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明細書 :管加工装置及び管加工方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5469355号 (P5469355)
公開番号 特開2010-214451 (P2010-214451A)
登録日 平成26年2月7日(2014.2.7)
発行日 平成26年4月16日(2014.4.16)
公開日 平成22年9月30日(2010.9.30)
発明の名称または考案の名称 管加工装置及び管加工方法
国際特許分類 B21D  15/06        (2006.01)
FI B21D 15/06
請求項の数または発明の数 7
全頁数 12
出願番号 特願2009-066383 (P2009-066383)
出願日 平成21年3月18日(2009.3.18)
審査請求日 平成24年3月14日(2012.3.14)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】305027401
【氏名又は名称】公立大学法人首都大学東京
発明者または考案者 【氏名】真鍋 健一
【氏名】古島 剛
個別代理人の代理人 【識別番号】100096426、【弁理士】、【氏名又は名称】川合 誠
【識別番号】100089635、【弁理士】、【氏名又は名称】清水 守
【識別番号】100116207、【弁理士】、【氏名又は名称】青木 俊明
審査官 【審査官】間中 耕治
参考文献・文献 特開平07-088566(JP,A)
特開平04-091824(JP,A)
特開昭59-191523(JP,A)
調査した分野 B21D 15/06
特許請求の範囲 【請求項1】
(a)金属製の管材料の搬送方向における上流側において移動自在に配設され、管材料を把持する第1の把持部材と、
(b)前記管材料の搬送方向における下流側において移動自在に配設され、管材料を把持する第2の把持部材と、
(c)前記第1、第2の把持部材間に設定された前記管材料の加工領域の所定の箇所に配設され、管材料における環状の被加熱部分を加熱する加熱体と、
(d)前記管材料の搬送方向における前記加熱体より上流側に加熱体と隣接させて配設され、前記管材料における、被加熱部分と隣接する環状の被冷却部分を冷却する冷却装置と、
(e)第1の把持部材の移動速度を第2の把持部材の移動速度より高くし、前記被加熱部分に座屈変形を発生させ、山を形成する加工処理手段とを有することを特徴とする管加工装置。
【請求項2】
前記加工処理手段は、第2の把持部材の移動速度を変更することによって前記山のピッチを変更する請求項1に記載の管加工装置。
【請求項3】
前記加工処理手段は、第1の把持部材の移動速度と第2の把持部材の移動速度との速度差を変更することによって前記山の高さを変更する請求項1に記載の管加工装置
【請求項4】
記加工処理手段は、第1のタイミングで、第1の把持部材の移動速度を第2の把持部材の移動速度より高くし、前記被加熱部分に座屈変形を発生させ、第2のタイミングで、第1の把持部材の移動速度を第2の把持部材の移動速度より低くし、前記被加熱部分と隣接する部分の径を小さくする請求項1に記載の管加工装置。
【請求項5】
(a)前記加熱体は、管材料を移動させながら加熱し、
(b)前記加工処理手段は、管材料を移動させながら前記被加熱部分に座屈変形を発生させる請求項1に記載の管加工装置。
【請求項6】
(a)前記加熱体は、管材料を静止させた状態で加熱し、
(b)前記加工処理手段は、管材料を静止させた状態で前記被加熱部分に座屈変形を発生させる請求項1に記載の管加工装置。
【請求項7】
金属製の管材料の搬送方向における上流側において移動自在に配設され、管材料を把持する第1の把持部材、前記管材料の搬送方向における下流側において移動自在に配設され、管材料を把持する第2の把持部材、前記第1、第2の把持部材間に設定された前記管材料の加工領域の所定の箇所に配設され、管材料における環状の被加熱部分を加熱する加熱体、及び前記管材料の搬送方向における前記加熱体より上流側に加熱体と隣接させて配設され、前記管材料における、被加熱部分と隣接する環状の被冷却部分を冷却する冷却装置を有する管加工装置による管加工方法において、
第1の把持部材の移動速度を第2の把持部材の移動速度より高くし、前記被加熱部分に座屈変形を発生させ、山を形成することを特徴とする管加工方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、管加工装置及び管加工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、金属製の管材料を加工して所定の管部材、例えば、ベローズ管を製造するためのベローズ管製造装置においては、金型装置内に円筒状の金属製のパイプが配設されるようになっている。前記金型装置は、パイプの軸方向にパイプを包囲して配設された複数の金型を備える。
【0003】
そして、パイプ内に高圧の液体を供給することによってパイプを金型装置内のキャビティ空間の形状に合わせて膨出させることにより、ベローズを形成するようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特開2003-202077号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来のベローズ管製造装置においては、ベローズの各山の高さ(谷の深さでもある。)及び各山のピッチ(谷のピッチでもある。)が金型装置の仕様によって決まるので、各山の高さ、ピッチ等を変更しようとすると、併せて金型装置を交換する必要があり、ベローズ管のコストが高くなってしまう。
【0006】
本発明は、前記従来のベローズ管製造装置の問題点を解決して、金型装置を使用することなく管材料を加工して所定の管部材を成形することができる管加工装置及び管加工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのために、本発明の管加工装置においては、金属製の管材料の搬送方向における上流側において移動自在に配設され、管材料を把持する第1の把持部材と、前記管材料の搬送方向における下流側において移動自在に配設され、管材料を把持する第2の把持部材と、前記第1、第2の把持部材間に設定された前記管材料の加工領域の所定の箇所に配設され、管材料における環状の被加熱部分を加熱する加熱体と、前記管材料の搬送方向における前記加熱体より上流側に加熱体と隣接させて配設され、前記管材料における、被加熱部分と隣接する環状の被冷却部分を冷却する冷却装置と、第1の把持部材の移動速度を第2の把持部材の移動速度より高くし、前記被加熱部分に座屈変形を発生させ、山を形成する加工処理手段とを有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、管加工装置においては、金属製の管材料の搬送方向における上流側において移動自在に配設され、管材料を把持する第1の把持部材と、前記管材料の搬送方向における下流側において移動自在に配設され、管材料を把持する第2の把持部材と、前記第1、第2の把持部材間に設定された前記管材料の加工領域の所定の箇所に配設され、管材料における環状の被加熱部分を加熱する加熱体と、前記管材料の搬送方向における前記加熱体より上流側に加熱体と隣接させて配設され、前記管材料における、被加熱部分と隣接する環状の被冷却部分を冷却する冷却装置と、第1の把持部材の移動速度を第2の把持部材の移動速度より高くし、前記被加熱部分に座屈変形を発生させ、山を形成する加工処理手段とを有する。
【0009】
この場合、第1の把持部材の移動速度が第2の把持部材の移動速度より高くされ、被加熱部分に座屈変形が発生させられ、山が形成されるので、金型装置を使用することなく管材料を加工して所定の管部材を成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施の形態における管加工装置の概念図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における管加工装置の制御ブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるパイプの加熱状態を示す拡大図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態における管加工装置の要部を示す概念図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態における管加工装置の概念図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態における管加工装置の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。

【0012】
図1は本発明の第1の実施の形態における管加工装置の概念図、図2は本発明の第1の実施の形態における管加工装置の制御ブロック図、図3は本発明の第1の実施の形態におけるパイプの加熱状態を示す拡大図である。

【0013】
図において、11は矢印A方向に搬送される金属製の管材料としてのパイプ、12は、該パイプ11の搬送方向における上流側において移動自在に配設され、パイプ11を把持する第1の把持部材としてのチャック、13は、前記パイプ11の搬送方向におけるチャック12より下流側において、前記チャック12とは独立させて移動自在に配設され、パイプ11を把持する第2の把持部材としてのチャック、15は前記各チャック12、13を案内する案内部材としてのバー、18は前記チャック12を矢印A方向に移動させる第1の移動機構、19は前記チャック13を矢印A方向に移動させる第2の移動機構である。

【0014】
本実施の形態においては、パイプ11として、所定の長さを有するパイプが使用されるが、一端が図示されない繰出機に、他端が図示されない巻取機に巻装された長尺のパイプを使用することができる。

【0015】
前記各チャック12、13は、パイプ11を包囲する構造を有し、パイプ11を所定の把持力で把持し、パイプ11において、チャック12によって把持される第1の把持位置、及びチャック13によって把持される第2の把持位置が設定され、第1、第2の把持位置間にパイプ11の加工領域が設定される。そして、該加工領域においてパイプ11が加工され、複数の山k(及び谷m)から成る管加工部としてのベローズ20が形成される。

【0016】
そのために、前記加工領域における所定の箇所に、パイプ11を包囲して、パイプ11を軸方向において局部的に、周方向において全体的に加熱するための加熱体としての環状のコイル14が配設され、該コイル14と隣接させて、パイプ11の温度を検出するための温度検出器としての非接触式の温度センサ40が配設される。

【0017】
本実施の形態においては、コイル14に高周波の電流、すなわち、高周波電流を供給し、パイプ11を高周波加熱によって加熱するようになっているが、コイル14に代えてヒータを使用し、ヒータに電流を供給し、パイプ11をジュール熱で加熱したり、コイル14に代えてレーザ装置を使用し、レーザ光を照射することによって、パイプ11を加熱したりすることもできる。

【0018】
また、前記第1の移動機構18は、チャック12を支持する支持部21、該支持部21に取り付けられた図示されないボールナット、該ボールナットと噛(し)合させられるボールねじ軸22、該ボールねじ軸22と連結された第1の駆動部としてのモータ23等を備える。該モータ23を駆動することによってボールねじ軸22を回転させると、支持部21がバー15に沿って矢印A方向に移動させられる。そのために、前記支持部21には、バー15を貫通させて配設するための図示されないガイド穴が形成される。なお、前記ボールナット及びボールねじ軸22によって運動方向変換部としてのボールねじが構成され、ボールねじ軸22の回転運動がボールナットの直進運動に変換される。そして、ボールナットによって第1の変換要素が、ボールねじ軸22によって第2の変換要素が構成される。

【0019】
また、前記第2の移動機構19は、チャック13を支持する支持部25、該支持部25に取り付けられた図示されないボールナット、該ボールナットと噛合させられるボールねじ軸26、該ボールねじ軸26と連結された第2の駆動部としてのモータ27等を備える。該モータ27を駆動することによってボールねじ軸26を回転させると、支持部25がバー15に沿って矢印A方向に移動させられる。そのために、前記支持部25には、バー15を貫通させて配設するための図示されないガイド穴が形成される。なお、前記ボールナット及びボールねじ軸26によって運動方向変換部としてのボールねじが構成され、ボールねじ軸26の回転運動がボールナットの直進運動に変換される。そして、ボールナットによって第1の変換要素が、ボールねじ軸26によって第2の変換要素が構成される。

【0020】
本実施の形態においては、第1、第2の移動機構18、19における第1、第2の駆動部としてモータ23、27が配設されるようになっているが、モータ23、27に代えて、油圧シリンダを使用することができる。その場合、油圧シリンダのピストンに前記支持部21、25が取り付けられる。

【0021】
次に、管加工装置の制御装置について説明する。

【0022】
図2において、30は制御部であり、該制御部30は、モータドライバ31を介して前記モータ23、27に接続される。各モータ23、27には、それぞれモータ23、27の回転速度を検出するための回転速度検出部としてのエンコーダ34、35が配設される。

【0023】
また、前記制御部30は、発振回路39、トランス41等を介して前記コイル14に接続されるとともに、温度センサ40に接続される。

【0024】
次に、前記構成の管加工装置の動作について説明する。

【0025】
本実施の形態においては、パイプ11を、コイル14によって加熱しながら矢印A方向に移動させ、かつ、チャック12、13によって両端から所定の力で押圧(軸方向において圧縮)することにより、前記ベローズ20が形成される。

【0026】
そのために、前記制御部30の図示されない加熱処理手段は、加熱処理を行い、発振回路39を作動させ、高周波電流を発生させ、トランス41に送る。該トランス41は、高周波電流を受け、電圧を変換してコイル14に供給する。その結果、高周波加熱によって、パイプ11におけるコイル14と対向する環状の被加熱部分が、軸方向において局部的に、周方向において全体的に加熱され、柔らかくされる。

【0027】
温度センサ40は、パイプ11における前記被加熱部分の温度を検出し、検出された温度、すなわち、検出温度を制御部30に送る。

【0028】
前記加熱処理手段は、検出温度を読み込み、検出温度と、あらかじめ設定された目標となる温度、すなわち、目標温度との偏差を算出し、偏差が零(0)になるようにコイル14に供給される高周波電流を制御する。

【0029】
また、前記制御部30の図示されない加工処理手段は、加工処理を行い、前記加工領域においてパイプ11を加工し、ベローズ20を形成する。

【0030】
そのために、前記加工処理手段の圧縮処理手段は、圧縮処理を行い、モータドライバ31に指示を送り、前記モータ23、27を、独立させて駆動し、チャック12を矢印A方向に移動させる速度、すなわち、移動速度を、チャック13を矢印A方向に移動させる移動速度より所定の値だけ高くして、パイプ11を矢印A方向に移動させ、チャック12、13によって両端から押圧する。

【0031】
すなわち、チャック12の移動速度の目標値を表す目標移動速度をv1とし、チャック13の移動速度の目標値を表す目標移動速度をv2としたとき、目標移動速度v1、v2は、
v1>v2
にされる。なお、パイプ11は、目標移動速度v1、v2のうちの低い方の目標移動速度v2で搬送される。

【0032】
そのために、モータ23の回転速度の目標値を表す目標回転速度をN1とし、モータ27の回転速度の目標値を表す目標回転速度をN2とし、定数をkとしたとき、目標回転速度N1、N2は、
N1=k・v1
N2=k・v2
にされ、
N1>N2
にされる。

【0033】
また、エンコーダ34、35は各モータ23、27の回転速度を検出し、検出された各回転速度、すなわち、検出回転速度を制御部30に送る。

【0034】
前記圧縮処理手段は、各検出回転速度を読み込み、各検出回転速度と前記各目標回転速度N1、N2との各偏差を算出し、該各偏差が零になるようにモータ23、27に供給される電流を制御する。

【0035】
本実施の形態においては、各モータ23、27を前記目標回転速度N1、N2で駆動すると、チャック12とチャック13との速度差Δvが、
Δv=v1-v2
にされる。

【0036】
このとき、チャック12とチャック13との間の前記加工領域が、単位時間当たり、長さd
d=Δv
だけ短くなり、それに伴って、パイプ11が軸方向において加熱され、柔らかくなった被加熱部分が両端から押圧され、長さdだけ座屈変形(しわ)が発生する。この場合、パイプ11の断面は円形の形状を有するので、パイプ11は径方向外方に変形しやすく、径方向内方には変形しにくい。したがって、前記座屈変形は径方向外方に発生し、パイプ11に幅w及び高さhを有する山kを形成する。なお、図3に示されるように、前記パイプ11の軸方向におけるコイル14の寸法をεとしたとき、寸法ε及び幅wは、
ε>w
にされる。

【0037】
ところで、パイプ11における前記被加熱部分が高周波加熱によって加熱され、柔らかくされる間、パイプ11における前記被加熱部分と隣接する部分は、コイル14と対向していないので、加熱されず、周囲の空気によって冷却され、硬い状態を保持する。したがって、チャック12を前記目標移動速度v1で、チャック13を前記目標移動速度v2で移動させ、前記速度差Δvを所定の値にすることによって、座屈変形が発生する部分と発生しない部分とが交互に形成され、座屈変形が発生する部分に前記山kが、座屈変形が発生しない部分に谷mが形成される。

【0038】
この場合、座屈変形が発生する部分と発生しない部分とを交互に形成するために、前記速度差Δvは、パイプ11の材料、寸法(径、厚さ等)、温度、搬送速度、被加熱部分の幅を表す加熱幅等の各パラメータに対応させて設定された閾(しきい)値vth以上になるように設定される。そして、前記速度差Δvが閾値vth以上である場合、前記座屈変形が発生させられるが、前記速度差Δvが閾値vthより低い場合、座屈変形は発生せず、パイプ11の厚さが大きい部分、すなわち、厚肉部が軸方向において連続して形成される。

【0039】
このように、本実施の形態においては、パイプ11を第1、第2の把持位置で把持し、第1の把持位置においてチャック12を高い移動速度で、第2の把持位置においてチャック13をチャック12より低い移動速度で移動させ、第1、第2の把持位置間の所定の箇所でパイプ11を局部的に加熱することによって、金型装置を使用することなく、パイプ11を加工し、ベローズ20を形成することができる。このようにして、パイプ11にベローズ20が形成されると、ベローズ20の両側の所定の箇所でパイプ11が切断され、管部材としてのベローズ管になる。

【0040】
また、パイプ11の搬送速度は目標移動速度v2と等しいので、前記加工処理手段の移動速度変更処理手段は、移動速度変更処理を行い、目標移動速度v2を変更することによって、パイプ11の各山kのピッチを変更することができる。

【0041】
すなわち、目標移動速度v2を高くすると、パイプ11の搬送速度が高くなり、一定の時間当たり、座屈変形が発生する頻度が低くなるので、各山kのピッチを長くすることができる。これに対して、目標移動速度v2を低くすると、パイプ11の搬送速度が低くなり、一定の時間当たり、座屈変形が発生する頻度が高くなるので、各山kのピッチを短くすることができる。

【0042】
また、前記速度差Δvは、単位時間当たり、加工領域が短くなる長さdと等しいので、前記加工処理手段の速度差変更処理手段は、速度差変更処理を行い、速度差Δvを変更することによって、各山kの高さを変更することができる。

【0043】
すなわち、速度差Δvを大きくすると、単位時間当たり、加工領域が短くなる長さdが大きくなるので、各山kの高さを大きくすることができる。これに対して、速度差Δvを小さくすると、単位時間当たり、加工領域が短くなる長さdが小さくなるので、各山kの高さを小さくすることができる。

【0044】
このように、目標移動速度v2を変更することによって各山kのピッチを変更することができ、速度差Δvを変更することによって各山kの高さを変更することができるので、ベローズ管のコストを低くすることができるだけでなく、管加工装置の操作を簡素化することができる。

【0045】
次に、パイプ11において被加熱部分と隣接する部分を強制的に冷却するようにした本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。

【0046】
図4は本発明の第2の実施の形態における管加工装置の要部を示す概念図である。

【0047】
図において、45は、加熱体としての環状のコイル14と隣接させて配設された冷却装置としての、かつ、冷却媒体供給部材としての環状のノズルであり、該ノズル45は、図示されない冷却媒体供給源と接続され、該冷却媒体供給源から供給された冷却媒体としての水を、金属製の管材料としてのパイプ11に向けて噴射し、該パイプ11を冷却する。そのために、前記ノズル45には、周方向における複数箇所に、図示されない噴射口が形成される。

【0048】
本実施の形態においては、パイプ11における被加熱部分が高周波加熱によって加熱され、柔らかくされる間、パイプ11における前記被加熱部分と隣接する部分、すなわち、ノズル45と対向する環状の被冷却部分が、水によって冷却され、硬い状態を保持する。

【0049】
したがって、パイプ11において、座屈変形が発生する部分と発生しない部分とを交互に、かつ、確実に形成することができる。

【0050】
次に、軸方向においてパイプ11の圧縮と引っ張りとを交互に行うようにした本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。

【0051】
図5は本発明の第3の実施の形態における管加工装置の概念図である。

【0052】
この場合、前記圧縮処理手段は、モータドライバ31(図2)に指示を送り、第1、第2の駆動部としての前記モータ23、27を、独立させて駆動し、第1の工程において、タイミングt1で、第1の把持部材としてのチャック12の移動速度を、第2の把持部材としてのチャック13の移動速度より所定の値だけ高くして、金属製の管材料としてのパイプ11を矢印A方向に移動させ、パイプ11を両端から押圧する。続いて、前記加工処理手段の引張処理手段は、引張処理を行い、第2の工程において、タイミングt2で、チャック12の移動速度を、チャック13の移動速度より所定の値だけ低くして、パイプ11を矢印A方向に移動させ、軸方向においてパイプ11を引っ張る。

【0053】
すなわち、第1の工程において、チャック12の移動速度の目標値を表す目標移動速度をv1とし、チャック13の移動速度の目標値を表す目標移動速度をv2としたとき、目標移動速度v1、v2は、
v1>v2
にされ、第2の工程において、チャック12を矢印A方向に移動させるための目標移動速度をv3とし、チャック13の目標移動速度をv2としたとき、目標移動速度v2、v3は、
v3<v2
にされる。なお、パイプ11は、第1の工程で低い方の、第2の工程で高い方の目標移動速度v2で搬送される。

【0054】
そのために、第1の工程で、モータ23の回転速度の目標値を表す目標回転速度をN1とし、モータ27の回転速度の目標値を表す目標回転速度をN2とし、定数をkとしたとき、目標回転速度N1、N2は、
N1=k・v1
N2=k・v2
にされ、
N1>N2
にされる。

【0055】
また、第2の工程で、モータ23の目標回転速度をN3とし、モータ27の目標回転速度をN2とし、定数をkとしたとき、目標回転速度N3、N2は、
N3=k・v3
N2=k・v2
にされ、
N3<N2
にされる。

【0056】
本実施の形態においては、第1の工程で、各モータ23、27を前記目標回転速度N1、N2で駆動すると、チャック12とチャック13との速度差Δvが、
Δv=v1-v2
にされる。

【0057】
このとき、チャック12とチャック13との間の加工領域が、単位時間当たり、長さd
d=Δv
だけ短くなり、それに伴って、パイプ11が加熱され、柔らかくなった被加熱部分が両端から押圧され、長さdだけ座屈変形が発生する。

【0058】
また、第2の工程で、各モータ23、27を前記目標回転速度N3、N2で駆動すると、チャック12とチャック13との速度差Δv’が、
Δv’=v2-v3
にされる。

【0059】
このとき、チャック12とチャック13との間の加工領域が、単位時間当たり、長さd’
d’=Δv’
だけ長くなり、それに伴って、パイプ11において前記被加熱部分と隣接し、局部的に加熱されて柔らかくなった被加熱部分が、両端から引っ張られ、径が小さくされる。

【0060】
この場合、タイミングt1でパイプ11の圧縮が行われている間、及びタイミングt2てパイプ11の引っ張りが行われている間においてパイプ11を加熱し続ける必要があるので、パイプ11の軸方向における加熱体としての環状のコイル54の寸法をε’とし、管加工部としてのベローズ20の各山kの幅をw1とし、各谷mの幅をw2としたとき、寸法ε’及び幅w1、w2は、
ε’>w1+w2
にされる。

【0061】
このように、本実施の形態においては、第1の工程でパイプ11を圧縮し、第2の工程でパイプ11を引っ張ることによって、座屈変形が発生する部分と隣接させて径の小さい部分を形成することができる。

【0062】
したがって、各山kと谷mとの高さの差を大きくすることができる。

【0063】
ところで、前記各実施の形態においては、パイプ11が一定の移動速度で移動させられるようになっているが、パイプ11を間欠的に移動させることができる。

【0064】
そこで、パイプ11を間欠的に移動させるようにした本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。

【0065】
図6は本発明の第4の実施の形態における管加工装置の概念図である。

【0066】
この場合、金属製の管材料としてのパイプ11を静止させた状態で、加熱体としての環状のコイル14によって被加熱部分を局部的に加熱し、その状態でパイプ11を両端から押圧することによって、座屈変形を発生させ、管加工部としてのビード部200の山kを形成する。続いて、パイプ11を矢印A方向に所定の距離移動させ、次の被加熱部分を局部的に加熱し、その状態でパイプ11を両端から押圧することによって、座屈変形を発生させ、次の山kを形成する。この動作を繰り返すことによって、所定の間隔を置いて形成された複数の山kをビード(肉盛)として有する管部材としてのビード管を成形することができる。

【0067】
前記各実施の形態においては、各管加工装置に各機能を持たせるようになっているが、一つの管加工装置に各機能を持たせることができる。

【0068】
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【符号の説明】
【0069】
11 パイプ
12、13 チャック
14、54 コイル
30 制御部
k 山
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5