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明細書 :時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法、搬送システム、および時変形システムに対する振動抑制制御入力演算プログラム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5245085号 (P5245085)
公開番号 特開2008-202719 (P2008-202719A)
登録日 平成25年4月19日(2013.4.19)
発行日 平成25年7月24日(2013.7.24)
公開日 平成20年9月4日(2008.9.4)
発明の名称または考案の名称 時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法、搬送システム、および時変形システムに対する振動抑制制御入力演算プログラム
国際特許分類 F16F  15/02        (2006.01)
B66C  13/22        (2006.01)
FI F16F 15/02 A
B66C 13/22 M
請求項の数または発明の数 11
全頁数 39
出願番号 特願2007-040715 (P2007-040715)
出願日 平成19年2月21日(2007.2.21)
審査請求日 平成22年2月18日(2010.2.18)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304027349
【氏名又は名称】国立大学法人豊橋技術科学大学
発明者または考案者 【氏名】寺嶋 一彦
【氏名】福田 高宏
個別代理人の代理人 【識別番号】110000534、【氏名又は名称】特許業務法人しんめいセンチュリー
審査官 【審査官】岩田 健一
参考文献・文献 特開平05-270786(JP,A)
特開平09-041714(JP,A)
特開平11-021077(JP,A)
特開2001-278579(JP,A)
特開平07-257876(JP,A)
特開2000-313586(JP,A)
調査した分野 F16F 15/02
B66C 13/22
特許請求の範囲 【請求項1】
搬送体を駆動装置により移動させる間に、前記搬送体に保持された被搬送物の質量、液位、または搬送体と被搬送物との間に介在するアームの長さを変動させる場合の振動を抑制するために、前記駆動装置に加える振動抑制制御入力を決定する時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法であって、 前記被搬送物の質量、液位、またはアームの長さの変動と、固有振動数との対応関係を取得する時変形システム振動数取得工程と、
前記被搬送物の質量、液位、およびアームが介在するときはアームの長さを一定として、前記駆動装置により搬送体を移動させる場合における固有振動数に基づいて、その固有振動数の振動を抑制するための基準振動抑制入力を取得する基準振動抑制入力取得工程と、
その基準振動抑制入力取得工程により取得された基準振動抑制入力に、前記時変形システム振動数取得工程により取得した、前記被搬送物の質量、液位、またはアームの長さの変動と固有振動数との対応関係を反映させた、振動抑制制御入力を決定する振動抑制制御入力決定工程とを備え、前記記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法において、前記振動抑制制御入力決定工程は、式(1)のu(t)に基づく振動抑制制御入力を決定することを特徴とする時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法。
JP0005245085B2_000044t.gif但し
uV:基準振動抑制入力
XV:被搬送物の質量、液位、およびアームが介在するときはアームの長さを一定として、駆動装置に基準振動抑制入力uVを入力した場合における被搬送物の振動
【数1】
JP0005245085B2_000045t.gif
ki(t)は、時間tにおけるi次モードのプロセスゲイン、ωi(t)は時間tにおけるi次モードの固有振動数
【数2】
JP0005245085B2_000046t.gif
【数3】
JP0005245085B2_000047t.gif
【数4】
JP0005245085B2_000048t.gif
nはモード数
【数5】
JP0005245085B2_000049t.gif

【請求項2】
前記駆動装置に所定のテスト入力を入力し、前記搬送体を移動させる間に、前記被搬送物の質量、液位、またはアームの長さを変動させるテスト工程と、そのテスト工程により、前記搬送体を移動させる間における、前記被搬送物の振動を測定する振動測定工程と、前記テスト工程により入力されたテスト入力と、前記振動測定工程により測定された振動との関係から、前記被搬送物の質量、液位、およびアームが介在するときはアームの長さを一定とした場合の固有振動数である基準固有振動数を同定するパラメータ同定工程とを備え、前記基準振動抑制入力取得工程は、そのパラメータ同定工程により同定された基準固有振動数に基づいて、基準振動抑制入力を取得することを特徴とする請求項1記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法。

【請求項3】
前記パラメータ同定工程により、複数のモードの基準固有振動数が同定された場合、前記基準振動抑制入力取得工程は、前記複数のモードに対応した基準振動抑制入力を取得することを特徴とする請求項2記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法。

【請求項4】
前記時変形システム振動数取得工程は、前記テスト工程により入力されたテスト入力と、前記振動測定工程により測定された振動との関係から、前記被搬送物の質量、液位、またはアームの長さの変動と、固有振動数との対応関係を取得するものであることを特徴とする請求項2または3に記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法。

【請求項5】
前記テスト工程は、前記被搬送物を第1位置から第2位置まで移動させる間に、前記被搬送物の質量、液位、またはアームの長さを変動させる工程であり、前記時変形システム振動数取得手段は、前記被搬送物を第1位置から第2位置まで移動させる間における、前記被搬送物の質量、液位、またはアームの長さの変動と固有振動数との対応関係を取得することを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法。

【請求項6】
前記振動抑制制御入力決定工程により決定された振動抑制制御入力を、前記テスト工程におけるテスト入力として入力し、そのテスト入力に基づいて、前記時変形システム振動数取得工程と、前記パラメータ同定工程と、前記基準振動抑制入力取得工程と、前記振動抑制制御入力決定工程とを繰り返す繰り返し工程とを備えることを特徴とする請求項2から5のいずれかに記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法。

【請求項7】
前記基準振動抑制入力取得工程により取得される基準振動抑制入力は、少なくとも1つの入力と、その入力に起因する振動と逆位相の振動を生じさせる1以上の入力とを含むことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法。

【請求項8】
請求項1から7のいずれかの方法により決定された振動抑制制御入力を記憶する記憶手段と、その記憶手段に記憶された振動抑制制御入力が入力される駆動装置と、その駆動装置により駆動されると共に、被搬送物を保持する搬送体とを備えたことを特徴とする搬送システム。

【請求項9】
前記搬送体は、前記駆動装置により水平方向へ駆動されると共に、アームを介して前記被搬送物を吊り下げるものであり、前記搬送体と被搬送物との間に介在するアームの長さを変動させるアーム長変動手段を備えることを特徴とする請求項8記載の搬送システム。

【請求項10】
請求項1に記載の、時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法を利用する搬送システムであって、被搬送物を保持する搬送体と、その搬送体を移動させる駆動装置と、前記搬送体を駆動装置により移動させる間に、前記搬送体に保持された被搬送物の質量、液位、または搬送体と被搬送物との間に介在するアームの長さを変動させる場合の振動を抑制するために、前記駆動装置に加える振動抑制制御入力を決定する時変形システムに対する振動抑制制御入力決定手段とを備えた搬送システムであり、前記被搬送物の質量、液位、またはアームの長さの変動と、固有振動数との対応関係を取得する時変形システム振動数取得手段と、前記被搬送物の質量、液位、およびアームが介在するときはアームの長さを一定として、前記駆動装置により搬送体を移動させる場合における固有振動数に基づいて、その固有振動数の振動を抑制するための基準振動抑制入力を取得する基準振動抑制入力取得手段とを備え、前記振動抑制制御入力決定手段は、その基準振動抑制入力取得手段により取得された基準振動抑制入力に、前記時変形システム振動数取得手段により取得した、前記被搬送物の質量、液位、またはアームの長さの変動と固有振動数との対応関係を反映させ、前記の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法により振動抑制制御入力を決定するものであることを特徴とする搬送システム。
【請求項11】
求項1に記載の、時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法により決定される振動抑制制御入力演算プログラムであり、搬送体を駆動装置により移動させる間に、前記搬送体に保持された被搬送物の質量、液位、または搬送体と被搬送物との間に介在するアームの長さを変動させる場合の振動を抑制するために、前記駆動装置に加える振動抑制制御入力を、コンピュータに演算させる時変形システムに対する振動抑制制御入力プログラムであって、前記被搬送物の質量、液位、またはアームの長さの変動と、固有振動数との対応関係を取得する時変形システム振動数取得ステップと、前記被搬送物の質量、液位、およびアームが介在するときはアームの長さを一定として、前記駆動装置により搬送体を移動させる場合における固有振動数に基づいて、その固有振動数の振動を抑制するための基準振動抑制入力を取得する基準振動抑制入力取得ステップと、その基準振動抑制入力に、前記時変形システム振動数取得ステップにより取得した、前記被搬送物の質量、液位、またはアームの長さの変動と、固有振動数との対応関係を反映させた、前記振動抑制制御入力を演算する振動抑制制御入力演算ステップとを、コンピュータに演算させる時変形システムに対する振動抑制制御入力演算プログラム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法、搬送システム、および時変形システムに対する振動抑制制御入力演算プログラムに関し、特に、高い制振効果が得られる時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法、搬送システム、および時変形システムに対する振動抑制制御入力演算プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
工場などにおいて、クレーン、ガントリローダ、ロボットアームなどの搬送システムが用いられている。これらの搬送システムは、生産効率の向上のために高速性が要求されている。
【0003】
図16は、従来の搬送システムの一例を模式的に示す図である。この搬送システムは、レール100と、そのレール100を走行する台車101と、アーム102とが設けられており、アーム102により被搬送物103を吊り下げて搬送するシステムである。この搬送システムにおいて、制振制御を行わずに台車101を高速で走行させると、台車101の加速時、または減速時に被搬送物103に大きな振動が発生する。台車101の走行時に被搬送物103が大きく振動すると周囲の作業者にとって危険である。また、停止した後、短時間で次の工程に移るために、被搬送物103の残留振動は可能な限り小さいことが望ましい。搬送システムでは、高速化と振動は相反する問題であるが、高速化と制振を同時に実現するための様々な制御法が提案されている。
【0004】
図17を参照して、制振制御の一例である逆位相入力制御(Preshaping制御)について説明する。図17(a)は、従来の逆位相入力制御においてモータに入力される入力加速度を示すグラフであり、図17(b)は、その入力加速度をモータに与えた結果、得られる制振効果を示すグラフである。
【0005】
図17(a)に示すように、時間tにおいて第1入力aを加えたとする。この第1入力aに起因して、図17(b)に実線で示すような振動が生じる。そして、その振動の半周期後である時間tに、図17(a)に示すように、第2入力aを加える。すると、この第2入力aに起因して、図17(b)に波線で示すような振動が生じる。この第2入力aに起因する振動が、第1入力aに起因する振動と同じ振幅を有し、且つ逆の位相を有していれば、第1入力aに起因する振動と、第2入力aに起因する振動とが互いに相殺し合い、図17(b)の一点鎖線で示すように、振動を抑制することができる。
【0006】
このような、第1入力aと第2入力a、およびこれらの入力を加える時間t,tは、搬送システムの固有振動数に基づいて算出することができる。図16に示すような搬送システムにおいて、アーム長Lおよび荷物103の質量mを常に一定に保てば、固有振動数は一定であるので、第1入力aと、第2入力aと、時間t,tを、公知の公式により求めることができ、制御入力を簡単に整形することができる。
【0007】

【特許文献1】米国特許第4916635号明細書
【特許文献2】米国特許第6102221号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の逆位相入力制御には以下のような問題点があった。第一に、従来の逆位相入力制御は、固有振動数が一定のシステムに対しては、高い制振効果が得られるものの、固有振動数が変動するシステムに対しては、十分な効果が得られないという問題点が挙げられる。例えば、アーム長Lを一定として、荷物103を横方向のみに移動させる場合、固有振動数は一定であるから、従来の逆位相入力制御で高い制振効果を得ることができる。
【0009】
これに対し、荷物103を横方向に移動させつつ、同時にアーム長Lも変動させる場合、すなわち横方向への移動途中にアーム長Lが変動する場合には、そのアーム長Lの変動に伴って固有振動数が変動し、問題となる。
【0010】
図18は、図16に図示した搬送システムにおける、アーム長Lと固有振動数ωとの関係を示すグラフである。図18に示すように、アーム長Lが長くなるほど、固有振動数ωが低周波となる関係がある。
【0011】
したがって、固有振動数ωが一定であることを前提として制御入力を決定する逆位相入力制御では、搬送中における固有振動数ωの変動に対応できず、十分な制振効果が得られない。また、被搬送物が液体である場合、搬送中にその液位が変化する場合も同様に、その液位の変動に伴って固有振動数が変動するから、従来の逆位相入力制御では、十分な制振効果が得られず、アーム長を変動させる場合と同様の問題が生じる。
【0012】
第二の問題点として、従来の逆位相入力制御は、1次モードの振動を好適に抑制することができるものの、高次モードの振動には対応できないという問題点が挙げられる。特に、近年の搬送システムにおいては、高速化および稼働エネルギー低減のために、搬送アームなどの軽量化が図られている。軽量化のために低剛性材料が用いられて構造が柔軟になると、高次モードの振動が発生しやすくなり、従来の逆位相入力制御では、十分な制振効果が得られない。
【0013】
したがって、このような固有振動数の変動が生じる搬送システムあるいは高次モードの振動が発生し得る搬送システムにおいて、好適に振動を抑制することができる制御法が、各種産業界で求められている。
【0014】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、高い制振効果を得ることができる時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法、搬送システム、および時変形システムに対する振動抑制制御入力演算プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
請求項1記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法は、搬送体を駆動装置により移動させる間に、前記搬送体に保持された被搬送物の質量、液位、または搬送体と被搬送物との間に介在するアームの長さを変動させる場合の振動を抑制するために、前記駆動装置に加える振動抑制制御入力を決定する時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法であって、 前記被搬送物の質量、液位、またはアームの長さの変動と、固有振動数との対応関係を取得する時変形システム振動数取得工程と、前記被搬送物の質量、液位、およびアームが介在するときはアームの長さを一定として、前記駆動装置により搬送体を移動させる場合における固有振動数に基づいて、その固有振動数の振動を抑制するための基準振動抑制入力を取得する基準振動抑制入力取得工程と、その基準振動抑制入力取得工程により取得された基準振動抑制入力に、前記時変形システム振動数取得工程により取得した、前記被搬送物の質量、液位、またはアームの長さの変動と固有振動数との対応関係を反映させた、振動抑制制御入力を決定する振動抑制制御入力決定工程とを備え、前記記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法において、前記振動抑制制御入力決定工程は、下記式(1)のu(t)に基づく振動抑制制御入力を決定することを特徴とする時変形システムに対する振動抑制制御入力決定工程とを備えることを特徴とする。
JP0005245085B2_000002t.gif但し
uV:基準振動抑制入力
XV:被搬送物の質量、液位、およびアームが介在するときはアームの長さを一定として、駆動装置に基準振動抑制入力uVを入力した場合における被搬送物の振動
【数6】
JP0005245085B2_000003t.gif
ki(t)は、時間tにおけるi次モードのプロセスゲイン、ωi(t)は時間tにおけるi次モードの固有振動数
【数7】
JP0005245085B2_000004t.gif
【数8】
JP0005245085B2_000005t.gif
【数9】
JP0005245085B2_000006t.gif

【0016】
請求項2記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法は、請求項1記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法において、前記駆動装置に所定のテスト入力を入力し、前記搬送体を移動させる間に、前記被搬送物の質量、液位、またはアームの長さを変動させるテスト工程と、そのテスト工程により、前記搬送体を移動させる間における、前記被搬送物の振動を測定する振動測定工程と、前記テスト工程により入力されたテスト入力と、前記振動測定工程により測定された振動との関係から、前記被搬送物の質量、液位、およびアームが介在するときはアームの長さを一定とした場合の固有振動数である基準固有振動数を同定するパラメータ同定工程とを備え、前記基準振動抑制入力取得工程は、そのパラメータ同定工程により同定された基準固有振動数に基づいて、基準振動抑制入力を取得することを特徴とする。
【0017】
請求項3記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法は、請求項2記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法において、前記パラメータ同定工程により、複数のモードの基準固有振動数が同定された場合、前記基準振動抑制入力取得工程は、前記複数のモードに対応した基準振動抑制入力を取得することを特徴とする。
【0018】
請求項4記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法は、請求項2または3に記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法において、前記時変形システム振動数取得工程は、前記テスト工程により入力されたテスト入力と、前記振動測定工程により測定された振動との関係から、前記被搬送物の質量、液位、またはアームの長さの変動と、固有振動数との対応関係を取得するものであることを特徴とする。
【0019】
請求項5記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法は、請求項2から4のいずれかに記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法において、前記テスト工程は、前記被搬送物を第1位置から第2位置まで移動させる間に、前記被搬送物の質量、液位、またはアームの長さを変動させる工程であり、前記時変形システム振動数取得手段は、前記被搬送物を第1位置から第2位置まで移動させる間における、前記被搬送物の質量、液位、またはアームの長さの変動と固有振動数との対応関係を取得することを特徴とする。
【0020】
請求項6記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法は、請求項2から5のいずれかに記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法において、前記振動抑制制御入力決定工程により決定された振動抑制制御入力を、前記テスト工程におけるテスト入力として入力し、そのテスト入力に基づいて、前記時変形システム振動数取得工程と、前記パラメータ同定工程と、前記基準振動抑制入力取得工程と、前記振動抑制制御入力決定工程とを繰り返す繰り返し工程とを備えることを特徴とする。
【0021】
請求項7記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法は、請求項1から6のいずれかに記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法において、前記基準振動抑制入力取得工程により取得される基準振動抑制入力は、少なくとも1つの入力と、その入力に起因する振動と逆位相の振動を生じさせる1以上の入力とを含むことを特徴とする。
【0022】
請求項8記載の搬送システムは、請求項1から7のいずれかの方法により決定された振動抑制制御入力を記憶する記憶手段と、その記憶手段に記憶された振動抑制制御入力が入力される駆動装置と、その駆動装置により駆動されると共に、被搬送物を保持する搬送体とを備えたことを特徴とする。
【0023】
請求項9記載の搬送システムは、請求項8記載の搬送システムにおいて、前記搬送体は、前記駆動装置により水平方向へ駆動されると共に、アームを介して前記被搬送物を吊り下げるものであり、前記搬送体と被搬送物との間に介在するアームの長さを変動させるアーム長変動手段を備えることを特徴とする。
【0024】
請求項10記載の搬送システムは、被搬送物を保持する搬送体と、その搬送体を移動させる駆動装置と、前記搬送体を駆動装置により移動させる間に、前記搬送体に保持された被搬送物の質量、液位、または搬送体と被搬送物との間に介在するアームの長さを変動させる場合の振動を抑制するために、前記駆動装置に加える振動抑制制御入力を決定する振動抑制制御入力決定手段とを備えたものであって、前記被搬送物の質量、液位、またはアームの長さの変動と、固有振動数との対応関係を取得する時変形システム振動数取得手段と、前記被搬送物の質量、液位、およびアームが介在するときはアームの長さを一定として、前記駆動装置により搬送体を移動させる場合における固有振動数に基づいて、その固有振動数の振動を抑制するための基準振動抑制入力を取得する基準振動抑制入力取得手段とを備え、前記振動抑制制御入力決定手段は、その基準振動抑制入力取得手段により取得された基準振動抑制入力に、前記時変形システム振動数取得手段により取得した、前記被搬送物の質量、液位、またはアームの長さの変動と固有振動数との対応関係を反映させ、前記記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法において、前記振動抑制制御入力決定工程は、式(1)のu(t)に基づく振動抑制制御入力を決定する時変形システムに対する振動抑制制御入力を決定するものであることを特徴とする。
【0025】
なお、この請求項10記載の搬送システムには、請求項2から7に記載の各工程が、手段として設けられていても良い。
【0026】
請求項11記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力演算プログラムは、搬送体を駆動装置により移動させる間に、前記搬送体に保持された被搬送物の質量、液位、または搬送体と被搬送物との間に介在するアームの長さを変動させる場合の振動を抑制するために、前記駆動装置に加える振動抑制制御入力を、コンピュータに演算させるプログラムであって、前記被搬送物の質量、液位、またはアームの長さの変動と、固有振動数との対応関係を取得する時変形システム振動数取得ステップと、前記被搬送物の質量、液位、およびアームが介在するときはアームの長さを一定として、前記駆動装置により搬送体を移動させる場合における固有振動数に基づいて、その固有振動数の振動を抑制するための基準振動抑制入力を取得する基準振動抑制入力取得ステップと、その基準振動抑制入力に、前記時変形システム振動数取得ステップにより取得した、前記被搬送物の質量、液位、またはアームの長さの変動と、固有振動数との対応関係を反映させ、前記振動抑制制御入力決定工程は、式(1)のu(t)に基づく振動抑制制御入力を決定することを特徴とする時変形システムに対する振動抑制制御入力を演算する振動抑制制御入力演算ステップとを、コンピュータに演算させるプログラムである。
【0027】
なお、この請求項11記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力演算プログラムは、請求項2から7に記載の各工程をステップとして、コンピュータに実行させるものであっても良い。
【発明の効果】
【0028】
請求項1記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法によれば、時変形システム振動数取得工程により、被搬送物の質量、液位、またはアームの長さの変動と、固有振動数との対応関係が取得される。そして、基準振動抑制入力取得工程により、被搬送物の質量、液位、およびアームが介在するときはアームの長さを一定として、駆動装置により搬送体を移動させる場合における固有振動数に基づいて、その固有振動数の振動を抑制するための基準振動抑制入力が取得される。そして、その基準振動抑制入力取得工程により取得された基準振動抑制入力に、時変形システム振動数取得工程により取得した、前記被搬送物の質量、液位、またはアームの長さの変動と前記固有振動数との対応関係を反映させた、振動抑制制御入力が、振動抑制制御入力決定工程により決定される。
このとき、前記振動抑制制御入力決定工程は、前記式(1)のu(t)に基づく振動抑制制御入力を決定することを特徴とする時変形システムに対する振動抑制制御入力決定工程とを備えることを特徴とする。
【0029】
よって、被搬送物の質量、液位、またはアームの長さの変動に伴う固有振動数の変動を考慮した振動抑制制御入力を決定することができるので、その振動抑制制御入力を駆動装置に入力することにより、被搬送物の質量、液位、またはアームの長さの変動に拘わらず、高い制振効果を得ることができるという効果がある。また、本願発明では、数3、数4のベクトル表記に有るように、高次モードまで考慮した制御式となっている。このため、残留振動が少ない効果がある。
【0030】
なお、時変形システム振動数取得工程は、被搬送物の質量、液位、またはアームの長さのうち、いずれか1つの変動と、固有振動数との対応関係を取得するものであっても良いし、2以上の変動と、固有振動数との対応関係を取得するものであっても良い。
【0031】
請求項2記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法によれば、請求項1記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法と同様に作用する上、テスト工程により、駆動装置に所定のテスト入力が入力され、搬送体を移動させる間に、被搬送物の質量、液位、またはアームの長さが変動させられる。そして、そのテスト工程により搬送体を移動させる間における、被搬送物の振動が測定される。そして、テスト工程により入力されたテスト入力と、振動測定工程により測定された振動との関係から、被搬送物の質量、液位、およびアームが介在するときはアームの長さを一定とした場合の固有振動数である基準固有振動数が、パラメータ同定工程により同定される。そして、そのパラメータ同定工程により同定された基準固有振動数に基づいて、基準振動抑制入力が取得される。
【0032】
よって、請求項2に記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法によれば、請求項1記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法の奏する効果に加え、振動モデルが不明のシステムについても、振動抑制制御入力を容易に決定することができるという効果がある。
【0033】
請求項3記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法によれば、請求項2記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法の奏する効果に加え、パラメータ同定工程により、複数のモードの基準固有振動数が同定された場合、基準振動抑制入力取得工程は、複数のモードに対応した基準振動抑制入力を取得するので、高次モードを含む振動に対応した振動抑制制御入力を決定することができる。よって、搬送システムに発生する高次モードの振動を十分に制振制御をすることができるという効果がある。またその結果、搬送システムを低剛性材料で構成して軽量化することができ、稼働エネルギー節約の効果が得られる。
【0034】
請求項4記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法によれば、請求項2または3に記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法と同様に作用する上、テスト工程により入力されたテスト入力と、振動測定工程により測定された振動との関係から、被搬送物の質量、液位、またはアームの長さの変動と、固有振動数との対応関係が取得される。
【0035】
よって、請求項4記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法によれば、請求項2または3に記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法の奏する効果に加え、工程数が少なく作業が容易であるという効果がある。
【0036】
請求項5記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法によれば、請求項2から4のいずれかに記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法と同様に作用する上、被搬送物を第1位置から第2位置まで移動させる間における、被搬送物の質量、液位、またはアームの長さの変動と固有振動数との対応関係が取得される。
【0037】
よって、請求項5記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法によれば、請求項2から4のいずれかに記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法の奏する効果に加え、予め定められた第1位置から第2位置への搬送を繰り返し行うバッチ型の搬送において、高い制振効果が得られるという効果がある。
【0038】
請求項6記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法によれば、請求項2から5のいずれかに記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法と同様に作用する上、振動抑制制御入力決定工程により決定された振動抑制制御入力が、テスト工程におけるテスト入力として入力され、そのテスト入力に基づいて、時変形システム振動数取得工程と、パラメータ同定工程と、基準振動抑制入力取得工程と、振動抑制制御入力決定工程とを繰り返される。ここで、テスト入力として、振動抑制制御入力が入力されるので、パラメータ同定工程においては、振動抑制制御入力が持っている周波数帯域で、より正確な基準固有振動数を同定することができ、その正確な基準固有振動数に基づいて、基準振動抑制入力を取得することができる。その結果、全周波数を含んだ入力を加える場合に比較して、より精度の高い振動抑制制御入力を決定することができる。
【0039】
よって、請求項6記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法によれば、請求項2から5のいずれかに記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法の奏する効果に加え、より高い制振効果が得られる振動抑制制御入力を決定することができるという効果がある。
【0040】
請求項7記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法によれば、請求項1から6のいずれかに記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法の奏する効果に加え、基準振動抑制入力取得工程により取得される基準振動抑制入力は、少なくとも1つの入力と、その入力に起因する振動と逆位相の振動を生じさせる1以上の入力とを含むものであるので、基準振動抑制入力を簡単な演算で整形することができるという効果がある。
【0041】
請求項8記載の搬送システムによれば、請求項1から7のいずれかの方法により決定された振動抑制制御入力が駆動装置に入力され、その駆動装置により、被搬送物を保持する搬送体が駆動されるので、高い制振効果が得られるという効果がある。また、その結果、高速搬送においても残留振動が抑制され、生産タクトタイムを短縮することができるという効果がある。
【0042】
請求項9記載の搬送システムによれば、請求項8記載の搬送システムの奏する効果に加え、搬送体は、駆動装置により水平方向へ駆動されると共に、アームを介して被搬送物を吊り下げると共に、搬送体と被搬送物との間に介在するアームの長さを変動させるアーム長変動手段を備えた搬送システムにおいて、高い制振効果が得られるという効果がある。
【0043】
請求項10記載の搬送システムによれば、時変形システム振動数取得手段により、被搬送物の質量、液位、またはアームの長さの変動と、固有振動数との対応関係が取得され、被搬送物の質量、液位、およびアームが介在するときはアームの長さを一定として、駆動装置により搬送体を移動させる場合における固有振動数に基づいて、その固有振動数の振動を抑制するための基準振動抑制入力が、基準振動抑制入力取得手段により取得される。そして、その基準振動抑制入力取得手段により取得された基準振動抑制入力に、前記時変形システム振動数取得手段により取得した、前記被搬送物の質量、液位、またはアームの長さの変動と固有振動数との対応関係を反映させた、振動抑制制御入力が、振動抑制制御入力決定手段により決定される。
【0044】
よって、被搬送物の質量、液位、またはアームの長さの変動に伴う固有振動数の変動を考慮した振動抑制制御入力を決定することができるので、その振動抑制制御入力を駆動装置に入力することにより、被搬送物の質量、液位、またはアームの長さの変動に拘わらず、高い制振効果を得ることができるという効果がある。また、その結果、高速搬送においても残留振動が抑制され、生産タクトタイムを短縮することができるという効果がある。
【0045】
請求項11記載の時変形システムに対する振動抑制制御入力演算プログラムによれば、時変形システム振動数取得ステップにより、被搬送物の質量、液位、またはアームの長さの変動と、固有振動数との対応関係が取得され、被搬送物の質量、液位、およびアームが介在するときはアームの長さを一定として、駆動装置により搬送体を移動させる場合における固有振動数に基づいて、その固有振動数の振動を抑制するための基準振動抑制入力が、基準振動抑制入力取得ステップにより取得される。そして、その基準振動抑制入力に、時変形システム振動数取得ステップにより取得した、被搬送物の質量、液位、またはアームの長さの変動と、固有振動数との対応関係を反映させた、振動抑制制御入力が、振動抑制制御入力演算ステップにより演算される。
【0046】
よって、被搬送物の質量、液位、またはアームの長さの変動に伴う固有振動数の変動を考慮した振動抑制制御入力を決定することができるので、その振動抑制制御入力を駆動装置に入力することにより、被搬送物の質量、液位、またはアームの長さの変動に拘わらず、高い制振効果を得ることができるという効果がある。また、その結果、高速搬送においても残留振動が抑制され、生産タクトタイムを短縮することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態が適用される搬送システム1の正面図である。図1に示すように、搬送システム1は、制御装置としてのパーソナルコンピュータ10(以下、PC10という)と、そのPC10によって制御されるガントリローダ20とが設けられている。
【0048】
ガントリローダ20は、水平方向に設けられた架設レール22と、架設レール22上を走行する走行台24と、鉛直方向に昇降可能な昇降ロッド26とが設けられており、昇降ロッド26の下端にローダヘッド28が取り付けられている。ローダヘッド28には、2個のローダチャック30が横向きと下向き姿勢とに設けられている。また、ローダチャック30によって把持されるワークWまたはローダヘッド28のいずれかに、ワークWの振動を測定するための加速度センサ49(図2参照)が取り付けられる。
【0049】
走行台24は、後述するX軸サーボモータ40(図2参照)により架設レール22に沿って水平方向へ駆動されると共に、昇降ロッド26を介してワークWを吊り下げ、搬送する。なお、以下の説明では、架設レール22の長手方向をx方向と称し、昇降ロッド26の昇降方向をz方向と称する。また、架設レール22の上端からローダチャック30までの長さを、アーム長と称する。
【0050】
ガントリローダ20によれば、まず、第1位置34において、下向きのローダチャック30でワーク供給台35上のワークWを把持し、X軸方向サーボモータ(図2参照)により走行台24をx方向に移動させる。このx方向への移動の間に、Z軸方向サーボモータ(図2参照)により昇降ロッド26をz方向に上昇させる。これにより、ローダチャック30に把持されたワークWを、第1位置34から第2位置36まで搬送し、工作機械37にワークWをセットまたは回収することができる。
【0051】
本実施形態では、ガントリローダ20により、ワークWを第1位置34から第2位置36まで搬送する際には、走行台24をx方向へ移動させる間に、昇降ロッド26を上昇させることにより、ワークWを搬送する。これに対し、走行台24をx方向へ移動させた後に昇降ロッド26を上昇させる、或いは、昇降ロッド26を目的とする高さまで上昇させた後に走行台24をx方向へ移動させることとしても、第2位置36までワークWを搬送することができるが、走行台24の移動と昇降ロッド26の上昇とを並行して行った方が、搬送が短時間で済むからである。
【0052】
ワークW搬送の際、ローダチャック30は、慣性力や固有振動数により振動しようとする。振動が大きいと工作機械37への挿入ミスなどが発生するため、振動が減衰するのを待って挿入することになるが、本実施形態では、PC10により、振動を起こし難い入力(以下、振動抑制制御入力という)を決定し、ガントリローダ20に入力することにより、振動が抑制された動作を行わせることができるので、短時間で次の工程に移ることができる。
【0053】
以下、PC10における時変形システムに対する振動抑制制御入力の決定方法について、詳細に説明する。ここで説明する、時変形システムに対する振動抑制制御入力の決定方法は、1次モードだけでなく、高次モードの振動まで適用可能であるが、理解を容易にするために、まずは、第1実施形態として、1次モードの振動のみを考慮した振動抑制制御入力の決定方法について説明し、その後、高次モードの振動までを考慮した振動抑制制御入力の決定方法について説明する。
【0054】
図2は、搬送システム1の電気的な構成を示すブロック図である。PC10は、CPU11と、ROM12と、RAM13と、ハードディスクドライブ14(以下、HDD14と称する)と、入出力ポート15とを備えている。
【0055】
CPU11は、このPC10を総括的に制御する中央演算処理であり、図10のフローチャートで示す処理を実行するプログラムなどの各種プログラムを実行する。
【0056】
ROM12は、CPU11により実行される各種制御プログラムや、それらの制御プログラムをCPU11により実行する上で必要なデータなどを格納した書き換え不能なメモリである。
【0057】
RAM13は、CPU11により実行される各種処理に必要なデータやプログラムを一時的に記憶するためのメモリである。このRAM13は、テスト入力U記憶エリア13aと、振動X記憶エリア13bと、パラメータ(ω,ζ,k)記憶エリア13cと、時変形システム振動数ω(t)記憶エリア13dと、基準振動抑制入力u記憶エリア13eと、基準振動抑制出力X記憶エリア13fとを備えている。
【0058】
テスト入力U記憶エリア13aは、ワークWを第1位置34から第2位置36(図1参照)まで搬送するテスト走行を行うときに、X軸サーボモータ40に入力されるテスト入力Uを記憶するエリアである。なお、このテスト入力Uは、全周波数を含むランダム入力または広範囲な帯域の周波数を含む入力である。
【0059】
振動X記憶エリア13bは、ワークWを第1位置34から第2位置36(図1参照)まで搬送するときに、加速度センサ49によって測定されるワークWの振動Xを記憶するエリアである。
【0060】
図3を参照して、テスト入力Uと振動Xとについて説明する。図3(a)は、時間とテスト入力Uとの関係を示すグラフである。図3(b)は、図3(a)に示すテスト入力Uが、X軸サーボモータ40に入力された場合の走行台24の速度を示すグラフである。このようなテスト入力UがX軸サーボモータ40に入力されると、走行台24は、例えば1秒間加速された後、2秒間の定速走行を行い、1秒間の減速を経て、停止する。
【0061】
図3(c)は、テスト入力Uが入力された場合における、時間と、x方向の移動距離との関係を示すグラフである。図3(c)に示すグラフは、第1位置34から第2位置36までの搬送において、走行台24は、x方向へ3m移動し、その移動は4秒間で行われることを示している。
【0062】
図3(d)は、第1位置34から第2位置36までの移動における、時間とアーム長との関係を示すグラフである。上述したように、テスト入力がX軸サーボモータ40に入力されることにより、走行台24はx方向へ移動するが、その移動が行われる4秒の間に、Z軸サーボモータ44を定速回転させることにより、昇降ロッド26が上昇し、図3(d)に示したように、アーム長をlからlまで一定速度で短くする。
【0063】
図3(e)は、図3(a)に示すテスト入力Uに基づくx方向への移動と、図3(d)に示すようアーム長の変動とが並行して行われる搬送において、加速度センサ49により測定された、ワークWの振動Xを示すグラフである。図3(e)に示すように、0秒から1秒における加速時、および3秒から4秒における減速時に、大きな振幅の振動が発生することが分かる。また搬送中に生じる大きな振動のため、搬送終了後も、残留振動が表れていることが分かる。この加速度センサ49により測定された振動Xが、振動X記憶エリア13bに記憶される。
【0064】
図2に戻り説明する。パラメータ(ω,ζ,k)記憶エリア13cは、第1位置34から第2位置36までの搬送において生じる振動のパラメータを記憶するエリアである。ここでは、パラメータとして、固有振動数ωと、減衰係数ζと、プロセスゲインkとが記憶される。これらパラメータの同定は、以下の手順で行われる。まず、図3(a)に示すような時系列のテスト入力Uと、図3(e)に示すような時系列の振動Xとを、ショートタイムフーリエ解析することにより、第1位置34から第2位置36への搬送における、各サンプリングタイム毎の周波数応答を求め伝達関数Gを決定する。なお、伝達関数Gは、下記(2)式のように表される関数である。
JP0005245085B2_000007t.gif
【0065】
そして、周波数応答に(2)式の伝達関数がフィッティングするように、作成された伝達関数Gに従って、各サンプリングタイム毎に、固有振動数ω、減衰係数ζ、プロセスゲインkを最小二乗法により同定する。
【0066】
図4は、一例として、時間t=2における振動モデルを示す周波数-ゲイン線図であって、横軸に振動数をとり、縦軸に伝達関数Gのゲインをとって示すグラフである。図4に示す周波数-ゲイン線図において、固有振動数ωは、伝達関数Gのゲインがピークを示す振動数に相当するパラメータである。また、減衰係数ζは、半値幅υ-υに基づき求まるパラメータである。また、プロセスゲインkは、ピーク値に基づいて求まるパラメータである。
【0067】
図2に戻り説明する。時変形システム振動数ω(t)記憶エリア13dは、時変形システム振動数ω(t)を記憶するエリアである。
【0068】
図5を参照して、時変形システム振動数ω(t)について説明する。図5は、時変形システム振動数ω(t)を示すグラフである。図5に示すように、時変形システム振動数ω(t)は、第1位置34から第2位置36までの搬送における、時間と固有振動数ωとの対応関係である。アーム長が短いほど、固有振動数ωは高くなるので、図3(c)に示すように、時間の経過と共にアーム長が次第に短くなる搬送を行うと、それに伴い、図5に示すように、固有振動数ωが増大する。このアーム長の変動と、固有振動数ωとの対応関係が、時変形システム振動数ω(t)として、時変形システム振動数ω(t)記憶エリア13dに記憶される。
【0069】
ここで、図5に示すように、第1位置34から第2位置36への搬送において、固有振動数ωは、2〔Hz〕から3〔Hz〕まで変動している。したがって、この変化幅における中間の値、例えば2.5〔Hz〕が、基準固有振動数ωとして定めるものとする。換言すれば、第1位置34から第2位置36までの搬送においてアーム長をlからlに変動させる場合、その変動における平均のアーム長(l+l)/2に対応する固有振動数ωを、基準固有振動数ωとして定める。
【0070】
図2に戻り説明する。基準振動抑制入力u記憶エリア13eは、基準振動抑制入力uを記憶するためのエリアである。基準振動抑制入力uは、基準固有振動数ωと、その基準固有振動数ωの減衰係数ζに基づき定まる入力である。この基準振動抑制入力uは、逆位相法により、振動を抑制するための入力である。
【0071】
図6を参照して、基準振動抑制入力uについて説明する。図6は、基準振動抑制入力uに含まれる第1の入力Aと、第2の入力Aとを模式的に示す図である。ここで、第1の入力Aと第2の入力Aとは、図6に示すように、第1の入力Aの大きさを「1」としたとき、第2の入力Aの大きさがKで表される関係にある。また、第1の入力Aを加えた後、時間ΔT後に、第2の入力Aが加えられる関係にある。このような第1の入力Aと第2の入力Aとを含む基準振動抑制入力uを用いれば、第1の入力Aに基づく振動と第2の入力Aに基づく振動とが逆位相となって互いに相殺し合い、固有振動数がωの振動を好適に抑制することができるのである。なお、第2の入力Aの大きさK、第2の入力Aを加えるタイミングΔTは、図6に示す演算式により算出されるが、1次モードの振動抑制入力算出のための公知の式であるため、詳細な説明は省略する。
【0072】
図2に戻り説明する。基準振動抑制出力X記憶エリア13fは、基準振動抑制出力Xを記憶するエリアである。この基準振動抑制出力Xは、アーム長を一定の(l+l)/2として、基準振動抑制入力uをX軸サーボモータ40に入力した場合の振動出力である。上述したように、基準振動抑制入力uは基準固有振動数ωの振動を好適に抑制することができる入力であるから、この基準振動抑制出力Xは、振動が抑制された出力であり、下記の状態方程式(3)を用いて算出することができる。
JP0005245085B2_000008t.gif但し、
JP0005245085B2_000009t.gifV1:基準振動抑制出力Xの振れ角 XV2:基準振動抑制出力Xの振れ角速度
【0073】
ここで、第1位置34から第2位置36への搬送では、x方向への移動の間にアーム長がlからlに変動するので、固有振動数ωが時々刻々と変動し、基準振動抑制入力uをそのまま入力したとしても、基準振動抑制出力Xのような振動が抑制された出力とはならない。
【0074】
図7は、基準振動抑制入力uを入力した場合の、第1位置34から第2位置36までの搬送をシュミレーションした結果を示すグラフである。図7(a)は、基準振動抑制入力uを示すグラフである。上述したように、基準振動抑制入力uによれば第1の入力Aの後に、その入力に起因する振動を相殺するための第2の入力Aを加えるので、図7(a)に示すように、加速度の上昇および低下は、いずれも2段階で行われる。図7(b)は、基準振動抑制入力uをX軸サーボモータ40に加えたときの、走行台24の速度を表すグラフである。図7(b)に示すように、基準振動抑制入力uを入力した場合は、図3(b)に示した台形速度に比較すると、定速走行に入る直前の速度上昇が緩やかであり、また定速走行直後の減速が緩やかに行われることが分かる。
【0075】
図7(c)は、第1位置34から第2位置36への搬送の間におけるワークWの振動を示すグラフである。図7(c)に示すように、制振制御を行わない場合の振動X(図3(e)参照)に比較すると、振動は抑制されているものの、十分な制振効果は得られておらず、搬送終了後において残留振動が観
察される。
【0076】
よって、本実施形態の時変形システムに対する振動抑制制御入力の決定方法では、基準振動抑制入力uと、基準振動抑制出力Xと、時変形システム振動数ω(t)を用いて、アーム長の変動を反映した振動抑制制御入力u(t)を演算する。発明者は、鋭意研究の結果、アーム長の変動がある搬送においても、高い制振効果を得ることができる振動抑制制御入力u(t)を算出するための、下記(4)式を導出した。なお、下記(4)式は、請求の範囲に記載した(1)式に対応する式である。
JP0005245085B2_000010t.gif 但し u:基準振動抑制入力 X:基準振動抑制出力
JP0005245085B2_000011t.gif
【0077】
上記(4)式は、振動抑制制御入力u(t)の決定方法を方程式で表したものである。また、図8は、(4)式に示される振動抑制制御入力u(t)決定のアルゴリズムをブロック線図で示した図である。
【0078】
以下、上記(4)式の導出までの流れについて説明する。
【0079】
第1位置34から第2位置36への搬送において、各時間tの固有振動数は、時変形システム振動数ω(t)で表されるから(図5参照)、振動抑制制御入力u(t)を入力したときの出力Xは、時変形システム振動数ω(t)を用いて、下記(5)の状態方程式により表される。
JP0005245085B2_000012t.gif 但し、
JP0005245085B2_000013t.gif:振動抑制制御入力u(t)を入力したときの振れ角X:振動抑制制御入力u(t)を入力したときの振れ角速度 上述した(3)式で求まる基準振動抑制出力Xは、振動が抑制された出力であるから、上記(5)式の状態方程式の出力Xが基準振動抑制出力Xと等しければ、振動が抑制されることとなる。よって、(5)式における出力Xを(3)式の基準振動抑制出力Xとおく。すなわち、下記(6)式が成立する。
JP0005245085B2_000014t.gif そして、(3)式と(6)式より、下記(7)式が成立する。
JP0005245085B2_000015t.gif この(7)式を整理することにより、振動抑制制御入力u(t)を求めることができる上記(4)式が導出されるのである。
【0080】
図9は、上記(4)式に従って決定された振動抑制制御入力u(t)と、その振動抑制制御入力u(t)を入力した場合の、第1位置34から第2位置36までのワークWの搬送をシュミレーションした結果とを示すグラフである。図9(a)は、振動抑制制御入力u(t)を示すグラフである。図9(a)に示すように、振動抑制制御入力u(t)は、図7(a)に示した基準振動抑制入力uよりもさらに滑らかに変化する。
【0081】
図9(b)は、振動抑制制御入力u(t)を、X軸サーボモータ40に加えたときの、走行台24の速度を表すグラフである。図9(c)は、第1位置34から第2位置36への搬送の間におけるワークWの振動を示すグラフである。図9(c)から、振動抑制制御入力u(t)により、高い制振効果が得られていることが分かる。特に、図7(c)と比較すると、搬送終了後、短時間で残留振動が消滅していることが観察される。
【0082】
図2に戻り説明する。HDD14は、ハードディスクドライブであり、振動抑制制御入力演算プログラム14aが記憶される。この振動抑制制御入力演算プログラム14aは、図10のフローチャートで示す処理を実行するプログラムである。なお、図10に示す処理によって決定された振動抑制制御入力u(t)は、このHDD14に記憶され、必要に応じて読み出されて、ガントリローダ20に出力される。
【0083】
入出力ポート15は、PC10とガントリローダ20との間における信号の入出力制御を行うものである。これらCPU11と、ROM12と、RAM13と、HDD14と、入出力ポート15とは、バスを介して互いに接続されている。
【0084】
ガントリローダ20は、X軸サーボコントローラ38と、X軸サーボモータ40と、Z軸サーボコントローラ42と、Z軸サーボモータ44と、X軸ロータリーエンコーダ46と、Z軸ロータリーエンコーダ48と、加速度センサ49とが設けられている。
【0085】
X軸サーボコントローラ38は、PC10からの指令を受けて、X軸サーボモータ40に駆動指令信号を出力するものである。X軸サーボモータ40は、X軸サーボコントローラ38からの駆動指令信号を受けて、走行台24を駆動する。
【0086】
Z軸サーボコントローラ42は、PC10からの指令を受けて、Z軸サーボモータ44に駆動指令信号を出力するものである。Z軸サーボモータ44は、Z軸サーボコントローラ42からの駆動指令信号を受けて、昇降ロッド26を昇降させる。
【0087】
X軸ロータリーエンコーダ46は、X軸サーボモータ40の加速度および走行台24の速度を測定し、PC10に入力するためのものである。Z軸ロータリーエンコーダ48は、アーム長を測定し、PC10に入力するためのものである。加速度センサ49は、ローダチャック30に設けられており、ローダチャック30に把持されたワークWの振動を測定し、PC10に入力するためのものである。
【0088】
図10は、PC10において実行される振動抑制制御入力u(t)決定処理を示すフローチャートである。この振動抑制制御入力u(t)決定処理は、PC10において、オペレータが第1位置34と第2位置36とを指定し、振動抑制制御入力u(t)の決定処理の開始を指示すると、起動する処理である。
【0089】
まず、第1位置34と第2位置36との間のx方向距離に基づいて、テスト入力Uが決定され、テスト入力U記憶エリア13a(図2参照)に記憶される(S1)。具体的には、図3(b)に示すような台形速度で走行台24が駆動されるように、テスト入力Uが決定される。
【0090】
次に、第1位置34のアーム長lと第2位置36のアーム長lとに基づいて、Z軸サーボモータ44への入力を決定する(S2)。この入力は、テスト入力Uにより走行台24がx方向に移動する間、アーム長が一定速度でlからlまで変動するように決定される入力である。
【0091】
次に、S1により決定されたテスト入力UをX軸サーボモータ40に出力して走行台24をx方向へ走行させると共に、そのx方向への移動の間に、S2により決定された入力によりZ軸サーボモータ44を駆動し、アーム長をlからlまで変動させることにより、テスト走行を行う(S3)。なお、このテスト走行は、ローダチャック30によりワークWを把持した状態で行う。
【0092】
次に、加速度センサ49により取得された、ワークWの振動Xを振動X記憶エリア13b(図2参照)に記憶する(S4)。そして、テスト入力Uと振動Xとを、それぞれショートタイムフーリエ変換し、周波数応答に変換する(S6)。
【0093】
次に、周波数応答から伝達関数を求め、各時間毎の固有振動数ω、減衰係数ζ、プロセスゲインkを最小二乗法により同定し、パラメータ記憶メモリ13c(図2参照)に記憶する(S8)。そして、同定された各時間毎の固有振動数ωに基づいて、アーム長の変動と固有振動数ωとの対応関係を表す、時変形システム振動数ω(t)(図5参照)を取得する(S10)。
【0094】
次に、時変形システム振動数ω(t)に基づいて、基準固有振動数ωを決定する(S12)。そして、基準固有振動数ωの振動を抑制することができる基準振動抑制入力uを取得し、基準振動抑制入力u記憶エリア13eに記憶する(S14)。
【0095】
次に、その基準振動抑制入力uに基づいて、状態方程式を用いて、シミュレーションにより基準振動抑制出力Xを決定する(S16)。そして、基準振動抑制入力uと、基準振動抑制出力Xと、時変形システム振動数ω(t)とに基づいて、上記(4)式で示される振動抑制制御入力u(t)が決定され、HDD14に記憶される(S18)。
【0096】
第1実施形態の時変形システムに対する振動抑制制御入力の決定方法によれば、アーム長変動に伴う固有振動数ωの変動を考慮した振動抑制制御入力u(t)を決定することができるので、その振動抑制制御入力u(t)をX軸サーボモータ40に入力することにより、アーム長の変動に拘わらず、高い制振効果を得ることができる。
【0097】
また、テスト走行において測定された振動Xとテスト入力Uとの関係から、テスト走行(実験)により、固有振動数ω、減衰係数ζ、プロセスゲインkを同定するので、理論的な振動モデルが、元々不明であったシステムについても、振動抑制制御入力u(t)を決定することができる。
【0098】
また、テスト走行時におけるテスト入力Uと振動Xとの関係から時変形システム振動数ω(t)を取得しているので、時変形システム振動数ω(t)取得のための再度のテスト走行を行う必要がなく、作業が容易である。
【0099】
また、決定された振動抑制制御入力u(t)は、HDD14に記憶されるので、第1位置34から第2位置36への搬送を繰り返し行うバッチ型の搬送において、繰り返し用いられ、簡単な処理で高い制振効果が得られる。
【0100】
また、振動抑制制御入力u(t)を決定するために必要な基準振動抑制入力uは、公知の逆位相入力制御と同様の演算で、簡単に整形することができる。よって、振動抑制制御入力u(t)を容易に決定することができる。
【0101】
なお、第1実施形態では、図6を参照して説明した第1の入力Aと第2の入力Aとに基づいて、基準振動抑制入力uを整形するものとして説明したが、基準振動抑制入力uを求める演算方法はこれに限られない。
【0102】
図11を参照して、基準振動抑制入力uを求める他の演算方法について説明する。図11は、基準振動抑制入力uに含まれる入力を模式的に示す図であり、図6に相当する図である。図6に示した演算方法によれば、第1の入力Aの後、ΔT後に振動抑制のための第2の入力Aが加えられていた。これに対し、図11に示す演算方法によれば、第1の入力Aの後、その第1の入力Aによる振動を抑制するための、第2の入力Aと第3の入力Aとが加えられる。なお、第2の入力Aの大きさ2Kと、その第2の入力Aを加えるタイミングΔT、および第3の入力Aの大きさKと、その第3の入力Aを加えるタイミング2ΔTを求める演算式は、図11に記載している通りである。
【0103】
図11に示すように、第1の入力Aに起因する振動を、第2の入力Aと第3の入力Aとで抑制する基準振動抑制入力uを整形した場合、ロバスト性が高い振動抑制制御入力u(t)を求めることができる。すなわち、このようにして求められた振動抑制制御入力u(t)を用いると、経時的な摩耗、電圧の変動、アーム長の計測誤差や、ワークWの質量のバラツキなどに関わらず、安定して高い制振効果が得られるのである。なお、図11に示す演算式の導出までの流れは、後に詳細に説明する。
【0104】
次に、第2実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、1次モードの振動のみが発生する場合について説明したが、第2実施形態では、高次モードの振動が発生する
場合について説明する。なお、本第2実施形態において、上述した第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0105】
第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、まず、図3(a)に示すような時系列のテスト入力Uと、図3(e)に示すような時系列の振動Xとを、ショートタイムフーリエ解析することにより、第1位置34から第2位置36への搬送において、各サンプリングタイム毎に、振動モデルを表す伝達関数Gが作成される。
【0106】
ここで、振動が2次モードまで発生する場合について説明する。図12(a)は、時間t=2における振動モデルを示す周波数-ゲイン線図であって、図4に対応する図である。図12(a)に示す周波数-ゲイン線図では、2つのピークが表れている。低周波側の振動数が1次モードの固有振動数として同定され、高周波側の振動数が2次モードの固有振動数として同定される。
【0107】
2次モードまでの振動が発生する場合も、第1実施形態と同様に、第1位置34から第2位置36までの搬送においてアーム長をlからlに変動させる場合の平均のアーム長(l+l)/2に対応する基準固有振動数ωを定める。この場合、基準固有振動数ωは、1次モードの固有振動数ωv1と2次モードの固有振動数ωv2とからなるから、下記(8)式で表すことができる。なお、1次モードの固有振動数ωv1の振動と2次モードの固有振動数ωv2の振動との合成波が、加速度センサ49によって測定される振動に相当する。
JP0005245085B2_000016t.gif
【0108】
次に、第1実施形態と同様に、基準固有振動数ωを抑制するための基準振動抑制入力uを求める。
【0109】
図12(b)を参照して、2次モードまでを考慮した場合の基準振動抑制入力uについて説明する。図12(b)は、2次モードまでを考慮した基準振動抑制入力uに含まれる第1の入力Aと、第2の入力Aと、第3の入力Aと、第4の入力Aとを模式的に示す図である。図12(b)に示すように、第1の入力Aの大きさを「1」としたとき、第2の入力Aは大きさがKで表され、第3の入力Aは大きさがKで表され、第4の入力Aは大きさがKで表される関係にある。
【0110】
そして、第1の入力Aを加えた後、時間ΔT後に、第2の入力Aが加えられ、時間ΔT後に第3の入力Aが加えられ、時間ΔT+ΔT後に第4の入力Aが加えられる。このような第1の入力A、第2の入力A、第3の入力A、第4の入力Aを含む基準振動抑制入力uを用いれば、第1の入力Aに基づく振動とそれ以降の入力に基づく振動とが互いに相殺し合い、2次モードまで含む振動であっても好適に抑制することができる。
【0111】
なお、ΔT、ΔT、K、Kは、図12(b)に示す演算式により算出される。この図12(b)に示す演算式は、2次モードまでを考慮した基準振動抑制入力uを整形するために、本発明者が鋭意研究の結果、導出した新規の式である。この演算式導出までの過程は、後に詳述する。また、本発明者は、3次モードまでを考慮した基準振動抑制入力uを整形するための演算式も導出したので、これについても後に詳述する。
【0112】
このようにして基準振動抑制入力uが整形されると、第1実施形態の時変形システムに対する振動抑制制御入力の決定方法と同様に、基準振動抑制入力uと、基準振動抑制出力Xと、時変形システム振動数ω(t)を用いて、アーム長の変動を反映した振動抑制制御入力u(t)を下記(9)式により演算する。なお、下記(9)式は、上述した第1実施形態で説明した(4)式を、n次モード(nは正の整数)まで展開した式であり、請求の範囲に記載した(1)式に対応する式である。
JP0005245085B2_000017t.gif但しu:基準振動抑制入力X:被搬送物の質量、液位、およびアームが介在するときはアームの長さを一定として、駆動装置に基準振動抑制入力uを入力した場合における被搬送物の振動B’(t):上記「数5」で示した通りであるA:上記「数6」で示した通りであるB:上記「数7」で示した通りであるX:上記「数8」で示した通りであるnはモード数
【0113】
第2実施形態の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法によれば、複数のモードの基準固有振動数ωが同定された場合、その複数のモードに対応した基準振動抑制入力uを取得し、その複数のモードに対応した基準振動抑制入力uに基づいて、振動抑制制御入力u(t)を決定することができる。よって、その振動抑制制御入力u(t)をX軸サーボモータ40に入力することにより、高次モードを含む振動についても、高い制振効果を得ることができる。
【0114】
上述した第2実施形態では説明を分かりやすくするために、まず、2次モードまでを考慮して説明したが、第2実施形態の時変形システムに対する振動抑制制御入力決定方法は、3以上のモードにも適用可能である。したがって、以下に、3次モードまでを考慮する場合について説明する。3次モードまで振動が発生する場合も、同様に、第1位置34から第2位置36までの搬送においてアーム長をlからlに変動させる場合の平均のアーム長(l+l)/2に対応する基準固有振動数ωを定めるが、この場合の基準固有振動数ωは、1次モードの固有振動数ωV1と、2次モードの固有振動数ωV2と、3次モードの固有振動数ωV3からなる。
【0115】
図13は、3次モードまでを考慮した基準振動抑制入力uに含まれる第1の入力Aから第8の入力Aまでを模式的に示す図である。図13に示すように、第1の入力Aの大きさを「1」としたとき、第2の入力Aは大きさがKで表され、第3の入力Aは大きさがKで表され、第4の入力Aは大きさがKで表される関係にある。
【0116】
さらに、第5の入力Aは大きさがKで表され、第6の入力Aは大きさがKで表され、第7の入力Aは大きさがKで表され、第8の入力Aは大きさがKで表される関係にある。
【0117】
そして、第1の入力Aを加えた後、時間ΔT後に、第2の入力Aが加えられ、時間ΔT後に第3の入力Aが加えられ、時間ΔT+ΔT後に第4の入力Aが加えられる。また、時間ΔT後に、第5の入力Aが加えられ、時間ΔT+ΔT後に第6の入力Aが加えられ、時間ΔT+ΔT後に第7の入力Aが加えられ、時間ΔT+ΔT+ΔT後に第8の入力Aが加えられる。
【0118】
このような第1の入力Aから第8の入力Aを含む基準振動抑制入力uを用いれば、第1の入力Aに基づく振動とそれ以降の入力に基づく振動とが互いに相殺し合い、3次モードまで含む振動であっても好適に抑制することができる。
【0119】
そして、このようにして決定された基準振動抑制入力uと、基準振動抑制出力Xと、時変形システム振動数ω(t)を用いて、アーム長の変動を反映した振動抑制制御入力u(t)を上記(9)式により演算する。このようにすれば、3次モードを含む振動についても、高い制振効果を得ることができる振動抑制制御入力u(t)を決定することができる。
【0120】
なお、ΔT、ΔT、ΔT、K、K、Kは、図13に示す演算式により算出される。この図13に示す演算式は、3次モードまでを考慮した基準振動抑制入力uを整形するために、本発明者が鋭意研究の結果、導出した式であるから、この演算式導出までの過程は、後に詳述する。
【0121】
次に、第3実施形態について説明する。上述した第1実施形態および第2実施形態は、テスト走行を1回のみ行い、振動抑制制御入力u(t)を決定する形態であったが、第3実施形態は、テスト走行を繰り返すことにより、さらに高精度な振動抑制制御入力u(t)を決定しようとする形態である。なお、本第2実施形態において、上述した第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0122】
図14を参照して、繰り返し同定処理について説明する。図14は、第3実施形態のPC10において実行される繰り返し同定処理を示すフローチャートである。この繰り返し同定処理は、PC10において、オペレータが、繰り返し同定処理の開始を指示すると、起動する処理である。なお、この繰り返し同定処理は、振動抑制制御入力u(t)決定処理(図10参照)により、既に振動抑制制御入力u(t)が決定され、その決定された値がHDD14に記憶されている場合に実行される。
【0123】
まず、HDD14に記憶されている、振動抑制制御入力u(t)を読み出して、X軸サーボモータ40に出力することにより、走行台24をx方向へ走行させると共に、そのx方向への移動の間に、Z軸サーボモータ44を駆動し、アーム長lからlまで変動させて、テスト走行を行う(S20)。なお、このテスト走行は、前回の振動抑制制御入力決定処理(図10参照)の実行時にローダチャック30により把持されていたワークWと同一質量のワークWを、ローダチャック30に把持させた状態で行うものとする。
【0124】
次に、テスト走行の間に加速度センサ49により取得された振動Xを、PC10のモニターに表示する(S22)。そして、振動出力結果に満足か否かをオペレータに問い合わせる(S24)。モニターを見たオペレータが振動出力結果に満足した場合(S24:Yes)、S20の処理で読み出した振動抑制制御入力u(t)を、再びHDD14に記憶し(S26)、処理を終了する。前回までに決定された振動抑制制御入力u(t)で十分な制振効果が得られることが明らかとなったからである。
【0125】
一方、モニターを見たオペレータが振動出力結果に不満足であった場合(S24:No)、振動抑制制御入力u(t)を再決定する処理を行う。
【0126】
すなわち、S20の処理において、テスト入力として入力された振動抑制制御入力u(t)と、測定された振動Xとを、それぞれショートタイムフーリエ変換し、周波数応答に変換する(S28)。
【0127】
そして、周波数応答から伝達関数を求め、各時間毎の固有振動数ω、減衰係数ζ、プロセスゲインkを最小二乗法により
同定し、パラメータ記憶メモリ13c(図2参照)に記憶する(S30)。ここでは、より高精度のパラメータを得ることができる。すなわち、上述した振動抑制制御入力決定処理(図10参照)では、全周波数成分を調べるために、全周波数を含むランダム入力または広範囲な帯域の周波数を含むテスト入力を入力していたので、全周波数帯域にエネルギーが分散し、注目帯域においてそれほど強い信号成分が得られない。よって、条件によっては、ノイズの影響を受け易く、パラメータを正確に同定できない可能性があった。これに対し、この繰り返し同定処理では、テスト入力として振動抑制制御入力u(t)を入力することから、注目帯域においてより強い信号成分を得ることができ、高精度にパラメータを同定できるのである。
【0128】
そして、以下のステップでは、より高精度なパラメータに基づいて、時変形システム振動数ω(t)が取得され(S32)、また、基準固有振動数ωが決定され(S34)、かつ、基準振動抑制入力uが決定される(S36)。
【0129】
そして、その基準振動抑制入力uに基づいて、基準振動抑制出力Xが決定され(S38)、基準振動抑制入力uと、基準振動抑制出力Xと、時変形システム振動数ω(t)とに基づいて、上記(4)式または(9)式で示される振動抑制制御入力u(t)が決定される(S40)。したがって、前回決定時よりも、より制振効果の高い振動抑制制御入力u(t)を決定することができるのである。
【0130】
そして、S20の処理に戻り、決定した振動抑制制御入力u(t)をX軸サーボモータ40に出力することにより、走行台24をx方向へ走行させると共に、そのx方向への移動の間に、Z軸サーボモータ44を駆動し、アーム長lからlまでを変動させることにより、再度のテスト走行を行う(S20)。そして、テスト走行の間に加速度センサ49により取得された振動Xを、PC10のモニターに表示し(S22)、振動出力結果に満足か否かをオペレータに問い合わせる(S24)。このようにして、オペレータが振動出力結果に満足するまでの間、処理を繰り返す。
【0131】
第3実施形態の繰り返し同定処理によれば、テスト走行の際に、前回までに決定された振動抑制制御入力u(t)が入力されるので、より精度の高い振動抑制制御入力u(t)を決定することができる。なお、本発明者は、シミュレーションを重ねた結果、繰り返し同定処理の繰り返し回数を多くすればするほど、より高精度のパラメータを同定することができ、その結果、より制振効果が高い振動抑制制御入力u(t)を決定できることを知見した。
【0132】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
【0133】
例えば、上記実施形態では、振動抑制制御入力u(t)を、ガントリローダ20に入力していたが、制御対象はガントリローダ20に限られず、クレーンや、工場で用いられるロボットアームなど、各種搬送装置に適用することができる。
【0134】
図15を参照して、振動抑制制御入力u(t)による制御対象の変形例について説明する。図15は、実施形態のガントリローダ20に替えて用いられる、液体搬送装置50を示す図である。この液体搬送装置50は、液体52を容器54に収容して走行台56により搬送するための装置であり、その搬送過程において、走行台56と並進する滴下装置58から液体が滴下されるシステムである。また、容器54には、液面の振動を測定するための液面センサ60が設けられている。このような搬送システムによれば、走行台56の移動の過程において、被搬送物である液体52の質量および液位(液面高さ)が変動する。
【0135】
このような搬送システムにおいても、搬送中、液体52の液位の変動のために固有振動数ωが変動するが、実施形態で説明した方法で決定した振動抑制制御入力u(t)を、走行台56の駆動装置に入力することにより、高い制振効果を得ることができる。よって、走行台56を高速で走行させても、液体52のあふれや飛び散りを抑制すると共に高速搬送することができる。なお、容器54から液体52を流出させながら搬送する場合も、液位の変動のために固有振動数ωが変動するが、同様に、振動抑制制御入力u(t)を走行台56の駆動装置に入力することにより高い制振効果を得ることができる。
【0136】
また、上述した実施形態では、時間と固有振動数との対応関係である、時変形システム振動数ω(t)を用いて、振動抑制制御入力u(t)を決定していたが、被搬送物の質量、液位、またはアームの長さの変動と、固有振動数との対応関係を表すものであれば、時変形システム振動数ω(t)以外のものが用いられても良い。たとえば、アーム長毎の固有振動数ω(l)を用いて、振動抑制制御入力u(t)を決定するように、振動抑制制御入力u(t)決定処理(図10参照)または繰り返し同定処理(図14参照)を変形しても良い。また、被搬送物の液位h毎の固有振動数ω(h)を用いて、振動抑制制御入力u(t)を決定するように構成しても良い。
【0137】
また、上述した実施形態では、変動の過程における平均のアーム長(l+l)/2に対応する固有振動数ωを、基準固有振動数ωとして定めていたが、基準固有振動数ωの決定法はこれに限られず、第1位置34から第2位置36までの搬送におけるいずれかの時点の固有振動数ωを基準固有振動数ωとして定めてもよい。
【0138】
また、上述した実施形態では、第1位置34から第2位置36への搬送のみを行うものとして説明したが、x方向への移動距離が同一であり、そのx方向への移動の間におけるアーム長の変動が同一である搬送については、同じ振動抑制制御入力u(t)を用いて制振効果を得ることができる。
【0139】
また、上述した実施形態では、(4)式または(9)式を用いて決定した振動抑制制御入力u(t)をそのまま用いるものとして説明したが、(4)式または(9)式を用いて決定した振動抑制制御入力u(t)に基づいて、駆動装置に対する制御入力を求めるように構成しても良い。
【0140】
上述の説明で用いた各演算式を導出するまでの流れを、以下にまとめて説明する。<1次モードに対する入力の大きさとタイミング(図6に対応)>N個のインパルス入力による振動の振幅は,式(18)で与えられる.
JP0005245085B2_000018t.gif ここで
JP0005245085B2_000019t.gif振動を抑制するにはAamp=0となる必要がある.よって式(18)は,
JP0005245085B2_000020t.gifとなる.ここで
JP0005245085B2_000021t.gif 式(19)となるには
JP0005245085B2_000022t.gif となり,式(20)は式(21)のようにまとめられる.
JP0005245085B2_000023t.gifインパルス入力が2個の場合,式(21)は式(22)となる.
JP0005245085B2_000024t.gif初期入力をt1=0,A1=1とすることによって,式(22)の解は,
JP0005245085B2_000025t.gifとなる。すなわち、1次モードに対する入力(インパルス入力)の大きさとタイミングは、図6に示したようになる。
【0141】
<入力が3個の場合の大きさとタイミング(図11に対応)>システムの固有振動数のばらつきによるモデル誤差に対して,入力のロバスト性を増すために新たに制約を追加する.追加する式を式(24)に示す.これは式(24)を振動数ωで微分したものである.
JP0005245085B2_000026t.gifインパルス入力を2個から3個に増やし,3個の入力を式(25)よりもとめる.
JP0005245085B2_000027t.gif 初期入力t1=0,A1=1とすることによって式(25)の解は,
JP0005245085B2_000028t.gif となる。よって、入力(インパルス入力)が3個の場合の大きさとタイミングは、図11に示したようになる。
【0142】
<2次モードに対する入力の大きさとタイミング(図12(b)に対応)>
JP0005245085B2_000029t.gif システムの振動を2次モードまで考慮し,システムの伝達関数が式(27)で表される場合,インパルス入力は式(28)~式(30)を解くことによって求められる。
JP0005245085B2_000030t.gif 初期入力t1=0,A1=1とすることにより式(28)の解は,
JP0005245085B2_000031t.gif式(29)の解は,
JP0005245085B2_000032t.gif式(30)の解は,
JP0005245085B2_000033t.gif となる。すなわち、2次モードに対する入力(インパルス入力)の大きさとタイミングは、図12(b)に示したようになる。
【0143】
<3次モードに対する入力の大きさとタイミング(図13に対応)>
JP0005245085B2_000034t.gif システムの振動を3次モードまで考慮し,システムの伝達関数が式(34)で表される場合,インパルス入力は式(35)~式(41)を解くことによって求められる.
JP0005245085B2_000035t.gifJP0005245085B2_000036t.gif初期入力t1=0,A1=1とすることにより式(35)の解は,
JP0005245085B2_000037t.gif となる.式(36)の解は,
JP0005245085B2_000038t.gif 式(37)の解は,
JP0005245085B2_000039t.gif 式(38)の解は,
JP0005245085B2_000040t.gif 式(39)の解は,
JP0005245085B2_000041t.gif 式(40)の解は,
JP0005245085B2_000042t.gif 式(41)の解は,
JP0005245085B2_000043t.gif となる。すなわち、3次モードに対する入力(インパルス入力)の大きさとタイミングは、図13に示したようになる。
【図面の簡単な説明】
【0144】
【図1】本発明の実施形態が適用される搬送システムの正面図である。
【図2】図1に示す搬送システムの電気的な構成を示すブロック図である。
【図3】(a)は、時間とテスト入力Uとの関係を示すグラフである。(b)は、(a)に示すテスト入力Uが、X軸サーボモータに入力された場合の走行台の速度を示すグラフである。(c)は、テスト入力Uが入力された場合における、時間と、x方向の移動距離との関係を示すグラフである。(d)は、第1位置から第2位置までの移動における、時間とアーム長との関係を示すグラフである。(e)は、加速度センサにより測定された、ワークWの振動Xを示すグラフである。
【図4】時間t=2における振動モデルを示す周波数-ゲイン線図である。
【図5】時変形システム振動数ω(t)を示すグラフである。
【図6】基準振動抑制入力uに含まれる第1の入力Aと、第2の入力Aとを模式的に示す図である。
【図7】(a)は、基準振動抑制入力uを示すグラフである。(b)は、基準振動抑制入力uを、X軸サーボモータに加えたときの、走行台の速度を表すグラフである。(c)は、第1位置から第2位置への搬送の間におけるワークWの振動を示すグラフである。
【図8】振動抑制制御入力u(t)を求めるアルゴリズムをブロック線図で示した図である。
【図9】(a)は、振動抑制制御入力u(t)を示すグラフである。(b)は、振動抑制制御入力u(t)を、X軸サーボモータに加えたときの、走行台の速度を表すグラフである。(c)は、第1位置から第2位置への搬送の間におけるワークWの振動を示すグラフである。
【図10】PCにおいて実行される振動抑制制御入力u(t)決定処理を示すフローチャートである。
【図11】基準振動抑制入力uに含まれる3つの入力を模式的に示す図であり、図6に相当する図である。
【図12】(a)は、時間t=2における振動モデルを示す周波数-ゲイン線図であって、図4に対応する図である。(b)は、2次モードまでを考慮した基準振動抑制入力uに含まれる第1の入力Aと、第2の入力Aと、第3の入力Aと、第4の入力Aとを模式的に示す図である。
【図13】3次モードまでを考慮した基準振動抑制入力uに含まれる第1の入力Aから第8の入力Aまでを模式的に示す図である。
【図14】第3実施形態のPCにおいて実行される繰り返し同定処理を示すフローチャートである。
【図15】実施形態のガントリローダに替えて用いられる、液体搬送装置を示す図である。
【図16】従来の搬送システムの一例を模式的に示す図である。
【図17】(a)は、従来の逆位相入力制御においてモータに入力される入力加速度を示すグラフであり、(b)は、その入力加速度をモータに与えた結果、得られる制振効果を示すグラフである。
【図18】図16に図示した搬送システムにおける、アーム長Lと固有振動数ωとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0145】
1 搬送システム10 PC(コンピュータの一例)14 HDD(記憶手段の一例)14a 時変形システムに対する振動抑制制御入力演算プログラム24 走行台(搬送体の一例)34 第1位置36 第2位置40 X軸サーボモータ(駆動装置の一例)44 Z軸サーボモータ(アーム長変動手段)W ワーク(被搬送物の一例)l,l アームの長さu(t) 振動抑制制御入力u 基準振動抑制入力ω(t) 被搬送物の質量、液位、またはアームの長さの変動と固有振動数との対応関係S10,S32 時変形システム振動数取得工程,時変形システム振動数取得手段,時変形システム振動数取得ステップS14,S36 基準振動抑制入力取得工程,基準振動抑制入力取得手段,基準振動抑制入力取得ステップS18,S40 振動抑制制御入力決定工程,振動抑制制御入力決定手段、振動抑制制御入力決定ステップS3,S20 テスト工程S4,S22 振動測定工程S8,S30 パラメータ同定工程S20~S40 繰り返し工程
図面
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【図18】
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