TOP > 国内特許検索 > 殺菌装置 > 明細書

明細書 :殺菌装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5369275号 (P5369275)
公開番号 特開2008-183217 (P2008-183217A)
登録日 平成25年9月27日(2013.9.27)
発行日 平成25年12月18日(2013.12.18)
公開日 平成20年8月14日(2008.8.14)
発明の名称または考案の名称 殺菌装置
国際特許分類 A61L   9/01        (2006.01)
A61L   9/00        (2006.01)
A61L   9/20        (2006.01)
B01J  35/02        (2006.01)
B01J   8/24        (2006.01)
FI A61L 9/01 B
A61L 9/00 C
A61L 9/20
B01J 35/02 J
B01J 8/24 311
請求項の数または発明の数 6
全頁数 8
出願番号 特願2007-019463 (P2007-019463)
出願日 平成19年1月30日(2007.1.30)
審査請求日 平成21年10月30日(2009.10.30)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304036743
【氏名又は名称】国立大学法人宇都宮大学
発明者または考案者 【氏名】長澤 武
個別代理人の代理人 【識別番号】100077827、【弁理士】、【氏名又は名称】鈴木 弘男
審査官 【審査官】山本 吾一
参考文献・文献 国際公開第2004/045660(WO,A1)
特開2002-066257(JP,A)
特開2003-334424(JP,A)
特開2003-135576(JP,A)
特開2000-107565(JP,A)
特開2002-336690(JP,A)
調査した分野 A61L 9/00
B01D 53/34
B01J 8/00
JSTPlus(JDreamIII)
特許請求の範囲 【請求項1】
紫外線を発光するUV管と、
光触媒性粉体と、
内部空間に前記UV管および前記光触媒性粉体を有する本体と、
前記本体の左右方向の一側面に設けられ、前記本体の内部空間に気体を吸入する吸入管と、
前記本体の左右方向の、前記一側面と対向する他側面に設けられ、前記本体の内部空間から気体を排出する排出管と、
前記本体の下部に設けられ、上方に向けて前記UV管の周辺で前記光触媒性粉体を舞わせる気流を発生させる攪拌用ファンと、
を備えたことを特徴とする殺菌装置。
【請求項2】
前記吸入管が前記本体の内部空間に気体を吸入する吸入用ファンを有することを特徴とする請求項1に記載の殺菌装置。
【請求項3】
前記吸入管と前記本体の内部空間との境および前記吸入管と前記本体の内部空間との境に、前記光触媒性粉体を前記本体の内部空間から漏らさないフィルタを設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の殺菌装置。
【請求項4】
前記本体の内部空間の内壁に反射面を設けたことを特徴とする請求項1から3のうちのいずれか1項に記載の殺菌装置。
【請求項5】
前記反射面が乱雑面であることを特徴とする請求項4に記載の殺菌装置。
【請求項6】
前記光触媒性粉体がTiO2粉体であることを特徴とする請求項1から5のうちのいずれか1項に記載の殺菌装置
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は殺菌装置に関し、特に、UV(紫外線)や光触媒を用いて殺菌を行う殺菌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、紫外線や、TiOなどの光触媒に滅菌効果や殺菌効果があることが知られている。
【0003】
たとえば特許文献1に記載の発明では、病原微生物が付着している医療機器を、光触媒性酸化チタンと硝酸とアルコールとを含む混合用液に浸漬させ、そこにUV照射することによって滅菌洗浄する方法を開示している。
【0004】
このように従来から、UV照射による殺菌法、光触媒性酸化チタンにUV照射し活性化させる殺菌法は知られていた。
【0005】

【特許文献1】特開2003-339826号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上述の従来の滅菌、殺菌方法では以下のような問題があった。
【0007】
すなわち、UV照射のみによる殺菌法では、その殺菌力が不十分であり、生き残る菌が存在する。
【0008】
また、特許文献1に記載の発明のように、光触媒性酸化チタンにUV照射し活性化させる殺菌法の場合でも、光触媒性酸化チタンが付着した部分付近の殺菌のみしか行うことができず、たとえば気体の殺菌を行う場合など殺菌対象の範囲が広い場合には、十分な殺菌効果が得られない場合があるという問題があった。
【0009】
本発明は上記の点にかんがみてなされたもので、たとえば気体などの広い範囲であっても光触媒を活性化することができ、十分な殺菌を行うことができる殺菌装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記課題を解決するため、紫外線を発光するUV管と、光触媒性粉体と、内部空間に前記UV管および前記光触媒性粉体を有する本体と、前記本体の左右方向の一側面に設けられ、前記本体の内部空間に気体を吸入する吸入管と、前記本体の左右方向の、前記一側面と対向する他側面に設けられ、前記本体の内部空間から気体を排出する排出管と、前記本体の下部に設けられ、上方に向けて前記UV管の周辺で前記光触媒性粉体を舞わせる気流を発生させる攪拌用ファンと、を備えた。
【0013】
また、本発明は、前記吸入管が前記本体の内部空間に気体を吸入する吸入用ファンを有することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、前記吸入管と前記本体の内部空間との境および前記吸入管と前記本体の内部空間との境に、前記光触媒性粉体を前記本体の内部空間から漏らさないフィルタを設けたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、前記本体の内部空間の内壁に反射面を設けたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、前記反射面が乱雑面であることを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、前記光触媒性粉体がTiO粉体であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、たとえば気体などの広い範囲であっても光触媒を活性化することができ、十分な殺菌を行うことができる殺菌装置を提供することができる。
【0019】
また本発明によれば、小電力で高効率の酸化殺菌装置を提供することができ、UV管を複数備えたマルチ型にすれば、より大量の気体を殺菌することができる。
【0020】
また、TiO自体は無害で安全であるため、薬品などで殺菌する場合と比べ、本発明による殺菌装置は安全な装置である。
【0021】
また本発明は、簡単な構成で実現することができるため、製作工数が少なくて済み、安価に実現することができる。
【0022】
また本発明は、用いる各部品が安価であるし、部品点数も少ないため、安価に実現することができる。
【0023】
また本発明は、軽量に実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0025】
図1は、本発明の一実施の形態による殺菌装置の構成を示す図であり、内部が見えるように切り欠いて示す側面図である。
【0026】
図1に示すように、本実施の形態の殺菌装置1は、内部に空間を有する本体2と、本体2内に殺菌対象の気体を吸入する吸入管8と、殺菌済みの気体を排出する排出管9とを有して構成される。
【0027】
また、本体2内には、空間内の気体を攪拌する攪拌用ファン3と、UV(紫外線)を発光するUV管4と、光触媒性粉体(たとえばTiOを粉体状にしたもの)5とが設けられる。攪拌用ファン3は本体2内の下部に設け、UV管4は殺菌対象の気体が通過する経路上に設けるのが望ましい。
【0028】
吸入管8の管路には、殺菌対象の気体を吸入する吸入用ファン10が設けられており、吸入管8は、この吸入用ファン10によって殺菌対象の気体を外部から吸入し、本体2内の空間へと供給する。吸入用ファン10による外部からの気体の吸入に伴ない、本体2内の空間に存在した殺菌済みの気体は排出管9から排出される。
【0029】
吸入管8と本体2との境にはフィルタ8aが設けられ、本体2と排出管9との境にはフィルタ9aが設けられている。また、本体2内の下部の攪拌用ファン3の上部の本体2内の空間との境にはフィルタ3aが設けられている。これらのフィルタ8a、9a、3aとしては、光触媒性粉体5が本体2内の空間の外部に漏れ出さないように止める役割を果たしており、たとえば光触媒性粉体5よりも目の細かい金属性(たとえばSUS)の網や、布や紙製のフィルタなどを用いることができるが、吸入管8および排出管9を介した気体の流れや、攪拌用ファン3による気流を通過させるために、通気性のあるものを用いる必要がある。
【0030】
攪拌用ファン3は電源6によって駆動されて、気流を生じさせ、本体2内の気体を攪拌して、光触媒性粉体5を気体内でランダムに浮遊させる。
【0031】
UV管4は電源7によって駆動されて、UVを発光する。本体2の内壁のほぼ全面には反射面2aが設けられており、UV管4から発光されたUVはこの反射面2aにて反射を繰り返す。反射面2aとしては、アルミホイルなどを貼りつけてもよいが、照射されたUVが乱反射するような乱雑面であることが望ましい。この場合、アルミホイルを皺にして用いてもよい。
【0032】
たとえばTiOのような光触媒性粉体5は、UV管4から照射されたUVを受け、また、反射面2aにて反射されたUVを受け、OHラジカルやスーパーオキシサイトアニオンといった活性酸素を生成する。
【0033】
菌を含んだ気体は、吸入用ファン10によって吸入管8を介して、本体2内の空間へと供給される。本体2内の空間においては、気体内の菌は、たとえばTiOのような光触媒性粉体5に付着し、強い酸化力によって殺菌される。
【0034】
次に、本実施の形態における殺菌の原理について、図2および図3を参照しながら説明する。
【0035】
図2は、図1に示した実施の形態の殺菌装置1において、UV管4の周辺を浮遊する光触媒性粉体5の様子を示す図である。
【0036】
図2に示すように、攪拌用ファン3により空中を舞う光触媒性粉体5は、本体2内の空間において、ランダム運動するとともに自転運動もするため、UV管4からのUVの照射を全面に効率よく受けることができる。
【0037】
図3は、図1に示した実施の形態の殺菌装置1において、気体の殺菌がされる様子を示す図である。
【0038】
一般によく知られているように、光触媒性粉体5であるTiOのバンドギャップエネルギーは3.2[eV]である。また、光のエネルギーは数1で表される。このため、UV管4が照射するUVとしては、そのエネルギーがTiOのバンドギャップエネルギーを越えるように、数2の条件式を満たすものが採用される。
【0039】
【数1】
JP0005369275B2_000002t.gif

【0040】
【数2】
JP0005369275B2_000003t.gif
なお、数1および数2において、h:プランク定数、ν:光の振動数、c:光の速度、λ:光の波長である。
【0041】
数2の条件式を満たす、たとえば波長が約390nmの紫外線を照射すると、TiOに電子とホールが生成される。
【0042】
生成された電子21は気体中の酸素と結合してスーパーオキシサイトアニオン(O)を生成する。また、電子21の抜けた穴はホール(H)となり、気体中の水分子と結合してOHラジカル(OH)を生成する。
【0043】
このようにして生成されたOやOHといった活性酸素は、TiOに付着している菌や浮遊している菌と結合し、強い酸化殺菌を行う。なお、活性酸素の寿命は10-6sec程度と短いので、菌はTiOに付着している方が殺菌効果が上がる。
【0044】
なお、上述の実施の形態では、攪拌用ファン3で発生させた気流によって光触媒性粉体5が舞うようにしたが、本発明はこれに限られるものではなく、たとえば本体2を回転させ続けて本体2内の光触媒性粉体5が自由落下するのを利用して光触媒性粉体5を舞わせたり、振動を与えることによって光触媒性粉体5を舞わせたりしてもよい。
【0045】
また、上述の実施の形態では、UV管4を1本だけ設けたが、本発明はこれに限られるものではなく、複数のUV管を設けるようにしてもよく、このようにすれば、より大量の気体を殺菌することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施の形態による殺菌装置の構成を示す図であり、内部が見えるように切り欠いて示す側面図である。
【図2】図1に示した実施の形態の殺菌装置1において、UV管4の周辺を浮遊する光触媒性粉体5の様子を示す図である。
【図3】図1に示した実施の形態の殺菌装置1において、気体の殺菌がされる様子を示す図である。
【符号の説明】
【0047】
1 殺菌装置
2 本体
2a 反射面
3 攪拌用ファン
3a フィルタ
4 UV管
5 光触媒性粉体
6 電源
7 電源
8 吸入管
8a フィルタ
9 排出管
9a フィルタ
10 吸入用ファン
20 バクテリア
21 電子
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2