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明細書 :身体情報測定装置および身体情報測定システム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5224462号 (P5224462)
公開番号 特開2010-178933 (P2010-178933A)
登録日 平成25年3月22日(2013.3.22)
発行日 平成25年7月3日(2013.7.3)
公開日 平成22年8月19日(2010.8.19)
発明の名称または考案の名称 身体情報測定装置および身体情報測定システム
国際特許分類 A61B   5/11        (2006.01)
A61B   5/05        (2006.01)
A61B   5/08        (2006.01)
A61B   5/0245      (2006.01)
FI A61B 5/10 310Z
A61B 5/05 Z
A61B 5/08
A61B 5/02 320Z
請求項の数または発明の数 15
全頁数 40
出願番号 特願2009-025445 (P2009-025445)
出願日 平成21年2月6日(2009.2.6)
審査請求日 平成24年1月17日(2012.1.17)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】305027401
【氏名又は名称】公立大学法人首都大学東京
発明者または考案者 【氏名】松井 岳巳
【氏名】鈴木 哲
【氏名】川原 寛史
個別代理人の代理人 【識別番号】100137752、【弁理士】、【氏名又は名称】亀井 岳行
審査官 【審査官】谷垣 圭二
参考文献・文献 特開2008-99849(JP,A)
村田茂男 等,マイクロ波による心拍・呼吸の一測定法,電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス,1996年 3月18日,Vol.95,No.596,1-6
立石尚之 等,マイクロ波反射法による心拍測定,2007年電子情報通信学会総合大会講演論文集,2007年 3月 7日,146
上野山真紀 等,マイクロ波レーダーを用いた非接触計測システムに関する研究-高齢化社会における医療・福祉への応用をめざして-,心臓,2007年 2月20日,Vol.39, 特別号1,52-55
調査した分野 A61B 5/05
A61B 5/0245
A61B 5/08
A61B 5/11
特許請求の範囲 【請求項1】
被検体が横たわる寝台と、
前記寝台に予め設定された第1測定領域に対して第1の電磁波を照射する第1電磁波照射部と、前記第1測定領域内に横たわる前記被検体から反射した前記第1の電磁波を受信する第1電磁波受信部と、を有し、前記第1電磁波受信部が受信した前記第1の電磁波に応じて第1出力信号を出力する第1電磁波送受信部材と、
前記寝台の前記第1測定領域からずれた領域に予め設定された第2測定領域に対して第2の電磁波を照射する第2電磁波照射部と、前記第2測定領域内に横たわる前記被検体から反射した前記第2電磁波を受信する第2電磁波受信部と、を有し、前記第2電磁波受信部が受信した前記第2の電磁波に応じて第2出力信号を出力する第2電磁波送受信部材と、
前記第1出力信号の履歴と、前記第2出力信号の履歴とを記憶する出力信号履歴記憶手段と、
前記出力信号履歴記憶手段に記憶された前記第1出力信号の履歴の波形に含まれる周波数成分の強度を前記周波数成分ごとに演算すると共に、前記出力信号履歴記憶手段に記憶された前記第2出力信号の履歴の波形に含まれる周波数成分の強度を前記周波数成分ごとに演算する周波数成分強度演算手段と、
前記第1出力信号の履歴の波形と前記第2出力信号の履歴の波形との各周波数成分の強度が合成された合成強度を前記周波数成分ごとに演算する合成強度演算手段と、
前記周波数成分ごとの合成強度に基づいて、前記被検体の心拍に対応する前記周波数成分である心拍成分を抽出する周波数成分抽出手段と、
抽出された前記心拍成分に基づいて、前記被検体の単位時間当りの心拍数を演算する心拍数演算手段と、
演算された前記被検体の単位時間当りの心拍数を告知する身体情報画像を表示する身体情報画像表示手段と、
を備えたことを特徴とする身体情報測定装置。
【請求項2】
前記周波数成分ごとの合成強度に基づいて、前記被検体の呼吸に対応する前記周波数成分である呼吸成分を抽出する前記周波数成分抽出手段と、
抽出された前記呼吸成分に基づいて、前記被検体の単位時間当りの呼吸数を演算する呼吸数演算手段と、
演算された前記被検体の単位時間当りの心拍数および呼吸数を告知する前記身体情報画像を表示する前記身体情報画像表示手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の身体情報測定装置。
【請求項3】
被検体が横たわる寝台と、
前記寝台に予め設定された第1測定領域に対して第1の電磁波を照射する第1電磁波照射部と、前記第1測定領域内に横たわる前記被検体から反射した前記第1の電磁波を受信する第1電磁波受信部と、を有し、前記第1電磁波受信部が受信した前記第1の電磁波に応じて第1出力信号を出力する第1電磁波送受信部材と、
前記寝台の前記第1測定領域からずれた領域に予め設定された第2測定領域に対して第2の電磁波を照射する第2電磁波照射部と、前記第2測定領域内に横たわる前記被検体から反射した前記第2電磁波を受信する第2電磁波受信部と、を有し、前記第2電磁波受信部が受信した前記第2の電磁波に応じて第2出力信号を出力する第2電磁波送受信部材と、
前記第1出力信号の履歴と、前記第2出力信号の履歴とを記憶する出力信号履歴記憶手段と、
前記出力信号履歴記憶手段に記憶された前記第1出力信号の履歴の波形に含まれる周波数成分の強度を前記周波数成分ごとに演算すると共に、前記出力信号履歴記憶手段に記憶された前記第2出力信号の履歴の波形に含まれる周波数成分の強度を前記周波数成分ごとに演算する周波数成分強度演算手段と、
前記第1出力信号の履歴の波形と前記第2出力信号の履歴の波形との各周波数成分の強度が合成された合成強度を前記周波数成分ごとに演算する合成強度演算手段と、
前記周波数成分ごとの合成強度に基づいて、前記被検体の呼吸に対応する前記周波数成分である呼吸成分を抽出する周波数成分抽出手段と、
抽出された前記呼吸成分に基づいて、前記被検体の単位時間当りの呼吸数を演算する呼吸数演算手段と、
演算された前記被検体の単位時間当りの呼吸数を告知する身体情報画像を表示する身体情報画像表示手段と、
を備えたことを特徴とする身体情報測定装置。
【請求項4】
前記第1出力信号の履歴の波形と前記第2出力信号の履歴の波形との各周波数成分の強度の積を演算することにより、前記合成強度を演算する前記合成強度演算手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の身体情報測定装置。
【請求項5】
前記各出力信号の履歴の波形のうちの、予め設定された最小周波数から最大周波数までの通過帯域外の周波数成分を除去する周波数成分除去手段と、
前記通過帯域内の前記各周波数成分の強度を演算する前記周波数成分強度演算手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の身体情報測定装置。
【請求項6】
前記各出力信号の履歴の波形のうちの、予め設定された心拍用最小周波数から心拍用最大周波数までの心拍用通過帯域外の周波数成分を除去する心拍用周波数成分除去手段と、
前記各出力信号の履歴の波形のうちの、予め設定された呼吸用最小周波数から呼吸用最大周波数までの呼吸用通過帯域外の周波数成分を除去する呼吸用周波数成分除去手段と、
前記心拍用通過帯域内の前記各周波数成分の強度を演算すると共に、前記呼吸用通過帯域内の前記各周波数成分の強度を演算する前記周波数成分強度演算手段と、
前記第1出力信号の履歴の波形と前記第2出力信号の履歴の波形との各周波数成分のうち、前記心拍用通過帯域内の各周波数成分の強度が合成された心拍用合成強度を前記周波数成分ごとに演算すると共に、前記呼吸用通過帯域内の各周波数成分の強度が合成された呼吸用合成強度を前記周波数成分ごとに演算する前記合成強度演算手段と、
前記心拍用合成強度に基づいて、前記心拍成分を抽出すると共に、前記呼吸用合成強度に基づいて、前記呼吸成分を抽出する前記周波数成分抽出手段と、
を備えたことを特徴とする請求項5に記載の身体情報測定装置。
【請求項7】
前記寝台上の前記被検体を検知する被検体検知部材と、
前記被検体検知部材が前記被検体を検知し、且つ、前記被検体の単位時間当りの心拍数または呼吸数が演算されている場合に、前記被検体が前記寝台に横たわっていると判別する就床判別手段と、
前記被検体検知部材が前記被検体を検知しておらず、且つ、前記被検体の単位時間当りの心拍数および呼吸数が演算されてない場合に、前記被検体が前記寝台から離れたと判別する離床判別手段と、
前記被検体が前記寝台から離れたと判別された場合に、前記被検体が前記寝台から離れたことを告知する離床告知手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の身体情報測定装置。
【請求項8】
前記被検体が前記寝台から離れたと判別されてからの経過時間である離床時間を計時する離床時間計時手段と、
計時中の前記離床時間が予め設定された離床判別用閾値を超えた場合に、前記被検体が前記寝台から長期間離れていると判別する長期離床判別手段と、
前記被検体が前記寝台から長期間離れていると判別された場合に、前記被検体が前記寝台から長期間離れていることを告知する長期離床告知手段と、
を備えたことを特徴とする請求項7に記載の身体情報測定装置。
【請求項9】
前記被検体検知部材が前記被検体を検知し、且つ、前記被検体の単位時間当りの心拍数が予め設定された最小心拍数から最大心拍数までの心拍用正常範囲外である場合に、前記被検体の心拍が異常な状態であると判別する心拍異常判別手段と、
前記被検体の心拍が異常な状態であると判別された場合に、前記被検体の心拍が異常な状態であることを告知する心拍異常告知手段と、
を備えたことを特徴とする請求項7または8に記載の身体情報測定装置。
【請求項10】
前記被検体検知部材が前記被検体を検知し、且つ、前記被検体の単位時間当りの呼吸数が予め設定された最小呼吸数から最大呼吸数までの呼吸用正常範囲外である場合に、前記被検体の呼吸が異常な状態であると判別する呼吸異常判別手段と、
前記被検体の呼吸が異常な状態であると判別された場合に、前記被検体の呼吸が異常な状態であることを告知する呼吸異常告知手段と、
を備えたことを特徴とする請求項7ないし9のいずれかに記載の身体情報測定装置。
【請求項11】
前記被検体検知部材が前記被検体を検知し、且つ、前記被検体の単位時間当りの呼吸数が演算されていない場合に、前記被検体が無呼吸状態になったと判別する無呼吸判別手段と、
前記被検体が無呼吸状態になったと判別されてからの経過時間である無呼吸時間を計時する無呼吸時間計時手段と、
計時中の前記無呼吸時間が予め設定された無呼吸判別用閾値を超えた場合に、前記被検体が長期間無呼吸状態であると判別する長期無呼吸判別手段と、
前記被検体が長期間無呼吸状態であると判別された場合に、前記被検体が長期間無呼吸状態であることを告知する長期無呼吸告知手段と、
を備えたことを特徴とする請求項7ないし10のいずれかに記載の身体情報測定装置。
【請求項12】
前記第1出力信号の履歴の波形と前記第2出力信号の履歴の波形との各周波数成分のうち、前記心拍成分および前記呼吸成分以外の前記周波数成分であって、前記被検体の体動に対応する前記周波数成分である体動成分を抽出する前記周波数成分抽出手段と、
前記第1出力信号の履歴の波形に含まれる前記体動成分の強度、または、前記第2出力信号の履歴の波形に含まれる前記体動成分の強度が、予め設定された寝返判別用閾値を超えた場合に、前記被検体が寝返りを行ったと判別する寝返判別手段と、
前記被検体が寝返りを行ったと判別された場合に、前記被検体が寝返りを行ったことを告知する寝返告知手段と、
を備えたことを特徴とする請求項7ないし11のいずれかに記載の身体情報測定装置。
【請求項13】
前記被検体が寝返りを行ったと判別されてからの経過時間である未寝返時間を計時する未寝返時間計時手段と、
計時中の前記未寝返時間が予め設定された未寝返判別用閾値を超えた場合に、前記被検体が長期間寝返りを行っていないと判別する長期未寝返判別手段と、
前記被検体が長期間寝返りを行っていないと判別された場合に、前記被検体が長期間寝返りを行っていないことを告知する長期未寝返告知手段と、
を備えたことを特徴とする請求項12に記載の身体情報測定装置。
【請求項14】
被検体が横たわる寝台と、
前記寝台に予め設定された第1測定領域に対して第1の電磁波を照射する第1電磁波照射部と、前記第1測定領域内に横たわる前記被検体から反射した前記第1の電磁波を受信する第1電磁波受信部と、を有し、前記第1電磁波受信部が受信した前記第1の電磁波に応じて第1出力信号を出力する第1電磁波送受信部材と、
前記寝台の前記第1測定領域からずれた領域に予め設定された第2測定領域に対して第2の電磁波を照射する第2電磁波照射部と、前記第2測定領域内に横たわる前記被検体から反射した前記第2電磁波を受信する第2電磁波受信部と、を有し、前記第2電磁波受信部が受信した前記第2の電磁波に応じて第2出力信号を出力する第2電磁波送受信部材と、
前記第1出力信号の履歴と、前記第2出力信号の履歴とを記憶する出力信号履歴記憶手段と、
前記出力信号履歴記憶手段に記憶された前記第1出力信号の履歴の波形に含まれる周波数成分の強度を前記周波数成分ごとに演算すると共に、前記出力信号履歴記憶手段に記憶された前記第2出力信号の履歴の波形に含まれる周波数成分の強度を前記周波数成分ごとに演算する周波数成分強度演算手段と、
前記第1出力信号の履歴の波形と前記第2出力信号の履歴の波形との各周波数成分の強度が合成された合成強度を前記周波数成分ごとに演算する合成強度演算手段と、
前記周波数成分ごとの合成強度に基づいて、前記被検体の心拍に対応する前記周波数成分である心拍成分を抽出する周波数成分抽出手段と、
抽出された前記心拍成分に基づいて、前記被検体の単位時間当りの心拍数を演算する心拍数演算手段と、
演算された前記被検体の単位時間当りの心拍数を告知する身体情報画像を表示する身体情報画像表示手段と、
を備えたことを特徴とする身体情報測定システム。
【請求項15】
被検体が横たわる寝台と、
前記寝台に予め設定された第1測定領域に対して第1の電磁波を照射する第1電磁波照射部と、前記第1測定領域内に横たわる前記被検体から反射した前記第1の電磁波を受信する第1電磁波受信部と、を有し、前記第1電磁波受信部が受信した前記第1の電磁波に応じて第1出力信号を出力する第1電磁波送受信部材と、
前記寝台の前記第1測定領域からずれた領域に予め設定された第2測定領域に対して第2の電磁波を照射する第2電磁波照射部と、前記第2測定領域内に横たわる前記被検体から反射した前記第2電磁波を受信する第2電磁波受信部と、を有し、前記第2電磁波受信部が受信した前記第2の電磁波に応じて第2出力信号を出力する第2電磁波送受信部材と、
前記第1出力信号の履歴と、前記第2出力信号の履歴とを記憶する出力信号履歴記憶手段と、
前記出力信号履歴記憶手段に記憶された前記第1出力信号の履歴の波形に含まれる周波数成分の強度を前記周波数成分ごとに演算すると共に、前記出力信号履歴記憶手段に記憶された前記第2出力信号の履歴の波形に含まれる周波数成分の強度を前記周波数成分ごとに演算する周波数成分強度演算手段と、
前記第1出力信号の履歴の波形と前記第2出力信号の履歴の波形との各周波数成分の強度が合成された合成強度を前記周波数成分ごとに演算する合成強度演算手段と、
前記周波数成分ごとの合成強度に基づいて、前記被検体の呼吸に対応する前記周波数成分である呼吸成分を抽出する周波数成分抽出手段と、
抽出された前記呼吸成分に基づいて、前記被検体の単位時間当りの呼吸数を演算する呼吸数演算手段と、
演算された前記被検体の単位時間当りの呼吸数を告知する身体情報画像を表示する身体情報画像表示手段と、
を備えたことを特徴とする身体情報測定システム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、被検体の身体情報である単位時間当りの心拍数や呼吸数を測定する身体情報測定装置および身体情報測定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、人間や動物等の被検体の心拍数や呼吸数等の身体情報を測定する身体情報測定装置が知られている。前記身体情報測定装置に関する技術として、例えば、下記の特許文献1に記載の技術が知られている。
【0003】
特許文献1としての特開2000-102515号公報には、寝具としてのベッド(1)と、前記ベッド(1)に内蔵され、前記ベッド(1)に横たわる被験者の胸部に電磁波としてのマイクロ波を照射して反射電磁波、すなわち、被験者から反射した前記マイクロ波を受信するマイクロ波送受信センサ(11)とを有し、受信した前記反射電磁波に基づいて、前記被験者の心拍数や呼吸数等の身体状態を検出する身体状態検出具(10)についての技術が記載されている。特許文献1には、出力波形である前記反射電磁波から、0.3Hzのローパスフィルタを用いて呼吸数の周波数成分を抽出すると共に、1Hzのハイパスフィルタを用いて心拍数の周波数成分を抽出することにより、心拍数や呼吸数を算出する技術が記載されている。
【0004】
すなわち、特許文献1には、前記ベッド(1)により、横たわる被験者の身体の動き、いわゆる、体動を低減させて前記身体状態を高精度に測定すると共に、前記マイクロ波送受信センサ(11)により、被験者に銀皿電極、サーミスタ電極、ピエゾ素子、圧センサ等の接触型の計測機器、いわゆる、接触センサを接触・密着させずに、前記身体状態を簡易に測定する技術が記載されている。
また、特許文献1には、被験者の心拍数および呼吸数を常に監視する心拍数・呼吸数監視装置(15)により、心拍数について40[個/分]以下(徐脈)や160[個/分]以上(頻脈)であること判別した場合、または、呼吸数について30秒~2分程度の呼吸停止(無呼吸症候群)になったことを判別した場合に、警告音を発する警告装置(17)により、睡眠中の被験者を起こす技術が記載されている。なお、特許文献1には、具体的な構成が示されていないが、前記被験者の体位を検出することも可能であることが示唆されている。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特開2000-102515号公報(要約書、「0010」~「0034」、図1~図4)
【0006】

【非特許文献1】“株式会社テクノスジャパン│転倒・転落対策に! ベッドコール”、「online」、2003年9月9日、株式会社テクノスジャパン、「2009年1月16日検索」、インターネット<URL:http://www.technosj.co.jp/alarm/bc.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
(従来技術の問題点)
前記特許文献1のように、心拍・呼吸等による被験者の微体動をマイクロ波の反射波によって検出する前記マイクロ波送受信センサ(11)のような、いわゆる、ドップラ式のマイクロ波レーダによる計測では、被験者の体動による影響が大きくなる。よって、前記マイクロ波送受信センサ(11)のように高精度・広範囲で身体情報が検出可能な場合であり、被験者が静止している場合であっても、大きなノイズが発生し、前記特許文献1の図3に示すような出力波形が期待通りに得られず、ノイズ処理が困難であり、心拍数や呼吸数が検出困難であるという問題があった。
また、前記特許文献1では、前記マイクロ波送受信センサ(11)が、前記ベッド(1)の中央で仰向けで寝ている被験者の胸部と対応する位置にのみ配置されている。このため、例えば、睡眠中の被験者が寝返り等を行い、前記ベッド(1)の左右両端部にまで移動して横向きで寝ているような場合には、前記出力波形が受信できず、心拍数や呼吸数が検出できなくなるという問題があった。
【0008】
本発明は、前述の事情に鑑み、被検体の身体情報を精度良く測定することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記技術的課題を解決するために、請求項1記載の発明の身体情報測定装置は、
被検体が横たわる寝台と、
前記寝台に予め設定された第1測定領域に対して第1の電磁波を照射する第1電磁波照射部と、前記第1測定領域内に横たわる前記被検体から反射した前記第1の電磁波を受信する第1電磁波受信部と、を有し、前記第1電磁波受信部が受信した前記第1の電磁波に応じて第1出力信号を出力する第1電磁波送受信部材と、
前記寝台の前記第1測定領域からずれた領域に予め設定された第2測定領域に対して第2の電磁波を照射する第2電磁波照射部と、前記第2測定領域内に横たわる前記被検体から反射した前記第2電磁波を受信する第2電磁波受信部と、を有し、前記第2電磁波受信部が受信した前記第2の電磁波に応じて第2出力信号を出力する第2電磁波送受信部材と、
前記第1出力信号の履歴と、前記第2出力信号の履歴とを記憶する出力信号履歴記憶手段と、
前記出力信号履歴記憶手段に記憶された前記第1出力信号の履歴の波形に含まれる周波数成分の強度を前記周波数成分ごとに演算すると共に、前記出力信号履歴記憶手段に記憶された前記第2出力信号の履歴の波形に含まれる周波数成分の強度を前記周波数成分ごとに演算する周波数成分強度演算手段と、
前記第1出力信号の履歴の波形と前記第2出力信号の履歴の波形との各周波数成分の強度が合成された合成強度を前記周波数成分ごとに演算する合成強度演算手段と、
前記周波数成分ごとの合成強度に基づいて、前記被検体の心拍に対応する前記周波数成分である心拍成分を抽出する周波数成分抽出手段と、
抽出された前記心拍成分に基づいて、前記被検体の単位時間当りの心拍数を演算する心拍数演算手段と、
演算された前記被検体の単位時間当りの心拍数を告知する身体情報画像を表示する身体情報画像表示手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の身体情報測定装置において、
前記周波数成分ごとの合成強度に基づいて、前記被検体の呼吸に対応する前記周波数成分である呼吸成分を抽出する前記周波数成分抽出手段と、
抽出された前記呼吸成分に基づいて、前記被検体の単位時間当りの呼吸数を演算する呼吸数演算手段と、
演算された前記被検体の単位時間当りの心拍数および呼吸数を告知する前記身体情報画像を表示する前記身体情報画像表示手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
前記技術的課題を解決するために、請求項3記載の発明の身体情報測定装置は、
被検体が横たわる寝台と、
前記寝台に予め設定された第1測定領域に対して第1の電磁波を照射する第1電磁波照射部と、前記第1測定領域内に横たわる前記被検体から反射した前記第1の電磁波を受信する第1電磁波受信部と、を有し、前記第1電磁波受信部が受信した前記第1の電磁波に応じて第1出力信号を出力する第1電磁波送受信部材と、
前記寝台の前記第1測定領域からずれた領域に予め設定された第2測定領域に対して第2の電磁波を照射する第2電磁波照射部と、前記第2測定領域内に横たわる前記被検体から反射した前記第2電磁波を受信する第2電磁波受信部と、を有し、前記第2電磁波受信部が受信した前記第2の電磁波に応じて第2出力信号を出力する第2電磁波送受信部材と、
前記第1出力信号の履歴と、前記第2出力信号の履歴とを記憶する出力信号履歴記憶手段と、
前記出力信号履歴記憶手段に記憶された前記第1出力信号の履歴の波形に含まれる周波数成分の強度を前記周波数成分ごとに演算すると共に、前記出力信号履歴記憶手段に記憶された前記第2出力信号の履歴の波形に含まれる周波数成分の強度を前記周波数成分ごとに演算する周波数成分強度演算手段と、
前記第1出力信号の履歴の波形と前記第2出力信号の履歴の波形との各周波数成分の強度が合成された合成強度を前記周波数成分ごとに演算する合成強度演算手段と、
前記周波数成分ごとの合成強度に基づいて、前記被検体の呼吸に対応する前記周波数成分である呼吸成分を抽出する周波数成分抽出手段と、
抽出された前記呼吸成分に基づいて、前記被検体の単位時間当りの呼吸数を演算する呼吸数演算手段と、
演算された前記被検体の単位時間当りの呼吸数を告知する身体情報画像を表示する身体情報画像表示手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の身体情報測定装置において、
前記第1出力信号の履歴の波形と前記第2出力信号の履歴の波形との各周波数成分の強度の積を演算することにより、前記合成強度を演算する前記合成強度演算手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の身体情報測定装置において、
前記各出力信号の履歴の波形のうちの、予め設定された最小周波数から最大周波数までの通過帯域外の周波数成分を除去する周波数成分除去手段と、
前記通過帯域内の前記各周波数成分の強度を演算する前記周波数成分強度演算手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の身体情報測定装置において、
前記各出力信号の履歴の波形のうちの、予め設定された心拍用最小周波数から心拍用最大周波数までの心拍用通過帯域外の周波数成分を除去する心拍用周波数成分除去手段と、
前記各出力信号の履歴の波形のうちの、予め設定された呼吸用最小周波数から呼吸用最大周波数までの呼吸用通過帯域外の周波数成分を除去する呼吸用周波数成分除去手段と、
前記心拍用通過帯域内の前記各周波数成分の強度を演算すると共に、前記呼吸用通過帯域内の前記各周波数成分の強度を演算する前記周波数成分強度演算手段と、
前記第1出力信号の履歴の波形と前記第2出力信号の履歴の波形との各周波数成分のうち、前記心拍用通過帯域内の各周波数成分の強度が合成された心拍用合成強度を前記周波数成分ごとに演算すると共に、前記呼吸用通過帯域内の各周波数成分の強度が合成された呼吸用合成強度を前記周波数成分ごとに演算する前記合成強度演算手段と、
前記心拍用合成強度に基づいて、前記心拍成分を抽出すると共に、前記呼吸用合成強度に基づいて、前記呼吸成分を抽出する前記周波数成分抽出手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の身体情報測定装置において、
前記寝台上の前記被検体を検知する被検体検知部材と、
前記被検体検知部材が前記被検体を検知し、且つ、前記被検体の単位時間当りの心拍数または呼吸数が演算されている場合に、前記被検体が前記寝台に横たわっていると判別する就床判別手段と、
前記被検体検知部材が前記被検体を検知しておらず、且つ、前記被検体の単位時間当りの心拍数および呼吸数が演算されてない場合に、前記被検体が前記寝台から離れたと判別する離床判別手段と、
前記被検体が前記寝台から離れたと判別された場合に、前記被検体が前記寝台から離れたことを告知する離床告知手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0016】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の身体情報測定装置において、
前記被検体が前記寝台から離れたと判別されてからの経過時間である離床時間を計時する離床時間計時手段と、
計時中の前記離床時間が予め設定された離床判別用閾値を超えた場合に、前記被検体が前記寝台から長期間離れていると判別する長期離床判別手段と、
前記被検体が前記寝台から長期間離れていると判別された場合に、前記被検体が前記寝台から長期間離れていることを告知する長期離床告知手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0017】
請求項9に記載の発明は、請求項7または8に記載の身体情報測定装置において、
前記被検体検知部材が前記被検体を検知し、且つ、前記被検体の単位時間当りの心拍数が予め設定された最小心拍数から最大心拍数までの心拍用正常範囲外である場合に、前記被検体の心拍が異常な状態であると判別する心拍異常判別手段と、
前記被検体の心拍が異常な状態であると判別された場合に、前記被検体の心拍が異常な状態であることを告知する心拍異常告知手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0018】
請求項10に記載の発明は、請求項7ないし9のいずれかに記載の身体情報測定装置において、
前記被検体検知部材が前記被検体を検知し、且つ、前記被検体の単位時間当りの呼吸数が予め設定された最小呼吸数から最大呼吸数までの呼吸用正常範囲外である場合に、前記被検体の呼吸が異常な状態であると判別する呼吸異常判別手段と、
前記被検体の呼吸が異常な状態であると判別された場合に、前記被検体の呼吸が異常な状態であることを告知する呼吸異常告知手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0019】
請求項11に記載の発明は、請求項7ないし10のいずれかに記載の身体情報測定装置において、
前記被検体検知部材が前記被検体を検知し、且つ、前記被検体の単位時間当りの呼吸数が演算されていない場合に、前記被検体が無呼吸状態になったと判別する無呼吸判別手段と、
前記被検体が無呼吸状態になったと判別されてからの経過時間である無呼吸時間を計時する無呼吸時間計時手段と、
計時中の前記無呼吸時間が予め設定された無呼吸判別用閾値を超えた場合に、前記被検体が長期間無呼吸状態であると判別する長期無呼吸判別手段と、
前記被検体が長期間無呼吸状態であると判別された場合に、前記被検体が長期間無呼吸状態であることを告知する長期無呼吸告知手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0020】
請求項12に記載の発明は、請求項7ないし11のいずれかに記載の身体情報測定装置において、
前記第1出力信号の履歴の波形と前記第2出力信号の履歴の波形との各周波数成分のうち、前記心拍成分および前記呼吸成分以外の前記周波数成分であって、前記被検体の体動に対応する前記周波数成分である体動成分を抽出する前記周波数成分抽出手段と、
前記第1出力信号の履歴の波形に含まれる前記体動成分の強度、または、前記第2出力信号の履歴の波形に含まれる前記体動成分の強度が、予め設定された寝返判別用閾値を超えた場合に、前記被検体が寝返りを行ったと判別する寝返判別手段と、
前記被検体が寝返りを行ったと判別された場合に、前記被検体が寝返りを行ったことを告知する寝返告知手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0021】
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の身体情報測定装置において、
前記被検体が寝返りを行ったと判別されてからの経過時間である未寝返時間を計時する未寝返時間計時手段と、
計時中の前記未寝返時間が予め設定された未寝返判別用閾値を超えた場合に、前記被検体が長期間寝返りを行っていないと判別する長期未寝返判別手段と、
前記被検体が長期間寝返りを行っていないと判別された場合に、前記被検体が長期間寝返りを行っていないことを告知する長期未寝返告知手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0022】
前記技術的課題を解決するために、請求項14記載の発明の身体情報測定システムは、
被検体が横たわる寝台と、
前記寝台に予め設定された第1測定領域に対して第1の電磁波を照射する第1電磁波照射部と、前記第1測定領域内に横たわる前記被検体から反射した前記第1の電磁波を受信する第1電磁波受信部と、を有し、前記第1電磁波受信部が受信した前記第1の電磁波に応じて第1出力信号を出力する第1電磁波送受信部材と、
前記寝台の前記第1測定領域からずれた領域に予め設定された第2測定領域に対して第2の電磁波を照射する第2電磁波照射部と、前記第2測定領域内に横たわる前記被検体から反射した前記第2電磁波を受信する第2電磁波受信部と、を有し、前記第2電磁波受信部が受信した前記第2の電磁波に応じて第2出力信号を出力する第2電磁波送受信部材と、
前記第1出力信号の履歴と、前記第2出力信号の履歴とを記憶する出力信号履歴記憶手段と、
前記出力信号履歴記憶手段に記憶された前記第1出力信号の履歴の波形に含まれる周波数成分の強度を前記周波数成分ごとに演算すると共に、前記出力信号履歴記憶手段に記憶された前記第2出力信号の履歴の波形に含まれる周波数成分の強度を前記周波数成分ごとに演算する周波数成分強度演算手段と、
前記第1出力信号の履歴の波形と前記第2出力信号の履歴の波形との各周波数成分の強度が合成された合成強度を前記周波数成分ごとに演算する合成強度演算手段と、
前記周波数成分ごとの合成強度に基づいて、前記被検体の心拍に対応する前記周波数成分である心拍成分を抽出する周波数成分抽出手段と、
抽出された前記心拍成分に基づいて、前記被検体の単位時間当りの心拍数を演算する心拍数演算手段と、
演算された前記被検体の単位時間当りの心拍数を告知する身体情報画像を表示する身体情報画像表示手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0023】
前記技術的課題を解決するために、請求項15記載の発明の身体情報測定システムは、
被検体が横たわる寝台と、
前記寝台に予め設定された第1測定領域に対して第1の電磁波を照射する第1電磁波照射部と、前記第1測定領域内に横たわる前記被検体から反射した前記第1の電磁波を受信する第1電磁波受信部と、を有し、前記第1電磁波受信部が受信した前記第1の電磁波に応じて第1出力信号を出力する第1電磁波送受信部材と、
前記寝台の前記第1測定領域からずれた領域に予め設定された第2測定領域に対して第2の電磁波を照射する第2電磁波照射部と、前記第2測定領域内に横たわる前記被検体から反射した前記第2電磁波を受信する第2電磁波受信部と、を有し、前記第2電磁波受信部が受信した前記第2の電磁波に応じて第2出力信号を出力する第2電磁波送受信部材と、
前記第1出力信号の履歴と、前記第2出力信号の履歴とを記憶する出力信号履歴記憶手段と、
前記出力信号履歴記憶手段に記憶された前記第1出力信号の履歴の波形に含まれる周波数成分の強度を前記周波数成分ごとに演算すると共に、前記出力信号履歴記憶手段に記憶された前記第2出力信号の履歴の波形に含まれる周波数成分の強度を前記周波数成分ごとに演算する周波数成分強度演算手段と、
前記第1出力信号の履歴の波形と前記第2出力信号の履歴の波形との各周波数成分の強度が合成された合成強度を前記周波数成分ごとに演算する合成強度演算手段と、
前記周波数成分ごとの合成強度に基づいて、前記被検体の呼吸に対応する前記周波数成分である呼吸成分を抽出する周波数成分抽出手段と、
抽出された前記呼吸成分に基づいて、前記被検体の単位時間当りの呼吸数を演算する呼吸数演算手段と、
演算された前記被検体の単位時間当りの呼吸数を告知する身体情報画像を表示する身体情報画像表示手段と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
請求項1、15に記載の発明によれば、前記合成強度を前記周波数成分ごとに演算することにより、前記心拍成分および前記呼吸成分の合成強度に比べ、前記心拍成分および前記呼吸成分以外の周波数成分の合成強度が相対的に小さくなり、正確な前記心拍成分が抽出され易くなるため、本発明の構成を有しない場合に比べ、被検体の身体情報である前記心拍数を精度良く測定することができる。
請求項2、3、16に記載の発明によれば、前記合成強度を前記周波数成分ごとに演算することにより、前記心拍成分および前記呼吸成分の合成強度に比べ、前記心拍成分および前記呼吸成分以外の周波数成分の合成強度が相対的に小さくなり、正確な前記呼吸成分が抽出され易くなるため、本発明の構成を有しない場合に比べ、被検体の身体情報である前記呼吸数を精度良く測定することができる。
【0025】
請求項4に記載の発明によれば、前記各周波数成分の強度どうしの積を演算することにより、前記周波数成分ごとの前記合成強度を演算することができる。また、請求項2に記載の発明によれば、前記心拍成分および前記呼吸成分の合成強度に比べ、前記心拍成分および前記呼吸成分以外の周波数成分の合成強度が相対的に小さくなり易く、正確な前記心拍成分および前記呼吸成分が抽出され易くなるため、本発明の構成を有しない場合に比べ、被検体の身体情報である前記心拍数および前記呼吸数を精度良く測定することができる。
請求項5に記載の発明によれば、前記通過帯域外の周波数成分を除去することにより、前記合成強度に基づいて、前記通過帯域外のノイズが除去され、正確な前記心拍成分および前記呼吸成分が抽出され易くなるため、本発明の構成を有しない場合に比べ、被検体の身体情報である前記心拍数および前記呼吸数を精度良く測定することができる。
【0026】
請求項6に記載の発明によれば、前記心拍用通過帯域外の周波数成分を除去することにより、前記心拍用合成強度に基づいて、前記心拍用通過帯域外のノイズが除去され、正確な前記心拍成分が抽出され易くなると共に、前記呼吸用通過帯域外の周波数成分を除去することにより、前記呼吸用合成強度に基づいて、前記呼吸用通過帯域外のノイズが除去され、正確な前記呼吸成分が抽出され易くなるため、本発明の構成を有しない場合に比べ、被検体の身体情報である前記心拍数および前記呼吸数を精度良く測定することができる。
請求項7に記載の発明によれば、前記各出力信号の履歴の波形に含まれる各周波数成分の強度を正規化することにより、本発明の構成を有しない場合に比べ、正確な前記心拍成分および前記呼吸成分が抽出され易くなり、被検体の身体情報である前記心拍数および前記呼吸数を精度良く測定することができる。
【0027】
請求項8に記載の発明によれば、前記被検体検知部材の検知結果と前記心拍数および前記呼吸数の演算結果とに基づいて、前記被検体が前記寝台に横たわっているか、前記被検体が前記寝台から離れているかを確認でき、必要であれば、前記被検体を探しに行くことができる。
請求項9に記載の発明によれば、前記被検体検知部材の検知結果と前記心拍数および前記呼吸数の演算結果とに基づいて、前記被検体が前記寝台から長期間離れていると確認でき、監視や介護や保佐等が必要な前記被検体が外出・徘徊等をしているかどうか確認するために探しに行ったり、前記被検体の安否を確認しに行ったりすることができる。
請求項10に記載の発明によれば、前記被検体検知部材の検知結果と前記心拍数の演算結果とに基づいて、前記被検体の生命維持が危険な状態であることを確認でき、前記被検体の安否を確認しに駆けつけたり、速やかに医療行為等を行ったりすることができる。
請求項11に記載の発明によれば、前記被検体検知部材の検知結果と前記呼吸数の演算結果とに基づいて、前記被検体の生命維持が危険な状態であることを確認でき、前記被検体の安否を確認しに駆けつけたり、速やかに医療行為等を行ったりすることができる。
【0028】
請求項12に記載の発明によれば、前記被検体が睡眠時無呼吸症候群等の危険な状態であることを確認でき、例えば、前記被検体の安否を確認しに駆けつけたり、前記被検体を起床させて、直接、呼吸することを促したり、前記被検体の体位を調節して呼吸し易い状態にして、間接的に、呼吸させることを促したりすることもできる。また、例えば、睡眠時無呼吸症候群の治療のために、前記被検体の呼吸数の履歴を記録して、症状の重度の検査に利用したり、検査結果を治療に活用したりすることもできる。
請求項13に記載の発明によれば、前記体動成分の強度に基づいて、前記被検体が寝返りを行ったことを確認でき、例えば、監視中や観察中の前記被検体生態の調査記録等を行うことができる。
請求項14に記載の発明によれば、前記体動成分の強度に基づいて、前記被検体が長期間寝返りを行っていないことを確認でき、例えば、前記被検体に対して寝返りを促したり、寝返りを補助したりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は本発明の実施例1の身体情報測定システムの全体説明図である。
【図2】図2は本発明の実施例1の第1マイクロ波レーダおよび第2マイクロ波レーダおよび離床センサの説明図であり、図2Aはマットレスを下方から見たときの拡大説明図であり、図2Bは図2Aを矢印IIBから見たときの拡大説明図である。
【図3】図3は本発明の実施例1の身体情報測定システムを構成する各装置の機能をブロック図(機能ブロック図)で示した説明図である。
【図4】図4は図3の続きのブロック図である。
【図5】図5は本発明の実施例1の身体情報画像の説明図である。
【図6】図6は本発明の実施例1の各告知画像の説明図であり、図6Aは離床告知画像の説明図であり、図6Bは長期離床告知画像の説明図であり、図6Cは心拍異常告知画像の説明図であり、図6Dは呼吸異常告知画像の説明図であり、図6Eは長期無呼吸告知画像の説明図であり、図6Fは寝返告知画像の説明図であり、図6Gは長期未寝返告知画像の説明図である。
【図7】図7は実施例1の身体情報測定プログラムAP1の身体情報測定のフローチャートである。
【図8】図8は実施例1の身体情報測定プログラムAP1の心拍異常告知処理のフローチャートであり、図7のST16のサブルーチンの説明図である。
【図9】図9は実施例1の身体情報測定プログラムAP1の呼吸異常告知処理のフローチャートであり、図7のST17のサブルーチンの説明図である。
【図10】図10は実施例1の身体情報測定プログラムAP1の寝返告知処理のフローチャートであり、図7のST18のサブルーチンの説明図である。
【図11】図11は実験例1および比較例1の各センサによる測定結果の説明図であり、縦軸に振幅[V]をとり、横軸に時間[sec]をとった波形のグラフの説明図であり、図11Aは実験例1の各マイクロ波レーダの各出力信号の履歴の波形と比較例1の心電図の出力波形とについて0.5Hzのハイパスフィルタを通過させた際の被検体の心拍に関する出力波形の説明図であり、図11Bは実験例1の各マイクロ波レーダの各出力信号の履歴の波形と比較例1の呼吸センサの出力波形とについて0.05Hzのハイパスフィルタを通過させた際の被検体の呼吸に関する出力波形の説明図である。
【図12】図12は実験例1および比較例1の測定結果に対するバンドパスフィルタリングによる除去結果の説明図であり、図12Aは図11Aの各出力波形が心拍用通過帯域(0.5~3.0[Hz])外の周波数成分が除去された各心拍用通過帯域波形の説明図であり、図12Bは図11Bの各出力波形が呼吸用通過帯域(0.05~0.5[Hz])外の周波数成分が除去された各呼吸用通過帯域波形の説明図である。
【図13】図13は実験例1および比較例1の測定結果に対するバンドパスフィルタリングによる除去結果の説明図であり、図13Aは30秒間隔で表示された図12Aの各心拍用通過帯域波形を5秒間隔で表示した拡大説明図であり、図13Bは30秒間隔で表示された図12Bの各呼吸用通過帯域波形を5秒間隔で表示した拡大説明図である。
【図14】図14は実験例1および比較例1の除去結果に対する高速フーリエ変換による演算結果の説明図であり、縦軸に強度をとり、横軸に周波数[Hz]をとったスペクトル波形のグラフの説明図であり、図14Aは図12A、図13Aの各心拍用通過帯域波形が高速フーリエ変換されたスペクトル波形の説明図であり、図14Bは図12B、図13Bの各呼吸用通過帯域波形が高速フーリエ変換されたスペクトル波形の説明図である。
【図15】図15は実験例1の演算結果に対する合成強度(正規化された各強度の積)の演算結果の説明図であり、縦軸に全合成強度に対する割合[%]をとり、横軸に身体情報(心拍数h[bpm]、呼吸数r[bpm])をとったスペクトル波形のグラフの説明図であり、図15Aは図14Aの各心拍用通過帯域波形に含まれる周波数成分ごとの合成強度のスペクトル波形の説明図であり、図15Bは図14Bの各呼吸用通過帯域波形に含まれる周波数成分ごとの合成強度のスペクトル波形の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0031】
図1は本発明の実施例1の身体情報測定システムの全体説明図である。
図2は本発明の実施例1の第1マイクロ波レーダおよび第2マイクロ波レーダおよび離床センサの説明図であり、図2Aはマットレスを下方から見たときの拡大説明図であり、図2Bは図2Aを矢印IIBから見たときの拡大説明図である。
図1、図2において、本発明の実施例1の身体情報測定システムSは、被検体の一例としての人間(被験者、被検者)が横たわるベッド(寝台)1を有する。前記ベッド1は、ベッド本体としてのマットレス支持体1aと、前記マットレス支持体1aに支持されたマットレス1bとを有する。実施例1の前記マットレス1bは、内部に空気が封入された、いわゆる、エアマットレス(エアマット、エアベッド)によって構成されている。また、実施例1の前記マットレス1bは、いわゆる、シングルサイズで設計されており、幅L1が、980[mm]、長さL2が、1950[mm]、高さL3が、275[mm]として予め設定されている。
【実施例1】
【0032】
また、前記マットレス1bの下面には、マイクロ波(電磁波)を送受信する第1マイクロ波レーダ(第1電磁波送受信部材、第1レーダアンテナ)SN1と、第2マイクロ波レーダ(第2電磁波送受信部材、第2レーダアンテナ)SN2とが支持されている。実施例1の前記第1マイクロ波レーダSN1は、後述する図3に示す、上方に対して第1マイクロ波(第1の電磁波)を照射する第1マイクロ波照射部(第1電磁波照射部)SN1aと、前記マットレス1b上の被検体から反射した第1マイクロ波、すなわち、反射波を受信する第1マイクロ波受信部(第1電磁波受信部)SN1bとを有する。また、実施例1の前記第2マイクロ波レーダSN2についても同様に、後述する図3に示す、上方に対して第2マイクロ波(第2の電磁波)を照射する第2マイクロ波照射部(第2電磁波照射部)SN2aと、前記被検体からの反射波を受信する第2マイクロ波受信部(第2電磁波受信部)SN2bとを有する。
【実施例1】
【0033】
なお、実施例1では、前記各マイクロ波レーダSN1,SN2が、前記マットレス1b上の被検体が仰向けになった状態で、胸部の左右両側を測定可能な位置に予め設置されている。すなわち、実施例1の前記第1マイクロ波レーダSN1は、前記マットレス1bの上端までの長さL4が、650[mm]、左端(図2では右端)までの幅L5が、約330[mm]だけ離れた第1測定位置に予め設置されている。また、前記第2マイクロ波レーダSN2は、前記マットレス1bの上端までの長さL4(L4=650[mm])、右端(図2では左端)までの幅L6が、約330[mm]だけ離れた第2測定位置に予め設置されている。すなわち、実施例1の前記各マイクロ波レーダSN1,SN2は、前記マットレス1bの幅方向において、前記各マイクロ波レーダSN1,SN2どうしの間隔L7(L7=980-330×2≒320[mm])と、前記マットレス1bの左右両端までの前記各幅L5,L6(L5=L6≒330[mm])とがほぼ等間隔となるように予め設定されている(L5=L6≒L7)。
【実施例1】
【0034】
また、実施例1では、前記各マイクロ波照射部SN1a,SN2aから各マイクロ波が照射される前記被検体の幅方向への照射角度αが、約40°に予め設定されている。したがって、実施例1では、前記マットレス1bの上面の前記各測定位置と対応する位置から、半径r1(r1=L3×tan(α/2)≒275×tan20°≒100[mm])となる範囲に、前記各マイクロ波レーダSN1,SN2の各測定領域A1,A2が予め設定されている。
また、実施例1の前記各マイクロ波の周波数は、公衆に開放されて特定の免許等が不要であり、且つ、前記マットレス1bの外表面や前記被検体の衣服等を透過して、前記被検体の体表面まで送信可能で前記被検体からの反射波が受信可能な周波数を採用することが望ましい。具体的には、前記第1マイクロ波の周波数が、24.15[GHz]、前記第2マイクロ波の周波数が、24.19[GHz]として予め設定されている。なお、前記マットレス1bについても、マイクロ波の送受信に悪影響を及ぼすおそれがあるコイルバネ等が使用されておらず、例えば、ウレタン製の低反発マットレスや前記エアマットレス等であることが望ましい。このため、実施例1の前記マットレス1bは、内部が中空の前記エアマットレスで構成されている。
【実施例1】
【0035】
また、前記マットレス1bの上面には、前記マットレス1b上で横たわる前記被検体を検知する被検体検知部材SN3が支持されている。実施例1の前記被検体検知部材SN3は、前記被検体の重量(体重)に基づいて、前記被検体が前記ベッド1から離れているか否かを検知するシート状のセンサ、いわゆる、離床センサ(徘徊センサ)によって構成されている。なお、前記離床センサについては、例えば、非特許文献1等に記載されている公知の製品を使用することが可能である。
【実施例1】
【0036】
また、図1において、実施例1の前記身体情報測定システムSは、前記各マイクロ波レーダSN1,SN2および被検体検知部材SN3が接続されたユーザが操作可能な端末としての測定用クライアントパソコン(身体情報測定装置本体、パーソナルコンピュータ)PCaを有する。また、前記身体情報測定システムSは、情報通信回線の一例としての有線LAN(Local Area Network、構内通信網)2を介して、前記測定用クライアントパソコンPCaからの情報を受信可能な受信用クライアントパソコンPCb(受信端末、パーソナルコンピュータ)を有する。実施例1の前記各クライアントパソコンPCa,PCbは、いわゆる、コンピュータ装置により構成されており、コンピュータ本体H1と、ディスプレイH2と、キーボードH3やマウスH4等の入力装置、図示しないHDドライブ(ハードディスクドライブ)等により構成されている。
前記ベッド1と、前記各センサSN1~SN3と、前記測定用クライアントパソコンPCaとにより、実施例1の身体情報測定装置Uが構成されている。
【実施例1】
【0037】
(実施例1の制御部の説明)
図3は本発明の実施例1の身体情報測定システムを構成する各装置の機能をブロック図(機能ブロック図)で示した説明図である。
図4は図3の続きのブロック図である。
図3において、前記各クライアントパソコンPCa,PCbのコンピュータ本体H1は、外部との信号の入出力および入出力信号レベルの調節等を行うI/O(入出力インターフェース)、必要な起動処理を行うためのプログラムおよびデータ等が記憶されたROM(リードオンリーメモリ、記録媒体)、必要なデータ及びプログラムを一時的に記憶するためのRAM(ランダムアクセスメモリ、記録媒体)、ROM等に記憶された起動プログラムに応じた処理を行うCPU(中央演算処理装置)、ならびにクロック発振器等を有しており、ROM及びRAM等に記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
前記構成の各クライアントパソコンPCa,PCbは、前記ハードディスクやROM等に記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
【実施例1】
【0038】
(測定用クライアントパソコンPCaのコンピュータ本体H1の制御部に接続された信号入力要素)
前記測定用クライアントパソコンPCaのコンピュータ本体H1の制御部には、次の信号出力要素SN1~SN3等の出力信号が入力されている。
SN1:第1マイクロ波レーダ
第1マイクロ波レーダSN1は、第1測定領域A1に対して第1マイクロ波照射部SN1aから第1マイクロ波を照射すると共に、第1測定領域A1内の被検体からの反射波を第1マイクロ波受信部SN1bで受信し、受信した反射波に応じて第1出力信号を制御部に入力する。
SN2:第2マイクロ波レーダ
第2マイクロ波レーダSN2は、第2測定領域A2に対して第2マイクロ波照射部SN2aから第2マイクロ波を照射すると共に、第2測定領域A2内の被検体からの反射波を第2マイクロ波受信部SN2bで受信し、受信した反射波に応じて第2出力信号を制御部に入力する。
SN3:被検体検知部材
被検体検知部材SN3は、被検体の重量(体重)に基づいて、被検体がマットレス1bに横たわっているか否かを検知し、その検知信号を制御部に入力する。
(測定用クライアントパソコンPCaのコンピュータ本体H1の制御部の説明)
前記測定用クライアントパソコンPCaのハードディスクドライブには、前記測定用クライアントパソコンPCaの基本動作を制御する基本ソフト(オペレーティングシステム)OSや、アプリケーションプログラムとしての身体情報測定プログラムAP1、身体情報告知プログラムAP2その他の図示しないソフトウェアが記憶されている。
【実施例1】
【0039】
(身体情報測定プログラムAP1)
前記身体情報測定プログラムAP1は、下記の機能手段(プログラムモジュール)を有する。
CA1:出力信号履歴記憶手段
出力信号履歴記憶手段CA1は、第1マイクロ波レーダSN1から出力される第1出力信号の履歴と、第2マイクロ波レーダSN2から出力される第2出力信号の履歴とを記憶する。なお、実施例1では、前記各出力信号の履歴が、前記特許文献1と同様に、いわゆる、ドップラ式のマイクロ波レーダによる計測結果の波形であり、心拍・呼吸等に伴って、マイクロ波を反射する被検体が微体動することにより、反射波の周波数が送信波の周波数に対して変化するドップラ効果に基づいて周波数の差分値に対応する出力値をプロットして得られた波形となる。
【実施例1】
【0040】
CA2:周波数成分除去手段
周波数成分除去手段CA2は、心拍用周波数成分除去手段CA2aと、呼吸用周波数成分除去手段CA2bとを有し、前記出力信号履歴記憶手段CA1に記憶された各出力信号の履歴の波形のうちの、予め設定された最小周波数から最大周波数までの通過帯域外の周波数成分を除去する、いわゆる、フィルタリング(バンドパスフィルタリング)を実行する。
CA2a:心拍用周波数成分除去手段
心拍用周波数成分除去手段CA2aは、前記各出力信号の履歴の波形のうちの、予め設定された心拍用最小周波数から心拍用最大周波数までの心拍用通過帯域外の周波数成分を除去する。実施例1では、前記心拍用通過帯域として、前記心拍用最小周波数に、0.5[Hz]、前記心拍用最大周波数に、3.0[Hz]が予め設定されている。
【実施例1】
【0041】
CA2b:呼吸用周波数成分除去手段
呼吸用周波数成分除去手段CA2bは、前記各出力信号の履歴の波形のうちの、予め設定された呼吸用最小周波数から呼吸用最大周波数までの呼吸用通過帯域外の周波数成分を除去する。実施例1では、前記呼吸用通過帯域として、前記呼吸用最小周波数に、0.05[Hz]、前記呼吸用最大周波数に、0.5[Hz]が予め設定されている。
すなわち、実施例1の前記周波数成分除去手段CA2は、第1出力信号の履歴の波形について、前記心拍用周波数成分除去手段CA2aにより心拍用通過帯域(0.5~3.0[Hz])を通過した第1心拍用通過帯域波形と、呼吸用周波数成分除去手段CA2bにより呼吸用通過帯域(0.05~0.5[Hz])を通過した第1呼吸用通過帯域波形とを生成する。また、実施例1の前記周波数成分除去手段CA2は、第2出力信号の履歴の波形についても同様に、前記心拍用周波数成分除去手段CA2aにより呼吸用通過帯域を通過した第2心拍用通過帯域波形と、呼吸用周波数成分除去手段CA2bにより呼吸用通過帯域を通過した第2呼吸用通過帯域波形とを生成する。
【実施例1】
【0042】
CA3:周波数成分強度演算手段
周波数成分強度演算手段CA3は、前記出力信号履歴記憶手段CA1に記憶された前記各出力信号の履歴の波形に含まれる周波数成分の強度を前記周波数成分ごとに演算する。実施例1の前記周波数成分強度演算手段CA3は、前記各出力信号の履歴の波形にどの周波数成分がどれだけの強度で含まれているかを高速で演算できる高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)により、前記周波数成分除去手段CA2により各通過帯域外の周波数成分が除去された前記第1心拍用通過帯域波形と、前記第1呼吸用通過帯域波形と、前記第2心拍用通過帯域波形と、前記第2呼吸用通過帯域波形とについて、それぞれ、各周波数成分の強度を演算する。なお、前記高速フーリエ変換を利用した周波数解析に関する技術は、例えば、特開2001-257611号公報や、特開2006-258786号公報等に記載されており、公知であるため、詳細な説明を省略する。
【実施例1】
【0043】
CA4:強度正規化手段
強度正規化手段CA4は、前記周波数成分強度演算手段CA3により演算された前記各通過帯域波形に含まれる各周波数成分の強度を正規化する。実施例1の前記強度正規化手段CA4は、前記第1心拍用通過帯域波形に含まれる各周波数成分の強度と、前記第2心拍用通過帯域波形に含まれる各周波数成分の強度とを比較可能な値にすると共に、前記第1呼吸用通過帯域波形に含まれる各周波数成分の強度と、前記第2呼吸用通過帯域波形に含まれる各周波数成分の強度とを比較可能な値にする正規化を実行する。具体的には、前記各通過帯域波形に含まれる全周波数成分の強度の合計値(全強度)を1とした場合の各周波数成分の強度の割合(率、比率、構成比、構成比率)を演算し、前記各割合を各周波数成分の強度の値とすることにより、前記各通過帯域波形に含まれる各周波数成分の強度を正規化する。
【実施例1】
【0044】
CA5:合成強度演算手段
合成強度演算手段CA5は、心拍用合成強度演算手段CA5aと、呼吸用合成強度演算手段CA5bとを有し、前記周波数成分強度演算手段CA3により演算された前記各出力信号の履歴の波形の各周波数成分の強度が合成された合成強度を前記周波数成分ごとに演算する。
CA5a:心拍用合成強度演算手段
心拍用合成強度演算手段CA5aは、前記強度正規化手段CA4により正規化された、前記第1心拍用通過帯域波形に含まれる各周波数成分の強度と、前記各周波数成分に対応する前記第2心拍用通過帯域波形に含まれる各周波数成分の強度との積を演算することにより、前記各心拍用通過帯域波形の周波数成分ごとの合成強度である心拍用合成強度を演算する。
CA5b:呼吸用合成強度演算手段
呼吸用合成強度演算手段CA5bは、前記第1呼吸用通過帯域波形に含まれる各周波数成分の強度と、前記各周波数成分に対応する前記第2呼吸用通過帯域波形に含まれる各周波数成分の強度との積を演算することにより、前記各呼吸用通過帯域波形の周波数成分ごとの合成強度である呼吸用合成強度を演算する。
【実施例1】
【0045】
CA6:周波数成分抽出手段
周波数成分抽出手段CA6は、心拍成分抽出手段CA6aと、呼吸成分抽出手段CA6bと、体動成分抽出手段CA6cとを有し、前記合成強度演算手段CA5により演算された前記周波数成分ごとの合成強度に基づいて、前記被検体の心拍に対応する前記周波数成分である心拍成分と、前記被検体の呼吸に対応する前記周波数成分である呼吸成分と、前記心拍成分および前記呼吸成分以外の前記周波数成分であって、前記被検体の体動に対応する前記周波数成分である体動成分とを抽出する。
【実施例1】
【0046】
CA6a:心拍成分抽出手段
心拍成分抽出手段CA6aは、前記心拍用合成強度に基づいて、前記心拍成分を抽出する。実施例1の前記心拍成分抽出手段CA6aは、前記心拍用合成強度が最大となる周波数成分、いわゆる、ピーク周波数の周波数成分が前記心拍成分として抽出される。
CA6b:呼吸成分抽出手段
呼吸成分抽出手段CA6bは、前記呼吸用合成強度に基づいて、前記呼吸成分を抽出する。実施例1の前記呼吸成分抽出手段CA6bは、前記呼吸用合成強度が最大となるピーク周波数の周波数成分が前記呼吸成分として抽出される。
CA6c:体動成分抽出手段
体動成分抽出手段CA6cは、前記心拍用合成強度および前記呼吸用合成強度に基づいて、前記心拍成分および前記呼吸成分以外の前記体動成分を抽出する。実施例1の前記呼吸成分抽出手段CA6bは、前記心拍用合成強度または前記呼吸用合成強度が2番目に大きい各周波数成分が前記体動成分として抽出される。
【実施例1】
【0047】
CA7:身体情報演算手段
身体情報演算手段C7は、前記心拍成分抽出手段CA6aにより抽出された前記心拍成分に基づいて、前記被検体の単位時間当りの心拍数[bpm:beats per minute,回/分]を演算する心拍数演算手段CA7aと、前記呼吸成分抽出手段CA6bにより抽出された前記呼吸成分に基づいて、前記被検体の単位時間当りの呼吸数[bpm]を演算する呼吸数演算手段CA7bとを有し、前記被検体の身体情報である前記心拍数[bpm]および前記呼吸数[bpm]を演算する。実施例1の前記身体情報演算手段C7では、前記心拍成分の周波数を、f[Hz]とし、前記呼吸成分の周波数を、f[Hz]とし、前記心拍数を、h[bpm]、前記呼吸数を、r[bpm]とした場合に、前記心拍数h[bpm]および前記呼吸数r[bpm]は、以下の式(1-1),(1-2)により演算される。
【実施例1】
【0048】
h=f×60 …(1-1)
r=f×60 …(1-2)
すなわち、実施例1では、心拍用通過帯域(0.5~3.0[Hz])内の心拍数h[bpm]は、前記式(1-1)により、30~180[bpm]であることがわかる。また、呼吸用通過帯域(0.05~0.5[Hz])内の呼吸数r[bpm]は、前記式(1-1)により、3~30[bpm]であることがわかる。
【実施例1】
【0049】
CA8:身体情報記憶手段
身体情報記憶手段CA8は、前記身体情報演算手段C7により演算された前記被検体の身体情報である前記心拍数h[bpm]および前記呼吸数r[bpm]を記憶する。
CA9:身体情報測定判別手段
身体情報測定判別手段CA9は、測定間隔(測定時間)を計時する測定用タイマ(測定時間計時手段)TMを有し、前記各出力信号の履歴の波形が記憶されて前記被検体の身体情報を測定する各測定間隔が計時されたか否かを判別する。
【実施例1】
【0050】
(身体情報告知プログラムAP2)
また、前記身体情報告知プログラムAP2は、下記の機能手段(プログラムモジュール)を有する。
CA10:身体情報送信手段
身体情報送信手段CA10は、後述する受信用クライアントパソコンPCbの身体情報受信手段CB10に対して、前記身体情報記憶手段CA8に記憶された前記被検体の身体情報である前記心拍数h[bpm]および前記呼吸数r[bpm]を送信する。
【実施例1】
【0051】
図5は本発明の実施例1の身体情報画像の説明図である。
CA11:身体情報画像表示手段
身体情報画像表示手段CA11は、図5に示す、前記身体情報演算手段C7により演算された前記被検体の身体情報である前記心拍数h[bpm]および前記呼吸数r[bpm]を告知する身体情報画像101を前記ディスプレイH2に表示する。
CA12:就床判別手段
就床判別手段CA12は、前記被検体がマットレス1bに横たわっているか否かを判別する。実施例1の前記就床判別手段CA12は、前記被検体検知部材SN3が前記被検体を検知し、且つ、前記心拍数h[bpm]または前記呼吸数r[bpm]が演算されている場合に、前記被検体がマットレス1bに横たわっていると判別する。
【実施例1】
【0052】
CA13:離床判別手段
離床判別手段CA13は、前記被検体がベッド1から離れたか否かを判別する。実施例1の前記離床判別手段CA13は、前記被検体検知部材SN3が前記被検体を検知しておらず、且つ、前記心拍数h[bpm]および前記呼吸数r[bpm]がいずれも演算されてない場合に、前記被検体が前記ベッド1から離れたと判別する。
CA14:離床告知手段
離床告知手段CA14は、離床告知情報送信手段CA14aと、離床告知画像表示手段CA14bとを有し、前記離床判別手段CA13により、前記被検体がベッド1から離れたと判別された場合に、前記被検体がベッド1から離れたことを告知する。
CA14a:離床告知情報送信手段
離床告知情報送信手段CA14aは、後述する受信用クライアントパソコンPCbの離床告知情報受信手段CB14aに対して、前記被検体がベッド1から離れたことを告知する離床告知情報を送信する。
【実施例1】
【0053】
図6は本発明の実施例1の各告知画像の説明図であり、図6Aは離床告知画像の説明図であり、図6Bは長期離床告知画像の説明図であり、図6Cは心拍異常告知画像の説明図であり、図6Dは呼吸異常告知画像の説明図であり、図6Eは長期無呼吸告知画像の説明図であり、図6Fは寝返告知画像の説明図であり、図6Gは長期未寝返告知画像の説明図である。
CA14b:離床告知画像表示手段
離床告知画像表示手段CA14bは、図6Aに示す、前記離床告知情報を示す離床告知画像102を前記ディスプレイH2に表示する。
CA15:離床時間計時手段
離床時間計時手段CA15は、前記被検体がベッド1から離れたと判別されてからの経過時間である離床時間を計時する離床用タイマTM′を有し、離床用タイマTM′により、前記離床時間を計時する。
【実施例1】
【0054】
CA16:長期離床判別手段
長期離床判別手段CA16は、前記被検体がベッド1から長期間離れているか否かを判別する。実施例1の前記長期離床判別手段CA16は、前記離床時間計時手段CA15により、計時中の前記離床時間が予め設定された離床判別用閾値を超えた場合に、前記被検体がベッド1から長期間離れていると判別する。
CA17:長期離床告知手段
長期離床告知手段CA17は、長期離床告知情報送信手段CA17aと、長期離床告知画像表示手段CA17bとを有し、前記長期離床判別手段CA16により、前記被検体がベッド1から長期間離れていると判別された場合に、前記被検体がベッド1から長期間離れていることを告知する。
CA17a:長期離床告知情報送信手段
長期離床告知情報送信手段CA17aは、後述する受信用クライアントパソコンPCbの長期離床告知情報受信手段CB17aに対して、前記被検体がベッド1から長期間離れていることを告知する長期離床告知情報を送信する。
【実施例1】
【0055】
CA17b:長期離床告知画像表示手段
長期離床告知画像表示手段CA17bは、図6Bに示す、前記長期離床告知情報を示す長期離床告知画像103を前記ディスプレイH2に表示する。
CA18:心拍異常判別手段
心拍異常判別手段CA18は、前記被検体の心拍が異常な状態であるか否かを判別する。実施例1の前記心拍異常判別手段CA18は、前記被検体検知部材SN3が前記被検体を検知し、且つ、前記心拍数h[bpm]が予め設定された最小心拍数から最大心拍数までの心拍用正常範囲外である場合に、前記被検体の心拍が異常な状態であると判別する。なお、実施例1では、前記心拍用正常範囲の最小心拍数が、40[bpm]、最大心拍数が、100[bpm]に予め設定されており、前記心拍用正常範囲は、40~100[bpm]に設定されている。よって、前記心拍数h[bpm]が、40[bpm]より小さい場合は、徐脈と判別され、100[bpm]より大きい場合は、頻脈と判別される。
【実施例1】
【0056】
CA19:心拍異常告知手段
心拍異常告知手段CA19は、心拍異常告知情報送信手段CA19aと、心拍異常告知画像表示手段CA19bとを有し、前記心拍異常判別手段CA18により、前記被検体の心拍が異常な状態であると判別された場合に、前記被検体の心拍が異常な状態であることを告知する。
CA19a:心拍異常告知情報送信手段
心拍異常告知情報送信手段CA19aは、後述する受信用クライアントパソコンPCbの心拍異常告知情報受信手段CB19aに対して、前記被検体の心拍が異常な状態であることを告知する心拍異常告知情報を送信する。
【実施例1】
【0057】
CA19b:心拍異常告知画像表示手段
心拍異常告知画像表示手段CA19bは、図6Cに示す、前記心拍異常告知情報を示す心拍異常告知画像104を前記ディスプレイH2に表示する。
CA20:呼吸異常判別手段
呼吸異常判別手段CA20は、前記被検体の呼吸が異常な状態であるか否かを判別する。実施例1の前記呼吸異常判別手段CA20は、前記被検体検知部材SN3が前記被検体を検知し、且つ、前記呼吸数r[bpm]が予め設定された最小呼吸数から最大呼吸数までの呼吸用正常範囲外である場合に、前記被検体の呼吸が異常な状態であると判別する。なお、実施例1では、前記呼吸用正常範囲の最小呼吸数が、10[bpm]、最大呼吸数が、25[bpm]に予め設定されており、前記呼吸用正常範囲は、10~25[bpm]に設定されている。よって、前記呼吸数r[bpm]が、10[bpm]より小さい場合は、徐呼吸と判別され、25[bpm]より大きい場合は、頻呼吸と判別される。
【実施例1】
【0058】
CA21:呼吸異常告知手段
呼吸異常告知手段CA21は、呼吸異常告知情報送信手段CA21aと、呼吸異常告知画像表示手段CA21bとを有し、前記呼吸異常判別手段CA20により、前記被検体の呼吸が異常な状態であると判別された場合に、前記被検体の呼吸が異常な状態であることを告知する。
CA21a:呼吸異常告知情報送信手段
呼吸異常告知情報送信手段CA21aは、後述する受信用クライアントパソコンPCbの呼吸異常告知情報受信手段CB21aに対して、前記被検体の呼吸が異常な状態であることを告知する呼吸異常告知情報を送信する。
【実施例1】
【0059】
CA21b:呼吸異常告知画像表示手段
呼吸異常告知画像表示手段CA21bは、図6Dに示す、前記呼吸異常告知情報を示す呼吸異常告知画像106を前記ディスプレイH2に表示する。
CA22:無呼吸判別手段
無呼吸判別手段CA22は、前記被検体が無呼吸状態になったか否かを判別する。実施例1の前記無呼吸判別手段CA22は、前記被検体検知部材SN3が前記被検体を検知し、且つ、前記呼吸数r[bpm]が演算されていない場合に、前記被検体が無呼吸状態になったと判別する。
【実施例1】
【0060】
CA23:無呼吸時間計時手段
無呼吸時間計時手段CA23は、無呼吸用カウンタ(測定回数計数手段)iを有し、前記被検体が無呼吸状態になったと判別されてからの経過時間である無呼吸時間を計時する。実施例1の前記無呼吸時間計時手段CA23は、前記無呼吸用カウンタiにより、前記測定用タイマTMが測定間隔を計時した回数を計数することにより、無呼吸時間を計時する。すなわち、測定間隔をTM1とし、無呼吸時間をTM2とした場合に、以下の式(2-1)を演算することにより、無呼吸時間TM2が演算される。
TM2=i×TM1 …(2-1)
【実施例1】
【0061】
CA24:長期無呼吸判別手段
長期無呼吸判別手段CA24は、前記被検体が長期間無呼吸状態であるか否かを判別する。実施例1の前記長期無呼吸判別手段CA24は、前記無呼吸用カウンタiが予め設定された無呼吸判別用閾値を超えた場合に、前記被検体が長期間無呼吸状態であると判別する。具体的には、前記無呼吸判別用閾値を、Siとした場合に、i>Siが成立するか否かを判別することにより、前記被検体が長期間無呼吸状態であるか否かを判別する。
CA25:長期無呼吸告知手段
長期無呼吸告知手段CA25は、長期無呼吸告知情報送信手段CA25aと、長期無呼吸告知画像表示手段CA25bとを有し、前記長期無呼吸判別手段CA24により、前記被検体が長期間無呼吸状態であると判別された場合に、前記被検体が長期間無呼吸状態であることを告知する。
CA25a:長期無呼吸告知情報送信手段
長期無呼吸告知情報送信手段CA25aは、後述する受信用クライアントパソコンPCbの長期無呼吸告知情報受信手段CB25aに対して、前記被検体が長期間無呼吸状態であることを告知する長期無呼吸告知情報を送信する。
【実施例1】
【0062】
CA25b:長期無呼吸告知画像表示手段
長期無呼吸告知画像表示手段CA25bは、図6Eに示す、前記長期無呼吸告知情報を示す長期無呼吸告知画像107を前記ディスプレイH2に表示する。
CA26:寝返判別手段
寝返判別手段CA26は、前記被検体が寝返りを行ったか否かを判別する。実施例1の前記寝返判別手段CA26は、前記呼吸成分抽出手段CA6bにより抽出された前記心拍用合成強度が2番目に大きい前記体動成分、または、前記呼吸用合成強度が2番目に大きい前記体動成分の各強度のいずれかが、予め設定された寝返判別用閾値を超えた場合に、前記被検体が寝返りを行ったと判別する。
【実施例1】
【0063】
CA27:寝返告知手段
寝返告知手段CA27は、寝返告知情報送信手段CA27aと、寝返告知画像表示手段CA27bとを有し、前記寝返判別手段CA26により、前記被検体が寝返りを行ったと判別された場合に、前記被検体が寝返りを行ったことを告知する。
CA27a:寝返告知情報送信手段
寝返告知情報送信手段CA27aは、後述する受信用クライアントパソコンPCbの寝返告知情報受信手段CB27aに対して、前記被検体が寝返りを行ったことを告知する寝返告知情報を送信する。
【実施例1】
【0064】
CA27b:寝返告知画像表示手段
寝返告知画像表示手段CA27bは、図6Fに示す、前記寝返告知情報を示す寝返告知画像108を前記ディスプレイH2に表示する。
CA28:未寝返時間計時手段
未寝返時間計時手段CA28は、未寝返用カウンタ(測定回数計数手段)jを有し、前記被検体が寝返りを行ったと判別されてからの経過時間である未寝返時間を計時する。実施例1の前記未寝返時間計時手段CA28は、前記未寝返用カウンタjにより、前記測定用タイマTMが測定間隔を計時した回数を計数することにより、未寝返時間を計時する。すなわち、測定間隔をTM1とし、未寝返時間をTM3とした場合に、以下の式(2-2)を演算することにより、未寝返時間TM3が演算される。
TM3=j×TM1 …(2-2)
CA29:長期未寝返判別手段
長期未寝返判別手段CA29は、前記被検体が長期間寝返りを行っていないか否かを判別する。実施例1の前記長期未寝返判別手段CA29は、前記未寝返用カウンタjが予め設定された未寝返判別用閾値を超えた場合に、前記被検体が長期間寝返りを行っていないと判別する。具体的には、前記未寝返判別用閾値を、Sjとした場合に、j>Sjが成立するか否かを判別することにより、前記被検体が長期間寝返りを行っていないか否かを判別する。
【実施例1】
【0065】
CA30:長期未寝返告知手段
長期未寝返告知手段CA30は、長期未寝返告知情報送信手段CA30aと、長期未寝返告知画像表示手段CA30bとを有し、前記長期未寝返判別手段CA29により、前記被検体が長期間寝返りを行っていないと判別された場合に、前記被検体が長期間寝返りを行っていないことを告知する。
CA30a:長期未寝返告知情報送信手段
長期未寝返告知情報送信手段CA30aは、後述する受信用クライアントパソコンPCbの長期未寝返告知情報受信手段CB30aに対して、前記被検体が長期間寝返りを行っていないことを告知する長期未寝返告知情報を送信する。
CA30b:長期未寝返告知画像表示手段
長期未寝返告知画像表示手段CA30bは、図6Gに示す、前記長期未寝返告知情報を示す長期未寝返告知画像109を前記ディスプレイH2に表示する。
【実施例1】
【0066】
(受信用クライアントパソコンPCbのコンピュータ本体H1の制御部の説明)
また、前記受信用クライアントパソコンPCbのハードディスクドライブについても、前記受信用クライアントパソコンPCbの基本動作を制御する基本ソフト(オペレーティングシステム)OSや、アプリケーションプログラムとしての身体情報告知プログラムAP3その他の図示しないソフトウェアが記憶されている。
【実施例1】
【0067】
(身体情報告知プログラムAP3)
前記身体情報告知プログラムAP3は、下記の機能手段(プログラムモジュール)を有する。
CB10:身体情報受信手段
身体情報受信手段CB10は、前記身体情報送信手段CA10により送信された前記被検体の身体情報である前記心拍数h[bpm]および前記呼吸数r[bpm]を受信する。
【実施例1】
【0068】
CB11:身体情報画像表示手段
身体情報画像表示手段CB11は、前記身体情報受信手段CB10により受信した前記心拍数h[bpm]および前記呼吸数r[bpm]を、図5に示す前記身体情報画像101として前記ディスプレイH2に表示する。
CB14:離床告知手段
離床告知手段CB14は、離床告知情報受信手段CB14aと、離床告知画像表示手段CB14bとを有し、前記離床告知手段CA14と同様に、前記被検体がベッド1から離れたことを告知する。
CB14a:離床告知情報受信手段
離床告知情報受信手段CB14aは、前記離床告知情報送信手段CA14aにより送信された前記離床告知情報を受信する。
CB14b:離床告知画像表示手段
離床告知画像表示手段CB14bは、前記離床告知情報受信手段CB14aにより受信した前記離床告知情報を、図6Aに示す前記離床告知画像102として前記ディスプレイH2に表示する。
【実施例1】
【0069】
CB17:長期離床告知手段
長期離床告知手段CB17は、長期離床告知情報受信手段CB17aと、長期離床告知画像表示手段CA17bとを有し、前記長期離床告知手段CA17と同様に、前記被検体がベッド1から長期間離れていることを告知する。
CB17a:長期離床告知情報受信手段
長期離床告知情報受信手段CB17aは、前記長期離床告知情報送信手段CA17aにより送信された前記長期離床告知情報を受信する。
CA17b:長期離床告知画像表示手段
長期離床告知画像表示手段CA17bは、前記長期離床告知情報受信手段CB17aにより受信した前記長期離床告知情報を、図6Bに示す前記長期離床告知画像103として前記ディスプレイH2に表示する。
【実施例1】
【0070】
CB19:心拍異常告知手段
心拍異常告知手段CB19は、心拍異常告知情報受信手段CB19aと、心拍異常告知画像表示手段CB19bとを有し、前記心拍異常告知手段CA19と同様に、前記被検体の心拍が異常な状態であることを告知する。
CB19a:心拍異常告知情報受信手段
心拍異常告知情報受信手段CB19aは、前記心拍異常告知情報送信手段CA19aにより送信された前記心拍異常告知情報を受信する。
CB19b:心拍異常告知画像表示手段
心拍異常告知画像表示手段CB19bは、前記心拍異常告知情報受信手段CB19aにより受信した前記心拍異常告知情報を、図6Cに示す前記心拍異常告知画像104として前記ディスプレイH2に表示する。
【実施例1】
【0071】
CB21:呼吸異常告知手段
呼吸異常告知手段CB21は、呼吸異常告知情報受信手段CB21aと、呼吸異常告知画像表示手段CB21bとを有し、前記呼吸異常告知手段CA21と同様に、前記被検体の呼吸が異常な状態であることを告知する。
CB21a:呼吸異常告知情報受信手段
呼吸異常告知情報受信手段CB21aは、前記呼吸異常告知情報送信手段CA21aにより送信された前記呼吸異常告知情報を受信する。
CB21b:呼吸異常告知画像表示手段
呼吸異常告知画像表示手段CB21bは、前記呼吸異常告知情報受信手段CB21aにより受信した前記呼吸異常告知情報を、図6Dに示す前記呼吸異常告知画像106として前記ディスプレイH2に表示する。
【実施例1】
【0072】
CB25:長期無呼吸告知手段
長期無呼吸告知手段CB25は、長期無呼吸告知情報受信手段CB25aと、長期無呼吸告知画像表示手段CB25bとを有し、前記長期無呼吸告知手段CA25と同様に、前記被検体が長期間無呼吸状態であることを告知する。
CB25a:長期無呼吸告知情報受信手段
長期無呼吸告知情報受信手段CB25aは、前記呼吸異常告知情報送信手段CA21aにより送信された前記長期無呼吸告知情報を受信する。
CB25b:長期無呼吸告知画像表示手段
長期無呼吸告知画像表示手段CB25bは、前記長期無呼吸告知情報受信手段CB25aにより受信した前記長期無呼吸告知情報を、図6Eに示す前記長期無呼吸告知画像107として前記ディスプレイH2に表示する。
【実施例1】
【0073】
CB27:寝返告知手段
寝返告知手段CB27は、寝返告知情報受信手段CB27aと、寝返告知画像表示手段CB27bとを有し、前記寝返告知手段CA27と同様に、前記被検体が寝返りを行ったことを告知する。
CB27a:寝返告知情報受信手段
寝返告知情報受信手段CB27aは、前記寝返告知情報送信手段CA27aにより送信された前記寝返告知情報を受信する。
CB27b:寝返告知画像表示手段
寝返告知画像表示手段CB27bは、前記寝返告知情報受信手段CB27aにより受信した前記寝返告知情報を、図6Fに示す前記寝返告知画像108として前記ディスプレイH2に表示する。
【実施例1】
【0074】
CB30:長期未寝返告知手段
長期未寝返告知手段CB30は、長期未寝返告知情報受信手段CB30aと、長期未寝返告知画像表示手段CB30bとを有し、前記長期未寝返告知手段CA30と同様に、前記被検体が長期間寝返りを行っていないことを告知する。
CB30a:長期未寝返告知情報受信手段
長期未寝返告知情報受信手段CB30aは、前記長期未寝返告知情報送信手段CA30aにより送信された前記長期未寝返告知情報を受信する。
CB30b:長期未寝返告知画像表示手段
長期未寝返告知画像表示手段CB30bは、前記長期未寝返告知情報受信手段CB30aにより受信した前記長期未寝返告知情報を、図6Gに示す前記長期未寝返告知画像109として前記ディスプレイH2に表示する。
【実施例1】
【0075】
(実施例1のフローチャートの説明)
次に、実施例1の前記測定用クライアントパソコンPCaの各プログラムAP1,AP2の処理の流れをフローチャートを使用して説明する。なお、実施例1の前記受信用クライアントパソコンPCbの身体情報告知プログラムAP3の各処理については、前記測定用クライアントパソコンPCaの身体情報告知プログラムAP2から送信された前記各情報を受信した場合に、図6に示す前記各画像101~109として表示するだけであるため、フローチャートによる図示および詳細な説明を省略する。
(実施例1の身体情報測定プログラムAP1の身体情報測定処理のフローチャートの説明)
図7は実施例1の身体情報測定プログラムAP1の身体情報測定のフローチャートである。
図7のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、前記制御部のROM等に記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理は前記制御部の他の各種処理と並行してマルチタスクで実行される。
【実施例1】
【0076】
図7に示すフローチャートは、前記測定用クライアントパソコンPCaが起動した場合に開始される。
図7のST1において、以下の(1)~(4)の処理を実行し、ST2に移る。
(1)図5に示す身体情報画像101を表示する。
(2)図1、図2に示す各マイクロ波レーダSN1,SN2から出力される各出力信号の履歴の記憶を開始する。
(3)測定用タイマTMによる測定間隔TM1の計時を開始する。
(4)各カウンタi,jを0にセットする(i=j=0)。
ST2において、図1、図2に示す被検体検知部材SN3が被検体を検知したか否かを判別する。ノー(N)の場合はST3に移り、イエス(Y)の場合はST9に移る。
ST3において、心拍数h・呼吸数rが演算済であるか否かを判別する。すなわち、初期状態でないか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST4に移り、ノー(N)の場合はST5に移る。
【実施例1】
【0077】
ST4において、心拍数hおよび呼吸数rの値が演算されているか否かを判別する。すなわち、h=r=0が成立しないか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST4に移り、ノー(N)の場合はST5に移る。
ST5において、以下の(1)~(4)の処理を実行し、ST6に移る。
(1)離床告知情報を受信用クライアントパソコンPCbに送信する。
(2)図6Aに示す離床告知画像102を表示する。
(3)離床用タイマTM′による離床時間の計時を開始する。
ST6において、被検体検知部材SN3が被検体を検知したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST9に移り、ノー(N)の場合はST7に移る。
【実施例1】
【0078】
ST7において、計時中の離床時間が離床判別用閾値を超えた否かを判別することにより、前記被検体がベッド1から長期間離れているか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST8に移り、ノー(N)の場合はST6に戻る。
ST8において、以下の(1),(2)の処理を実行し、ST2に移る。
(1)長期離床告知情報を受信用クライアントパソコンPCbに送信する。
(2)図6Bに示す長期離床告知画像103を表示する。
ST9において、測定用タイマTMにより測定間隔TM1が経過したか否かを判別することにより、各出力信号の履歴の波形が記憶されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST10に移り、ノー(N)の場合はST9を繰り返す。
【実施例1】
【0079】
ST10において、以下の(1),(2)の処理を実行し、ST11に移る。
(1)各出力信号の履歴の波形のうち、心拍用通過帯域(0.5~3.0[Hz])外の周波数成分を除去し、第1心拍用通過帯域波形および第2心拍用通過帯域波形を生成する。
(2)各出力信号の履歴の波形のうち、呼吸用通過帯域(0.05~0.5[Hz])外の周波数成分を除去し、第1呼吸用通過帯域波形および第1呼吸用通過帯域波形を生成する。
ST11において、以下の(1),(2)の処理を実行し、ST12に移る。
(1)高速フーリエ変換(FFT)により、各心拍用通過帯域波形に含まれる各周波数成分の強度を周波数成分ごとに演算して正規化する。
(2)高速フーリエ変換(FFT)により、各呼吸用通過帯域波形に含まれる各周波数成分の強度を周波数成分ごとに演算して正規化する。
【実施例1】
【0080】
ST12において、以下の(1),(2)の処理を実行し、ST13に移る。
(1)第1心拍用通過帯域波形に含まれる各周波数成分の強度と、前記各周波数成分に対応する第2心拍用通過帯域波形に含まれる各周波数成分の強度との積を周波数成分ごとに演算することにより、各心拍用通過帯域波形の周波数成分ごとの合成強度である心拍用合成強度を演算する。
(2)第1呼吸用通過帯域波形に含まれる各周波数成分の強度と、前記各周波数成分に対応する第2呼吸用通過帯域波形に含まれる各周波数成分の強度との積を周波数成分ごとに演算することにより、各呼吸用通過帯域波形の周波数成分ごとの合成強度である呼吸用合成強度を演算する。
【実施例1】
【0081】
ST13において、以下の(1)~(3)の処理を実行し、ST14に移る。
(1)心拍用合成強度が最大となる周波数成分(ピーク周波数)の周波数成分を心拍成分として抽出する。
(2)呼吸用合成強度が最大となる周波数成分(ピーク周波数)の周波数成分を呼吸成分として抽出する。
(3)心拍用合成強度および呼吸用合成強度が2番目に大きい各周波数成分をそれぞれ体動成分として抽出する。
ST14において、以下の(1),(2)の処理を実行し、ST15に移る。
(1)抽出された心拍成分の周波数f[Hz]と、式(1-1)とに基づいて、被検体の単位時間当りの心拍数h[bpm]を演算して一時記憶する。
(2)抽出された呼吸成分の周波数f[Hz]と、式(1-2)とに基づいて、被検体の単位時間当りの呼吸数r[bpm]を演算して一時記憶する。
【実施例1】
【0082】
ST15において、以下の(1),(2)の処理を実行し、ST16に移る。
(1)被検体の身体情報である演算結果としての心拍数h[bpm]および呼吸数r[bpm]を受信用クライアントパソコンPCbに送信する。
(2)心拍数h[bpm]および呼吸数r[bpm]を身体情報画像1に表示(更新)する。
ST16において、後述する図8に示す心拍異常告知処理を実行する。そして、ST17に移る。
ST17において、後述する図9に示す呼吸異常告知処理を実行する。そして、ST18に移る。
ST18において、後述する図10に示す寝返告知処理を実行する。そして、ST2に戻る。
【実施例1】
【0083】
(実施例1の身体情報測定プログラムAP1の心拍異常告知処理のフローチャートの説明)
図8は実施例1の身体情報測定プログラムAP1の心拍異常告知処理のフローチャートであり、図7のST16のサブルーチンの説明図である。
図8のST101において、心拍数h[bpm]が演算されているか否か、すなわち、h=0[bpm]でないか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST102に移り、ノー(N)の場合はST103に移る。
ST102において、心拍数h[bpm]が、心拍用正常範囲(40~100[bpm])外であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST103に移り、ノー(N)の場合は心拍異常告知処理を終了し、図7のST16に戻る。
ST103において、以下の(1),(2)の処理を実行し、心拍異常告知処理を終了して図7のST16に戻る。
(1)心拍異常告知情報を受信用クライアントパソコンPCbに送信する。
(2)図6Cに示す心拍異常告知画像104を表示する。
【実施例1】
【0084】
(実施例1の身体情報測定プログラムAP1の呼吸異常告知処理のフローチャートの説明)
図9は実施例1の身体情報測定プログラムAP1の呼吸異常告知処理のフローチャートであり、図7のST17のサブルーチンの説明図である。
図9のST201において、呼吸数r[bpm]が演算されているか否か、すなわち、r=0[bpm]でないか否かを判別する。ノー(N)の場合はST202に移り、イエス(Y)の場合はST205に移る。
ST202において、無呼吸用カウンタiが予め設定された無呼吸判別用閾値Siを超えたか否かを判別することにより、被検体が長期間無呼吸状態であるか否かを判別する(i>Si)。イエス(Y)の場合はST203に移り、ノー(N)の場合はST204に移る。
ST203において、以下の(1),(2)の処理を実行し、ST204に移る。
(1)長期無呼吸告知情報を受信用クライアントパソコンPCbに送信する。
(2)図6Eに示す長期無呼吸告知画像107を表示する。
【実施例1】
【0085】
ST204において、無呼吸用カウンタiに+1を加算する(i=i+1)。そして、呼吸異常告知処理を終了し、図7のST17に戻る。
ST205において、無呼吸用カウンタiを0にリセットする(i=0)。そして、ST206に移る。
S206において、心拍数h[bpm]が、呼吸用正常範囲(10~25[bpm])外であるか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST207に移り、ノー(N)の場合は呼吸異常告知処理を終了し、図7のST17に戻る。
ST207において、以下の(1),(2)の処理を実行し、呼吸異常告知処理を終了して図7のST17に戻る。
(1)呼吸異常告知情報を受信用クライアントパソコンPCbに送信する。
(2)図6Dに示す呼吸異常告知画像106を表示する。
【実施例1】
【0086】
(実施例1の身体情報測定プログラムAP1の寝返告知処理のフローチャートの説明)
図10は実施例1の身体情報測定プログラムAP1の寝返告知処理のフローチャートであり、図7のST18のサブルーチンの説明図である。
図10のST301において、体動成分の強度が寝返判別用閾値を超えたか否かを判別することにより、被検体が寝返りを行ったか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST302に移り、ノー(N)の場合はST303に移る。
ST302において、以下の(1),(2)の処理を実行し、寝返告知処理を終了して図7のST18に戻る。
(1)寝返告知情報を受信用クライアントパソコンPCbに送信する。
(2)図6Fに示す寝返告知画像108を表示する。
(3)未寝返用カウンタjを0にリセットする(j=0)。
ST303において、未寝返用カウンタjが予め設定された未寝返判別用閾値Sjを超えたか否かを判別することにより、前記被検体が長期間寝返りを行っていないか否かを判別する(j>Sj)。イエス(Y)の場合はST304に移り、ノー(N)の場合はST305に移る。
【実施例1】
【0087】
ST304において、以下の(1),(2)の処理を実行し、寝返告知処理を終了して図7のST18に戻る。
(1)長期未寝返告知情報を受信用クライアントパソコンPCbに送信する。
(2)図6Gに示す長期未寝返告知画像109を表示する。
ST305において、未寝返用カウンタjに+1を加算する(j=j+1)。そして、寝返告知処理を終了し、図7のST18に戻る。
【実施例1】
【0088】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1の前記身体情報測定システムSでは、図7に示すように、被検体の身体情報である前記心拍数[bpm]および前記呼吸数[bpm]を測定する身体情報測定処理が実行される。
実施例1の前記身体情報測定処理では、図7のST2に示すように、被検体がマットレス1bに横たわった場合に、図1、図2に示す前記被検体検知部材SN3に検知される。また、図7のST1,ST9に示すように、図1、図2に示す各マイクロ波レーダSN1,SN2からの各出力信号が測定用クライアントパソコンPCaのコンピュータ本体H1の制御部に出力され、測定間隔TM1ごとに各出力信号の履歴の波形が記憶される。また、図7のST10に示すように、記憶された前記各出力信号の履歴の波形は、前記心拍用通過帯域(0.5~3.0[Hz])外の周波数成分が除去された前記各心拍用通過帯域波形となり、前記呼吸用通過帯域(0.05~0.5[Hz])外の周波数成分が除去された前記各呼吸用通過帯域波形となる。
【実施例1】
【0089】
また、図7のST11に示すように、生成された前記各心拍用通過帯域波形および前記各呼吸用通過帯域波形から、高速フーリエ変換(FFT)により、各周波数成分の強度が周波数成分ごとに演算されて正規化される。また、図7のST12に示すように、前記各心拍用通過帯域波形に含まれる各周波数成分の強度どうしの積である前記各周波数成分の心拍用合成強度と、前記各呼吸用通過帯域波形に含まれる各周波数成分の強度どうしの積である前記各周波数成分の呼吸用合成強度とが演算される。また、ST13(1),(2)、ST14に示すように、心拍用合成強度が最大となる心拍成分と、呼吸用合成強度が最大となる呼吸成分とが抽出され、抽出された各成分の周波数f,f[Hz]と、式(1-1),(1-2)とに基づいて、前記心拍数h[bpm]および前記呼吸数r[bpm]が演算されて記憶される。
【実施例1】
【0090】
したがって、実施例1の前記身体情報測定システムSでは、前記被検体に銀皿電極等の接触型センサを接触・密着させずに、前記被検体の身体情報(心拍数h[bpm]、呼吸数r[bpm])を測定することができる。また、実施例1の前記身体情報測定システムSは、2個の前記各マイクロ波レーダSN1,SN2を有し、前記被検体からの反射波を測定する測定領域A1,A2が、前記マットレス1bの上面に2つ設定されている。このため、実施例1の前記身体情報測定システムSは、1個のマイクロ波レーダで測定する前記特許文献1の技術に比べ、前記被検体の寝返り等により、出力信号が出力されず、前記心拍数h[bpm]および前記呼吸数[bpm]が検出できなくなることが低減されている。
【実施例1】
【0091】
(実験例)
ここで、実施例1の前記身体情報測定測定処理が、2個の各マイクロ波レーダSN1,SN2からの各出力信号に基づいて、前記被検体の身体情報(心拍数h[bpm]、呼吸数r[bpm])をどれだけ精度良く測定できるかを調べるために、以下の実験例1および比較例1を準備した。
(実験例1)
実験例1では、実施例1の前記身体情報測定装置Uによる前記身体情報測定処理(図7のST1~ST15参照)を30秒間だけ実行した。なお、実験例1の前記被検体は、安静にして前記マットレス1b上で仰向けで横になっている人間(被験者、被検者)である。
(比較例1)
比較例1の前記身体情報測定装置Uは、実験例1の前記身体情報測定装置Uの各マイクロ波レーダSN1,SN2に替えて、測定電極を前記被検体の胸部に貼付する接触型の心電図および呼吸センサを有する。比較例1では、実験例1の前記被検体の胸部に前記測定電極を貼付けて、実験例1と同時に前記被検体(人間、被験者、被検者)の身体情報(心拍数h[bpm]、呼吸数r[bpm])の測定を30秒間だけ実行した。
【実施例1】
【0092】
(実験結果)
図11は実験例1および比較例1の各センサによる測定結果の説明図であり、縦軸に振幅[V]をとり、横軸に時間[sec]をとった波形のグラフの説明図であり、図11Aは実験例1の各マイクロ波レーダの各出力信号の履歴の波形と比較例1の心電図の出力波形とについて0.5Hzのハイパスフィルタを通過させた際の被検体の心拍に関する出力波形の説明図であり、図11Bは実験例1の各マイクロ波レーダの各出力信号の履歴の波形と比較例1の呼吸センサの出力波形とについて0.05Hzのハイパスフィルタを通過させた際の被検体の呼吸に関する出力波形の説明図である。
図12は実験例1および比較例1の測定結果に対するバンドパスフィルタリングによる除去結果の説明図であり、図12Aは図11Aの各出力波形が心拍用通過帯域(0.5~3.0[Hz])外の周波数成分が除去された各心拍用通過帯域波形の説明図であり、図12Bは図11Bの各出力波形が呼吸用通過帯域(0.05~0.5[Hz])外の周波数成分が除去された各呼吸用通過帯域波形の説明図である。
【実施例1】
【0093】
図13は実験例1および比較例1の測定結果に対するバンドパスフィルタリングによる除去結果の説明図であり、図13Aは30秒間隔で表示された図12Aの各心拍用通過帯域波形を5秒間隔で表示した拡大説明図であり、図13Bは30秒間隔で表示された図12Bの各呼吸用通過帯域波形を5秒間隔で表示した拡大説明図である。
図14は実験例1および比較例1の除去結果に対する高速フーリエ変換による演算結果の説明図であり、縦軸に強度をとり、横軸に周波数[Hz]をとったスペクトル波形のグラフの説明図であり、図14Aは図12A、図13Aの各心拍用通過帯域波形が高速フーリエ変換されたスペクトル波形の説明図であり、図14Bは図12B、図13Bの各呼吸用通過帯域波形が高速フーリエ変換されたスペクトル波形の説明図である。
【実施例1】
【0094】
図15は実験例1の演算結果に対する合成強度(正規化された各強度の積)の演算結果の説明図であり、縦軸に全合成強度に対する割合[%]をとり、横軸に身体情報(心拍数h[bpm]、呼吸数r[bpm])をとったスペクトル波形のグラフの説明図であり、図15Aは図14Aの各心拍用通過帯域波形に含まれる周波数成分ごとの合成強度のスペクトル波形の説明図であり、図15Bは図14Bの各呼吸用通過帯域波形に含まれる周波数成分ごとの合成強度のスペクトル波形の説明図である。
図11に示すように、実験例1の非接触型の各マイクロ波レーダSN1,SN2の各出力波形(出力信号の履歴の波形、1点鎖線および2点鎖線参照)は、比較例1の接触型の心電図および呼吸センサの出力波形(実線参照)に比べ、位相がズレているが、周期がほぼ一致していることがわかる。なお、位相のズレについては、前記各マイクロ波レーダSN1,SN2が、マイクロ波を照射して反射波を受信するまでの遅延時間等が影響しているものと考えられる。
【実施例1】
【0095】
また、図11Aに示すように、各マイクロ波レーダSN1,SN2の心拍に関する出力波形は、比較例1の心電図の出力波形に比べ、ノイズが多く含まれていることがわかる。
また、図11Bに示すように、各マイクロ波レーダSN1,SN2の呼吸に関する出力波形についても、心拍に関する出力波形ほどではないが、比較例1の呼吸センサの出力波形に比べ、ノイズが多く含まれていることがわかる。これは、非接触型の前記各マイクロ波レーダSN1,SN2の測定結果が、接触型の心電図および呼吸センサの測定結果に比べ、被検体の体動の影響を受け易いことが影響しているものと考えられる。
なお、実験例1では、第1マイクロ波レーダSN1の出力波形は、第2マイクロ波レーダSN2の出力波形に比べ、振幅[V]が大きくなっていることがわかる(特に、図11Bの呼吸に関する各出力波形参照)。これは、第1測定領域A1における被検体の呼吸や心拍の微体動の大きさが、第2測定領域A2における被検体の呼吸や心拍の微体動の大きさに比べ、大きかったためであると考えられる。
【実施例1】
【0096】
(実験例1および比較例1の心拍数hの測定結果について)
ここで、実験例1および比較例1における被検体の心拍数hの測定結果について説明する。まず、図12A、図13Aに示すように、実験例1の第1心拍用通過帯域波形(1点鎖線参照)については、比較例1の心拍用通過帯域波形(実線参照)とは異なる周期になっているように見える(特に、図13Aの1点鎖線参照)。また、実験例1の第2心拍用通過帯域波形(2点鎖線参照)については、比較例1の心拍用通過帯域波形に対して位相がずれて周期がほぼ一致したままの状態で、波形の形状も近似していることがわかる。
なお、第1心拍用通過帯域波形の周期が異なることについては、前記第1マイクロ波レーダSN1の出力波形の振幅[V]が大きかったため、前記被検体の心拍以外の体動等のノイズの影響が強く現れたためであると考えられる。
【実施例1】
【0097】
また、図14Aに示すように、実験例1の第1心拍用通過帯域波形の強度のスペクトル波形(1点鎖線参照)ついては、ピーク周波数fが、約1.03[Hz]となり、比較例1の心拍用通過帯域波形の強度のスペクトル波形(実線参照)のピーク周波数fである、約1.05[Hz]と相違することがわかる。また、ピーク周波数f以外、すなわち、ノイズの周波数成分の強度についても、比較例1に比べ、比較的大きな値が散在していることがわかる。また、実験例1の第2心拍用通過帯域波形の強度のスペクトル波形(2点鎖線参照)ついては、比較例1の心拍用通過帯域波形の強度のスペクトル波形に比べ、ノイズの周波数成分の強度が大きくなっているが、ピーク周波数fが一致し、約1.05[Hz]になっていることがわかる(f≒1.05[Hz])。
なお、第1心拍用通過帯域波形強度のスペクトル波形のピーク周波数fが異なることについては、第1心拍用通過帯域波形(図13Aの1点鎖線参照)がノイズの影響を強く受けていたことが、直接、高速フーリエ変換(FFT)による演算結果として現れたものと考えられる。
【実施例1】
【0098】
しかしながら、図15Aに示すように、実験例1の各心拍用通過帯域波形の合成強度のスペクトル波形(1点鎖線参照)ついては、比較例1の心拍用通過帯域波形の強度のスペクトル波形(図14A、図15Aの実線参照)と近似し、且つ、ピーク周波数fが一致(f≒1.05[Hz])、すなわち、心拍数h[bpm]が一致して、約63[bpm]になっていることがわかる(h≒63[bpm])。すなわち、実験例1では、各心拍用通過帯域波形における各周波数成分の強度どうしの積である心拍用合成強度を演算することにより、前記第1心拍用通過帯域波形におけるノイズの影響が大幅に低減され、比較例1の心拍数h[bpm]と同じ値(h≒63[bpm])が得られるまでに近似できたことがわかる。
【実施例1】
【0099】
(実験例1および比較例1の呼吸数rの測定結果について)
また、実験例1および比較例1における被検体の呼吸数rの測定結果について説明する。まず、図12B、図13Bに示すように、実験例1の第1呼吸用通過帯域波形(1点鎖線)および第2呼吸用通過帯域波形(2点鎖線参照)については、第2心拍用通過帯域波形(図13Aの2点鎖線参照)と同様に、比較例1の呼吸用通過帯域波形(実線参照)に対して位相がずれて周期がほぼ一致したままの状態で、波形の形状も近似していることがわかる。
また、図14Bに示すように、実験例1の第1呼吸用通過帯域波形の強度のスペクトル波形(1点鎖線参照)および第2呼吸用通過帯域波形の強度のスペクトル波形(2点鎖線参照)についても、第2心拍用通過帯域波形の強度のスペクトル波形(図14Aの2点鎖線参照)と同様に、比較例1の呼吸用通過帯域波形の強度のスペクトル波形(実線参照)に比べ、ノイズの周波数成分の強度が大きくなっているが、ピーク周波数fが一致し、約0.2[Hz]になっていることがわかる(f≒0.2[Hz])。
【実施例1】
【0100】
さらに、図15Bに示すように、実験例1の各呼吸用通過帯域波形の合成強度のスペクトル波形(1点鎖線参照)についても、比較例1の呼吸用通過帯域波形の強度のスペクトル波形(図14B、図15Bの実線参照)と近似し、且つ、ピーク周波数fが一致(f≒0.2[Hz])、すなわち、呼吸数r[bpm]が一致して、約12[bpm]になっていることがわかる(r≒12[bpm])。
したがって、実験例1の非接触型の前記身体情報測定装置Uは、比較例1の接触型の前記身体情報測定装置Uと同等の精度で、前記心拍数h[bpm]および前記呼吸数r[bpm]を測定できることが確認された。
【実施例1】
【0101】
また、実験例1では、第1マイクロ波レーダSN1の出力波形がノイズの影響を強く受けており、単体では、比較例1の接触型の前記身体情報測定装置Uと同等の精度で、前記心拍数h[bpm]および前記呼吸数r[bpm]を測定できない可能性があることが確認された。よって、実験例1の前記身体情報測定装置Uは、1個のマイクロ波レーダの出力波形について、呼吸用のローパスフィルタ(0.3[Hz])や心拍用のハイパスフィルタ(1[Hz])を用いて心拍数hおよび呼吸数rを測定する前記特許文献1等の技術に比べ、被検体の体動等に基づくノイズによる影響が低減され、前記心拍数h[bpm]および前記呼吸数r[bpm]を精度良く測定できることが確認された。
【実施例1】
【0102】
また、前記構成を備えた実施例1の前記身体情報測定システムSでは、図7のST2~ST4に示すように、被検体がマットレス1bに横たわっておらず、且つ、前記心拍数h[bpm]または前記呼吸数r[bpm]が演算されなかった場合には、前記被検体がベッド1から離れていると判別される。そして、図7のST5(1),(2)に示すように、前記離床告知情報が受信用クライアントパソコンPCbに送信されると共に、図6Aに示す前記離床告知画像102が、各クライアントパソコンPCa,PCbのディスプレイH2に表示される。このため、実施例1の前記身体情報測定システムSは、前記被検体がベッド1から離れている際には、前記心拍数h[bpm]または前記呼吸数r[bpm]を演算しないようにすることができる。また、例えば、ベッド1が配置された部屋の別室や遠隔地等に配置された前記受信用クライアントパソコンPCbのユーザ(観察者、監視人、介護人、保佐人、医師、看護士等の使用者)が、前記被検体がベッド1から離れていることを確認でき、必要であれば、前記被検体を探しに行くことができる。
【実施例1】
【0103】
また、図7のST5(3)~ST7に示すように、被検体がベッド1から離れたと判別された場合には、前記離床用タイマTM′により離床時間が計時され、計時中の前記離床時間が予め設定された離床判別用閾値を超えた場合には、前記被検体がベッド1から長期間離れていると判別される。そして、図7のST8に示すように、前記長期離床告知情報が受信用クライアントパソコンPCbに送信されると共に、図6Bに示す前記長期離床告知画像103が、各クライアントパソコンPCa,PCbのディスプレイH2に表示される。このため、例えば、前記被検体から離れた位置にいる前記ユーザが、前記被検体がベッド1から長期間離れていることを確認でき、監視や介護や保佐等が必要な前記被検体が外出・徘徊等をしているかどうか確認するために探しに行ったり、ベッド1から離れた前記被検体の安否を確認しに行ったりすることができる。
【実施例1】
【0104】
また、前記構成を備えた実施例1の前記身体情報測定システムSでは、被検体がマットレス1bに横たわり、前記身体情報測定処理が実行された場合には、図7のST16、図8に示す前記心拍異常告知処理が実行される。
実施例1の前記心拍異常告知処理では、図8のST101,ST102に示すように、前記心拍数h[bpm]が、演算されていない場合や(h≒0[bpm])、心拍用正常範囲(40~100[bpm])外である場合には、被検体の心拍が異常な状態であると判別される。そして、図8のST103に示すように、前記心拍異常告知情報が受信用クライアントパソコンPCbに送信されると共に、図6Cに示す前記心拍異常告知画像104が、各クライアントパソコンPCa,PCbのディスプレイH2に表示される。このため、前記各クライアントパソコンPCa,PCbのユーザが、前記被検体の生命維持が危険な状態(心肺停止、徐脈、頻脈等の状態)であることを確認でき、被検体から離れた位置にいる受信用クライアントパソコンPCbのユーザが前記被検体の安否を確認しに駆けつけたり、測定用クライアントパソコンPCaの近く(病室内等)にいるユーザ(医者、看護士等)が速やかに医療行為等を行ったりすることができる。
【実施例1】
【0105】
また、前記構成を備えた実施例1の前記身体情報測定システムSでは、前記心拍異常告知処理と共に、図7のST17、図9に示す前記呼吸異常告知処理も実行される。
実施例1の前記呼吸異常告知処理では、図9のST206に示すように、前記呼吸数r[bpm]が、呼吸用正常範囲(10~25[bpm])外である場合には、被検体の呼吸が異常な状態であると判別される。そして、図8のST207に示すように、前記呼吸異常告知情報が受信用クライアントパソコンPCbに送信されると共に、図6Dに示す前記呼吸異常告知画像106が、各クライアントパソコンPCa,PCbのディスプレイH2に表示される。このため、前記心拍異常告知処理と同様に、前記各クライアントパソコンPCa,PCbのユーザが、被検体の生命維持が危険な状態(心肺停止、徐呼吸、頻呼吸等の状態)であることを確認でき、被検体から離れた位置にいる受信用クライアントパソコンPCbのユーザが前記被検体の安否を確認しに駆けつけたり、測定用クライアントパソコンPCaの近くにいるユーザが速やかに医療行為等を行ったりすることができる。
【実施例1】
【0106】
また、実施例1の前記呼吸異常告知処理では、図9のST201~ST202,ST204,ST205に示すように、呼吸数r[bpm]が演算されておらず、且つ、無呼吸用カウンタiが予め設定された無呼吸判別用閾値Siを超えた場合には(i>Si)、被検体が長期間無呼吸状態であると判別される。よって、実施例1の前記身体情報測定システムSは、前記無呼吸判別用閾値Siの値に応じて、例えば、呼吸数r[bpm]が30秒~2分程度、測定されなかったことを判別できる(Si×TM1>30[sec],Si×TM1>120[sec])。そして、ST203に示すように、前記長期無呼吸告知情報が受信用クライアントパソコンPCbに送信されると共に、図6Eに示す前記長期無呼吸告知画像107が、各クライアントパソコンPCa,PCbのディスプレイH2に表示される。
【実施例1】
【0107】
このため、前記各クライアントパソコンPCa,PCbのユーザが、被検体が危険な状態(長期間心肺停止、睡眠時無呼吸症候群等の状態)であることを確認できる。よって、例えば、被検体から離れた位置にいる受信用クライアントパソコンPCbのユーザが、前記被検体の安否を確認しに駆けつけることができる。また、例えば、測定用クライアントパソコンPCaの近くにいるユーザが、被検体を起床させて、直接、被検体に呼吸することを促したり、被検体の体位を調節して呼吸し易い状態にして(例えば、身体を横向きにしたり、顎を上向けにして気道確保したりする等)、間接的に、被検体に呼吸させることを促したりすることもできる。また、例えば、睡眠時無呼吸症候群の治療のために、被検体の呼吸数r[bpm]の履歴を記録して、症状の重度の検査に利用したり、検査結果(検査記録)を治療に活用したりすることも可能である。
【実施例1】
【0108】
また、前記構成を備えた実施例1の前記身体情報測定システムSでは、前記心拍異常告知処理および前記呼吸異常告知処理と共に、図7のST18、図10に示す前記寝返告知処理も実行される。
実施例1の前記寝返告知処理では、図10のST301に示すように、前記各心拍用通過帯域波形および前記各心拍用通過帯域波形の合成強度が2番目に大きい周波数成分である体動成分の強度が予め設定された寝返判別用閾値を超えた場合に、被検体が寝返りを行ったと判別する。よって、実施例1の前記身体情報測定システムSは、ノイズの周波数成分である前記体動成分に基づいて、被検体が寝返りを行ったか否かを判別できる。そして、ST302(1),(2)に示すように、前記寝返告知情報が受信用クライアントパソコンPCbに送信されると共に、図6Fに示す前記寝返告知情報画像108が、各クライアントパソコンPCa,PCbのディスプレイH2に表示される。このため、前記被検体から離れた位置にいる前記ユーザが、前記被検体が寝返りを行ったことを確認でき、例えば、観察中の前記被検体(冬眠中の動物等)の生態の調査記録等を行うことができる。
【実施例1】
【0109】
また、実施例1の前記寝返告知処理では、図10のST302(3),ST303,ST305に示すように、被検体が最後に寝返りを行った後、未寝返用カウンタjが予め設定された未寝返判別用閾値Sjを超えた場合には(j>Sj)、被検体が長期間寝返りを行っていないと判別される。そして、ST304に示すように、前記長期未寝返告知情報が受信用クライアントパソコンPCbに送信されると共に、図6Gに示す前記長期未寝返告知画像109が、各クライアントパソコンPCa,PCbのディスプレイH2に表示される。このため、前記各クライアントパソコンPCa,PCbのユーザが、前記被検体が長期間寝返りを行っていないことを確認できる。また、例えば、介護や保佐等が必要な前記被検体が床擦れ等をしないようにするために、測定用クライアントパソコンPCaの近くにいるユーザや、前記被検体から離れた位置からベッド1まで駆けつけた受信用クライアントパソコンPCbのユーザが、前記被検体に対して寝返りを促したり、寝返りを補助したりすることができる。
【実施例1】
【0110】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)~(H018)を下記に例示する。
(H01)前記実施例では、前記被検体を人間(被験者、被検者)としたが、これに限定されず、例えば、その他の動物等の生体についても本発明を適用可能である。
(H02)前記実施例では、前記ベッド1のサイズを、シングルで構成したが、これに限定されず、例えば、セミシングル、セミダブル、ダブル、ワイドダブル、クイーン、キングや、その他のサイズで構成することも可能である。また、前記ベッド1および前記各センサSN1~SN3の寸法・配置距離L1~L7等についても、前記ベッド1のサイズや前記被検体の身長・身幅等に応じて、任意に変更可能である。
【実施例1】
【0111】
(H03)前記実施例において、前記各マイクロ波レーダSN1,SN2の数については、2個で構成したが、これに限定されず、3個以上で構成することも可能である。この場合、出力波形にノイズが強く現れるマイクロ波レーダの個数を低減でき、前記合成強度に基づく前記心拍成分および前記呼吸成分の抽出の精度を向上させることができ、前記心拍数h[bpm]および前記呼吸数r[bpm]の測定結果の精度を向上させることができる。また、前記各マイクロ波レーダSN1,SN2の測定領域A1,A2の面積については、実際に使用する機器の測定精度に応じて、任意に変更可能である。なお、各測定領域A1,A2の面積を広くした場合には、例えば、第1測定領域A1と第2測定領域A2とが一部重複するような構成とすることも可能である。
(H04)前記実施例において、前記各マイクロ波レーダSN1,SN2は、前記マットレス1bの下面に支持、すなわち、張付けられているが、これに限定されず、前記マットレス1bの内部に内蔵させることも可能である。また、前記各マイクロ波レーダSN1,SN2は、前記マットレス1bの下面に固定支持されているが、これに限定されず、例えば、前記マットレス支持体1aと前記マットレス1bとの間に、マットレス1bの前後方向および左右方向に移動可能なスライダ等を設けることにより、任意の位置に可変で設定できるように構成することも可能である。
【実施例1】
【0112】
(H05)前記実施例において、前記各マイクロ波レーダSN1,SN2は、前記マットレス1bの下面に支持、すなわち、張付けられているが、これに限定されず、前記マットレス1bの内部に内蔵させることも可能である。また、前記各マイクロ波レーダSN1,SN2は、前記マットレス1bの下面に固定支持されているが、これに限定されず、例えば、前記マットレス支持体1aと前記マットレス1bとの間に、マットレス1bの前後方向および左右方向に移動可能なスライダ等を設けることにより、任意の位置に可変で設定できるように構成することも可能である。
(H06)前記実施例において、前記各クライアントパソコンPCa,PCbどうしの接続を、前記有線LAN2により構成したが、これに限定されず、例えば、無線LAN、インターネット、ナースコール等の専用線、電話回線等のその他の情報通信回線、または、これらの組合せにより構成することも可能である。
(H07)前記実施例において、前記被検体検知部材SN3は、いわゆる、離床センサ(徘徊センサ)によって構成されているが、これに限定されず、例えば、歪ゲージや圧センサ等により構成し、前記マットレス1bに圧力がかかっているか否かを判別することにより、前記被検体を検知することも可能である。
【実施例1】
【0113】
(H08)前記実施例のように、前記被検体検知部材SN3が被検体を検知した状態で、前記各マイクロ波レーダSN1,SN2による前記心拍数h[bpm]や前記呼吸数r[bpm]の測定を実行することが好ましいが、前記被検体検知部材SN3を省略することも可能である。すなわち、前記各マイクロ波レーダSN1,SN2により、前記心拍数h[bpm]や前記呼吸数r[bpm]を常時測定する構成とすることも可能である。なお、この場合、離床判別処理(図7のST4参照)、長期離床判別処理(図7のST7参照)、心拍異常判別処理(図7のST16、図8のST101,ST102参照)、呼吸異常判別処理(図7のST17、図8のST206参照)、長期無呼吸判別処理(図7のST17、図8のST201,ST202参照)、寝返判別処理(図7のST18、図8のST301参照)、長期未寝返判別処理(図7のST18、図8のST301,ST303参照)についても、前記心拍数h[bpm]や前記呼吸数r[bpm]の測定結果のみに基づいて行うことも可能である。
【実施例1】
【0114】
(H09)前記実施例において、前記各情報を受信する受信端末を受信用クライアントパソコンPCbにより構成したが、これに限定されず、例えば、無線LANやインターネット等の情報通信回線に接続可能なPDA(Personal Digital Assistant,Personal Data Assistance)や携帯電話等の携帯情報端末等により構成することも可能である。また、前記身体情報測定システムSは、これらの前記受信端末を有することが好ましいが、これに限定されず、前記有線LAN2および前記受信用クライアントパソコンPCbが省略された前記身体情報測定装置Uのみで構成した場合にも、本発明の作用効果を奏することが可能である。
(H010)前記実施例において、各合成強度を、各周波数成分の強度どうしの積により演算したが、これに限定されず、例えば、各周波数成分の強度どうしの和により演算することも可能である。なお、この場合、例えば、一方のマイクロ波レーダSN1,SN2からは出力波形(出力信号の履歴の波形)が得られているが、他方のマイクロ波レーダSN2,SN1からは出力波形が得られていない場合であって、前記各周波数成分の強度どうしの積が得られない、すなわち、0になる場合でも、前記各周波数成分の強度どうしの和であれば前記一方のマイクロ波レーダSN1,SN2の出力波形のみから前記各合成強度を演算できる。このため、前記他方のマイクロ波レーダSN2,SN1から出力波形が得られていない場合のみ、前記各周波数成分の強度どうしの積でなく和をとるような構成にすることも可能である。
【実施例1】
【0115】
(H011)前記実施例において、一方のマイクロ波レーダSN1,SN2からは出力波形(出力信号の履歴の波形)が得られているが、他方のマイクロ波レーダSN2,SN1からは出力波形が得られていない場合に、被検体の就寝位置が前記一方のマイクロ波レーダSN1,SN2側に偏っていると判別する就寝位置判別処理を実行することも可能である。なお、前記各マイクロ波レーダSN1,SN2を3個以上、例えば、左右両対象に2個ずつの各マイクロ波レーダSN1,SN2を上下方向に等間隔で4列配置して構成すれば(2×4=8)、前記就寝位置判別処理の精度をさらに向上させることも可能である。
(H012)前記実施例において、前記各通過帯域波形の各周波数成分の強度を演算するために、前記高速フーリエ変換(FFT)を使用したが、これに限定されず、例えば、前記高速フーリエ変換ほど高速ではないが、信号処理等で離散化されたデジタル信号の周波数解析や偏微分方程式や畳み込み積分を効率的に計算するために使用される離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)やその他の周波数解析手段を使用することも可能である。
【実施例1】
【0116】
(H013)前記実施例において、前記心拍数h[bpm]および前記呼吸数r[bpm]の測定結果の精度を向上させるために、前記バンドパスフィルタリング処理(図7のST10参照)および前記正規化処理(図7のST11参照)を実行することが好ましいが、これらの処理を省略することも可能である。
(H014)前記実施例において、前記各マイクロ波レーダSN1,SN2の出力信号に基づいて、前記心拍数h[bpm]および前記呼吸数r[bpm]を測定したが、これに限定されず、例えば、前記心拍数h[bpm]のみ、または、前記呼吸数r[bpm]のみを測定することも可能である。
(H015)前記実施例において、長期離床判別処理(図7のST7参照)では、計時中の前記離床時間が予め設定された離床判別用閾値を超えた場合に、前記被検体がベッド1から長期間離れていると判別するが、これに限定されず、例えば、計時中の前記離床時間が、10分以内であれば、前記被検体が小用を足している等と判別し、20分以内であれば、前記被検体が大用を足している等と判別し、30分以内であれば、前記被検体が散歩中である等と判別し、30分以上であれば、前記被検体がベッド1から長期間離れており、探しに行く必要があると判別するように構成することも可能である。
【実施例1】
【0117】
(H016)前記実施例では、前記各情報を告知する方法として、図6に示す前記各画像101~109を前記ディスプレイH2に表示したが、これに限定されず、例えば、警報音を鳴らしたり、前記各情報を説明する各警告メッセージを読み上げたり、警告色を点灯させたりして告知することも可能である。
(H017)前記実施例では、前記身体情報画像101として、前記心拍数h[bpm]および前記呼吸数r[bpm]の数値のみを記載した画像により構成したが、これに限定されず、例えば、図11に示す、ハイパスフィルタリング後の各マイクロ波レーダSN1,SN2による測定結果を心拍・呼吸に関する出力波形として表示したり、図12~図15に示す各過程の波形を表示したりすることも可能である。
【実施例1】
【0118】
(H018)前記実施例では、図7のST13(3)において、心拍用合成強度および呼吸用合成強度が2番目に大きい各周波数成分をそれぞれ体動成分として抽出したが、これに限定されず、例えば、心拍成分および呼吸成分以外のノイズの周波数成分全体を体動成分とすることも可能である。この場合、前記実施例では、前記寝返判別処理(図7のST18、図8のST301参照)において、前記体動成分の合成強度が寝返判別用閾値を超えたか否かを判別することにより、被検体が寝返りを行ったか否かを判別したが、例えば、体動成分の合成強度の合計値が寝返判別用閾値を超えたか否かを判別することにより、被検体が寝返りを行ったか否かを判別することも可能である。すなわち、心拍用合成強度または呼吸用合成強度の値である、各合成強度全体に対する割合(率、比率、構成比、構成比率)が、予め設定された閾値以下となった場合に、体動成分の合成強度の合計値が寝返判別用閾値を超えたと判別し、被検体が寝返りを行ったか否かを判別することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0119】
本発明の前記身体情報測定装置Uおよび前記身体情報測定システムSは、例えば、医師や看護士等が、診察室やナースステーション等の病院内や、外出・帰宅時の遠隔地において、病室内の入院患者の安否確認する場合等に有用である。また、例えば、在宅介護者が、自宅内の別室や外出時の遠隔地において、被介護者(要介護者)の安否確認する場合等にも有用である。また、例えば、動物園で冬眠中の熊等の動物の生態の研究のため、遠隔地において観察する場合等にも有用である。
【符号の説明】
【0120】
1…寝台、101…身体情報画像、A1…第1測定領域、A2…第2測定領域、CA1…出力信号履歴記憶手段、CA2…周波数成分除去手段、CA2a…心拍用周波数成分除去手段、CA2b…呼吸用周波数成分除去手段、CA3…周波数成分強度演算手段、CA4…強度正規化手段、CA5…合成強度演算手段、CA6…周波数成分抽出手段、CA7a…心拍数演算手段、CA7b…呼吸数演算手段、CA11,CB11…身体情報画像表示手段、CA12…就床判別手段、CA13…離床判別手段、CA14,CB14…離床告知手段、CA15…離床時間計時手段、CA16…長期離床判別手段、CA17,CB17…長期離床告知手段、CA18…心拍異常判別手段、CA19,CB19…心拍異常告知手段、CA20…呼吸異常判別手段、CA21,CB21…呼吸異常告知手段、CA22…無呼吸判別手段、CA23…無呼吸時間計時手段、CA24…長期無呼吸判別手段、CA25,CB25…長期無呼吸告知手段、CA26…寝返判別手段、CA28…未寝返時間計時手段、CA29…長期未寝返判別手段、CA30,CB30…長期未寝返告知手段、h…心拍数、r…呼吸数、S…身体情報測定システム、Si×TM1…無呼吸判別用閾値、Sj×TM1…未寝返判別用閾値、SN1…第1電磁波送受信部材、SN1a…第1電磁波照射部、SN1b…第1電磁波受信部、SN2…第2電磁波送受信部材、SN2a…第2電磁波照射部、SN2b…第2電磁波受信部、SN3…被検体検知部材、TM2…無呼吸時間、TM3…未寝返時間、U…身体情報測定装置。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
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【図14】
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【図15】
14