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明細書 :エンド位に2個の極性基を有するノルボルネン誘導体、そのメタセシス開環重合体およびそれらの製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007-238807 (P2007-238807A)
公開日 平成19年9月20日(2007.9.20)
発明の名称または考案の名称 エンド位に2個の極性基を有するノルボルネン誘導体、そのメタセシス開環重合体およびそれらの製造方法
国際特許分類 C08G  61/08        (2006.01)
C07C 253/30        (2006.01)
C07C 255/47        (2006.01)
C07B  53/00        (2006.01)
FI C08G 61/08
C07C 253/30 CSP
C07C 255/47
C07B 53/00 Z
請求項の数または発明の数 13
出願形態 OL
全頁数 25
出願番号 特願2006-064308 (P2006-064308)
出願日 平成18年3月9日(2006.3.9)
発明者または考案者 【氏名】西原 康師
【氏名】井上 善彰
出願人 【識別番号】504147243
【氏名又は名称】国立大学法人 岡山大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100078662、【弁理士】、【氏名又は名称】津国 肇
【識別番号】100075225、【弁理士】、【氏名又は名称】篠田 文雄
審査請求 未請求
テーマコード 4H006
4J032
Fターム 4H006AA01
4H006AA02
4H006AA03
4H006AB46
4H006AC28
4H006BB10
4H006BB12
4H006BC10
4H006QN30
4J032CA34
4J032CA36
4J032CB01
4J032CD02
4J032CG02
要約 【課題】エンド選択的にシアノ基およびエステル基を導入したノルボルネン誘導体、そのメタセシス開環重合体およびそれらの製造方法を提供する。
【解決手段】式(1):
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で示されるエンド型ノルボルネン誘導体、並びにそのメタセシス開環重合体およびその製造方法。
【選択図】 なし
特許請求の範囲 【請求項1】
式(1):
【化1】
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(式中、RおよびRは、同一でも異なってもよく、水素原子、炭素数1~20の炭化水素基、非置換のもしくは置換されたシリル基、非置換のもしくは置換されたアミド基、非置換のもしくは置換されたアルコキシ基、非置換のもしくは置換されたアリールオキシ基、ハロゲン原子、または周期表第15族、16族の原子もしくはハロゲン原子を含む炭素数1~20の炭化水素基を表し;RおよびRは、同一でも異なってもよく、水素、炭素数1~20のアルキル基、アルコキシ基またはフェニル基であり;EおよびEの一方は、シアノ基を表し、他方は、-COOR基を表し、ここで、Rは、水素原子、炭素数1~20の炭化水素基、非置換のもしくは置換されたシリル基、非置換のもしくは置換されたアミド基、非置換のもしくは置換されたアルコキシ基、非置換のもしくは置換されたアリールオキシ基、ハロゲン原子、または周期表第15族、16族の原子もしくはハロゲン原子を含む炭素数1~20の炭化水素基である)
で示されるノルボルネン誘導体。
【請求項2】
式(2):
【化2】
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(式中、R、R、EおよびEは、請求項1において定義したとおりである)
で示される置換エチレン誘導体と、
式(3):
【化3】
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(式中、RおよびRは、同一でも異なってもよく、水素、炭素数1~20のアルキル基、アルコキシ基またはフェニル基であり、シクロペンタジエン環の任意の炭素に置換されていてよい)
で示されるシクロペンタジエン誘導体とを溶媒中で室温以下においてディールス-アルダー反応に付する、請求項1記載のノルボルネン誘導体の製造方法。
【請求項3】
式(4):
【化4】
JP2007238807A_000025t.gif

(式中、R、R、R、R、EおよびEは、請求項1において定義したとおりであり、RおよびRは、同一でも異なってもよく、水素、炭素数1~20のアルキル基、アルコキシ基またはフェニル基であり、シクロペンタジエン環の任意の炭素に置換されていてよい)
で示されるノルボルネン誘導体。
【請求項4】
請求項1記載のノルボルネン誘導体と、
式(5):
【化5】
JP2007238807A_000026t.gif

(式中、RおよびRは、請求項3において定義したとおりである)
で示されるシクロペンタジエン誘導体とをディールス-アルダー反応に付する、請求項3記載のノルボルネン誘導体を製造する方法。
【請求項5】
式(6):
【化6】
JP2007238807A_000027t.gif

(式中、R、R、R、R、EおよびEは、請求項1において定義したとおりであり、RおよびRは、主鎖中の炭素原子上に置換される)
で示される繰り返し単位を有し、数平均分子量5,000~300,000を有する重合体。
【請求項6】
請求項1記載のノルボルネン誘導体を、触媒の存在下において開環メタセシス重合させることを含む、請求項5記載の重合体の製造方法。
【請求項7】
式(7):
【化7】
JP2007238807A_000028t.gif

(式中、R、R、R、R、EおよびEは、請求項1において定義したとおりであり、RおよびRは、請求項3において定義したとおりであり、主鎖中の炭素原子上に置換される)
で示される繰り返し単位を有し、数平均分子量5,000~300,000を有する重合体。
【請求項8】
請求項3記載のノルボルネン誘導体を、触媒の存在下開環メタセシス重合させることを含む、請求項7記載の重合体の製造方法。
【請求項9】
式(6):
【化8】
JP2007238807A_000029t.gif

および式(8):
【化9】
JP2007238807A_000030t.gif

(式中、R、R、R、R、EおよびEは、請求項1において定義したとおりであり、RおよびRは、主鎖中の炭素原子上に置換される)
で示されるモノマー単位からなり、重合体の式(6)で示される繰り返し単位および式(8)で示される繰り返し単位は、それぞれブロック結合していても又はランダムに配置されて結合していてもよく;重合体中の式(6)で示される繰り返し単位対式(8)で示される繰り返し単位のモル比は100:0~1:99であり、数平均分子量5,000~300,000を有する共重合体。
【請求項10】
請求項1記載のノルボルネン誘導体と、
式(9):
【化10】
JP2007238807A_000031t.gif

(式中、R、R、R、R、EおよびEは、請求項1において定義したとおりである)
で示されるノルボルネン誘導体とを、触媒の存在下開環メタセシス重合させることを含む請求項9記載の共重合体の製造方法。
【請求項11】
式(7):
【化11】
JP2007238807A_000032t.gif

および式(10):
【化12】
JP2007238807A_000033t.gif

(式中、R、R、R、R、EおよびEは、請求項1において定義したとおりであり、RおよびRは、請求項3において定義したとおりであり、主鎖中の炭素原子上に置換される)
で示されるモノマー単位からなり、式(7)および(10)は、それぞれブロックからなっても又はランダムに配置されてもよく;重合体中の式(7)で示される繰り返し単位対式(10)で示される繰り返し単位のモル比は100:0~1:99であり、数平均分子量5,000~300,000を有する共重合体。
【請求項12】
請求項3記載のノルボルネン誘導体と、
式(11):
【化13】
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(式中、R、R、R、R、EおよびEは、請求項1において定義したとおりであり、RおよびRは、請求項2において定義したとおりである)
で示されるエキソ位に選択的に極性基を有するノルボルネン誘導体
との混合物を、触媒の存在下開環メタセシス重合させる、請求項11記載の共重合体の製造方法。
【請求項13】
請求項5または7記載の重合体あるいは請求項9または11記載の共重合体からなる光学材料。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、エンド位に2個の極性基を有するノルボルネン誘導体(本明細書以降、「エンド型ノルボルネン誘導体」と称する)、そのメタセシス開環重合体およびそれらの製造方法に関する。詳細には、本発明は、エンド位に選択的にシアノ基およびエステル基を導入した新規なノルボルネン誘導体、そのメタセシス開環重合体およびそれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
種々の極性基を有するノルボルネン誘導体の開環重合体は、耐熱性、透明性などに優れ、光学材料、特に耐熱性光学材料として有用であることが知られている(非特許文献1参照。)。
【0003】
本発明者らは、極性基としてシアノ基とエステル基とをエキソ位選択的に導入したノルボルネン誘導体、その開環重合体およびそれらの製造方法を見出して、先に、特願2005-145710号として特許出願し、かつ刊行物に発表している(非特許文献2)。

【非特許文献1】Polymer Preprints,vol.42,No.1,341-342(2001)
【非特許文献2】Organic Letters,Vol.7,No.13,2639-2641(2005)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、エンド型ノルボルネン誘導体、そのメタセシス開環重合体およびそれらの製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者等は、上述した課題を解決するために、置換もしくは非置換のシアノアクリル酸もしくはシアノアクリレートと置換もしくは非置換のシクロペンタジエンとを、一定の条件下、ディールス-アルダー反応に付すことにより、極性基であるシアノ基とエステル基とをエンド選択的に導入した新規なノルボルネン誘導体、およびそれを重合触媒を用いてメタセシス開環重合させることにより、エンド型ノルボルネン誘導体の開環重合体を製造することができることを見出した。
【0006】
かくして本発明によれば、以下の1~13の発明が提供される。
1.式(1):
【化14】
JP2007238807A_000002t.gif

(式中、RおよびRは、同一でも異なってもよく、水素原子、炭素数1~20の炭化水素基、非置換のもしくは置換されたシリル基、非置換のもしくは置換されたアミド基、非置換のもしくは置換されたアルコキシ基、非置換のもしくは置換されたアリールオキシ基、ハロゲン原子、または周期表第15族、16族の原子もしくはハロゲン原子を含む炭素数1~20の炭化水素基を表し;RおよびRは、同一でも異なってもよく、水素、炭素数1~20のアルキル基、アルコキシ基またはフェニル基であり;EおよびEの一方は、シアノ基を表し、他方は、-COOR基を表し、ここで、Rは、水素原子、炭素数1~20の炭化水素基、非置換のもしくは置換されたシリル基、非置換のもしくは置換されたアミド基、非置換のもしくは置換されたアルコキシ基、非置換のもしくは置換されたアリールオキシ基、ハロゲン原子、または周期表第15族、16族の原子もしくはハロゲン原子を含む炭素数1~20の炭化水素基である)
で示されるノルボルネン誘導体。
2.式(2):
【化15】
JP2007238807A_000003t.gif

(式中、R、R、EおよびEは、前記1において定義したとおりである)
で示される置換エチレン誘導体と、
式(3):
【化16】
JP2007238807A_000004t.gif

(式中、RおよびRは、同一でも異なってもよく、水素、炭素数1~20のアルキル基、アルコキシ基またはフェニル基であり、シクロペンタジエン環の任意の炭素に置換されていてよい)
で示されるシクロペンタジエン誘導体とを溶媒中で室温以下においてディールス-アルダー反応に付する、前記1記載のノルボルネン誘導体の製造方法。
3.式(4):
【化17】
JP2007238807A_000005t.gif

(式中、R、R、R、R、EおよびEは、前記1において定義したとおりであり、RおよびRは、同一でも異なってもよく、水素、炭素数1~20のアルキル基、アルコキシ基またはフェニル基であり、シクロペンタジエン環の任意の炭素に置換されていてよい)
で示されるノルボルネン誘導体。
4.前記1記載のノルボルネン誘導体と、
式(5):
【化18】
JP2007238807A_000006t.gif

(式中、RおよびRは、請求項3において定義したとおりである)
で示されるシクロペンタジエン誘導体とをディールス-アルダー反応に付する、前記3記載のノルボルネン誘導体を製造する方法。
5.式(6):
【化19】
JP2007238807A_000007t.gif

(式中、R、R、R、R、EおよびEは、請求項1において定義したとおりであり、RおよびRは、主鎖中の炭素原子上に置換される)
で示される繰り返し単位を有し、数平均分子量5,000~300,000を有する重合体。
6.前記1記載のノルボルネン誘導体を、触媒の存在下において開環メタセシス重合させることを含む、前記5記載の重合体の製造方法。
7.式(7):
【化20】
JP2007238807A_000008t.gif

(式中、R、R、R、R、EおよびEは、前記1において定義したとおりであり、RおよびRは、前記3において定義したとおりであり、主鎖中の炭素原子上に置換される)
で示される繰り返し単位を有し、数平均分子量5,000~300,000を有する重合体。
8.前記3記載のノルボルネン誘導体を、触媒の存在下開環メタセシス重合させることを含む、前記7記載の重合体の製造方法。
9.式(6):
【化21】
JP2007238807A_000009t.gif

および式(8):
【化22】
JP2007238807A_000010t.gif

(式中、R、R、R、R、EおよびEは、前記1において定義したとおりであり、RおよびRは、主鎖中の炭素原子上に置換される)
で示されるモノマー単位からなり、重合体の式(6)で示される繰り返し単位および式(8)で示される繰り返し単位は、それぞれブロック結合していても又はランダムに配置されて結合していてもよく;重合体中の式(6)で示される繰り返し単位対式(8)で示される繰り返し単位のモル比は100:0~1:99であり、数平均分子量5,000~300,000を有する共重合体。
10.前記1記載のノルボルネン誘導体と、
式(9):
【化23】
JP2007238807A_000011t.gif

(式中、R、R、R、R、EおよびEは、前記1において定義したとおりである)
で示されるノルボルネン誘導体とを、触媒の存在下開環メタセシス重合させることを含む前記9記載の共重合体の製造方法。
11.式(7):
【化24】
JP2007238807A_000012t.gif

および式(10):
【化25】
JP2007238807A_000013t.gif

(式中、R、R、R、R、EおよびEは、前記1において定義したとおりであり、RおよびRは、前記3において定義したとおりであり、主鎖中の炭素原子上に置換される)
で示されるモノマー単位からなり、式(7)および(10)は、それぞれブロックからなっても又はランダムに配置されてもよく;重合体中の式(7)で示される繰り返し単位対式(10)で示される繰り返し単位のモル比は100:0~1:99であり、数平均分子量5,000~300,000を有する共重合体。
12.前記3記載のノルボルネン誘導体と、
式(11):
【化26】
JP2007238807A_000014t.gif

(式中、R、R、R、R、EおよびEは、前記1において定義したとおりであり、RおよびRは、前記3において定義したとおりである)
で示されるエキソ位に選択的に極性基を有するノルボルネン誘導体
との混合物を、触媒の存在下開環メタセシス重合させる、前記11記載の共重合体の製造方法。
13.前記5または7記載の重合体あるいは前記9または11記載の共重合体から形成される光学材料。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、エンド型ノルボルネン誘導体の開環重合体を製造することが可能となった。本発明のエンド型ノルボルネン誘導体の開環重合体は、耐熱性、透明性などに優れ、光学材料、特に耐熱性光学材料として有用である。本発明のエンド型ノルボルネン誘導体の開環重合体は、エキソ型ノルボルネン誘導体の開環重合体に比べて、ガラス転移温度が40℃近く高く、特に耐熱性に優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下本発明を詳細に説明する。ただし、説明の中で具体例を挙げるがこれらに限定されるものではない。
第一の本発明は、式(1)で示されるエンド型ノルボルネン誘導体である。
【0009】
式(1)中のRおよびRで表される炭素数1~20の炭化水素基の内、好ましいものは炭素数1~6を有する炭化水素基であり、その具体例としては、メチル基、エチル基、ビニル基、n-プロピル基、イソプロピル基、アリル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロへキシル基、フェニル基、ヘプチル基、ベンジル基、2-メチルフェニル基、4-メチルフェニル基、オクチル基、2,6-ジメチルフェニル基、2-エチルフェニル基、ノニル基、クミル基、2-イソプロピルフェニル基、2,4,6-トリメチルフェニル基、2-エチル-6-メチルフェニル基、デシル基、ナフチル基、アダマンチル基、2-t-ブチルフェニル基、2,6-ジエチルフェニル基、2-メチル-6-イソプロピルフェニル基、ウンデシル基、2-エチル-6-イソプロピル基、2,6-ジエチル-4メチルフェニル基、ドデシル基、2,6-ジイソプロピルフェニル基、2-ビフェニル基、2-シクロへキシルフェニル基、トリデシル基、2,6-ジイソプロピル-4-メチルフェニル基、テトラデシル基、2,6-ジブチルフェニル基、1-アントラセニル基、ペンタデシル基、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェニル基、2-フェニル-6-イソプロピルフェニル基、ヘキサデシル基、2-ナフチルフェニル基、2-t-ブチル-6-フェニルフェニル基、ヘプタデシル基、2-t-ブチル-4-メチル-6-フェニルフェニル基、オクタデシル基、2,6-ジフェニルフェニル基、ノナデシル基、トリフェニルメチル基、4-メチル2,6-ジフェニルフェニル基、アラキジル基、2,6-ジパラトリルフェニル基を挙げることができる。
【0010】
およびRで表される非置換のもしくは置換されたシリル基の具体例としては、シリル基又はトリメチル基、ジメチルフェニル基、トリイソプロピル基、ジメチルメトキシ基、ジメチル-t-ブチル基、ジフェニルメチル基、トリフェニル基で置換されたシリル基を挙げることができる。
【0011】
およびRで表される非置換のもしくは置換されたアミド基の具体例としては、アミド基又はジメチル基、ジエチル基、ジイソプロピルで置換されたアミド基を挙げることができる。
【0012】
およびRで表される非置換のもしくは置換されたアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t-ブトキシ基又はトリメチルシリルで置換されたアルコキシ基を挙げることができる。
【0013】
およびRで表される非置換のもしくは置換されたアリールオキシ基の具体例としては、フェノキシ基、パラメチルフェノキシ基、パラメトキシフェノキシ基、2,6-ジメチルフェノキシ基、1-ナフトキシ基を挙げることができる。
【0014】
周期表15族、16族の原子もしくはハロゲン原子を含む炭素数1~20の炭化水素基の具体例としては、トリメチルシリルメチル基、ジメチルフェニルシリルメチル基、2-ジメチルアミノフェニル基、2-ジエチルアミノフェニル基、2-ジイソプロピルアミノフェニル基、2-ピリジル基、6-メチル-2-ピリジル基、2-ピリジルフェニル基、2-イミダゾリル基、2-シアノフェニル基、2-ジメチルホスフィノフェニル基、2-ジフェニルホスフィノフェニル基、トリフェニルホスホラニリデンメチル基、2-メトキシフェニル基、2-エトキシフェニル基、2-イソプロポキシフェニル基、2-フェノキシフェニル基、2-チオメチルフェニル基、メチルスルホニルメチル基、p-トルエンスルホニルメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、ペンタフルオロフェニル基、2-クロロ-1-メチルエチル基を挙げることができる。
【0015】
、Eの一方は、シアノ基(-CN)であり、他方は、基(-COOR)である。
は、水素原子、炭素数1~20、好ましいものは炭素数1~6を有する炭化水素基であり、その具体例としては、メチル基、エチル基、ビニル基、n-プロピル基、イソプロピル基、アリル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロへキシル基、フェニル基、ヘプチル基、ベンジル基、2-メチルフェニル基、4-メチルフェニル基、オクチル基、2,6-ジメチルフェニル基、2-エチルフェニル基、ノニル基、クミル基、2-イソプロピルフェニル基、2,4,6-トリメチルフェニル基、2-エチル-6-メチルフェニル基、デシル基、ナフチル基、アダマンチル基、2-t-ブチルフェニル基、2,6-ジエチルフェニル基、2-メチル-6-イソプロピルフェニル基、ウンデシル基、2-エチル-6-イソプロピル基、2,6-ジエチル-4メチルフェニル基、ドデシル基、2,6-ジイソプロピルフェニル基、2-ビフェニル基、2-シクロへキシルフェニル基、トリデシル基、2,6-ジイソプロピル-4-メチルフェニル基、テトラデシル基、2,6-ジブチルフェニル基、1-アントラセニル基、ペンタデシル基、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェニル基、2-フェニル-6-イソプロピルフェニル基、ヘキサデシル基、2-ナフチルフェニル基、2-t-ブチル-6-フェニルフェニル基、ヘプタデシル基、2-t-ブチル-4-メチル-6-フェニルフェニル基、オクタデシル基、2,6-ジフェニルフェニル基、ノナデシル基、トリフェニルメチル基、4-メチル2,6-ジフェニルフェニル基、アラキジル基、2,6-ジパラトリルフェニル基を挙げることができる。
【0016】
で表される非置換のもしくは置換されたシリル基の具体例としては、シリル基又はトリメチル基、ジメチルフェニル基、トリイソプロピル基、ジメチルメトキシ基、ジメチル-t-ブチル基、ジフェニルメチル基、トリフェニル基で置換されたシリル基を挙げることができる。
【0017】
で表される非置換のもしくは置換されたアミド基の具体例としては、アミド基又はジメチル基、ジエチル基、ジイソプロピルで置換されたアミド基を挙げることができる。
【0018】
で表される非置換のもしくは置換されたアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t-ブトキシ基又はトリメチルシリルで置換されたアルコキシ基を挙げることができる。
【0019】
で表される非置換のもしくは置換されたアリールオキシ基の具体例としては、フェノキシ基、パラメチルフェノキシ基、パラメトキシフェノキシ基、2,6-ジメチルフェノキシ基、1-ナフトキシ基を挙げることができる。
【0020】
周期表15族、16族の原子もしくはハロゲン原子を含む炭素数1~20の炭化水素基の具体例としては、トリメチルシリルメチル基、ジメチルフェニルシリルメチル基、2-ジメチルアミノフェニル基、2-ジエチルアミノフェニル基、2-ジイソプロピルアミノフェニル基、2-ピリジル基、6-メチル-2-ピリジル基、2-ピリジルフェニル基、2-イミダゾリル基、2-シアノフェニル基、2-ジメチルホスフィノフェニル基、2-ジフェニルホスフィノフェニル基、トリフェニルホスホラニリデンメチル基、2-メトキシフェニル基、2-エトキシフェニル基、2-イソプロポキシフェニル基、2-フェノキシフェニル基、2-チオメチルフェニル基、メチルスルホニルメチル基、p-トルエンスルホニルメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、ペンタフルオロフェニル基、2-クロロ-1-メチルエチル基を挙げることができる。
【0021】
式(1)で示されるエンド型ノルボルネン誘導体は、式(2)で示される置換エチレン誘導体と、式(3)で示されるシクロペンタジエン誘導体とを溶媒中で室温(25℃)以下において、下記に示す反応スキームA:
【化27】
JP2007238807A_000015t.gif

(式中、R、R、R、R、EおよびEは、先に定義したとおりである)
に従って製造することができる。
【0022】
式(2)で示される置換エチレン誘導体の具体例は、(β-シアノ)アクリレート誘導体であり、好ましくは、シス-(β-シアノ)アクリレート、シス-(β-シアノ)メチルアクリレート、シス-(β-シアノ)エチルアクリレート、シス-(β-シアノ)n-プロピルアクリレート、シス-(β-シアノ)イソプロピルアクリレート、シス-(β-シアノ)n-ブチルアクリレート、シス-(β-シアノ)イソブチルアクリレート、シス-(β-シアノ)s-ブチルアクリレート、シス-(β-シアノ)t-ブチルアクリレート、シス-(β-シアノ)ベンジルアクリレート、シス-(β-シアノ)フェニルアクリレートである。
【0023】
式(3)および式(5)で示されるシクロペンタジエン誘導体におけるR、R、RおよびRの具体例としては、水素、炭素数1~20のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、アリル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、好ましくは炭素数1~6を有するアルキル基、アルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t-ブトキシ基またはトリメチルシリルで置換されたアルコキシ基あるいはフェニル基、例えば、2-メチルフェニル基、4-メチルフェニル基、2,6-ジメチルフェニル基、2-エチルフェニル基、2-イソプロピルフェニル基、2,4,6-トリメチルフェニル基、2-エチル-6-メチルフェニル基、ナフチル基、アダマンチル基、2-t-ブチルフェニル基、2,6-ジエチルフェニル基、2-メチル-6-イソプロピルフェニル基を挙げることができる。
【0024】
シクロペンタジエン誘導体の具体例は、シクロペンタジエン、2-メチルシクロペンタジエン、3-メチルシクロペンタジエン、2-プロピルシクロペンタジエン、3-プロピルシクロペンタジエン、5-メチルシクロペンタジエン、2-エチルシクロペンタジエン、3-エチルシクロペンタジエンエン、5-エチルシクロペンタジエン、2,3-ジメチルシクロペンタジエン、2,3-ジエメチルシクロペンタジエン、5,5’-ジメチルシクロペンタジエンである。
【0025】
反応スキームAにおいて用いる溶媒としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジブチルエーテルなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素類、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、メタノール、エタノール、2-プロパノールなどのアルコール類、アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類、N,N-ジメチルホルムアミドなどのアミド類等を挙げることができる。好ましくは、ベンゼンまたはトルエンである。
【0026】
反応スキームAにおいて用いる温度条件は、室温(25℃)以下、例えば室温~-90℃、好ましくは室温~-10℃、一層好ましくは室温~0℃の範囲である。反応時間は、反応温度に依存するが、1~24時間、好ましくは1~12時間である。反応温度を低くして、反応をゆっくり進行させる方が、エンド型ノルボルネン誘導体を高収率で得ることができる。
【0027】
反応スキームAに従って得られた生成物を、蒸留し、クロマトグラフィーにかけて不純物を除いて純度が高い式(1)で表されるエンド体を得ることができる。
【0028】
式(1)で示されるエンド型ノルボルネン誘導体の具体例として、5-endo-シアノ-6-endo-メトキシカルボニル-2-ノルボルネン、5-endo-シアノ-6-endo-エトキシカルボニル-2-ノルボルネン、5-endo-シアノ-6-endo-n-プロポキシカルボニル-2-ノルボルネン、5-endo-シアノ-6-endo-イソプロポキシカルボニル-2-ノルボルネン、5-endo-シアノ-6-endo-n-ブトキシカルボニル-2-ノルボルネン、5-endo-シアノ-6-endo-イソブトキシカルボニル-2-ノルボルネン、5-endo-シアノ-6-endo-s-ブトキシカルボニル-2-ノルボルネン、5-endo-シアノ-6-endo-t-ブトキシカルボニル-2-ノルボルネン、5-endo-シアノ-6-endv-ベンジルオキシカルボニル-2-ノルボルネン、5-endo-シアノ-6-endo-n-フェノキシカルボニル-2-ノルボルネン等を挙げることができる。
【0029】
第二の本発明は、式(4)で示されるエンド型ノルボルネン誘導体である。式(4)で示されるノルボルネン誘導体は、式(1)で示されるエンド型ノルボルネン誘導体と、シクロペンタジエン誘導体とのディールス-アルダー反応により、下記に示す反応スキームB:
【化28】
JP2007238807A_000016t.gif

に従って製造することができる。
【0030】
式(4)で示されるエンド型ノルボルネン誘導体の具体的例としては、8-endo-シアノ-9-endo-メトキシカルボニル-テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17.10〕-3-ドデセン、8-endo-シアノ-9-endo-エトキシカルボニル-テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17.10〕-3-ドデセン、8-endo-シアノ-9-endo-n-プロポキシカルボニル-テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17.10〕-3-ドデセン、8-endo-シアノ-9-endo-イソプロポキシカルボニル-テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17.10〕-3-ドデセン、8-endo-シアノ-9-endo-n-ブトキシカルボニル-テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17.10〕-3-ドデセン、8-endo-シアノ-9-endo-フェノキシカルボニル-テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17.10〕-3-ドデセンを挙げることができる。
【0031】
第三の本発明は、式(6)または(7)で示される繰り返し単位を有する重合体である。
【0032】
式(6)または(7)で示される繰り返し単位を有する重合体は、式(1)又は(4)で示されるエンド型ノルボルネン誘導体を、溶媒中触媒の存在下で開環メタセシス重合することによりそれぞれ製造することができる。
【0033】
式(6)または(7)で示される繰り返し単位を有するノルボルネン誘導体の開環重合体は、数平均分子量(M)5,000~300,000、好ましくは10,000~300,000、一層好ましくは20,000~250,000を有する。
【0034】
開環メタセシス重合触媒は、一般式(1)又は(4)で表されるノルボルネン誘導体を開環メタセシス重合可能なものであればよく、特に限定されず、例えばBielawski, C. W.; Grubbs, R. H. Angew. Chem., Int. Ed. 2000, 39, 2903-2906に記載されている。
【0035】
使用できる開環メタセシス重合触媒としては、遷移金属ハロゲン化物と有機リチウム化合物、有機アルミニウム化合物、有機スズ化合物などの助触媒の組み合わせからなる触媒、遷移金属カルベン錯体触媒等を挙げることができる。
【0036】
遷移金属ハロゲン化物の具体例としては、TiCl、TiBr等のチタンハロゲン化物、VCl、V(O)Cl等のバナジウムハロゲン化物、MoCl、MoBr、MoCl、MoCl(O)等のモリブデンハロゲン化物、WCl、WCl、WCl、WCl(O)、等のタングステンハロゲン化物を挙げることができる。
【0037】
有機リチウム化合物の具体例としては、メチルリチウム、n-ブチルリチウム、フェニルリチウムを挙げることができる。
【0038】
有機アルミニウム化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、メチルアルミノキサン等が挙げられる。有機スズ化合物の具体例としては、テトラメチルスズ、テトラエチルスズ、テトラブチルスズ、ジブチルジクロロスズを挙げることができる。
【0039】
遷移金属カルベン錯体としては、モリブデンアルキリデン錯体、タングステンアルキリデン錯体、ルテニウムカルベン錯体、ルテニウムビニリデン錯体等を挙げることができる。モリブデンアルキリデン錯体の具体例としては、Mo(N-2,6-iPr)(CH(tBu)(OtBu)、Mo(N-2,6-iPr)(CH(tBu)(OMe(CFを挙げることをできる。タングステンアルキリデン錯体の具体例としては、W(CPh)(CO)、W(N-2,6-iPr)(CH(tBu)(OtBu)、W(N-2,6-iPr)(CH(tBu)(OMe(CFを挙げることができる。ルテニウムカルベン錯体の具体例としては、ベンジリデンビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3-ジメシチルイミダゾリジン-2-イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3-ジメシチル-4,5-ジヒドロイミダゾリジン-2-イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3-ジシクロヘキシルイミダゾリジン-2-イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデンビス(1,3-ジメシチルイミダゾリジン-2-イリデン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデンビス(1,3-ジイソプロピルイミダゾリジン-2-イリデン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデンビス(1,3-ジシクロヘキシルイミダゾリジン-2-イリデン)ルテニウムジクロリドを挙げることができる。ルテニウムビニリデン錯体の具体例としては、(フェニルビニリデン)ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(イソプロピルビニリデン)ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(tert-ブチルビニリデン)ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(tert-ブチルビニリデン)ビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(ジメチルビニリデン)(1,3-ジメシチルイミダゾリジン-2-イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(フェニルビニリデン)(1,3-ジメシチルイミダゾリジン-2-イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(フェニルビニリデン)(1,3-ジシクロヘキシルイミダゾリジン-2-イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(フェニルビニリデン)ビス(1,3-ジメシチルイミダゾリジン-2-イリデン)ルテニウムジクロリド、(フェニルビニリデン)ビス(1,3-ジイソプロピルイミダゾリジン-2-イリデン)ルテニウムジクロリド、(フェニルビニリデン)ビス(1,3-ジシクロヘキシルイミダゾリジン-2-イリデン)ルテニウムジクロリドを挙げることができる。好ましくは遷移金属アルキリデン錯体であり、より好ましくはルテニウムアルキリデン錯体である。
【0040】
開環メタセシス重合触媒対ノルボルネン誘導体の比は、モル比で、1:5~1:1,000,000、好ましくは1:10~1:500,000である。
【0041】
開環メタセシス重合反応に用いる溶媒としては、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタンシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロベンゼン、1,2-ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサンなどのエーテル類、アセトン、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、プロピオン酸エチルなどのエステル類、アセトニトリル、ベンゾニトリル等の二トリル類またはそれらの混合物を挙げることができる。好ましくは、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロベンゼン、1,2-ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素である。
【0042】
反応温度は-78~200℃、好ましくは0~150℃であり、反応時間は0.5~100時間、好ましくは1~50時間であるがこれらに限定されるものではない。
【0043】
第四の本発明は、重合体の式(6)で示される繰り返し単位および式(8)で示される繰り返し単位または式(7)で示される繰り返し単位および式(10)で示される繰り返し単位で示されるエンド型ノルボルネン誘導体モノマー単位と、エキソ型ノルボルネン誘導体モノマー単位からなり、M5,000~300,000を有する共重合体である。この共重合体において、式(6)および(8)または式(7)および(10)で示される繰り返し単位は、それぞれブロック結合していても又はランダムに配置されて結合していてもよく、重合体中の式(6)示される単位対式(8)示される単位のモル比は100:0~1:99であり、重合体中の式(7)示される単位対式(10)示される単位のモルの比は100:0~1:99である。
【0044】
式(6)および式(8)または式(7)および式(10)で示される単位がランダムに配置されて結合するノルボルネン誘導体の開環(共)重合体は、式(1)または(4)で示されるエンド体モノマーと、式(9)または(11)で示されるエキソ体モノマーとを溶媒触媒の存在下で開環メタセシス重合することによりそれぞれ製造することができる。
【0045】
式(6)で示される繰り返し単位および式(8)で示される繰り返し単位または式(7)で示される繰り返し単位および式(10)で示される繰り返し単位がブロック結合する共重合体を製造するには、まず、それぞれの式で示される繰り返し単位から重合体を作り、それらの重合を一緒にしてまた共重合させることにより製造することができる。
【0046】
式(6)、(8)、(7)および(10)で示されるエンド型ノルボルネン誘導体モノマー単位と、エキソ型ノルボルネン誘導体モノマー単位とを適当に組み合わせて、式(6)および式(7)または式(10)あるいは式(8)および式(7)または式(10)を組み合わせた共重合体を製造することができることは、当業者にとって自明のことである。
【0047】
これらのエキソ体モノマー及びそれらの製造法については、本発明者等は特願2005-145710号に開示した。例えば、下記の式(8)で示されるエキソ型ノルボルネン誘導体:
【化29】
JP2007238807A_000017t.gif

(式中、R、R、R、R、EおよびEは、先に定義したとおりである)
で示されるエキソ型ノルボルネン誘導体は、式(12):
【化30】
JP2007238807A_000018t.gif

(式中、R、R、RおよびRは、先に定義したとおりである)
で示されるエキソ型ノルボルネン誘導体と、式(13)
N≡C-C(O)OR (13)
(式中、Rは、先に定義したとおりである)
で示されるシアノギ酸エステルとを遷移金属化合物、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム存在下において反応させることにより製造することができる。
【0048】
式(12)で示されるノルボルナジエン誘導体の具体例としては、2,5-ノルボルナジエン、2-メチル-2,5-ノルボルナジエン、2,3-ジメチル-2,5-ノルボルナジエン、2-エチル-2,5-ノルボルナジエン、2-プロピル-2,5-ノルボルナジエン、2-イソプロピル-2,5-ノルボルナジエン、2-t-ブトキシ-2,5-ノルボルナジエン、7-メチル-2,5-ノルボルナジエン、7-エチル-2,5-ノルボルナジエン、7-プロピル-2,5-ノルボルナジエン、7-n-ブチル-2,5-ノルボルナジエン、7-イソブチル-2,5-ノルボルナジエンを挙げることができる。
【0049】
式(13)で表されるシアノギ酸エステルの具体例としては、シアノギ酸メチル、シアノギ酸エチル、シアノギ酸ビニル、シアノギ酸n-プロピル、シアノギ酸イソプロピル、シアノギ酸n-ブチル、シアノギ酸t-ブチル、シアノギ酸ベンジル、シアノギ酸フェニルを挙げることができる。
【0050】
ここで用いる遷移金属化合物の具体例としては、ビス(1,5-シクロオクタジエン)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、テトラキス(メチルジフェニルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリエチルホスファイト)パラジウムを挙げることができる。
【0051】
反応に用いる溶媒としては、芳香族炭化水素類、脂環式炭化水素類、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、アルコール類、ニトリル類、N,N-ジメチルホルムアミドなどのアミド類を挙げることができる。
【0052】
シアノギ酸エステル対ノルボルナジエン誘導体の比は、モル比で、1:1~1000:1、好ましくは1:1~50:1である。遷移金属化合物対ノルボルナジエン誘導体の比は、モル比で、1:100000~1:1、好ましくは1:10000~1:10である。反応温度は、-78~150℃、好ましくは0~150℃であり、反応時間は0.5~100時間、好ましくは1~50時間である。しかし、これらは、単に例示にすぎず、これらに限定されるものではない。
【0053】
式(9)で示されるエキソ型ノルボルネン誘導体の具体例としては、5-exo-シアノ-6-exo-メトキシカルボニル-2-ノルボルネン、5-exo-シアノ-6-exo-エトキシカルボニル-2-ノルボルネン、5-exo-シアノ-6-exo-n-プロポキシカルボニル-2-ノルボルネン、5-exo-シアノ-6-exo-イソプロポキシカルボニル-2-ノルボルネン、5-exo-シアノ-6-exo-n-ブトキシカルボニル-2-ノルボルネン、5-exo-シアノ-6-exo-ベンジルオキシカルボニル-2-ノルボルネン、5-exo-シアノ-6-exo-n-フェノキシカルボニル-2-ノルボルネン等を挙げることができる。
【0054】
式(9)で示されるエキソ型ノルボルネン誘導体と、シクロペンタジエン誘導体とのディールス-アルダー反応に付して、式(11):
【化31】
JP2007238807A_000019t.gif

(式中、R、RおよびR~R、EおよびEは、先に定義したとおりである)
で示されるエキソ型ノルボルネン誘導体を製造することができる。
【0055】
式(11)で示されるエキソ型ノルボルネン誘導体の具体的例として、8-exo-シアノ-9-exo-メトキシカルボニル-テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17.10〕-3-ドデセン、8-exo-シアノ-9-exo-エトキシカルボニル-テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17.10〕-3-ドデセン、8-exo-シアノ-9-exo-n-プロポキシカルボニル-テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17.10〕-3-ドデセン、8-exo-シアノ-9-exo-イソプロポキシカルボニル-テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17.10〕-3-ドデセン、8-exo-シアノ-9-exo-n-ブトキシカルボニル-テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17.10〕-3-ドデセン、8-exo-シアノ-9-exo-フェノキシカルボニル-テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17.10〕-3-ドデセンを挙げることができる。
【0056】
以上より、高純度のエンド型ノルボルネン誘導体モノマーおよびエキソ型ノルボルネン誘導体モノマーを、それぞれ、得ることができる。これより、エンド型ノルボルネン誘導体モノマーと、エキソ型ノルボルネン誘導体モノマーとを適した割合で配合し、得られた混合物を開環重合させることにより、用途に応じて所望の特性を有する重合体を製造することが可能である。ブロック(共重合体)の場合は、いきなり混合してはならない。
【実施例】
【0057】
以下に、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。反応はすべて不活性ガス雰囲気下で行い、反応に用いた溶媒はすべて予め公知の方法により精製、乾燥または脱酸素を行った。重量平均分子量(Mw)、Mnおよび重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によって測定した。GPC装置としては、Jasco製 HPLC システムを用い、カラムとしては、Tosoh(東ソー)製 Multipore HXL-M columnを用い、溶離液としてテトラヒドロフランを用いて測定し、ポリスチレン換算で算出した。化合物の同定は、H、13C、あるいは31P NMR(Varian社製 INOVA-600およびMercury-300 NMR測定装置)を用いて行なった。
ポリマーのガラス転移温度は、Seiko製 SSC 5100 DSC 22C 装置を用い、示差走査熱量計(DSC)を測定した。窒素気流下、昇温速度は、10度/分であった。
熱分解挙動は、Seiko 製 TG/DTA6300 装置により示差熱分析(DTA)を測定した。
元素分析は、Perkin-Elmer 製 2400 CHN 元素分析装置を用いて測定した。
【0058】
本実施例の全体の概要を、下記に反応スキームCとして示す:
【化32】
JP2007238807A_000020t.gif

【0059】
実施例1 エンド-モノマー(モノマーB)の合成
エチル-シス-(β-シアノ)アクリレート(3.0ml、25mmol)のジクロロメタン(50ml)溶液に、ジシクロペンタジエンから分解したてのシクロペンタジエン(5.2ml、62.5mmol)を0℃で加えた。0℃で1時間攪拌した後に、反応混合物を温めて室温にし、次いで一晩攪拌した。揮発分を減圧下で蒸発させて褐色油を生じ、これに減圧蒸留(140~150℃/3.6トル)及びシリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(溶離剤:ヘキサン/酢酸エチル=9/1~1/1)によって5-endo-シアノ-6-endo-メトキシカルボニル-2-ノルボルネンを得た(収率:68%)。
H NMR(CDCl,300MHz,rt);δ1.27(t,J=7Hz,3H,CH),1.33(m,1H,メチレンの1つ)、1.57(dm,J=9.3Hz,1H),3.22-3.31(m、4H),4.12-4.22(m,2H,OCH),6.31(dd,J=6Hz,2Hz,1H,=CH),6.47(dd,J=6Hz,2Hz,1H,=CH),13C{H}NMR(CDCl,75MHz,rt);δ14.1(CH),33.1(CHCN),44.9(橋頭炭素(CN側)),46.8(CH),47.9(CHCOOEt),48.6(橋頭炭素(COOEt側)),61.2(OCH),119.9(CN),133.9(=CH),137.9(=CH),170.4(CO)。
MS(EI,m/z(相対強度):191(M,2),146(6),118(6),98(4),91(4),80(9),66(100),52(4)。
元素分析 計算値(C1113NO)C,69.09;H,6.85;N,7.32%,
測定値 C,68.79;H,6.80;N,7.27%
【0060】
実施例2
実施例1で得られた5-endo-シアノ-6-endo-メトキシカルボニル-2-ノルボルネン(モノマーB)(46mg、0.24mmol)をジクロロメタン(0.75ml)に溶解させた。そこに、開始剤1(2.0mg、0.0024mmol、1mol%)のジクロロメタン(0.25ml)溶液をアルゴン雰囲気下で室温において加えた。反応混合物を室温で6時間攪拌した。エチルビニルエーテル(14μl、0.14mmol)を加えて重合を停止させ、一晩攪拌した。12時間経過した後に、激しく攪拌しながらメタノール(100ml)に、反応混合物を加えた。再沈殿させかつ減圧下で乾燥した後に、ポリマーが、白色~ベージュ色固体として収率90%(41mg、0.22mmol)で単離された。分子量は、Mnが20400、Mwが25300、Mw/Mnが1.24であった。
【0061】
異なる開始剤1又は2によって製造されたポリマーのNMR及びIRスペクトルは、同様である。これより、各々のポリマーについての分光分析データを、開始剤1を使用した場合の一組だけを、元素分析データと共に挙げる:
H NMR(CDCl,300MHz,rt);δ1.27(bs,3H,CH),1.77(bs,1H,シクロペンタン),2.14(bs,1H,シクロペンタン),2.80-3.40(bs,4H,シクロペンタン),4.18(m,2H,OCH),5.40-5.95(m,2H,=CH).13C{H}NMR(CDCl,75MHz,rt);δ14.3(CH),36.9(シクロペンタン),38.1-38.7(シクロペンタン),44.0(シクロペンタン),51.6(シクロペンタン),61.1(OCH),118.2(CN),131.2(=CH),170.0(CO)。
元素分析 計算値(C1113NO)C,69.09;H,6.85;N,7.32%,
測定値 C,64.94;H,7.01;N,6.42
【0062】
参考例1
(5-exo-シアノ-6-exo-エトキシカルボニル-2-ノルボルネン(モノマーA)の合成
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.16g、1.0mmol,10mol%)のトルエン(100ml)溶液に、室温でシアノギ酸エチル(0.98ml,10.0mmol)及びノルボルナジエン(0.92g、10.0mmol)を加えた。110℃で24時間反応させた後、1mol/L塩酸(50ml)を加え反応を停止し、ジエチルエーテル(50ml×2)で抽出を行った。無水硫酸マグネシウムにより乾燥した後に、溶媒を留去すると淡黄色オイルが得られた。減圧蒸留を行うと5-exo-シアノ-6-exo-エトキシカルボニル-2-ノルボルネンが無色オイルとして得られた(収率:66%)。
H NMR(δ,CDCl)6.24(dd,1H,C=CH),6.15(dd,1H,C=CH),4.24(s,2H,OCH),3.26(br,1H),3.26(br,1H),2.68(dd,1H,CHCN),2.57(dd,1H,CHCOOEt),2.00(d,1H),1.66(dt,1H),1.31(t,3H,CH),13C NMR(δ,CDCl)171.8(CO),138.4(C=CH),135.9(C=CH)120.2(CN),61.6(OCH),47.6(橋頭位)47.0(CHCOOEt),46.5(CH),45.0(橋頭位),33.1(CHCN),14.3(CH)、
元素分析 計算値(C1113NO)C,69.09;H,6.85;N,7.32%,
測定値 C,69.02;H,6.90;N,6.93%
【0063】
実施例3
実施例1で得られた5-endo-シアノ-6-endo-メトキシカルボニル-2-ノルボルネン(モノマーB)を、参考例1で得られた(5-exo-シアノ-6-exo-エトキシカルボニル-2-ノルボルネン(モノマーA)とを、下記の表1に示す割合で混合し、混合物を実施例1と同様にして開環メタセシス重合させることによって開環重合体を製造した。
【0064】
得られた重合体について得られた分析値を表1に挙げる。
【0065】
【表1】
JP2007238807A_000021t.gif

【0066】
表1から分かるように、エキソ体/エンド体の比が減少するにつれて、すなわち、混合物中のエンド体の割合が増大するにつれて、ガラス転移温度が上昇する。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明のノルボルネン誘導体の開環重合体は、耐熱性、透明性などに優れ、光学材料、特に耐熱性光学材料として有用である。