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明細書 :流体アクチュエータ及びこの流体アクチュエータを備えた動作支援装置並びに立ち上がり動作支援装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 再公表特許(A1)
発行日 平成21年5月7日(2009.5.7)
発明の名称または考案の名称 流体アクチュエータ及びこの流体アクチュエータを備えた動作支援装置並びに立ち上がり動作支援装置
国際特許分類 F15B  15/10        (2006.01)
A61G   7/10        (2006.01)
FI F15B 15/10 H
A61G 7/10
国際予備審査の請求 未請求
全頁数 22
出願番号 特願2007-545327 (P2007-545327)
国際出願番号 PCT/JP2006/323035
国際公開番号 WO2007/058327
国際出願日 平成18年11月17日(2006.11.17)
国際公開日 平成19年5月24日(2007.5.24)
優先権出願番号 2005334947
優先日 平成17年11月18日(2005.11.18)
優先権主張国 日本国(JP)
指定国 AP(BW , GH , GM , KE , LS , MW , MZ , NA , SD , SL , SZ , TZ , UG , ZM , ZW) , EA(AM , AZ , BY , KG , KZ , MD , RU , TJ , TM) , EP(AT , BE , BG , CH , CY , CZ , DE , DK , EE , ES , FI , FR , GB , GR , HU , IE , IS , IT , LT , LU , LV , MC , NL , PL , PT , RO , SE , SI , SK , TR) , OA(BF , BJ , CF , CG , CI , CM , GA , GN , GQ , GW , ML , MR , NE , SN , TD , TG) , AE , AG , AL , AM , AT , AU , AZ , BA , BB , BG , BR , BW , BY , BZ , CA , CH , CN , CO , CR , CU , CZ , DE , DK , DM , DZ , EC , EE , EG , ES , FI , GB , GD , GE , GH , GM , GT , HN , HR , HU , ID , IL , IN , IS , JP , KE , KG , KM , KN , KP , KR , KZ , LA , LC , LK , LR , LS , LT , LU , LV , LY , MA , MD , MG , MK , MN , MW , MX , MY , MZ , NA , NG , NI , NO , NZ , OM , PG , PH , PL , PT , RO , RS , RU , SC , SD , SE , SG , SK , SL , SM , SV , SY , TJ , TM , TN , TR , TT , TZ , UA , UG , US , UZ , VC , VN , ZA , ZM , ZW
発明者または考案者 【氏名】則次 俊郎
出願人 【識別番号】504147243
【氏名又は名称】国立大学法人 岡山大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100080160、【弁理士】、【氏名又は名称】松尾 憲一郎
審査請求 未請求
テーマコード 3H081
4C040
Fターム 3H081AA18
3H081BB03
3H081CC26
3H081DD07
4C040AA06
4C040EE02
4C040HH04
要約 スムーズに動作する流体アクチュエータ、及びこの流体アクチュエータを備えた動作支援装置並びに立ち上がり動作支援装置を提供する。
流体送給管を介した流体の送給にともなって膨張するチューブと、このチューブを囲繞するとともに両端部をチューブの両端部に固定したスリーブとで構成した流体アクチュエータであって、スリーブは、チューブの長手方向に対して左回りに巻き回す複数の第1の繊維コードと、チューブの長手方向に対して右回りに巻き回す複数の第2の繊維コードとを、チューブの外周面に沿って編上げて形成する。特に、スリーブには、第1の繊維コードと前記第2の繊維コードとを第1の角度で交差させながら巻き上げた第1の領域と、第1の角度とは異なる第2の角度で交差させながら巻き上げた第2の領域を設ける。
特許請求の範囲 【請求項1】
流体送給管を介した作動流体の送給または排出にともなって膨張または収縮するチューブと、
このチューブを囲繞するとともに両端部を前記チューブの両端部に固定したスリーブと
を備え、
前記スリーブは、前記チューブの長手方向に対して左回りに巻き回す複数の第1の繊維コードと、前記チューブの長手方向に対して右回り
に巻き回す複数の第2の繊維コードとを、前記チューブの外周面に沿って編上げて形成した流体アクチュエータであって、
前記スリーブには、前記第1の繊維コードと前記第2の繊維コードとを第1の角度で交差させながら巻き上げた第1の領域と、前記第1の角度とは異なる第2の角度で交差させながら巻き上げた第2の領域を設けた流体アクチュエータ。
【請求項2】
請求項1記載の流体アクチュエータを縦糸または緯糸の少なくともいずれか一方としてとしてシート状に組み上げた流体アクチュエータ。
【請求項3】
身体に装着した流体アクチュエータと、
この流体アクチュエータに作動流体を送給する送給手段と
を備え、
前記流体アクチュエータの収縮または伸長によって身体運動を支援する動作支援装置において、
前記流体アクチュエータは、
流体送給管を介した前記作動流体の送給または排出にともなって膨張または収縮するチューブと、
このチューブを囲繞するとともに両端部を前記チューブの両端部に固定したスリーブと
を備え、
前記スリーブは、前記チューブの長手方向に対して左回りに巻き回す複数の第1の繊維コードと、前記チューブの長手方向に対して右回りに巻き回す複数の第2の繊維コードとを、前記チューブの外周面に沿って第1の角度で交差させながら巻き上げた第1の領域と、前記第1の角度とは異なる第2の角度で交差させながら巻き上げた第2の領域を設けたことを特徴とする動作支援装置。
【請求項4】
前記流体アクチュエータを縦糸または緯糸の少なくともいずれか一方としてシート状に組み上げたことを特徴とする請求項3記載の動作支援装置。
【請求項5】
前記シート状に組み上げた前記流体アクチュエータを複数積み重ねていることを特徴とする請求項4記載の動作支援装置。
【請求項6】
前記流体アクチュエータは、前記チューブの膨張にともなって前記チューブを湾曲させることにより湾曲することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の動作支援装置。
【請求項7】
臑の側面に装着する臑部材と、
この臑部材に一端を回動自在に枢着するとともに太腿側面に装着する太腿部材と、
一端を前記臑部材に接続するとともに他端を前記太腿部材に接続した流体アクチュエータと、
この流体アクチュエータに作動流体を送給する送給手段と
を備え、
前記流体アクチュエータの収縮によって立ち上がり動作を支援する立ち上がり動作支援装置であって、
前記流体アクチュエータは、
流体送給管を介した前記作動流体の送給または排出にともなって膨張または収縮するチューブと、
このチューブを囲繞するとともに両端部を前記チューブの両端部に固定したスリーブと
を備え、
前記スリーブには、前記チューブの長手方向に対して左回りに巻き回す複数の第1の繊維コードと、前記チューブの長手方向に対して右回りに巻き回す複数の第2の繊維コードとを、前記チューブの外周面に沿って第1の角度で交差させながら巻き上げた第1の領域と、前記第1の角度とは異なる第2の角度で交差させながら巻き上げた第2の領域を設けた立ち上がり動作支援装置。
【請求項8】
前記第2の領域は、前記第1の領域より前記第1の繊維コードと前記第2の繊維コードとの交差角度を大きくして、前記流体アクチュエータの収縮時に前記第1の領域よりも収縮量を小さくし、
前記第2の領域を前記臑部材の膝前部分に設けた支持体に当接させて、臑から太腿の前側面に前記流体アクチュエータを配置させたことを特徴とする請求項7記載の立ち上がり動作支援装置。
【請求項9】
前端を足先部分に装着可能するとともに後端を踵部分に装着可能し、中途部を前記臑部材の下端に回動自在に枢着した足部材と、
一端を前記足部材の足先部分に接続するとともに他端を臑部材に接続して、収縮にともなって前記臑部材を前傾させる前傾操作用流体アクチュエータと
を備えたことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の立ち上がり動作支援装置。
【請求項10】
一端を前記足部材の踵部分に接続するとともに他端を臑部材に接続して、前記前傾操作用流体アクチュエータによって前傾姿勢となった前記臑部材の前傾姿勢を維持するための補助用流体アクチュエータを備えたことを特徴とする請求項9記載の立ち上がり動作支援装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、流体アクチュエータ及びこの流体アクチュエータを備えた動作支援装置並びに立ち上がり動作支援装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、流体アクチュエータの一形態として、マッキベン型の流体アクチュエータが知られている。このマッキベン型流体アクチュエータは、中空部を有する円筒体であるスリーブの内部に、ゴム管などのように半径方向に膨張可能なチューブをスリーブと同軸状に配置して、チューブの一方の端部を閉塞するとともに、チューブの他方の端部に作動流体を送給する流体送給管を接続してチューブ内に作動流体を出入自在とし、このチューブの両端部分にスリーブの端部をそれぞれ固定装着して構成している。
【0003】
特に、スリーブは網状のシート体を円筒状として構成しており、チューブ内に流体を送給することによりチューブが半径方向に膨張した際に、スリーブによってチューブを長手方向に収縮させて、アクチュエータとして機能させている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
この流体アクチュエータは流体の送給によって駆動するため、電磁モータなどの重量物を不要とすることができ、流体アクチュエータを身体に装着可能に構成して、低下した筋力を流体アクチュエータで生じさせた力でアシストするようにした筋力補助機器が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。

【特許文献1】特開2004-105262号公報
【特許文献2】特開2004-105263号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、網状シート体をチューブの周りに巻き付けてスリーブを形成した場合には、スリーブに網状シート体の重なり代による厚膜となった領域が形成されるため、この厚膜となった領域の伸縮性がそれ以外の領域における伸縮性と異なり、厚膜となった領域が流体アクチュエータの円滑な伸縮変形を阻害するおそれがあった。
【0006】
また、円筒状としたスリーブにチューブを挿通させた場合には、円筒状のスリーブにチューブをスムーズに挿入するためにスリーブの径寸法をチューブの径寸法よりも所定の遊び寸法分だけ大きくしており、チューブとスリーブとの間に比較的大きな隙間が形成されているので、この隙間を埋める程度にチューブが膨張した後に長手方向の収縮が生じることとなるので、流体アクチュエータの動作にタイムラグが生じやすいという問題があった。
【0007】
さらに、流体アクチュエータは、高出力化のために長く形成すると、直線状に配設することが困難であって、湾曲あるいは屈曲させて配設する必要があるが、この湾曲部分あるいは屈曲部分は、収縮させた流体アクチュエータの収縮状態を解消した際に元の形状に復元しにくく、収縮時あるいは復元時に他の部材と接触して擦れ合うことにより破損しやすくなっていた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、本発明の流体アクチュエータでは、流体送給管を介した作動流体の送給または排出にともなって膨張または収縮するチューブと、このチューブを囲繞するとともに両端部をチューブの両端部に固定したスリーブとを備え、スリーブは、チューブの長手方向に対して左回りに巻き回す複数の第1の繊維コードと、チューブの長手方向に対して右回りに巻き回す複数の第2の繊維コードとを、チューブの外周面に沿って編上げて形成した流体アクチュエータであって、スリーブには、第1の繊維コードと第2の繊維コードとを第1の角度で交差させながら巻き上げた第1の領域と、第1の角度とは異なる第2の角度で交差させながら巻き上げた第2の領域を設けた。さらに、この流体アクチュエータを縦糸または緯糸の少なくともいずれか一方としてとしてシート状に組み上げた。
【0009】
また、本発明の動作支援装置では、身体に装着した流体アクチュエータと、この流体アクチュエータに作動流体を送給する送給手段とを備え、流体アクチュエータの収縮または伸長によって身体運動を支援する動作支援装置において、流体アクチュエータは、流体送給管を介した作動流体の送給または排出にともなって膨張または収縮するチューブと、このチューブを囲繞するとともに両端部をチューブの両端部に固定したスリーブとを備え、スリーブは、チューブの長手方向に対して左回りに巻き回す複数の第1の繊維コードと、チューブの長手方向に対して右回りに巻き回す複数の第2の繊維コードを、チューブの外周面に沿って第1の角度で交差させながら巻き上げた第1の領域と、第1の角度とは異なる第2の角度で交差させながら巻き上げた第2の領域を設けた。
【0010】
さらに、以下の点にも特徴を有するものである。すなわち、
(1)流体アクチュエータを縦糸または緯糸の少なくともいずれか一方としてシート状に組み上げたこと。
(2)シート状に組み上げた流体アクチュエータを複数積み重ねていること。
(3)流体アクチュエータは、チューブの膨張にともなってチューブを湾曲させることにより湾曲すること。
【0011】
また、本発明の立ち上がり動作支援装置では、臑の側面に装着する臑部材と、この臑部材に一端を回動自在に枢着するとともに太腿側面に装着する太腿部材と、一端を臑部材に接続するとともに他端を太腿部材に接続した流体アクチュエータと、この流体アクチュエータに作動流体を送給する送給手段とを備え、流体アクチュエータの収縮によって立ち上がり動作を支援する立ち上がり動作支援装置であって、流体アクチュエータは、流体送給管を介した作動流体の送給または排出にともなって膨張または収縮するチューブと、このチューブを囲繞するとともに両端部をチューブの両端部に固定したスリーブとを備え、スリーブには、チューブの長手方向に対して左回りに巻き回す複数の第1の繊維コードと、チューブの長手方向に対して右回りに巻き回す複数の第2の繊維コードとを、チューブの外周面に沿って第1の角度で交差させながら巻き上げた第1の領域と、第1の角度とは異なる第2の角度で交差させながら巻き上げた第2の領域を設けた。
【0012】
さらに、以下の点にも特徴を有するものである。すなわち、
(1)第2の領域は、第1の領域より第1の繊維コードと第2の繊維コードとの交差角度を大きくして、流体アクチュエータの収縮時に第1の領域よりも収縮量を小さくし、第2の領域を臑部材の膝前部分に設けた支持体に当接させて、臑から太腿の前側面に流体アクチュエータを配置させたこと。
(2)前端を足先部分に装着可能するとともに後端を踵部分に装着可能し、中途部を臑部材の下端に回動自在に枢着した足部材と、一端を足部材の足先部分に接続するとともに他端を臑部材に接続して、収縮にともなって臑部材を前傾させる前傾操作用流体アクチュエータとを備えたこと。
(3)一端を足部材の踵部分に接続するとともに他端を臑部材に接続して、前傾操作用流体アクチュエータによって前傾姿勢となった臑部材の前傾姿勢を維持するための補助用流体アクチュエータを備えた。
【発明の効果】
【0013】
本発明の流体アクチュエータでは、スリーブを、チューブの長手方向に対して左回りに巻き回す複数の第1の繊維コードと、チューブの長手方向に対して右回りに巻き回す複数の第2の繊維コードとを、チューブの外周面に沿って編上げて形成したことによって、周方向に沿って均一な厚みを有し、長手方向に所望の長さとしたスリーブであって、しかも、チューブとの間に生じる隙間をできるだけ小さくしたスリーブを容易に形成できるので、必要十分な出力が得られるとともに、応答性の高い流体アクチュエータを提供できる。
【0014】
さらに、スリーブには、第1の繊維コードと第2の繊維コードとを第1の角度で交差させながら巻き上げた第1の領域と、第1の角度とは異なる第2の角度で交差させながら巻き上げた第2の領域を設けたことによって、第1の領域と第2の領域の配置の調整によって、流体アクチュエータの伸縮変形を調整できる。
【0015】
特に、この流体アクチュエータを縦糸または緯糸の少なくともいずれか一方としてとしてシート状に組み上げた場合には、シート状となった流体アクチュエータを提供できる。
【0016】
本発明の動作支援装置では、収縮または伸長によって身体運動を支援する流体アクチュエータを備えた動作支援装置において、流体アクチュエータを、チューブと、このチューブを囲繞するスリーブとで構成し、スリーブには、チューブの長手方向に対して左回りに巻き回す複数の第1の繊維コードと、チューブの長手方向に対して右回りに巻き回す複数の第2の繊維コードを、チューブの外周面に沿って第1の角度で交差させながら巻き上げた第1の領域と、第1の角度とは異なる第2の角度で交差させながら巻き上げた第2の領域を設けたことによって、所望の出力が得られるとともに、応答性の高い流体アクチュエータを用いた動作支援装置とすることができ、もたつき感がなく、スムーズに動作する動作支援装置を提供できる。
【0017】
本発明の立ち上がり動作支援装置では、臑の側面に装着する臑部材と、この臑部材に一端を回動自在に枢着するとともに太腿側面に装着する太腿部材と、一端を臑部材に接続するとともに他端を太腿部材に接続した流体アクチュエータと、この流体アクチュエータに作動流体を送給する送給手段とを備えた立ち上がり動作支援装置において、流体アクチュエータを、チューブと、このチューブを囲繞するスリーブとで構成し、スリーブには、チューブの長手方向に対して左回りに巻き回す複数の第1の繊維コードと、チューブの長手方向に対して右回りに巻き回す複数の第2の繊維コードを、チューブの外周面に沿って第1の角度で交差させながら巻き上げた第1の領域と、第1の角度とは異なる第2の角度で交差させながら巻き上げた第2の領域を設けたことによって、所望の出力が得られるとともに、応答性の高い流体アクチュエータを用いた立ち上がり動作支援装置とすることができ、もたつき感がなく、スムーズに動作する立ち上がり動作支援装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の本実施形態に係る流体アクチュエータの説明図である。
【図2】製紐機の説明図である。
【図3】本発明の本実施形態に係る流体アクチュエータの説明図である。
【図4】第1繊維コードと第2繊維コードの交差角度の説明図である。
【図5】本発明の本実施形態に係る流体アクチュエータの説明図である。
【図6】本発明の本実施形態に係る流体アクチュエータの説明図である。
【図7】変容例の流体アクチュエータの説明図である。
【図8】シート状流体アクチュエータの説明図である。
【図9】シート状流体アクチュエータの説明図である。
【図10】シート状流体アクチュエータの説明図である。
【図11】シート状流体アクチュエータの説明図である。
【図12】シート状流体アクチュエータを用いた動作支援装置の説明図である。
【図13】シート状流体アクチュエータを用いた動作支援装置の説明図である。
【図14】立ち上がり動作支援装置の側面説明図である。
【図15】係る立ち上がり動作支援装置の正面説明図である。
【図16】立ち上がり動作支援装置の使用状態説明図である。
【図17】立ち上がり動作支援装置の使用状態説明図である。
【符号の説明】
【0019】
D 立ち上がり動作支援装置
51 臑部材
51a 臑部外側フレーム
51a' 外側支持フレーム
51b 臑部内側フレーム
51b' 内側支持フレーム
51c 第1ベルト
51d 第2ベルト
51e 支持体
52 太腿部材
52a 大腿部外側フレーム
52b 大腿部内側フレーム
52c 第3ベルト
52d 第4ベルト
52e 枢軸
53 足部材
53a 足部外側フレーム
53b 足部内側フレーム
53c 第5ベルト
53d 第6ベルト
53e 足支持シート
53f 突出片
54 腰部ベルト
54a 腰部ベルト用フレーム
55 制御部
56 流体送給管
61 第1流体アクチュエータ
61a 第1領域
61b 第2領域
62 第2流体アクチュエータ
63 第3流体アクチュエータ
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の流体アクチュエータ、及びこの流体アクチュエータを備えた動作支援装置並びに立ち上がり動作支援装置では、流体アクチュエータを、流体送給管を介した流体の送給または排出にともなって膨張または収縮するチューブと、このチューブを囲繞するとともに両端部をチューブの両端部に固定したスリーブとで構成しているものである。
【0021】
特に、スリーブは、チューブの長手方向に対して左回りに巻き回す複数の第1の繊維コードと、チューブの長手方向に対して右回りに巻き回す複数の第2の繊維コードとを、チューブの外周面に沿って編上げて形成している。
【0022】
このようにスリーブを編上げて形成することによって、チューブの周方向において均一なスリーブを形成でき、しかも、チューブに極めて近接させてスリーブを形成できるので、スリーブとチューブとの間に形成される隙間を極めて小さくすることができる。したがって、チューブがこの隙間部分の分だけ膨脹するまでに要する時間を短縮することができ、応答性の高い流体アクチュエータとすることができる。
【0023】
第1の繊維コードと第2の繊維コードのチューブへの編上げは、いわゆる製紐機を用いることにより容易に行うことができ、しかも、スリーブを任意の長さに形成できるので、所望の長さとした流体アクチュエータを容易に製造できる。また、流体アクチュエータの長さを調整することによって、流体アクチュエータの出力を調整することもできる。
【0024】
しかも、第1の繊維コードと第2の繊維コードのチューブへの編上げにおいては、第1の繊維コードと第2の繊維コードの交差角度を調整しながら巻き上げることができ、スリーブに、第1の繊維コードと第2の繊維コードとを第1の角度で交差させながら巻き上げた第1の領域と、第1の角度とは異なる第2の角度で交差させながら巻き上げた第2の領域を設けることができる。
【0025】
このように第1の繊維コードと第2の繊維コードの交差角度の異なる第1の領域と第2の領域を設けることにより、第1の領域と第2の領域とで膨脹したチューブに作用する緊縛の力の大きさが異なることによって、第1の領域と第2の領域とでチューブの長手方向の伸縮量を異ならせることができる。したがって、第1の領域と第2の領域の配置を調整することによって、流体アクチュエータの伸縮変形の変形量を容易に調整できる。
【0026】
この流体アクチュエータを用いて動作支援装置、特に比較的出力の大きい流体アクチュエータが必要となる立ち上がり動作支援装置を形成することによって、流体アクチュエータの応答性が高く、十分な出力を有しているので、もたつき感がなくスムーズに動作を支援できる。
【0027】
以下において、図面に基づいて本発明の実施形態を詳説する。本実施形態の流体アクチュエータは、図1に示すように、円筒状のチューブ10と、このチューブを囲繞する円筒状のスリーブ11と、チューブ10の一方の端部にスリーブ11とともに装着した先端固定具12と、チューブ10の他方の端部にスリーブ11とともに装着した基端固定具13と、この基端固定具13を介してチューブ10に一端を連通連結した流体送給管14と、この流体送給管14に連通連結して高圧空気を送気する送気ポンプ15とで構成している。本実施形態では、流体アクチュエータは作動媒体として空気を用いるようにしている。図1では、説明の便宜上、スリーブ11の一部を切欠している。
【0028】
チューブ10は、流体送給管14からの空気の送給または排出にともなって膨張または収縮する伸縮性を有しており、最も簡便にはゴムチューブで構成することができる。
【0029】
スリーブ11は、チューブ10の長手方向に対して左回りに巻き回す複数の第1繊維コード11aと、チューブ10の長手方向に対して右回りに巻き回す複数の第2繊維コード11bとを、チューブ10の外周面に沿って編上げて構成しており、特に、本実施形態では、図2に示す製紐機Bを用いてスリーブ11を形成している。
【0030】
すなわち、製紐機Bは、芯となるチューブ10を供給するチューブ供給リール21と、このチューブ供給リール21から供給されたチューブ10の周囲に第1繊維コード11aと第2繊維コード11bを用いてスリーブ11を形成するスリーブ形成部22と、このスリーブ形成部22でスリーブ11によって囲繞されたチューブ10を巻取る巻取りリール23とで構成している。
【0031】
スリーブ形成部22は、所定形状の基枠22aを有しており、この基枠22aには、回転自在に装着した第1ガイドローラ22bと第2ガイドローラ22cを設けるとともに、基枠22aの上方に配置してチューブ10を引き込みながらスリーブ11を編上げる編上体22dを設け、チューブ供給リール21から供給されたチューブ10を基枠22aの下方から上方に向けて送給している。
【0032】
さらに、基枠22aには、第1繊維コード11aを供給するボビン、及び第2繊維コード11bを供給するボビンが装着されるボビンホルダ22eを設けており、このボビンホルダ22eはチューブ供給リール21から供給されたチューブ10の周囲を回転して第1繊維コード11a及び第2繊維コード11bをチューブ10に巻き回している。なお、第1繊維コード11aと第2繊維コード11bとでチューブ10に対する巻き回し方向が異なるため、当然ながら第1繊維コード11aを供給するボビンと、第2繊維コード11bを供給するボビンとはそれぞれ逆方向に回転させている。
【0033】
しかも、第1繊維コード11aと第2繊維コード11bを編上げ状とするために、第1繊維コード11aを供給するボビンを、第2繊維コード11bを供給するボビンよりもチューブ10に近づけた状態と、その逆で第2繊維コード11bを供給するボビンを、第1繊維コード11aを供給するボビンよりもチューブ10に近づけた状態とに交互に切り替えながら各ボビンをチューブ10周りに回転させることにより、編上体22dで編上げ可能としている。
【0034】
先端固定具12及び基端固定具13は、チューブ10の先端及び基端をそれぞれ嵌め込み可能とした合成樹脂製のキャップ状のカバーであって、本実施形態では接着剤を用いてスリーブ11とともにチューブ10に装着してチューブ10の端部を閉塞状態としている。なお、先端固定具12及び基端固定具13を装着して端部を閉塞するのではなく、例えば端部を単に縛って閉塞状態としてもよいし、スリーブ11とともにチューブ10を折り返して、折り返し部分にクリップなどのような挟着具を装着することによって端部を閉塞してもよい。
【0035】
流体送給管14は、端部を閉塞したチューブ10の一方の端部に接続して、送気ポンプ15から送給された空気をチューブ10内に送気可能としており、さらにこの流体送給管14を介してチューブ10内の空気を排出可能としている。流体送給管14は、チューブ10の一端に装着した基端固定具13を介してチューブ10に接続する場合に限定するものではなく、チューブ10の中途部に接続してもよい。
【0036】
本実施形態では、チューブ10には空気を送気しているが、空気ではなく、水などの液体であってもよい。ただし、後述するように、上記した流体アクチュエータは身体に装着して筋力補助装置として用いるため、できるだけ軽量であることが望ましく、そのため、本実施形態ではチューブ10に圧入される流体を空気としている。
【0037】
上述したようにチューブ10をスリーブ11で囲繞して形成した流体アクチュエータは、送気ポンプ15によってチューブ10内が加圧状態とされると、チューブ10の膨張変形にともなってスリーブ11によってチューブ10の両端が互いに引っ張られるので、図3に示すように流体アクチュエータは長さ方向に沿って収縮する。
【0038】
流体アクチュエータの変形量は、図4に示すように、第1繊維コード11aと第2繊維コード11bの交差角度2θを調整することによって調整でき、たとえば2θ≒180°として第1繊維コード11aと第2繊維コード11bとをチューブ10に互いに逆方向に巻き回した場合には、チューブ10内に空気を送給することによって図5に示すように流体アクチュエータを長さ方向に沿って伸長駆動させることができる。
【0039】
ここで、第1繊維コード11aと第2繊維コード11bの交差角度2θは、図4に示すように、チューブ10に巻き回した第1繊維コード11aと第2繊維コード11bの、チューブ10の長手方向に対向した一方の角度としている。すなわち、交差角度2θはいわゆる編組角度である。
【0040】
前述したように、本実施形態では、製紐機Bを用いてチューブ10に第1繊維コード11aと第2繊維コード11bを巻き回してスリーブ11を形成していることによって、スリーブ11をチューブ10に極めて近接させて形成することができるので、チューブ10とスリーブ11との間に形成される隙間を極めて小さくすることができ、チューブ10のわずかな膨脹によってスリーブ11がチューブ10と密に接することとなり、流体アクチュエータの応答性を向上させることができる。
【0041】
しかも、任意の長さのスリーブ11を形成することができるので、スリーブ11で囲繞された所望の長さのチューブ10を容易に形成することができ、自由な長さの流体アクチュエータを容易に形成できる。したがって、所望の出力の流体アクチュエータを形成しやすくすることができる。
【0042】
さらに、第1繊維コード11aと第2繊維コード11bの交差角度2θは、製紐機Bにおけるチューブ10の送り速度を調整することによって任意に設定することができ、図6に示すように、スリーブ11の途中で、所定の角度で交差していた第1繊維コード11aと第2繊維コード11bの交差角度2θを、別の交差角度に変更することにより部分的に伸縮量の異なる領域を設けた流体アクチュエータとすることができる。
【0043】
このように流体アクチュエータにおいて部分的に伸縮量を調整可能としたことによって、たとえば流体アクチュエータを曲率の大きい湾曲面に沿って装着する場合に、湾曲部分では流体アクチュエータの長さ方向の変形を抑制するようにスリーブ11を形成しておくことにより、湾曲部分で流体アクチュエータが収縮することによってチューブ10に閉塞が生じることを防止でき、流体アクチュエータを確実に動作させることができる。
【0044】
図6では、第1繊維コード11aと第2繊維コード11bの交差角度2θを90°程度とした第1の領域と、第1繊維コード11aと第2繊維コード11bの交差角度2θを170°程度とした第2の領域との2つの領域を設けているが、2つに限定するものではなく、さらに多くの領域を設けるようにしてもよい。
【0045】
図6に示すように、スリーブ11の途中で第1繊維コード11aと第2繊維コード11bの交差角度2θを変更する場合には、交差角度2θの変更部分となるスリーブ11に緯糸16を編み込むことによって、交差角度2θの異なる2つの領域の分離を確実に行うことができる。
【0046】
前述した流体アクチュエータは、単に伸縮変形させるだけでなく図7に示すように、スリーブ11の一側面に薄板状の平板18を装着することにより、チューブ10内への空気の圧入によって流体アクチュエータを収縮させる際に、平板18によって収縮を抑制して湾曲を生じさせることができる。
【0047】
平板18は、プラスチック製または金属製の帯状の薄板体であって、平板18の代わりにプラスチック線または金属線などを用いることもできる。このように、平板18には、長手方向の伸縮に対しては硬い一方で、曲げ方向に対しては所要の弾性を示す材料を用いることによって、平板18の一側面に装着した流体アクチュエータが収縮した際に平板18を容易に撓ませて流体アクチュエータを湾曲させることができるとともに、湾曲した平板18に加えられた弾性変形のエネルギーによって、流体アクチュエータの収縮解消にともなって流体アクチュエータを元の真っ直ぐな状態に復元可能としている。平板18は、スリーブ11の一側面に装着するのではなく、チューブ10に直接的に装着してもよい。
【0048】
製紐機Bを用いてスリーブ11を形成した場合には、細紐状に流体アクチュエータを形成でき、このように細紐状に形成した流体アクチュエータを用いて、例えば図8に示すように、流体アクチュエータ21を緯糸とし、複数の縦糸22を用いて複数の流体アクチュエータ21を平織り状に折り込むことによりシート状に組み上げ、各流体アクチュエータ21に送気ポンプ23を接続してシート状流体アクチュエータ20とすることができる。このシート状流体アクチュエータ20を動作支援装置として用いることもできる。
【0049】
なお、流体アクチュエータ21は、緯糸として組み込むだけでなく、縦糸として組み込んでもよく、さらには縦糸と緯糸にそれぞれ組み込んでもよい。このとき、縦糸または緯糸の全てを流体アクチュエータ21とするのではなく、所要の割合で組み込んでもよい。
【0050】
シート状流体アクチュエータ20とする場合には、流体アクチュエータ21の配設数を調整することにより、駆動力を調整することができる。したがって、例えば流体アクチュエータ21を構成しているチューブの径寸法をできるだけ小さくすると、1つ1つの流体アクチュエータ21の駆動力は小さいが、寄せ集めることによって大きい駆動力を得ることができ、しかも、流体アクチュエータ21を構成しているチューブの径寸法をできるだけ小さくすることによってシート状流体アクチュエータ20を薄型化することができる。
【0051】
シート状流体アクチュエータ20は、図8に示した網目状のシート体に限定するものではなく、図9に示すように、より密な平織りとすることができる。図9のシート状流体アクチュエータ30では、図7に示したようにチューブ内を加圧することによって湾曲する流体アクチュエータ31を緯糸とし、複数の縦糸32を用いて複数の流体アクチュエータ31を平織り状に折り込んでシート状に組み上げており、特に、各緯糸となっている流体アクチュエータ31の湾曲方向を揃えておくことによって、送気ポンプ33でチューブ内を加圧することにより、図10に示すように湾曲駆動するシート状流体アクチュエータ30とすることができる。
【0052】
このようにシート状としたシート状流体アクチュエータ30は、1層だけで用いるのではなく、複数積層させることにより駆動力を増大させるようにしてもよく、さらには、例えば図11に示すようにそれぞれ織りの異なる第1シート状流体アクチュエータ31と、第2シート状流体アクチュエータ31と、第3シート状流体アクチュエータ33とを積層した積層シート体40としてもよい。
【0053】
積層シート体40では、シート状流体アクチュエータのみを単に積層するのではなく、所要の布体を介設して通気性、あるいは吸湿性の向上を図ることもできる。
【0054】
また、積層シート体40では、それぞれ図10に示したように湾曲するシート体であって、それぞれことなる湾曲方向のシート体を積層することによって、積層シート体40の駆動のバリエーションを増大させることができる。
【0055】
特に、図7に示したように各スリーブの一側面に装着した剛性板の代わりに、シート状とした剛板を積層シート体40に介設して、積層シート体40を湾曲させることができるようにしてもよい。
【0056】
上述したようにシート状とした流体アクチュエータでは、より薄型の流体アクチュエータとすることができるので、このシート状とした流体アクチュエータを用いることによって、例えば図12に示すように身体によりフィットさせることができる下半身用動作支援装置D'とすることができる。
【0057】
あるいは、図13に示すように上半身部分に衣服のように着用可能に構成した上半身用動作支援装置D"とすることもでき、腕の上げ下ろしなどのような動作の支援を可能とすることができる。
【0058】
このように、流体アクチュエータをシート状として用いる場合には、流体アクチュエータを小さい曲率半径で折り曲げたり、流体アクチュエータの伸縮にともなって他の繊維体と擦れ合ったりするために、このような小さい曲率半径で折り曲げられる部分や、他の繊維体と擦れ合う部分では、流体アクチュエータにおけるスリーブの第1繊維コードと第2繊維コードの交差角度を大きくして収縮量を小さくしておくことにより、チューブの閉塞や、擦れ合いによって生じる摩耗を抑制でき、長期的な信頼性を確保できる。
【0059】
前述したシート状流体アクチュエータを用いた下半身用動作支援装置D'や上半身用動作支援装置D"は、身体へのフィット性には優れているが、高コストとなる可能性がある。
【0060】
そこで、流体アクチュエータを細径化してシート状として使用するのではなく、太径化することにより高出力化して、簡潔な構造とすることにより低コスト化することもできる。特に、流体アクチュエータは、太径化した場合における応答性の向上の効果が大きく、立ち上がり動作などのように高トルクが要求される動作の支援に適している。
【0061】
図14は本実施形態の立ち上がり動作支援装置Dの側面図、図15は同正面図を示しており、立ち上がり動作支援装置Dにおいては、臑の側面に装着する臑部材51と、この臑部材51に一端を回動自在に枢着するとともに太腿側面に装着する太腿部材52と、一端を臑部材51に接続するとともに他端を太腿部材52に接続した第1流体アクチュエータ61とを設けている。
【0062】
さらに、本実施形態の立ち上がり動作支援装置Dでは、前端を足先部分に装着可能するとともに後端を踵部分に装着可能し、中途部を臑部材51の下端に回動自在に枢着した足部材53を設けており、臑部材51と足部材53の足先部分とを前傾操作用流体アクチュエータとなる第2流体アクチュエータ62で連結し、臑部材51と足部材53の踵部分とを補助用流体アクチュエータとなる第3流体アクチュエータ63で連結している。
【0063】
臑部材51は、臑の外側面に沿わせて配置する臑部外側フレーム51aと、臑の内側面に沿わせて配置する臑部内側フレーム51bと、臑部外側フレーム51aと臑部内側フレーム51bとの足首側を互いに連結する第1ベルト51cと、臑部外側フレーム51aと臑部内側フレーム51bとの膝側を互いに連結する第2ベルト51dとで構成し、第1ベルト51c及び第2ベルト51dによって臑に装着可能としている。
【0064】
特に、臑部外側フレーム51aと臑部内側フレーム51bは、臑部材51を臑に装着した際に、下端が足首部分に位置するようにするとともに、上端が膝の上端縁程度の高さに位置するようにしており、しかも、臑部外側フレーム51aと臑部内側フレーム51bの上端には、それぞれ前方に向けて外側支持フレーム51a'と内側支持フレーム51b'を突設している。
【0065】
外側支持フレーム51a'及び内側支持フレーム51a'は、図14に示すように、大腿が臑に対して90°程度に曲がった状態において、大腿上面と同じ高さ程度となるようにしており、外側支持フレーム51a'及び内側支持フレーム51a'との間に支持体51eを架設して、支持体51eを膝前部分に配置している。
【0066】
大腿部材52は、大腿の外側面に沿わせて配置する大腿部外側フレーム52aと、大腿の内側面に沿わせて配置する大腿部内側フレーム52bと、大腿部外側フレーム52aと大腿部内側フレーム52bとの膝側を互いに連結する第3ベルト52cと、大腿部外側フレーム52aと大腿部内側フレーム52bとの足の付け根側を互いに連結する第4ベルト52dとで構成し、第3ベルト52c及び第4ベルト52dによって大腿部に装着可能としている。
【0067】
大腿部外側フレーム52aと大腿部内側フレーム52bは、下端をそれぞれ臑部外側フレーム51aと臑部内側フレーム51bに枢軸52eを介して枢着して回動自在に連結している。特に、大腿部外側フレーム52aを臑部外側フレーム51aに枢着する枢軸52eの配置は、及び大腿部内側フレーム52bを臑部内側フレーム51bに枢着する枢軸の配置は、膝の高さとしている。
【0068】
大腿部外側フレーム52aの腰側端部は、腰に装着される腰部ベルト54に設けた腰部ベルト用フレーム54aに枢着している。
【0069】
足部材53は、足の外側面に沿わせて配置する足部外側フレーム53aと、足の内側面に沿わせて配置する足部内側フレーム53bと、足部外側フレーム53aと足部内側フレーム53bとの足先側を互いに連結する第5ベルト53cと、足部外側フレーム53aと足部内側フレーム53bとの足首近傍を連結する第6ベルト53dと、足部外側フレーム53aと足部内側フレーム53bとの下端を連結して足裏が当接される足支持シート53eで構成し、第5ベルト53c及び第6ベルト53dによって足に装着可能としている。
【0070】
水平方向に伸延した足部外側フレーム53aと足部内側フレーム53bの中途部には、上方に向けて突出させた突出片53fをそれぞれ設けており、この突出片53fにおいて臑部外側フレーム51a下端と臑部内側フレーム51b下端にそれぞれ枢着して回動自在としている。
【0071】
第1流体アクチュエータ61は、一端を大腿部材52の第4ベルト52dに接続するとともに、他端を臑部材51の第1ベルト51cに接続し、中途部を支持体51eに掛け回して、臑から太腿の前側面に配置させている。本実施形態では、所要の出力を得るために、3本の第1流体アクチュエータ61を並設している。
【0072】
ここで、第1流体アクチュエータ61は、一端を大腿部材52の第4ベルト52dに接続するとともに、他端を臑部材51の第1ベルト51cに接続し、しかも中途部を支持体51eに掛け回していることにより第1流体アクチュエータ61を長くすることができ、第1流体アクチュエータ61の出力を大きくして、臑部材51に対して大腿部材52をより大きな力で回動させることができる。
【0073】
しかも、臑部材51を構成する外側支持フレーム51a'及び内側支持フレーム51a'を折れ曲がり状に形成して、第1流体アクチュエータ61が掛け回される支持体51eを、臑部材51と大腿部材52を回動自在に連結した枢軸52eからできるだけ離隔させた膝前部分に配置することにより、第1流体アクチュエータ61の収縮にともなって発生するトルクを効率よく生じさせて、臑部材51に対して大腿部材52をスムーズに回動させることができる。
【0074】
第2流体アクチュエータ62は、一端を足部材53の足部外側フレーム53aの足先部分に接続するとともに、他端を臑部材51の臑部外側フレーム51aに接続している。
【0075】
第3流体アクチュエータ63は、一端を足部材53の足部外側フレーム53aの踵部分に接続するとともに、他端を臑部材51の臑部外側フレーム51aに接続している。本実施形態では、第3流体アクチュエータ63は第2流体アクチュエータ62よりも長くして、より大きい出力が得られるようにしている。
【0076】
第1流体アクチュエータ61と、第2流体アクチュエータ62と、第3流体アクチュエータ63は、それぞれ腰部ベルト54に設けた制御部55内の図示しないコンプレッサと流体送給管56を介して接続しており、制御部55の制御に基づいてコンプレッサから供給された空気によって収縮するようにしている。本実施形態では、軽量化のために、作動流体には空気を用いている。
【0077】
第1流体アクチュエータ61には、スリーブを構成する第1繊維コードと第2繊維コードとの交差角度を異ならせることにより収縮量を異ならせた第1領域61aと第2領域61bを設けており、特に第2領域61bは第1流体アクチュエータ61の中途部に設けて、両側を第1領域61aに挟まれた状態としている。
【0078】
第2領域61bは、第1繊維コードと第2繊維コードとの交差角度を第1領域61aよりも大きくして収縮量を小さくしている。
【0079】
特に、この第2領域61bは、支持体51eの近傍となる位置に設け、第1流体アクチュエータ61が収縮した際に生じる支持体51eの擦れ合いを少なくして、第1流体アクチュエータ61の支持体51eへの引っ掛かりなどが生じることを防止している。さらに、第1流体アクチュエータ61と支持体51eとの擦れ合いを低減させることができることによって、第1流体アクチュエータ61のスリーブの摩滅を抑制して、第1流体アクチュエータ61の長寿命化を図ることができる。
【0080】
このように構成した立ち上がり動作支援装置Dを用いて立ち上がり動作を行う場合には、制御部55が立ち上がり動作の開始を検出して、最初に第2流体アクチュエータ62を収縮させて、図16に示すように、足部材53に対して臑部材51を前傾させて、重心移動を生じさせている。
【0081】
次いで、制御部55は、図17に示すように、第1流体アクチュエータ61を収縮させることにより臑部材51に対して枢軸52eを回転中心として大腿部材52を回転させ、立ち上がり動作を支援している。
【0082】
臑部材51に対して大腿部材52が所定量回動した時点で、制御部55は、第2流体アクチュエータ62の収縮を停止するとともに、第3流体アクチュエータ63を収縮させて、この第3流体アクチュエータ63をブレーキとして機能させることにより、前傾状態となった臑部材51の前傾姿勢を維持して、前方への倒れ込みが生じることを防止している。
【0083】
臑部材51に対して大腿部材52がさらに回動した時点で、制御部55は、第1流体アクチュエータ61及び第3流体アクチュエータ63の収縮を停止して、自力で起立状態となるようにしている。
【0084】
なお、制御部55による立ち上がり動作の開始の検出は、制御部55に設けた開始スイッチの操作、あるいは制御部55に設けた音声認識機能による開始命令の受信などによって行っており、あるいは筋電位の検出によって行うようにしてもよい。
【0085】
このように構成した立ち上がり動作支援装置Dでは、流体アクチュエータの応答性が高く、しかもチューブの長さをできるだけ長くするとともに太径化して高出力化できるので、もたつき感がなく、スムーズに支援することができる。この立ち上がり動作支援装置Dは、常用するものではなく、自力による起立動作が困難な患者のリハビリテーション用装置として用いることができ、立ち上がり動作支援装置Dを用いた立ち上がり動作の訓練を行って、安全かつ確実に足腰の機能回復を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0086】
細長い流体アクチュエータを自在に製造することができるので、長く形成することにより出力を向上させた流体アクチュエータとするだけでなく、シート状の流体アクチュエータとして、人体への装着性を向上させた流体アクチュエータを提供でき、立ち上がり動作支援をはじめとした各種の動作の支援が可能な動作支援装置を提供することができる。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13
【図15】
14
【図16】
15
【図17】
16