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明細書 :高分子固定化金ナノクラスター触媒及びこの触媒を用いたイミン化合物の製法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5183655号 (P5183655)
公開番号 特開2011-184377 (P2011-184377A)
登録日 平成25年1月25日(2013.1.25)
発行日 平成25年4月17日(2013.4.17)
公開日 平成23年9月22日(2011.9.22)
発明の名称または考案の名称 高分子固定化金ナノクラスター触媒及びこの触媒を用いたイミン化合物の製法
国際特許分類 C07C 249/02        (2006.01)
C07C 251/24        (2006.01)
C07D 217/02        (2006.01)
C07D 215/04        (2006.01)
B01J  31/06        (2006.01)
C08F 212/14        (2006.01)
C07B  61/00        (2006.01)
FI C07C 249/02
C07C 251/24
C07D 217/02
C07D 215/04
B01J 31/06 Z
C08F 212/14
C07B 61/00 300
請求項の数または発明の数 4
全頁数 10
出願番号 特願2010-052536 (P2010-052536)
出願日 平成22年3月10日(2010.3.10)
審査請求日 平成23年4月13日(2011.4.13)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】小林 修
【氏名】宮村 浩之
個別代理人の代理人 【識別番号】100110249、【弁理士】、【氏名又は名称】下田 昭
【識別番号】100113022、【弁理士】、【氏名又は名称】赤尾 謙一郎
審査官 【審査官】今井 周一郎
参考文献・文献 特開2008-222584(JP,A)
国際公開第2005/085180(WO,A1)
国際公開第2005/085307(WO,A1)
特開平01-020265(JP,A)
特開2008-239801(JP,A)
特公昭49-040681(JP,B1)
特開平04-136008(JP,A)
特開2005-232261(JP,A)
特開2001-246262(JP,A)
調査した分野 B01J 31/06
C08F 212/14
C07C 249/02
C07C 251/24
CA/REGISTRY(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
液相で、下式
【化1】
JP0005183655B2_000013t.gif
(式中、x、y、z及びwは該高分子中の構成モノマーのモル比を表し(x+y+z+w)に対して、x、y及びzは、それぞれ5%以上、wは1~20%であり、mは0~5の整数、nは1~6の整数、及びoは1~4の整数を表し、R及びRは、それぞれ独立して、炭化水素基を表し、これらが結合する窒素原子と共に更に窒素原子を含んでもよい5~7員環を形成してもよい。)で表されるスチレン系高分子に金のナノサイズクラスターを担持させ、該スチレン系高分子のエポキシ基と水酸基とを架橋させて成る高分子担持金クラスター触媒の存在下で、下式
【化2】
JP0005183655B2_000014t.gif
(式中、Rは置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基又はアラルキル基、Rはアルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表し、Rはアミノ基を構成する窒素原子及びアラルキル基を構成する炭素原子と共に脂肪族の5員環又は6員環を形成してもよい。xは1~3の整数、yは0~5の整数を表す。)で表されるアミン化合物を酸素又は空気雰囲気下で60~100℃で加熱することから成る、下式
【化3】
JP0005183655B2_000015t.gif
(式中、R、R、x及びyは上記と同様である。)で表されるイミン化合物を製造する方法。
【請求項2】
前記触媒が、1価又は3価の金化合物を、架橋性官能基を有する重量平均分子量1万から15万のスチレン系高分子の溶液中で還元剤により還元し、続いて該スチレン系高分子に対する貧溶媒を加えて相分離させることによりナノサイズ金クラスターをスチレン系高分子に担持し、さらに、該ナノサイズ金クラスターを担持したスチレン系高分子を架橋させてなる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記スチレン系高分子を加熱により架橋させることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
下式
【化1】
JP0005183655B2_000016t.gif
(式中、x、y、z及びwは該高分子中の構成モノマーのモル比を表し(x+y+z+w)に対して、x、y及びzは、それぞれ5%以上、wは1~20%であり、mは0~5の整数、nは1~6の整数、及びoは1~4の整数を表し、R及びRは、それぞれ独立して、炭化水素基を表し、これらが結合する窒素原子と共に更に窒素原子を含んでもよい5~7員環を形成してもよい。)で表されるスチレン系高分子に金のナノサイズクラスターを担持させ、該スチレン系高分子のエポキシ基と水酸基とを架橋させて成る、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法のための高分子担持金クラスター触媒。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
この発明は、高分子担持金クラスター触媒及びこの触媒の存在下で100℃以下の低温でアミン化合物を酸化してイミン化合物を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機合成化学において、イミンは種々の求核試薬に対して高い反応性を示すことから、様々な有用物質合成の鍵中間体として位置づけられ、イミンを対応するアミンの酸化によって得る反応はよく知られている。例えば、金のナノ粒子をグラファイトに担持させた触媒を用いて、加熱条件下でアミン化合物を酸化してイミン化合物を合成することができる(非特許文献1)。
また、本発明者らは、金のナノサイズクラスターをスチレン系高分子に担持させて成る酸化反応用高分子担持金クラスター触媒を用いて、加熱条件下でアミン化合物を酸化してイミン化合物を合成することができることを見出している(特許文献1)。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】特開2008-222584
【0004】

【非特許文献1】Chem.Asian-J. 2009, 4, 1551-1561.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来のアミン化合物を酸化してイミン化合物を合成する方法(非特許文献1、特許文献1など)は、100℃以上に加熱することが必要であり、より低温(特に、100℃以下の低温)でアミン化合物からイミン化合物への酸化反応を行なうための触媒が求められていた。また、用いる触媒の量(5 mol%以上)が多いことも改善の余地を残していた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、開発した酸化反応用高分子担持金クラスター触媒(特許文献1など)において、金のナノサイズクラスターを担持させるスチレン系高分子に、ピペリジル基を有するスチレン単位を加えた新規な高分子担持金クラスター触媒を開発し、この触媒を用いてアミン化合物からイミン化合物へ酸化反応を行なったところ、従来よりも低温でこの反応が進行することを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、液相で、下式
【化1】
JP0005183655B2_000002t.gif
(式中、x、y、z及びwは該高分子中の構成モノマーのモル比を表し(x+y+z+w)に対して、x、y及びzは、それぞれ5%以上、wは1~20%であり、mは0~5の整数、nは1~6の整数、及びoは1~4の整数を表し、R及びRは、それぞれ独立して、炭化水素基を表し、窒素原子と共に更に窒素原子を含んでもよい5~7員環を形成してもよい。)で表されるスチレン系高分子に金のナノサイズクラスターを担持させ、該スチレン系高分子のエポキシ基と水酸基とを架橋させて成る高分子担持金クラスター触媒の存在下で、下式
【化2】
JP0005183655B2_000003t.gif
(式中、Rは置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基又はアラルキル基、Rはアルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表し、Rはアミノ基を構成する窒素原子及びアラルキル基を構成する炭素原子と共に脂肪族の5員環又は6員環を形成してもよい。xは1~3の整数、yは0~5の整数を表す。)で表されるアミン化合物を酸素又は空気雰囲気下で60~100℃で加熱することから成る、下式
【化3】
JP0005183655B2_000004t.gif
(式中、R、R、x及びyは上記と同様である。)で表されるイミン化合物を製造する方法である。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、酸化剤として気体酸素又は空気(一気圧以下)を使用して、100℃以下の低温で特定のアミン化合物を酸化することにより対応するイミン化合物を合成できる。本反応では回収再使用可能な固定化金ナノクラスター触媒を使用するため、コスト低減を達成できるのみならず環境に優しい合成プロセスを構築できる。生成するイミン化合物は、様々な医薬品原料などの合成に用いることのできる中間体として有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明で用いる触媒は、金のナノサイズクラスターが、スチレン系高分子との相互作用によりポリマーに微小クラスターとして担持された形態を有する。
金をスチレン系高分子に担持させる方法としては、特に限定されないが、例えば上記したごとき構造を有する高分子と金前駆体とを、a)適当な極性の良溶媒に溶解し還元剤と混合した後適当な極性の貧溶媒で凝集させる、b)適当な非極性又は低極性の良溶媒に溶解し還元剤と混合した後適当な非もしくは低極性の貧溶媒で凝集させる、ことにより行われる。
金クラスターはスチレン系高分子の芳香環との相互作用により担持されている。
【0009】
尚、極性の良溶媒としてはテトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、アセトン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)などがあり、非極性又は低極性の良溶媒としてはトルエン、ジクロロメタン、クロロホルムなどが使用できる。極性の貧溶媒としてはメタノール、エタノール、ブタノール、アミルアルコールなどがあり、非極性の貧溶媒としてはヘキサン、ヘプタン、オクタンなどが使用できる。金クラスターを架橋性ポリマーに担持する際の、ポリマーの濃度は用いる溶媒やポリマーの分子量によっても異なるが、約5.0~200 mg/mL、好ましくは10~100 mg/mlである。1価又は3価の金化合物は、ポリマー1gに対して、0.05~1 mmol、好ましくは0.25~0.8 mmol使用する。還元剤は、還元に必要な量の1~10当量使用するが、例えば1価の金化合物を水素化ホウ素ナトリウムで還元する場合の水素化ホウ素ナトリウムは、金化合物の0.5~5倍モルが好適である。還元に必要な温度及び時間は金化合物や還元剤の種類によるが、通常は0℃~50℃の間、好ましくは室温で、1~24時間で行われる。相分離する際の貧溶媒は、良溶媒に対して1~10(v/v)倍量、好ましくは2~5倍量使用し、0.5~5時間程度で滴下する。
【0010】
金前駆体としては、1価又は3価の金化合物を用いる。このような金化合物として、ハロゲン化金、ハロゲン化金のトリフェニルホスフィン錯体が挙げられる。ハロゲン化金のトリフェニルホスフィン錯体として、AuCl(PPh)が挙げられる。
【0011】
このような金化合物を還元剤を用いて還元することにより、ナノサイズの金クラスターがスチレン形高分子に担持される。このような還元剤として、水素化ホウ素化合物、水素化アルミニウム化合物又は水素化ケイ素化合物、好ましくは水素化ホウ素ナトリウム又はボランを用いることができる。
【0012】
本発明のスチレン系高分子はスチレンモノマーをベースとした高分子であり、下式で表されれる。
【化1】
JP0005183655B2_000005t.gif
式中、x、y、z及びwは、高分子中の構成モノマーのモル比を表し、(x+y+z+w)に対して、wは1~20%、好ましくは2~10%、x、y及びzは、それぞれ5%以上、好ましくは10%以上、y+zは30%以上であり、xは残部である。
mは0~5の整数、nは1~6の整数、及びoは1~4の整数を表す。
及びRは、それぞれ独立して、炭化水素基、好ましくはアルキル基、より好ましくは炭素数が1~8のアルキル基を表す。但し、R及びRは、これら(即ち、R及びR)が結合する窒素原子と共に更に窒素原子、例えば1又は2個の窒素原子を含んでもよい5~7員環、好ましくは5又は6員環を形成してもよい。
【0013】
このようなスチレン系高分子と上記の金前駆体を、上記のような適当な溶媒に還元剤と共に溶解し、その後、高分子に対する貧溶媒を加えることにより、金クラスター含有高分子を相分離させることができる。
この場合、金前駆体がまず還元を受ける。金前駆体に配位子が結合していた場合は、その際に配位子が脱離する。還元された金はクラスターとして高分子の疎水性部分に取り込まれ、高分子の芳香環から電子供与を受け微小な状態でも安定化される。
これに担持されている金クラスター1個の平均径は50nm以下、好ましくは3~20nm、より好ましくは5~15nm、であり、数多くの金クラスターがミセルの疎水性部分(スチレン系高分子の芳香環)に均一に分散して存在していると考えられる。このように金属が微小なクラスター(微小金属塊)となっているため、高い触媒活性を示すことができる。
【0014】
このように金クラスターを担持したスチレン系高分子は、架橋性官能基(エポキシ基と-OH基、特に、水酸基)により架橋することができる。
アミンのイミンへの酸化反応においては5-30 nm程度の比較的大きいクラスターが好ましいため架橋反応は遷移金属を担持したスチレン系高分子を溶解させない高沸点の溶媒中で行うことが望ましい。そのような溶媒としては、メシチレン、デカンなどが挙げられる。その結果、加熱架橋前は1-10 nmのクラスターが凝集し5-30 nmになることがのぞましい。
これらの方法以外にも、使用する直鎖型有機高分子化合物を架橋するための従来公知の方法である、例えば架橋剤を用いる方法、過酸化物やアゾ化合物等のラジカル重合触媒を用いる方法、酸又は塩基を添加して加熱する方法、例えばカルボジイミド類のような脱水縮合剤と適当な架橋剤を組み合わせて反応させる方法等に準じても行うことができる。いずれにしても比較的大きいクラスターサイズへの凝集が起こることが望ましい。
架橋性官能基を加熱により架橋させる際の温度は、通常50~200℃、好ましくは120~180℃、より好ましくは140~180℃である。
加熱架橋反応させる際の反応時間は、通常0.1~100時間、好ましくは1~50時間、より好ましくは2~10時間である。
【0015】
架橋性官能基を加熱により架橋させる際の温度は、通常50~200℃、好ましくは70~180℃、より好ましくは100~160℃である。溶媒としては、メシチレンやデカンを用いることが好ましい。
加熱架橋反応させる際の反応時間は、通常0.1~100時間、好ましくは1~50時間、より好ましくは2~10時間である。
このようにして得られた架橋型金含有ポリマーミセルは多くの空孔を有しており、適当な溶剤で膨潤して表面積を拡大する。
【0016】
本ナノサイズ金クラスターを、塊や膜としたり、担体に固定することもできる。ガラス、シリカゲル、樹脂などの担体表面の架橋性官能基(例えば、水酸基やアミノ基など)と金含有ポリマーの架橋性官能基とを架橋反応させると、本発明の高分子担持金クラスターは担体表面に強固に固定される。また、適当な樹脂やガラスの反応容器の表面に、ミセルの架橋性官能基を使用して、本発明の高分子担持金クラスター組成物を固定化すれば、より再使用が簡便な触媒担持反応容器として使用できる。
【0017】
本発明においては、この高分子担持金クラスター触媒を、アミン化合物の酸化反応に用いる。
アミン化合物は下式で表される。
【化2】
JP0005183655B2_000006t.gif
式中、Rは置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。アルキル基の炭素数は好ましくは1~10である。アリール基としてはフェニル基が好ましい。アラルキル基としてはベンジル基が好ましい。置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子などが挙げられる。
はアルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表す。アルキル基及びアルコキシ基の炭素数は好ましくは1~4である。ハロゲン原子としては塩素原子が好ましい。
はアミノ基を構成する窒素原子及びアラルキル基を構成する炭素原子と共に脂肪族の5員環又は6員環を形成してもよい。
xは1~3の整数を表す。
yは0~5の整数、好ましくは0又は1を表す。yが2以上の場合、Rはそれぞれ同じであっても異なってもよい。
【0018】
本発明の製法は、酸素雰囲気下又は空気雰囲気下で行われる。そのため、一気圧以下の酸素ガス又は空気を用いることができる。
この反応は、60~140℃、好ましくは80~120℃で行われる。
この反応は、好ましくは以下のような条件下で行なわれる。
反応溶媒として、高分子を膨潤させ基質を溶解するものであれば、単一溶媒でも混合溶媒でも使用できる。例えば、水と有機溶媒の混合溶媒が有効な場合もある。
基質の濃度は、通常0.01~1 mmol/ml、好ましくは0.05~0.5 mmol/mlである。
触媒の濃度は、通常0.0001~0.1 mmol/ml、好ましくは0.0005~0.005 mmol/mlである。
反応時間は、1~96時間である。
【0019】
その結果、下式の反応により対応するイミン化合物が得られる。
【化4】
JP0005183655B2_000007t.gif
(式中、R、R、x及びyは上記と同様である。)
【実施例】
【0020】
以下、実施例にて本発明を例証するが本発明を限定することを意図するものではない。
1H NMRと13C NMRは JEOL JNM-ECX-400, JNM-ECX-500又は、JNM-ECX-600を使用し CDCl3 を溶媒とし、テトラメチルシラン (δ=0、1H NMR)又はCDCl3(δ=77.0、13C NMR)を内部標準物質として測定した。高分解能質量分析 (HR-ESIMS) はBRUKER DALTONICS BioTOF II mass spectrometer 及び JEOL JMS-T100TD AccuTOF TLCにて測定した。ガスクロマトグラフィー分析は Shimadzu GC-2010 apparatusにて測定した。ICP分析はShimadzu ICPS-7510にて測定した。カラムクロマトグラフィーには Silica gel 60 (Merck) を調整用薄層クロマトグラフィーにはWakogel B-5F(和光純薬株式会社)を使用した。溶媒は定法に従い蒸留したものを使用した。
GC測定条件:装置:島津製作所GC2010(カラム:DB-1, 膜厚:0.25μm, 長さ:60 m, 内径:0.25 mm), 注入モード:スプリット, 気化室温度300℃, FID: 300℃, キャリアガス:He, 圧力:157.5 kPa, 全流量:41.3 mL/min, カラム流量:0.93 mL/min, 線速度:21.1 cm/sec, パージ流量:3.0 mL/min, スプリット比:40.1, カラムプログラム:starting from 100.0℃, 0 min hold, 10℃/min to 300℃, 5 min hold, アニソール(内標)RT:20.073 min, ジベンジルアミンRT: 17.183 min, ベンジルベンジリデンアミンRT: 17.464 min
【0021】
製造例1
150 mLのTHFにソジウムハイドライド(60% in mineral oil, 5.2g)を加え、0℃にてその反応液にテトラエチレングリコール(25.4 g, 131 mmol)を加えた。室温で1時間撹拌した後 1-クロロメチル-4-ビニルベンゼン(13.3 g, 87.1 mmol)を加え、さらに12時間撹拌を続けた。0℃に冷却しジエチルエーテルを加え、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、反応を停止した。水相をエーテルで抽出した後、併せた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去した。得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、2-(2-(2-(2-(4-vinylbenzyloxy)ethoxy)ethoxy)ethoxy)ethanolを得た(20.6 g, 66.2 mmol, 76%)。
1H NMR (CDCl3) δ 2.55-2.59 (m, 1H), 3.59-3.73 (m, 16H), 4.55 (s, 2H), 5.25 (d, 1H, J = 6.4 Hz), 5.53 (d, 1H, J = 18 Hz), 6.71 (dd, 1H, J = 11.0, 17.9 Hz), 7.22-7.27 (m, 3H), 7.31-7.39 (m, 2H); 13C NMR δ 61.8, 69.5, 70.5, 70.69, 70.74, 72.6, 73.0, 113.8, 126.3, 128.0, 136.0, 137.1, 138.0.
【0022】
製造例2
アルゴン雰囲気下で、炭酸カリウム(16.14 g, 和光純薬株式会社)、クロロメチルスチレン(9.26 g, 東京化成工業株式会社)、ピロリジン(5.13 g, 和光純薬株式会社)を室温でアセトニトリル(50 mL, 和光純薬株式会社)に溶解させた。溶液を24時間加熱還流させた。反応溶液を室温に冷やし、飽和塩化アンモニウム水溶液及び水で洗浄した後、ジエチルエーテルで抽出を行った。抽出物を水で洗浄し、エバポレータで濃縮した後、カラムクロマトグラフィで精製し、モノマー3 1-(4-vinylbenzyl)piperidine (10.7 g, 87% yield)を得た。1H NMR (CDCl3) δ 7.35 (d, 2H, J = 8.4 Hz), 7.27 (d, 2H, J = 8.4 Hz), 6.90 (dd, 1H, J = 18.0, 10.2 Hz), 5.72 (d, 1H, J = 18.0 Hz), 5.21 (d, 1H, J = 10.2 Hz), 3.45 (s, 2H), 2.37 (br, 4H), 1.55-1.59 (m, 4H), 1.24-1.27 (m, 2H)
【0023】
製造例3
スチレン(0.98 g、東京化成工業株式会社)、4-ビニルベンジルグリシジルエーテル(1.97 g、国際公開WO2005/085307に記載の方法に従って合成した。)、製造例1で得た2-(2-(2-(2-(4-vinylbenzyloxy)ethoxy)ethoxy)ethoxy)ethanol(3.08 g)、製造例2で得た1-(4-vinylbenzyl)piperidine(0.67 g)、及び2,2'-アゾ(イソブチロニトリル)(104 mg、和光純薬)をクロロホルム(5.7 ml)に溶解させ、脱気操作後アルゴン中で室温、48時間攪拌した。反応液を室温まで冷却した後、THF200 mlを加えた反応液をエーテル1l中に0℃にてゆっくりと滴下し、得られた沈殿物を濾過分取した後、メタノールにて十分に洗浄した。その後、室温にて減圧乾燥させ透明ガム状固体として下式の架橋性スチレン系高分子(4.33g、x:y:z:w=3:3:3:0.5)を得た。コポリマーのモノマー成分の比はH-NMRにより決定した。
【0024】
実施例1
本実施例では、下式のように、本願発明の触媒(N-PI Au (Mes))を合成した。
【化5】
JP0005183655B2_000008t.gif

【0025】
NaBH4(30.5 mg, 和光純薬株式会社)をジグライム(25 mL, 和光純薬株式会社)に溶解させ、製造例3で得たポリマー(400 mg)を加えた後、室温でジグライム(2 mL)に溶解させたAuClPPh3(149.2 mg, Strem社)をゆっくりと滴下し、室温で一晩撹拌した。反応溶液にジエチルエーテルを注いでマイクロカプセル化を行い、生じた沈殿物をデカンテーションにより洗浄し、メシチレン(50 mL,東京化成工業株式会社)150℃のオイルバスで5時間加熱した。沈殿物を吸引濾過によって集め、水と塩化メチレンで洗浄した後、乳鉢で粉砕し、得られた粉末を150℃のオイルバスで5時間加熱することで、アミン含有高分子担持金クラスター触媒(以下「N-PI Au (Mes)」という。)を得た。
N-PI Au (Mes)5-15 mgを硫酸(東京化成工業株式会社)及び硝酸(東京化成工業株式会社)の混合液中で、200℃で3時間加熱し、室温に戻してから王水を加えた。この溶液のICP分析を行ったところ、触媒中の金含量は0.68 mmol/g polymerであった。
【0026】
以下の実施例では、実施例1で合成した触媒(N-PI Au (Mes))を用いて、各式に示す酸素酸化反応を行った。
実施例2
【化6】
JP0005183655B2_000009t.gif
ジベンジルアミン(51 mg,東京化成工業株式会社)、N-PI Au (Mes)(20.7 mg)と1 mLのトルエン(東京化成工業株式会社)を混合し、酸素雰囲気下、80℃で42時間攪拌した。触媒を吸引ろ過にて除去し、酢酸エチル20mLで触媒を洗浄しろ液と混合した。この混合溶液にアニソールを内標として加えGC(条件、RTは上述の通り)にて定量分析をおこないベンジルベンジリデンアミン42.2 mg(収率83%)を確認した。
【0027】
実施例3
【化7】
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ベンジルアミン(57.9 mg,東京化成工業株式会社)、N-PI Au (Mes)(19.1 mg)と1 mLのp-キシレン(東京化成工業株式会社)を混合し、酸素雰囲気下、140℃で30時間攪拌した。触媒を吸引ろ過にて除去し、酢酸エチル20mLで触媒を洗浄しろ液と混合した。この混合溶液にアニソールを内標として加えGC(条件、RTは上述の通り)にて定量分析をおこないベンジルベンジリデンアミン47.5 mg(収率90%)を確認した。
【0028】
実施例4
【化8】
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テトラヒドロイソキノリン(34.8 mg,東京化成工業株式会社)、N-PI Au (Mes)(11.6 mg)と1 mLのトルエン(東京化成工業株式会社)を混合し、酸素雰囲気下、100℃で12時間攪拌した。触媒を吸引ろ過にて除去し、酢酸エチル20mLで触媒を洗浄しろ液と混合した。溶媒を減圧留去しジヒドロイソキノリン(30.3mg, 収率87%)を得た。1H NMR (CDCl3) δ8.24 (d, 1H, J = 2.0 Hz), 7.14-7.37 (m, 4H), 3.78 (td, 2H, J = 7.6, 1.2 Hz), 2.75 (t, 2H, J = 7.6 Hz)
【0029】
実施例5
【化9】
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テトラヒドロキノリン(37.0 mg,東京化成工業株式会社)、N-PI Au (Mes)(11.0 mg)と1 mLのp-キシレンを混合し、酸素雰囲気下、140℃で30時間攪拌した。触媒を吸引ろ過にて除去し、酢酸エチル20mLで触媒を洗浄しろ液と混合した。溶媒を減圧留去しキノリン(27.7mg, 収率76%)を得た。1H NMR (CDCl3) δ8.93 (dd, 1H, J = 1.2, 2.8 Hz), 8.10-8.17 (m, 2H), 7.70-7.83 (m, 4H), 7.52-7.57 (m, 1H), 7.37-7.41 (m, 1H)