の値を算出するようになっている。
【0109】
このように本実施形態の演算処理部151は、演算処理を行うことによって被検体10の検査部位の断層像を示す再構成画像ρ(x、y)を算出するようになっており、これに基づいて画像データを生成するようになっている。そして、この演算処理部151は、画像サイズ係数αによってスケーリング、言い換えれば、画像サイズを縮小または拡大させる処理を行うことができるようになっている。
【0110】
すなわち、本実施形態の演算処理部151は、測定データに基づいて再構成画像を生成するための演算処理を行う場合に、図4(a)に示す測定データを逆フーリエ変換することによって再構成画像を生成する位相拡散フーリエ変換映像法における逆フーリエ変換再構成法の場合と比較して、図4(b)に示すように、画像サイズ係数αによって再構成画像ρのサイズを自由に変更することができるようになっており、このサイズ変更を行うことによって、(式15)により撮像視野を拡大し、再構成画像を視野の範囲内に収めることにより、事後的な演算処理によってエイリアシングによるアーチファクトのない再構成画像を提供することができるようになっている。
【0111】
なお、図4(a)は、位相拡散フーリエ変換映像法における逆フーリエ変換再構成法によって測定データv(k,k)に基づき((式4)に対して変数変換せずに)演算処理が行われた場合に再構成された画像を示し、図4(b)は、本実施形態の演算処理部151によって測定データv(x’,y’)に基づき(式7に対して)演算処理が行われた場合に再構成された画像(αの値によりそれぞれ画像サイズが変化した画像)を示す。
【0112】
また、本実施形態の演算処理部151は、上述のような演算処理において、撮像パラメータの値(例えばαγbτ)を使用するが、当該撮像パラメータが真値(1.0)でなくても鮮明な画像を再構成することができるので、画像サイズ係数αを用いて撮像パラメータを構成させたとしても演算処理の過程で常に同一なα値を用いれば鮮明な画像を再構成することができるようになっている。
【0113】
すなわち、測定データv従来を(式16)に示す単に逆フーリエ変換を行って画像を再構成する方法(フーリエ変換映像法)または(式17)に示す位相拡散フーリエ変換法の信号を、逆フーリエ変換を行って画像を再構成する方法(位相拡散フーリエ変換映像法による逆フーリエ変換再構成法)であっては、再構成像の大きさが視野よりも大きくなると画像の折り返しが起こり、エイリアシングアーティファクトが発生し、事後的にエイリアスのない画像を再生することは極めて困難であるが、本実施形態の演算処理部151は、上述の演算処理を行うことによって画像サイズ係数αを適当な値に設定することにより、任意のサイズの画像を生成することができ、エイリアシングアーティファクトを解消した画像を生成することができるようになっている。
【0114】
【数16】
JP0004923243B2_000017t.gif

【0115】
【数17】
JP0004923243B2_000018t.gif

【0116】
なお、フーリエ変換映像法および位相拡散フーリエ変換映像法による逆フーリエ変換再構成法における分解能および視野を(式18)および(式19)に示す。
【0117】
【数18】
JP0004923243B2_000019t.gif

【0118】
【数19】
JP0004923243B2_000020t.gif

【0119】
次に、上述の(式4)を用いて演算処理部151にて生成される再構成画像ραを算出する際の(式13)を導出について説明する。
【0120】
(式4)に撮像パラメータとして真のγbτをα倍したαγbτを使用し、指数項ext{-jαγbτ(x’+y’)}を乗じた関数は(式20)の式となる。
【0121】
【数20】
JP0004923243B2_000021t.gif

【0122】
この(式20)の指数項ext{-jαγbτ(x’+y’)-jαγbτ(x+y)における肩Cを変形すると、(式21)となり、(式4)は、(式22)に変形される。
【0123】
【数21】
JP0004923243B2_000022t.gif

【0124】
【数22】
JP0004923243B2_000023t.gif

【0125】
ここで、(式22)を(式23)と変形し、さらに、(式24)に示すようにuおよびwをxおよびyと書き換えると、(式24)は、上述の(式13)のフレネル変換を示すこととなるので、これを逆フレネル変換することによって当該(式13)を導出することができるようになっている。ただし、(式23)において(式25)を満たす。
【0126】
【数23】
JP0004923243B2_000024t.gif

【0127】
【数24】
JP0004923243B2_000025t.gif

【0128】
【数25】
JP0004923243B2_000026t.gif

【0129】
また、上述と異なり以下のように(式13)を導出することもできるようになっている。
【0130】
まず、(式26)に示すように、変数変換された測定データv(x’,y’)をフーリエ変換し、(式27)に示すように(式26)を整理する。
【0131】
【数26】
JP0004923243B2_000027t.gif

【0132】
【数27】
JP0004923243B2_000028t.gif

【0133】
ここで、R(ω,ω))は、再構成画像ρ(x,y)のフーリエ変換を意味するので、上述の(式5)を整理すると(式28)に示す畳み込み積分の形になる。
【0134】
【数28】
JP0004923243B2_000029t.gif

【0135】
また、撮像パラメータαγbτにより、(式28)の積分項の前の位相項がキャンセルされることになるので、(式28)は、(式29)のように畳み込み積分の記述式となる。したがって、畳み込み定理とフーリエ変換のスケーリング則より、(式30)に示すように、(式13)を導出することができるようになっている。
【0136】
【数29】
JP0004923243B2_000030t.gif

【0137】
【数30】
JP0004923243B2_000031t.gif

【0138】
次に、図5を用いて本実施形態のMRI装置100における測定データの取得処理を含む当該測定データの演算処理の動作について説明する。なお、図5は、本実施形態のMRI装置100における測定データの取得処理を含む当該測定データの演算処理の動作を示すフローチャートである。
【0139】
まず、システム制御部153が、図示しない操作部を介して被検体10内の所定の検査部位における断層画像(2次元画像)を再構成画像として表示させるための指示を検出すると(ステップS101)、当該システム制御部153は、シーケンサ155およびその他の各部を制御し、静磁界を発生させるとともに、予め定められたシーケンスによって、特徴磁界を一定時間発生させた後に、各勾配磁界および高周波パルスを被検体10に印加させ、かつ、位相エンコード方向勾配磁界を印加する毎にエコー信号を検出してその位相を検波させ、演算処理部151に測定データを取得させる(ステップS102)。
【0140】
次いで、システム制御部153は、演算処理部151に取得させた測定データに基づいて、予め設定された画像サイズ係数αを基準に、以下の演算処理を実行させる。
【0141】
まず、システム制御部153は、演算処理部151に測定データv(k,k)を、撮像パラメータαγbτに基づいて位相変調を行い、フーリエ変換を実行させるとともに(ステップS103)、フーリエ変換された測定データに対して2次の位相変調項を乗じて位相変調を施させる(ステップS104)。
【0142】
次いで、システム制御部153は、演算処理部151に、ステップ104にて生成された信号に、逆フーリエ変換を行うとともに(ステップS105)、所定の係数および所定の逆位相項を乗算し、再構成画像ρα(x、y)を生成する(ステップS106)。
【0143】
最後に、システム制御部153は、演算処理部151に、再構成画像ρα(x、y)を補正し、再構成画像ρ(x,y)の最終的な値を算出させるとともに(ステップS107)、当該算出させた最終的な再構成画像ρ(x,y)をディスプレイ160に出力させて2次元画像、すなわち、被検体10における検査部位の断層像を表示させ(ステップS108)、本動作を終了させる。
【0144】
以上本実施形態のMRI装置100は、受信された核磁気共鳴信号に基づき符号化されたデータに対し2次の位相変調処理を実施すると、フレネル回折式と同型になるため、特徴磁界を印加するための時間、原子核固有の定数および再構成される画像のサイズ係数から構成されたパラメータに基づき、当該原子核のスピンにおける位相を変調させるための位相変調を施しつつ、逆フレネル変換を行えば、当該パラメータとして設定されたサイズ値にて被検体10内部の画像化を行うことができる。
【0145】
したがって、本実施形態のMRI装置100は、被検体10の撮像中の動きまたは撮像条件の不備などによって再構成される画像の視野(画像サイズ)より被検体10のサイズが大きくなった場合であっても、画像サイズ係数αに応じて再構成される画像の縮尺を任意のサイズに調整することができるので、再構成される画像サイズより被検体10サイズを小さくするようにパラメータを調整すれば、事後的な演算処理によってエイリアシングによるアーチファクトのない再構成画像を提供することができる。
【0146】
なお、本実施形態のMRI装置100は、取得した一組の測定データに対して画像サイズを変化させつつ、画像再構成を繰り返し行い、高分解能の種々の画像を提供するようにしてもよい。これにより、上述の処理によって折り返しアーチファクトのない一の画像のみでは発見できない場合であっても、被検体10内部の異常を画像として提供することが可能になる。
【0147】
すなわち、本実施形態のMRI装置100は、上述のように、測定データによって折り返しアーチファクトを除去する画像再構成を行うようになっているが、逆フーリエ変換法などの従来の手法により折り返しアーチファクトが生じている画像とは、画素の物理的な間隔が小さいから高分解能で画像を再生していることになるので、この特性を利用し、折り返しアーチファクトが発生することを前提として、画像を高分解能にて再構成することにより、高分解能の種々の画像を提供するようにしてもよい。
【0148】
例えば、本実施形態のMRI装置100は、図6(a)に示すような逆フーリエ変換再構成法によって画像再構成処理を行った場合に折り返しアーチファクトが生ずる撮像条件にて得られた測定データに対して、画像サイズを0.9倍、0.8倍、0.7倍、0.6倍および0.5倍と変化させて上述の演算処理を行い、断層画像を再構成すると、当該断層画像の一部、すなわち、図6(a)において折り返しアーチファクトが生じていない領域の画像については、図6(b)~(e)に示すように、図6(f)に示す画像サイズが0.5倍の分解能を有する断層画像に比べて、高分解能を有する断層画像を提供することができるようになっている。これにより、本実施形態のMRI装置100は、通常の撮像では発見できない被検体10内の異常などを発見できるものとして医療における画像診断の精度を高めることができるようになっている。
【0149】
ただし、図6は、取得した一組の測定データに対して画像サイズを変化させつつ、画像再構成を繰り返し行った場合における画像の例であり、図6(a)は、逆フーリエ変換再構成法によって演算処理された断層画像、図6(b)は、画像サイズが0.9倍の本実施形態における演算処理にて画像再構成された断層画像、図6(c)は、画像サイズが0.8倍の本実施形態における演算処理にて画像再構成された断層画像である。また、図6(d)は、画像サイズが0.7倍の本実施形態における演算処理にて画像再構成された断層画像、図6(e)は、画像サイズが0.6倍の本実施形態における演算処理にて画像再構成された断層画像であり、図6(c)は、画像サイズが0.5倍の本実施形態における演算処理にて画像再構成された断層画像である。さらに、図6(b)~(e)は、折り返すアーチファクトが生じている領域を減少させるように画像サイズを調整すると、各図に示すように分解能もそれに応じて小さくなる。
【0150】
一方、本実施形態の特徴磁界発生部は、単に、2次関数状磁界を発生させるようになっているが、磁界強度の等高線が円筒形状をなした棒状特徴磁界、鞍形をなした星状特徴磁界、球形状乃至楕円形状特徴磁界など磁界強度の変化が中心位置から距離の2乗に比例する磁界強度成分を有していればよい。
【0151】
また、本実施形態は、測定データを取得しつつ、再構成画像を生成するための演算処理を行うようになっているが、予め取得された測定データに基づいて、再構成画像を生成するための演算処理を行うようにしてもよい。
【0152】
また、本実施形態のMRI装置100は、コンピュータおよび記録媒体を備え、画像再構成演算処理を実行する場合に、画像再構成演算処理を実行する制御プログラムを格納し、このコンピュータによって当該各制御プログラムを読み込むことによって上述と同様の各処理を行うようにしてもよい。
【0153】
〔第2実施形態〕
次に、図7を用いて本願に係るMRI装置における第2実施形態について説明する。
【0154】
本実施形態では、第1実施形態において再構成画像の分解能を画像サイズ係数αにて拡大縮小し、画像サイズを調整する(α倍する)点((式14)参照)に代えて、当該分解能を画像サイズ係数の逆数にて拡大縮小し、画像サイズを調整する(1/α倍する)点に特徴がある。具体的には、撮像パラメータα=(cγbτ/(c-1))を用いて位相変調を施しつつ、フーリエ変換および逆フーリエ変換を繰り返すことによって画像再構成演算を行うようになっている。
【0155】
なお、本実施形態のMRI装置100は、演算処理部151における演算処理以外の構成および各部の処理は、第1実施形態と同様であるため、同一部材には同一の番号を付してその説明を省略する。
【0156】
まず、本実施形態の演算処理部151の詳細について説明する。
【0157】
本実施形態の演算処理部151は、予め定められたまたは操作者の操作により設定された画像サイズ係数α、特徴磁界を印加するための時間τ、原子核固有の定数γおよび特徴磁界を印加する際の係数bから構成された撮像パラメータを構成し、この撮像パラメータを所定の値に変数変換しつつ、当該変数変換された撮像パラメータに基づいて、以下に示すフーリエ変換及び逆フーリエ変換を行うようになっている。
【0158】
(1)まず、本実施形態の演算処理部151は、第1実施形態と同様に、取得した測定データv(k,k)を、測定データv(x’,y’)に変数変換しつつ、(式31)に示すフーリエ変換を実行するようになっている。
【0159】
【数31】
JP0004923243B2_000032t.gif

【0160】
(2)次いで、この演算処理部151は、撮像パラメータγbτを画像サイズ係数に基づく所定の値に変換するため、フーリエ変換された測定データである(式31)に対して位相変調項を乗じ、指数項の肩の係数を変化させる操作を行い、逆フーリエ変換を行うようになっている。すなわち、この演算処理部151は、(式32)に示すように(式31)の右辺に所定の値Uを乗じ、その後に逆フーリエ変換を行うようになっている。ここで、cは位相変調のための係数(以下、「位相変調係数」という。)であり、後述するように、この位相変調係数cは、画像スケール係数αとα=(c-1)/cの関係がある。
【0161】
【数32】
JP0004923243B2_000033t.gif

【0162】
【数33】
JP0004923243B2_000034t.gif

【0163】
すなわち、本実施形態の演算処理部151は、撮像パラメータを(γbτ)から(cγbτ/(c-1))に変換し、当該撮像パラメータが変換されたフレネル変換式の測定データを得るようになっている。
【0164】
(3)次いで、この演算処理部151は、撮像パラメータが変換された測定データに対して、第1実施形態と同様に、位相変調を施すようになっている。すなわち、この演算処理部151は、(式34)に示す2次の位相変調項Sにおける逆位相項Tを乗じて位相変調を施すようになっている。
【0165】
【数34】
JP0004923243B2_000035t.gif

【0166】
より具体的には、(式32)に示すフレネル変換式は、(式35)に示すように変形することができるので、本実施形態の演算処理部151は、(式35)に現れる2次変調項に対する逆位相項をフーリエ変換された測定データに対して乗算するようになっている。なお、(式35)におけるk’およびk’は(式36)を満たす。
【0167】
【数35】
JP0004923243B2_000036t.gif

【0168】
【数36】
JP0004923243B2_000037t.gif

【0169】
(4)次いで、この演算処理部151は、測定データvに対して2次の位相変調項における逆位相項を乗じて位相調整されたものに対して、逆フーリエ変換を行い、上述の(式34)によって示される係数および逆位相項を所定の係数として乗算し、再構成画像ρ(x、y)を表示するための画像データを生成するようになっている。
【0170】
すなわち、(式34)に示すように、大括弧内は逆フーリエ変換の形をしているので、本実施形態の演算処理部151は、(式33)のTを乗じた後、逆フーリエ変換を行い、さらに、位相変調を行うために(式37)に示す係数の逆位相項Tを乗算するようになっているので、(式38)に示すように、元の測定データvと同じ空間にて再構成画像を生成することができるようになっている。
【0171】
【数37】
JP0004923243B2_000038t.gif

【0172】
【数38】
JP0004923243B2_000039t.gif

【0173】
なお、この(式38)において、xおよびyは、それぞれα=(c-1)/c倍されているので、第1実施形態と同様に再生画像がα倍にスケーリング、すなわち、拡大または縮小されることがわかる。
【0174】
ただし、この場合に、(式14)および(式35)により(式38)によって再構成される画像の画素幅Δxを(式39)に示すことができる。
【0175】
【数39】
JP0004923243B2_000040t.gif

【0176】
また、第1実施形態では、上述のように(式14)に示すように画像の分解能が画像サイズ係数(α)倍となることから、再構成される再構成画像は縮小(または拡大)する方向にあるが、本実施形態では、(式39)に示すように分解能が(1/(画像サイズ係数(?))倍になることから、再構成される再構成画像は、第1実施形態と反対に拡大(または縮小)するようになっている。
【0177】
次に、図7を用いて本実施形態のMRI装置100における測定データの取得処理を含む当該測定データの演算処理の動作について説明する。なお、図7は、本実施形態のMRI装置100における測定データの取得処理を含む当該測定データの演算処理の動作を示すフローチャートである。
【0178】
まず、システム制御部153が、操作部を介して被検体10内の所定の検査部位における断層画像(2次元画像)を再構成画像として表示させるための指示を検出すると(ステップS201)、当該システム制御部153は、シーケンサ155およびその他の各部を制御し、静磁界を発生させるとともに、予め定められたシーケンスによって各勾配磁界および高周波パルスを被検体10に印加させ、かつ、位相エンコード方向の勾配磁界を印加する毎にエコー信号を検出して位相信号を取得させ、演算処理部151に測定データを取得させる(ステップS202)。
【0179】
次いで、システム制御部153は、演算処理部151に取得させた測定データに基づいて、予め設定された画像サイズ係数α=(c-1)/cを基準に、以下の演算処理を実行させる。
【0180】
まず、システム制御部153は、撮像パラメータをγbτから(cγbτ/(c-1))に変換し、かつ、演算処理部151に測定データv(k,k)を、測定データv(x’,y’)に変数変換しつつ、変換された撮像パラメータ(cγbτ/(c-1))に基づいてフーリエ変換を実行させるとともに(ステップS203)、フーリエ変換された測定データに対して2次の位相変調項を乗じて位相変調を施させる(ステップS204)。
【0181】
次いで、システム制御部153は、演算処理部151に、測定データvに2次の位相変調項を乗じて位相調整されたものに対して、逆フーリエ変換を行う(ステップS205)。
【0182】
次いで、システム制御部153は、演算処理部151に、逆フーリエ変換された測定データvに対して2次の位相変調項を乗じて位相変調を施させる(ステップS206)。
【0183】
次いで、システム制御部153は、演算処理部151に、測定データvに2次の位相変調項を乗じて位相調整されたものに対して、逆フーリエ変換を行うとともに(ステップS207)、所定の係数および所定の逆位相項を乗算し、再構成画像ρ(x、y)を生成する(ステップS208)。
【0184】
最後に、システム制御部153は、演算処理部151に、再構成画像ρ(x、y)を補正し、再構成画像ρ(x,y)の最終的な値を算出させるとともに(ステップS209)、当該算出させた最終的な再構成画像ρ(x,y)をディスプレイ160に出力させて2次元画像、すなわち、被検体10の所定の検査部位における断層画像を表示させ(ステップS210)、本動作を終了させる。
【0185】
以上本実施形態のMRI装置100は、第1実施形態と同様に、被検体10の撮像中の動きまたは撮像条件の不備などによって再構成される画像の視野(画像サイズ)より被検体10のサイズが大きくなった場合であっても、パラメータに応じて再構成される画像の縮尺を任意のサイズに調整することができるので、再構成される画像サイズより被検体10サイズを小さくするようにパラメータを調整すれば、事後的な演算処理によってエイリアシングによるアーチファクトのない再構成画像を提供することができる。
【0186】
なお、本実施形態のMRI装置100は、第1実施形態と同様に、取得した一組の測定データに対して画像サイズを変化させつつ、画像再構成を繰り返し行い、高分解能の種々の画像を提供するようにしてもよい。これにより、上述の処理によって折り返しアーチファクトのない一の画像のみでは発見できない場合であっても、被検体10内部の異常を画像として提供することが可能になる。
【0187】
また、本実施形態の特徴磁界発生部は、単に、2次関数状磁界を発生させるようになっているが、磁界強度の等高線が円筒形状をなした棒状特徴磁界、鞍形をなした星状特徴磁界、球形状乃至楕円形状特徴磁界など磁界強度の変化が中心位置から距離の2乗に比例する磁界強度成分を有していればよい。
【0188】
また、本実施形態は、測定データを取得しつつ、再構成画像を生成するための演算処理を行うようになっているが、予め取得された測定データに基づいて、再構成画像を生成するための演算処理を行うようにしてもよい。
【0189】
また、本実施形態のMRI装置100は、コンピュータおよび記録媒体を備え、画像再構成演算処理を実行する場合に、画像再構成演算処理を実行する制御プログラムを格納し、このコンピュータによって当該各制御プログラムを読み込むことによって上述と同様の各処理を行うようにしてもよい。
【0190】
〔第3実施形態〕
次に、図8および図9を用いて本願に係るMRI装置における第3実施形態について説明する。
【0191】
本実施形態では、第1実施形態において、静磁界に磁界強度が2次関数状に変化している特徴磁界を重畳させ、被検体内の原子核のスピンにおける位相を2次関数状に変調させる点に代えて、勾配磁界に対して2次の位相変調を与える高周波パルスを発生させることによって被検体内の原子核のスピンにおける位相を2次関数状に変調させる点に特徴がある。
【0192】
なお、本実施形態のMRI装置は、特徴磁界を印加しない点および勾配磁界に対して2次の位相変調を与える高周波パルスを発生させる点を除き、他の構成、動作、再構成画像演算の処理および測定データの演算処理については、第1実施形態と同様であるため、同一部材には同一の番号を付してその説明を省略する。
【0193】
まず、図8および図9を用いて本実施形態のMRI装置の概略動作について説明する。なお、図8は、本実施形態のMRI装置の構成を示すブロック図であり、図9は、本実施形態において被検体に印加する高周波パルスの例である。
【0194】
本実施形態のMRI装置200は、図8に示すように、均一な静磁界を所定空間内に発生させるとともに、所定のタイミングにて、所定の空間内に載置された被写体に印加するX、Y、Z軸の三軸方向の勾配磁界を発生させるようになっている。
【0195】
そして、このMRI装置200は、所定のシーケンスにしたがって、印加された勾配磁界に対して2次の位相変調を与える高周波パルスを被検体10に照射し、かつ、照射コイル50から照射された高周波磁気パルスによる被検体10の組織を構成する原子核の磁気共鳴によって放出される各エコー信号を検出するようになっており、検出したエコー信号に所定の演算処理を行うとともに被検体10における所望の検査部位の断層像を示す画像データを生成するようになっている。
【0196】
特に、本実施形態のMRI装置200は、位相エンコード方向(y方向)および読み取り方向(x方向)に対して(式40)を満たす高周波パルスを印加するようになっている。
【0197】
具体的には、本実施形態のMRI装置200において、例えば、図9に示すにチャープ波と呼ばれる(式40)を満たす高周波パルスを勾配磁界Gxの印加のもとで照射すると、被検体10内における読み取り方向(x方向)のスピンには(式40)の2次の位相変調が与えられる。
【0198】
【数40】
JP0004923243B2_000041t.gif

【0199】
【数41】
JP0004923243B2_000042t.gif

【0200】
なお、tは、経過時間、ωは、共鳴周波数、uは、定数を示し、ωt+utによって波形の振動を決定する。また、a(t)は、チャープ波の波形に対して外形を与えるための関数(パルスの包絡線を形成するための関数)であり、A(x)は、a(t)のフーリエ変換関数である。また、(*)は、畳み込み積分を示す。
【0201】
同様にして、勾配磁界Gyの印加の下で、同様の高周波パルスを与えると位相エンコード方向(y方向)にも2次の位相変調を与えることができる。
また、高周波パルスを印加する時間を長くとると(式41)のA(x)は、デルタ関数状になり、当該A(x)の項は、ほぼ無視することができる。このとき、本実施形態のMRI装置は、(式42)に示す測定データvを取得することができるようになっている。ただし、(式42)は(式43)を満足する。
【0202】
【数42】
JP0004923243B2_000043t.gif

【0203】
【数43】
JP0004923243B2_000044t.gif

【0204】
ここで、勾配磁界GxおよびGyを等しい強度にし、これをG(Gx=Gy)とすると、(式44)となり、本実施形態のMRI装置200は、第1実施形態と同形式(式14)の測定データv、すなわち、被検体10内における原子核のスピンの位相を2次関数状に変調させた測定データvを取得することができるようになっている。ただし、(式44)において、(Dγ)/uは、第1実施形態の撮像パラメータにおけるγbτに相当する。
【0205】
【数44】
JP0004923243B2_000045t.gif

【0206】
このため、本実施形態のMRI装置200は、第1実施形態と同様に、再構成される画像サイズを示す予め定められたまたは操作者の操作により設定された画像サイズ係数αに基づいて、取得した測定データに対して上述のように変数変換および原子核のスピンにおける位相変調の調整を行いつつ、逆フレネル変換を行うことが可能となり、被検体10の検査部位の断層像を示す再構成画像ρα(x、y)を表示するための画像データを生成することができるようになっている。
【0207】
次に、図8を用いて本実施形態のMRI装置200における各部の構成およびその動作について説明する。
【0208】
本実施形態のMRI装置200は、静磁界コイル20と、勾配磁界を印加するとともに特徴磁界を印加する勾配磁界コイル60と、照射コイル40と、受信コイル50と、の各コイルを有しているとともに、静磁界コイル20を駆動する高安定直流電源部105と、勾配磁界を発生させて勾配磁界コイル60を駆動する勾配磁界電源部110と、を備えている。
【0209】
また、このMRI装置200は、高周波信号を発生する高周波発振器120と、高周波発振器120からの高周波信号に基づいて高周波パルスを生成するパルス生成部225と、この生成された高周波パルスを増幅する高周波増幅器130と、受信回路135と、位相検波器140と、A/D変換器145と、を備えている。
【0210】
さらに、このMRI装置200は、信号処理制御部150と、シーケンサ155と、ディスプレイ160と、を備えている。
【0211】
なお、例えば、本実施形態の静磁界コイル20および高安定直流電源部105は、本発明の磁界発生手段および静磁界発生回路を構成し、本実施形態の勾配磁界コイル60および勾配磁界電源部110は、本発明の磁界発生手段、勾配磁界発生回路を構成する。また、例えば、本実施形態のパルス生成部225および照射コイル40は、高周波パルス発生手段を構成し、シーケンサ155は、本発明の制御手段を構成する。さらに、例えば、本実施形態の受信コイル50および位相検波器140は、本発明の受信手段を構成し、信号処理制御部150は、本発明の処理手段を構成する。
【0212】
勾配磁界60は、例えば、平行線条、長方形コイルまたは円形コイルから構成されており、勾配磁界電源部110によって発生されたX、Y、Zの三軸方向の磁界強度が線形に変化する線形勾配を有する各勾配磁界Gx、Gy、Gzを所定の空間内に印加するようになっている。
【0213】
パルス生成部225には、高周波発振器120にて発振された高周波信号が入力されるようになっており、このパルス生成部125は、シーケンサ155からの指示の下、入力された高周波信号に基づいて、上述したチャプター波と呼ばれる高周波パルスであって、被検体10内が載置された勾配磁界の磁界強度に対応したラーモア周波数に等しい高周波磁界を有するとともに所定の周波数スペクトルを有する高周波パルスを生成し、高周波増幅器130に出力するようになっている。
【0214】
以上本実施形態のMRI装置200は、第1実施形態と同様に、受信された核磁気共鳴信号に基づき符号化されたデータに対し2次の位相変調処理を実施すると、フレネル回折式と同型になるため、特徴磁界を印加するための時間、原子核固有の定数および再構成される画像のサイズ係数から構成されたパラメータに基づき、当該原子核のスピンにおける位相を変調させるための位相変調を施しつつ、逆フレネル変換を行えば、当該パラメータとして設定されたサイズ値にて被検体10内部の画像化を行うことができる。
【0215】
したがって、本実施形態のMRI装置200は、被検体10の撮像中の動きまたは撮像条件の不備などによって再構成される画像の視野(画像サイズ)より被検体10のサイズが大きくなった場合であっても、画像サイズ係数αに応じて再構成される画像の縮尺を任意のサイズに調整することができるので、再構成される画像サイズより被検体10サイズを小さくするようにパラメータを調整すれば、事後的な演算処理によってエイリアシングによるアーチファクトのない再構成画像を提供することができる。
【0216】
なお、本実施形態においては、再構成画像演算の処理において、第2実施形態の方法にて行うことも可能である。すなわち、上述のように第2実施形態においても測定データvに基づいて演算可能であるため、当該第2実施形態の方法にて行うことも可能である。
【0217】
また、本実施形態では、勾配磁界に対してチャプター波と呼ばれる高周波パルスを印加することによって、被検体10内における原子核のスピンの位相を2次関数状に変調させた測定データvを取得しているが、再構成画像演算の処理を行うデータとして(式45)を具備する測定データvを取得可能に各種の磁界を印加させることができれば、画像サイズ係数αを用いて第1実施形態および第2実施形態における再構成画像演算の処理を適用することができる。ただし、Qは、核の固有の定数(核磁気回転比)などを含む所定の定数、kおよびkyは、上述と同様に、γGおよびγGなどの位相エンコード方向(y方向)の勾配磁界Gyにおける印加時間ty、読み取り方向(x方向)の勾配磁界Gxにおける印加時間txの関数、ρは、被写体関数を示す。
【0218】
【数45】
JP0004923243B2_000046t.gif

【0219】
また、本実施形態のMRI装置100は、コンピュータおよび記録媒体を備え、画像再構成演算処理を実行する場合に、画像再構成演算処理を実行する制御プログラムを格納し、このコンピュータによって当該各制御プログラムを読み込むことによって上述と同様の各処理を行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0220】
【図1】本願に係るMRI装置の第1実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態のMRI装置における効果を説明するための図である。
【図3】第1実施形態のパルスシーケンスを示すシーケンス図である。
【図4】第1実施形態のMRI装置における演算処理部の演算処理において、従来の方法と比較し、第1実施形態の演算処理の原理を説明するための図である。
【図5】第1実施形態のMRI装置における測定データの取得処理を含む当該測定データの演算処理の動作を示すフローチャートである。
【図6】取得した一組の測定データに対して画像サイズを変化させつつ、画像再構成を繰り返し行った場合における画像の例である。
【図7】第2実施形態のMRI装置における測定データの取得処理を含む当該測定データの演算処理の動作を示すフローチャートである。
【図8】本願に係るMRI装置の第2実施形態の構成を示すブロック図である。
【図9】第2実施形態のMRI装置における効果を説明するための図である。
【符号の説明】
【0221】
10…被検体
20…静磁界コイル
30…勾配磁界/特徴磁界コイル
40…照射コイル
50…受信コイル
60…勾配磁界コイル
100…MRI装置
105…高安定直流電源部
110…勾配磁界電源部
115…特徴磁界発生回路
120…高周波発信回路
125、225…パルス生成部
130…高周波増幅器
135…受信回路
140…位相検波器
145…A/D変換器
150…信号処理制御部
151…演算処理部
153…システム制御部
155…シーケンサ
160…ディスプレイ
図面
【図1】
0
【図3】
1
【図5】
2
【図7】
3
【図8】
4
【図9】
5
【図2】
6
【図4】
7
【図6】
8