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明細書 :パターン画像への情報埋め込み方法および情報読み込み方法ならびにパターン画像への情報埋め込み装置および情報読み込み装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4910145号 (P4910145)
公開番号 特開2008-199425 (P2008-199425A)
登録日 平成24年1月27日(2012.1.27)
発行日 平成24年4月4日(2012.4.4)
公開日 平成20年8月28日(2008.8.28)
発明の名称または考案の名称 パターン画像への情報埋め込み方法および情報読み込み方法ならびにパターン画像への情報埋め込み装置および情報読み込み装置
国際特許分類 H04N   1/387       (2006.01)
G06T   1/00        (2006.01)
FI H04N 1/387
G06T 1/00 500B
請求項の数または発明の数 14
全頁数 16
出願番号 特願2007-034140 (P2007-034140)
出願日 平成19年2月14日(2007.2.14)
審査請求日 平成22年1月29日(2010.1.29)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304027349
【氏名又は名称】国立大学法人豊橋技術科学大学
発明者または考案者 【氏名】栗山 繁
【氏名】松原 潤弥
審査官 【審査官】白石 圭吾
参考文献・文献 特開2001-251490(JP,A)
特開2006-157424(JP,A)
特開平11-027514(JP,A)
特開2005-101768(JP,A)
特開2004-147253(JP,A)
特開2005-277807(JP,A)
調査した分野 H04N 1/387
G06T 1/00
特許請求の範囲 【請求項1】
本となる図柄を変形して生成される図柄(以後,変形図柄)に対してn×mビットのデータを埋め込み、複数の変形画像を規則的に配置して所望の情報をパターン画像に埋め込むための方法であって、
前記各変形図柄について、予め定めた位置におけるn個の局所的な領域(マスク領域)を特定し、該マスク領域の色の割合を予め設定した基準に沿ってm個の種類に分類してmビットの情報をマスク領域に設け、該マスク領域を予め定めた順序で整列させるときに決定するn×mの情報に基づいて、各変形画像を2n×m個の種類のクラスに分類し、埋め込むべきデジタル情報をn×mビットの単位に分割するとともに、分割した各n×mビットの情報に合致するクラスの変形図柄を選択するとともに、該変形図柄を予め定めた順序で配置させてなることを特徴とするパターン画像への情報埋め込み方法。
【請求項2】
前記マスク領域の色の割合は、白黒の割合であり、前記mビットが1ビットであることを特徴とする請求項1に記載のパターン画像への情報埋め込み方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の情報埋め込み方法において、埋め込むべき情報を分割したn×mビットの情報に合致するクラスの変形図柄が配置された範囲に、該変形図柄を検出するための検出枠を設けることを特徴とするパターン画像への情報埋め込み方法。
【請求項4】
請求項1または2に記載のパターン画像への情報埋め込み方法により、パターン画像へ情報を埋め込むための装置であって、
前記各変形図柄について、予め定めた位置におけるn個の局所的な領域(マスク領域)を特定するマスク領域の抜き出し部と、
前記マスク領域の色の割合を計算し、予め設定した基準に沿ってm個の種類に分類してmビットの情報をマスク領域に設ける色の割合計算部と、
該マスク領域を予め定めた順序で整列させるときに決定するn×mの情報に基づいて、各変形画像を2n×m個の種類のクラスに分類するクラス種類決定部と、
埋め込むべきデジタル情報をn×mビットの単位に分割するとともに、分割した各n×mビットの情報に合致するクラスの変形図柄を選択する文字列分割・図柄選択部と、
該変形図柄を予め定めた順序で配置させる変形図柄配置連結部と
を備えることを特徴とするパターン画像への情報埋め込み装置。
【請求項5】
請求項3に記載のパターン画像への情報埋め込み方法により、パターン画像へ情報を埋め込むための装置であって、
前記各変形図柄について、予め定めた位置におけるn個の局所的な領域(マスク領域)を特定するマスク領域の抜き出し部と、
前記マスク領域の色の割合を計算し、予め設定した基準に沿ってm個の種類に分類してmビットの情報をマスク領域に設ける色の割合計算部と、
該マスク領域を予め定めた順序で整列させるときに決定するn×mの情報に基づいて、各変形画像を2n×m個の種類のクラスに分類するクラス種類決定部と、
埋め込むべきデジタル情報をn×mビットの単位に分割するとともに、分割した各n×mビットの情報に合致するクラスの変形図柄を選択する文字列分割・図柄選択部と、
該変形図柄を予め定めた順序で配置させる変形図柄配置連結部と、
埋め込むべき情報を分割したn×mビットの情報に合致するクラスの変形図柄が配置された範囲に、該変形図柄を検出するための検出枠を設ける検出用枠設置部と
を備えることを特徴とするパターン画像への情報埋め込み装置。
【請求項6】
請求項1ないし3のいずれかに記載の情報埋め込み方法により作成されたパターン画像であって、表示装置に映し出され、または、印刷装置によって出力されたことを特徴とする画像。
【請求項7】
請求項3に記載の情報埋め込み方法により、情報が埋め込まれたパターン画像から情報を取り出す方法であって、
前記情報が埋め込まれたパターン画像から検出枠を検出し、該検出枠の範囲内に配置される複数の変形図柄を特定し、各変形図柄について、n個のマスク領域を特定するとともに、各マスク領域からmビットのデータを復号して、各変形図柄に組み込まれたn×mビットの情報を復号し、各変形図柄の各n×mビット情報を該変形図柄について予め定めた配置順にしたがって連結することを特徴とする情報取り出し方法。
【請求項8】
請求項7に記載の情報取り出し方法により、情報が埋め込まれたパターン画像から埋め込み情報を取り出すための装置であって、
前記情報が埋め込まれたパターン画像から検出枠を検出する枠認識部と、
前記枠認識部により検出された検出枠の範囲内に配置される複数の変形図柄を特定する画像分割部と、
前記画像分割部で特定された各変形図柄について、n個のマスク領域を特定するマスク領域抜き出し部と、
前記各マスク領域内の色の割合を計算する色割合計算部と、
前記色割合計算部で計算した色の割合からmビットのデータを復号することにより、各変形図柄に組み込まれたn×mビットの情報を復号するデータ復号部と、
各変形図柄の各n×mビット情報を該変形図柄について予め定めた配置順にしたがって連結するデータ連結部と
を備えたことを特徴とする埋め込み情報取り出し装置。
【請求項9】
請求項1または2に記載の情報埋め込み方法において、埋め込むべき情報を分割したn×mビットの情報に合致するクラスの変形図柄が配置された範囲の先頭に、該先頭位置を検出するための位置検出図柄を設けることを特徴とするパターン画像への情報埋め込み方法。
【請求項10】
請求項9に記載のパターン画像への情報埋め込み方法により、パターン画像へ情報を埋め込むための装置であって、
前記基本となる図柄または変形図柄の中から位置検出条件となるべき位置検出図柄を決定する位置検出図柄決定部と、
前記位置検出図柄を除く各変形図柄について、予め定めた位置におけるn個の局所的な領域(マスク領域)を特定するマスク領域の抜き出し部と、
前記マスク領域の色の割合を計算し、予め設定した基準に沿ってm個の種類に分類してmビットの情報をマスク領域に設ける色の割合計算部と、
該マスク領域を予め定めた順序で整列させるときに決定するn×mの情報に基づいて、各変形画像を2n×m個の種類のクラスに分類するクラス種類決定部と、
埋め込むべきデジタル情報をn×mビットの単位に分割するとともに、分割した各n×mビットの情報に合致するクラスの変形図柄を選択する文字列分割・図柄選択部と、
前記位置検出図柄を先頭にしつつ、その他の前記変形図柄を予め定めた順序で配置させる変形図柄配置連結部と
を備えることを特徴とするパターン画像への情報埋め込み装置。
【請求項11】
請求項9のいずれかに記載の情報埋め込み方法により作成されたパターン画像であって、表示装置に映し出され、または、印刷装置によって出力されたことを特徴とする画像。
【請求項12】
請求項9に記載の情報埋め込み方法により、情報が埋め込まれたパターン画像から情報を取り出す方法であって、
前記情報が埋め込まれたパターン画像から位置検出図柄を検出し、該位置検出図柄に対して所定の位置関係を有して配置される複数の変形図柄を特定し、各変形図柄について、n個のマスク領域を特定するとともに、各マスク領域からmビットのデータを復号して、各変形図柄に組み込まれたn×mビットの情報を復号し、各変形図柄の各n×mビット情報を該変形図柄について予め定めた配置順にしたがって連結することを特徴とする情報取り出し方法。
【請求項13】
請求項7に記載の情報取り出し方法により、情報が埋め込まれたパターン画像から埋め込み情報を取り出すための装置であって、
検出対象画像から画像領域を検出する画像領域検出部と、
前記画像領域の中から位置検出図柄を検出し、情報が埋め込まれた図柄が配置されている情報埋め込み領域検出部と、
前記情報埋め込み領域検出部により検出された情報埋め込み領域の範囲内に配置される複数の変形図柄を特定する画像分割部と、
前記画像分割部で特定された各変形図柄について、n個のマスク領域を特定するマスク領域抜き出し部と、
前記各マスク領域内の色の割合を計算する色割合計算部と、
前記色割合計算部で計算した色の割合からmビットのデータを復号することにより、各変形図柄に組み込まれたn×mビットの情報を復号するデータ復号部と、
各変形図柄の各n×mビット情報を該変形図柄について予め定めた配置順にしたがって連結するデータ連結部と
を備えたことを特徴とする埋め込み情報取り出し装置。
【請求項14】
請求項5に記載の情報埋め込み装置と、請求項8に記載の埋め込み情報取り出し装置とを備え、または、請求項10に記載の情報埋め込み装置と、請求項13に記載の埋め込み情報取り出し装置とを備えたことを特徴とする画像処理装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、パターン画像に情報を埋め込む方式方法ならびに装置と、その画像を撮像装置で撮影して得られる画素値のデータから、埋め込まれた情報データを読み込む方法ならびに装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像に対して情報を埋め込む従来技術(例えば、非特許文献1を参照)は、その用途により「電子透かし」や「ステガノグラフィ」と呼ばれている。これらの技術は、画像の画素値データに対して色や周波数領域での変換を施して情報を埋め込むのが基本的なアプローチである。
【0003】
一方、印刷した画像を対象とした情報の埋め込み技術で、2次元バーコードのようにアナログ的な雑音や変形に対する耐性を有する手法として、色情報によるコード化手法(特許文献1)、画像ブロック毎の階調差を用いた手法(非特許文献2)、および冗長コードを導入する手法(特許文献2)等が提案されている。
【0004】
雑音や変形の混入が不可避であるアナログ過程を経たデータに対して,デジタルデータに対して用いられている既存の電子透かしなどの手法を適用する場合、雑音や変形に対する耐性の確保にはデータの改竄に対して必要とされる耐性よりも多くの冗長性を必要とする。したがって、デジタルデータに対する手法を拡張しただけの従来技術の方法では、数バイト程度の情報しか埋め込めないという問題がある。
【0005】
また2次元バーコードはデザイン的な要素を加えることが困難であるので大量に用いると印刷物の見栄えを損なうという欠点がある。

【特許文献1】特開2001-195536号公報
【特許文献2】特開2000-287073号公報
【非特許文献1】画像電子学会編「電子透かし技術 デジタルコンテンツのセキュリティ」東京電機大学出版局、2004年
【非特許文献2】富士通ジャーナル 2005年6月号、“Newテクノロジー(1)”、http://jp.fujitsu.com/about/journal/281/newtechnology/
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
解決しようとする課題は、印刷や撮影等に際して雑音混入や画像の変形等に対する強固な耐性が確保された画像はデザイン的な要素を加えることが困難なため、それらを大量に用いると印刷物の見栄えを損なうというのが従来技術の問題点である。
【0007】
そこで本発明では、人間が意図的にデザインできる図柄を変形して生成される画像群を用いて、印刷や撮影等の際に混入する雑音やひずみに対してこれまでよりも頑健に多くの情報を埋め込み、読み出すことを可能とする方法ならびに装置を提供する。

【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明では、印刷される画像群に対して人間の視覚に感知されない情報を埋め込み、および読み出す方法を実現する。また、本発明では2通りの課題解決手段を提供する。
【0009】
第1の課題解決手段として、撮影時に検出用の枠がある場合に画像へ情報を埋め込む方法について記述する。
【0010】
標本となる画像を変形して複数個の変形図柄を生成する。
【0011】
各変形図柄から、n個のマスク領域を抜き出す。
【0012】
抜き出した各マスク領域にmビットのデータを埋め込む。ただし、mビットのデータは各マスク領域に分布する色の割合に対応する。これにより、各変形図柄にはn×mビットのデータが埋め込まれる。
【0013】
埋め込んだn×mビットのデータを用いて、各変形図柄を2nm個のクラスに分類する。
【0014】
次に、埋め込む情報データをn×mビットごとに分け、対応する変形図柄を2nm個のクラスから選択する。
【0015】
選択した変形図柄を規則的に配置する事で、情報データを埋め込んだパターン画像を生成する。
【0016】
情報データを埋め込んだパターン画像を検出するための枠を設置し、検出枠がある情報埋め込みパターン画像(以下、枠付きパターン画像)を生成する。
【0017】
第1の課題解決手段による、情報埋め込み方法を実現する装置を図4に示す。情報埋め込み装置11は、マスク領域の抜き出し部13、マスク領域内の色の割合計算部14、クラス種類決定部15、文字列の分割と変形図柄の選択部16、変形図柄配置連結部17、検出用枠設置部18から構成される。
【0018】
マスク領域の抜き出し部13では、図4の複数個の変形図柄12の各変形図柄からn個のマスク領域を抜き出す。
【0019】
マスク領域内の色の割合計算部14では、各マスク領域に分布する色の割合から、各領域にmビットのデータを埋め込む。これにより、各変形図柄にはn×mビットのデータが埋め込まれる。
【0020】
クラス種類決定部15では、割合計算部14で埋め込んだn×mビットのデータを用いて、各変形図柄を2nm個のクラスに分類する。
【0021】
文字列の分割と変形図柄の選択部16では、埋め込む情報データをn×mビットごとに分け、2nm個のクラスから対応する変形図柄を選択する。
【0022】
変形図柄配置連結部17では、選択した変形図柄を規則的に配置することで情報データが埋め込まれたパターン画像を生成する。
【0023】
検出用枠設置部18では、撮影時に情報データが埋め込まれたパターン画像の領域を検出するための枠を設置する。
【0024】
この情報埋め込み装置11を用いる事により、図4の枠付きパターン画像19が生成される。
【0025】
本発明の第1の課題解決手段によって情報データが埋め込まれた枠付きパターン画像から、情報を読み出す手段について記述する。
【0026】
対象となる画像から検出した枠の幾何学的な情報に基づいて、n×mビットのデータが埋め込まれている変形図柄を切り出す。
【0027】
各変形図柄に対して、埋め込み時と同じn個のマスク領域を抜き出す。
【0028】
抜き出した各マスク領域に埋め込まれているmビットのデータを復号する。これにより、各変形図柄からn×mビットのデータが復号される。
【0029】
次に、復号されたn×mビットのデータを変形図柄の配置順にしたがって連結し、埋め込み情報データを読み出す。
【0030】
本発明の第1の課題解決手段によって情報データが埋め込まれた枠付きパターン画像から、埋め込み情報を検出する装置を図5に示す。埋め込み情報検出装置21は、枠認識部23、画像校正部24、画像分割部25、マスク領域の抜き出し部13、マスク領域内の色の割合計算部14、データ復号部26、およびデータ連結部27から構成される。
【0031】
枠認識部23と画像校正部24では、検出対象画像22から枠を検出し、枠の幾何学的な情報に基づいて画像の校正をする。
【0032】
画像分割部25では、画像校正部24で校正した画像から、n×mビットのデータが埋め込まれている変形図柄を切り出す。
【0033】
マスク領域の抜き出し部13とマスク領域内の色の割合計算部14では、変形図柄からマスク領域を抜き出し、各マスク領域に分布する色の割合を計算する。
【0034】
データ復号部26では、マスク領域内の色の割合計算部14で計算した色の割合から、n×mビットのデータを復号する。これにより、各変形図柄からn×mビットのデータが復号される。
【0035】
データ連結部27では、データ復号部26で復号したn×mビットのデータを、変形図柄が配置されていた順に連結する。
【0036】
この埋め込み情報検出装置21を用いる事により、図5の埋め込み情報データ28を得る。
【0037】
次に第2の課題解決手段として、撮影時に検出用の枠がない場合のパターン画像へ情報を埋め込む方法について記述する。
【0038】
まず、標本となる画像を変形して複数個の変形図柄を生成する。
【0039】
埋め込み情報データを検出する時のために、特定の位置検出条件を決める。
【0040】
各変形図柄から、位置検出条件に一致する図柄を選び出し、位置検出図柄とする。
【0041】
各変形図柄からn個のマスク領域を抜き出す。
【0042】
抜き出した各マスク領域にmビットのデータを埋め込む。ただし、mビットのデータは各マスク領域に分布する色の割合に対応する。これにより、各変形図柄にはn×mビットのデータが埋め込まれる。
【0043】
埋め込んだn×mビットのデータを用いて、各変形図柄を2nm個のクラスに分類する。
【0044】
次に、埋め込む情報データをn×mビットごとに分け、2nm個のクラスから対応する変形図柄を選択する。
【0045】
位置検出図柄を先頭に配置した後、選択した変形図柄を規則的に配置し、情報データを埋め込んだパターン画像を生成する。
【0046】
情報データを埋め込んだパターン画像を、さらに規則的に配置し、検出枠が無い情報埋め込みパターン画像(以後,枠無しパターン画像)を生成する。
【0047】
第2の課題の解決手段による、情報埋め込み方法を実現する装置を図6に示す。情報埋め込み装置31は、位置検出図柄決定部33、マスク領域の抜き出し部13、マスク領域内の色の割合計算部14、クラス種類決定部15、文字列の分割と変形図柄の選択部16、変形図柄配置連結部34、環状配置連結部35から構成される。
【0048】
位置検出図柄決定部33では、図6の複数個の変形図柄12から、図6の位置検出条件の決定32で決めた、位置検出条件に一致する図柄を選択する。
【0049】
マスク領域の抜き出し部13、マスク領域内の色の割合計算部14、クラス種類決定部15、および文字列の分割と変形図柄の選択部16では、図4情報埋め込み装置11で同じ符号を持つ部位と同等の処理をする。
【0050】
変形図柄配置連結部34では、位置検出図柄決定部33で選択した位置検出図柄を先頭に配置した後、文字列の分割と変形図柄の選択部16で選択した変形図柄を規則的に配置し、情報データを埋め込んだパターン画像を生成する。
【0051】
環状配置連結部35では、変形図柄配置連結部34で生成した情報データを埋め込んだパターン画像を、さらに規則的に配置する。
【0052】
この情報埋め込み装置31を用いる事により、図6の枠無しパターン画像36が生成される。
【0053】
本発明の第2の課題解決手段によって情報データが埋め込まれた枠無しパターン画像から、情報を読み出す手順について記述する。
【0054】
まず対象となる画像から、位置検出条件に一致する変形図柄(位置検出図柄)を検出する事により、情報データが埋め込まれている画像領域を切り出す。
【0055】
情報データが埋め込まれている画像領域から、n×mビットのデータが埋め込まれている変形図柄を切り出す。
【0056】
各変形図柄から、埋め込み時と同じn個のマスク領域を抜き出す。
【0057】
抜き出した各マスク領域に埋め込まれているmビットのデータを復号する。これにより、各変形図柄からn×mビットのデータが復号される。
【0058】
次に、復号されたn×mビットのデータを変形図柄の配置順にしたがって連結し、埋め込まれている情報データを読み出す。
【0059】
本発明の第2の課題解決手段によって情報データが埋め込まれた枠無しパターン画像から、埋め込み情報データの検出を実現する装置を図7に示す。埋め込み情報検出装置41は、画像領域検出部43、情報埋め込み領域検出部44、画像校正部24、画像分割部25、マスク領域の抜き出し部13、マスク領域内の色の割合計算部14、データ復号部26、データ連結部27から構成される。
【0060】
画像領域検出部43では、図7検出対象画像42から、画像領域を検出する。
【0061】
情報埋め込み領域検出部44では、位置検出条件に一致する変形図柄(位置検出図柄)を検出する事により、情報データが埋め込まれている領域を認識する。
【0062】
画像校正部24、画像分割部25、マスク領域の抜き出し部13、マスク領域内の色の割合計算部14、データ復号部26、およびデータ連結部27では、図5埋め込み情報検出装置21で同じ符号を持つ部位と同等の処理をする。
【0063】
この図7埋め込み情報検出装置41を用いる事により、図7の埋め込み情報データ28を得る。

【発明の効果】
【0064】
本発明の第1の課題解決手段では、変形図柄中の特定のマスク領域に情報を埋め込むため、画像の一部分を操作するだけで、情報を保持した変形図柄が生成できる。結果として、デザイン的な見栄えを損なわない変形規則を用いて情報埋め込み画像を生成することができる。また本発明の第2の課題解決手段により、情報を埋め込んだ変形図柄を大量に配置したパターン画像を用いても印刷物の見栄えを損なわない、情報の埋め込み、ならびに情報の検出ができる。

【発明を実施するための最良の形態】
【0065】
本発明を実施するための最良の形態として、白黒の基本図柄を対象とした場合の第1の課題解決手段、および第2の課題解決手段について以下に記述する。
【0066】
第1の課題解決手段の情報埋め込み方法を、図1に基づいて説明する。また、第1の課題解決手段の情報埋め込み方法を実現する装置を図4に、埋め込み情報検出装置を図5に示す。
【0067】
パターン画像に情報を埋め込む方法は、図1(a)のa.1、a.2、a.3、a.4、a.5、a.6、a.7の手続きで構成される。また図4に示す情報埋め込み装置11は、マスク領域の抜き出し部13、マスク領域内の色の割合計算部14、クラス種類決定部15、文字列の分割と変形図柄の選択部16、変形図柄配置連結部17、検出用枠設置部18から構成される。
【0068】
図1(a.1)では、情報を埋め込むための複数個の変形図柄を用意する。これは、図4で複数個の変形図柄12に相当する。
【0069】
図1(a.2)では、各変形図柄中からn個のマスク領域を抜き出す。この工程は、マスク領域の抜き出し部13で処理される。
【0070】
図1(a.3)では、1つのマスク領域内に分布する白黒の割合からmビットのデータを保持させる。マスク領域での白黒の割合の範囲を(2-1)個の閾値で区切り、2個のクラスに分けることでmビットのデータを保持させる。これにより、各変形図柄にはn×mビットのデータが埋め込まれる。この工程は、マスク領域内の色の割合計算部14で処理される。
【0071】
図1(a.4)では、各変形図柄に埋め込んだn×mビットのデータを用いて、各変形図柄を2nm個のクラスに分類する。例えば、1個の変形図柄に対して4(=n)個のマスク領域を用いて、各マスク領域で1(=m)ビットのデータを割り当てる場合、クラスの個数は16個(=2nm)となる。この工程は、クラス種類決定部15で処理される。
【0072】
図1(a.5)では、埋め込む情報をn×mビットごとに分け、2nm個のクラスから対応する変形図柄を選択する。この工程は、文字列の分割と変形図柄の選択部16で処理される。
【0073】
図1(a.6)では、選択した変形図柄を規則的に配置することで情報データが埋め込まれたパターン画像を生成する。この工程は、変形図柄配置連結部17で処理される。
【0074】
図1(a.7)では、撮影時に情報データが埋め込まれたパターン画像の領域を検出するための枠を設置する。この工程は、検出用枠設置部18で処理される。
【0075】
この図4の情報埋め込み装置11を用いる事により、枠付きパターン画像19が生成される。
【0076】
次に、第1の課題解決手段について、データ読み込みの機構は図1(b) のb.1、b.2、b.3、b.4、b.5、b.6の手続きで構成される。また図5に示す埋め込み情報検出装置21は、枠認識部23、画像校正部24、画像分割部25、マスク領域の抜き出し部13、マスク領域内の色の割合計算部14、データ復号部26、データ連結部27から構成される。
【0077】
図1(b.1)では、撮影した画像(図5の検出対象画像22)から情報データが埋め込まれたパターン画像を検出するための枠を認識する。この工程は、枠認識部23で処理される。
【0078】
図1(b.2)では、枠の情報に基づいて撮影した画像を元の矩形領域の状態に戻す校正処理を実行する。この工程は、画像校正部24で処理される。
【0079】
図1(b.3)では、各n×mビットのデータが埋め込まれている各変形図柄単位に画像を切り出す。この工程は、画像分割部25で処理される。
【0080】
図1(b.4)では、変形図柄中から、図1(a.2)と同じn個のマスク領域を抜き出す。この工程は、マスク領域の抜き出し部13で処理される。
【0081】
図1(b.5)では、抜き出した各マスク領域での白黒の割合から、mビットのデータを復号する。埋め込み時と同様に、1つのマスク領域内に分布する白黒の割合の範囲を(2-1)個の閾値で区切り、2個のクラスに分けることでmビットのデータを復号する。これにより、各変形図柄でn×mビットのデータが復号される。この工程は、マスク領域内の色の割合計算部14とデータ復号部26で処理される。
【0082】
図1(b.6)では、各変形図柄で復号されたn×mビットずつのデータを、変形図柄の配置順にしたがって連結し、埋め込まれている情報データを読み出す。この工程は、データ連結部27で処理される。
【0083】
この図5の埋め込み情報検出装置21を用いる事により、埋め込み情報データ28を得る。
【0084】
次に第2の課題解決手段について、白黒画像を対象とした実施例を図1に基づいて説明する。また、第2の課題解決手段の情報埋め込み方法を実現する装置を図6に、埋め込み情報検出装置を図7に示す。
【0085】
パターン画像に情報を埋め込む機構は、図1(a)のa.1、a.8、a.9、a.2、a.3、a.4、a.5、a.10、a.11の手続きで構成される。また図6に示す情報埋め込み装置31は、位置検出図柄決定部33、マスク領域の抜き出し部13、マスク領域内の色の割合計算部14、クラス種類決定部15、文字列の分割と変形図柄の選択部16、変形図柄配置連結部34、環状配置部35から構成される。
【0086】
図1(a.8)では、埋め込み情報データを検出する時のために、位置検出条件を決める。ここでは、変形図柄を取り囲む正方形の画像領域の中心座標(以後,画像中心と呼ぶ)と、図柄の色が塗られた領域の重心座標(以後,領域重心と呼ぶ)がずれていることを位置検出条件とする。そこで、まず全ての変形図柄に対して、変形図柄の画像中心と図柄の領域重心を一致させる。この処理は図6で、位置検出条件の決定32に相当する。
【0087】
図1(a.9)では、位置検出条件に一致する変形図柄を決める。ここでは変形図柄の画像中心から図柄の領域重心を移動させた図柄を、位置検出図柄とする。この工程は、位置検出図柄決定部33で処理される。
【0088】
図1(a.10)では、図1(a.9)で決めた位置検出図柄を先頭に配置した後、図1(a.5)で選択した変形図柄を規則的に配置することで、情報データを埋め込んだパターン画像を生成する。この工程は、変形図柄配置連結部34で処理される。
【0089】
図1(a.11)では、情報データを埋め込んだパターン画像を、さらに規則的に配置する。この工程は、環状配置連結部35で処理される。
【0090】
この図6の情報埋め込み装置31を用いる事により、枠無しパターン画像36が生成される。
【0091】
次に、第2の課題解決手段について、データ読み込み機構は図1(b)のb.7、b.8、b.2、b.3、b.4、b.5 、b.6の手続きで構成される。また図7に示す埋め込み情報検出装置41は、画像領域検出部43、情報埋め込み領域検出部44、画像校正部24、画像分割部25、マスク領域の抜き出し部13、マスク領域内の色の割合計算部14、データ復号部26、データ連結部27から構成される。
【0092】
図1(b.7)では、検出対象画像から、変形図柄中の図柄を認識する。この工程は、画像領域検出部43で処理される。
【0093】
図1(b.8)では、位置検出条件に一致する変形図柄中の図柄を検出する。各図柄の領域重心を計算した後、各領域重心の並びからずれている領域重心を検出し、情報データが埋め込まれている領域を認識する。この工程は、情報埋め込み領域検出部44で処理される。
【0094】
この図7の埋め込み情報検出装置41を用いる事により、埋め込み情報データ28を得る。

【実施例1】
【0095】
図3は、本発明の第1の課題解決手段より192ビットの情報を埋め込んだ枠付きパターン画像(450×450)である。64×64ピクセルの変形図柄に対して、画像の中心から市街地距離で12ピクセル離れた場所に4個のマスク領域(8×8ピクセル)を用意し、各マスク領域で1ビットのデータを保持させた。このようにして1個の変形図柄に4ビットのデータを埋め込み、それを2次元格子状に49個(縦7、横7)配置した。情報データ検出用の枠の幅は1ピクセルとする。
【0096】
この枠付きパターン画像を印刷装置、例えばプリンタでモノクロ印刷し、接写レンズとほぼ平行にして携帯電話のカメラを用いて撮影して得られた画像データに対して、本発明の第1の課題解決手段による復号計算で検出された情報データと元の情報データを比較して誤りビット数を求めた結果を表1に示す。
【0097】
【表1】
JP0004910145B2_000002t.gif

【0098】
上記の表は、図2の情報埋め込み画像を、様々な大きさで印刷し、一定の解像度(1200×1600ピクセル)で10回撮影した時の検出結果である。ただし、平均ビット誤り率はビット誤り数/埋め込みビット数とする。この実験結果より、使用する変形図柄によって検出精度が変る事が分かる。また印刷サイズが小さくなるに従って、埋め込んだ情報データを完全には取り出せないことが示される。そこで、一般的な誤り訂正符号を導入し、検出精度を保障する。

【実施例2】
【0099】
図3は、本発明の第2の課題解決手段より、192ビットの情報を埋め込んだ画像(616×616)を、さらに2次元格子状に配置した枠無しパターン画像である。88×88ピクセルの変形図柄に対して、画像の中心から市街地距離で12ピクセル離れた場所に4個のマスク領域(12×12ピクセル)を用意し、各マスク領域で1ビットのデータを保持させた。1個の変形図柄に4ビットのデータを埋め込み、それを2次元格子状に49個(縦7、横7)の画像ブロックとして配置した。ある変形図柄の領域重心が、周囲の変形図柄の領域重心に比べてずれている事を位置検出条件とした。そこで変形図柄の画像中心から図柄の領域重心を市街地距離で10ピクセル移動させたものを、位置検出図柄とした。それ以外のデータが埋め込まれている変形図柄は、変形図柄の画像中心と図柄の領域重心を一致させた。
【0100】
この枠無しパターン画像を印刷装置、例えばプリンタで15inchの大きさにモノクロ印刷し、接写レンズとほぼ平行にして携帯電話のカメラを用いて撮影して得られた画像データに対して、本発明の第2の課題解決手段による復号計算で検出された情報データと元の情報データを比較して誤りビット数を求めた結果を表2に示す。
【0101】
【表2】
JP0004910145B2_000003t.gif

【0102】
上記の表は、図3の情報埋め込み画像を、一定の解像度(1200×1600ピクセル)で10回撮影した時の検出結果である。この実験結果より、埋め込んだデータを完全には取り出せないことが示される。このような場合には、一般的な誤り訂正符号を導入する事で対応できる。また、sample1の1回目、sample3の3回目は、位置検出図柄の検出に失敗しているためビット誤り個数が多くなっている。

【産業上の利用可能性】
【0103】
雑誌や新聞等の印刷物を媒介とした画像メディアコンテンツだけでなく、大型の壁紙やクロスへの印刷物、さらにはプロジェクタによってスクリーンに投影した映像までも、対象コンテンツとして扱う事ができる。請求項1、請求項2、ならびに請求項8に関しては、情報を埋め込んだパターン画像を生成するソフトウェア製品として、請求項3ならびに請求項4に関しては、カメラ画像を用いた情報取得手段を提供するソフトウェア製品として、また請求項9ならびに請求項10に関しては包装紙や壁紙などからカメラを用いた情報取得手段を提供するソフトウェア製品として、さらに請求項5、請求6、請求項7、請求項11、請求12、請求項13、および請求項14に関しては、これらのソフトウェア製品とカメラ、プリンタ、および携帯電話等のハードウェア装置を組み合わせた製品としての産業上の応用が考えられる。

【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】パターン画像への情報の埋め込み過程と読み込み過程を示した説明図
【図2】本発明の第1の課題解決手段により生成された画像の例
【図3】本発明の第2の課題解決手段により生成された画像の例
【図4】本発明の第1の課題解決手段による情報埋め込み装置の構成図
【図5】本発明の第1の課題解決手段による埋め込み情報検出装置の構成図
【図6】本発明の第2の課題解決手段による情報埋め込み装置の構成図
【図7】本発明の第2の課題解決手段による埋め込み情報検出装置の構成図
【符号の説明】
【0105】
11 本発明の第1の解決手段による情報埋め込み装置
12 情報を埋め込むための変形図柄
13 マスク領域の抜き出し部
14 マスク領域内の色の割合計算部
15 クラス種類決定部
16 文字列の分割と変形図柄の選択部
17 変形図柄配置連結部
18 検出用枠設置部
19 枠付きパターン画像
21 本発明の第1の解決手段による埋め込み情報検出装置
22 検出対象画像
23 枠認識部
24 画像校正部
25 画像分割部
26 データ復号部
27 データ連結部
28 埋め込み情報データ
31 本発明の第2の解決手段による情報埋め込み装置
32 位置検出条件の決定
33 位置検出図柄決定部
34 変形図柄配置連結部
35 環状配置連結部
36 枠無しパターン画像
41 本発明の第2の解決手段による埋め込み情報検出装置
42 検出対象画像
43 画像領域検出部
44 情報埋め込み領域検出部
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図6】
4
【図5】
5
【図7】
6