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明細書 :プラズマ滅菌装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5458253号 (P5458253)
登録日 平成26年1月24日(2014.1.24)
発行日 平成26年4月2日(2014.4.2)
発明の名称または考案の名称 プラズマ滅菌装置
国際特許分類 A61L   2/14        (2006.01)
B65B  55/04        (2006.01)
B65B  55/08        (2006.01)
H05H   1/46        (2006.01)
A23L   3/32        (2006.01)
FI A61L 2/14
B65B 55/04 A
B65B 55/04 C
B65B 55/08 Z
H05H 1/46 L
A23L 3/32
請求項の数または発明の数 9
全頁数 13
出願番号 特願2009-546245 (P2009-546245)
出願日 平成20年12月12日(2008.12.12)
国際出願番号 PCT/JP2008/072676
国際公開番号 WO2009/078361
国際公開日 平成21年6月25日(2009.6.25)
優先権出願番号 2007323295
優先日 平成19年12月14日(2007.12.14)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成23年12月12日(2011.12.12)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504209655
【氏名又は名称】国立大学法人佐賀大学
【識別番号】504145308
【氏名又は名称】国立大学法人 琉球大学
発明者または考案者 【氏名】林 信哉
【氏名】伊藤 弘之
【氏名】米須 章
個別代理人の代理人 【識別番号】100099634、【弁理士】、【氏名又は名称】平井 安雄
審査官 【審査官】金 公彦
参考文献・文献 特開平06-263120(JP,A)
特開昭56-102248(JP,A)
特開2008-044640(JP,A)
特公昭42-014394(JP,B1)
特開2000-316954(JP,A)
特開平07-184618(JP,A)
特開2006-314671(JP,A)
特開2007-269325(JP,A)
特開2004-359307(JP,A)
特開2007-268252(JP,A)
調査した分野 A61L 2/00- 2/28
A61L 11/00
B65B 55/04、55/08
A23L 3/00- 3/3598
特許請求の範囲 【請求項1】
上端側に開口面を有する中空形状の滅菌対象物を収納手段に収納し、当該収納手段にプラズマにより生成される活性酸素種を供給して当該滅菌対象物を滅菌するプラズマ滅菌装置において、
複数の前記滅菌対象物を載置して順次移動させるベルトコンベアと、
前記収納手段における滅菌対象物を戴置する前記ベルトコンベアを連通して形成される連通孔であって、当該滅菌対象物の底面近傍に当該底面を挟んで対向して形成される連通孔を介して少なくとも前記収納手段の内部を減圧する減圧手段と、
前記収納手段として、前記ベルトコンベアの前記滅菌対象物を載置されて当該載置位置近傍に前記連通孔が形成される搬送面に対向配設される誘引側収納部及び前記ベルトコンベアの当該搬送面背面側に対向配設される減圧側収納部とに分割してなり、前記ベルトコンベアが滅菌領域に前記滅菌対象物を搬送した場合に前記誘引側収納部及び前記減圧側収納部が前記滅菌対象物及び前記連通孔を含む前記搬送面で相互に接近して密閉した滅菌領域を形成する密閉容器と、
誘電体からなる筒体で形成され、前記収納手段の内部を前記ベルトコンベアの進行に従って間欠的に上下に動作し、当該筒体内で生成されるプラズマにより発生する活性酸素種を筒体の端部開口から前記収納手段内に放出する中空管と、
前記中空管の近傍もしくは内部の少なくとも一部分に配置される電極と、
前記電極に商用周波数以上の高周波電流を供給し、当該高周波電流により前記滅菌対象物内に高電界を発生させる高周波供給部と、
少なくとも前記中空管の中空部に酸素もしくは空気等の気体からなる原料ガスを供給する原料ガス供給手段とを備え、
前記電極に前記高周波供給部から前記高周波電流を印加することにより発生する高電界を発生させ、少なくとも前記電極近傍の前記中空管の中空部において放電よりプラズマを生成させ、当該生成したプラズマにより生成される活性酸素種を、滅菌対象物の内面から外面に沿って前記連通孔から前記減圧手段が排出することを
特徴とするプラズマ滅菌装置。
【請求項2】
請求項1に記載のプラズマ滅菌装置において、
前記滅菌対象物が、少なくとも開口部を有する容器で形成され、
前記中空管が、前記滅菌対象物の開口部から内部へ挿入されて活性酸素種を放出することを
特徴とするプラズマ滅菌装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のプラズマ滅菌装置において、
前記電極が、前記中空管の近傍もしくは内部に沿ったコイル状に巻かれることを
特徴とするプラズマ滅菌装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3に記載のプラズマ滅菌装置において、
前記中空管が、前記収納手段の内部を間欠的に上下に動作し、当該上下動に伴って、前記滅菌対象物が一側に開口部を有する容器である場合に、当該容器内に挿入される先端部に前記電極が配設されることを
特徴とするプラズマ滅菌装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4に記載のプラズマ滅菌装置において、
前記電極が、複数の部分に分割して配設され、少なくとも前記中空管の前記滅菌対象物近傍の先端部に配設されることを
特徴とするプラズマ滅菌装置。
【請求項6】
請求項5に記載のプラズマ滅菌装置において、
前記高周波供給部が、複数の部分に分割して配設された前記電極のうち、前記中空管の前記滅菌対象物近傍の先端部に配設された前記電極に、他の部分の前記電極よりも多量の前記高周波電流を供給することを
特徴とするプラズマ滅菌装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6に記載のプラズマ滅菌装置において、
前記減圧手段による減圧が、1Paから10kPaまでの範囲で間欠的に変動してなされることを
特徴とするプラズマ滅菌装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7に記載のプラズマ滅菌装置において、
前記高周波供給部による高周波電流が、起動当初に1kHzないし20kHzとし、起動後10MHzないし60MHzの範囲で変動して印加されることを
特徴とするプラズマ滅菌装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8に記載のプラズマ滅菌装置において、
前記原料ガス供給手段により供給される原料ガスの流量が、10sccmから500sccmの範囲で間欠的に変動されることを
特徴とするプラズマ滅菌装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、放電プラズマを利用して、飲料容器等の被処理物を滅菌するプラズマ滅菌装置に関し、被処理物の内外面をプラズマ中の活性酸素種により滅菌するプラズマ滅菌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術となるプラズマ滅菌装置は、特開2006-314671号公報(第1の背景技術)、特開2007-37254号公報(第2の背景技術)に開示されるものがある。この各背景技術を図7及び図8に従来のプラズマ滅菌装置の概略構成断面図として示す。図7における、この第1の背景技術に係るプラズマ滅菌装置は、高周波誘導コイル1021により取り囲まれるようにプラスチック容器1005をプラズマ処理用収納手段1001内に保持し、前記収納手段1001内に保持された容器1005の内部にガス供給源1017及び無菌エアー供給源1019に接続されたガス供給管1013を挿入し、ガス供給源1017からのガスをガス供給管1013から供給しながら、真空ポンプ1011により収納手段1001内を排気することにより、ガスを容器1005の内面から外面に沿って流しながら収納手段1001内を所定の真空度に保持し、次いで、インピーダンス整合のための1023マッチングボックスを介して高周波発振機1025から高周波誘導コイル1021に高周波を印加して収納手段1001内に高周波電界を導入し、高周波電界によって容器1005の内面及び外面付近に前記ガスのプラズマを形成することにより、容器1005の内面及び外面を同時にプラズマ殺菌処理する。
【0003】
また、図8における、第2の背景技術に係るプラズマ滅菌装置は、酸素ガスをプラズマ化して生成される活性酸素種又は、酸素以外のガスをプラズマ化し、該プラズマと酸素ガスとを接触させて生成される活性酸素種との少なくともいずれかを含むガス2000を対象物2010に接触させ、該対象物に付着している菌を滅菌する滅菌装置において、プラズマ化するガスを導入し、大気中に排出する非導電性のガス流路管2001と、該ガス流路管を取り巻く導電性アンテナ管2002とを有し、該アンテナ管には、ガス流動管の管軸方向に沿って所定の長さのスリット2003が形成されており、該アンテナ管にマイクロ波を照射し該ガス流動管中のガスをプラズマ化する構成である。好ましくは、該スリットの長さは、照射するマイクロ波の半波長の整数倍に設定されていることが可能である。

【特許文献1】特開2006-314671号公報
【特許文献2】特開2007-37254号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記第1の背景技術に係るプラズマ滅菌装置は以上のように構成されていたことから、被滅菌処理物であるプラスティック容器に直接高周波誘導コイルを巻回するため、複数個のプラスティック容器を対象として連続的に滅菌処理を行う場合には、プラスティック容器の着脱に手間を要することから、大量生産を行う工場現場を考慮すると、扱いにくく適用が困難であるという課題を有する。また、活性酸素種が容器内で一様に生成されないことから、滅菌が不均一であるという課題も有する。
【0005】
また、前記第2の背景技術に係るプラズマ滅菌装置は以上のように構成されていたことから、前記ガス2000は、前記対象物2010との一回の接触により前記対象物2010の一側面のみを滅菌できるに止まり、総ての表面を滅菌できないという課題を有する。また、前記ガス2000は、発生源であるプラズマトーチから前記ガス流路管2001を経由し、さらに大気に放出された後に前記対象物2010に接触するため、前記対象物2010に接触する時点で滅菌に有効な活性酸素種の濃度を低下され、滅菌能力を低下されるという課題を有する。
【0006】
本発明は、前記課題を解消するためになされたもので、高密度の活性酸素種を発生させることにより得られる活性酸素種の均一性や高い滅菌能力により、被滅菌処理物を確実に滅菌し、さらに被滅菌処理物に対してより均一な滅菌を行うことができること、及び工場現場等における大規模な数量の被滅菌処理物に対しても連続的且つ品質を維持しながらの滅菌処理を容易に行うことを可能とするプラズマ滅菌装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るプラズマ滅菌装置は、滅菌対象物を収納手段に収納し、当該収納手段にプラズマにより生成される活性酸素種を供給して当該滅菌対象物を滅菌するプラズマ滅菌装置において、誘電体からなる筒体で形成され、当該筒体内で生成されるプラズマにより発生する活性酸素種を筒体の端部開口から前記収納手段内に放出する中空管と、前記中空管の近傍もしくは内部の少なくとも一部分に対向配置される電極と、前記電極に商用周波数以上の高周波電流を供給し、当該高周波電流により前記滅菌対象物内に高電界を発生させる高周波供給部と、少なくとも前記中空管の中空部に酸素もしくは空気等の気体からなる原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、少なくとも前記収納手段の内部を減圧する減圧手段とを備え、前記電極に前記高周波供給部から前記高周波電流を印加することにより発生する高電界を発生させ、少なくとも前記電極近傍の前記中空管の中空部において放電よりプラズマを生成させるものである。このように本発明によれば、前記中空管の近傍もしくは内部に高周波電流を供給される前記電極を配置し、前記電極の高周波電流により中空管内で放電させ、前記減圧手段により減圧された前記収容手段に放電によるプラズマで生成される活性酸素種に供給することから、誘電体を介してこのプラズマを放電され、放電時における電極物質の溶出等の汚染を発生させることなくガスをプラズマ化させることができると共に、活性酸素種をより長く維持できることとなり、前記滅菌対象物に対する滅菌効果を向上させることができる。
【0008】
また、本発明に係るプラズマ滅菌装置は必要に応じて、前記滅菌対象物が、少なくとも開口部を有する容器で形成され、前記中空管が、前記滅菌対象物の開口部から内部へ挿入されて活性酸素種を放出するものである。このように本発明によれば、前記中空管を前記滅菌対象物の開口部から内部へ挿入されることから、前記減圧手段により生成される気流により、活性酸素種を前記滅菌対象物の内部から外部まで一様に拡散させることとなり、前記滅菌対象物の内壁のみならず外壁までも一様に滅菌することができる。
【0009】
また、本発明に係るプラズマ滅菌装置は必要に応じて、前記電極が、前記中空管の近傍もしくは内部に沿ったコイル状に巻かれるものである。このように本発明によれば、電極がコイル状であることから、高周波電流の印加により効率良く高電界が発生することとなり、効率良くプラズマを発生させることができる。
【0010】
また、本発明に係るプラズマ滅菌装置は必要に応じて、前記中空管が、前記収納手段の内部を間欠的に上下に動作するものである。このように本発明によれば、ビン等の有底状の前記滅菌対象物に対して、活性酸素種の放出位置が変化することにより、活性酸素種との接触が希薄な傾向を有する底部の隅々まで活性酸素種を均一に拡散させることとなり、より一層均一な滅菌を行うことができる。
【0011】
また、本発明に係るプラズマ滅菌装置は必要に応じて、前記中空管が、前記収納手段の内部を間欠的に上下に動作し、当該上下動に伴って、前記滅菌対象物が一側に開口部を有する容器である場合に、当該容器内に挿入される先端部に前記電極が配設されるものである。このように本発明によれば、ビン等の有底状の前記滅菌対象物の内部において活性酸素種が直接放出されることとなり、前記滅菌対象物の内部をより確実に滅菌することができる。
【0012】
また、本発明に係るプラズマ滅菌装置は必要に応じて、前記電極が、複数の部分に分割して配設され、少なくとも前記中空管の前記滅菌対象物近傍の先端部に配設されるものである。このように本発明によれば、生成されてから消滅するまでの寿命が短い活性酸素種をより有効的な状態で確実に前記滅菌対象物へ供給されることとなり、前記滅菌対象物を一層確実に滅菌することができる。
【0013】
また、本発明に係るプラズマ滅菌装置は必要に応じて、前記高周波供給部が、複数の部分に分割して配設された前記電極のうち、前記中空管の前記滅菌対象物近傍の先端部に配設された前記電極に、他の部分の前記電極よりも多量の前記高周波電流を供給するものである。このように本発明によれば、前記滅菌対象物の特に近傍に対して多量の活性酸素種が供給されることとなり、前記滅菌対象物を一層確実に滅菌することができる。
【0014】
また、本発明に係るプラズマ滅菌装置は必要に応じて、前記減圧手段による減圧が、1Paから10kPaまでの範囲で間欠的に変動してなされるものである。このように本発明によれば、ビン等の有底状の前記滅菌対象物に対して、気圧の変化に伴い気流が変動することにより、前記滅菌対象物の内部で気流澱みの発生が抑えられ、活性酸素種との接触が希薄な傾向を有する底部の隅々まで活性酸素種を均一に拡散させることとなり、より一層均一な滅菌を行うことができる。
【0015】
また、本発明に係るプラズマ滅菌装置は必要に応じて、前記高周波供給部による高周波電流が、起動当初に1kHzないし20kHzとし、起動後10MHzないし60MHzの範囲で変動して印加されるものである。このように本発明によれば、起動当初はプラズマ発生に重点を置き、プラズマ発生後は、プラズマ維持に重点を置くことで、円滑なプラズマ移行が行われることとなり、円滑に生成された活性酸素種により効率良く滅菌を行うことができる。なお、この高周波電流は、起動当初、起動後のいずれか一方又は連続して13.56MHzに固定しても良い。
【0016】
また、本発明に係るプラズマ滅菌装置は必要に応じて、前記原料ガス供給手段により供給される原料ガスの流量が、10sccmから500sccmの範囲で間欠的に変動されるものである。このように本発明によれば、ビン等の有底状の前記滅菌対象物に対して、原料ガスの流量が変動することにより、前記滅菌対象物の内部で気流澱みの発生が抑えられ、活性酸素種との接触が希薄な傾向を有する底部の隅々まで活性酸素種を均一に拡散させることとなり、一様な滅菌を行うことができる。
【0017】
また、本発明に係るプラズマ滅菌装置は必要に応じて、前記滅菌対象物を移動台上に載置し、当該載置位置近傍に連通孔を形成された移動台を順次滅菌領域へ移動させる物品搬送手段とを備え、前記収納手段が、前記滅菌領域で前記物品搬送手段と連結されて前記減圧手段に接続される減圧側収納手段と、前記滅菌領域で前記物品搬送手段と連結されて、前記電極及び前記中空管を収納し、前記高周波供給部及び前記原料ガス供給手段に接続される誘引側収納手段とから構成され、前記物品搬送手段の移動により前記滅菌領域へ移送された前記滅菌対象物及び前記連通孔を誘引側収納手段が収納すると共に、当該誘引側収納手段の前記物品搬送手段を介して対向する方向から前記連通孔を前記減圧側収納手段が収容するものである。このように本発明によれば、物品搬送手段が複数の前記滅菌対象物を滅菌領域に順次移動させるため、滅菌未処理の前記滅菌対象物が自動で順次滅菌されることとなり、大規模な数量の前記滅菌対象物に対しても、手間無く滅菌を行うことができる。また、前記滅菌対象物が、他の滅菌器具との接触無く滅菌されることとなり、滅菌による滅菌対象物の損傷等の品質低下を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るプラズマ滅菌装置の概略構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るプラズマ滅菌装置における、ガラス管2の位置とプラズマの流れを示す概略図である。(a) ガラス管2がボトル1の開口部付近に位置する場合(b)ガラス管2がボトル1の底部付近に位置する場合
【図3】本発明の第2の実施形態に係るプラズマ滅菌装置の概略構成図である。
【図4】本発明の第3の実施形態に係るプラズマ滅菌装置の、容器の移送方向へ沿う概略垂直断面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態に係るプラズマ滅菌装置の、上面からの概略断面図である。
【図6】本発明のその他の実施形態に係るプラズマ滅菌装置の、ガラス管及びコイル電極の概略構成図である。
【図7】従来のプラズマ滅菌装置の概略構成断面図である。
【図8】従来のプラズマ滅菌装置の概略構成断面図である。
【符号の説明】
【0019】
1 ボトル
11 開口部
12 底部
1A ボトル(非滅菌)
1B ボトル(滅菌中)
1C ボトル(滅菌後)
1a パレット
2 ガラス管
21 先端部
201 上下動作
3 コイル電極
3a コイル電極(先端部)
3b コイル電極(中央部)31 プラズマ領域
4 密閉容器
40 密閉容器
401 着脱動作
41 誘引側密閉容器
411 上下動作
42 減圧側密閉容器
421 上下動作
4a 連通孔
4b 供給孔
4c 排気孔
4d 連通孔
5 高周波電源部
51 配線
6 酸素ガス供給装置
61 バルブ
62 酸素ガス
621 酸素ガス(流量小)
622 酸素ガス(流量大)
623 空気
7 真空ポンプ
71 バルブ
72 排気
721 排気(流量小)
722 排気(流量大)
8 ベルトコンベア
81 進行
8a 滅菌領域
8b 搬送領域
9 循環装置
R 活性酸素種
1001 プラズマ処理用収納手段
1005 プラスチック容器
1011 真空ポンプ
1013 ガス供給管
1017 ガス供給源
1019 無菌エアー供給源
1021 高周波誘導コイル
1023 マッチングボックス
1025 高周波発振機
2000 ガス
2001 ガス流路管
2002 導電性アンテナ管
2003 スリット
2010 対象物
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
(本発明の第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係るプラズマ滅菌装置を、図1に基づいて説明する。図1において本実施形態に係るプラズマ滅菌装置は、プラズマ滅菌対象のボトル1と、当該ボトル1の開口部から一部分が挿入されるガラス管2と、当該ガラス管2の外周面の一部分を螺旋状に取り囲むコイル電極3と、当該ボトル1及び当該ガラス管2及び当該コイル電極3を内部に格納する、石英等の絶縁物で形成された密閉容器4と、当該密閉容器4に連通孔4aを経由して前記コイル電極3に高周波を供給する高周波電源部5と、前記密閉容器4に供給孔4bを経由して前記ガラス管2の中空部に、放電プラズマにより一重項酸素原子、ラジカル等を含む活性酸素種Rを発生させる酸素ガス62を供給する酸素ガス供給装置6と、前記密閉容器4に排気孔4cを経由して接続され、前記密閉容器4の中空部を減圧する真空ポンプ7とを備える構成である。前記密閉容器4は、誘引側密閉容器41と減圧側密閉容器42から構成されており、各密閉容器を移動させることにより、ボトル1の前記密閉容器4への導入及び取り外しが容易に可能となる。また、前記ガラス管2の内部に導入する気体としては、プラズマにより活性酸素種Rを発生させるものであれば、酸素ガス62に限定されるものではなく、例えば空気を使用することもでき、この場合には、身近に存在する気体であるため費用面において有利となる。また、酸素ガス62及び空気等の酸素分子を含む気体から生成される活性酸素種Rによる滅菌は、水酸化ラジカル等の他の活性酸素種Rと異なり、滅菌残渣物が無害なために取扱いが容易という利点も有する。
【0021】
以下、前記構成に基づく本実施形態の具体的な滅菌動作について説明する。
【0022】
本実施形態は、まず前記減圧側密閉容器42を前記密閉容器4から取り外し、前記ボトル1を入れた後、前記減圧側密閉容器42を誘引側密閉容器41に再度接続することで、前記ボトル1を前記密閉容器4の内部に密閉して収納する。
【0023】
次に、バルブ71を開放して前記真空ポンプ7を作動させ、前記排気孔4cを経由して前記密閉容器4の内部に含まれる空気成分を排気し、プラズマを発生させる圧力よりも低い圧力まで減圧する。前記排気孔4cは、前記ボトル1の内面から外面に沿って排気されるように、前記ボトル1の底部に設置される。前記真空ポンプ7としては、例えばロータリーポンプ式真空排気装置を使用し、例えば1.4kPaの略真空状態まで減圧を行う。
【0024】
次に、当該減圧を行いながら、バルブ61を開放して酸素ガス供給装置6から適当な流量で前記供給孔4bを経由して酸素ガス62を前記密閉容器4に導入する。次に前記コイル電極3に、例えば工業的に通常使用される帯域の高周波(13.56MHz)又はマイクロ波(2.45GHz)を印加して、前記ガラス管2内にグロー放電を発生させる。前記コイル電極3の素材には銅やタングステンや白金やフェライトセラミックスで構成されることが望ましく、例えばタングステンのコイルフィラメントでコイル状に巻かれたものを使用する。前記グロー放電により生成するプラズマにより、前記ガラス管2内に酸素分子から主に一重項酸素原子及びスーパーオキシドラジカルが発生する。当該活性酸素種Rは菌を構成する蛋白質、糖質、脂質に対する強い酸化作用を有しており、この酸化作用により菌を分解して死滅させることができる。
【0025】
次に、生成した活性酸素種Rは、前記酸素ガス供給装置6及び前記真空ポンプ7からの気流により、前記ガラス管2から前記ボトル1の内部に放出されて、前記ボトル1の内部に拡散する。また、前記ガラス管2は前記ボトル1の挿入方向に上下動作を行い、前記ボトル1の底部に接近するに従い、前記酸素ガス供給装置6からの酸素ガス供給量及び前記真空ポンプ7からの減圧量は極大値に近づきながら増大し、前記ボトル1の底部から隔離するに従い、前記酸素ガス供給装置6からの酸素ガス供給量及び前記真空ポンプ7からの減圧量は極小値に近づきながら減少することにより、前記ボトル1の内部での気流が澱みなく流動し、活性酸素種Rが容器内で一様に生成及び拡散することで、活性酸素種Rによる均一な滅菌が行われないという従来からの課題を克服することができる。特に、従来では滅菌が不十分となる傾向を有する前記ボトル1の底部の隅部においても十分に滅菌することができる。さらに、前記真空ポンプ7の減圧処理による気流により活性酸素種Rが拡散することで、前記ボトル1の外壁面に対しても一様に滅菌することができる。
【0026】
(本発明の第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係るプラズマ滅菌装置を、図3に基づいて説明する。
図3において本実施形態に係るプラズマ滅菌装置は、図1及び図2におけるプラズマ滅菌装置の変形型であり、図1及び図2における減圧処理を行う真空ポンプ7と活性酸素種発生用ガスを供給する酸素ガス供給装置6を循環装置9に代替した構成であり、減圧処理動作を有する循環装置9の減圧処理により得られる排気(空気)721を、循環装置9により循環させて活性酸素種発生用ガスとしての空気623として再利用する装置である。以下、前記構成に基づく本実施形態の具体的な滅菌動作について説明する。
【0027】
本実施形態は、まず前記減圧側密閉容器42を前記密閉容器4から取り外し、前記ボトル1を入れた後、前記減圧側密閉容器42を誘引側密閉容器41に再度接続することで、前記ボトル1を前記密閉容器4の内部に密閉して収納する。
【0028】
次に、バルブ71を開放して前記循環装置9を作動させ、前記排気孔4cを経由して前記密閉容器4の内部に含まれる空気成分を排気し、プラズマを発生させる圧力よりも低い圧力まで減圧する。前記循環装置9は、前記ボトル1の内面から外面に沿って排気されるように、前記ボトル1の底部に設置される。前記循環装置9での減圧処理は、例えば1.4kPaの略真空状態まで減圧を行う。
【0029】
次に、当該減圧を行いながら、バルブ61を開放して前記循環装置9から適当な流量で前記供給孔4bを経由して空気623を前記密閉容器4に導入する。次に前記コイル電極3に、例えば工業的に通常使用される帯域の高周波(13.56MHz)又はマイクロ波(2.45GHz)を印加して、前記ガラス管2内にグロー放電を発生させる。前記グロー放電により生成するプラズマにより、前記ガラス管2内に酸素分子から主に一重項酸素原子及びスーパーオキシドラジカルが発生する。
【0030】
次に、生成した活性酸素種Rは、前記循環装置9からの気流により、前記ガラス管2から前記ボトル1の内部に放出され、前記ボトル1の内部を拡散することで一様に滅菌される。また、前記ガラス管2は前記ボトル1の挿入方向に上下動作を行い、前記ボトル1の底部に接近するに従い、前記循環装置9からの酸素ガス供給量及び減圧量は極大値に近づきながら増大し、前記ボトル1の底部から隔離するに従い、前記循環装置9からの酸素ガス減圧量は極小値に近づきながら減少することにより、前記ボトル1の内部での気流が澱みなく流動し、活性酸素種Rが容器内で一様に生成及び拡散することで、均一な滅菌が行われないという従来からの課題を克服することができる。特に、従来は滅菌が不十分となる傾向があった、前記ボトル1の底部の隅部においても十分に滅菌することができる。さらに、前記循環装置9の減圧処理による気流により活性酸素種Rが拡散することで、前記ボトル1の外壁面に対しても一様に滅菌することができる。
【0031】
(本発明の第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態に係るプラズマ滅菌装置を、図4及び図5に基づいて説明する。
図4及び図5において本実施形態に係るプラズマ滅菌装置は、前記第1及び第2の実施形態と同様にガラス2、コイル電極3、高周波電源部5、酸素ガス供給装置6、真空ポンプ7を共通して備え、複数のプラズマ滅菌対象のボトル1を載置して順次移動させるベルトコンベア8と、このベルトコンベア8を介して対向配設される誘引側密閉容器41及び減圧側密閉容器42に分割形成される密閉容器40とを備える構成である。
【0032】
この密閉容器40は、前記第1及び第2の実施形態における前記密閉容器4に相当し、このベルトコンベア8のこのボトル1を載置されて連通孔4dが形成される搬送面に対向で設置される誘引側密閉容器41と、このベルトコンベア8のこの搬送面の背面側に対向で設置される減圧側密閉容器42とに分割され、このベルトコンベア8が進行81に従って搬送領域8bから滅菌領域8aにこのボトル1を搬送した場合にこの誘引側密閉容器41及びこの減圧側密閉容器42がこのボトル1及びこの連通孔4dを含むこの搬送面で相互に接近して密閉した滅菌領域8aを形成する構成である。
【0033】
前記ボトル1は、例えばPETボトルやスチール等の容器である。また、前記ボトル1は、底部に敷かれるプラスティック製のパレット1aで底部を固定され、当該パレット1aの近傍に前記ベルトコンベア8の前記連通孔4dが位置するように、前記ベルトコンベア8に積載される。また、前記誘引側密閉容器41及び前記減圧側密閉容器42は、石英等の絶縁物で形成される。
【0034】
前記ベルトコンベア8は、前記ボトル1を搬送させる搬送領域8bと、前記ボトル1をプラズマ滅菌する滅菌領域8aの2つの領域があり、前記ボトル1はボトル(非滅菌)1Aの状態で前記ベルトコンベア8の搬送領域8bに積載された後、滅菌領域8aに搬送される。滅菌領域に到達した前記ボトル1に対して、前記ボトル1の開口部にガラス管2が挿入され、前記誘引側密閉容器41がボトル1と連通孔4dに覆い被さるようにベルトコンベア8に連結し、前記減圧側密閉容器42が前記連通孔4dに覆い被さるようにベルトコンベア8に連結し、前記誘引側密閉容器41と前記減圧側密閉容器42とが前記連通孔4dを経由して連結され、ボトル1を密閉して収納する密閉容器40を一時的に形成する。
【0035】
前記密閉容器40に対して真空ポンプ7から減圧処理が行われるとともに、前記ボトル1に酸素ガス62が注入され、高周波電源部5から高周波電流がコイル電極3に与えられることにより発生する活性酸素種Rが、前記ボトル1内部に挿入された前記ガラス管2の先端部から放出し、前記ボトル1内部を一様に滅菌し、さらに前記真空ポンプ7の減圧処理による気流に乗り、発生した活性酸素種Rは前記ボトル1の外部に流れ、前記ボトル1の外壁に対しても滅菌が行われる。図において前記ボトル1は、ボトル(滅菌中)1Bの状態に遷移する。
【0036】
滅菌完了後、前記誘引側密閉容器41と前記減圧側密閉容器42とが前記ベルトコンベア8から離脱し、一時的に形成された前記密閉容器が開放される。図において前記ボトル1は、ボトル(滅菌後)1Cの状態に遷移する。その後、新たに搬送領域8bから滅菌領域8aに到達した前記ボトル1に対しても同様の滅菌処理が行われ、本動作が繰り返されることにより、複数の前記ボトル1に対して連続的に滅菌を行うことが可能となる。また、前記誘引側減圧側密閉容器41の上下動作411及び前記減圧側密閉容器42の上下動作421は、前記ガラス管2の上下動作と共に連動するアクチュエータの使用により実現されることもできる。
【0037】
また、前記コイル電極3は、図6(a)に示すように、コイル電極(先端部)3aと、コイル電極(中央部)3bとの2つに分割されて配設されることもできる。この場合には、このコイル電極(先端部)3aが前記ボトル1の内部を滅菌すると共に、このコイル電極(中央部)3bが前記ボトル1の外部を同時に滅菌することとなり、滅菌効率を向上させることができる。また、この場合には、このコイル電極(先端部)3aが前記上下動作とともに前記ボトル1の内部の奥深くに挿通されることから、生成されてから消滅するまでの寿命が短い活性酸素種を前記ボトル1の内部に確実に放出することとなり、活性酸素種を予め発生させた後に前記ガラス管2を上下動作により前記ボトル1の内部に挿通された場合よりも、有効的な活性酸素種により確実に前記ボトル1の内部を滅菌することができる。また、この場合には、このコイル電極(先端部)3aに供給される電圧は、このコイル電極(中央部)3bよりも高圧に設定されることにより、前記ボトル1の内部を高度に滅菌することができる。
なお、前記コイル電極3は、同図(b)に示すように、前記ガラス管2の内部に巻回されて埋め込まれることも可能である。また、前記コイル電極3は、前記ガラス管2に電極コーティングによりプリント化されることも可能である。
【0038】
(本発明の他の実施形態)
本発明は、上述したような実施形態に限定されるものではなく、被滅菌処理物は、アルミ、スチール、PET、プラスティック及びガラス等の合成樹脂製又は金属製で開口部を有するものであれば種類及び用途に制約はなく、例えば飲料用PETボトル及びバイオ試験機器の容器に対しても、低圧条件で生成されるプラズマ及び活性酸素種を用いることで熱により損傷されることなく一様に容器を滅菌することができる。
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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