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明細書 :文字列や複数形状等の識別方法および装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3802241号 (P3802241)
公開番号 特開2000-113187 (P2000-113187A)
登録日 平成18年5月12日(2006.5.12)
発行日 平成18年7月26日(2006.7.26)
公開日 平成12年4月21日(2000.4.21)
発明の名称または考案の名称 文字列や複数形状等の識別方法および装置
国際特許分類 G06T   7/00        (2006.01)
FI G06T 7/00 300M
請求項の数または発明の数 4
全頁数 11
出願番号 特願平10-283776 (P1998-283776)
出願日 平成10年10月6日(1998.10.6)
審査請求日 平成15年3月3日(2003.3.3)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】清水 勲
個別代理人の代理人 【識別番号】100099265、【弁理士】、【氏名又は名称】長瀬 成城
審査官 【審査官】新井 則和
参考文献・文献 特開平01-300382(JP,A)
特開平09-138630(JP,A)
特開平02-004235(JP,A)
特開平05-035926(JP,A)
特開平10-020751(JP,A)
特開平09-127852(JP,A)
古越正信 外3名,多重マッチトフィルタとニューラルネットワークを組み合わせた並列パターン認識システム,電子情報通信学会論文誌 情報・システムII-情報処理,日本,社団法人電子情報通信学会,1997年 7月25日,第J80-D-II巻 第7号,p.2020-2022
石川 正俊,光アソシアトロン-学習を実現した光連想記憶システム,電気学会雑誌 Vol.109 No.6,日本,社団法人電気学会,1989年 6月20日,p.438-444
阿山みよし 外,光コンピューティングの事典 初版,日本,株式会社朝倉書店,1997年12月10日,p.252-265
調査した分野 G06T 7/00
特許請求の範囲 【請求項1】
1本の光学ベース上にレーザー光源と、ハーフミラーを有するホログラム作成光学系と、前記ハーフミラーからの透過光が照射されるとともに小型CRT映像投射装置から文字列や複数形状が投射される空間光変調器と、前記空間光変調器に電子カメラから撮り込んだ文字列・複数形状等を投射する前記小型CRT映像投射装置と、光導電プラスチック等のホログラム自動作成装置とを前記記載順に組み込み、前記レーザー光源からの光と、前記CRT映像投射装置から投射された文字列や複数形状の参照形状とにより多重マッチトフィルタを作成し、さらに前記CRT映像投射装置から投射された実際の文字列等の被識別形状群を前記多重マッチトフィルタに投射することにより形状識別を行なうことを特徴とする文字列や複数形状の識別装置。
【請求項2】
前記空間光変調器は、前記小型CRT映像投射装置から投射された文字列や複数形状をレーザーでインコヒーレント・コヒーレント変換して可干渉性映像に変換する機能を有することを特徴とする請求項1に記載の文字列や複数形状の識別装置。
【請求項3】
前記空間光変調器に電子カメラから撮り込んだ文字列・複数形状等を投射する前記小型CRT映像投射装置と前記空間光変調器とを、液晶表示装置で置き換えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の文字列や複数形状の識別装置。
【請求項4】
前記形状識別は二次元光情報処理装置で行なうことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の文字列や複数形状等の識別装置。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、物体の形状、物体表面に記載された文字、図形、その存在位置を光学的に検出することができる文字列や複数形状等の識別方法および装置に関するものであり、さらに詳細には、製造部品や製品の検査に大きな部分を占める物体の形状・寸法等を正確かつ迅速に識別する技術として、また、高速自動車道上での複数の自動車プレートナンバー、あるいは郵便番号の瞬時識別技術として、またバーコード自動読み込み、及びインテリジェントなロボットの眼、として文字列・数字列・複数形状等を同時瞬時識別する技術として好適な文字列や複数形状等の識別方法および装置に関するものである。さらに、学術基礎分野においては、例えば医学・生物学における血球や生体細胞の識別法として、また環境工学、エアロゾル研究、粉体工学における粒子の形状・寸法の自動測定法として、更にはエネルギ工学、流体工学の分野における流れ速度の定量可視化等の広範囲な技術にも利用することができる文字列や複数形状等の識別方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、文字列・複数形状等を識別する方法としては、CCDカメラから撮り込んだ映像をディジタルコンピュータを用いて1画像ずつ識別する方法や、1枚の多重マッチトフィルタを用いて写真乾板上の文字列や粒子群等の形状・サイズを識別する方法があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような文字列・複数形状等を識別する方法および装置では、次のような解決すべき課題がある。
【0004】
〔課題1〕
ディジタル計算法による形状識別法では、被識別形状をコンピュータの画面の真ん中に持ってきて1文字あるいは1形状ずつを各画素ごとに順次識別せねばならず、複数形状等を同時並列に識別するためにはトランスピュータなどの専用画像解析回路を同時識別数だけ用意する必要があり識別解析に多大の時間と費用がかかる。即ち、複数形状等の同時並列識別が困難である、また、複数画像情報の同時inーsitu処理が困難である等の欠点がある。
【0005】
〔課題2〕
従来の多重マッチトフィルタ法では複数形状等の同時識別法としては識別の同時性と識別そのものの時間は高速で処理されるという長所はあるが、被識別形状の取り込みに時間と準備が必要であって特殊な用途以外に実時間的識別計測は困難であった。さらに、ホログラム作成には光学的暗室中で入射光の1/4波長以下に外乱振動の影響を抑えねばならぬというホログラム(多重マッチトフィルタ)作成技術上の困難さ、多重マッチトフィルタに形状群識別アルゴリズムを搭載する準備作業として参照形状群の配置を写真乾板上に作成せねばならぬという識別アルゴリズム搭載作業の煩雑さ・困難さ、さらには被識別形状群の実時間とり込みは物体光中のフーリエ変換レンズの前焦点面に限定されるという不便さ等の問題点がある。
【0006】
〔課題3〕
従来では、形状識別のアルゴリズムの搭載(インストール)の方法としては紙面上に参照形状群の配置を描きそれを写真乾板に移して光学系中に設置してホログラム乾板に適切な識別形状配置の情報を投射する方法がとられていたため、そのための熟練の技術と多大の時間が必要であった。すなわち、識別アルゴリズム搭載の不便さや文字列・複数形状等を電子カメラから撮り込みながらの実時間的識別は不可能である、という欠点がある。また、複数形状識別に迅速光ニューロ処理を行う考えがなかった。
【0007】
そこで、本発明は、上記従来の諸問題を解決するために、次のような手法を採用した。
【0008】
即ち、上記課題1に対しては、
(1)複数形状の同時並列実時間識別を得意とする多重マッチトフィルタ法を用いた光アナログ計算法を用いる。
なお、複数形状等の同時識別に用いられる多重マッチトフィルタ法とはつぎのようなものである。レーザーの平行光中にある凸レンズの前焦点面に識別したい形状の物体(参照形状)を互いに離して置くとそれらの光回折パターンがレンズの後焦点面上で光軸を中心として重なって現れる。そこで後焦点面にホログラム乾板を置き参照光と光回折パターン群を干渉させホログラムをつくれば1枚のホログラム上にそれぞれの物体形状識別情報が同時に記録される。参照形状を取り去り、参照光を遮光したあと、前焦点面に被識別物体を入れれば物体群からの回折光がホログラムに当たり識別されて、参照形状と同じ形状があればそれによって参照光が再生される。その参照光をレンズで集光すれば焦点面に形状識別相関光(物体識別自己相関光)がそれぞれの形状の測定領域ごとに被識別物体の位置と点対象の位置に実時間で出現する。自己相関光の出現する領域とその領域中の位置によって複数の被識別物体の形状と位置が同時に分かる。
【0009】
また、上記課題2および課題3にたいしては、
(1)溶剤蒸気現像型光導電プラスチックホログラムの簡便迅速自動現像装置をレーザー光源、ホログラム作成光学系と共に1本のレール状光学台の上に一体で構成して外乱振動の影響を排除し、光学暗室を必要とせず薄明るいところでホログラムを自動作成する。
(2)その一体型ホログラム作成装置中に電子カメラからとり込んだ被識別形状群を画像投射装置と空間光変調器でインコヒーレント・コヒーレント変換させて、ホログラム乾板に被識別形状群の実時間情報を投射できるようにする
(3)アルゴリズムの作成・搭載は電子カメラからとり込んだ画像から参照形状をマイクロコンピュータで配置し、それを画像投射装置、空間光変調器を通してホログラム自動作製装置上の光導電プラスチック乾板に照射して多重マッチトフィルタを作成する。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明が採用した課題解決手段は、
1本の光学ベース上にレーザー光源と、ハーフミラーを有するホログラム作成光学系と、前記ハーフミラーからの透過光が照射されるとともに小型CRT映像投射装置から文字列や複数形状が投射される空間光変調器と、前記空間光変調器に電子カメラから撮り込んだ文字列・複数形状等を投射する前記小型CRT映像投射装置と、光導電プラスチック等のホログラム自動作成装置とを前記記載順に組み込み、前記レーザー光源からの光と、前記CRT映像投射装置から投射された文字列や複数形状の参照形状とにより多重マッチトフィルタを作成し、さらに前記CRT映像投射装置から投射された実際の文字列等の被識別形状群を前記多重マッチトフィルタに投射することにより形状識別を行なうことを特徴とする文字列や複数形状の識別装置である。
また、前記空間光変調器は、前記小型CRT映像投射装置から投射された文字列や複数形状をレーザーでインコヒーレント・コヒーレント変換して可干渉性映像に変換する機能を有することを特徴とする文字列や複数形状の識別装置である。
また、前記空間光変調器に電子カメラから撮り込んだ文字列・複数形状等を投射する前記小型CRT映像投射装置と前記空間光変調器とを、液晶表示装置で置き換えたことを特徴とする文字列や複数形状の識別装置である。
また、前記形状識別は二次元光情報処理装置で行なうことを特徴とする文字列や複数形状等の識別装置である。
【0011】
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【0012】
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【0013】
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【0014】
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【0015】
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【0016】
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【0017】
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【0018】
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【0019】
【実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係わる実施形態を説明すると、図1は本実施形態のシステムの構成図である。
図において、1は光学ベースとしての光学レール、2はレーザー光源、3は光シャッター、4は1/2波長板、5は対物レンズ、6は空間光フィルタ(SF)、7は平行光作成用凸レンズ(CL)、8はハーフミラー(半透明鏡HM)または偏光ビームスプリッター、9は空間光変調器(SLM)、10は小型CRT映像投射装置、11は偏光板(P)、12はミラー(M1)、13は凸レンズ(L1)、14はホログラム自動作成器(PPH)、15はミラー(反射鏡M2)、16は減光フィルタおよびフィルタホルダ(FH)、17は溶剤蒸気供給装置、18は高電圧供給装置、19は凸レンズ(L2)、20は二次元受光アレイ(二次元光情報処理装置)、21は高速デジタルカメラまたは高速アナログカメラ(以下電子カメラという)、22はフレームメモリ、23はコンピュータ、24は光ニューロ処理装置、25は識別結果ディスプレイ、31は1/2波長板+偏光ミラー(偏波面回転器)、32、33は偏光ミラー、34は偏光板、35は二次元受光アレイである。
【0020】
なお、前記ホログラム自動作成器(PPH)14は、ホログラム現像装置にコロナ放電を起こさせるために設置される高電圧供給電極を透明ガラス板上に透明電極膜として平面電極を塗布し、かつそれに光反射防止膜を塗布して形成する、光反射防止透明平面電極を持っており、前記高電圧供給装置18から、高電圧が供給される構成となっている。また、二次元光情報処理装置20は二次元光アレイ等を備えた微弱光の強度と位置を同時並列に読み取ることができる機能を有している。
【0021】
そして、本システムは1本の光学レール1上に、レーザー光源2、ホログラム作成光学系4、5、6、7、8、11、12、13、15、16、電子カメラ21から撮り込んだ文字列・複数形状を投射する小型CRT映像投射装置10から投射された文字列等をレーザーでインコヒーレント・コヒーレント変換して可干渉性映像に変換する機能を有する空間光変調器9、光導電プラスチック等のホログラム自動作成装置14、及び形状識別相関光を同時にとり込む光学系と二次元受アレイを組み込んでなり、これらによって複数形状の実時間並列光アナログ計算識別装置を構成している。
【0022】
以下、構成要素の機能を説明する。
光学系等装置の機能はつぎのようである。
5mW程度のHeーNeレーザー光源2等から照射されたレーザー光は光シャッター3を通り1/2波長板4を通って対物レンズ5とピンホールで構成される空間フィルタ6で強度むらの少ない拡大光束にされ、平行光作成用凸レンズ7で均一強度に近い平行光にされる。更に平行レーザー光はハーフミラー(HM)8で2分され、一方の透過光は物体光として空間光変調器(SLM)9の表面P1面に照射され、他方の反射平行光は参照光として反射鏡(M2)15に入り、減光フィルタおよびフィルタホルダ16上の減光フィルタを通ってホログラム自動作成器14の表面P2面に設置された光導電プラスチック乾板等に照射される。
【0023】
さて、小型CRT映像投射装置10に電子カメラ21からとりこまれた形状群が空間光変調器(SLM)9に投射されてSLM表面上で偏光画像群が形成されるが、その偏光形状群に物体光があたれば物体形状群が偏光変化を受け、空間光変調器(SLM)9の表面P1面でインコヒーレントコヒーレント変換された形状情報を含んだ反射光はハーフミラー(HM)8で反射され偏光板(P)11を通過することによって形状情報光だけが取り出される。ミラー(M1)12で反射された可干渉性形状情報光はP1を前焦点面とする凸レンズ(L1)13でフーリエ変換され、凸レンズ13の後焦点面P2上で光軸中心に重なった形状群の光回折パターン群を形成する。この光回折パターン群と参照光の干渉をホログラムとしてとればそれが多重マッチトフィルタとなる。なお、物体光中に設置されて光導電プラスチック乾板等のホログラム乾板を後焦点とする位置にある凸レンズ13の代わりに、寸法・回転角によらず同一形状が識別可能なバイナリーレンズあるいは寸法・回転角不偏性識別が可能な光フィルタを含んだものを使用することができる。また、P1面と凸レンズ(L1)13の距離は、凸レンズ(L1)13の焦点距離よりも短くてよい。
【0024】
形状識別アルゴリズムの搭載法はつぎのようである。
電子カメラ21等から取り込まれた被識別形状群はパーソナルコンピュータ23にとりこまれる。その中から識別したい参照形状群を選んでパーソナルコンピュータ23上で識別領域が重ならないように互いに遠く離して配置して識別アルゴリズムをつくり、それを小型CRT映像投射装置10で空間光変調器9に投射する。その空間光変調器9にはホログラム作成用物体光が照射されて、配置された参照形状群の画像情報はインコヒーレント・コヒーレント変換され、レンズ(L1)13でフーリエ変換されてレンズ13の後焦点面P2上に設置されたホログラム乾板上に投射されてホログラムがつくられる。ホログラム作製には例えば溶剤蒸気現像型光導電プラスチックホログラム自動作製器が用いられる。光導電プラスチックホログラムは迅速自動現像されて多重マッチトフィルタを形成する。これで複数形状識別アルゴリズムの搭載が成されたことになる。前記光導電プラスチックホログラムは、乾板のプラスチック層が不均化ロジンのグリセリンエステル(スーパー・エスタAー75)を含むロジンのエステルで構成することが望ましい。
なお、アルゴリズムのインストール(搭載)は電子カメラ21、小型CRT映像投射装置10、空間光変調器9などの経路を通さずに、レンズ13を含む光路中のレンズ13の前焦点面に直接物体を配置して行うこともできる。
【0025】
複数形状の識別はつぎのように行われる。
まず、参照光は遮光される。電子カメラ21からとりこまれた被識別物体群は小型CRT映像投射装置10と空間光変調器9を通って可干渉性画像変換され、レンズ(L1)13でフーリエ変換されてホログラム乾板上に照射され、多重マッチトフィルタで同時に実時間で識別される。被識別形状群中に参照形状と同じ形状があれば、その形状物体光によって多重マッチトフィルタの機能からその形状パターンと干渉した参照光が再生されて凸レンズ(L2)19で集光される。
【0026】
すなわち、形状群の識別結果はP2の後焦点面に設置された凸レンズ19の後焦点面P3上にそれぞれの参照形状設置位置と同じ位置を中心にして形づくられる各形状識別領域中に再生参照光群である自己相関光の輝点群として被識別物体の位置と点対象に現れる。従って、P3面上の各形状識別領域中の自己相関光の位置を二次元情報処理装置20で位置測定を瞬時に行い各形状群の位置と分布・配列を同時に 瞬時に知ることができる。なお、電子カメラ21を用いずに被識別物体を光路中に入れて直接物体を識別する場合は、光路中に参照形状を配置して直接アルゴリズムのインストールをした場合と同様に、凸レンズ(L1)13の前焦点面に被識別物体を通過させることによって、すなわち以下のような方法により物体形状の識別が直接可能になる。
【0027】
電子カメラ21を用いない実物体の測定は、例えば、前述のハーフミラー8を通常の偏向ミラー(8’)に変えて平行光作成用凸レンズ7を通過した平行光束が全て偏光板11の方向に反射されるよう偏向ミラー8’の方向を設定することにより行われる。平行光作成用凸レンズ7の後方に、偏向ミラー8’と空間光変調器9の表面位置までの距離を同じくする位置を偏向ミラー8’を中心として対称にとり、その位置を実物体の測定視界とする。実物体の測定光学系の倍率は調整される。なお、光回折パターンから物体形状を多重マッチトフィルタで識別する場合、多重マッチトフィルタ表面と凸レンズ13までの距離は凸レンズ13の後焦点距離と同じくする必要があるが、被識別物体は凸レンズ13の前焦点距離にある必要はない。
【0028】
被識別形状が不鮮明であったり、参照形状と類似した形状があればP3面に現れる相関光群では自己相関光と相互相関光の強度の差が明確でなくなり、形状群識別にニューロ判別を用いることが必要になる。複数形状識別ニューロ処理はつぎのように行われる。
デイジタルニューロ処理はP3面上に現れる相関光群の光強度を二次元光アレイ等で取り込み電気信号に変換したものをディジタルニューロ計算処理して正しい形状識別判定を行いモニター上に識別結果を表示する方法をとる。
【0029】
光アナログ並列瞬時ニューロ処理を行うためには、P3面に1/2波長板+偏光板+非線形強度反射鏡で構成する偏光非線形強度反射鏡31を置き、相関光群を偏光させると共に強度を非線形強度分布で反射させると凸レンズ(L2)19によって平行参照光群に変換された可干渉性光はP2面の多重マッチトフィルタを裏面から照射し、それによって物体光群が物体光光路上に再生される。その物体光群は物体光光路上に設置された偏光ミラー32によって反射されて再び多重マッチトフィルタを照射する。すると、この物体光群によって参照光群が再生され、凸レンズ19によって再び同じP3面上に相関光群を形成する。これらの相関光群は自己相関光群が強調され、相互相関光群は弱められようなニューロ判別の結果が示されることになる。
【0030】
【実施例】
図1において、1本の光学系配置用の光学レール1上に光アナログ計算識別光学系全体が配置され、支持されている。レール1の長さは例えば1500mmから800mm程度である。この光学レール1には光アナログ計算識別光学系を構成する全ての光学要素が(後で詳述する)が強固に固定されかつ支持されている。従って光学レール1が振動しても、光学レール上の光学要素間の光学的関係は不変である。従って、外部からの振動による光波干渉に対する外乱を防ぐことができる。また従って、光学レール1を持って光アナログ計算識別光学系を他の場所に移すことも可能である。光アナログ計算識別光学系の光学要素を光学レール1上に固定するために図示せぬキャリアとロッド・スタンドが用いられる。それらは光学系の光路の調整、光学要素の位置調整等に用いられるが、ネジによって強固に肯定される。光学系が固定用に設計された段階でこれらのキャリアとロッド・スタンドの調整機能は省かれてよい。
【0031】
光学レール1上に組み立てられている光アナログ計算識別光学系、及びそれを構成する種々の光学要素はつぎの通りである。光源は例えば10mW HeーNeレーザー2である。このレーザー2は例えば丸形ホルダ42によってロッド43に固定されていて直径1mm程度のコヒーレントな平行光束を得る。この光束をアルミベンチ1上でベンチに平行に照射する。なお、レーザー光源は可干渉性半導体レーザー光を平行光として照射する光学系をつけたものに置き換えることができる。照射平行レーザー光を光シャッター3と1/2波長板4を通して例えばx40(40倍)の顕微鏡対物レンズ5で集光し、200μm程度の孔径を持つピンホールでできている空間光フィルタ6を通してほぼ均一強度の強度むらの無い拡大光をつくりそれを平行光作成用凸レンズ7を通して40乃至60mm直径の拡大平行光を得る。空間光フィルタ6を通過した可干渉性平行レーザー光束はハーフミラー8で2つに分けられ、一方は物体光として空間光変調器SLM9に照射される。他方は参照光としてミラー(M2)15で反射され減光フィルタ16通ってホログラム乾板に照射される。
【0032】
なお、空間光変調器(SLM)9には電子カメラ21からとりこまれた参照形状がフレームメモリ22とパーソナルコンピュータ23によって形状群識別アルゴリズムにしたがった形状位置がつくられ、小型CRT映像投射装置10からそれが空間光変調器(SLM)9に照射される。SLM9上には参照形状配置アルゴリズム画像が作製される。SLM9上に照射された物体光でSLM9上の参照形状画像群情報は可干渉性画像群に変換され、ハーフミラー8で反射され、偏光板11で偏光画像情報だけをのせた物体光だけが選別されてミラー12を通って凸レンズ13でフーリエ変換されて、画像群の光回折パターンとしてホログラム自動作成器14に設置されたホログラム乾板上に照射される。この物体光と参照光の干渉縞をホログラム乾板で現像定着すれば1枚の多重マッチトフィルタが作製される。
【0033】
さて、参照光を遮光したあと、参照形状を取り去り、被識別形状群を電子カメラ21でとりこみ、小型CRT映像投射装置10でSLM9上すなわち凸レンズ13の前焦点面P1に被識別形状群を投射すれば、インコヒーレント・コヒーレント変換された物体形状の可干渉性画像群が凸レンズ13上でフーリエ変換されて、その回折光群がP2面上にある多重マッチトフィルタにあたる。被識別物体形状群中に参照形状と同じ形状があれば多重マッチトフィルタであるホログラムによって同じ形状を識別したという参照光が再生される。その参照光を凸レンズ19で集光すれば後焦点面P3上に自己相関光がそれぞれの形状の測定領域ごとに被識別物体の存在位置と点対称の位置に実時間で出現する。自己相関光の出現する領域とその領域中の位置によって複数の被識別物体の形状と位置が同時に分かる。
【0034】
したがって、二次元光アレイ等を備えた微弱光の強度と位置を同時並列に読み取る二次元受光アレイ(二次元光情報検出装置)20でP3面上の相関光を同時並列に読み出し、直接または光ニューロ処理装置24を通して識別結果ディスプレイ25にそれらの信号を入れて処理すれば、文字列等の配置を瞬時に選びだすことができたり、複数形状の形状別空間分布のマップ化や形状別挙動等が並列に瞬時に表示される。なお、識別結果ディスプレイ25にはマイクロコンピュータ機能やデータ蓄積機能が内蔵されているかまたはマイクロコンピュータ23とフレームメモリ22がつながれ、測定結果の表示用アルゴリズムの搭載とその処理が行われる。
【0035】
また、図1中の符号31から35で示す部材は二次元光情報処理装置20で相関光群を受光してディジタルニューロ識別をする代わりにニューロ識別を全て光学的に行うための方法及び装置を表す。複数形状を正確に識別するために、凸レンズ19の後焦点面P3に現れる相関光群は光ニューロ識別フィードバック光学系で自動判別される。まず、偏波面回転器31から二次元受光アレイ35の光学部品が測定系の中に設置される。1/2波長板と偏光ミラーで構成される反射型偏波面回転器31は相関光群の偏波面を回転させて反射する。なお、反射型偏波面回転器31は非線形光学系を含み相関光の強度は非線形的に反射される。反射相関光群によって再生された参照形状と同じ形状で被識別物体と同じ位置にある画像が再生されて偏光ミラー32によって反射され再びホログラムを物体光として照射する。これによって反射型偏波面回転器31上の自己相関光は強調修正されて相互相関光の強度と区別が容易になり再び反射されて更に偏光ミラー33で反射され凸レンズ34で集光され二次元受光アレイ35上に各形状識別領域ごとに被識別形状の存在位置に従った位置に現れる。したがってこれらの信号を直接ディスプレイ上に表示するかまたは特別な表示プログラムに従って表示すれば、文字列・複数形状が全て光で実時間的に並列にアナログ・ニューロ識別される。
【0036】
ここで用いられたその他の機器の構成や材料は次のようである。溶剤蒸気現像型光導電プラスチック乾板のプラスチック層は完全水素添加ロジン、すなわち不均化ロジンのグリセリンエステルを含むロジンのエステルである。
【0037】
つぎに本発明にかかわる第2実施例の説明をすると、第2実施例は第1実施例中の空間変調器9と小型CRT映像投射装置10に代わって光透過型空間光変調器を構成する液晶表示装置を使用した点に特徴がある。
図2は第2実施例の特徴部を示す構成図であり、この特徴部以外、第1実施例と同じ符号は、同じ部材から構成されている。
図中、51は液晶表示装置であり、この液晶表示装置51は第1実施形態中の空間変調器9と小型CRT映像投射装置10に代わって図に示す位置に配置されている。図に示すように、半透明鏡8を通過した光は鏡50で反射され、平行光が直接鏡(M1)12に入り、鏡50と鏡12の間の光路中に液晶表示装置51と偏光板(P)11が入る。この場合液晶表示装置51の位置は凸レンズ(L1)13の前焦点面かまたは前焦点距離以内で偏光板(P)11の前すなわち光源側にある。
以上のように構成することで、第1実施形態中の空間変調器9と小型CRT映像投射装置10を液晶表示装置に置き換えることができる。
このように液晶表示装置を使用することにより、小型CRT映像投射装置が不要となるため製造コストの低減、構造の簡略化装置の小型化を図ることができる。
【0038】
また本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいかなる形でも実施できる。そのため、前述の実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず限定的に解釈してはならない。
【0039】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明によれば、
並列実時間識別を得意とする多重マッチトフィルタ法を用いた光アナログ計算法を用いることにより、自己相関光の出現する領域とその領域中の位置によって複数の被識別物体の形状と位置を同時に識別することができる。
また、簡便迅速自動現像装置をレーザー光源、ホログラム作成光学系と共に1本のレール状光学台の上に一体で構成して外乱振動の影響を排除し、光学暗室を必要とせず薄明るいところでホログラムを自動作成し、その一体型ホログラム作成装置中に電子カメラからとり込んだ被識別形状群を画像投射装置と空間光変調器でインコヒーレント・コヒーレント変換させて、ホログラム乾板に被識別形状群の実時間情報を投射できるようにすることでホログラム作成技術上の困難さを解消することができる。
またアルゴリズムの作成・搭載は電子カメラからとり込んだ画像から参照形状をマイクロコンピュータで配置し、それを画像投射装置、空間光変調器を通してホログラム自動作製装置上の光導電プラスチック乾板に照射して多重マッチトフィルタを作成することでアルゴリズムを搭載する準備作業を簡略化できる。
光導電プラスチック乾板を用いることで光学暗室を必要としない文字列・複数形状の識別装置を得ることができる。光学レール上に全光学系を設置することで、除振効果の高い一体型の文字列・複数形状の識別装置を得ることができる、等の優れた効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係わる文字列や複数形状等の識別装置の構成図である。
【図2】本発明の他の実施形態に係わる文字列や複数形状等の識別装置の構成図である。
【符号の説明】
1 光学レール
2 レーザー光源
3 光シャッター
4 1/2波長板
5 対物レンズ
6 空間光フィルタ(SF)
7 平行光作成用凸レンズ(CL)
8 ハーフミラー
9 空間光変調器(SLM)
10 小型CRT映像投射装置
11 偏光板(P)
12 ミラー(M1)
13 凸レンズ(L1)
14 ホログラム自動作成器
15 ミラー(M2)
16 減光フィルター及びフィルターホルダ(FH)
17 溶剤蒸発供給装置
18 高電圧供給装置
19 凸レンズ(L2)
20 二次元光情報処理装置
21 電子カメラ(高速ディジタルカメラまたは高速アナログカメラ)
22 フレームメモリ
23 コンピュータ
24 光ニューロ処理装置
25 識別結果ディスプレイ
31 偏波面回転器
32、33 偏光ミラー
34 偏光板
35 二次元受光アレイ
50 ミラー
51 液晶表示装置
図面
【図1】
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【図2】
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