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明細書 :ペンタブレット型インターフェース

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4576537号 (P4576537)
公開番号 特開2008-146560 (P2008-146560A)
登録日 平成22年9月3日(2010.9.3)
発行日 平成22年11月10日(2010.11.10)
公開日 平成20年6月26日(2008.6.26)
発明の名称または考案の名称 ペンタブレット型インターフェース
国際特許分類 G06F   3/043       (2006.01)
G06F   3/041       (2006.01)
FI G06F 3/043
G06F 3/041 380D
G06F 3/041 330P
請求項の数または発明の数 5
全頁数 10
出願番号 特願2006-335735 (P2006-335735)
出願日 平成18年12月13日(2006.12.13)
審査請求日 平成19年3月5日(2007.3.5)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504190548
【氏名又は名称】国立大学法人埼玉大学
発明者または考案者 【氏名】▲高▼▲崎▼ 正也
【氏名】吉 紅旭
個別代理人の代理人 【識別番号】100100918、【弁理士】、【氏名又は名称】大橋 公治
【識別番号】100108729、【弁理士】、【氏名又は名称】林 紘樹
審査官 【審査官】豊田 朝子
参考文献・文献 特開2003-330604(JP,A)
特開平11-085400(JP,A)
調査した分野 G06F 3/03- 3/047
特許請求の範囲 【請求項1】
ペンと、
前記ペンが接触する基板と、
前記基板に超音波振動を励起する超音波励起手段と、
前記ペンの前記基板との接触箇所に積層された、弾性物質から成る第1の層と該第1の層より高いヤング率を有する物質から成る第2の層とを具備する積層体と、
前記ペンの位置を求めるペン位置算出手段と、
を備え、前記ペンを前記基板上で移動するとき、前記積層体の第2の層が前記基板に接触して移動するペンタブレット型インターフェースであって、
前記ペン位置算出手段が求めた前記ペンの位置から前記ペンの移動速度を算出するペン速度算出手段を有し、
前記超音波励起手段が、
前記基板に励起する超音波を発生する超音波発生手段と、
前記超音波発生手段を制御する駆動制御信号の周波数及びデューティ比を設定して、前記駆動制御信号を前記超音波発生手段に出力し、前記駆動制御信号がオンとなる周期的な期間だけ前記超音波発生手段から超音波を発生させる超音波駆動制御手段と
を有し、
前記超音波駆動制御手段は、前記ペンが前記基板に押し付けられながら前記基板上を移動している間だけ、前記駆動制御信号を出力して前記超音波発生手段から超音波を発生させ、それに伴い、超音波振動が励起された前記基板から、書き味を擬似的に感じさせる振動が前記ペンに伝えられることを特徴とするペンタブレット型インターフェース。
【請求項2】
請求項1に記載のペンタブレット型インターフェースであって、
前記超音波駆動制御手段が、前記ペンの移動速度に基づいて前記駆動制御信号の周波数を制御することを特徴とするペンタブレット型インターフェース。
【請求項3】
請求項1または2に記載のペンタブレット型インターフェースであって、
前記超音波駆動制御手段が、前記ペンの基板上の位置に応じて前記駆動制御信号のデューティ比を調整することを特徴とするペンタブレット型インターフェース。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載のペンタブレット型インターフェースであって、
前記積層体の前記第1の層がゴム膜から成り、前記第2の層が、ゴムのヤング率の10倍以上のヤング率を有する物質から成ることを特徴とするペンタブレット型インターフェース。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載のペンタブレット型インターフェースであって、
前記超音波発生手段が、超音波として、弾性表面波または板波を発生することを特徴とするペンタブレット型インターフェース。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、ペンで描くようにして文字やイラスト等をコンピュータに入力するペンタブレット型インターフェースに関し、特に、実際にペンで紙等の上に描いているときの感触が擬似的に得られるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
ペンタブレット型インターフェースは、タブレット上の位置をペンで指示すると、その位置を表す座標値がCPUに出力されるように構成されている。
この装置では、ペンが使用されているため、マウスよりも直感的な操作が可能であり、絵筆やパステル等の実物の筆記具や描画具で描画するときに近い感覚で入力作業を行うことができる。
また、このペンタブレット型インターフェースでは、実物に更に近づけるために、手書きの筆圧を再現する改良(下記特許文献1)や、毛筆の質感を出すための改良(下記特許文献2)など、実際の感触を擬似的に得るための工夫が色々と行われている。
【0003】
一方、下記特許文献3には、超音波を利用して皮膚感覚を擬似的に再現する入力装置が記載されている。この装置は、弾性波を励振する基板と、指を乗せて入力操作を行う触感部材とを有しており、触感部材は基板上に配置され、この触感部材の基板上の位置が弾性波を利用して検知され、その位置情報がCPUに出力される。
この装置では、基板表面の見掛け上の摩擦係数を、超音波を利用して時間的に変えている。基板表面の見掛け上の摩擦係数は、基板に弾性波を励振すると、基板表面が微小振動するために小さくなり、反対に弾性波が励振されていないときに大きくなる。この装置では、基板に対する弾性波励振のオン/オフを短い周期で切り替えており、こうすることで基板表面の見掛け上の摩擦係数は時間的に変化する。この基板表面を触感部材に指を乗せてなぞると、ザラザラした固体表面を指でなぞったような皮膚感覚を覚える。

【特許文献1】特開平6-35593号公報
【特許文献2】特開2004-139411号公報
【特許文献3】特開2001-255993号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のペンタブレット型インターフェースは、実物の筆記具や描画具を使う場合と同じような感覚で操作することができるが、ペンをタブレットの上で動かしたときの感触(書き味)は、実際の筆記具や描画具を用いて紙の上に描画したときの書き味と、大きく異なっている。
従来のペンタブレット型インターフェースでは、タブレットがプラスチック等で成形されており、ペンが触れるタブレットの表面は“ツルツル”している。
一方、実際の筆記具や描画具が触れる紙の面は細かな凹凸が多数存在しており、書き味は、筆記具や描画具の種類、及び、紙の種類等によって異なるが、一般的にザラついている。
【0005】
実物の筆記具や描画具を使用する書き手は、描かれた文字やイラストを見なくても、手が受ける感触から、描画中であるか否かを認識することができ、書き味が感じられれば、描画が続いていると識別することができる。
しかし、従来のペンタブレット型インターフェースの“ツルツル”した感触は、描画の開始や終了時点の判断を難しくしており、書き手は、描画状態を把握するために、頻繁に表示画面を注視することが必要になる。
【0006】
本発明は、こうした状況を考慮して創案したものであり、実際にペンで紙等に描画しているときの感触を擬似的に得ることができるペンタブレット型インターフェースを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のペンタブレット型インターフェースは、ペンと、前記ペンが接触する基板と、前記基板に超音波振動を励起する超音波励起手段と、前記ペンの前記基板との接触箇所に積層された、弾性物質から成る第1の層と該第1の層より高いヤング率を有する物質から成る第2の層とを具備する積層体と、前記ペンの位置を求めるペン位置算出手段と、を備え、前記ペンを前記基板上で移動するとき、前記積層体の第2の層が前記基板に接触して移動するペンタブレット型インターフェースであって、前記ペン位置算出手段が求めた前記ペンの位置から前記ペンの移動速度を算出するペン速度算出手段を有し、前記超音波励起手段が、前記基板に励起する超音波を発生する超音波発生手段と、前記超音波発生手段を制御する駆動制御信号の周波数及びデューティ比を設定して、前記駆動制御信号を前記超音波発生手段に出力し、前記駆動制御信号がオンとなる周期的な期間だけ前記超音波発生手段から超音波を発生させる超音波駆動制御手段とを有し、前記超音波駆動制御手段は、前記ペンが前記基板に押し付けられながら前記基板上を移動している間だけ、前記駆動制御信号を出力して前記超音波発生手段から超音波を発生させ、それに伴い、超音波振動が励起された前記基板から、書き味を擬似的に感じさせる振動が前記ペンに伝えられることを特徴としている。
この装置では、基板の超音波振動の励起が周期的に行われる。超音波振動が励起されているときは、励起されていないときに比べて、見掛け上の摩擦係数が減少するため、超音波振動の周期的な励起により、基板の摩擦係数が周期的に変化する。そして、基板の摩擦係数が低いときには、基板をなぞるペンの第2の層の移動速度が加速され、摩擦係数が高いときには、その移動速度が減速される。この第2の層の動きに伴い、第1の層の弾性物質がせん断方向に伸び縮みし、これが振動となってペンに伝わる。
【0008】
また、本発明のペンタブレット型インターフェースでは、前記超音波駆動制御手段が、前記ペンの移動速度に基づいて前記駆動制御信号の周波数を制御することを特徴としている。
この装置では、ペンの移動速度が変わった場合でも、ペンを通じて、使用者の手が受ける感触(書き味)を同じに設定することができる。
【0009】
また、本発明のペンタブレット型インターフェースでは、前記超音波駆動制御手段が、前記ペンの基板上の位置に応じて前記駆動制御信号のデューティ比を調整することを特徴としている。
この装置では、ペンのタブレット上の位置に応じて、超音波発生周期を調整することが可能であり、結果的に、場所によって表面粗さが違うような感触を体験できる。
【0010】
また、本発明のペンタブレット型インターフェースでは、前記積層体の前記第1の層がゴム膜から成り、前記第2の層が、ゴムのヤング率の10倍以上のヤング率を有する物質から成ることを特徴としている。
積層体の第2の層は、例えばアルミニウムフィルムから成る。この剛性を持つ第2の層は、基板の摩擦係数の周期的な変化に伴って移動速度の加速・減速を繰り返し、これが第1の層の弾性物質におけるせん断方向の伸び縮みを招来する。
【0011】
また、本発明のペンタブレット型インターフェースでは、前記超音波発生手段が、超音波として、弾性表面波または板波を発生する。
基板を励起する超音波には、弾性表面波や板波を使用することができ、例えば、弾性表面波の中のレイリー波や、板波の一種のラム波を使って基板を励振する。
【発明の効果】
【0012】
本発明のペンタブレット型インターフェースは、ペンを使ってタブレットに文字やイラスト等を描く使用者に対して、実際の筆記具や描画具を使用しているときに似た感触を与えることができ、ペンの書き味を実物に近づけることができる。
このペンを使用する使用者は、表示画面を逐次見なくても、描画の開始や終了を書き味の有無から識別することができるので、入力作業の作業効率が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の実施形態として示すペンタブレット型インターフェースの断面図、図2は、このペンタブレット型インターフェースの使用状態を示す斜視図、図3は、このペンタブレット型インターフェースの制御系を示すブロック図、また、図4は、このペンタブレット型インターフェースのペンの速度を測定した結果について示す図である。
このペンタブレット型インターフェースは、図1及び図2に示すように、描画用のペン10と、タブレットを構成する圧電基板20と、圧電基板20の表面に形成された2組の交差指電極(Interdigital Transducer:IDT)21及び反射器22と、ペン10の先端位置を検出するための部品(LED33、カメラ31、ハーフミラー32)とを有しており、また、ペン10の先端側には、入射した光を入射した方向に反射する再帰性反射シール(Retroreflective Marker)13と、ゴム膜11及びアルミニウムフィルム12から成る積層体とが被着されている。
なお、このペンタブレット型インターフェースは、圧電基板20上でのペン10の軌跡を表示する表示装置と結合されて使用されるが、表示装置に関係する構成は、ここでは省略する。
【0014】
ペン10本体は、従来のものと変わりがない。ただ、圧電基板20に接するペン先の位置にゴム膜11及びアルミニウムフィルム12から成る積層体が接着され、また、ペン軸を対称軸として、積層体と線対称の位置に再帰性反射シール13が接着されている点が従来のペンと違っている。
ゴム膜11は、4mm×4mm×1mmの大きさを有し、ペン10本体に直接接着されている。このゴム膜11のヤング率は(1.5~5.0)×10-3GPaである。
アルミニウムフィルム12は、4mm×4mm×50μmの大きさを有し、ゴム膜11に重ねて接着されている。従って、ペン10を用いて描画操作を行うと、アルミニウムフィルム12が圧電基板20に接触する。このアルミニウムフィルム12のヤング率は70.3GPaである。
再帰性反射シール13は、3mm×3mmの大きさを有している。この再帰性反射シール13は、アルミニウムフィルム12が圧電基板20に接触するとき、上側を向くようにペン10に接着されている。
【0015】
圧電基板20は、LiNbO3から成り、両側に交差指電極21と反射器22とが形成されている。この交差指電極21の双方に、その電極ピッチで決まる共振周波数(15.125MHz)の交流電圧を弾性表面波駆動信号として印加すると、圧電基板20に弾性表面波の一種であるレイリー波が励起される。励起されたレイリー波は、圧電基板20表面を伝播して反射器22で反射される。そのため、振動エネルギーが2組の反射器22によって閉じ込められ、また、各交差指電極21から生起された各振動が互いに強め合うことにより、圧電基板20に大きな振幅の振動が発生する。なお、圧電基板20に生起する超音波振動は、定在波であっても進行波であっても良い。
また、LED33は、ペン10の先端位置を検出するために光を放射する。この光は、ハーフミラー32で反射されて再帰性反射シール13を照射する。再帰性反射シール13は、入射した光を入射した方向に反射する。そのため、再帰性反射シール13からの反射光は、ハーフミラー32に戻り、そこを通過してカメラ31に入射する。カメラ31は、33msのフレーム間隔で圧電基板20の面を連続的に撮影しており、このカメラ31の映像の中に再帰性反射シール13の画像が鮮明に捉えられる。
【0016】
カメラ31の映像は、図3に示す制御系で処理されて、交差指電極21に印加する弾性表面波駆動信号のオン/オフが制御される。
この制御系は、弾性表面波駆動信号をオン/オフする駆動制御信号としてパルス波を出力し、パルスがオンの期間だけ、弾性表面波駆動信号が交差指電極21に印加される。
この制御系は、カメラ31の映像を解析して駆動制御信号の周波数及びデューティ比を決定する制御部40と、決定された駆動制御信号を用いて、シンセサイザ51から出力される弾性表面波駆動信号を制御する駆動制御装置50とを有している。
制御部40は、PCから成り、カメラ31の画像を取得する画像取得部41と、画像に写る再帰性反射シール13からペン10先の位置を算出するペン位置算出部42と、ペン10の速度を算出するペン速度算出部44と、予め設定された圧電基板20上の位置と表面粗さとの関係を記憶する粗さデータベース43と、ペン10の速度及び表面粗さに基づいて駆動制御信号の周波数及びデューティ比を決定する周波数決定部45とを備えている。
画像取得部41は、キャプチャした画像を2値化する。ペン位置算出部42は、2値化された画像中の再帰性反射シール13の中心位置をペン先の位置として算出する。ペン速度算出部44は、ペン先位置のフレーム間(33ms)の差分からペン10の速度vmを算出する。
【0017】
周波数決定部45は、粗さデータベース43からペン先の位置に対応する粗さrを取得し、駆動制御信号のパルス間の距離をkrとするときのデューティ比dを粗さrに応じて決定する。そして、パルス間の距離krとペン10の速度vmとから、駆動制御信号の周波数fを、
f= a・vm/kr (aは比例定数)
により決定する。従って、ペン10の速度vmが速くなる程、駆動制御信号の周波数fは大きくなり、駆動制御信号のパルス間距離が短くなる。
周波数決定部45は、決定したデューティ比d及び周波数fを駆動制御装置50に出力する。
【0018】
駆動制御装置50は、マイコンから成り、決定された周波数fとデューティ比dとを有するパルス信号をシンセサイザ51に入力し、シンセサイザ51が出力する弾性表面波駆動信号(交流15.125 MHz)のオン/オフを制御する。
シンセサイザ51から出力された弾性表面波駆動信号は、増幅器52で増幅され、圧電基板20を駆動する。
このように、駆動制御信号のデューティ比dをペン10の位置に応じて変えることにより、ペンのタブレット上の位置に応じた書き味を設定することができる。
また、駆動制御信号の周波数fをペン10の速度vmに応じて変えることにより、ペンの移動速度が変わった場合でも、書き味を同じに設定することができる。
【0019】
このペンタブレット型インターフェースを使用する使用者は、図2に示すように、ペン10を掴み、紙の上に描くときと同程度の筆圧を加えて、ペン先のアルミニウムフィルム12を圧電基板20に接触させながら、圧電基板20上に文字やイラストを描く。
制御部40は、ペン10の位置及び速度を解析し、その位置及び速度に応じたパルス信号を決定する。駆動制御装置50は、決定されたパルス信号をシンセサイザ51に入力し、シンセサイザ51が出力する弾性表面波駆動信号のオン/オフを制御する。
【0020】
図4には、駆動制御信号の一例として、デューティ比d=0.15、周波数f=200Hzのパルス信号を“a”として示している。図4の横軸は、5ms単位の時間を表示している。
シンセサイザ51からは、この駆動制御信号のパルスがオンの期間だけ、15.125 MHzの弾性表面波駆動信号が圧電基板20に出力される。そのため、圧電基板20は、駆動制御信号のパルスがオンの期間だけ弾性表面波を発生し、パルスがオフの期間は弾性表面波を発生しない。
【0021】
ペン先のアルミニウムフィルム12は、剛性を有しており、また、筆圧によって圧電基板20に押し付けられながら移動しているため、圧電基板20に超音波振動が励起され、見掛け上の摩擦係数が減少したときには、その移動速度が加速し、また、圧電基板20の超音波振動が停止し、見掛け上の摩擦係数が増加したときには、移動速度が減速する。このアルミニウムフィルム12の加速・減速は、駆動制御信号のオン・オフの周期で繰り返されるため、アルミニウムフィルム12が接着されたゴム膜11のせん断方向の周期的な伸び縮みを招来し、これが振動となってペン10に伝わる。
そのため、ペン10を持つ手は、実際に紙に文字やイラストを描いているときと同様の感触を覚える。
なお、ペン10が圧電基板20に接触していない状態や、ペン10に筆圧が加えられていない状態では、ペン10は振動しない。
【0022】
図4には、駆動制御信号を“a”のように設定して、圧電基板20上をペン10でなぞり、このときのペン先の移動速度を測定した結果(b)について示している。この移動速度は、再帰性反射シール13にレーザードップラー振動速度計の光を当てて測定している。
曲線bの全体的なカーブは、ペン10を操作する速度の変化を示している。曲線bに現れた突起は、駆動制御信号aのオンの時にペン先が加速し、オフの時にペン先が減速したために生じており、ペン10が振動していることを示している。
実際にペン10を使用して描画すると、画用紙に黒炭で線を描いているときの感覚に似た感触が得られる。
【0023】
このように、このペンタブレット型インターフェースは、実際の筆記具や描画具を使って紙に文字やイラストを描いているときの書き味を使用者に提供することができる。使用者は、文字等が描けているか否かを、その書き味から実感することができ、書き味が無ければ、描けていない状態であり、書き味があれば、描けている状態であると認識することができる。この感覚は、実際に紙に描く場合と同じである。
また、このペンタブレット型インターフェースでは、駆動制御信号のパルス波形を変えることにより、各種の書き味を再現することができる。また、駆動制御信号はアナログ信号とすることも可能であり、この場合は、アナログ波形を変えることにより、半紙に毛筆で字を書く際の感触や、画用紙にクレヨンで絵を描く際の感触等、微妙な書き味を再現することができる。
【0024】
なお、ここでは、ゴム膜11とアルミニウムフィルム12との積層体をペン10に接着しているが、ゴムの10倍以上のヤング率を有する物質であれば、アルミニウムフィルム12に代えて用いることができる。この物質は、金属に限らず、剛性を有するプラスチック等でも良い。
また、タブレットとなる基板10には、圧電体だけでなく、ガラス基板を使用することもできる。
また、基板10に励起する超音波は、レイリー波のような弾性表面波だけでなく、ラム波等の板波を使用することもできる。
【0025】
また、ペン10の位置の検出は、従来のペンタブレット型インターフェースで使われている電磁誘導方式や、タッチパネル等で使用されている超音波方式等を利用して行うことも可能である。
また、ここでは、圧電基板20の両側に交差指電極21と反射器22とを形成し、この交差指電極21の双方に、同時に弾性表面波駆動信号を印加したが、駆動制御信号のパルスがオンになる毎に、交互に交差指電極21に弾性表面波駆動信号を印加するようにしても良い。また、反射器22が、超音波の励振効率を高めてくれるため、圧電基板20に設ける交差指電極21をどちらか一方だけにしても、圧電基板20に大きな振幅の振動を発生させることができる。もちろん、反射器22が無くても良い。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施形態におけるペンタブレット型インターフェースの断面図
【図2】前記ペンタブレット型インターフェースの使用状態を示す斜視図
【図3】前記ペンタブレット型インターフェースの制御系を示すブロック図
【図4】前記ペンタブレット型インターフェースのペン速度の測定結果を示す図
【符号の説明】
【0027】
10 ペン
11 ゴム膜
12 アルミニウムフィルム
13 再帰性反射シール
20 圧電基板
21 交差指電極
31 カメラ
32 ハーフミラー
33 LED
40 制御部
41 画像取得部
42 ペン位置算出部
43 粗さデータベース
44 ペン速度算出部
45 周波数決定部
51 シンセサイザ
50 駆動制御装置
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3