TOP > 国内特許検索 > 歯の咬み合わせ修正支援装置、プログラム、及び記録媒体 > 明細書

明細書 :歯の咬み合わせ修正支援装置、プログラム、及び記録媒体

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4899064号 (P4899064)
登録日 平成24年1月13日(2012.1.13)
発行日 平成24年3月21日(2012.3.21)
発明の名称または考案の名称 歯の咬み合わせ修正支援装置、プログラム、及び記録媒体
国際特許分類 A61C   7/00        (2006.01)
A61C  19/04        (2006.01)
A61C  19/045       (2006.01)
FI A61C 7/00 Z
A61C 19/04 Z
A61C 19/04 H
請求項の数または発明の数 11
全頁数 15
出願番号 特願2007-531043 (P2007-531043)
出願日 平成18年8月18日(2006.8.18)
国際出願番号 PCT/JP2006/316260
国際公開番号 WO2007/021007
国際公開日 平成19年2月22日(2007.2.22)
優先権出願番号 2005238714
優先日 平成17年8月19日(2005.8.19)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成21年7月24日(2009.7.24)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504147243
【氏名又は名称】国立大学法人 岡山大学
発明者または考案者 【氏名】皆木 省吾
【氏名】沖 和広
個別代理人の代理人 【識別番号】100147485、【弁理士】、【氏名又は名称】杉村 憲司
【識別番号】100072051、【弁理士】、【氏名又は名称】杉村 興作
【識別番号】100114292、【弁理士】、【氏名又は名称】来間 清志
【識別番号】100134005、【弁理士】、【氏名又は名称】澤田 達也
【識別番号】100143568、【弁理士】、【氏名又は名称】英 貢
審査官 【審査官】川島 徹
参考文献・文献 国際公開第03/037204(WO,A1)
特開平07-141529(JP,A)
特開平08-280715(JP,A)
特開平09-238963(JP,A)
特開2000-107203(JP,A)
特開2001-112743(JP,A)
特開2005-087646(JP,A)
特開2005-185767(JP,A)
米国特許第06726478(US,B1)
調査した分野 A61C 7/00
A61C 19/04
A61C 19/045
特許請求の範囲 【請求項1】
歯ならびの外科的矯正を行うために必要な情報を生成する咬み合わせ修正支援装置において、
上顎及び下顎の形状データを、少なくとも3つの上顎用の基準点を有する上顎用弓を前面に設けた上顎模型、及び、少なくとも3つの下顎用の基準点を有する下顎用弓を前面に設けた下顎模型として取り込む手段と、
上顎及び下顎の咬み合わせ部位の位置データを特定する手段と、
前記上顎模型及び前記下顎模型を予め定めた6自由度の位置座標で特定するために、上顎及び下顎の噛み合わせ面の各部位のデータ及び各基準点のデータを含む各々の形状データをメモリに記憶する手段と、
前記メモリから各々の形状データを読み出し、前記上顎模型及び前記下顎模型のうちの少なくとも一方を6自由度の位置座標で移動しながら前記上顎用及び下顎用の基準点について、対応する各基準点の間の距離を前記上顎模型及び前記下顎模型の咬み合わせ部位の間の距離として逐次算出する手段と、
前記算出された距離が、予め定められた規定値以下となる場合には、各々の咬み合わせ部位が接触したものと判断、前記移動を停止する手段と、
咬合接触部位について切削可の条件を設定する手段と、
前記接触した咬み合わせ部位について切削可の条件が設定されている場合に、該接触した部位を超えて、移動を継続する手段と、
前記接触した咬み合わせ部位について切削可の条件が設定されている場合に、前記算出された距離が、予め定められた規定値以下となる前に、予め定めた最大の切削可の距離に達する場合には、移動を停止する手段と、
前記移動が停止したときの上顎及び下顎の咬み合わせ状況により、歯の修正領域及び修正量を決定する手段と、
を備えたことを特徴とする咬み合わせ修正支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の咬み合わせ修正支援装置において、
さらに、前記決定された歯の修正領域、修正量、及び、上下顎の形状を画面に表示する手段を備えたことを特徴とする咬み合わせ修正支援装置。
【請求項3】
請求項2に記載の咬み合わせ修正支援装置において、
さらに、前記決定された歯の修正領域における上顎及び下顎の咬み合わせ部位の面積を求める手段を備え、
前記修正領域、修正量、及び、上下顎の形状に加えて、前記面積を表示することを特徴とする咬み合わせ修正支援装置。
【請求項4】
請求項2に記載の咬み合わせ修正支援装置において、
前記咬み合わせ部位が接触したものと判断した場合に、前記移動を停止し、咬合接触部位について切削可の条件を設定した後に、移動を継続する、ことを特徴とする咬み合わせ修正支援装置。
【請求項5】
請求項1に記載の咬み合わせ修正支援装置において、
前記咬合接触部位について切削可の条件を、上顎及び下顎の咬み合わせ部位の領域毎に設定する、ことを特徴とする咬み合わせ修正支援装置。
【請求項6】
請求項1に記載の咬み合わせ修正支援装置において、
前記咬合接触部位についての条件として、切削可に加えて、最大切削許容量を設定する、ことを特徴とする咬み合わせ修正支援装置。
【請求項7】
請求項1に記載の咬み合わせ修正支援装置において、
前記両者の噛み合わせ部位の間の距離は、上顎及び下顎におけるそれぞれ少なくとも3つの基準点の位置座標データから上顎及び下顎の咬み合わせ部位の位置座標データを特定し、該特定した位置座標データに基づいて算出する、ことを特徴とする咬み合わせ修正支援装置。
【請求項8】
請求項1に記載の咬み合わせ修正支援装置において、
前記修正領域は、接触した部位を超えて移動を継続し停止した場合に、該切削可の条件が設定された咬合接触部位であって前記上顎及び下顎の重複する領域とし、
前記修正量は、上顎または下顎について、接触した部位から移動を継続し停止した部位までの間の距離とする、ことを特徴とする咬み合わせ修正支援装置。
【請求項9】
請求項1に記載の咬み合わせ修正支援装置において、
さらに、上顎及び下顎の形状データから、前記決定された修正領域の形状データを削除して新たな上顎及び下顎の形状データを生成する手段を備えたことを特徴とする咬み合わせ修正支援装置。
【請求項10】
歯ならびの外科的矯正を行うために必要な情報を生成するプログラムであって、咬み合わせ修正支援装置を構成するコンピュータに、
上顎及び下顎の形状データを、少なくとも3つの上顎用の基準点を有する上顎用弓を前面に設けた上顎模型、及び、少なくとも3つの下顎用の基準点を有する下顎用弓を前面に設けた下顎模型として取り込む処理と、
上顎及び下顎の咬み合わせ部位の位置データを特定する処理と、
前記上顎模型及び前記下顎模型を予め定めた6自由度の位置座標で特定するために、上顎及び下顎の噛み合わせ面の各部位のデータ及び各基準点のデータを含む各々の形状デー
タをメモリに記憶する処理と、
前記メモリから各々の形状データを読み出し、前記上顎模型及び前記下顎模型のうちの少なくとも一方を6自由度の位置座標で移動しながら前記上顎用及び下顎用の基準点について、対応する各基準点の間の距離を前記上顎模型及び前記下顎模型の咬み合わせ部位の間の距離として逐次算出する処理と、
前記算出された距離が、予め定められた規定値以下となる場合には、各々の咬み合わせ部位が接触したものと判断、前記移動を停止する処理と、
咬合接触部位について切削可の条件を設定する処理と、
前記接触した咬み合わせ部位について切削可の条件が設定されている場合に、該接触した部位を超えて、移動を継続する処理と、
前記接触した咬み合わせ部位について切削可の条件が設定されている場合に、前記算出された距離が、予め定められた規定値以下となる前に、予め定めた最大の切削可の距離に達する場合には、移動を停止する処理と、
前記移動が停止したときの上顎及び下顎の咬み合わせ状況により、歯の修正領域及び修正量を決定する処理と、
を実行させる矯正支援プログラム。
【請求項11】
請求項10に記載の矯正支援プログラムを記録した記録媒体。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、歯形を取ってその咬み合わせのシミュレーションを行う技術に関し、特に、良好な咬み合わせを実現するために必要な情報を生成する咬み合わせ修正支援装置、プログラム、及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、顎変形症の治療は、顎離断の手術前に、CT、MRI等により三次元構築された骨形態画像、セファロ写真、または、光造形により作製された三次元骨模型を用いて治療計画が作成され、手術内容が決定される。そして、手術後に、歯の咬み合わせを改善するために、咬合状態が調整される。この場合、顎離断の手術前に、手術後の歯の咬合状態を予測することができれば、適切な治療計画の下で、適切な顎離断手術を実施することができる。しかしながら、従来、顎離断の手術前に、手術後の各歯の位置及び形態を予測し、上下顎の歯の接触関係が定まる咬合状態を予測することは困難であった。
【0003】
この問題に対応するため、例えば、歯の咬み合わせのシミュレーションを行う咬合器を用いて咬合計測結果を得て、その結果に基づいて、頭蓋または基準位に対する下顎骨の三次元的な位置関係を計測し、三次元表示する技術が開示されている(特許文献1を参照)。これは、下顎骨の三次元的な位置関係の画像データと、最も自然に近い理想的な歯の咬み合わせ状態の位置を示すデータとをCRTに重ね合わせて表示することにより、歯科医個人の技量や感の判断によることなく、歯の矯正治療を行うことができるものである。
【0004】
また、歯を適切な位置に徐々に再配置するためのシステムも開示されている(特許文献2,3を参照)。特許文献2のシステムは、歯の配列を示す歯列弓形を作製し、複数の歯をこの歯列弓形に従って配置し、各歯とその隣接する歯との間の距離差を決定し、その距離差に従って各歯を動かすものである。また、特許文献3のシステムは、咀嚼系における上側の歯と下側の歯とをフィットさせるために、咀嚼に関する表示を行い、指示に基づいて咬み合わせ位置を決定するものである。
【0005】
また、上顎及び下顎の位置を検出したり、相対的な運動軌跡を測定したり、さらに、歯の咬合シミュレーションを行ったりする顎運動測定装置も開示されている(特許文献4~13を参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平6-269468号公報
【特許文献2】
特表2004-500149号公報
【特許文献3】
特表2002-526155号公報
【特許文献4】
特開2004-229943号公報
【特許文献5】
特開2004-195151号公報
【特許文献6】
特開2004-167032号公報
【特許文献7】
特開2004-81865号公報
【特許文献8】
特開2002-355264号公報
【特許文献9】
特開2002-336282号公報
【特許文献10】
特開2001-112743号公報
【特許文献11】
特開平7-308329号公報
【特許文献12】
特開平6-254108号公報
【特許文献13】
実開平6-86717号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、顎離断の手術前に、手術後の各歯の位置、形態、及び上下顎の歯の接触関係が定まる咬合状態を予測するに際し、前述の技術では、必ずしも十分な情報を得ることができるとは限らなかった。
【0008】
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、良好に咬み合う歯の形を完成させるために必要かつ有効な情報を生成することが可能な咬み合わせ修正支援装置、プログラム、及び記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の咬み合わせ修正支援装置は、歯ならびの外科的矯正を行うために必要な情報を生成する咬み合わせ修正支援装置において、上顎及び下顎の形状データを、少なくとも3つの上顎用の基準点を有する上顎用弓を前面に設けた上顎模型、及び、少なくとも3つの下顎用の基準点を有する下顎用弓を前面に設けた下顎模型として取り込む手段と、上顎及び下顎の咬み合わせ部位の位置データを特定する手段と、前記上顎模型及び前記下顎模型を予め定めた6自由度の位置座標で特定するために、上顎及び下顎の噛み合わせ面の各部位のデータ及び各基準点のデータを含む各々の形状データをメモリに記憶する手段と、前記メモリから各々の形状データを読み出し、前記上顎模型及び前記下顎模型のうちの少なくとも一方を6自由度の位置座標で移動しながら前記上顎用及び下顎用の基準点について、対応する各基準点の間の距離を前記上顎模型及び前記下顎模型の咬み合わせ部位の間の距離として逐次算出する手段と、前記算出された距離が、予め定められた規定値以下となる場合には、各々の咬み合わせ部位が接触したものと判断、前記移動を停止する手段と、咬合接触部位について切削可の条件を設定する手段と、前記接触した咬み合わせ部位について切削可の条件が設定されている場合に、該接触した部位を超えて、移動を継続する手段と、前記接触した咬み合わせ部位について切削可の条件が設定されている場合に、前記算出された距離が、予め定められた規定値以下となる前に、予め定めた最大の切削可の距離に達する場合には、移動を停止する手段と、前記移動が停止したときの上顎及び下顎の咬み合わせ状況により、歯の修正領域及び修正量を決定する手段と、を備えたことを特徴とする。これにより、オペレータ(術者)は、歯の修正領域及び修正量を確認することができ、良好に咬み合う歯の形を完成させるために必要かつ有効な情報を得ることが可能となる。
[0010]
また、本発明の咬み合わせ修正支援装置は、さらに、前記決定された歯の修正領域、修正量、及び、上下顎の形状を画面に表示する手段を備えたことを特徴とする。また、さらに、前記決定された歯の修正領域における上顎及び下顎の咬み合わせ部位の面積を求める手段を備え、前記修正領域、修正量、及び、上下顎の形状に加えて、前記面積を表示することを特徴とする。
[0011]
このような本発明の咬み合わせ修正支援装置において、前記咬み合わせ部位が接触したものと判断した場合に、前記移動を停止し、咬合接触部位について切削可の条件を設定した後に、移動を継続することが好適である。
[0012]
また、本発明の咬み合わせ修正支援装置は、前記咬合接触部位について切削可の条件を、上顎及び下顎の咬み合わせ部位の領域毎に設定することを特徴とする。また、前記咬合接触部位についての条件として、切削可に加えて、最大切削許容量を設定することを特徴とする。
[0013]
また、本発明の咬み合わせ修正支援装置は、前記両者の噛み合わせ部位の間の距離を、上顎及び下顎におけるそれぞれ少なくとも3つの基準点の位置座標データから上顎及び下顎の咬み合わせ部位の位置座標データを特定し、該特定した位置座標データに基づいて算出することを特徴とする。
[0014]
また、本発明の咬み合わせ修正支援装置は、前記修正領域を、接触した部位を超えて移動を継続し停止した場合に、該切削可の条件が設定された咬合接触部位であって前記上顎及び下顎の重複する領域とし、前記修正量を、上顎または下顎について、接触した部位から移動を継続し停止した部位までの間の距離とすることを特徴とする。
[0015]
また、本発明の咬み合わせ修正支援装置はさらに、上顎及び下顎の形状データから、前記決定された修正領域の形状データを削除して新たな上顎及び下顎の形状データを生成する手段を備えたことを特徴とする。
【0016】
さらに、本発明の矯正支援プログラムは、歯ならびの外科的矯正を行うために必要な情報を生成するプログラムであって、咬み合わせ修正支援装置を構成するコンピュータに、 上顎及び下顎の形状データを、少なくとも3つの上顎用の基準点を有する上顎用弓を前面に設けた上顎模型、及び、少なくとも3つの下顎用の基準点を有する下顎用弓を前面に設けた下顎模型として取り込む処理と、上顎及び下顎の咬み合わせ部位の位置データを特定する処理と、前記上顎模型及び前記下顎模型を予め定めた6自由度の位置座標で特定するために、上顎及び下顎の噛み合わせ面の各部位のデータ及び各基準点のデータを含む各々の形状データをメモリに記憶する処理と、前記メモリから各々の形状データを読み出し、前記上顎模型及び前記下顎模型のうちの少なくとも一方を6自由度の位置座標で移動しながら前記上顎用及び下顎用の基準点について、対応する各基準点の間の距離を前記上顎模型及び前記下顎模型の咬み合わせ部位の間の距離として逐次算出する処理と、前記算出された距離が、予め定められた規定値以下となる場合には、各々の咬み合わせ部位が接触したものと判断、前記移動を停止する処理と、咬合接触部位について切削可の条件を設定する処理と、前記接触した咬み合わせ部位について切削可の条件が設定されている場合に、該接触した部位を超えて、移動を継続する処理と、前記接触した咬み合わせ部位について切削可の条件が設定されている場合に、前記算出された距離が、予め定められた規定値以下となる前に、予め定めた最大の切削可の距離に達する場合には、移動を停止する処理と、前記移動が停止したときの上顎及び下顎の咬み合わせ状況により、歯の修正領域及び修正量を決定する処理と、を実行させることを特徴とする。
[0017]
ところで、本発明は、上顎及び下顎の形状データを取り込み、上顎及び下顎の咬み合わせ部位の位置データを特定する点に特徴があるのではなく、歯の修正領域及び修正量を決定する仕組みに特徴を有する。上顎及び下顎の形状データを測定したり、咬み合わせ部位の位置データを測定したりする顎運動測定装置は、前述した特許文献に記載されている。本発明は、顎運動測定装置により測定されたデータを取り込み、当該データを用いて歯の修正領域及び修正量を決定することに特徴を有する。
[発明の効果]
[0018]
本発明によれば、上顎と下顎とを移動させ、咬み合わせ部位の距離を算出し、歯の修正領域及び修正量を決定するようにした。これにより、良好に咬み合う歯の形を完成させるために必要かつ有効な情報を生成することが可能となる。例えば、顎離断の手術前に、歯の咬み合わせの調整を行うための情報を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明による実施の形態による咬み合わせ修正支援装置のハードウェア構成を示す図である。
【図2】本発明による実施の形態による咬み合わせ修正支援装置の機能構成を示す図である。
【図3】上顎模型及び下顎模型を説明する図である。
【図4】修正領域・量決定手段の処理を説明するための図である。
【図5】図2の咬み合わせ修正支援装置の処理を示すフローチャート図である。
【図6】条件設定・距離算出手段の処理を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0020】
1 咬み合わせ修正支援装置
2 演算装置
3 記憶装置
4 表示装置
5 伝送装置
6 ネットワークインターフェース
7 形状計測装置
8 位置計測装置
10 形状取込手段
20 位置取込手段
30 条件設定・距離算出手段
40 修正領域・量決定手段
100 上顎模型
110 上顎用弓
120,130,140 上顎基準点
200 下顎模型
210 下顎用弓
220,230,240 下顎基準点
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
〔構成〕
図1は、本発明の実施の形態による咬み合わせ修正支援装置のハードウェア構成を示す図である。この咬み合わせ修正支援装置1は、形状計測装置7及び位置計測装置8からデータを入力し、プログラムに従って処理を実行する演算装置2、プログラム及びデータを記憶する記憶装置3、演算装置2により演算された処理結果やオペレータによる操作データを画面に表示する表示装置4、及び、ネットワークインターフェース6を介してインターネット等の外部ネットワーク(図示せず)に接続し、データの送受信を行う伝送装置5を備えている。演算装置2は、オペレータによるマウス及びキーボード(図示せず)の操作データを入力し、その操作に従って記憶装置3からプログラム及びデータを読み出して実行し、その実行結果を表示装置4に表示する。すなわち、演算装置2は、CPUにより、後述する一連の処理が記述された矯正支援プログラムを記憶装置3から読み出し、RAM上に展開して実行し、実行結果を記憶装置3に記憶したり、表示装置4に表示したりする。
【0022】
図2は、本発明の実施の形態による咬み合わせ修正支援装置1の機能構成を示す図である。この咬み合わせ修正支援装置1は、形状取込手段10、位置取込手段20、条件設定・距離算出手段30、及び修正領域・量決定手段40を備えている。図1に示したハードウェア構成と関係付けると、これらの手段は、演算装置2により記憶装置3から矯正支援プログラムを読み出し、それぞれの処理を実行する。
【0023】
形状取込手段10は、上顎形状データ及び下顎形状データを形状計測装置7から取り込み、記憶装置3に記憶して保持する。図3は、上顎模型及び下顎模型を説明する図である。図3において、上顎模型100は、上顎基準点120~140を有する上顎用弓110をその前面に備え、下顎模型200も同様に、下顎基準点220~240を有する下顎用弓210をその前面に備えている。これら3点の上顎基準点120~140及び下顎基準点220~240は、咬み合わせ面の各部位の座標を特定するための基準点である。すなわち、上顎基準点120~140の座標が定まると、上顎模型100における咬み合わせ面の各部位の座標も一意に特定することができる。同様に、下顎基準点220~240の座標が定まると、下顎模型200における咬み合わせ面の各部位の座標も一意に特定することができる。
【0024】
オペレータが上顎模型100を形状計測装置7にセットすると、形状計測装置7は、上顎模型100を計測してデジタルデータ化し、上顎形状データを生成する。そして、形状取込手段10は、上顎形状データを形状計測装置7から取り込む。同様に、形状取込手段10は、形状計測装置7により下顎模型200から生成された下顎形状データを取り込む。ここで、上顎形状データ及び下顎形状データは、上顎模型100及び下顎模型200において、上顎及び下顎の咬み合わせ面の各部位についての3次元位置を示す座標データ(x,y,z)、及び、基準点120~140,220~240の3次元位置を示す座標データ(x,y,z)を含む。この場合、咬み合わせ面の各部位のデータ及び基準点のデータは、単一の座標系のデータであり、上顎模型100及び下顎模型200が移動した場合に、上顎基準点120~140及び下顎基準点220~240に基づいて、咬み合わせ面の各部位の座標を決定するための基本データとなる。つまり、形状取込手段10は、これらのデータを取り込み、上顎模型100について、上顎基準点120~140の3次元位置座標データ、及び当該上顎基準点120~140に対する咬み合わせ面の各部位の相対座標データを上顎形状データとして記憶する。また、下顎模型200について、下顎基準点220~240の3次元位置座標データ、及び当該下顎基準点220~240に対する咬み合わせ面の各部位の相対座標データを下顎形状データとして記憶する。ここで、咬み合わせ面の各部位の相対座標データは、上顎及び下顎の咬み合わせに関与する歯の形態について、その表面を計測して得られる3次元座標値の集まりである。
【0025】
ここで用いられる形状計測装置7の例としては、接触式の形状計測装置、または非接触式の形状計測装置がある。接触式の形状計測装置は、上顎模型100及び下顎模型200に測定プローブを直接接触させて計測する。一方、非接触式の形状計測装置は、レーザ光を上顎模型100及び下顎模型200に照射し、CCD(Charge Coupled Device)またはPSD(Position Sensing Device)等の1次元の受光素子を用いてその反射光を撮影することによりデータを生成する。また、帯状のレーザ光を上顎模型100及び下顎模型200に照射し、2次元の受光素子を用いてその反射光を撮影することによりデータを生成する形状計測装置もある。
【0026】
尚、上顎形状データ及び下顎形状データを生成する形状計測装置7は、接触式の計測装置または非接触式の計測装置に限定されるものではなく、上顎模型100及び下顎模型200から上顎形状データ及び下顎形状データを生成し、これらのデータを咬み合わせ修正支援装置1に出力(伝送)する装置であればよい。
【0027】
位置取込手段20は、オペレータが、予め上顎基準点120~140及び下顎基準点220~240にマーカーを取り付け、位置計測装置8にその上顎模型100及び下顎模型200を所望の位置にセットすると、その基準点の絶対座標データを取り込み、記憶装置3に記憶して保持する。ここで、基準点の絶対座標データは、後述する条件設定・距離算出手段30が上下顎の咬み合わせ部位の座標を特定し、咬み合わせ部位の距離を算出するために必要なデータである。
【0028】
具体的には、オペレータがマーカーが取り付けられた上顎模型100及び下顎模型200を所望の位置にセットすると、位置計測装置8は、図3に示したようにX軸、Y軸及びZ軸の絶対座標系を設定し、上顎基準点120~140及び下顎基準点220~240の絶対座標データ(絶対座標系における座標データ)を生成する。つまり、形状計測装置7によってデジタルデータ化された上顎及び下顎の咬み合わせ面の形状は、位置計測装置8によって生成された基準点を用いて、その相対位置が決定される。
【0029】
ここで用いられる位置計測装置8の例としては、モーションキャプチャ、または6自由度の顎運動測定装置がある。モーションキャプチャは、ここでは計測対象を3次元的に捉える装置であり、測定対象である剛体に発光体または反射体を取り付け、少なくとも2個のカメラによりその発光体または反射体の位置を特定する。1つの剛体に対して発光体または反射体を少なくとも3箇所に取り付け、2個の剛体の位置関係を特定し、基準となる剛体に対するもう一つの剛体の相対的位置関係X,Y,Z,θx,θy,θzを出力する。一方、6自由度の顎運動測定装置は、上顎と下顎との間の相対的な運動である顎運動を測定及び観察する装置であり、6自由度を示す位置関係X,Y,Z,θx,θy,θzを出力する。この場合、上顎歯列及び下顎歯列の位置を測定し、その位置関係を出力することが望ましい。このような顎運動測定装置には、機械式、光学式、磁気式及び超音波式がある。このようにして、位置計測装置8は、上顎基準点120~140及び下顎基準点220~240の絶対座標データを生成し、出力する。
【0030】
尚、ここで用いられる位置計測装置8は、モーションキャプチャ、または6自由度の顎運動測定装置に限定されるものではなく、2個の剛体の相対的位置関係X,Y,Z,θx,θy,θzを生成し、これらのデータを咬み合わせ修正支援装置1に出力(伝送)できる装置であればよい。
【0031】
条件設定・距離算出手段30は、位置取込手段20により取り込まれた上顎基準点120~140及び下顎基準点220~240の絶対座標データから特定される上顎模型100及び下顎模型200の位置を開始位置として、上顎模型100のデータと下顎模型200のデータとを鉛直方向(Z軸方向)に徐々に接近させながら両者の間の距離を算出する。具体的には、位置取込手段20により取り込まれた上顎基準点120~140及び下顎基準点220~240の絶対座標データ、及び形状取込手段10により取り込まれた上顎形状データ及び下顎形状データに基づいて、開始位置における咬み合わせ面の各部位の絶対座標を算出し、また、上顎模型100のデータと下顎模型200のデータとを鉛直方向(Z軸方向)に徐々に接近させたときには、移動後の基準点の絶対座標データから咬み合わせ面の各部位の絶対座標を逐次算出する。そして、当該上顎の咬み合わせ面の各部位の絶対座標と下顎の咬み合わせ面の各部位の絶対座標とにより、距離を算出する。ここで、鉛直方向に徐々に接近させる移動形態は、予めオペレータの操作により設定されているものとする。
【0032】
例えば、下顎模型200のみが接近移動したとすると、条件設定・距離算出手段30は、移動後の下顎基準点220~240の絶対座標データを算出し、当該下顎基準点220~240の絶対座標を基準にして、前記保持した下顎基準点220~240の絶対座標データ及びこれに対する下顎の咬み合わせ面の各部位の相対座標データを用いて、移動後の下顎の咬み合わせ面の各部位の絶対座標を算出する。つまり、下顎基準点220~240の3つの基準点を用いて、下顎の咬み合わせ面の各部位の絶対座標を特定することができる。同様に、移動後の上顎基準点120~140の3つの基準点を用いて、上顎の咬み合わせ面の各部位の絶対座標を特定することもできる。そして、両者間の距離を算出する。
【0033】
また、条件設定・距離算出手段30は、オペレータの操作により咬合接触点の条件を設定し、再び、上顎模型100のデータと下顎模型200のデータとを、予め設定された鉛直方向に徐々に接近させ、距離を算出する。さらに、条件設定・距離算出手段30は、形状取込手段10により保持された上顎形状データ及び下顎形状データを用いて、上顎模型100及び下顎模型200の形状を、前記算出した距離と共に表示装置4に表示する。
【0034】
ここで、咬合接触点の条件とは、例えば、上顎の咬み合わせ面における歯列の領域毎に、咬み合わせ面のその領域内の部位が接触した場合に(距離0または予め設定された(咬合接触したと判定する)規定値以下の場合に)、さらに鉛直方向に接近させるか否か、及び、さらに接近させることが可能な最大の距離(最大切削許容量)をいう。下顎についても同様である。つまり、条件として、上下顎の咬み合わせ部位が接触した場合に、接近移動をさらに継続して行うことが設定される。また、接触部位から接近移動をさらに継続して行うことが可能な最大の距離が設定される。この場合、オペレータは、当該部位を削った後の上顎及び下顎の咬み合わせ状況を把握することができる。
【0035】
オペレータは、表示装置4に表示された上顎模型100と下顎模型200の形状、及び条件設定・距離算出手段30により算出された距離を参照して、さらに他の条件を設定するための操作を行い、前述の処理を実行させる。このような設定及び処理を繰り返すことにより、所望の咬み合わせ状況を得ることができる。
【0036】
修正領域・量決定手段40は、オペレータが所望の咬み合わせ状況を得ることができた場合には、上顎及び下顎の咬み合わせ面についての修正領域及び修正量を決定する。具体的には、修正領域・量決定手段40は、オペレータの操作により、所望の咬み合わせ状況を得たことを入力し、そのときの条件設定・距離算出手段30により得られた上顎及び下顎の咬み合わせ状況に基づいて、修正領域及び修正量を決定する。
【0037】
図4は、修正領域・量決定手段40の処理を説明するための図である。図4において、咬合接触点の条件として、領域401に、咬み合わせ面の部位が接触した場合さらに接近させること、及びその距離(歯を削る量(距離))が設定されているものとする。この条件の下で、条件設定・距離算出手段30は、上顎模型100のデータと下顎模型200データとを鉛直方向に徐々に接近させながら両者の間の距離を算出し、当該距離と共に上顎模型100及び下顎模型200の形状を表示装置4に表示する。そして、条件設定・距離算出手段30は、領域401の咬み合わせ部位の距離が0または予め設定された規定値以下となり接触したと判断した場合、領域401の咬合接触点の条件がさらに所定の距離まで継続して接近させることであるから、さらに鉛直方向に徐々に接近させる。そして、咬み合わせ部位403の距離が0または予め設定された規定値以下となり接触したと判断した場合、接近移動を停止し、停止した状況における各部位の距離及び上顎模型100と下顎模型200の形状を表示装置4に表示する。オペレータが所望の咬み合わせ状況を得たことを判断すると、その操作により、修正領域・量決定手段40は、前記停止状態の上顎及び下顎の咬み合わせ状況に基づいて、修正領域及び修正量を決定する。図4において、領域402が修正領域となり、そのときの距離d及び幅wが修正量となる。ここで、修正領域は、接触した部位を超えて接近移動を継続した後に停止した場合の上顎模型100及び下顎模型200が重複する領域であり、修正量は、接触した部位から接近移動を継続した後停止するまでの上顎模型100に対する下顎模型200の移動距離d及び該重複領域の幅wである。この修正量は、移動距離d及び幅wに限定されるものではなく、修正領域を数値化した値であればよい。
【0038】
尚、条件設定・距離算出手段30は、咬み合わせ部位403の距離が0または予め設定された規定値以下となる以前に、領域401の咬み合わせ部位の距離が条件として設定した距離(最大切削許容量)と一致した場合には、接近移動を停止し、その旨を表示する。
【0039】
〔動作〕
次に、図2に示した咬み合わせ修正支援装置1の動作について説明する。図5は、咬み合わせ修正支援装置1の動作を示すフローチャート図である。形状取込手段10及び位置取込手段20は、上顎模型100及び下顎模型200をデジタルデータ化する(ステップS401)。具体的には、形状取込手段10は、上顎模型100の上顎形状データ及び下顎模型200の下顎形状データを形状計測装置7から取り込み、記憶装置3に記憶して保持する。これらの上顎形状データ及び下顎形状データは、上顎及び下顎が移動したときに咬み合わせ面の各部位の絶対座標を算出する場合、及びこれらの形状を表示装置4に表示する場合に用いる。
【0040】
オペレータは、上下顎のデジタルデータの3次元的位置関係を、自己の意図する位置にセットする(ステップS402)。そうすると、位置取込手段20は、上顎基準点120~140の絶対座標データ及び下顎基準点220~240の絶対座標データを位置計測装置8から取り込む。これらの基準点の絶対値座標データは、上顎及び下顎が移動したときに咬み合わせ面の各部位の絶対座標を算出するために用いる。
【0041】
条件設定・距離算出手段30は、上顎模型100及び下顎模型200のデジタルデータの相対的位置を変化させる(ステップS403)。また、咬合接触点の条件を、咬み合わせ面の各部位の領域毎に設定する。
【0042】
修正領域・量決定手段40は、オペレータが所望の咬み合わせ状況を得ることができた場合には、オペレータの操作により、噛み合わせの修正領域及び修正量を決定し、表示装置4に表示する(ステップS404)。
【0043】
次に、図2に示した条件設定・距離算出手段30の動作について説明する。図6は、条件設定・距離算出手段30の動作を示すフローチャート図である。このフローチャート図は、図5に示したステップ403について、詳細な動作内容を示すものである。条件設定・距離算出手段30は、咬合接触点の条件を示す指標を最大化して、すなわち条件が設定されていないものとして(ステップS501)、上顎のデジタルデータと下顎のデジタルデータとを接近移動させ(ステップS502)、咬み合わせ部位の距離が0または予め設定された規定値以下となる接触部位の存在を判断すると、接近移動を停止する。
【0044】
条件設定・距離算出手段30は、オペレータの操作により、咬合接触点の条件を設定すると(ステップS503)、再び接近移動を開始し(ステップS504)、咬合接触指数である咬み合わせ部位の距離を算出する(ステップS505)。そして、条件設定・距離算出手段30は、咬み合わせ部位の距離が0となる接触部位の存在を判断した場合、または、接近移動により咬み合わせ部位の距離(接触点を超えて(歯を削ったと想定して)さらに接近移動した場合の距離)が咬合接触点の条件として設定した距離に一致した場合、接近移動を停止する。オペレータは、咬合接触点の条件の新たな設定または変更が必要であるか否かを判断し(ステップS506)、必要であると判断した場合に、条件設定・距離算出手段30は、オペレータの操作により、条件の設定または変更を行い(ステップS506)、ステップ504に戻る。このように、図5及び図6に示したフローに従って、修正領域・量決定手段40は、咬み合わせの修正領域及び修正量を決定することができる。
【0045】
以上のように、本発明の実施の形態による咬み合わせ修正支援装置1によれば、条件設定・距離算出手段30が、上顎模型100のデータと下顎模型200のデータとを徐々に接近移動させ、咬み合わせ部位の距離を算出し、距離0を判断すると咬み合わせ部位が接触したとして接近移動を停止する。また、条件設定・距離算出手段30が、オペレータの操作により咬合接触点の条件を設定し、当該条件に従って、接触部位を超えてさらに近接移動させ、距離0を判断して接触部位が現れると接近移動を停止する。このような接近移動及び咬合接触点の条件の設定を繰り返すことにより、オペレータは、歯の咬み合わせの調整を行うための有効な情報を得ることが可能となる。
【0046】
この場合、咬み合わせ修正支援装置1は、形状取込手段10により取り込まれた上顎模型100及び下顎模型200の形状データ、並びに位置取込手段20により取り込まれた基準点の絶対座標データを用いて、顎運動シミュレーションを行うようにしてもよい。また、咬み合わせ修正支援装置1は、CTまたはMRIにより撮影された患者の骨形態を3次元構築した画像データを取り込み、当該骨形態の画像データの座標系と、上顎模型100及び下顎模型200の形状データの座標系とを一致させ、上顎模型100の形状データと頭蓋骨データとを一体化し、また、下顎模型200の形状データと下顎骨データとを一体化し、顎運動シミュレーションを行うようにしてもよい。
【0047】
また、上記実施の形態では、条件設定・距離算出手段30が、上顎模型100のデータと下顎模型200のデータとを鉛直方向(Z軸方向)に徐々に接近させながら両者の間の距離を算出するようにしたが、両者を水平方向(XY平面上)に移動させたり、水平面上で回転移動させたりして、距離を算出するようにしてもよい。また、鉛直移動、水平移動及び回転移動を組み合わせて移動させ、距離を算出するようにしてもよい。この場合、移動種別は、オペレータの操作により予め設定される。
【0048】
また、上記実施の形態では、形状計測装置8が、上顎基準点120~140及び下顎基準点220~240のそれぞれ3つの点を基準点として形状を計測し、条件設定・距離算出手段30が、これらの3つの基準点に基づいて、上顎及び下顎の咬み合わせ部位の距離を算出するようにしたが、基準点は3つに限定されるものではなく、3つ以上であればよい。
【0049】
また、上記実施の形態では、形状取込手段10が、上顎形状データ及び下顎形状データを形状計測装置7から取り込み、位置取込手段20が、上顎模型100及び下顎模型200における基準点の絶対座標データを位置計測装置8から取り込むようにしたが、形状取込手段10及び位置取込手段20の代替手段が、形状計測装置7及び位置計測装置8の機能を併せもつ計測装置から、上顎形状データ、下顎形状データ、及び基準点の絶対座標データをまとめて取り込むようにしてもよい。
【0050】
また、上記実施の形態では、条件設定・距離算出手段30が、上顎模型100及び下顎模型200の形状を、咬み合わせ部位の距離と共に表示装置4に表示し、修正領域・量決定手段40が、修正領域及び修正量を表示装置4に表示するようにしたが、上顎と下顎との間の接触面積の値を表示するようにしてもよい。つまり、条件設定・距離算出手段30または修正領域・量決定手段40は、上顎模型100及び下顎模型200の重なっている箇所の接触面積、例えば図4において修正領域402の接触面積を求め、その値を表示装置4に表示する。
【0051】
また、上記実施の形態では、修正領域・量決定手段40が、修正領域及び修正量を決定するようにしたが、さらに、決定後、上顎形状データ及び下顎形状データから噛み合わせの修正領域における形状データを削除して、修正後の上顎形状データ及び下顎形状データを新たに生成し、当該新たに生成した上顎形状データ及び下顎形状データ、並びにそのときの修正量を記憶装置3に記憶するようにしてもよい。この場合、位置取込手段20により新たに取り込まれた基準点の絶対座標データを元に、条件設定・距離算出手段30は、新たな開始位置から、上顎模型100のデータと下顎模型200のデータとを徐々に鉛直移動させながら、前記記憶装置3に記憶した修正後の上顎形状データ及び下顎形状データを用いて、距離を算出する。これにより、修正(修正領域を切削)した上顎形状データ及び下顎形状データの履歴、及び、修正量の履歴を記憶装置3に記憶することができる。
【0052】
尚、咬み合わせ修正支援装置1は、図1に示したように、演算装置2、RAM等の揮発性の記憶媒体やROM等の不揮発性の記憶媒体である記憶装置3、キーボードやポインティングデバイス等の入力装置(図示せず)、画像やデータを表示する表示装置4、及び外部ネットワークと通信をするための伝送装置5を備えたコンピュータによって構成される。この場合、咬み合わせ修正支援装置1に備えた形状取込手段10、位置取込手段20、条件設定・距離算出手段30及び修正領域・量決定手段40の各機能は、これらの機能を記述したプログラムを演算装置2に実行させることによりそれぞれ実現される。また、これらのプログラムは、磁気ディスク(フロッピィーディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD-ROM、DVD等)、半導体メモリ等の記憶媒体に格納して頒布することもできる。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5