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明細書 :歩行補助制御方法とその歩行補助制御装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4724832号 (P4724832)
公開番号 特開2007-130172 (P2007-130172A)
登録日 平成23年4月22日(2011.4.22)
発行日 平成23年7月13日(2011.7.13)
公開日 平成19年5月31日(2007.5.31)
発明の名称または考案の名称 歩行補助制御方法とその歩行補助制御装置
国際特許分類 A61H   3/00        (2006.01)
FI A61H 3/00 B
請求項の数または発明の数 4
全頁数 12
出願番号 特願2005-325167 (P2005-325167)
出願日 平成17年11月9日(2005.11.9)
審査請求日 平成20年11月6日(2008.11.6)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304027349
【氏名又は名称】国立大学法人豊橋技術科学大学
発明者または考案者 【氏名】宇野 洋二
【氏名】香川 高弘
【氏名】村岡 慶裕
審査官 【審査官】長谷川 一郎
参考文献・文献 特開2004-073649(JP,A)
特開平11-226070(JP,A)
特開平06-296705(JP,A)
特開2004-267254(JP,A)
特開2004-167056(JP,A)
特開2000-308985(JP,A)
特開昭62-102304(JP,A)
特開2006-314670(JP,A)
特開2005-245709(JP,A)
調査した分野 A61H 3/00
A63B 23/04
特許請求の範囲 【請求項1】
両下肢に運動障害を有する下肢運動障害者の両下肢に装着される歩行運動補助制御装置であって、両下肢に装着される長下肢装具と、この長下肢装具の股関節に装着された制御可能な動力と、前記股関節に装着された該股関節の動作を検出可能な第一のセンサと、下肢運動障害者の両腕に装着され、該両腕の運動を計測することが可能な第二のセンサと、前記動力を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記第一のセンサによって股関節の状態を計算するとともに、前記第二のセンサによる計測データに基づき前記動力の制御指令を計算する制御装置であり、前記第二のセンサのデータから手先の移動距離と運動時間を決定する手段と、前記移動距離および運動時間から前記股関節の角度の目標軌道を決定する手段と、前記目標軌道を実現するための前記動力への制御指令を決定する手段とを備えたことを特徴とする歩行運動補助制御装置。
【請求項2】
前記第二のセンサは、加速度センサであることを特徴とする請求項1に記載の歩行運動補助制御装置。
【請求項3】
前記制御装置は、さらに、腕運動時間の決定手段を備え、該決定手段は、前記加速度センサのデータの中から、腕運動が生じていることを検出する手段と、腕運動の開始時刻を検出する手段と、腕運動の終了時刻を検出する手段とで構成される決定手段であることを特徴とする請求項2に記載の歩行運動補助制御装置。
【請求項4】
前記制御装置は、さらに、腕運動の移動距離を決定する手段を備え、該手段は、腕運動が生じている時間範囲における加速度データを、運動の開始時刻と終了時刻の速度と加速度が0という境界条件の下で多項式近似を行うことによって、腕運動の移動距離を決定する手段であることを特徴とする請求項3に記載の歩行運動補助制御装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は自らの力で下肢を動かすことができず、歩行が困難な運動障害者(下肢運動障害者)の歩行補助制御装置およびその制御法に関する。
【背景技術】
【0002】
高齢者など下肢機能が低下した者に対して、その歩行運動を補助する装置がある。(例えば、特許文献1や特許文献2)。脊髄損傷により、両下肢に麻痺を有する下肢麻痺者に対して、失われた歩行機能を再建する装置がある。(例えば、特許文献3、特許文献4、特許文献5)。
【0003】

【特許文献1】特開2000-166997号公報
【特許文献2】特開2004-329520号公報
【特許文献3】特開平07-222810号公報
【特許文献4】特開2005-013534号公報
【特許文献5】特開2005-73935号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、特許文献1や特許文献2に記載される下肢機能の低下した高齢者に対する歩行補助装置では、使用者の行う下肢運動を検出し、その運動をアシストするように動力を制御している。しかし、下肢を自ら動かすことが困難な下肢運動障害者に対して、この方法を適用することができない。また、例えば、特許文献3、特許文献4、特許文献5に記載の装置では、下肢運動をあらかじめプログラムしておき、スイッチや足底圧をトリガーとして下肢を制御する。これらの装置では歩行動作における下肢の動きを特徴付ける歩幅や運動時間を入力する手段がなく、使用者自身が下肢の動きを調整することができないという問題点がある。下肢運動障害者が自ら下肢の動きをリアルタイムに調整するためには制御装置に下肢の動きを特徴付ける歩幅と運動時間のパラメータを入力する手段が必要である。
【0005】
移動距離を入力する方法として、加速度センサから得られる加速度データを2回積分処理により位置データに変換し、その移動距離を入力する方法がある。しかし、加速度センサは機械的外乱の影響を強く受けることや温度ドリフトなどの影響のため、2回積分により得られる位置データの精度は低い。したがって、この方法により算出される位置データから得られる移動距離を歩行補助制御装置に入力すると、誤差の影響によって下肢運動障害者の意図しない歩幅となり、転倒が生じる可能性があるという問題点がある。
【0006】
本発明は、下肢を自ら動かすことが困難な運動障害者が、下肢運動における歩幅と運動時間を調整することが可能である下肢運動補助装置の制御装置とその制御法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、両下肢に運動障害を有する下肢運動障害者の両下肢に装着される歩行運動補助制御装置であって、両下肢に装着される長下肢装具と、この長下肢装具の股関節に装着された制御可能な動力と、前記股関節に装着された該股関節の動作を検出可能な第一のセンサと、下肢運動障害者の両腕に装着され、該両腕の運動を計測することが可能な第二のセンサと、前記動力を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記第一のセンサによって股関節の状態を計算するとともに、前記第二のセンサによる計測データに基づき前記動力の制御指令を計算する制御装置であり、前記第二のセンサのデータから手先の移動距離と運動時間を決定する手段と、前記移動距離および運動時間から前記股関節の角度の目標軌道を決定する手段と、前記目標軌道を実現するための前記動力への制御指令を決定する手段とを備えた制御手段であることを特徴とするものである。
【0009】
第2の発明は、請求項1に記載の歩行運動補助制御装置において、前記第二のセンサが、加速度センサであることを特徴とするものである。
【0010】
第3の発明は、請求項2に記載の歩行運動補助制御装置において、前記制御装置が、さらに、腕運動時間の決定手段を備え、該決定手段が、前記加速度センサのデータの中から、腕運動が生じていることを検出する手段と、腕運動の開始時刻を検出する手段と、腕運動の終了時刻を検出する手段とで構成される決定手段であることを特徴とするものである。
【0011】
第4の発明は、請求項3に記載の歩行運動補助制御装置において、前記制御装置は、さらに、腕運動の移動距離を決定する手段を備え、該手段は、腕運動が生じている時間範囲における加速度データを、運動の開始時刻と終了時刻の速度と加速度が0という境界条件の下で多項式近似を行うことによって、腕運動の移動距離を決定する手段であることを特徴とするものである。

【0012】
本発明の歩行補助制御装置の構成を図1に沿って説明する。下肢運動障害者が自ら動かすことが可能な部位(残存部位)の動作を計測するセンサ101が下肢運動障害者の残存部位に取り付けられる。残存部位の動作センサ101は制御装置102に接続され、残存部位の運動データ105が制御装置に送られる。制御装置102は下肢を動かすための動力と接続され、動力を制御するための制御信号106が動力に伝達される。動力によって生じる下肢の動作を計測することが可能なセンサ104が制御装置102に接続され、下肢の運動データ107が制御装置102に送られる。
【0013】
本発明の歩行補助制御装置の演算装置における制御信号の決定の手順を図2に沿って説明する。最初に、S201において、残存部位の運動データが入力される。S202において、当該の残存部位の運動データから残存部位が運動中であるかどうかが判定される。運動中でないと判定されるとS201に戻り、運動中であると判定されるとS203において残存部位の運動時間が計算される。つぎにS204において残存部位の移動距離が計算される。S205において、当該の移動距離と運動時間から下肢の動力を制御するための目標軌道が計算される。S206では目標軌道に追従するための制御指令が計算される。S207において計算された制御指令が動力に出力される。S208では下肢運動の制御の終了条件を判定し、終了条件を満たさなければS206に戻る。終了条件を満たすならば、S209において、歩行の終了条件の判定を行う。終了条件を満たさなければ、S201へ戻り、終了条件を満たすならば、プログラムを終了する。
【0014】
本発明における、当該の下肢運動障害者の残存部位の動作を計測する手段として、下肢運動障害者の腕運動を加速度センサにより計測する。当該の加速度センサの加速度データから残存部位の運動が行われている時間範囲を検出する方法について図3に沿って説明する。運動の時間範囲の検出方法は運動が生じていることを検出する方法と、運動終了時刻(終点)を検出する方法と、運動開始時刻(始点)を検出する方法から構成される。
【0015】
最初に、運動の検出は加速度データ301が306の第1閾値ath1を超えたときの時刻iを運動検出時刻302とし、このときの加速度データをaiとする。次に、時刻の経過にしたがって、終点303の時刻jの検出を行う。終点303の時刻jは次の3つの条件を満たす時刻とする。
【数1】
JP0004724832B2_000002t.gif
【数2】
JP0004724832B2_000003t.gif
【数3】
JP0004724832B2_000004t.gif
ここで、(数1)の条件は加速度が十分0に近い値である307の第2閾値ath2よりも低い値であることを判別する条件である。(数2)の条件は加速度が極小であることを判別する条件である。(数3)は加速と減速の間にあるゼロクロス点305を誤検出してしまうことを防ぐための条件である。Dは最初に検出された加速度の方向と反対方向を表わす係数で、運動検出時の加速度の方向に対して逆向きの加速度の最大値が306の第1閾値ath1を超えていることを判別することによって誤検出を回避する。始点の検出は終点の検出の後に行う。始点は運動検出時刻から時間逆向きに(数1)の条件と(数2)の条件を満たす時刻とする。この処理から、腕運動の開始と終了の時刻を特定し、腕運動に要した時間を特定する。
【0016】
本発明における、運動の始点と終点の間の加速度データから移動距離を決定する方法について説明する。杖歩行における杖の先端や平行棒歩行における手先位置は腕運動の開始時と終了時において静止していることから、速度と加速度は0である。しかし,機械的外乱やノイズにより求められる速度の終点の値は、積分誤差が蓄積するため0とはならない。この速度データを更に積分することにより得られる位置データには大きな誤差が生じる可能性がある。本発明では、手先や杖の先端の位置を多項式によって表現し、その始点と終点の速度と加速度が0であるという境界条件の下で、多項式の係数を計測された加速度データから決定し、該多項式を用いて移動距離を決定する。
【0017】
手先または杖の先端の位置をn次の多項式で表現すると、位置は(数4)のように表わすことができる。速度は(数5)のように表わすことができる。加速度は(数6)のように表わすことができる。
【数4】
JP0004724832B2_000005t.gif
【数5】
JP0004724832B2_000006t.gif
【数6】
JP0004724832B2_000007t.gif
ここで、 k=1、2、…Nは時系列の番号を表わす。次に始点の位置を0とすると位置、速度、加速度に関する始点と終点の境界条件はそれぞれ(数7)と(数8)のように表わされる。
【数7】
JP0004724832B2_000008t.gif
【数8】
JP0004724832B2_000009t.gif
(数7)と(数8)の条件を(数6)に代入すると次式が得られる。
【数9】
JP0004724832B2_000010t.gif
【数10】
JP0004724832B2_000011t.gif
(数9)および(数10)を(数6)の加速度の多項式に代入すると次式が得られる。
【数11】
JP0004724832B2_000012t.gif

【0018】
次に(数4)、(数10)、(数11)をもとに移動距離を計算する方法について述べる。(数11)に記述される加速度と加速度計によって計測された加速度
【数12】
JP0004724832B2_000013t.gif
から、最小二乗法によって5次からn次までの多項式の係数を決定する。多項式の係数は(数13)により決定される。
【数13】
JP0004724832B2_000014t.gif
決定された5次からn次までの多項式の係数を(数10)に代入することにより4次および3次の多項式係数が得られる。特定された3次からn次の多項式係数と腕運動の時間を(数4)の位置を表わす多項式に代入することによって移動距離が得られる。
【0019】
計算された腕運動の運動時間Tarmと移動距離Darmから下肢運動の運動時間Tlegと歩幅Dlegは次式の変換により決定される。
【数14】
JP0004724832B2_000015t.gif
ここで、パラメータr1 、r2 、r3 、r4は下肢運動障害者が使いやすいように調整される。
【0020】
次に、制御開始時の動力の状態を計測するセンサのデータと歩幅Dlegと運動時間Tlegから、スプラインなどの適当な補間方法を用いることによって下肢運動の目標軌道を生成する。この目標軌道と当該の動力の状態を計測するセンサのデータを元に軌道追従制御を行うことにより、制御指令を決定する。
【発明の効果】
【0021】
本発明の腕運動時間決定手段は、加速度データから実時間で実行することができる。2回積分による移動距離決定手段では、機械的外乱によって、1回積分により得られる速度に誤差が生じ、誤差の生じた速度を積分するため、大きな誤差が生じる。本発明における移動距離決定手段は終点の速度が0という拘束条件のもとで多項式近似を行うため、この積分誤差の影響を低減することができ、その結果として実用上で十分な移動距離の精度が得られる。
【0022】
本発明によれば、下肢運動障害者は自ら動かすことができる腕の運動における運動時間と移動距離を調整することによって、自ら動かすことのできない下肢運動の歩幅と下肢運動時間を調整して歩行を行うことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の実施形態として、平行棒内での下肢運動障害者の歩行運動を補助する装置について図4、図5、図6を元に説明する。下肢を制御可能な動力機構として、例えば特開平11-226070に記載されている長下肢装具とそのジョイント機構を仮定し、下肢運動障害者501は、DCモータ504とポテンショメータ505を備えた股関節を駆動可能な機構が取り付けられた長下肢装具506を下肢に着用する。両手には加速度センサ503および513の取り付けられた対象物530を保持し、足底には足底圧センサ507および517が取り付けられる。また、下肢運動障害者501はAD変換器508と演算機能と記憶機能を有する計算機509とモータの駆動装置510とバッテリ511の入ったバックパック502を着用する。両腕の加速度センサ503および513はそれぞれケーブル521および522を介してAD変換器508に接続される。足底圧センサ507と517はそれぞれケーブル524と525を介してAD変換器508に接続される。また股関節のポテンショメータ505はケーブル523を介してAD変換器508に接続される。AD変換器508は計算機509と接続される。計算機509は駆動装置510に接続される。また、バッテリ511が駆動装置510に接続される。駆動装置はケーブル520を介してDCモータ504と接続される。
【0024】
次に本実施例における歩行補助制御装置の動作について説明する。手先位置の加速度が加速度センサの出力と足底圧センサの出力とポテンショメータの出力はAD変換によって計算機の記憶装置に記録される。下肢運動障害者が加速度センサの取り付けられた対象物と共に腕を前方に動かすと、加速度データから本発明の運動時間決定手段と移動距離決定手段により腕運動の移動距離と運動時間を計算し、腕運動の移動距離と運動時間から下肢の歩幅と運動時間を決定する。決定した歩幅を実行するために必要な股関節の変位を決定する。股関節駆動装置に取り付けられたポテンショメータの出力から運動前の股関節角度が計算される。運動前の股関節角度に歩幅を達成するために必要な変位分の角度を足すことによって、運動終了時の股関節角度を決定する。下肢の運動の前と後の股関節角度と運動時間から、ジャーク最小軌道と呼ばれる5次のスプライン補間法により股関節角度の目標軌道を決定する。
【0025】
目標軌道が計算された後、目標軌道とポテンショメータから得られる股関節角度を用いて軌道追従制御により動力の制御指令を計算する。制御指令はDCモータの駆動装置に出力される。駆動装置は制御指令に応じてバッテリの電力をDCモータに供給し、DCモータが回転することによって股関節の運動が生じる。その結果、下肢運動障害者の下肢の動きは腕の運動から設定された運動時間と運動距離を反映した目標軌道に従い運動する。足底圧センサの出力から、足底が床に接地したことを検出したときに下肢の制御が終了する。
【実施例】
【0026】
上記の腕運動の移動距離の決定法が2回積分による決定法よりも有効であることを示すために行った実験とその結果について説明する。上記の実施例と同様に、腕運動計測用対象物を持ち平衡棒上で腕運動を行い、加速度センサと3次元位置計測装置によりその腕運動を200Hzのサンプリング周波数で計測した。腕運動の開始点と開始点から20、30、40、50、60cm離れた位置に目印を置き、開始点からそれぞれの目印に10回ずつ腕運動を行った。
【0027】
位置計測装置から得られた移動距離に対する加速度センサのデータから2回積分を行うことにより得られた移動距離の関係を図7の上段に示す。位置計測装置から得られた実際の移動距離と比較して、数値積分による移動距離は大きい誤差が生じている。位置計測装置から得られた移動距離に対する加速度センサのデータから多項式近似を行うことにより得られた移動距離の関係を図7の下段に示す。数値積分による方法に比べ、誤差が小さく、安定に精度よく移動距離を計算できることが確認できる。2回積分による方法において、大きい誤差が生じた原因は、運動の前半における機械的外乱によって、1回積分により得られる速度に誤差が生じ、誤差の生じた速度を積分したため、誤差が蓄積したことによる。本発明における移動距離決定手段は終点の速度が0という拘束条件のもとで多項式近似を行うため、この積分誤差の影響を低減することができ、その結果として実用上で十分な移動距離の精度が得られる。
【0028】
上記の実施形態の実施例について説明する。本実施例では、腕運動の移動距離の計算には7次の多項式による近似法を適用した。パラメータr1 、r2 、r3 、r4をそれぞれ、1、0、1.5、0と設定した。軌道追従制御の方法として、PID制御を適用した。フィードバックのサンプリング周波数を300[Hz]とした。
【0029】
前記の実施例におけるデータの流れを図8に沿って説明する。左腕の手先加速度データ801の変化により腕運動が検出され、その後に計算された目標軌道803に従って、股関節角度データ804が負の方向へ変位しており、左脚の運動が生じていることが確認できる。次に右腕の手先加速度データ802の変化により腕運動が検出され、股関節角度データ804が正の方向へ変位しており右脚の運動が生じていることが確認できる。
【0030】
左腕の加速度データ801の変化部分と右腕の加速度データ802の変化部分の振幅を比較すると右腕の加速度データ802のほうが大きいことが確認できる。これは腕の移動距離が右腕のほうが大きいことを反映している。次の股関節角度データ804について見ると左脚の運動に対して、右脚の運動のときではその変位の大きさが大きいことが確認できる。したがって、本実施例において下肢運動障害者が自ら動かすことが可能な腕の移動距離に応じて動かすことのできない下肢の運動を調整することが可能であることが確認できる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は、下肢を自ら動かすことのできない運動障害者の歩行を可能にする医療・福祉機器として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に係る歩行補助制御装置の構成を示す図である。
【図2】本発明に係る歩行補助制御装置におけるフローチャートを示す図である。
【図3】本発明に係る歩行補助制御装置における加速度データから下肢運動障害者の腕運動の時間範囲を決定する方法を説明する図である。
【図4】本発明に係る歩行補助制御装置における実施形態の例として、装置の構成の例を示す図である。
【図5】本発明に係る歩行補助制御装置における実施形態の例として、下肢運動障害者が装置を着用した例を示す図である。
【図6】本発明に係る歩行補助制御装置における実施形態の例として、平行棒における下肢運動障害者の腕運動を加速度センサにより測定するための機構の例を示す図である。
【図7】本発明に係る歩行補助制御装置における腕運動の移動距離を決定する手段として多項式近似による方法が2階積分による方法よりも精度が高いことを説明する図である。
【図8】本発明に係る歩行補助制御装置における実施例として、腕運動の加速度データ,股関節角度の目標軌道と股関節角度の実軌道を示す図である。
【符号の説明】
【0033】
101残存部位の運動を計測可能なセンサ
102制御装置
103動力
104動力によって生じる下肢の動きを計測可能なセンサ
105残存部位の運動信号
106制御信号
107動力より生じた下肢の運動
108下肢の運動信号
S201残存部位の運動データ入力部
S202残存部位の運動の検出部
S203運動時間計算部
S204移動距離計算部
S205目標軌道計算部
S206制御指令計算部
S207制御指令出力部
S208下肢制御終了条件判定部
S209プログラム終了条件判定部
301加速度データ
302運動を検出した時刻
303運動の終了を検出した時刻
304運動の開始を検出した時刻
305ゼロクロス点
306第1閾値
307第2閾値
501下肢運動障害者
502バックパック
503加速度センサ
504DCモータ
505ポテンショメータ
506下肢装具
507足底圧センサ
508AD変換器
509計算機
510モータ駆動装置
511バッテリ
513加速度センサ
517足底圧センサ
520駆動装置とDCモータをつなぐケーブル
521加速度センサとAD変換器をつなぐケーブル
522加速度センサとAD変換器をつなぐケーブル
523ポテンショメータとAD変換器をつなぐケーブル
524足底圧センサとAD変換器をつなぐケーブル
525足底圧センサとAD変換器をつなぐケーブル
530加速度計を保持するための円筒形の物
531円筒形の土台に加速度センサを置く土台
532平行棒
801左手に保持された加速度センサのデータ
802右手に保持された加速度センサのデータ
803動力の目標軌道
804動力の実軌道

図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7