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明細書 :生体磁場測定方法、生体磁場強調画像作成方法および磁気共鳴撮像装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4803768号 (P4803768)
公開番号 特開2011-143069 (P2011-143069A)
登録日 平成23年8月19日(2011.8.19)
発行日 平成23年10月26日(2011.10.26)
公開日 平成23年7月28日(2011.7.28)
発明の名称または考案の名称 生体磁場測定方法、生体磁場強調画像作成方法および磁気共鳴撮像装置
国際特許分類 A61B   5/055       (2006.01)
A61B   5/05        (2006.01)
FI A61B 5/05 311
A61B 5/05 382
A61B 5/05 A
請求項の数または発明の数 9
全頁数 11
出願番号 特願2010-006366 (P2010-006366)
出願日 平成22年1月15日(2010.1.15)
審査請求日 平成23年6月30日(2011.6.30)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】593165487
【氏名又は名称】学校法人金沢工業大学
発明者または考案者 【氏名】樋口 正法
早期審査対象出願または早期審理対象出願 早期審査対象出願
個別代理人の代理人 【識別番号】100095511、【弁理士】、【氏名又は名称】有近 紳志郎
審査官 【審査官】大▲瀬▼ 裕久
参考文献・文献 国際公開第2006/052236(WO,A1)
Michelle Espy et al.,”Ultra-low Field MRI for the Detection of Liquid Explosives Using SQUIDs”,EUROPEAN SUPERCONDUCTIVITY NEWS FORUM,2009年 4月,No.8,p.1-12
Vadim S Zotev et al.,”SQUID-based instrumentation for ultralow-field MRI”,Superconductor Science and Technology,2007年,Volume.20, Number.11 ,S367-373
B.Eom et al.,”Development of Cryogen-Free Ultra-Low Field MRI Instrument”,Proceedings of the International Society for Magnetic Resonance in Medicine,2009年 4月18日,#599
調査した分野 A61B 5/055
A61B 5/05
A61B 10/00
G01R 33/00-33/64
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII)
Wiley InterScience
特許請求の範囲 【請求項1】
生体に分極磁場を印加して分極磁場方向に磁化の向きを揃える第1過程と、生体に測定磁場を印加して測定磁場方向に磁化の向きを変える第2過程と、前記測定磁場の極性を逆転して前記磁化の向きを反転させることを1回以上行って前記磁化から生じるエコー信号より磁気共鳴データを収集する第3過程とを有する生体磁場測定方法において、前記第2過程での測定磁場を生体磁場が前記磁化へ影響を与えるのを妨げないような低磁場とし、前記第3過程での測定磁場を前記エコー信号が観測に必要な大きさになるような高磁場とすることを特徴とする生体磁場測定方法。
【請求項2】
請求項1に記載の生体磁場測定方法において、前記第2過程での測定磁場を0.5μT以下とし、前記第3過程での測定磁場を2μT以上とすることを特徴とする生体磁場測定方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の生体磁場測定方法において、前記生体磁場が前記第2過程で発生するように生体に刺激を与えることを特徴とする生体磁場測定方法。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の生体磁場測定方法において、前記第2過程または前記第3過程で勾配磁場を印加することを特徴とする生体磁場測定方法。
【請求項5】
請求項4に記載の生体磁場測定方法において、前記第第3過程で前記測定磁場の極性を逆転させずに前記勾配磁場の極性を逆転させることを特徴とする生体磁場測定方法。
【請求項6】
前記第4または前記第5の観点による生体磁場測定方法により収集した磁気共鳴データから有生体磁場磁気画像を再構成し、前記第4または前記第5の観点による生体磁場測定方法における前記第2過程で生体磁場が磁化へ影響を与えない状態で収集した磁気共鳴データから無生体磁場画像を再構成し、前記有生体磁場磁気画像と無生体磁場磁気画像の差分画像を作成し、差分画像を加工し、加工した差分画像と無生体磁場磁気画像とを合成して生体磁場強調画像を作成することを特徴とする生体磁場強調画像作成方法。
【請求項7】
分極磁場を発生する分極磁場コイルと、前記分極磁場に直交する測定磁場を発生する測定磁場コイルと、勾配磁場を発生する勾配磁場コイルと、磁気共鳴データを収集するSQUIDと、生体に前記分極磁場を印加して分極磁場方向に磁化の向きを揃える第1過程と、生体に前記測定磁場を印加して測定磁場方向に前記磁化の向きを変える第2過程と、前記測定磁場の極性を逆転して前記磁化の向きを反転させることを1回以上行って前記磁化から生じるエコー信号より磁気共鳴データを収集する第3過程とを制御する制御装置とを具備した低磁場磁気共鳴撮像装置において、前記制御装置は、前記第2過程での測定磁場を生体磁場が磁化へ影響を与えるのを妨げないような低磁場とし、前記第3過程での測定磁場を前記エコー信号が観測に必要な大きさになるような高磁場とすることを特徴とする磁気共鳴撮像装置。
【請求項8】
請求項7に記載の磁気共鳴撮像装置において、前記第2過程での測定磁場を0.5μT以下とし、前記第3過程での測定磁場を2μT以上とすることを特徴とする磁気共鳴撮像装置。
【請求項9】
請求項7または請求項8に記載の磁気共鳴撮像装置において、前記制御装置は、前記第第3過程で前記測定磁場の極性を逆転させずに前記勾配磁場の極性を逆転させることを特徴とする磁気共鳴撮像装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、生体磁場測定方法、生体磁場強調画像作成方法および磁気共鳴撮像装置に関し、さらに詳しくは、生体の神経活動を直接測定するものであって、生体表面に垂直な方向に流れる電流源による生体磁場をも測定できる生体磁場測定方法、その生体磁場測定方法を利用した生体磁場強調画像作成方法および磁気共鳴撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、磁気共鳴撮像法を用いた脳機能検出方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、SQUIDを用いたMEG(Magnetoencephalography:脳磁図)測定が知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
また、SQUIDを用いた低磁場磁気共鳴撮像装置が知られている(例えば、非特許文献1~4参照。)。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】特開2005-137411
【0004】

【非特許文献1】Vadim S Zotev et al、“Multi-Channel SQUID System for MEG and Ultra-Low-Field MRI”、インターネット<URL:http://arxiv.org/ftp/physics/papers/0611/0611290.pdf>
【非特許文献2】A. N. Matlashov et al、“SQUIDs for Magnetic Resonance Imaging at Ultra-low Magnetic Field”、PIERS ONLINE, Vol.5, No.5, 2009、インターネット<URL:http://piers.mit.edu/piersonline/download.php?file=MDkwMzEwMTQwMjEzfFZvbDVObzVQYWdlNDY2dG80NzAucGRm>
【非特許文献3】Michelle Espy et al、“Ultra-low-field MRI for Detection of Liquid Explosives Using SQUIDs”、IEEE/CSC & ESAS EUROPEAN SUPERCONDUCTIVITY NEWS FORUM (ESNF), No.8, April 2009、インターネット<URL:http://ewh.ieee.org/tc/csc/europe/newsforum/pdf/ST114-EspyMetal_MagViz_Final_042009.pdf>
【非特許文献4】Vadim S Zotev et al、“SQUID-based instrumentation for ultra-low-field MRI”、インターネット<URL:http://arxiv.org/ftp/arxiv/papers/0705/0705.0661.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の磁気共鳴撮像法を用いた脳機能検出方法では、血流分布の変化を測定しており、脳神経活動を直接測定するものではなかった。
一方、従来のSQUIDを用いたMEG測定は、脳表面に沿った方向に流れる電流源による脳磁場が頭部の外周空間に出てくるのを検出するものであり、脳神経活動を直接測定するものであった。しかし、脳表面に垂直な方向(ラジアル方向)に流れる電流源による脳磁場は、頭部の外周空間に出てこないため、検出できない問題点があった。
また、従来のSQUIDを用いた低磁場磁気共鳴撮像装置では、生体磁場情報を含んだ画像を得られない問題点があった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、生体の神経活動を直接測定するものであって、生体表面に垂直な方向に流れる電流源による生体磁場をも測定できる生体磁場測定方法、その生体磁場測定方法を利用した生体磁場強調画像作成方法および磁気共鳴撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の観点では、本発明は、生体に分極磁場を印加して分極磁場方向に磁化の向きを揃える第1過程と、生体に測定磁場を印加して測定磁場方向に磁化の向きを変える第2過程と、前記測定磁場の極性を逆転して前記磁化の向きを反転させることを1回以上行って前記磁化から生じるエコー信号より磁気共鳴データを収集する第3過程とを有する生体磁場測定方法において、前記第2過程での測定磁場を生体磁場が前記磁化へ影響を与えるのを妨げないような低磁場とし、前記第3過程での測定磁場を前記エコー信号が観測に必要な大きさになるような高磁場とすることを特徴とする生体磁場測定方法を提供する。
上記第1の観点による生体磁場測定方法では、第2過程での測定磁場を、生体磁場が磁化へ影響を与えるのを妨げないような低磁場とする。これにより、第2過程において、生体磁場の強さに応じて、ラーモア周波数が変化する。そして、磁化は生体中に在るから、生体表面に垂直な方向に流れる電流源による生体磁場の影響をも受ける。次に、第3過程での測定磁場を、エコー信号が観測に必要な大きさになるような高磁場とする。これにより、生体磁場の影響を含んだ磁気共鳴データを好適に収集できる。すなわち、生体の神経活動を直接測定するものであって、生体表面に垂直な方向に流れる電流源による生体磁場をも測定できるようになる。
【0008】
第2の観点では、本発明は、前記第1の観点による生体磁場測定方法において、前記第2過程での測定磁場を0.5μT以下とし、前記第3過程での測定磁場を2μT以上とすることを特徴とする生体磁場測定方法を提供する。
上記第2の観点による生体磁場測定方法では、第2過程での測定磁場を0.5μT以下とするため、生体磁場が磁化へ影響を与えるのを妨げない。また、第3過程での測定磁場を2μT以上とするため、エコー信号が観測に必要な大きさになる。
【0009】
第3の観点では、本発明は、前記第1または前記第2の観点による生体磁場測定方法において、前記生体磁場が前記第2過程で発生するように生体に刺激を与えることを特徴とする生体磁場測定方法を提供する。
上記第3の観点による生体磁場測定方法では、生体に刺激を与えるタイミングと第2過程の開始のタイミングを調整することで、第2過程で生体磁場を発生させることが出来る。
【0010】
第4の観点では、本発明は、前記第1から前記第3のいずれかの観点による生体磁場測定方法において、前記第2過程または前記第3過程で勾配磁場を印加することを特徴とする生体磁場測定方法を提供する。
上記第4の観点による生体磁場測定方法では、エコー信号に位置情報が付与されるため、画像を作成することが出来る。
【0011】
第5の観点では、本発明は、前記第4の観点による生体磁場測定方法において、前記第第3過程で前記測定磁場の極性を逆転させずに前記勾配磁場の極性を逆転させることを特徴とする生体磁場測定方法を提供する。
上記第5の観点による生体磁場測定方法では、グラジエントエコー信号を観測することが出来る。なお、前記第1の観点による生体磁場測定方法では、スピンエコー信号を観測することが出来る。
【0012】
第6の観点では、本発明は、前記第4または前記第5の観点による生体磁場測定方法により収集した磁気共鳴データから有生体磁場磁気画像を再構成し、前記第4または前記第5の観点による生体磁場測定方法における前記第2過程で生体磁場が磁化へ影響を与えない状態で収集した磁気共鳴データから無生体磁場画像を再構成し、前記有生体磁場磁気画像と無生体磁場磁気画像の差分画像を作成し、差分画像を加工し、加工した差分画像と無生体磁場磁気画像とを合成して生体磁場強調画像を作成することを特徴とする生体磁場強調画像作成方法を提供する。
上記第6の観点による生体磁場強調画像作成方法では、生体磁場の発生位置を明確にした画像を作成することが出来る。
【0013】
第7の観点では、本発明は、分極磁場を発生する分極磁場コイルと、前記分極磁場に直交する測定磁場を発生する測定磁場コイルと、勾配磁場を発生する勾配磁場コイルと、磁気共鳴データを収集するSQUIDと、生体に前記分極磁場を印加して分極磁場方向に磁化の向きを揃える第1過程と、生体に前記測定磁場を印加して測定磁場方向に前記磁化の向きを変える第2過程と、前記測定磁場の極性を逆転して前記磁化の向きを反転させることを1回以上行って前記磁化から生じるエコー信号より磁気共鳴データを収集する第3過程とを制御する制御装置とを具備した低磁場磁気共鳴撮像装置において、前記制御装置は、前記第2過程での測定磁場を生体磁場が磁化へ影響を与えるのを妨げないような低磁場とし、前記第3過程での測定磁場を前記エコー信号が観測に必要な大きさになるような高磁場とすることを特徴とする磁気共鳴撮像装置を提供する。
上記第7の観点による磁気共鳴撮像装置では、前記第1の観点による生体磁場測定方法を好適に実施できる。
【0014】
第8の観点では、本発明は、前記第7の観点による磁気共鳴撮像装置において、前記第2過程での測定磁場を0.5μT以下とし、前記第3過程での測定磁場を2μT以上とすることを特徴とする磁気共鳴撮像装置を提供する。
上記第8の観点による磁気共鳴撮像装置では、前記第2の観点による生体磁場測定方法を好適に実施できる。
【0015】
第9の観点では、本発明は、前記第7または前記第8の観点による磁気共鳴撮像装置において、前記制御装置は、前記第第3過程で前記測定磁場の極性を逆転させずに前記勾配磁場の極性を逆転させることを特徴とする磁気共鳴撮像装置を提供する。
上記第9の観点による磁気共鳴撮像装置では、前記第4の観点による生体磁場測定方法を好適に実施できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の生体磁場測定方法によれば、生体の神経活動を直接測定するものであって、生体表面に垂直な方向に流れる電流源による生体磁場をも測定できる。
本発明の生体磁場強調画像作成方法によれば、生体磁場の発生位置を明確にした画像を作成できる。
本発明の磁気共鳴撮像装置によれば、本発明の生体磁場測定方法を好適に実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施例1に係る磁気共鳴撮像装置を示す模式図である。
【図2】実施例1に係るパルスシーケンス図である。
【図3】有生体磁場画像と無生体磁場画像と差分画像の模式図である。
【図4】生体磁場強調画像の模式図である。
【図5】実施例2に係るパルスシーケンス図である。
【図6】実施例3に係るパルスシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図に示す実施の形態により本発明をさらに詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
【実施例】
【0019】
-実施例1-
図1は、実施例1に係る磁気共鳴撮像装置10を示す構成説明図である。
この磁気共鳴撮像装置10は、分極磁場Bpを発生する分極磁場コイル1pと、分極磁場Bpに直交する測定磁場Bmを発生する測定磁場コイル2mと、勾配磁場Gx,Gy,Gzを発生する勾配磁場コイル3x,3y,3zと、磁気共鳴データを収集するSQUID4と、制御装置5と、生体に光,音,触覚などの刺激を与える刺激装置6とを具備している。
【実施例】
【0020】
分極磁場コイル1pとSQUID4の間の空間が測定空間であり、この測定空間に測定対象の生体磁場を発生する生体を入れる。
【実施例】
【0021】
以下では、脳磁気を測定対象の生体磁場とする場合を想定する。この場合、測定空間に生体の頭部を入れる。
【実施例】
【0022】
図2は、実施例1に係るパルスシーケンス図である。
[第1過程]
制御装置5は、分極磁場コイル1pを駆動し、生体に分極磁場Bpを印加して、分極磁場方向に生体の磁化の向きを揃える。分極磁場Bpの強さは、例えば30mTである。
制御装置5は、次の第2過程中に脳磁場が発生するように、刺激から脳磁場発生までの遅延時間だけ前に刺激装置6より生体へ刺激を付与する。
【実施例】
【0023】
[第2過程]
制御装置5は、分極磁場コイル1pの駆動を停止し、測定磁場コイル2mを駆動し、生体に測定磁場Bmを印加して、測定磁場方向に生体の磁化の向きを変える。第2過程における測定磁場Bmの強さは、生体磁場が磁化へ影響を与えるのを妨げないような低磁場とし、例えば0.5μT以下とする。
【実施例】
【0024】
[第3過程]
制御装置5は、測定磁場コイル2mを駆動し、測定磁場Bmの極性を逆転して、磁化の向きを反転させる。また、撮像のために勾配磁場コイル3x,3y,3zを駆動し、勾配磁場Gx,Gy,Gzを印加する。
制御装置5は、測定磁場Bmの極性を繰り返し逆転させる。これにより、スピンエコー信号e1,e2,e3,……が発生する。
第3過程における測定磁場Bmの強さは、エコー信号e1,e2,e3,……が観測に必要な大きさになるような高磁場とし、例えば2μT以上とする。
【実施例】
【0025】
制御装置5は、SQUID4によりエコー信号e1,e2,e3,……から磁気共鳴データを収集する。
【実施例】
【0026】
なお、第1のエコー信号e1は、勾配磁場Gy,Gzと重なって観測し難い。このため、第2のエコー信号e2から磁気共鳴データの収集を始めてもよい。
従って、測定磁場Bmの極性を逆転させることを2回以上行うことが好ましく、第3過程での測定磁場をエコー信号e2が観測に必要な大きさになるような高磁場とすることが好ましい。
【実施例】
【0027】
制御装置5は、勾配磁場Gy,Gzの大きさを変えて磁気共鳴データの収集を繰り返す。
【実施例】
【0028】
制御装置5は、画像作成に必要な磁気共鳴データを収集できたら、有生体磁場画像を作成する。
図3の(a)に、有生体磁場画像を例示する。
【実施例】
【0029】
次に、制御装置5は、生体へ刺激を付与することを止める以外は、図2と同じパルスシーケンスで画像作成に必要な磁気共鳴データを収集し、無生体磁場画像を作成する。
図3の(b)に、無生体磁場画像を例示する。
【実施例】
【0030】
次に、制御装置5は、有生体磁場画像と無生体磁場画像の差分画像を作成する。
図3の(c)に、差分画像を例示する。
【実施例】
【0031】
次に、制御装置5は、例えば着色するなどの加工を差分画像に施してから、無生体磁場画像と合成し、生体磁場強調画像を作成する。
図4に、生体磁場強調画像を例示する。
【実施例】
【0032】
実施例1の磁気共鳴撮像装置10によれば、次の効果が得られる。
(1)生体磁場の影響を磁化へ与えることが出来る。
(2)生体表面に垂直な方向に流れる電流源による生体磁場の影響をも磁化へ与えることが出来る。
(3)エコー信号を観測に必要な大きさにすることが出来る。
(4)生体の神経活動を直接測定することが出来る。
(5)生体磁場強調画像を作成することが出来る。
【実施例】
【0033】
-実施例2-
図5は、実施例2に係るパルスシーケンス図である。
[第1過程]
制御装置5は、分極磁場コイル1pを駆動し、生体に分極磁場Bpを印加して、分極磁場方向に生体の磁化の向きを揃える。
制御装置5は、次の第2過程中に脳磁場が発生するように、刺激から脳磁場発生までの遅延時間だけ前に刺激装置6より生体へ刺激を付与する。
【実施例】
【0034】
[第2過程]
制御装置5は、分極磁場コイル1pの駆動を停止し、測定磁場コイル2mを駆動し、生体に測定磁場Bmを印加して、測定磁場方向に生体の磁化の向きを変える。第2過程における測定磁場Bmの強さは、生体磁場が磁化へ影響を与えるのを妨げないような低磁場とする。
制御装置5は、脳磁場が発生し終息した後、撮像のために勾配磁場コイル3x,3y,3zを駆動し、勾配磁場Gx,Gy,Gzを印加する。
【実施例】
【0035】
[第3過程]
制御装置5は、測定磁場コイル2mを駆動し、測定磁場Bmの極性を逆転して、磁化の向きを反転させる。
制御装置5は、測定磁場Bmの極性を繰り返し逆転させる。これにより、スピンエコー信号e1,e2,e3,……が発生する。
第3過程における測定磁場Bmの強さは、エコー信号e1,e2,e3,……が観測に必要な大きさになるような高磁場とする。
【実施例】
【0036】
制御装置5は、SQUID4によりエコー信号e1,e2,e3,……から磁気共鳴データを収集する。
【実施例】
【0037】
制御装置5は、勾配磁場Gy,Gzの大きさを変えて磁気共鳴データの収集を繰り返す。
【実施例】
【0038】
制御装置5は、画像作成に必要な磁気共鳴データを収集できたら、有生体磁場画像を作成する。
【実施例】
【0039】
次に、制御装置5は、生体へ刺激を付与することを止める以外は、図5と同じパルスシーケンスで画像作成に必要な磁気共鳴データを収集し、無生体磁場画像を作成する。
【実施例】
【0040】
次に、制御装置5は、有生体磁場画像と無生体磁場画像の差分画像を作成する。
【実施例】
【0041】
次に、制御装置5は、例えば着色するなどの加工を差分画像に施してから、無生体磁場画像と合成し、生体磁場強調画像を作成する。
【実施例】
【0042】
実施例2の磁気共鳴撮像装置によれば、実施例1の磁気共鳴撮像装置10と同じ効果が得られる。
【実施例】
【0043】
-実施例3-
図6は、実施例3に係るパルスシーケンス図である。
[第1過程]
制御装置5は、分極磁場コイル1pを駆動し、生体に分極磁場Bpを印加して、分極磁場方向に生体の磁化の向きを揃える。
制御装置5は、次の第2過程中に脳磁場が発生するように、刺激から脳磁場発生までの遅延時間だけ前に刺激装置6より生体へ刺激を付与する。
【実施例】
【0044】
[第2過程]
制御装置5は、分極磁場コイル1pの駆動を停止し、測定磁場コイル2mを駆動し、生体に測定磁場Bmを印加して、測定磁場方向に生体の磁化の向きを変える。第2過程における測定磁場Bmの強さは、生体磁場が磁化へ影響を与えるのを妨げないような低磁場とする。
【実施例】
【0045】
[第3過程]
制御装置5は、測定磁場コイル2mを駆動し、測定磁場Bmの極性を逆転して、磁化の向きを反転させる。また、撮像のために勾配磁場コイル3x,3y,3zを駆動し、勾配磁場Gx,Gy,Gzを印加する。
制御装置5は、測定磁場Bmの極性を変えないで、勾配磁場Gxを繰り返し逆転させる。これにより、グラジエントエコー信号e1,e2,e3,……が発生する。
第3過程における測定磁場Bmの強さは、エコー信号e1,e2,e3,……が観測に必要な大きさになるような高磁場とする。
【実施例】
【0046】
制御装置5は、SQUID4によりエコー信号e1,e2,e3,……から磁気共鳴データを収集する。
なお、第1のエコー信号e1は、勾配磁場Gy,Gzと重なって観測し難いため、第2のエコー信号e2から磁気共鳴データの収集を始めてもよい。
【実施例】
【0047】
制御装置5は、勾配磁場Gy,Gzの大きさを変えて磁気共鳴データの収集を繰り返す。
【実施例】
【0048】
制御装置5は、画像作成に必要な磁気共鳴データを収集できたら、有生体磁場画像を作成する。
【実施例】
【0049】
次に、制御装置5は、生体へ刺激を付与することを止める以外は、図6と同じパルスシーケンスで画像作成に必要な磁気共鳴データを収集し、無生体磁場画像を作成する。
【実施例】
【0050】
次に、制御装置5は、有生体磁場画像と無生体磁場画像の差分画像を作成する。
【実施例】
【0051】
次に、制御装置5は、例えば着色するなどの加工を差分画像に施してから、無生体磁場画像と合成し、生体磁場強調画像を作成する。
【実施例】
【0052】
実施例3の磁気共鳴撮像装置によれば、実施例1の磁気共鳴撮像装置10と同じ効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明の生体磁場測定方法、生体磁場強調画像作成方法および磁気共鳴撮像装置は、例えば脳機能の試験・研究などに利用できる。
【符号の説明】
【0054】
1p 分極磁場コイル
2m 測定磁場コイル
3x,3y,3z 勾配コイル
4 SQUID
5 制御装置
6 刺激装置
10 磁気共鳴撮像装置
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5