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明細書 :微粒子及びその微粒子の製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5145562号 (P5145562)
登録日 平成24年12月7日(2012.12.7)
発行日 平成25年2月20日(2013.2.20)
発明の名称または考案の名称 微粒子及びその微粒子の製造方法
国際特許分類 C08F 220/24        (2006.01)
C08F 220/34        (2006.01)
C08F   8/00        (2006.01)
C08J   3/12        (2006.01)
FI C08F 220/24
C08F 220/34
C08F 8/00
C08J 3/12 CEYZ
請求項の数または発明の数 8
全頁数 15
出願番号 特願2007-536447 (P2007-536447)
出願日 平成18年9月8日(2006.9.8)
国際出願番号 PCT/JP2006/317816
国際公開番号 WO2007/034688
国際公開日 平成19年3月29日(2007.3.29)
優先権出願番号 2005274599
優先日 平成17年9月21日(2005.9.21)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成21年8月21日(2009.8.21)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304027349
【氏名又は名称】国立大学法人豊橋技術科学大学
発明者または考案者 【氏名】吉田 絵里
【氏名】長久保 商人
個別代理人の代理人 【識別番号】100089635、【弁理士】、【氏名又は名称】清水 守
審査官 【審査官】久保田 英樹
参考文献・文献 特開2000-290137(JP,A)
米国特許第5944996(US,A)
特開昭57-186759(JP,A)
特開2004-075926(JP,A)
調査した分野 C08F 20/00-20/70
C08F 8/00- 8/50
C08J 3/00- 3/28
CAplus(STN)
REGISTRY(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
下記一般式(1)で示されるフッ素含有モノマーと下記一般式(2)で示されるアミン含有モノマーの共重合体を多官能性酸で非共有結合的に架橋することを特徴とする微粒子。
【化1】
JP0005145562B2_000010t.gif
上記一般式(1)中、R1 は水素原子またはメチル基、xは1~4の整数、yは5~15の整数である。
【化2】
JP0005145562B2_000011t.gif
上記一般式(2)中、R2 は水素原子またはメチル基、R3 、R4 は水素原子またはアルキル基、zは1~4の整数である。
【請求項2】
請求項に記載の共重合体からなる微粒子の表面が、前記一般式(1)で示されるフッ素含有モノマーのフッ素含有セグメントに被われ、且つ微粒子の内部が、主に前記一般式(2)で示されるアミン含有セグメント又は多官能性酸で架橋されているアミン含有セグメント、及びフッ素を含有しない主ポリマー鎖からなる微粒子。
【請求項3】
前記微粒子が球状である請求項又は記載の微粒子。
【請求項4】
超臨界ないし亜臨界二酸化炭素に請求項1に記載の共重合体及び多官能性酸を投入し、処理することによって製造された架橋共重合体からなる微粒子。
【請求項5】
超臨界ないし亜臨界二酸化炭素で、共重合体及び多官能性酸を投入し、処理する架橋共重合体からなる微粒子の製造方法。
【請求項6】
前記フッ素含有モノマーと前記アミン含有モノマーの割合を、モル比で9:1~5:5する請求項に記載の微粒子。
【請求項7】
前記多官能性酸が下記一般式(3)で示される有機酸である請求項に記載の微粒子。
HOOC-R5 -COOH …(3)
上記一般式(3)中、R5 はアルキル基、アルケニル基、アクリール基もしくはフロロアルキル基である。
【請求項8】
前記多官能性酸が前記一般式(3)で示される有機酸である請求項に記載の架橋共重合体からなる微粒子。
発明の詳細な説明 【技術分野】
本発明は、高分子の集合体からなる微粒子及びその微粒子の製造方法に関する。
【背景技術】
以前から、電子写真や印刷用および塗料の分野で用いられる高分子微粒子の製造方法としては、水もしくは有機溶剤を媒体とした懸濁重合法や乳化重合法が用いられてきた。すなわち、溶媒に重合性モノマーおよび着色剤、ワックス等を分散させ、開始剤を加えて重合後、溶媒を除去し、形成された高分子微粒子を洗浄、捕集、乾燥して高分子微粒子を得る方法である。
しかし、従来の高分子微粒子の製造法では、以下のような難点が生じ、結果として、高画質化できないとか、環境に対する負荷が大きいなどの不都合が生じる。
(1)10マイクロメートル以下の高分子微粒子を製造することが困難
(2)粒径分布の範囲が広く、分級による粒度調整が必要
(3)微粒子から溶媒を除去するための溶媒除去工程が必要
(4)廃水処理もしくは廃溶剤処理工程が必要
(5)高分子微粒子にモノマーが残留する
下記特許文献1に見られるように、従来法で得られた高分子粒子塊を機械式粉砕機とか圧縮空気を使用する高速ジェットミルで粉砕して高分子微粒子を得ることも行なわれるが、一般に高分子塊から機械的な粉砕手段で数百マイクロメートル、例えば、100マイクロメートル以下のいわゆる微粒子を得るのは困難である。
【特許文献1】
特開平8-1669号公報
【特許文献2】
特開2005-181489号公報
【非特許文献1】
新高分子実験化学2;高分子の合成—反応(1);付加系高分子の合成、高分子学会編—共立出版1995
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の高分子微粒子の製造法では困難であった粒径が10マイクロメートル以下好ましくは粒径が5マイクロメートル以下で、かつ粒度分布を調整するための分級工程が不要な程度に粒度の揃った高分子微粒子を提供する。これにより、高分子微粒子を電子写真の現像材、印刷用インク、塗料等の構成材料として使用する上で不可欠な、高分子微粒子の低粒度化あるいは所望の粒度調整を可能にする。さらに、本発明は、高分子微粒子の形成過程において、溶媒として水あるいは有機溶剤を用いないことで、高分子微粒子形成後の溶媒除去工程ならびに廃溶媒処理工程が不要な球状の高分子微粒子の製造方法を提供する。これにより、高分子微粒子の製造工程を簡素化すると共に、環境負荷の少ない製造方法を提供することを目指す。
【課題を解決するための手段】
〔1〕微粒子において、下記一般式(1)で示されるフッ素含有モノマーと下記一般式(2)で示されるアミン含有モノマーの共重合体を多官能性酸で非共有結合的に架橋することを特徴とする。
【化
JP0005145562B2_000002t.gifここで、上記一般式(1)中、R1 は水素原子またはメチル基、xは1~4の整数、yは5~15の整数である。
【化
JP0005145562B2_000003t.gifここで、上記一般式(2)中、R2 は水素原子またはメチル基、R3 、R4 は水素原子またはアルキル基、zは1~4の整数である。
〕上記〔1〕記載の共重合体からなる微粒子の表面が、前記一般式(1)で示されるフッ素含有モノマーのフッ素含有セグメントに被われ、且つ微粒子の内部が、主に前記一般式(2)で示されるアミン含有セグメント又は多官能性酸で架橋されているアミン含有セグメント、及びフッ素を含有しない主リマー鎖からなる微粒子であることを特徴とする
〕上記〔〕又は〔〕記載の微粒子は、球状であることを特徴とする
〕超臨界ないし亜臨界二酸化炭素に上記〔1〕記載の共重合体及び多官能性酸を投入し、処理することによって製造された架橋共重合体からなる微粒子であることを特徴とする
〕架橋共重合体からなる微粒子の製造方法であって、超臨界ないし亜臨界二酸化炭素共重合体及び多官能性酸を投入し、処理することを特徴とする
〕上記〔1〕記載の微粒子において、前記フッ素含有モノマーと前記アミン含有モノマーの割合を、モル比で9:1~5:5にすることを特徴とする
〕上記〔〕記載の微粒子であって、前記多官能性酸は下記一般式(3)で示される有機酸であることを特徴とする
HOOC-R5 -COOH …(3)
ここで、一般式(3)中、R5 はアルキル基、アルケニル基、アクリール基もしくはフロロアルキル基である。
〕上記〔〕記載の架橋共重合体からなる微粒子であって、前記多官能性酸が前記一般式(3)で示される有機酸であることを特徴とする
本発明者らは鋭意検討した結果、超臨界ないし亜臨界二酸化炭素中で、フッ素含有モノマーとアミン含有モノマーの共重合体に、多官能性酸を付加することにより、該共重合体を非共有結合的に架橋することで、5マイクロメートル以下の球状高分子微粒子が得られることを見出し、本発明を完成した。なお、本発明で言う微粒子とは粒径が5マイクロメートル以下の粒子もしくは粒子群を指す。
すなわち、本発明においは、下記一般式(1)で示されるフッ素含有モノマーと下記一般式(2)で示されるアミン含有モノマーの共重合体を得る。この共重合体に、超臨界二酸化炭素中で、多官能性酸を作用させることにより、高分子の集合体からなる球状微粒子が形成される。
【化
JP0005145562B2_000004t.gif 上記一般式(1)中、R1 は水素原子またはメチル基、xは1~4の整数、yは5~15の整数である。
【化
JP0005145562B2_000005t.gif 上記 一般式(2)中、R2 は水素原子またはメチル基、R3 、R4 は水素原子またはアルキル基、zは1~4の整数である。
さらに、本発明においては、上記一般式(1)で示されるフッ素含有モノマーと上記一般式(2)で示されるアミン含有モノマーの共重合体に、超臨界二酸化炭素中で、下記一般式(3)で示される有機酸、もしくは燐酸または硫酸を作用させることにより、高分子の集合体からなる球状微粒子が形成される。
HOOC-R5 -COOH …(3)
上記一般式(3)中、R5 はアルキル基、アリール基、もしくはフロロアルキル基である。
また、本発明は、超臨界二酸化炭素中で、上記一般式(1)で示されるフッ素含有モノマーと上記一般式(2)で示されるアミン含有モノマーの共重合体に、上記一般式(3)で示される多官能性酸を作用させることにより高分子の集合体からなる球状微粒子を製造する方法を提供する。
【発明の効果】
本発明によれば、比較的粒径の揃った5マイクロメートル以下の高分子の集合体からなる球状微粒子を製造することができる。また超臨界ないし亜臨界二酸化炭素中で高分子の微粒子化を行うため、常温常圧では二酸化炭素が気体に戻り、いわゆる溶媒除去工程が不要であるという利点を有する。したがって廃水乃至は廃溶剤の処理工程も不要である。さらに本発明はモノマー成分の重合により直接高分子微粒子を得る製造法ではないので、残存モノマーの心配がないなど、環境にやさしい技術を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明を図1に従って詳細に説明する。図1は本発明に基づいて構成された設備の1例であり、本発明に基づく高分子微粒子の製造設備はこれに限るものではない。前記一般式(1)で示されるフッ素含有モノマーと前記一般式(2)で示されるアミン含有モノマーの共重合体と、該共重合体に非共有結合架橋を形成するための多官能性酸を、温度制御装置5のついた高圧反応セル6に入れて蓋8をした後、ボンベ1に詰められた二酸化炭素を加圧用ポンプを経由して高圧反応セル6に供給する。高圧反応セル6内を所定の温度(20~65℃、好ましくは35~50℃)および所定の圧力(7~30MPa、好ましくは10~20MPa)に保つ。温度制御は温度制御装置5を使って行う。また圧力は圧力計を参照しながら加圧用ポンプ2、バルブ9を操作して所定値に保つ。この際、高圧反応セル6内は攪拌子等の手段により攪拌されるのが望ましい。所定の温度・圧力に5~10分間保った後、バルブ10を開放して減圧するとともに、二酸化炭素とともに噴射される生成した球状の高分子微粒子を捕集する。
ここで、該球状の高分子微粒子が生成されるメカニズムを図2に基づいて説明する。前記一般式(1)で示されるフッ素含有モノマーと前記一般式(2)で示されるアミン含有モノマーの共重合体の側鎖はパーフルオロアルキル基とアミノ基である。これに多官能性酸(図2の例ではジカルボン酸が示されているが、多官能性酸であればこれに限るものではない)を超臨界二酸化炭素中で作用させると、アミノ基とアミノ基がジカルボン酸で非共有的に結合し、高分子間の架橋が生じる。一方、架橋にかかわらないパーフロロアルキル基は外側に位置するので図2に示すような球状の高分子凝集体となる。このようにパーフロロアルキル基で覆われた球状の微粒子には強固な撥水性があり、電子写真の現像材、印刷用インク、塗料等の構成材料として用いられた場合、水に濡れてもにじまない印刷物等が得られるメリットがある。さらにパーフロロアルキル基には耐油性もあり、より恒常的な用途も考えられる。
さらに本発明は、高分子に多官能性酸を作用させて高分子間に架橋を生じさせることにより微粒子を形成するもので、モノマー成分の重合により直接得た高分子微粒子ではないこと、また該架橋は非共有的結合によって形成されるものであり、共有結合による架橋ではない点が従来の高分子微粒子と異なる。
本発明で製造される高分子微粒子は目的に応じて、共重合体を構成するモノマーの種類や組成比を選択することができるばかりでなく、非共有結合架橋を形成する多官能性酸の種類を選択することもできる。すなわち、反応性および機能性官能基の異なる多官能性酸を用いることで、幅広い機能を有した高分子微粒子を合成することができる。例えば、触媒、接着、吸着、脱臭、光エネルギー変換・蓄積、光捕集、磁性、伝導性など、さまざまな機能性物質に応用できる高分子微粒子を該多官能性酸の官能基を選ぶことにより形成できる。
前記一般式(1)で示されるフッ素含有モノマーと前記一般式(2)で示されるアミン含有モノマーの共重合体にはランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体、グループトランスファー共重合体による共重合体等があげられる。これらの共重合体の重合方法は、たとえばラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合、グループトランスファー重合等すでに公知の方法により可能である。(上記非文献文献1:新高分子実験化学2;高分子の合成—反応(1);付加系高分子の合成、高分子学会編—共立出版1995/06/15初版1刷発行)また前記一般式(1)で示されるフッ素含有モノマーと前記一般式(2)で示されるアミン含有モノマーの割合は、生成する高分子微粒子の粒度調整の観点から、モル比で9:1~5:5が望ましい。ここで、前記一般式(1)で示されるフッ素含有モノマーの割合が大きいほど生成する高分子微粒子の粒度は小さくなる。さらに、反応条件としては前記一般式(2)で示されるアミン含有モノマーの割合が大きいほど高い反応圧力を必要とする。該フッ素含有モノマーの割合が9:1より多くなると、微粒子形成に支障をきたす。また5:5より少ないと過大な反応圧力が必要となり望ましくない。
前記一般式(1)で示されるフッ素含有モノマーにおけるCH2 基の数xは、1~4が適当であるが、好ましくは1あるいは2である。xが5以上になると超臨界二酸化炭素中への溶解が悪くなり、前記架橋反応に支障をきたす。またCF2 基の数yは5~15の整数が適当であるが、好ましくは7~10である。5より小さいと十分な粒子形成が得られず、15より大きいと共重合体をつくる際、溶媒への溶解性が悪くなるので不都合を生じる。
前記一般式(2)で示されるアミン含有モノマーにおけるCH2 基の数zは、1~4が適当であるが、好ましくは1あるいは2である。4より大きいと高分子間の凝集が十分ではなくなり、微粒子体が形成されにくくなる。
さらに、前記一般式(1)、(2)で示されるモノマーと、前記一般式(3)で示される多官能性酸の具体例としては以下のものが挙げられるが本発明はこれに限るものではない。
一般式(1)で示されるモノマーの具体例は次のとおりである。
表1
JP0005145562B2_000006t.gif 一般式(2)で示されるモノマーの具体例は次の通りである。
表2
JP0005145562B2_000007t.gif 一般式(3)で示される多官能性酸の具体例は次の通りである。
表3
JP0005145562B2_000008t.gif【実施例】
【実施例1】
前記一般式(1)で示されるフッ素含有モノマーにおいて、R1 が水素原子、xが2、yが7の化合物、すなわち前記化合物No.7と、前記一般式(2)で示されるアミン含有モノマーにおいてR2 が水素原子、R3 、R4 がメチル基、zが2の化合物、すなわち前記化合物No.41とを、モル比で7:3の割合でラジカル共重合させて得られたランダム共重合体30ミリグラムと、前記一般式(3)でR5 がC7 F 14基であるジカルボン酸、すなわち前記化合物No.72、6ミリグラム及び攪拌子を、図1に示すのと同型の内容量10ml圧反応セルに仕込み、冷却した二酸化炭素を封入した。つづいて温度を35℃、圧力を15~20MPa程度に上げ、5~10分間撹拌した。その後、バルブ10からガスを抜いて圧力を下げるとともに生成物を捕集した。得られた生成物を走査型電子顕微鏡で観察した結果を図3に示す。図3は本発明により数マイクロメートル以下の球状高分子微粒子が得られたことを示す。
【実施例2】
前記一般式(1)で示されるフッ素含有モノマーにおいて、R1 が水素原子、xが2、yが7の化合物、すなわち前記化合物No.7と、前記一般式(2)で示されるアミン含有モノマーにおいてR2 が水素原子、R3 、R4 がメチル基、zが2の化合物、すなわち前記化合物No.41とを、モル比で9:1の割合でラジカル共重合させて得られたランダム共重合体30ミリグラムと、前記一般式(3)でR5 がC7 14基であるジカルボン酸、すなわち前記化合物No.72、2ミリグラム及び攪拌子を、図1に示すのと同型の内容量10mlの高圧反応セルに仕込み、冷却した二酸化炭素を封入した。つづいて温度を35℃、圧力を15~20MPa程度に上げ、5~10分間撹拌した。その後、バルブ10からガスを抜いて圧力を下げるとともに生成物を捕集した。得られた生成物を走査型電子顕微鏡で観察した結果を図4に示す。図4は本発明により数マイクロメートル以下の球状高分子微粒子が得られたことを示す。
次に、本発明の共重合体の合成方法について、図5を参照しながら説明する。 図5は本発明の共重合体の合成方法を示しており、フッ素含有モノマー1.64グラムとアミン含有モノマー0.198グラムを混合し、重合開始剤としてのAIBN(アゾビスイソブチロニトル)を7.4ミリグラム添加して脱気封管後、60℃で5~10分間、塊状重合した。生成物をヘキサフルオロベンゼンに溶解させ、ヘキサンに沈殿させると、右側に示すように、本発明のモノマーの共重合体を合成することができる。
【実施例3】
図6は本発明にかかるフッ素系高分子の接触角と転落角の特性を示す図、表1はその諸元を示す。
次に、本発明にかかるフッ素系高分子の接触角と転落角の測定方法を説明する。前記一般式(1)で示されるフッ素含有モノマーにおいて、R1 が水素原子、xが2、yが7の化合物、すなわち前記化合物No.7と、前記一般式(2)で示されるアミン含有モノマーにおいてR2 が水素原子、R3 、R4 がメチル基、zが2の化合物、すなわち前記化合物No.41とを、モル比で7:3の割合でラジカル共重合させて得られたランダム共重合体30ミリグラムと、前記一般式(3)でR5 がC7 14基であるジカルボン酸、すなわち前記化合物No.72、5.5ミリグラムを用いて、実施例2の方法で得られた球状高分子微粒子を、縦2.6センチメートル、横7.6センチメートルのスライドガラス上に貼り付けたカーボンテープに一面に塗布した。その球状高分子微粒子の粉末が塗布されたカーボンテープ上に、10マイクロリットルの超純水を滴下し、水平方向からカメラで作成した(図6(d))。その接触角を測定し、164.9°という値を得た。(図6(d)にはこの<下記表、サンプル4の>接触角の測定を具体的に示している。)一方、転落角は、スライドガラスの右端から5ミリメートルの地点に同量の超純水を滴下し、スライドガラスの左端を軸にして右端を上げていき、超純水の水滴が転落し始めた角度を測定して、15.0°の値を得た。
【表
JP0005145562B2_000009t.gif この表から明らかなように、サンプル1はテフロン(登録商標)であり、接触角は118.5°、転落角は69.0°、サンプル2は共重合体(cast)(ガラス板上にキャスト)であり、接触角は96.5°、転落角は90°より大きい、サンプル3は共重合体(CO2 )であり、接触角は161.5°、転落角は22.6、サンプル4は共重合体(CO2 )であり、架橋剤はHOOC(CF2 7 COOH(パーフルオロアゼライン酸)、接触角は164.9°、転落角15.0°、サンプル5は共重合体(CO2 )であり、架橋剤はHOOCCH=CHCOOH(マレイン酸)、接触角は165.5°、転落角16.0°、サンプル6はカーボンテープであり、接触角は80.6°、転落角は90°より大きい、サンプル7はガラス板であり、接触角は16.0°、転落角は44.0°であり、これらそれぞれの態様を図6(a)~(f)に示している。
なお、ここでは、共重合体は、化1(フッ素モノマーユニット)、化2(アミンモノマーユニット)であり、その割合は、7:3である。
図6から明らかなように、特に、本発明にかかる共重合体を用いた図6(c)~(e)(サンプル3~5)の接触角が大きく、転落角が小さく、撥水性が高いことが明らかである。
【産業上の利用可能性】
本発明の微粒子及びその微粒子の製造方法は、残存モノマーの心配がないなど、環境にやさしい微粒子及びその微粒子の製造方法として利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づいて高分子微粒子を製造する装置の例を示す図である。
【図2】高分子微粒子が生成されるメカニズムを説明する図である。
【図3】高分子微粒子の電子顕微鏡写真(実施例1)(図面代用写真)である。
【図4】高分子微粒子の電子顕微鏡写真(実施例2)(図面代用写真)である。
【図5】本発明の共重合体の合成方法を示す図である。
【図6】本発明にかかるフッ素系高分子の接触角の特性を示す図である。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5