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明細書 :磁気共鳴画像化装置、磁気共鳴画像化方法、磁気共鳴画像化プログラム及びそれを記録した情報記録媒体

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4756193号 (P4756193)
公開番号 特開2009-201644 (P2009-201644A)
登録日 平成23年6月10日(2011.6.10)
発行日 平成23年8月24日(2011.8.24)
公開日 平成21年9月10日(2009.9.10)
発明の名称または考案の名称 磁気共鳴画像化装置、磁気共鳴画像化方法、磁気共鳴画像化プログラム及びそれを記録した情報記録媒体
国際特許分類 A61B   5/055       (2006.01)
FI A61B 5/05 376
A61B 5/05 311
請求項の数または発明の数 11
全頁数 31
出願番号 特願2008-045733 (P2008-045733)
出願日 平成20年2月27日(2008.2.27)
審査請求日 平成23年2月21日(2011.2.21)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304036743
【氏名又は名称】国立大学法人宇都宮大学
発明者または考案者 【氏名】伊藤 聡志
【氏名】山田 芳文
個別代理人の代理人 【識別番号】100117226、【弁理士】、【氏名又は名称】吉村 俊一
審査官 【審査官】島田 保
参考文献・文献 特開2007-301159(JP,A)
特開2005-253702(JP,A)
伊藤聡志、川和康宏、他,「位相拡散フーリエ法を利用したシングルコイル・パラレルイメージングの基礎検討」,電子情報通信学会技術研究報告,2008年 9月10日,Vol.108,No.209(MI2008 35-44),p21-p26
伊藤聡志、中村俊、他,「位相拡散フーリエ変換映像法を用いたMRアンチエイリアス画像再構成」,電子情報通信学会論文誌D,2007年 4月 1日,Vol.J90-D,No.4,p1149-p1157
S. Ito, N. Liu, Y. Yamada,“Improving Super-resolution by Adopting Phase-scrambling Fourier Imaging”,Proc. Intl. Soc. Mag. Reson. Med.,2007年 5月19日,p1907
調査した分野 A61B 5/055
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII)
Wiley InterScience
特許請求の範囲 【請求項1】
被検体に所定の磁界を印加して当該被検体の組織を構成する原子の原子核に磁気共鳴を生じさせ、前記被検体内部の局所的な核磁化の位相を空間的に変調して当該被検体内部の画像を再構成する磁気共鳴画像化装置であって、
前記被検体が載置される空間内に、均一な静磁界及び線形勾配を有する勾配磁界を少なくとも含む前記所定の磁界を発生させる磁界発生手段と、
前記原子の原子核に磁気共鳴を生じさせる高周波パルスを発生する高周波パルス発生手段と、
前記磁気共鳴を生じさせて前記原子核のスピンにおける位相を空間的に2次関数状に変調させるため、前記磁界発生手段及び前記高周波パルス発生手段を所定のシーケンスにて動作制御させる制御手段と、
前記所定のシーケンスにしたがって前記被検体から放出される核磁気共鳴信号を受信する受信範囲内にて異なる磁気感度分布を有する受信手段と、
前記受信した核磁気共鳴信号を所定のデータに符号化する符号化手段と、
前記符号化されたデータに基づいて前記被検体内部の画像を再構成する画像再構成演算を行う処理手段と、
を備え、
前記磁界発生手段、前記高周波パルス発生手段及び前記制御手段が、前記核磁化の位相を2次関数状に変調させるために使用する、高周波パルスの外形、2次関数状の磁界を発生させるためのコイルの係数、前記原子核固有の定数、及び発生させた2次関数状磁界を印加する時間、から構成されたパラメータに基づき、前記原子核のスピンにおける位相を変調させる位相変調を施した位相変調信号を生成するとともに、
前記処理手段が、前記生成された位相変調信号と断層面画像上にて所定の感度分布を有する感度分布信号とに基づいて疑似位相変調信号を生成し、前記生成された位相変調信号及び疑似位相変調信号を用いて前記画像再構成演算を行うことを特徴とする磁気共鳴画像化装置。
【請求項2】
請求項1に記載の磁気共鳴画像化装置において、
前記処理手段が、前記生成された位相変調信号及び疑似位相変調信号をそれぞれ逆フーリエ変換して前記画像再構成演算を行うことを特徴とする磁気共鳴画像化装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の磁気共鳴画像化装置において、
前記受信手段が、単一のコイルから構成されることを特徴とする磁気共鳴画像化装置。
【請求項4】
請求項1に記載の磁気共鳴画像化装置において、
複数の前記疑似位相変調信号が生成された場合に、
前記処理手段が、前記各疑似位相変調信号をそれぞれ逆フーリエ変換して前記画像再構成演算を行うことを特徴とする磁気共鳴画像化装置。
【請求項5】
請求項4に記載の磁気共鳴画像化装置において、
前記受信手段が、2以上のコイルから構成される場合に、
前記処理手段が、各コイルから取得された符号化データにて前記各位相変調信号を生成することを特徴とする磁気共鳴画像化装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一項に記載の磁気共鳴画像化装置において、
前記処理手段が、前記生成された位相変調信号に前記感度分布信号を乗算して前記疑似位相変調信号を生成することを特徴とする磁気共鳴画像化装置。
【請求項7】
請求項1乃至5の何れか一項に記載の磁気共鳴画像化装置において、
前記処理手段が、前記生成された位相変調信号における画像信号を生成し、当該生成された画像信号に前記感度分布信号を乗算して前記疑似位相変調信号を生成することを特徴とする磁気共鳴画像化装置。
【請求項8】
請求項7に記載の磁気共鳴画像化装置において、
前記パラメータに前記画像信号における画像サイズを定める値が含まれるとともに、
前記処理手段が、前記パラメータに基づき、当該原子核のスピンにおける位相を変調させる位相変調を施しつつ、フーリエ変換及び逆フーリエ変換を実行することによって前記画像信号を生成することを特徴とする磁気共鳴画像化装置。
【請求項9】
被検体に所定の磁界を印加して当該被検体の組織を構成する原子の原子核に磁気共鳴を生じさせ、前記被検体内部の局所的な核磁化の位相を空間的に変調して当該被検体内部の画像を再構成する磁気共鳴画像化方法であって、
前記被検体が載置される空間内に、均一な静磁界及び線形勾配を有する勾配磁界を少なくとも含む前記所定の磁界を発生させる磁界発生工程と、
前記原子の原子核に磁気共鳴を生じさせる高周波パルスを発生させる高周波パルス発生工程と、
前記磁気共鳴を生じさせて前記原子核のスピンにおける位相を空間的に2次関数状に変調させるため、前記磁界発生手段及び前記高周波パルス発生手段を所定のシーケンスにて動作制御させる制御工程と、
前記所定のシーケンスにしたがって前記被検体から放出される核磁気共鳴信号を、受信範囲内にて異なる磁気感度分布を有する受信手段に受信させる受信工程と、
前記受信した核磁気共鳴信号を所定のデータに符号化する符号化工程と、
前記符号化されたデータに基づいて前記被検体内部の画像を再構成する画像再構成演算を行う処理工程と、
を含み、
前記被検体内部の画像を再構成する際に、前記核磁化の位相を2次関数状に変調させるために使用する、高周波パルスの外形、2次関数状の磁界を発生させるためのコイルの係数、前記原子核固有の定数、及び発生させた2次関数状磁界を印加する時間、から構成されたパラメータに基づき、当該原子核のスピンにおける位相を変調させる位相変調を施した位相変調信号を生成するとともに、当該生成された位相変調信号と断層面画像上にて所定の感度分布を有する感度分布信号とに基づいて疑似位相変調信号を生成し、前記生成された位相変調信号及び疑似位相変調信号を用いて前記画像再構成演算を行うことを特徴とする磁気共鳴画像化方法。
【請求項10】
被検体に所定の磁界を印加して当該被検体の組織を構成する原子の原子核に磁気共鳴を生じさせ、前記被検体内部の局所的な核磁化の位相を空間的に変調して当該被検体内部の画像を再構成する磁気共鳴画像化装置に用いる磁気共鳴画像化プログラムであって、前記被検体が載置される空間内に、均一な静磁界及び線形勾配を有する勾配磁界を少なくとも含む前記所定の磁界を発生させる磁界発生手段と、前記原子の原子核に磁気共鳴を生じさせる高周波パルスを発生する高周波パルス発生手段と、前記磁気共鳴を生じさせて前記原子核のスピンにおける位相を空間的に2次関数状に変調させるため、前記磁界発生手段及び前記高周波パルス発生手段を所定のシーケンスにて動作制御させる制御手段と、を備え、コンピュータによって前記所定のシーケンスにしたがって前記被検体から放出される核磁気共鳴信号を受信し、所定のデータに符号化して前記被検体内部の画像を再構成する画像再構成演算を行う前記磁気共鳴画像化装置に用いる磁気共鳴画像化プログラムにおいて、
前記コンピュータを、
前記所定のシーケンスにしたがって前記被検体から放出される核磁気共鳴信号を、受信範囲内にて異なる磁気感度分布を有する受信手段に受信させて取得する取得手段、
前記受信した核磁気共鳴信号を所定のデータに符号化する符号化手段、
前記符号化されたデータに基づいて前記被検体内部の画像を再構成する画像再構成演算を行う演算手段、
前記画像再構成演算を行うことによって画像データを生成して出力する出力手段、
として機能させるとともに、
前記演算手段としては、前記核磁化の位相を2次関数状に変調させるために使用する、高周波パルスの外形、2次関数状の磁界を発生させるためのコイルの係数、前記原子核固有の定数、及び発生させた2次関数状磁界を印加する時間、から構成されたパラメータに基づき、当該原子核のスピンにおける位相を変調させる位相変調を施した位相変調信号を生成させるとともに、当該生成された位相変調信号と断層面画像上にて所定の感度分布を有する感度分布信号とに基づいて疑似位相変調信号を生成させ、前記生成された位相変調信号及び疑似位相変調信号を用いて前記画像再構成演算を行わせることを特徴とする磁気共鳴画像化プログラム。
【請求項11】
コンピュータに読み取り可能な情報記憶媒体であって、請求項10に記載の磁気共鳴画像化プログラムを記憶したことを特徴とする情報記憶媒体。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気共鳴画像法(MRI: Magnetic Resonance Imaging)を用いた画像化装置の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、磁気共鳴画像法(MRI: Magnetic Resonance Imaging)を用いた画像化装置(以下、「MRI装置」という。)は、観察部位の断層像などの画像を撮像するものとして知られている。このMRI装置は、被検体の主な構成物質である例えばプロトンすなわち水素原子核の核磁気共鳴(NMR: nuclear magnetic resonance)現象を用いて被検体から発生する核磁気共鳴信号を検出するようになっており、検出された核磁気共鳴信号に位置情報を加え、信号の強度分布を画像化するようになっている。
【0003】
具体的には、このようなMRI装置では、静磁界が発生された装置内に被検体を載置し、当該被検体内の組織を構成する原子核の原子核スピンに対して、静磁界の強さによって定まる周波数(ラーモア周波数)にて静磁界方向を軸として歳差運動を行わせるようになっている。また、このMRI装置は、このラーモア周波数と等しい周波数の高周波パルスを、被検体に対して照射してスピンを励起させ、高いエネルギー状態に遷移させるようになっている。そして、このMRI装置は、スピンを励起させた後に、高周波パルスの照射を停止し、各スピンがそれぞれの状態に応じた時定数にて低いエネルギー状態に戻る際に外部に放出する電磁波を、この周波数に同調した高周波受信コイルによって検出するようになっており、当該受信コイルにより受信する際に、三軸方向の勾配磁界を静磁界空間に印加することによって空間内の位置情報を周波数情報として取得するようになっている。
【0004】
特に、このようなMRI装置においては、位置情報を得るために、スピンエコー(SE)法又は勾配エコー(グラディエントエコー(GRE))法など各種の高周波パルスの照射及び勾配磁界の印加のレベルやタイミング、すなわち、パルスシーケンスを用いるようになっている。
【0005】
そして、この場合には、これらのパルスシーケンスとともに磁界の強度が空間座標に比例して変化する線形勾配磁界を用いて被検体のスピン密度分布関数のフーリエ変換式で記述可能な信号を検出し、検出された信号に対して逆フーリエ変換(以下、「フーリエ変換映像法」という。)又は位相変調を行いつつ逆フーリエ変換(以下、「位相拡散フーリエ変換映像法による逆フーリエ変換再構成法」という。)などの画像再構成演算を行うことによって被検体の画像化を行うようになっている(例えば、非特許文献1、2及び3)。

【非特許文献1】A.Kumar, D.Welti, R.R.Ernst, ``NMR Fourier zeugmatography", J.Magn.Reson., Vol.18, pp.69-83(1975).
【非特許文献2】山田芳文, 林 武彦, 田中邦雄, 阿部善右衛門, ``NMRフレネル変換映像法の空間分解能", 電子情報通信学会論文誌, Vol.J71-C, No.8, pp.1203-1209(1988)
【非特許文献3】A.A.Maudsley, ``Dynamic range improvement in NMR imaging using phase scrambling", J.Magn.Reson., Vol.76, pp.287--305(1988).
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の各種のMRI装置においては、画像再構成演算が為された被検体画像に対して、アーチファクト(偽像)対策又解像度の維持を行うためには、的確にかつ十分に信号を検出する必要があるので、信号測定の簡易化及び装置自体のハードウェア構成の簡略化を行うことが難しい。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、アーチファクト対策及び解像度の維持を実行しつつ、信号測定の高速化及び装置自体のハードウェア構成の簡略化を行うことができる磁気共鳴画像化装置、磁気共鳴画像化方法、磁気共鳴画像化プログラム及びそれを記録した情報記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するための請求項1に記載の磁気共鳴画像化装置は、被検体に所定の磁界を印加して当該被検体の組織を構成する原子の原子核に磁気共鳴を生じさせ、前記被検体内部の局所的な核磁化の位相を空間的に変調して当該被検体内部の画像を再構成する磁気共鳴画像化装置であって、
前記被検体が載置される空間内に、均一な静磁界及び線形勾配を有する勾配磁界を少なくとも含む前記所定の磁界を発生させる磁界発生手段と、
前記原子の原子核に磁気共鳴を生じさせる高周波パルスを発生する高周波パルス発生手段と、
前記磁気共鳴を生じさせて前記原子核のスピンにおける位相を空間的に2次関数状に変調させるため、前記磁界発生手段及び前記高周波パルス発生手段を所定のシーケンスにて動作制御させる制御手段と、
前記所定のシーケンスにしたがって前記被検体から放出される核磁気共鳴信号を受信する受信範囲内にて異なる磁気感度分布を有する受信手段と、
前記受信した核磁気共鳴信号を所定のデータに符号化する符号化手段と、
前記符号化されたデータに基づいて前記被検体内部の画像を再構成する画像再構成演算を行う処理手段と、
を備え、
前記磁界発生手段、前記高周波パルス発生手段及び前記制御手段が、前記核磁化の位相を2次関数状に変調させるために使用する、高周波パルスの外形、2次関数状の磁界を発生させるためのコイルの係数、前記原子核固有の定数、及び発生させた2次関数状磁界を印加する時間、から構成されたパラメータに基づき、当該原子核のスピンにおける位相を変調させる位相変調を施した位相変調信号を生成するとともに、
前記処理手段が、前記生成された位相変調信号と断層面画像上にて所定の感度分布を有する感度分布信号とに基づいて疑似位相変調信号を生成し、前記生成された位相変調信号及び疑似位相変調信号を用いて前記画像再構成演算を行うことを特徴とする。
【0009】
この構成により請求項1に記載の発明は、核磁化の位相を2次関数状に変調させるために使用する上記所定のパラメータ(高周波パルスの外形、2次関数状の磁界を発生させるためのコイルの係数、前記原子核固有の定数、及び発生させた2次関数状磁界を印加する時間)に基づいて生成された位相変調信号と、当該位相変調信号と断層面画像上にて所定の感度分布を有する感度分布信号とに基づいて疑似位相変調信号を生成し、生成された位相変調信号及び疑似位相変調信号を用いて前記画像再構成演算を行うことができる。
【0010】
通常、再構成画像演算にて算出される各信号、すなわち、断層面画像として形成される像においては、視野内の像と視野から逸脱した像の一次結合と想定することができるので、受信手段の感度分布と感度分布信号が予め算出されていれば、位相変調信号及び疑似位相変調信号の再構成演算を行い、算出された各信号に対して連立方程式の演算を解くことによって視野内の像に重畳された視野から逸脱した像を分離することも容易になる。
【0011】
したがって、請求項1に記載の発明は、たとえサンプリング定理を満足しないデータを符号化したとしても、擬似位相変調信号によってその補完を行うことができるので、受信手段に単一コイルを用いること、又は、データのサンプリング数を減少させてデータ収集の時間を短縮することなど、アーチファクト対策及び解像度の維持を実行させつつ、信号測定の高速化及び装置自体のハードウェア構成の簡略化を行うことができる。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の磁気共鳴画像化装置において、前記処理手段が、前記生成された位相変調信号及び疑似位相変調信号をそれぞれ逆フーリエ変換して前記画像再構成演算を行う構成を有している。
【0013】
すなわち、請求項2に記載の発明は、画像再構成演算を行う際に位相拡散フーリエ変換映像法を用いており、アーチファクト対策及び解像度の維持を実行させつつ、信号測定の高速化及び装置自体のハードウェア構成の簡略化を行うことができるとともに、位相変調信号及び疑似位相変調信号に対して再構成画像演算を行う場合に、簡易な演算によって当該再構成画像を算出することができる。
【0014】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の磁気共鳴画像化装置において、前記受信手段が、単一のコイルから構成されるので、被検体内部の画像を再構成する際に、装置自体のハードウェア構成の簡略化を行うことができる。
【0015】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の磁気共鳴画像化装置において、複数の前記疑似位相変調信号が生成された場合に、前記処理手段が、前記各疑似位相変調信号をそれぞれ逆フーリエ変換して前記画像再構成演算を行う構成を有している。
【0016】
すなわち、請求項4に記載の発明は、画像再構成演算を行う際にフレネル変換映像法を用いており、アーチファクト対策及び解像度の維持を実行させつつ、信号測定の高速化及び装置自体のハードウェア構成の簡略化を行うことができるとともに、位相変調信号及び疑似位相変調信号に対して再構成画像演算を行う場合に、簡易な演算によって当該再構成画像をより的確に算出することができる。
【0017】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の磁気共鳴画像化装置において、前記受信手段が、2以上のコイルから構成される場合に、前記処理手段が、各コイルから取得された符号化データにて前記各位相変調信号を生成する構成を有している。
【0018】
この構成により、請求項5に記載の発明は、受信コイルが2以上の受信手段を有する装置についても適用可能であるとともに、使用したコイルの数によってデータの取得時間の短縮化を行うことができる。
【0019】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の何れか一項に記載の磁気共鳴画像化装置において、前記処理手段が、前記生成された位相変調信号に前記感度分布信号を乗算して前記疑似位相変調信号を生成する構成を有している。
【0020】
この構成により、請求項6に記載の発明は、疑似位相変調信号を容易に生成することができるので、画像再構成画像の演算の負荷を軽減させることができる。
【0021】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1乃至5の何れか一項に記載の磁気共鳴画像化装置において、前記処理手段が、前記生成された位相変調信号における画像信号を生成し、当該生成された画像信号に前記感度分布信号を乗算して前記疑似位相変調信号を生成する構成を有している。
【0022】
この構成により、請求項8に記載の発明は、疑似位相変調信号を生成する際に、フレネル変換を行ったとしても、アーチファクト対策及び解像度の維持を実行させつつ、信号測定の簡易化及び装置自体のハードウェア構成の簡略化を行うことができるとともに、位相変調信号及び疑似位相変調信号に対して再構成画像演算を行う場合に、簡易な演算によって当該再構成画像をより的確に算出することができる。
【0023】
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の磁気共鳴画像化装置において、前記パラメータに前記画像信号における画像サイズを定める値が含まれるとともに、前記処理手段が、前記パラメータに基づき、当該原子核のスピンにおける位相を変調させる位相変調を施しつつ、フーリエ変換及び逆フーリエ変換を実行することによって前記画像信号を生成する構成を有している。
【0024】
この構成により、請求項8に記載の発明は、疑似位相変調信号を生成する際に、フレネル変換映像法を用いることができる。
【0025】
上記の課題を解決するための請求項9に記載の磁気共鳴画像化方法は、被検体に所定の磁界を印加して当該被検体の組織を構成する原子の原子核に磁気共鳴を生じさせ、前記被検体内部の局所的な核磁化の位相を空間的に変調して当該被検体内部の画像を再構成する磁気共鳴画像化方法であって、
前記被検体が載置される空間内に、均一な静磁界及び線形勾配を有する勾配磁界を少なくとも含む前記所定の磁界を発生させる磁界発生工程と、前記原子の原子核に磁気共鳴を生じさせる高周波パルスを発生させる高周波パルス発生工程と、前記磁気共鳴を生じさせて前記原子核のスピンにおける位相を空間的に2次関数状に変調させるため、前記磁界発生手段及び前記高周波パルス発生手段を所定のシーケンスにて動作制御させる制御工程と、前記所定のシーケンスにしたがって前記被検体から放出される核磁気共鳴信号を、受信範囲内にて異なる磁気感度分布を有する受信手段に受信させる受信工程と、前記受信した核磁気共鳴信号を所定のデータに符号化する符号化工程と、前記符号化されたデータに基づいて前記被検体内部の画像を再構成する画像再構成演算を行う処理工程と、を含み、
前記被検体内部の画像を再構成する際に、前記核磁化の位相を2次関数状に変調させるために使用する、高周波パルスの外形、2次関数状の磁界を発生させるためのコイルの係数、前記原子核固有の定数、及び発生させた2次関数状磁界を印加する時間、から構成されたパラメータに基づき、当該原子核のスピンにおける位相を変調させる位相変調を施した位相変調信号を生成するとともに、当該生成された位相変調信号と断層面画像上にて所定の感度分布を有する感度分布信号とに基づいて疑似位相変調信号を生成し、前記生成された位相変調信号及び疑似位相変調信号を用いて前記画像再構成演算を行うことを特徴とする。
【0026】
この構成により請求項9に記載の発明は、被検体内部の画像を再構成する際に所定のパラメータに基づいて生成された位相変調信号と、当該位相変調信号と断層面画像上にて所定の感度分布を有する感度分布信号とに基づいて疑似位相変調信号を生成し、生成された位相変調信号及び疑似位相変調信号を用いて前記画像再構成演算を行うことができる。
【0027】
通常、再構成画像演算にて算出される各信号、すなわち、断層面画像として形成される像においては、視野内の像と視野から逸脱した像の一次結合と想定することができるので、受信手段の感度分布と感度分布信号が予め算出されていれば、位相変調信号及び疑似位相変調信号の再構成演算を行い、算出された各信号に対して連立方程式の演算を解くことによって視野内の像に重畳された視野から逸脱した像を分離することも容易になる。
【0028】
したがって、請求項9に記載の発明は、たとえサンプリング定理を満足しないデータを符号化したとしても、擬似的位相変調信号によってその補完を行うことができるので、受信手段に単一コイルを用いること、又は、データのサンプリング数を減少させてデータ収集の時間を短縮することなど、アーチファクト対策及び解像度の維持を実行させつつ、信号測定の高速化及び装置自体のハードウェア構成の簡略化を行うことができる。
【0029】
上記の課題を解決するための請求項10に記載の磁気共鳴画像化プログラムは、被検体に所定の磁界を印加して当該被検体の組織を構成する原子の原子核に磁気共鳴を生じさせ、前記被検体内部の局所的な核磁化の位相を空間的に変調して当該被検体内部の画像を再構成する磁気共鳴画像化装置に用いる磁気共鳴画像化プログラムであって、前記被検体が載置される空間内に、均一な静磁界及び線形勾配を有する勾配磁界を少なくとも含む前記所定の磁界を発生させる磁界発生手段と、前記原子の原子核に磁気共鳴を生じさせる高周波パルスを発生する高周波パルス発生手段と、前記磁気共鳴を生じさせて前記原子核のスピンにおける位相を空間的に2次関数状に変調させるため、前記磁界発生手段及び前記高周波パルス発生手段を所定のシーケンスにて動作制御させる制御手段と、を備え、コンピュータによって前記所定のシーケンスにしたがって前記被検体から放出される核磁気共鳴信号を受信し、所定のデータに符号化して前記被検体内部の画像を再構成する画像再構成演算を行う前記磁気共鳴画像化装置に用いる磁気共鳴画像化プログラムにおいて、
前記コンピュータを、
前記所定のシーケンスにしたがって前記被検体から放出される核磁気共鳴信号を、受信範囲内にて異なる磁気感度分布を有する受信手段に受信させて取得する取得手段、前記受信した核磁気共鳴信号を所定のデータに符号化する符号化手段、前記符号化されたデータに基づいて前記被検体内部の画像を再構成する画像再構成演算を行う演算手段、前記画像再構成演算を行うことによって画像データを生成して出力する出力手段、として機能させるとともに、
前記演算手段としては、前記核磁化の位相を2次関数状に変調させるために使用する、高周波パルスの外形、2次関数状の磁界を発生させるためのコイルの係数、前記原子核固有の定数、及び発生させた2次関数状磁界を印加する時間、から構成されたパラメータに基づき、当該原子核のスピンにおける位相を変調させる位相変調を施した位相変調信号を生成させるとともに、当該生成された位相変調信号と断層面画像上にて所定の感度分布を有する感度分布信号とに基づいて疑似位相変調信号を生成させ、前記生成された位相変調信号及び疑似位相変調信号を用いて前記画像再構成演算を行わせることを特徴とする。
【0030】
この構成により請求項10に記載の発明は、核磁化の位相を2次関数状に変調させるために使用する上記所定のパラメータに基づいて生成された位相変調信号と、当該位相変調信号と断層面画像上にて所定の感度分布を有する感度分布信号とに基づいて疑似位相変調信号を生成し、生成された位相変調信号及び疑似位相変調信号を用いて前記画像再構成演算を行うことができる。
【0031】
通常、再構成画像演算にて算出される各信号、すなわち、画像として形成される像においては、視野内の像と視野から逸脱した像の一次結合と想定することができるので、受信手段の感度分布と感度分布信号が予め算出されていれば、位相変調信号及び疑似位相変調信号の再構成演算を行い、算出された各信号に対して連立一次方程式の演算を解くことによって視野内の像に重畳された視野から逸脱した像を分離することも容易になる。
【0032】
したがって、請求項10に記載の発明は、たとえサンプリング定理を満足しないデータを符号化したとしても、擬似位相変調信号によってその補完を行うことができるので、受信手段に単一コイルを用いること、又は、データのサンプリング数を減少させてデータ収集の時間を短縮することなど、アーチファクト対策及び解像度の維持を実行させつつ、信号測定の簡易化及び装置自体のハードウェア構成の簡略化を行うことができる。
【0033】
上記の課題を解決するための請求項11に記載の情報記録媒体は、コンピュータに読み取り可能な情報記憶媒体であって、請求項10に記載の磁気共鳴画像化プログラムを記憶したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0034】
本発明は、たとえサンプリング定理を満足しないデータを符号化したとしても、擬似的位相変調信号によってその補完を行うことができるので、受信手段に単一コイルを用いること、又は、データのサンプリング数を減少させてデータ収集の時間を短縮することなど、アーチファクト対策及び解像度の維持を実行させつつ、信号測定の高速化及び装置自体のハードウェア構成の簡略化を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
次に、本発明に好適な実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、本発明は、その技術的特徴を有する範囲を包含し、以下に示す図面等に限定されない。また、以下の実施の形態においては、2次関数状の位相変調を与えるエネルギーとして磁界を用いて説明する。
【0036】
本発明のMRI装置は、被検体に所定の磁界を印加して当該被検体の組織を構成する原子の原子核に磁気共鳴を生じさせ、その被検体内部の局所的な核磁化の位相を空間的に変調して被検体内部の画像を再構成する装置である。このMRI装置においては、被検体が載置される空間内に、均一な静磁界及び線形勾配を有する勾配磁界を少なくとも含む前記所定の磁界を発生させる磁界発生手段と、原子の原子核に磁気共鳴を生じさせる高周波パルスを発生する高周波パルス発生手段と、磁気共鳴を生じさせて前記原子核のスピンにおける位相を空間的に2次関数状に変調させるため、磁界発生手段及び高周波パルス発生手段を所定のシーケンスにて動作制御させる制御手段と、所定のシーケンスにしたがって被検体から放出される核磁気共鳴信号を受信する受信範囲内にて異なる磁気感度分布を有する受信手段と、受信した核磁気共鳴信号を所定のデータに符号化する符号化手段と、符号化されたデータに基づいて被検体内部の画像を再構成する画像再構成演算を行う処理手段と、を備えている。そして、本発明の特徴的な構成は、磁界発生手段、高周波パルス発生手段及び制御手段が、前記核磁化の位相を2次関数状に変調させるために使用する、高周波パルスの外形、2次関数状の磁界を発生させるためのコイルの係数、前記原子核固有の定数、及び発生させた2次関数状磁界を印加する時間、から構成されたパラメータに基づき、原子核のスピンにおける位相を変調させる位相変調を施した位相変調信号を生成するとともに、処理手段が、前記生成された位相変調信号と断層面画像上にて所定の感度分布を有する感度分布信号とに基づいて疑似位相変調信号を生成し、生成された位相変調信号及び疑似位相変調信号を用いて画像再構成演算を行うことにある。
【0037】
以下に説明する実施の形態は、MRI装置及び当該MRI装置に用いる方法に対して本願発明を適用した場合の実施形態である。
【0038】
〔第1実施形態〕
始めに、図1~図6を用いて本願に係るMRI装置における第1実施形態について説明する。
【0039】
まず、図1から図3の各図を用いて本実施形態のMRI装置の概略動作について説明する。なお、図1は、本実施形態のMRI装置の構成を示すブロック図あり、図2は、本実施形態のMRI装置における効果を説明するための図である。また、図3は、本実施形態における発明の原理を説明するための図であり、図4は、アーチファクトが発生した再構成画像と画像信号との関係を説明するための図である。図5は、本実施形態における再構成画像の生成原理を説明するための図であり、図6は、本実施形態のパルスシーケンスを示すシーケンス図である。
【0040】
本実施形態のMRI装置100は、図1に示すように、均一な静磁界を所定空間内に発生させるとともに、所定のタイミングにて、所定の空間内に載置された被写体に印加するX、Y、Z軸の三軸方向の勾配磁界と、印加する磁界強度が2次関数状に変化している磁界((以下、「特徴磁界」という。)と、を発生させ、静磁界に重畳させるようになっている。
【0041】
また、このMRI装置100は、被検体10の組織を構成する原子核に磁気共鳴を起こさせるための高周波磁気パルスを所定のタイミング毎に当該被検体10に照射し、かつ、高周波磁気パルスを照射し、被検体10の組織を構成する原子核の磁気共鳴によって放出される各エコー信号を検出するようになっており、検出したエコー信号に所定の演算処理を行うとともに被検体10における所望の検査部位の断層像を示す画像データを生成するようになっている。
【0042】
本実施形態のMRI装置100は、静磁界に磁界強度が線形に変化する線形勾配の勾配磁界と特徴磁界とが重畳された重畳磁界において、被検体10に高周波磁界を印加し、当該高周波磁界の印加により被検体10内の原子核とのエネルギーの吸収共鳴によって生ずる核磁気共鳴交番磁界を捕捉して誘導電圧を検出するようになっている。
【0043】
また、このMRI装置100は、検出された誘導電圧に基づいて、各部の各磁化の位相が空間座標に対して非線形、具体的には、2乗関数的な形態にて推移したものの合成値に比例した振幅を有するエコー信号を取得するようになっている。特に、本実施形態のMRI装置100は、位相エンコード方向の線形勾配磁界に同期して特徴磁界を発生させるようになっており、位相エンコード方向の勾配磁界を印加する毎にエコー信号を測定データとして順次取得するようになっている。
【0044】
なお、測定データは、核磁化の位相を2次関数状に変調させるために使用する、高周波パルスの外形、2次関数状の磁界(特徴磁界)を発生させるためのコイルの係数、原子核固有の定数(核磁気回転比)γ、及び発生させた2次関数状磁界(特徴磁界)を印加する時間τ、から構成されたパラメータ(以下、「撮像パラメータ」という。)に基づき、被検体10内の各原子核のスピンにおける位相を変調させるための位相変調を施した位相変調信号である。
【0045】
本実施形態のMRI装置100は、この取得した測定データである位相変調信号に対して所定の演算(以下、「画像再構成演算」という。)を実行し、当該被検体10における所望の検査部位の断層像(2次元画像)を示す画像データを生成するようになっている。
【0046】
特に、このMRI装置100は、この生成された位相変調信号に断層面画像上にて所定の感度分布を有する感度分布信号を乗算して疑似位相変調信号(以下、「疑似測定データ」ともいう。)を生成し、生成された位相変調信号及び疑似位相変調信号をそれぞれ逆フーリエ変換する演算を行うになっている。そして、このMRI装置100は、この逆フーリエ変換された2式を用いて画像再構成演算を実行し、当該被検体10における所望の検査部位の断層像(2次元画像)を示す画像データを生成するようになっている。
【0047】
通常、特徴磁場を印加せずに従来の方法によって取得されたエコー信号に対して逆フーリエ変換を行いつつ画像を再構成する方法(以下、「フーリエ変換映像法」という。)、又は、上述のように取得した測定データに対して位相変調を行いつつ逆フーリエ変換を行って画像を再構成する方法(以下、「位相拡散フーリエ変換映像法」という。)であっては、非検体画像に対するアーチファクト(偽像)の発生を抑制するために、位相エンコード方向のサンプリング周波数が被検体10から放出される信号の最大周波数より大きくなるサンプリング定理を満足させる必要がある。したがって、サンプリング周波数を大きくすること、すなわち、位相エンコード方向における読み取りステップ(時間ステップ)の間隔を大きくすることによって測定データの取得時間を短時間にすることが難しい。
【0048】
具体的には、測定データを取得するために用いる受信コイルはその磁気感度が空間的に一様ではなく、例えば、受信コイルの中央で感度が最大になるように空間的に異なる値を有している。このため、図2(a)に示す感度分布S(x,y)を有する受信コイルを用いて図2(b)に示すサンプリング定理を満足する信号収集を行った場合には、図2(c)に示すように、被写体のスピン密度分布関数ρ(x,y)に感度分布が乗じられた再生画像信号S(x,y)ρ(x,y)が生成される。
【0049】
その一方、図2(d)に示すように、測定データの位相エンコード方向における時間ステップを間引いて実行する場合には、サンプリング定理を満足させないと、図2(e)に示すように、視野幅の縮小が生じるとともにエイリアスが発生してしまう。
【0050】
すなわち、核磁気共鳴交番磁界を受信する際に、単一のコイルから構成される受信手段では、図2(d)及び(e)によって示されるように、位相エンコード方向における時間ステップを間引くことができず、すなわち、2以上のコイルを用いて相互に取得データを補完することができず、解像度が悪化し、かつ、アーチファクトが発生することとなる。したがって、従来の方法においては、的確に再構成画像を生成するためには、十分に時間を要して測定データの取得をしなければならない。
【0051】
他方、位相拡散フーリエ変換映像法にて得られた測定データは、光又は音波の回折によって生じた波面分布と同形となり、当該測定データの信号振幅においては、図3(a)に示すように、画像をぼかした形式を有する。したがって、この測定データは、画像信号でないものの画像の一種とみなすことができるので、この信号に対して図3(b)に示すような感度分布に相当する関数の信号(以下、「模擬感度分布信号」)Sを乗じた後に、画像再生を行うと、等価的に画像に新たな感度分布を与えたことに相当する結果をえることができる。
【0052】
一方、例えば、図4(a)に示すような所望の検査部位の2次元画像を示す画像データについて、所定の受信コイルによって位相エンコード方向における時間ステップが間引かれて測定データを取得し、再構成画像が生成された場合には、図4(b)に示すようなアーチファクトが発生した再構成画像信号Iが得られるが、当該再構成画像信号Iは、図4(c)及び図4(d)のような受信コイルの感度分布信号Sと被写体関数(スピン密度分布関数)ρに基づいて、視野内の像の画像信号S(x,y)ρ(x,y)と、視野から逸脱した像の信号部分の一次結合として(式1)として考えることができる。
【0053】
【数1】
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【0054】
また、異なる位置に設けられた他の受信コイルによって上述のように測定データを収集したとすると、(式2)に示すように再構成画像信号Iを求めることができる。
【0055】
【数2】
JP0004756193B2_000003t.gif

【0056】
なお、式1,2において「上線」が付された S(x,y)及びS(x,y)と、ρ(x,y) は,それぞれ像の折り返し(アーチファクト)により再生像空間上の位置のシフトを考慮した感度と被写体関数であり、(式1)及び(式2)の右辺第2項は、視野から逸脱した像の信号を示す。
【0057】
したがって、感度分布信号S及びSをそれぞれ予め測定等によって算出しておけば、(式1)及び(式2)の連立方程式を解くことによって各被写体のスピン密度分布ρ及びρを算出することができるので、最終的に、アーチファクトを除去した再生画像信号ρを求めることができる。
【0058】
すなわち、本実施形態のMRI装置100は、測定データと当該測定データに対して模擬感度分布信号を乗じた信号とに基づいて再構成画像信号を生成すれば、これらの2種類の画像信号から上述の演算を行うことによって結果的に折り返しにより発生したアーチファクトを有する再構成画像から当該アーチファクトを除去することができるようになっている。
【0059】
具体的には、図5(a)及び(b)に示すように、所定の条件の下、位相拡散フーリエ変換映像法にて取得した測定データに(式3)を満足する感度分布信号Sを乗じた場合には、図5(c)に示される再構成画像が生成され、図5(d)に示すような再構成画像上の感度分布が得られる。なお、aは、予め定められた係数を示す。
【0060】
【数3】
JP0004756193B2_000004t.gif

【0061】
このとき、図5(d)の再構成画像上の輝度値(例えば、直線L上の輝度値)の相対的な振幅値の比は、略直線的となり、図5(e)に示すように、測定データに対して感度分布信号Sを乗じた場合と同一の感度分布を示すこととなる。
【0062】
例えば、2次元画像の画像再構成を行う場合であって、勾配磁界Gz、高周波パルス、位相エンコード方向の勾配磁界Gy及び読み取り方向の勾配磁界Gxを印加させるととともに、磁界強度が非線形に変化する特徴磁界を一定時間τのみ被検体10に印加させ、特徴磁界を発生させつつ、エコー信号を順次検出する場合には、緩和による信号の減衰を無視すると、順次検出された各エコー信号における検波された信号によって(式4)から(式6)により(式7)に示す測定データv(k,k)を取得することができるようになっている。
【0063】
【数4】
JP0004756193B2_000005t.gif

【0064】
【数5】
JP0004756193B2_000006t.gif

【0065】
【数6】
JP0004756193B2_000007t.gif

【0066】
【数7】
JP0004756193B2_000008t.gif

【0067】
なお、(式4)は、特徴磁界を印加しない場合において、すなわち、フーリエ変換映像法において取得される測定データを示し、当該(式4)において、(k=γG)及び(ky=γG)とおくと、(式5)が得られるようになっている。また、本実施形態では、例えば、特徴磁界として(式6)を満たす2次関数状磁界を印加するようになっており、位相エンコード方向(y方向)の勾配磁界Gyは、図6に示すように、時間tだけ印加され、読み取り方向(x方向)の勾配磁界Gが印加される。ただし、ρは、被写体関数を示し、γは核の固有の定数(核磁気回転比)を示す。
【0068】
一方、この(式7)は、(式8)から(式10)に示すように数式の変形及び変数変換を行うことによってフレネル回析式と同形の式を導くことができるようになっている。ただし、(式10)におけるx’及びy’は、以下の(式11)によって変数変換を行った形である。
【0069】
【数8】
JP0004756193B2_000009t.gif

【0070】
【数9】
JP0004756193B2_000010t.gif

【0071】
【数10】
JP0004756193B2_000011t.gif

【0072】
【数11】
JP0004756193B2_000012t.gif

【0073】
なお、上述の(式10)は、x’及びy’にて変数変換された測定データv(x’,y’)に対して2次の位相変調項が乗算されている形となっており、vfrは、フレネル変換形式に変換された測定データを示す。
【0074】
また、位相拡散フーリエ変換映像法の測定データの形式は、上述のようにフレネル変換型信号に変形可能であり、フレネル変換信号νfrは、畳み込み積分であるので、畳み込み積分の表記*を用いると、(式12)のようになる。
【0075】
【数12】
JP0004756193B2_000013t.gif

【0076】
ただし、この(式12)は、(式11)にて(式13)を満たすとともに、再生画像信号ρは、感度分布が空間的に一様で上述の(式3)を満たす。また、模擬感度関数Sは、感度が位相エンコード方向に直線的に変化するものとする。
【0077】
【数13】
JP0004756193B2_000014t.gif

【0078】
そして、この信号(以下、「フレネル変換信号」という。)νfrをフーリエ変換すると、(式14)を得る。
【0079】
【数14】
JP0004756193B2_000015t.gif

【0080】
このとき、F[S(x,y)]]の信号拡がり幅に対して、F[exp(-jγbτ(x+y))]が緩やかに変化する場合には、(式14)の乗算と畳み込み積分の順序が可換となり、(式15)のように近似できるようになる。そして、このフーリエ変換したフレネル変換信号を再構成画像信号にするために、(式15)の右辺を逆フーリエ変換すると(式16)となる。
【0081】
【数15】
JP0004756193B2_000016t.gif

【0082】
【数16】
JP0004756193B2_000017t.gif

【0083】
この(式16)の右辺は、フレネル変換信号に対し模擬感度分布信号S(x,y)を乗じたこと示す。したがって、上述したように、このようにフレネル変換信号及びその変数変換前の位相拡散フーリエ変換映像法の測定データに対して模擬的な感度分布信号を乗じた場合に、再生画像空間にてほぼ同等の感度分布信号を乗じたことになるのである。
【0084】
このように、本実施形態のMRI装置100は、感度分布信号によって疑似測定データとして疑似位相変調信号を取得することができるので、測定データである位相変調信号とともに、擬似的に2つの位相変調信号を取得することができる。したがって、(式1)及び(式2)の連立方程式を解くことによって位相エンコード方向のサンプリング周波数が被検体10から放出される信号の最大周波数より大きく、アーチファクトを有する画像が再構成される場合であっても、当該アーチファクトを除去することができので、アンチエリアス画像を生成することができるようになっている。
【0085】
次に、図1及び図7を用いて本実施形態のMRI装置100における各部の構成及びその動作について説明する。なお、図7は、本実施形態の再構成画像の生成過程を説明するための図である。
【0086】
本実施形態のMRI装置100は、均一な静磁界を発生させる静磁界コイル20と、勾配磁界を印加するとともに特徴磁界を印加する勾配磁界/特徴磁界コイル30と、高周波パルスを被検体10に照射する照射コイル40と、エコー信号を検出し、単一のコイルから構成される受信コイル50と、を有している。
【0087】
そして、このMRI装置100は、静磁界コイル20を駆動する高安定直流電源部105と、勾配磁界を発生させて勾配磁界/特徴磁界コイルを駆動する勾配磁界電源部110と、特徴磁界を発生させて勾配磁界/特徴磁界コイル30を駆動する特徴磁界発生回路115と、を備えている。
【0088】
また、このMRI装置100は、高周波信号を発生する高周波発振器120と、高周波発振器120からの高周波信号に基づいて高周波パルスを生成するパルス生成部125と、この生成された高周波パルスを増幅する高周波増幅器130と、受信コイル50からのエコー信号を受理する受信回路135と、エコー信号の位相を検波する位相検波器140と、当該位相検波器140からの信号をデジタル化するアナログ/デジタル変換器(以下、「A/D変換器」という。)145と、を備えている。
【0089】
さらに、このMRI装置100は、検出したエコー信号に所定の演算処理を行うとともに被検体10における所望の検査部位の断層像を示す画像データを生成し、装置全体を制御する信号処理制御部150と、被検体10の断層像を得るために必要な種々の指示を各部に与えるシーケンサ155と、生成された画像データを表示するディスプレイ160と、を備えている。
【0090】
なお、例えば、本実施形態の静磁界コイル20及び高安定直流電源部105は、本発明の磁界発生手段及び静磁界発生回路を構成し、本実施形態の勾配磁界/特徴磁界コイル30は、本発明の磁界発生手段、勾配磁界発生回路及び特徴磁界発生回路を構成する。
【0091】
また、例えば、本実施形態の勾配磁界電源部110は、本発明の磁界発生手段及び勾配磁界発生回路を構成するとともに、特徴磁界発生回路115は、本発明の磁界発生手段及び特徴磁界発生回路を構成し、本実施形態のパルス生成部125及び照射コイル40は、高周波パルス発生手段を構成する。
【0092】
さらに、例えば、本実施形態のシーケンサ155は、本発明の制御手段を構成するとともに、受信コイル50及び位相検波器140は、本発明の受信手段を構成し、信号処理制御部150は、本発明の処理手段を構成する。
【0093】
静磁界コイル20は、例えば、電磁石、空心コイルマグネット、超伝導マグネット又は永久磁石などによって構成されており、被検体10が載置される所定の空間に、均一な静磁界を形成させるようになっている。
【0094】
勾配磁界/特徴磁界コイル30は、例えば、平行線条、長方形コイル又は円形コイルから構成されており、勾配磁界電源部110によって発生されたX、Y、Zの三軸方向の磁界強度が線形に変化する線形勾配を有する各勾配磁界Gx、Gy、Gzと、磁界強度が空間的に2次関数状に変化する特徴磁界、例えば、位相エンコード方向(y方向)及び読み取り方向(x方向)に対して上述の(式6)を具備する特徴磁界、を所定の空間内に印加するようになっている。
【0095】
照射コイル40は、被検体10の近傍に配置される。また、この照射コイル40には、所定の信号レベルに増幅された高周波パルスが入力されるようになっており、この照射コイル40は、入力された高周波パルスを、1又は複数の生成した高周波パルスを被検体10に照射するようになっている。例えば、照射コイル40は、高周波パルスとしては、90度パルス、180度パルス又は任意の角度のパルスを被検体10に印加するようになっている。
【0096】
なお、被検体10に照射される高周波パルスにおいて、高周波磁界の周波数が被検体10内における原子核の核磁気共鳴周波数に一致していると、印加高周波磁界エネルギーの共鳴吸収が起こるので、そのとき生ずる核磁気共鳴交番磁界(磁気共鳴信号)を受信コイル50にて捕捉させて誘電電圧を検出させるようになっている。
【0097】
受信コイル50は、単一のコイルから構成され、被検体10の近傍に配置される。また、この受信コイル50は、照射コイル40から照射され、被検体10の組織を構成する原子核の磁気共鳴により放出される電磁波、すなわち、エコー信号(磁気共鳴信号)を検出するようになっている。
【0098】
特に、本実施形態の受信コイル50は、高周波パルスが印加され当該パルス状の高周波数磁界の消失後に、その時点にて被検体10が載値された勾配磁界によって定まるラーモア周波数を有し、被検体10に励起された原子核スピンにより生じて時間的に減衰していくエコー信号を検出するようになっており、検出したエコー信号を受信回路135に出力するようになっている。
【0099】
高安定直流電源部105は、シーケンサ155に接続されており、当該シーケンサ155の指示に従って静磁界コイル20を駆動させ、上述のように所定の空間内に均一な静磁界を形成させるようになっている。
【0100】
勾配磁界電源部110は、シーケンサ155に接続されており、シーケンサ155からの指示に基づいて、勾配磁界/特徴磁界コイル30を駆動するようになっている。特に、本実施形態の勾配磁界電源部110は、三軸方向の勾配磁界Gx、Gy、Gzをそれぞれ生成し、勾配磁界/特徴磁界コイル30を制御して勾配磁界Gx、Gy、Gzを所定の空間内に印加させるようになっている。
【0101】
特徴磁界発生回路115は、シーケンサ155に接続されており、シーケンサ155からの指示に従って特徴磁界を一定時間τだけ発生させるようになっている。また、この特徴磁界発生回路115は、勾配磁界/特徴磁界コイル30を駆動し、発生させた特徴磁界を、勾配磁界/特徴磁界コイル30を介して被検体10に印加するようになっている。
【0102】
高周波発振器120は、被検体10が載置された勾配磁界の磁界強度に対応したラーモア周波数に等しい周波数にて高周波信号を発振し、発振した高周波信号をパルス生成部125に出力するようになっている。
【0103】
パルス生成部125には、高周波発振器120にて発振された高周波信号が入力されるようになっており、このパルス生成部125は、シーケンサ155からの指示の下、入力された高周波信号に基づいて、被検体10内が載置された勾配磁界の磁界強度に対応したラーモア周波数に等しい高周波磁界を有する適切な幅及び高さのパルス形態であって、所定の周波数スペクトルを有する高周波パルスを生成し、高周波増幅器130に出力するようになっている。
【0104】
高周波増幅器130には、高周波パルスが入力されるようになっており、この高周波増幅回路は、入力された高周波パルスの信号レベルを、予め定められた所定の信号レベルに増幅し、照射コイル40に出力するようになっている。
【0105】
受信回路135には、受信コイル50にて検出されたエコー信号が入力されるようになっており、この受信回路135は、入力されたエコー信号を所定の信号レベルに増幅し、位相検波器140に出力するようになっている。
【0106】
位相検波器140には、受信回路135から出力されたエコー信号が入力されるようになっている。この位相検波器140は、シーケンサ155に接続され、このシーケンサ155からの指示にしたがって、エコー信号の位相を検波し、検波されたエコー信号をA/D変換器145に出力するようになっている。
【0107】
A/D変換器145には、検波されたエコー信号が入力されるようになっており、このA/D変換器145は、入力されたエコー信号をデジタル量に変換して信号処理制御部150に出力するようになっている。
【0108】
信号処理制御部150は、検波され、かつ、デジタル化されたエコー信号を計測データとして逆フレネル変換などの種々の演算処理を行いつつ、被検体10の検査部位の断層像を示す再構成画像を表示するための画像データを生成する演算処理部151と、MRI装置100全体を制御するシステム制御部153と、から構成され、各部とバスBにより接続されている。
【0109】
演算処理部151には、特徴磁界が印加される毎に、デジタル化された位相信号が入力されるようになっている。この演算処理部151は、入力された各位相信号を順次取得して測定データを位相変調信号として生成し、疑似測定データの生成及び画像再構成演算などの演算処理を行うことによって、ディスプレイ160に出力するための画像データを生成するようになっており、生成された画像データをディスプレイ160に出力するようになっている。
【0110】
例えば、本実施形態の演算処理部151は、図7(a)に示す受信コイル50の感度分布信号Sを有する場合に、図7(b)に示す測定データを取得し、当該測定データに対してフーリエ逆変換処理を行い、図7(c)に示す再構成画像信号(以下、「第1再構成画像信号」という。)を算出する。
【0111】
一方、この演算処理部151は、当該取得した測定データに対して、図7(d)に示す所定の模擬感度分布信号Sを乗算し、疑似的な測定データ(以下、「疑似測定データ」という。)、すなわち、上述したように図7(e)に示す擬似測定データを生成するようになっている。
【0112】
そして、この演算処理部151は、生成した疑似測定データに対してフーリエ逆変換処理を行い、図7(f)に示す再構成画像信号(以下、「第2再構成画像信号」という。)を算出し、第1再構成画像信号及び第2再構成画像信号の連立方程式を解き、最終的な再構成画像信号(以下、「最終再構成画像信号」という。)を生成するようになっている。
【0113】
なお、本実施形態においては、受信コイル50における感度分布信号及び模擬感度分布信号は、予め測定などにより算出され、内部に格納されているとともに、それらに関して演算処理に用いる値、すなわち、再生画像空間上の位置のシフトを考慮した感度関数についても予め算出して内部に格納されている。
【0114】
また、ディスプレイ160は、例えば、液晶素子、EL(Electro Luminescence)素子又はCRT(Cathode Ray Tube)によって構成され、入力された画像データに基づいて所定の画像を表示するようになっている。
【0115】
システム制御部153は、各部と接続されているとともに、例えば、CPU、ROM、RAM及びハードディスクを有し、MRI装置100の各部を制御するようになっている。具体的には、ROMには、MRI装置100の各部を制御するための各種制御情報が記録されると共に、ハードディスクには、制御プログラムやOS(Operating System)などの各種プログラムが記録されている。また、CPUは、ハードディスクに記録されたプログラムを実行することにより、各種の処理を実行し、RAMはワークエリアとして用いられるようになっている。
【0116】
なお、このシステム制御部153には、更に装置の一時停止若しくは停止の解除を指示するための手段として、キーボード或いはスイッチ(図示せず)等の入力手段が備えられている。
【0117】
シーケンサ155は、高安定直流電源部105、勾配磁界電源部110、特徴磁界発生回路115、高周波発振器120及び位相検波器140と接続され、予め定められたパルスシーケンスによって各部における磁界を発生させ、又は、エコー信号を検波させるようになっている。
【0118】
具体的には、本実施形態のシーケンサ155は、図6に示すように、均一な静磁界を発生された所定の空間において、被検体10の所望する部位を2次元画像(スライス画像)として画像再構成するための勾配磁界Gzとともに、高周波パルスである90度パルスを同時に印加し、その後に特徴磁界を時間τだけ印加させるシーケンス制御を行うようになっている。
【0119】
そして、このシーケンサ155は、位相エンコード方向(y方向)の勾配磁界G及び読み取り方向(x方向)の勾配磁界Gをそれぞれのタイミングにて印加させるとともに、エコー時間t後にエコー信号を所定の時間(例えば、2t)だけ検出させるシーケンス制御を行うようになっている。なお、このとき、このシーケンサ155は、当該検出されたエコー信号の位相を検波させるようになっている。
【0120】
また、このシーケンサ155は、特徴磁界を発生させてこのパルスシーケンスを所定の繰返し時間TRにて繰り返すことによって位相エンコード数を変化させ、すなわち、時間tにて印加するエンコード勾配磁界Gの大きさを変化させるシーケンス制御を行うようになっており、位相信号を演算処理部151に取得させるようになっている。
【0121】
なお、本実施形態の演算処理部151は、このように取得させた信号によって上述の測定データを構築するようになっている。
【0122】
このように、本実施形態のMRI装置100は、均一な静磁界が発生している所定の空間において、磁界強度が線形に変化する線形勾配の勾配磁界を印加しつつ高周波パルスを印加するようになっており、この磁界中に磁界強度が2次関数状に変化する特徴磁界を一定時間τのみ被検体10に印加すると、高周波磁界が存在しない状態における被検体10内の原子核スピンが、静磁界環境によって一義的に定まるラーモア周波数にて自由歳差運動を行うことにより、被検体10内の各場所毎に特徴磁界の強度に応じて、被検体10内に励起された各原子核のスピンの位相を変化させることができるようになっている。
【0123】
すなわち、均一な静磁界中に上述のような各磁界を発生させると、被検体10内の場所を示す情報が位相情報の形態となるので、本実施形態のMRI装置100は、それらの情報の寄与を積分した形態のエコー信号を取得することができるようになっている。
【0124】
また、このMRI装置100は、特徴磁界を発生させつつ、エコー信号における位相信号を順次検出すると、特徴磁界の磁界強度が非線形に変化しているために被検体10内の各場所における原子核スピンの位相信号に対する寄与が各場所により異なることから、必要な個数の位相信号を取得して上述の測定データを構成させ、当該測定データに対して所定の演算を行うことによって、緩和時間とともに画像化する際にその基準となるスピン密度の情報を各場所(部位)毎に分離して取り出すことが可能になっている。
【0125】
次に、図8を用いて本実施形態のMRI装置100における測定データの取得処理を含む当該測定データの演算処理の動作について説明する。なお、図8は、本実施形態のMRI装置100における測定データの取得処理を含む当該測定データの演算処理の動作を示すフローチャートである。
【0126】
まず、システム制御部153が、図示しない操作部を介して被検体10内の所定の検査部位における断層画像(2次元画像)を再構成画像として表示させるための指示を検出すると(ステップS101)、当該システム制御部153は、シーケンサ155及びその他の各部を制御し、静磁界を発生させるとともに、予め定められたシーケンスによって、特徴磁界を一定時間発生させた後に、各勾配磁界及び高周波パルスを被検体10に印加させ、かつ、位相エンコード方向勾配磁界を印加する毎にエコー信号を検出してその位相を検波させ、演算処理部151に測定データを取得させる(ステップS102)。
【0127】
次いで、システム制御部153は、演算処理部151に取得させた測定データに基づいて以下の演算処理を実行させる。
【0128】
まず、システム制御部153は、演算処理部151に測定データv(k,k)を、撮像パラメータγbτに基づいて位相変調を施させるとともに、予め格納されている模擬感度分布信号Sを乗算して疑似測定データを生成する(ステップS104)。
【0129】
次いで、システム制御部153は、測定データに対して逆フーリエ変換を実行して第1再構成画像信号を生成させるとともに、疑似測定データに対して逆フーリエ変換を実行して第2再構成画像信号を生成させる(ステップS104)。
【0130】
次いで、システム制御部153は、第1再構成画像信号及び第2再構成画像を用いて連立方程式を解く演算を行い、再構成画像信号ρ(x、y)を生成する(ステップS105)。
【0131】
最後に、システム制御部153は、演算処理部151に、再構成画像信号ρ(x,y)をディスプレイ160に出力させて2次元画像、すなわち、被検体10における検査部位の断層像を表示させ(ステップS106)、本動作を終了させる。
【0132】
次に、図9を用いて本実施形態のMRI装置100におけるシミュレーションの結果について説明する。なお、図9は、本実施形態のMRI装置100において所定の被検体の再構成画像及び画像再構成演算の各工程における画像の例である。
【0133】
基準となる被写体の画像(以下、「被検体の基準画像」という。)が図9(a)の場合に、当該被検体の基準画像から受信コイル50によって収集した測定データ、すなわち、位相変調信号の振幅は、図9(b)に示すように、当該被検体の基準画像をぼかした様相になる。
【0134】
また、当該位相変調信号に基づいて逆フーリエ変換を行うと、図9(c)に示すように、第1再構成画像信号が生成されるとともに、この位相変調信号に対して所定の感度分布信号を乗算して生成された疑似測定データに基づいて逆フーリエ変換を行うと、図9(d)に示すように、第2再構成画像信号が生成される。
【0135】
そして、第1再構成画像信号及び第2再構成画像信号に基づいて、上述の画像再構成演算を実行し、図9(e)及び(f)の分離画像を算出すると、図9(g)に示すように、的確に最終的な再構成画像を生成することができるようになっている。
【0136】
以上本実施形態のMRI装置100は、サンプリング定理を満足しないデータを符号化したとしても、疑似測定データである擬似位相変調信号によってその補完を行うことができるので、受信手段に単一コイルを用いること、又は、データのサンプリング数を減少させてデータ収集の時間を短縮することなど、アーチファクト対策及び解像度の維持を実行させつつ、信号測定の簡易化及び装置自体のハードウェア構成の簡略化を行うことができる。
【0137】
なお、本実施形態のMRI装置100は、受信コイル50が単一のコイルから構成されるようになっているが、勿論、2以上のコイルから構成されるようにしてもよい。
【0138】
この場合には、各コイル毎に感度分布信号を用いることによって画像再構成演算を行うとともに、使用したコイルの数によってデータの取得時間の短縮化を行うことができる。ただし、この場合においては、位相変調信号そのものについても逆フーリエ変換を実行して第1再構成画像信号を生成してもよいし、しなくてもよい。
【0139】
また、本実施形態のMRI装置100は、コンピュータ及び記録媒体を備え、画像再構成演算処理を実行する場合に、画像再構成演算処理を実行する制御プログラムを格納し、このコンピュータによって当該各制御プログラムを読み込むことによって上述と同様の各処理を行うようにしてもよい。
【0140】
〔第2実施形態〕
次に、図10から図12までの各図を用いて本願に係るMRI装置における第2実施形態について説明する。
【0141】
本実施形態では、第1実施形態において、測定データに対して所定の感度分布信号を乗算して疑似測定データを生成するとともに、測定データ及び疑似測定データに基づいて位相拡散フーリエ変換映像法を実行する点に代えて、測定データをフレネル変換して再構成画像信号(以下、「フレネル再構成画像信号」という。)を生成するフレネル変換映像法を用いるとともに、当該フレネル再構成画像信号に所定の感度分布関数を乗算して疑似測定データを生成し、測定データ及び疑似測定データに基づいて位相拡散フーリエ変換映像法を実行する点に特徴がある。
【0142】
例えば、本実施形態の演算処理部151は、図10(a)に示す受信コイル50の感度分布信号Sを有する場合に、第1実施形態と同様に、所定の測定データを取得し、当該測定データに対してフーリエ逆変換処理を行い、図10(b)に示す第1再構成画像信号を算出するようになっている。
【0143】
一方、この演算処理部151は、当該取得した測定データに対して、後述するフレネル変換を行い、図10(c)に示すフレネル再構成画像信号を演算するとともに、当該フレネル再構成画像信号に図10(d)に示す所定の模擬感度分布信号Sを乗算し、疑似測定データを生成するようになっている。
【0144】
そして、この演算処理部151は、生成した疑似測定データに対してフーリエ逆変換処理を行い、図10(e)に示す第2再構成画像信号を算出し、第1再構成画像信号及び第2再構成画像信号の連立方程式を解き、最終再構成画像信号を生成するようになっている。
【0145】
なお、本実施形態においては、第1実施形態と同様に、受信コイル50における感度分布信号及び模擬感度分布信号は、予め測定などにより算出され、内部に格納されているとともに、それらに関して演算処理に用いる値、すなわち、再生画像空間上の位置のシフトを考慮した感度関数についても予め算出して内部に格納されている。
【0146】
また、本実施形態の演算処理部151は、特に、フレネル変換については、以下に示すような演算処理を行うようになっている。
【0147】
具体的には、本実施形態の演算処理部151は、再構成される画像サイズを示す値(以下、単に「画像サイズ値」という。)α、特徴磁界を印加するための時間τ、原子核固有の定数γ及び特徴磁界を印加する際の係数bから構成された撮像パラメータを構成し、この撮像パラメータに基づいて、以下に示す逆フレネル変換を行うようになっている。
【0148】
(1)まず、本実施形態の演算処理部151は、第1実施形態と同様に、取得した測定データv(k,k)を、測定データv(x’,y’)に変数変換しつつ、撮像パラメータαγbτに基づいて(式17)に示すフーリエ変換を実行するようになっている。なお、F[‥]はフーリエ変換を示す(以下の各式において同様)。
【0149】
【数17】
JP0004756193B2_000018t.gif

【0150】
(2)次いで、この演算処理部151は、フーリエ変換された測定データに対して位相変調を施すようになっている。すなわち、この演算処理部151は、変数変換時に用いられた値の逆位相における値の乗算、すなわち、測定データv(x’,y’)に2次の位相変調項が乗算されていることから((式10)を参照)、(式18)に示す2次の位相変調項Sにおける逆位相項Tを乗じて位相変調を施すようになっている。
【0151】
【数18】
JP0004756193B2_000019t.gif

【0152】
より具体的には、第1実施形態にて説明したように、フレネル変換式は、畳み込みに積分となっているから、そのフーリエ変換は、(式19)となるので、本実施形態の演算処理部151は、(式19)に現れる2次変調項に対する逆位相項をフーリエ変換された測定データに対して乗算するようになっている。
【0153】
【数19】
JP0004756193B2_000020t.gif

【0154】
なお、exp{-jαγbτ(x’2+y’2)}のフーリエ変換は(式20)に示す値となる。また、(式19)において、2次の変調項以外の係数及び逆位相項に関しては、後述のように、逆フーリエ変換後に乗算するようになっている。
【0155】
【数20】
JP0004756193B2_000021t.gif

【0156】
(3)次いで、この演算処理部151は、測定データvに対して2次の位相変調項における逆位相項を乗じて位相調整されたものに対して、逆フーリエ変換を行い、上述の(式19)によって示される残りの係数及び逆位相項を所定の係数として乗算し、第2再構成画像(x、y)を表示するための画像データを生成するようになっている。
【0157】
すなわち、本実施形態の演算処理部151は、(式21)に示すように、測定データv(x’,y’)に対してフーリエ変換を行うとともに、当該フーリエ変換後に位相変調を行い、さらに、逆フーリエ変換を行うようになっているので、元の測定データvと同じ空間にて再構成画像を生成することができるようになっている。
【0158】
【数21】
JP0004756193B2_000022t.gif

【0159】
なお、この(式21)において、x及びyは、それぞれα倍されているので、再生画像がα倍にスケーリング、すなわち、拡大又は縮小されることがわかる。
【0160】
ただし、F-1[‥]は逆フーリエ変換を示し(以下の式において同様)、Nは、測定データνのデータ数を示す。また、この場合に、再構成される画像の分解能及び視野は、(式22)及び(式23)によって示される。
【0161】
【数22】
JP0004756193B2_000023t.gif

【0162】
【数23】
JP0004756193B2_000024t.gif

【0163】
(4)最後に、演算処理部151は、(式21)示されるexpの値について逆位相項を乗じるか又は絶対値をとることによって、最終的に補正し、第2再構成画像ρ(x,y)の値を算出するようになっている。
【0164】
次に、図11を用いて本実施形態のMRI装置100における測定データの取得処理を含む当該測定データの演算処理の動作について説明する。なお、図11は、本実施形態のMRI装置100における測定データの取得処理を含む当該測定データの演算処理の動作を示すフローチャートである。
【0165】
まず、システム制御部153が、図示しない操作部を介して被検体10内の所定の検査部位における断層画像(2次元画像)を再構成画像として表示させるための指示を検出すると(ステップS201)、当該システム制御部153は、シーケンサ155及びその他の各部を制御し、静磁界を発生させるとともに、予め定められたシーケンスによって、特徴磁界を一定時間発生させた後に、各勾配磁界及び高周波パルスを被検体10に印加させ、かつ、位相エンコード方向勾配磁界を印加する毎にエコー信号を検出してその位相を検波させ、演算処理部151に測定データを取得させる(ステップS202)。
【0166】
次いで、システム制御部153は、演算処理部151に取得させた測定データに基づいて以下の演算処理を実行させる。
【0167】
まず、システム制御部153は、演算処理部151に測定データv(k,k)を、撮像パラメータαγbτに基づいて位相変調を施させるとともに、フーリエ変換を実行させ、かつ、フーリエ変換された測定データに対して2次の位相変調項を乗じて位相変調を施させ、所定のデータを生成する(ステップS203)。
【0168】
次いで、システム制御部153は、演算処理部151に、ステップ203にて生成された信号に、逆フーリエ変換を行うとともに、所定の係数及び所定の逆位相項を乗算し、再構成画像ρα(x、y)を生成する(ステップS204)。
【0169】
次いで、システム制御部153は、演算処理部151に、再構成画像ρα(x、y)を補正し、再構成画像ρ(x,y)の最終的な値を算出させてフレネル再構成画像信号ρ(x,y)を生成し(ステップS205)、予め格納されている模擬感度分布信号Sを乗算して疑似測定データを生成する(ステップS206)。
【0170】
次いで、システム制御部153は、測定データに対して逆フーリエ変換を実行して第1再構成画像信号を生成させるとともに、疑似測定データに対して逆フーリエ変換を実行して第2再構成画像信号を生成させる(ステップS207)。
【0171】
次いで、システム制御部153は、第1再構成画像信号及び第2再構成画像を用いて連立方程式を解く演算を行い、再構成画像信号ρ(x、y)を生成する(ステップS208)。
【0172】
最後に、システム制御部153は、演算処理部151に、再構成画像信号ρ(x,y)をディスプレイ160に出力させて2次元画像、すなわち、被検体10における検査部位の断層像を表示させ(ステップS209)、本動作を終了させる。
【0173】
次に、図12を用いて本実施形態のMRI装置100におけるシミュレーションの結果について説明する。なお、図12は、本実施形態のMRI装置100において所定の被検体の再構成画像及び画像再構成演算の各工程における画像の例である。
【0174】
第1実施形態と同様に、被検体の基準画像が図12(a)の場合に、当該被検体の基準画像から受信コイル50によって収集した測定データ、すなわち、位相変調信号の振幅は、図12(b)に示すように、当該被検体の基準画像をぼかした様相になる。
【0175】
また、当該位相変調信号に基づいて逆フーリエ変換を行うと、図12(c)に示すように、第1再構成画像信号が生成されるとともに、この位相変調信号に対して所定の感度分布信号を乗算して生成された疑似測定データに基づいて逆フーリエ変換を行うと、図12(d)に示すように、第2再構成画像信号が生成される。
【0176】
そして、第1再構成画像信号及び第2再構成画像信号に基づいて、上述の画像再構成演算を実行し、図12(e)及び(f)の分離画像を算出すると、図12(g)に示すように、的確に最終的な再構成画像を生成することができるようになっている。
【0177】
以上本実施形態のMRI装置100は、サンプリング定理を満足しないデータを符号化したとしても、擬似位相変調信号によってその補完を行うことができるので、受信手段に単一コイルを用いること、又は、データのサンプリング数を減少させてデータ収集の時間を短縮することなど、アーチファクト対策及び解像度の維持を実行させつつ、信号測定の簡易化及び装置自体のハードウェア構成の簡略化を行うことができる。
【0178】
なお、本実施形態のMRI装置100は、受信コイル50が単一のコイルから構成されるようになっているが、勿論、2以上のコイルから構成されるようにしてもよい。
【0179】
この場合には、各コイル毎に感度分布信号を用いることによって画像再構成演算を行うとともに、使用したコイルの数によってデータの取得時間の短縮化を行うことができる。ただし、この場合においては、位相変調信号そのものについても逆フーリエ変換を実行して第1再構成画像信号を生成してもよいし、しなくてもよい。
【0180】
また、本実施形態のMRI装置100は、コンピュータ及び記録媒体を備え、画像再構成演算処理を実行する場合に、画像再構成演算処理を実行する制御プログラムを格納し、このコンピュータによって当該各制御プログラムを読み込むことによって上述と同様の各処理を行うようにしてもよい。
【0181】
さらに、本実施形態では、被検体内の原子核のスピンにおける位相を2次関数状に変調させるためのエネルギーとして2次関数状に変化している特徴磁界を用いて測定データを取得しているが、勾配磁界に対して2次の位相変調を与える高周波パルスを発生させることによって被検体内の原子核のスピンにおける位相を2次関数状に変調させて測定データを取得するようにしてもよい。
【0182】
すなわち、均一な静磁界を所定空間内に発生させ、かつ、所定のタイミングにて、所定の空間内に載置された被写体に印加するX、Y、Z軸の三軸方向の勾配磁界を発生させるとともに、所定のシーケンスにしたがって、印加された勾配磁界に対して2次の位相変調を与える高周波パルスを被検体に照射し、かつ、照射コイル50から照射された高周波磁気パルスによる被検体の組織を構成する原子核の磁気共鳴によって放出される各エコー信号を測定データとして検出するようにしてもよい。
【0183】
具体的には、本実施形態のMRI装置200において、例えば、チャープ波と呼ばれる(式24)を満たす高周波パルスを勾配磁界Gxの印加のもとで照射すると、被検体内における読み取り方向(x方向)のスピンには(式25)の2次の位相変調が与えられる。
【0184】
【数24】
JP0004756193B2_000025t.gif

【0185】
【数25】
JP0004756193B2_000026t.gif

【0186】
なお、tは、経過時間、ωは、共鳴周波数、uは、周波数変調の係数を示し、ωt+utによって波形の周波数を決定する。また、a(t)は、チャープ波の波形に対して外形を与えるための関数(パルスの包絡線を形成するための関数)であり、A(x)は、a(t)のフーリエ変換関数である。また、(*)は、畳み込み積分を示す。
【0187】
同様にして、勾配磁界Gの印加の下で、同様の高周波パルスを与えると位相エンコード方向(y方向)にも2次の位相変調を与えることができる。
【0188】
また、高周波パルスを印加する時間を長くとると(式25)のA(x)は、デルタ関数状になり、当該A(x)の項は、ほぼ無視することができる。このとき、本実施形態のMRI装置は、(式26)に示す測定データvを取得することができるようになっている。ただし、(式26)は(式27)を満足する。
【0189】
【数26】
JP0004756193B2_000027t.gif

【0190】
【数27】
JP0004756193B2_000028t.gif

【0191】
ここで、勾配磁界GおよびGを等しい強度にし、これをG(G=G)とすると、(式21)となり、本実施形態のMRI装置200は、第1実施形態と同形式(式22)の測定データv、すなわち、被検体10内における原子核のスピンの位相を2次関数状に変調させた測定データvを取得することができるようになっている。ただし、(式28)において、(Dγ2G2)/uは、第1実施形態の撮像パラメータにおけるγbτに相当する。
【0192】
【数28】
JP0004756193B2_000029t.gif

【0193】
このため、本実施形態では、再構成される画像サイズを示す予め定められた又は操作者の操作により設定された画像サイズ係数αに基づいて、取得した測定データに対して疑似測定データを生成することができるので、サンプリング定理を満足しないデータを符号化したとしても、疑似測定データである擬似位相変調信号によってその補完を行うことができるとともに、受信手段に単一コイルを用いること、又は、データのサンプリング数を減少させてデータ収集の時間を短縮することなど、アーチファクト対策及び解像度の維持を実行させつつ、信号測定の簡易化及び装置自体のハードウェア構成の簡略化を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0194】
【図1】本願に係るMRI装置の第1実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態のMRI装置における効果を説明するための図である。
【図3】第1実施形態における発明の原理を説明するための図である。
【図4】アーチファクトが発生した再構成画像と画像信号との関係を説明するための図である。
【図5】第1実施形態における再構成画像の生成原理を説明するための図である。
【図6】第1実施形態のパルスシーケンスを示すシーケンス図である。
【図7】第1実施形態における再構成画像の生成過程を説明するための図である。
【図8】第1実施形態のMRI装置における測定データの取得処理を含む当該測定データの演算処理の動作を示すフローチャートである。
【図9】第1実施形態のMRI装置における効果を説明するための図である。
【図10】第2実施形態における再構成画像の生成過程を説明するための図である。
【図11】第2実施形態のMRI装置における測定データの取得処理を含む当該測定データの演算処理の動作を示すフローチャートである。
【図12】第2実施形態のMRI装置における効果を説明するための図である。
【符号の説明】
【0195】
10…被検体
20…静磁界コイル
30…勾配磁界/特徴磁界コイル
40…照射コイル
50…受信コイル
60…勾配磁界コイル
100…MRI装置
105…高安定直流電源部
110…勾配磁界電源部
115…特徴磁界発生回路
120…高周波発信回路
125…パルス生成部
130…高周波増幅器
135…受信回路
140…位相検波器
145…A/D変換器
150…信号処理制御部
151…演算処理部
153…システム制御部
155…シーケンサ
160…ディスプレイ
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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