TOP > 国内特許検索 > イミノ基を含有する化合物の製造方法 > 明細書

明細書 :イミノ基を含有する化合物の製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5140828号 (P5140828)
公開番号 特開2008-222612 (P2008-222612A)
登録日 平成24年11月30日(2012.11.30)
発行日 平成25年2月13日(2013.2.13)
公開日 平成20年9月25日(2008.9.25)
発明の名称または考案の名称 イミノ基を含有する化合物の製造方法
国際特許分類 C07F   7/18        (2006.01)
B01J  31/12        (2006.01)
C07B  61/00        (2006.01)
FI C07F 7/18 A
B01J 31/12 Z
C07B 61/00 300
請求項の数または発明の数 2
全頁数 20
出願番号 特願2007-061057 (P2007-061057)
出願日 平成19年3月9日(2007.3.9)
審査請求日 平成22年3月5日(2010.3.5)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504147243
【氏名又は名称】国立大学法人 岡山大学
発明者または考案者 【氏名】國信 洋一郎
【氏名】高井 和彦
個別代理人の代理人 【識別番号】100113181、【弁理士】、【氏名又は名称】中務 茂樹
【識別番号】100114535、【弁理士】、【氏名又は名称】森 寿夫
【識別番号】100075960、【弁理士】、【氏名又は名称】森 廣三郎
【識別番号】100126697、【弁理士】、【氏名又は名称】池岡 瑞枝
審査官 【審査官】品川 陽子
参考文献・文献 特開平06-263675(JP,A)
国際公開第2007/105622(WO,A1)
特開2001-122833(JP,A)
J. Am. Chem. Soc.,2006年 8月31日,Vol.128,p12376-12377
Nature,1993年,Vol.366,p529-531
MATSUI,S. et al.,Asymmetric synthesis of optically active phthalides via ortho-lithiation and cyclization of chiral N-monosubstituted benzamides,Journal of the Chemical Society, Perkin Transactions 1: Organic and Bio-Organic Chemistry(1972-1999),1993年,No.6,p.701-4
KUNINOBU,Y. et al.,Manganese-catalyzed insertion of aldehydes into a C-H bond,Angewandte Chemie, International Edition,2007年,Vol.46, No.34,p.6518-6520
調査した分野 C07F 7/18
C07B 61/00
CA/REGISTRY(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
下記式(VIII)
【化1】
JP0005140828B2_000030t.gif
[式中、R11、R12、R13及びR14は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアリールアルキル基、置換基を有してもよいアリールアルケニル基、置換基を有してもよいアリールアルキニル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよい複素環基、保護されていてもよい水酸基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルデヒド基、保護されていてもよいカルボキシル基又はその塩、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキロキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、アルキルカルボニロキシ基、アリールカルボニロキシ基、保護されていてもよいアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基、アリールアンモニウム基、保護されていてもよいチオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、保護されていてもよいスルフィン酸基又はその塩、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、保護されていてもよいスルホン酸基又はその塩、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルアゾ基、アリールアゾ基、保護されていてもよいリン酸基又はその塩、保護されていてもよい亜リン酸基又はその塩、シアノ基、ニトロ基又はアジド基であり;R11、R12、R13及びR14は、相互に結合して環を形成してもよい。また、R及びRは、それぞれ独立して置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアリールアルキル基、置換基を有してもよいアリールアルケニル基、置換基を有してもよいアリールアルキニル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよい複素環基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキロキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、アルキルカルボニロキシ基、アリールカルボニロキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルキルアンモニウム基、アリールアンモニウム基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルアゾ基又はアリールアゾ基であり;R及びRは相互に結合して環を形成している。
で示されるイミンと、下記式(II)
【化2】
JP0005140828B2_000031t.gif
[式中、=Yは、=Oを示し;は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアリールアルキル基、置換基を有してもよいアリールアルケニル基、置換基を有してもよいアリールアルキニル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基又は置換基を有してもよい複素環基であり;は水素原子である。
で示されるアルデヒドと、水酸基の保護が可能な下記式(IV)
【化3】
JP0005140828B2_000032t.gif
[式中、Zは、ケイ素原子であり、R、R及びR10は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアリールアルキル基、置換基を有してもよいアリールアルケニル基、置換基を有してもよいアリールアルキニル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基又は置換基を有してもよい複素環基であり;R、R及びR10は、相互に結合して環を形成してもよい。]
で示される化合物とを、マンガン化合物又はレニウム化合物からなる触媒の存在下で反応させることを特徴とする、下記式(IX)
【化4】
JP0005140828B2_000033t.gif
[式中、、R11、R12、R13、R14及びYは、前記式(VIII)及び式(II)と同じ。Prot.は、ZR10であり、Z、R、R及びR10は、式(IV)と同じである。
で示される化合物の製造方法。
【請求項2】
前記式(VIII)で示される化合物において、Rがアルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルキルチオ基及びアリールチオ基からなる群から選択される1種である請求項記載の製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、イミノ基を含有する化合物の製造方法に関する。特に、β位に水素原子を有するイミンに対してカルボニル化合物を反応させて、水酸基が保護されたイミノアルコールを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複雑な化合物を合成するためには、入手容易な化合物を原料とし、炭素-炭素結合の形成を繰り返すことが必要であることから、炭素-炭素結合生成反応は、有機合成において重要な反応である。例えば、カルボニル化合物に対して炭素-炭素結合を形成する反応の代表例がグリニャール反応である。これはカルボニル基への有機マグネシウム反応剤(グリニャール反応剤)の付加反応であり、二級、三級アルコール及びその誘導体の合成法として有用な炭素-炭素結合形成反応である。しかし、このグリニャール反応には二つの問題点がある。一つは、求核剤となるグリニャール反応剤をハロゲン化アルキルとマグネシウムから、あらかじめ調製しておく必要があるという点である。二つめは、量論反応であることから、反応後に1当量以上のマグネシウム塩が副生する点である。
【0003】
近年では、簡単かつ経済的に合成できるのみならず、環境に優しい反応であることも重要視されるようになっている。上記グリニャール反応の場合のように、通常、炭素-炭素結合形成に利用されるのはハロゲンなどの反応性の高い官能基である。これらの官能基は原料にあらかじめ導入しておく必要があるが、反応後には失われてしまうため、原子効率が悪かった。これに対し、炭素-水素結合を活性化させる手法は、官能基をあらかじめ原料に導入しておく必要がないため、経済的であって環境に調和した、原子効率の良い分子変換法である。遷移金属錯体触媒を用いて、炭素-水素結合を活性化することにより炭素-炭素結合を形成する反応は、近年大きな発展を遂げている。
【0004】
従来、炭素-水素結合の活性化を経由する化学反応には、主にルテニウムやロジウムなどの高価な金属錯体が用いられてきた。また、これらの金属錯体を用いた反応は、分極していない不飽和分子(オレフィン、アセチレン)の炭素-水素結合への挿入反応に限られていた。そのような反応として、非特許文献1に記載されている芳香族ケトンとオレフィンの反応がよく知られている(下記式(1)参照)。この反応では、カルボニル基の酸素がルテニウム原子に配位することによって、芳香族ケトンの芳香環のオルト位の炭素-水素結合が活性化される。そして活性化された炭素-水素結合にオレフィンが挿入し、炭素-炭素結合が形成される。
【0005】
【化1】
JP0005140828B2_000002t.gif

【0006】
一方、本発明者らは、レニウム錯体による炭素-水素結合の活性化を利用した、炭素-炭素結合形成反応を報告している。レニウム錯体を用いることにより、アセチレンなどの分極していない分子だけでなく、イソシアナートやアルデヒドといった、分極した不飽和分子が炭素-水素結合へ挿入することが可能であることを見いだしている。例えば、アルデヒドのカルボニル基が炭素-水素結合へ挿入することについては非特許文献2に報告されている。それによると、芳香族イミンのイミノ基のβ位(芳香環のオルト位)の炭素-水素結合が活性化され、グリニャール型の反応によりアルデヒドが挿入し、さらに分子内での求核的な環化反応が進行し、イソベンゾフラン誘導体が収率良く得られる(下記式(2)参照)。
【0007】
【化2】
JP0005140828B2_000003t.gif

【0008】

【非特許文献1】S. Murai、外6名、Nature、1993年、第366巻、p.529-531
【非特許文献2】Y. Kuninobu、外3名、Journal of American Chemical Society、2006年、第128巻、p.12376-12377
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、イミノ基を含有する化合物の新たな製造方法を提供することを目的とする。具体的には、イミンの炭素-水素結合に対して分極した不飽和結合を挿入して、新たな炭素-炭素結合を形成して、原子効率良くイミノ基を含有する化合物を製造する方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、下記式(VIII)
【化3】
JP0005140828B2_000004t.gif
[式中、R11、R12、R13及びR14は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアリールアルキル基、置換基を有してもよいアリールアルケニル基、置換基を有してもよいアリールアルキニル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよい複素環基、保護されていてもよい水酸基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルデヒド基、保護されていてもよいカルボキシル基又はその塩、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキロキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、アルキルカルボニロキシ基、アリールカルボニロキシ基、保護されていてもよいアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基、アリールアンモニウム基、保護されていてもよいチオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、保護されていてもよいスルフィン酸基又はその塩、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、保護されていてもよいスルホン酸基又はその塩、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルアゾ基、アリールアゾ基、保護されていてもよいリン酸基又はその塩、保護されていてもよい亜リン酸基又はその塩、シアノ基、ニトロ基又はアジド基であり;R11、R12、R13及びR14は、相互に結合して環を形成してもよい。また、R及びRは、それぞれ独立して置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアリールアルキル基、置換基を有してもよいアリールアルケニル基、置換基を有してもよいアリールアルキニル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよい複素環基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキロキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、アルキルカルボニロキシ基、アリールカルボニロキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルキルアンモニウム基、アリールアンモニウム基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルアゾ基又はアリールアゾ基であり;R及びRは相互に結合して環を形成している。
で示されるイミンと、下記式(II)
【化4】
JP0005140828B2_000005t.gif
[式中、=Yは、=Oを示し;は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアリールアルキル基、置換基を有してもよいアリールアルケニル基、置換基を有してもよいアリールアルキニル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基又は置換基を有してもよい複素環基であり;は水素原子である。
で示されるアルデヒドと、水酸基の保護が可能な下記式(IV)
【化5】
JP0005140828B2_000006t.gif
[式中、Zは、ケイ素原子であり、R、R及びR10は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアリールアルキル基、置換基を有してもよいアリールアルケニル基、置換基を有してもよいアリールアルキニル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基又は置換基を有してもよい複素環基であり;R、R及びR10は、相互に結合して環を形成してもよい。]
で示される化合物とを、マンガン化合物又はレニウム化合物からなる触媒の存在下で反応させることを特徴とする、下記式(IX)
【化6】
JP0005140828B2_000007t.gif
[式中、、R11、R12、R13、R14及びYは、前記式(VIII)及び式(II)と同じ。Prot.は、ZR10であり、Z、R、R及びR10は、式(IV)と同じである。
で示される化合物の製造方法である。
【0014】
前記式(I)で示される化合物において、Rがアルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルキルチオ基及びアリールチオ基からなる群から選択される1種であることが好ましい
【発明の効果】
【0015】
本発明の製造方法によれば、イミンの炭素-水素結合に対して、分極した不飽和結合を挿入して、新たな炭素-炭素結合を形成して、原子効率良くイミノ基を含有する化合物を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の反応は、下記式(I)
【化12】
JP0005140828B2_000008t.gif
[式中、=X、R、R及びRは、前記の通り。]
で示される化合物と、下記式(II)
【化13】
JP0005140828B2_000009t.gif
[式中、=Y、R及びRは、前記の通り。]
で示される化合物と、水酸基、アミノ基又はチオール基の保護が可能な化合物とを反応させることを特徴とする、下記式(III)
【化14】
JP0005140828B2_000010t.gif
[式中、R、R、R、R、R、X、Y及びProt.は、前記の通り。]
で示される化合物の製造方法である。
【0017】
本反応の推定メカニズムは、下記式(3)に示すとおりである。ここでは、マンガン化合物からなる触媒の存在下で、1-メチル-2-フェニルイミダゾールとベンズアルデヒドとトリエチルシランとを反応させた場合のメカニズムを示す。
【0018】
【化15】
JP0005140828B2_000011t.gif

【0019】
まず、1-メチル-2-フェニルイミダゾールの窒素原子がマンガン原子に配位することにより、芳香族イミンのイミノ基のβ位(ここでは芳香環のオルト位)の炭素-水素結合にマンガン原子が接近し、炭素-水素結合の活性化が進行してアリールマンガン中間体が生成する。引き続き、生成したアリールマンガン中間体のマンガン-炭素結合にベンズアルデヒドのカルボニル基が挿入する。この段階ではグリニャール反応の求核攻撃と同様の反応が進行することになる。その後、ヒドロシランによるシリル化が、脱水素をともなって進行すると同時に、マンガンの還元的脱離が起こり、シリルエーテルが生成する。シリル基で保護された水酸基は、脱保護することによって、容易に水酸基にすることができる。
【0020】
すなわち、炭素-水素結合をマンガン触媒で活性化することによってグリニャール型の反応を進行させ、保護されたアルコールを得ることができる。したがって、ハロゲンなどの反応性の高い官能基を原料に予め導入することなく、触媒量の遷移金属化合物を用いることで、グリニャール型の反応を進行させることができ、原子効率の良い、環境に優しい反応が提供されることとなった。
【0021】
以下、本反応についてさらに詳しく説明する。本発明で用いられるイミンは、下記式(I)
【化16】
JP0005140828B2_000012t.gif
[式中、=Xは、=N-R又は=Oであり;R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアリールアルキル基、置換基を有してもよいアリールアルケニル基、置換基を有してもよいアリールアルキニル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基又は置換基を有してもよい複素環基、保護されていてもよい水酸基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルデヒド基、保護されていてもよいカルボキシル基又はその塩、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキロキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、アルキルカルボニロキシ基、アリールカルボニロキシ基、保護されていてもよいアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基、アリールアンモニウム基、保護されていてもよいチオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、保護されていてもよいスルフィン酸基又はその塩、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、保護されていてもよいスルホン酸基又はその塩、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルアゾ基、アリールアゾ基、保護されていてもよいリン酸基又はその塩、保護されていてもよい亜リン酸基又はその塩、シアノ基、ニトロ基又はアジド基であり;R、R、R及びRは、相互に結合して環を形成してもよい。]
で示されるものである。
【0022】
ここで、=Xが=N-Rであるとき、式(I)で示される化合物はイミンであり、=Xが=Oであるとき、式(I)で示される化合物はケトン、アルデヒド、エステルなどである。R、R、R及びRの各置換基の炭素数は特に限定されず、高分子鎖であっても構わないが、通常50以下であり、好適には20以下である。このとき、Rがアルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルキルチオ基及びアリールチオ基からなる群から選択される1種であることが好ましい。このような官能基であることによって、炭化水素基である場合よりも収率良く反応が進行する。中でも、Rがアルキルアミノ基又はアリールアミノ基を用いた場合が高収率であり、好ましい。また、R及びRが相互に結合して環を形成していることも好ましい。Rがアルキルアミノ基であってR及びRが相互に結合して環を形成しているイミダゾール環やイミダゾリン環を形成している化合物は、特に好適な化合物の一つである。
【0023】
前記式(I)で示される化合物として下記式(VI)
【化17】
JP0005140828B2_000013t.gif
[式中、R、R、R、Rは、上記式(I)と同じ。]
で示されるイミンを用いることが好適である。イミノ基のβ位の炭素-水素結合が活性化されやすいからである。
【0024】
さらに、前記式(VI)で示されるイミンとして下記式(VIII)
【化18】
JP0005140828B2_000014t.gif
[式中、R11、R12、R13及びR14は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアリールアルキル基、置換基を有してもよいアリールアルケニル基、置換基を有してもよいアリールアルキニル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよい複素環基、保護されていてもよい水酸基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルデヒド基、保護されていてもよいカルボキシル基又はその塩、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキロキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、アルキルカルボニロキシ基、アリールカルボニロキシ基、保護されていてもよいアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基、アリールアンモニウム基、保護されていてもよいチオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、保護されていてもよいスルフィン酸基又はその塩、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、保護されていてもよいスルホン酸基又はその塩、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルアゾ基、アリールアゾ基、保護されていてもよいリン酸基又はその塩、保護されていてもよい亜リン酸基又はその塩、シアノ基、ニトロ基又はアジド基であり;R及びRは、前記式(I)と同じであり;R、R、R11、R12、R13及びR14は、相互に結合して環を形成してもよい。]
で示されるイミンを用いることが好ましい。このような芳香環のオルト位の炭素-水素結合は活性化されやすく、効率よく反応が進行する。
【0025】
なお、上記式(VIII)で示されるイミンは、式(VI)で示されるイミンに含まれるものである。すなわち、式(VI)のイミノ基のα,βの位置にある二重結合は、芳香環の一部であってもよいということである。ここで、R11、R12、R13及びR14の各置換基の炭素数は特に限定されず、高分子鎖であっても構わないが、通常50以下であり、好適には20以下である。
【0026】
また、本発明において、上記式(I)で示されるイミンと反応させる化合物は、下記式(II)
【化19】
JP0005140828B2_000015t.gif
[式中、=Yは、=O、=S、=N-Rからなる群から選択される1種を示し;R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアリールアルキル基、置換基を有してもよいアリールアルケニル基、置換基を有してもよいアリールアルキニル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基又は置換基を有してもよい複素環基であり;R、R及びRは、相互に結合して環を形成してもよい。]
で示されるものである。
【0027】
ここで、R、R及びRの各置換基の炭素数は特に限定されず、高分子鎖であっても構わないが、通常50以下であり、好適には20以下である。前記式(II)で示される化合物において、Yが酸素原子であることが好適な実施態様である。また、前記式(II)で示される化合物において、Rが水素原子であることも好適な実施態様である。そして、前記式(II)で示される化合物において、Yが酸素原子であり、かつRが水素原子であること、すなわち、前記式(II)で示される化合物がアルデヒドであることが特に好適な実施態様である。アルデヒドとしては、芳香族アルデヒド、脂肪族アルデヒド、脂環式アルデヒドのいずれも用いることができる。
【0028】
本発明の反応においては、前記式(I)で示される化合物と、前記式(II)で示される化合物と、水酸基、アミノ基又はチオール基の保護が可能な化合物とを反応させる。式(II)における=Yが=Oである場合、水酸基の保護が可能な化合物が用いられる。式(II)における=Yが=Sである場合、チオール基の保護が可能な化合物が用いられる。また、式(II)における=Yが=N-Rである場合、アミノ基の保護が可能な化合物が用いられる。こうすることによって、非特許文献2に記載された反応で進行するような分子内環化反応や、その他の望ましくない反応が進行するのを防止し、アルコール誘導体、アミン誘導体又はチオール誘導体を収率良く得ることができる。
【0029】
水酸基、アミノ基又はチオール基の保護が可能な化合物は特に限定されず、一般に水酸基、アミノ基又はチオール基を保護する際に用いられる各種の化合物を用いることができる。しかしながら、本発明で好適に用いられる化合物は、下記式(IV)
【化20】
JP0005140828B2_000016t.gif
[式中、Zは、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、スズ原子からなる群から選択される1種であり、R、R及びR10は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアリールアルキル基、置換基を有してもよいアリールアルケニル基、置換基を有してもよいアリールアルキニル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基又は置換基を有してもよい複素環基であり;R、R及びR10は、相互に結合して環を形成してもよい。]
で示される化合物である。
【0030】
ここで、Zがケイ素原子であることが、経済性や安全性の面から好ましい。また、R、R及びR10の各置換基の炭素数は特に限定されないが、通常20以下であり、好適には10以下である。R、R及びR10のいずれもが水素原子ではない、モノヒドロシランであることが好ましい。また、立体障害が少ない方が、反応性が良好なので、R、R及びR10のいずれもが一級のアルキル基であることが好ましい。具体的な化合物としては、トリエチルシラン、ジエチルメチルシラン、エチルジメチルシラン、トリメチルシランなどが例示される。
【0031】
前記式(I)で示される化合物と、前記式(II)で示される化合物と、前記水酸基、アミノ基又はチオール基の保護が可能な化合物とを反応させることによって、下記式(III)
【化21】
JP0005140828B2_000017t.gif
[式中、R、R、R、R、R、X及びYは、前記式(I)及び式(II)と同じ。Prot.は水酸基、アミノ基又はチオール基の保護基である。]
で示される化合物が得られる。
【0032】
ここで、水酸基、アミノ基又はチオール基の保護が可能な化合物が、前記式(IV)で示される化合物である場合には、下記式(V)
【化22】
JP0005140828B2_000018t.gif
[式中、R、R、R、R、R、R、R、R10、X、Y及びZは、前記式(I)、式(II)及び式(IV)と同じ。]
で示される化合物が得られる。
【0033】
また、式(I)で示される化合物が、式(VI)で示されるイミンである場合には、下記式(VII)
【化23】
JP0005140828B2_000019t.gif
[式中、R、R、R、R、R、R、Y及びProt.は、上記式(I)、式(II)及び式(III)と同じ。]
で示される化合物が得られる。
【0034】
また、式(I)で示される化合物が、式(VIII)で示されるイミンである場合には、下記式(IX)
【化24】
JP0005140828B2_000020t.gif
[式中、R、R、R、R、R11、R12、R13、R14、Y及びProt.は、上記式(I)、式(II)、式(III)及び式(VIII)と同じ。]
で示される化合物が得られる。
【0035】
本発明の製造方法においては、遷移金属化合物からなる触媒の存在下で反応させることが好ましい。前記推定メカニズムによれば、イミノ基の窒素原子あるいはカルボニル基の酸素原子が触媒の遷移金属原子に配位し、イミノ基あるいはカルボニル基のβ位の炭素-水素結合に遷移金属原子が接近し、炭素-水素結合の活性化が進行して有機金属化合物中間体が生成する。この中間体の遷移金属-炭素結合に、炭素-酸素二重結合、炭素-硫黄二重結合、又は炭素-窒素二重結合が挿入することとなり反応が進行する。
【0036】
遷移金属化合物として好適なものは、周期表第7族に属する遷移金属化合物であり、中でも、マンガン化合物及びレニウム化合物が好ましい。特に、マンガン化合物は、収率良く反応が進行する上に、レニウム化合物よりも経済的であるので好ましい。また、レニウム化合物を用いた場合にはモレキュラーシーブを系中に存在させないと収率が低くなるが、マンガン化合物を用いた場合にはモレキュラーシーブの有無にかかわらず、収率良く反応が進行する。なお、レニウム触媒を用いた場合にモレキュラーシーブが必要となる理由は明らかではない。遷移金属化合物の価数は特に限定されず、0価であってもよいし、正の価数を有する塩であってもよい。配位子を含む化合物(錯体)であることも好ましく、この場合の配位子としては、臭素、塩素などのハロゲン原子、一酸化炭素などが挙げられる。具体的なマンガン化合物としては、MnBr(CO)、Mn(CO)10、[Mn(CO)(PPh)]などが、好適なものとして例示される。マンガン化合物を用いて炭素-水素結合を活性化して炭素-炭素結合形成反応を進行させた例はこれまでに報告されておらず、今回初めて明らかにされたものである。
【0037】
触媒としての遷移金属化合物の使用量は、式(I)又は式(II)で示される化合物のうちの少ない方のモル数に対して、好適には0.001倍以上であり、より好適には0.005倍以上であり、さらに好適には0.01倍以上である。一方、製造コストや廃棄物の削減の観点からは、遷移金属化合物の使用量は、式(I)又は式(II)で示される化合物のうちの少ない方のモル数に対してより好適には0.2倍以下であり、さらに好適には0.1倍以下である。
【0038】
本発明の製造方法において、式(I)で示される化合物に対する、式(II)で示される化合物の配合比は特に限定されない。原料のコストや目的生成物を考慮して配合比が決定される。使用される溶媒は、原料を溶解できるものであれば特に限定されないが、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、ジオキサン、テトラヒドロフランなど、非プロトン性の有機溶媒が好適である。反応に際しては、加熱することが好ましい。反応温度は、好適には50℃以上であり、より好適には80℃以上であり、さらに好適には100℃以上である。一方、反応温度の上限は、通常300℃であり、好適には200度以下であり、より好適には140℃以下である。このような反応温度とすることで収率良く目的化合物を得ることができる。
【0039】
こうして得られた、式(III)で示される化合物は、保護基を外すことによって、アルコール、アミン又はチオールに変換することができる。また、さらに反応させて他の化合物に変換することもできる。式(I)で示される化合物の置換基と式(II)で示される化合物の置換基が相互に結合していてもよく、この場合には分子内反応によって環化生成物が得られる。本発明によって、ハロゲンなどの反応性の高い官能基を原料に予め導入することなく、触媒量の遷移金属化合物を用いてグリニャール型の反応を進行させることができ、原子効率が良く、環境に優しい炭素-炭素結合形成反応が提供される。また、不斉配位子やキラルな原料を用いれば、不斉合成への応用の可能性も有する。したがって、本発明の製造方法は、医薬品など精密合成品への応用が大いに期待される。
【実施例】
【0040】
実施例1(代表的反応例)
シュレンクに回転子を入れて乾燥し、アルゴン置換した。MnBr(CO)(3.4mg(0.0125mmol)と1-メチル-2-フェニルイミダゾール39.6mg(0.250mmol)、ベンズアルデヒド53.1mg(0.500mmol)、トルエン1mL、トリエチルシラン58.1mg(0.500mmol)を加え、115℃で加熱、撹拌した。24時間後、室温に冷却したのち、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより単離し、無色液体である1-メチル-2-[2-(フェニル-トリエチルシラニロキシ-メチル)-フェニル]-1H-イミダゾール76.3mg(0.201mmol:収率81%)を得た。反応式は下記式(4)の通りである。
【0041】
【化25】
JP0005140828B2_000021t.gif

【0042】
得られた1-メチル-2-[2-(フェニル-トリエチルシラニロキシ-メチル)-フェニル]-1H-イミダゾール(1-Methyl-2-[2-(phenyl-triethylsilanyloxy-methyl)-phenyl]-1H-imidazole)の構造データは以下のとおりである。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.51 (q, J = 7.8 Hz, 6H), 0.83 (t, J = 7.8 Hz, 9H), 2.61 (s, 3H), 6.18 (s, 1H), 6.75 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 6.82 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 7.07-7.09 (m, 4H), 7.16 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 7.26 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.48 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 8.02 (d, J = 7.5 Hz, 1H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 4.62 (3C), 6.65 (3C), 32.24 (1C), 72.61 (1C), 120.19 (1C), 125.55 (1C), 126.15 (1C), 126.68 (1C), 126.88 (2C), 127.55 (2C), 127.88 (1C), 128.17 (1C), 129.19 (1C), 129.80 (1C), 144.58 (1C), 146.22 (1C), 146.35 (1C)
【0043】
実施例2(触媒の検討)
実施例1において、表1に示す触媒を用いた以外は実施例1と同様にして反応を行い、得られた反応混合物から、単離することなくH-NMRを用いて収率を求めた。このとき、モレキュラーシーブ4A(MS)を系内に添加したものと添加しなかったものの両方について試験を行った。結果を表1にまとめて示す。但し、実施例2-1、2-2、2-4及び2-6では触媒の添加量を2.5モル%とした。
【0044】
【表1】
JP0005140828B2_000022t.gif

【0045】
表1に示されるように、レニウム化合物を用いた場合でも反応は進行する。しかしながら、モレキュラーシーブ(MS)を添加しない場合には、高い収率で目的化合物を得ることができなかった。これに対し、マンガン化合物を用いた場合には、モレキュラーシーブの有無にかかわらず、高収率で目的化合物を得ることができた。しかも、収率はレニウム化合物を用いたときよりも高かった。一般に、マンガン化合物の方がレニウム化合物よりも安価であることもあり、本反応で用いられる遷移金属触媒としては、マンガン化合物が最適であることがわかった。
【0046】
実施例3(反応温度と時間)
実施例1において、表2に示す温度及び時間で反応させた以外は実施例1と同様にして反応を行い、得られた反応混合物から、単離することなくH-NMRを用いて収率を求めた。結果を表2にまとめて示す。この結果から、115℃、24時間程度の条件が、最も高収率を与えることがわかった。
【0047】
【表2】
JP0005140828B2_000023t.gif

【0048】
実施例4(イミンの検討)
実施例1において、アルデヒドを実施例1と同じベンズアルデヒドに固定し、ヒドロシランを実施例1と同じトリエチルシランに固定し、イミンを表3に示す化合物に変更した以外は、実施例1と同様にして反応を行い、得られた反応混合物を単離することなくH-NMRを用いて収率を求めた。反応式を式(5)に示すとともに結果を表3にまとめて示す。
【0049】
【化26】
JP0005140828B2_000024t.gif

【0050】
【表3】
JP0005140828B2_000025t.gif

【0051】
式(I)で示されるイミンの化学構造において、Rがアルキルアミノ基であってR及びRが相互に結合して環を形成している(実施例4-1のイミダゾール環:実施例4-2のイミダゾリン環)イミンを原料として用いた場合には、高収率で目的化合物を得ることができた。また、Rがアルコキシ基であってR及びRが相互に結合して環を形成しているオキサゾリン環を形成しているイミンを原料として用いた場合(実施例4-5、4-6)では、収率はあまり高くなかった。Rが炭化水素基であるイミンを原料として用いた場合(実施例4-3)では、さらに収率が低下した。式(I)で示される構造を有さない実施例4-4では、収率が20%に届かなかった。
【0052】
実施例5(アルデヒドの検討)
実施例1において、イミンを実施例1と同じイミンに固定し、ヒドロシランを実施例1と同じトリエチルシランに固定し、アルデヒドを表4に示す化合物に変更した以外は、実施例1と同様にして反応を行い、得られた反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで単離精製し、単離収率を求めた。それに加え、単離することなくH-NMRを用いての収率も求めた。反応式を式(6)に示すとともに結果を表4にまとめて示す。ここで、三級アルデヒドを用いた実施例5-10では、触媒量を10モル%とし、モレキュラーシーブ4Aの存在下で反応を行った。
【0053】
【化27】
JP0005140828B2_000026t.gif

【0054】
【表4】
JP0005140828B2_000027t.gif

【0055】
表4に示されるように、芳香族アルデヒド、脂肪族アルデヒド及び脂環式アルデヒドのいずれであっても目的化合物が得られることがわかる。ただし、実施例5-8~5-10の結果を対比すればわかるように、一級、二級、三級となるに従って収率が低下する。これは、アルデヒドのβ位の立体障害の増加、及びアルキル基の電子供与性の増加によるカルボニル基の分極の低下という原因が考えられる。
【0056】
実施例6(ヒドロシランの検討)
実施例1において、イミンを実施例1と同じイミンに固定し、アルデヒドを実施例1と同じベンズアルデヒドに固定し、ヒドロシランを表5に示す化合物に変更した以外は、実施例1と同様にして反応を行い、得られた反応混合物を単離することなくH-NMRを用いて収率を求めた。反応式を式(7)に示すとともに結果を表5にまとめて示す。
【0057】
【化28】
JP0005140828B2_000028t.gif

【0058】
【表5】
JP0005140828B2_000029t.gif

【0059】
表5に示されるように、トリエチルシランを用いた場合(実施例6-1)に高収率が得られた。ジエチルメチルシランを用いた場合(実施例6-2)に収率が低下したのは、その沸点(78℃)が低いためと考えられる。また、ジメチルフェニルシランを用いた場合(実施例6-3)に収率が低下したのは、立体障害のためと考えられる。