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明細書 :コンクリート製ブロック及びその製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B1)
特許番号 特許第3937025号 (P3937025)
登録日 平成19年4月6日(2007.4.6)
発行日 平成19年6月27日(2007.6.27)
発明の名称または考案の名称 コンクリート製ブロック及びその製造方法
国際特許分類 E02D  29/02        (2006.01)
E02B   3/14        (2006.01)
FI E02D 29/02 311
E02B 3/14 301
請求項の数または発明の数 8
全頁数 10
出願番号 特願2006-263591 (P2006-263591)
出願日 平成18年9月27日(2006.9.27)
審査請求日 平成18年10月10日(2006.10.10)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504147243
【氏名又は名称】国立大学法人 岡山大学
【識別番号】506326383
【氏名又は名称】八王寺工業株式会社
発明者または考案者 【氏名】且原 真木
【氏名】長谷川 廣海
【氏名】村瀬 幸信
【氏名】田中 直明
【氏名】山本 孝一
早期審査対象出願または早期審理対象出願 早期審査対象出願
個別代理人の代理人 【識別番号】100080160、【弁理士】、【氏名又は名称】松尾 憲一郎
審査官 【審査官】草野 顕子
参考文献・文献 実開平02-093353(JP,U)
特開2004-036095(JP,A)
調査した分野 E02D 29/02
E02B 3/04-14
E02D 17/20
要約 【課題】低コストであって取扱い性がよく、植物を長期的に育成可能なように土壌を充填した土壌収容部を備えたコンクリート製ブロック及びその製造方法を提供する。
【解決手段】土壌収容部を形成するための突部を設けた型枠でコンクリート製ブロックを形成する第1の工程と、形成されたコンクリート製ブロックの土壌収容部に、酸性土と、腐葉土と、でんぷん系接着剤と、水とを混練した土壌を充填し、次いで、培養土とでんぷん系接着剤と、水とを混練した土壌を充填する第2の工程とによりコンクリート製ブロックを形成する。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
植生用の土壌が充填される土壌収容部を備えたコンクリート製ブロックにおいて、
前記土壌収容部には、酸性土と腐葉土とを混合した土壌を充填したことを特徴とするコンクリート製ブロック。
【請求項2】
植生用の土壌が充填される土壌収容部を備えたコンクリート製ブロックにおいて、
前記土壌収容部には、酸性土と、腐葉土と、でんぷん系接着剤と、水とを混練した土壌を充填したことを特徴とするコンクリート製ブロック。
【請求項3】
前記土壌の表層に、培養土を含有した所定厚みの培養土層を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコンクリート製ブロック。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のコンクリート製ブロックにおいて、多孔質コンクリート製としたことを特徴とするコンクリート製ブロック。
【請求項5】
植生用の土壌が充填される土壌収容部を形成するための突部を設けた型枠でコンクリート製ブロックを形成する第1の工程と、
形成されたコンクリート製ブロックの前記土壌収容部に、酸性土と、腐葉土と、でんぷん系接着剤と、水とを混練した土壌を充填する第2の工程と
により植生用の土壌が充填されたコンクリート製ブロックを製造する製造方法であって、
前記第2の工程は、
前記第1の工程で形成された前記土壌収容部を上方に向けて、この土壌収容部に前記土壌を充填するステップと、
前記土壌収容部に充填した前記土壌上に培養土を含有した培養土層を形成するステップと
を有するコンクリート製ブロックの製造方法。
【請求項6】
前記培養土層は、前記培養土にでんぷん系接着剤と水とを加えて混練して、前記土壌収容部に充填された前記土壌上に充填して形成することを特徴とする請求項5記載のコンクリート製ブロックの製造方法。
【請求項7】
前記第2の工程において、前記培養土層の形成後に、
前記土壌収容部を被覆する被覆板を前記コンクリート製ブロックに装着するステップと、
前記コンクリート製ブロックを上下反転させて前記土壌収容部を下方に向けるステップと、
前記コンクリート製ブロックに振動を加えるステップと
を有することを特徴とする請求項5または請求項6に記載のコンクリート製ブロックの製造方法。
【請求項8】
前記第2の工程において、前記培養土層の形成後に、前記土壌収容部部分に植生させる植物を前記培養土層に配置して、前記被覆板を装着していることを特徴とする請求項7記載のコンクリート製ブロックの製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート製ブロック及びその製造方法に関するものであり、特に、植生用の土壌が充填される土壌収容部を備えたコンクリート製ブロック及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、擁壁の施工や護岸工事などでは、コンクリート製ブロックを積み上げたり、あるいはコンクリートを型枠成形したりしてコンクリート壁が形成されているが、形成されたコンクリート壁は無機的で味気なく、しかも夏場には、コンクリート壁に太陽熱が蓄積されて夜間に蓄積された熱の放出が生じて気温低下を阻害することとなっていた。
【0003】
そこで、昨今では、国の指導等により、コンクリート壁を緑化することが検討されている。すなわち、コンクリート壁を緑化することにより、無機的な印象を与えにくくするとともに、蓄熱作用の抑制を図っている。
【0004】
しかしながら、コンクリートはアルカリ性であるために、コンクリート自体に植物が根付くことが不可能であり、例えば、コンクリート構造物に適量の土壌を収容する土壌収容部を形成して植物を植えたとしても、土壌がアルカリ化されることにより数年を経ずして植物が枯死することとなっていた。
【0005】
そこで、植物を根付かせる植生領域を設けたコンクリート製ブロックなどでは、コンクリートの表面を樹脂膜で被覆して水とコンクリートとの接触を防止して、コンクリートからのアルカリ成分の溶出を防止したり(例えば、特許文献1参照。)、多孔質コンクリートの空孔部分に収容する植生用の土壌に陽イオン交換体を含有させてコンクリートから溶出したアルカリ成分を中和したりする方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。

【特許文献1】特開平08-144286号公報
【特許文献2】特開平08-205671号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、樹脂膜でコンクリート表面を被覆した場合には、製品が高コスト化するために一般的な普及が図られにくいという問題があった。
【0007】
また、モンモリロナイト、パーミキュライト、アロフェン、火山灰土などの粘土鉱物や、ゼオライトなどで構成される陽イオン交換体を含有した土壌を多孔質コンクリートの孔部分に充填した場合には、陽イオン交換体を含有した土壌を多孔質コンクリートの孔部分に均質に充填する作業が困難であり、しかも、土壌が充填されたコンクリートブロックの搬送作業及び施工作業中に土壌が漏れ出すことにより、漏れ出した土壌の処理作業が必要となるという不具合があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、本発明のコンクリート製ブロックでは、植生用の土壌が充填される土壌収容部を備えたコンクリート製ブロックにおいて、土壌収容部には、酸性土と腐葉土とを混合した土壌を充填した。
【0009】
また、本発明のコンクリート製ブロックでは、植生用の土壌が充填される土壌収容部を備えたコンクリート製ブロックにおいて、土壌収容部には、酸性土と、腐葉土と、でんぷん系接着剤と、水とを混練した土壌を充填した。
【0010】
さらには、土壌の表層に、培養土を含有した所定厚みの培養土層を設けたことにも特徴を有し、コンクリート製ブロックを多孔質コンクリート製としたことにも特徴を有するものである。
【0011】
また、本発明のコンクリート製ブロックの製造方法では、植生用の土壌が充填される土壌収容部を形成するための突部を設けた型枠でコンクリート製ブロックを形成する第1の工程と、形成されたコンクリート製ブロックの土壌収容部に、酸性土と、腐葉土と、でんぷん系接着剤と、水とを混練した土壌を充填する第2の工程とにより植生用の土壌が充填されたコンクリート製ブロックを製造する製造方法であって、第2の工程は、第1の工程で形成された土壌収容部を上方に向けて、この土壌収容部に土壌を充填するステップと、土壌収容部に充填した土壌上に培養土を含有した培養土層を形成するステップを有することとした。
【0012】
さらに、本発明のコンクリート製ブロックの製造方法では、以下の点にも特徴を有するものである。すなわち、
(1)培養土層は、培養土にでんぷん系接着剤と水とを加えて混練して、土壌収容部に充填された土壌上に充填して形成すること。
(2)第2の工程において、培養土層の形成後に、土壌収容部を被覆する被覆板をコンクリート製ブロックに装着するステップと、コンクリート製ブロックを上下反転させて土壌収容部を下方に向けるステップと、コンクリート製ブロックに振動を加えるステップとを有すること。
(3)第2の工程において、培養土層の形成後に、土壌収容部部分に植生させる植物を培養土層に配置して、被覆板を装着していること。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の発明によれば、植生用の土壌が充填される土壌収容部を備えたコンクリート製ブロックにおいて、土壌収容部に酸性土と腐葉土とを混合した土壌を充填したことによって、コンクリートのアルカリ性を酸性土の酸性で中和して、土壌収容部に収容した土壌がアルカリ性化することを防止でき、長期間安定的に植物を根付かせることができる。
【0014】
請求項2記載の発明によれば、植生用の土壌が充填される土壌収容部を備えたコンクリート製ブロックにおいて、土壌収容部には、酸性土と、腐葉土と、でんぷん系接着剤と、水とを混練した土壌を充填したことによって、コンクリートのアルカリ性を酸性土の酸性で中和して、土壌収容部に収容した土壌がアルカリ性化することを防止でき、長期間安定的に植物を根付かせることができるとともに、でんぷん系接着剤で土壌の流出を抑止できることにより、コンクリートブロックで形成される擁壁の擁壁面に安定的に土壌を保持させて植物を育成させることができる。
【0015】
請求項3記載の発明によれば、請求項1または請求項2に記載のコンクリート製ブロックにおいて、土壌の表層に培養土を含有した所定厚みの培養土層を設けたことによって、植え付け直後または種まき直後の植物に十分な栄養を与えることができ、確実に根付かせることができる。
【0016】
請求項4記載の発明によれば、請求項1~3のいずれか1項に記載のコンクリート製ブロックにおいて、コンクリート製ブロックを多孔質コンクリート製としたことにより、土壌収容部に収容した土壌の水捌け性を向上させて、コンクリートからのアルカリ成分の溶出を抑制できるとともに、多孔質のコンクリート製ブロックの孔部分に植物の根を張らせて、植物の根を介して土壌収容部に収容した土壌の流出を抑制できる。
【0017】
請求項5記載の発明によれば、植生用の土壌が充填される土壌収容部を形成するための突部を設けた型枠でコンクリート製ブロックを形成する第1の工程と、形成されたコンクリート製ブロックの土壌収容部に、酸性土と、腐葉土と、でんぷん系接着剤と、水とを混練した土壌を充填する第2の工程とにより植生用の土壌が充填されたコンクリート製ブロックを製造する製造方法であって、第2の工程では、第1の工程で形成された土壌収容部を上方に向けて、この土壌収容部に土壌を充填するステップと、土壌収容部に充填した土壌上に培養土を含有した培養土層を形成するステップを有することによって、コンクリートのアルカリ性を酸性土の酸性で中和して、土壌収容部に収容した土壌がアルカリ性化することを抑制して長期間安定的に植物を根付かせることができるコンクリート製ブロックを容易に製造できる。
【0018】
特に、土壌収容部に土壌を充填するステップの後に、土壌上に培養土を含有した培養土層を形成するステップを有することによって、土壌の表層に培養土を含有した所定厚みの培養土層を設けることができ、植え付け直後または種まき直後の植物に十分な栄養を与えて確実に根付かせることができコンクリート製ブロックを製造できる。
【0019】
請求項6記載の発明によれば、請求項5記載のコンクリート製ブロックの製造方法において、培養土層は、培養土にでんぷん系接着剤と水とを加えて混練して、土壌収容部に充填された土壌上に充填して形成することによって、土壌収容部に充填した土壌と培養土層とを緊密に接合させることができ、土壌収容部からの培養土層の流出を抑制できる。
【0020】
請求項7記載の発明によれば、請求項5または請求項6に記載のコンクリート製ブロックの製造方法において、培養土層の形成後に、土壌収容部を被覆する被覆板をコンクリート製ブロックに装着するステップと、コンクリート製ブロックを上下反転させて土壌収容部を下方に向けるステップと、コンクリート製ブロックに振動を加えるステップとを有することによって、土壌収容部に充填した土壌がコンクリート製ブロックの奥行き方向に充填されることを抑制して、土壌収容部への土壌の追加充填を不要として、作業効率を向上させることができる。
【0021】
請求項8記載の発明によれば、請求項7記載のコンクリート製ブロックの製造方法において、培養土層の形成後に、土壌収容部部分に植生させる植物を培養土層に配置して、被覆板を装着していることによって、培養土層への植物の植え付け作業または種まき作業の手間を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明のコンクリート製ブロック及びその製造方法では、植生用の土壌が充填される土壌収容部を備えたコンクリート製ブロックにおいて、土壌収容部に酸性土と腐葉土とを混合した土壌を充填しているものであり、土壌収容部に収容した酸性土の酸性によってコンクリート製ブロックから溶出するアルカリ成分を中和して土壌のアルカリ性化を抑制することにより、土壌収容部に植物を長期間安定的に根付かせ可能としているものである。
【0023】
すなわち、図1に示すように、コンクリート製ブロックAには、互いに積み重ねた際に擁壁などの壁体の壁面を構成する露出面10に凹状の窪みで構成した土壌収容部11を設けており、この土壌収容部11に土壌を収容して主土壌層12を形成して植生部とし、さらに主土壌層12の上面には培養土を含有した所定厚みの培養土層13を設けている。
【0024】
主土壌層12は、酸性土と腐葉土とを混合した土壌で構成しており、好適には、酸性土と、腐葉土と、でんぷん系接着剤と、水とを混練してペースト状とした土壌が望ましい。
【0025】
主土壌層12が酸性土を含有していることにより、コンクリート製ブロックAに付着した雨などの水分によってコンクリート製ブロックAからアルカリ成分が溶出した際には、酸性土の酸性成分でアルカリ成分を中和することができ、主土壌層12がアルカリ化することを抑制できる。
【0026】
特に、主土壌層12は、酸性土と腐葉土との混合物にでんぷん系接着剤を添加して、水を加えてペースト状とした土壌を土壌収容部11に収容して形成することによって、でんぷん系接着剤による結着作用によって土壌同士の結合力を向上させることができ、主土壌層12を構成する土壌の流出を抑制できる。
【0027】
特に、擁壁などの壁体を構成するコンクリート製ブロックAでは、露出面10は90°に近い傾斜面を構成するので、土壌収容部11に収容した主土壌層12が雨水などによって流出するおそれがあるが、でんぷん系接着剤を介して土壌を結着しておくことにより、主土壌層12の流出を抑制できる。
【0028】
さらに、主土壌層12の上面に培養土層13を設けた場合には、この培養土層13によって植物を根付かせやすくすることができ、確実に植生させることができる。
【0029】
コンクリート製ブロックAは、多孔質コンクリート製として多孔質化しておくことにより、コンクリート製ブロックAの水捌け性を向上させて植物の根腐れを生じさせにくくすることができるとともに、多孔質となったコンクリートの孔部分に植物の根を張らせて、植物の根を介して主土壌層12の流出を抑制できる。
【0030】
このように、主土壌層12が収容されたコンクリート製ブロックAは、図2(a)に示すように、所定形状のコンクリート製ブロックAを形成するための型枠21に混和剤を含有したコンクリートを充填して形成しており、特に、型枠21にコンクリートを充填した後に、土壌収容部11に対応する部分を突出させることにより形成した突部22aを備えた土壌収容部用型枠22を型枠21内のコンクリートに押し当てて、土壌収容部11を形成された基体aを形成している。ここで、基体aは多孔質となっている。
【0031】
土壌収容部11が形成された基体aは、図2(b)に示すように、土壌収容部11を上方に向けて載置し、土壌収容部11内に主土壌層12となる土壌を収容し、さらに主土壌層12の上面に培養土層13となる土壌を収容している。
【0032】
ここで、主土壌層12となる土壌、及び培養土層13となる土壌にはでんぷん系接着剤及び水を添加してペースト状としておくことにより、各土壌の土壌収容部11内への充填による収容を極めて容易に行うことができる。
【0033】
土壌収容部11内への主土壌層12及び培養土層13の充填後、図2(c)に示すように、基体aを型枠21から取り出し、培養土層13に苗木を植えたり、種まきを行ったりして植物を育成させている。
【0034】
あるいは、図3(a)に示すように、型枠21に混和剤を含有したコンクリートを充填し、突部22aを備えた土壌収容部用型枠22を型枠21内のコンクリートに押し当てて、土壌収容部11を形成された基体aを形成した後、図3(b)に示すように、上方に向けた土壌収容部11内に主土壌層12となる土壌を収容し、次いで主土壌層12の上面に培養土層13となる土壌を収容し、さらに培養土層13上に植生させる植物Pを配置してもよい。
【0035】
植物Pの配置後、図3(c)に示すように、基体aに土壌収容部11を被覆する被覆板23を装着し、図3(d)に示すように、基体aを上下反転させて土壌収容部11を下方に向けるとともに所定の周波数の振動を印加可能な振動台24上に基体aを載置して、基体aに所定の周波数及び振幅の振動を印加している。
【0036】
この振動によって基体aの型枠21からの脱型を促すとともに、ペースト状の主土壌層12及び培養土層13を多孔質な基体aの水平方向に拡散させることができ、主土壌層12及び培養土層13を基体aに噛み込ませて結合力を向上させることができる。
【0037】
しかも、主土壌層12及び培養土層13の拡散が多孔質な基体aの奥行き方向に生じることを抑制して、土壌収容部11における土壌の充填不足が生じることを抑制できる。さらに、多孔質な基体aの奥行き方向の孔部分に土壌が充填されて、基体aの水捌け性が低下すること抑制できる。
【0038】
また、主土壌層12と培養土層13とを積層した状態で基体aに振動を加えた場合には、主土壌層12と培養土層13との結合性を向上させて一体化することができ、培養土層13の流出を抑制できる。
【0039】
そのうえ、基体aに加えた振動によって、植物Pの一部または全部を培養土層13に埋め入れることができ、苗の植え付け作業、あるいは種まき作業の手間を軽減することもできる。
【0040】
振動台24による振動の印加後、基体aを静置して十分に硬化させて本発明のコンクリート製ブロックAとしている。
【0041】
培養土層13あるいは主土壌層12に植物Pが十分に根付いた状態となった段階でコンクリート製ブロックAを施工現場に搬送して使用している。
【実施例】
【0042】
以下において、本発明の具体的な実施例を説明する。
【0043】
まず、コンクリート製ブロックAの基体aは、以下の組成の生コンクリートで形成している。
【0044】
・セメント(普通セメント) 176.0Kg
・砂(山砂) 68.8Kg
・砕石(15~20mm,5~15mm) 652.4Kg
・混和剤 1.76Kg
・水 30.0Kg
この生コンクリートを11個の型枠に分け入れて養生し、基体aを生成した。基体aの空隙率は約20%であった。基体aに形成した土壌収容部11は、深さ4cmで、30cm×20cmの矩形の開口を有する大きさとした。
【0045】
主土壌層12となる土壌は以下の組成とした。ここで、酸性土としては、いわゆる真砂土と呼ばれる風化花崗岩を用い、でんぷん系接着剤として蒟蒻のりを用いた。
【0046】
・真砂土 0.65kg
・腐葉土 0.65kg
・蒟蒻のり 5.0g
・水 0.45kg
これらの混合物を十分に撹拌混合してペースト状とし、基体aに形成されている土壌収容部11に充填した。
【0047】
培養土層13となる土壌は以下の組成とした。ここで、培養土層13にもでんぷん系接着剤を添加しており、でんぷん系接着剤として蒟蒻のりを用いた。
【0048】
・培養土 0.2kg
・蒟蒻のり 2.0g
・水 0.2kg
これらの混合物を十分に撹拌混合してペースト状とし、土壌収容部11に充填された主土壌層12上に充填した。
【0049】
土壌収容部11への培養土層13の形成後、培養土層13上には2~3cm程度としたマンネングサの挿し枝を30本程度満遍に配置し、被覆板23を装着して基体aを上下反転させて型枠21を脱型し、土壌収容部11を上方に向けてマンネングサを育成させた。
【0050】
このようにして形成したコンクリート製ブロックAでは、このテストにおいては、マンネングサが枯死することなく10ヶ月以上育成することが確認され、特に、コンクリート製ブロックAの施工後にも増して、マンネングサが成長していることが確認された。
【0051】
マンネングサは、ベンケイソウ科マンネングサ属に属する植物の一群であって、メキシコマンネングサやツルマンネングサなどを用いることができる。
【0052】
また、マンネングサの代わりに芝を用いることもでき、特に芝の場合には、主土壌層12において腐葉土がなくても芝が十分に育成することが確認され、腐葉土を真砂土に置き換えた主土壌層12としてもよい。
【0053】
主土壌層12及び培養土層13は上述した構成に限定されるものではなく、必要に応じて適宜の植物肥料や土壌改良材を添加してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施形態にかかるコンクリート製ブロックの一部切欠説明図である。
【図2】本発明の実施形態にかかるコンクリート製ブロックの製造方法説明図である。
【図3】本発明の実施形態にかかるコンクリート製ブロックの製造方法説明図である。
【符号の説明】
【0055】
A コンクリート製ブロック
a 基体
10 露出面
11 土壌収容部
12 主土壌層
13 培養土層
21 型枠
22 土壌収容部用型枠
22a 突部
23 被覆板
24 振動台
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2