TOP > 国内特許検索 > 圧力波形測定装置及びその測定方法 > 明細書

明細書 :圧力波形測定装置及びその測定方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4997518号 (P4997518)
公開番号 特開2009-244110 (P2009-244110A)
登録日 平成24年5月25日(2012.5.25)
発行日 平成24年8月8日(2012.8.8)
公開日 平成21年10月22日(2009.10.22)
発明の名称または考案の名称 圧力波形測定装置及びその測定方法
国際特許分類 G01H   3/00        (2006.01)
FI G01H 3/00 Z
請求項の数または発明の数 12
全頁数 23
出願番号 特願2008-091055 (P2008-091055)
出願日 平成20年3月31日(2008.3.31)
審査請求日 平成22年7月7日(2010.7.7)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】公益財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】菊池 勝浩
【氏名】高見 創
【氏名】小澤 智
個別代理人の代理人 【識別番号】100134865、【弁理士】、【氏名又は名称】田中 泰彦
【識別番号】100149283、【弁理士】、【氏名又は名称】大越 剛
【識別番号】100151345、【弁理士】、【氏名又は名称】今井 順一
審査官 【審査官】高橋 亨
参考文献・文献 特開2002-082013(JP,A)
特開2004-084420(JP,A)
特開平10-317896(JP,A)
特開平07-247793(JP,A)
特開2007-092360(JP,A)
特開平07-333053(JP,A)
特開2007-292667(JP,A)
調査した分野 G01H 3/00
JSTPlus(JDreamII)
特許請求の範囲 【請求項1】
管路状空間内を開口端部へ向けて伝搬する平面圧力波の圧力波形測定装置であって、
前記管路状空間に沿って離間して設けられた複数個の圧力波形測定手段と、
前記圧力波形測定手段によって得られた圧力波形データを前記管路状空間に沿った基準位置に位相シフトさせて、前記基準位置における、前記開口端部で反射した反射波を除去した圧力波形を得るデータ処理手段と、からなることを特徴とする圧力波形測定装置。
【請求項2】
前記圧力波形測定手段は、第1圧力波形測定手段及び第2圧力波形測定手段の2個からなることを特徴とする請求項1記載の圧力波形測定装置。
【請求項3】
前記データ処理手段は、前記基準位置を前記第2圧力波形測定手段の位置、前記第1圧力波形測定手段及び前記第2圧力波形測定手段の中間位置、若しくは、前記第1圧力波形測定手段の位置とすることを特徴とする請求項2記載の圧力波形測定装置。
【請求項4】
前記開口端部を原点として前記管路状空間の外側へ向けてx座標を設定したときの前記第1及び第2圧力波形測定手段の位置座標をそれぞれx及びx(x<x<0)、時間tに前記第1及び第2圧力波形測定手段で測定される圧力波形をF(t)及びF(t)、音速をcとしてτを(x-x)/cとすると、
前記データ処理手段は、前記基準位置を前記第2圧力波形測定手段の位置としたときにn=0、前記第1圧力波形測定手段の位置としたときにn=1、前記第1圧力波形測定手段及び前記第2圧力波形測定手段の中間位置としたときにn=1/2、と定義して、
前記開口端部で反射した反射波を除去した前記基準位置における分離波fを
【数1】
JP0004997518B2_000034t.gif
なる関係式からデータ計算処理することを特徴とする請求項3記載の圧力波形測定装置。
【請求項5】
前記圧力波形測定手段は、前記管路状空間に沿って等間隔で離間して配した第1乃至第3圧力波形測定手段の3個からなることを特徴とする請求項1記載の圧力波形測定装置。
【請求項6】
前記開口端部を原点として前記管路状空間の外側へ向けてx座標を設定したときの前記第1、第2及び第3圧力波形測定手段の位置座標をそれぞれx、x及びx(x<x<x<0)、時間tに前記第1及び第2圧力波形測定手段で測定される圧力波形をF(t)、F(t)及びF(t)、音速をcとしてτを(x-x)/cとすると、
前記データ処理手段は、前記基準位置を前記第3圧力波形測定手段の位置として、
前記開口端部で反射した反射波を除去した前記基準位置における分離波fを
【数2】
JP0004997518B2_000035t.gif
なる関係式からデータ計算処理することを特徴とする請求項5記載の圧力波形測定装置。
【請求項7】
管路状空間内を開口端部へ向けて伝搬する平面圧力波の圧力波形測定方法であって、
前記管路状空間に沿って離間して設けられた複数個の圧力波形測定手段によって得られた圧力波形データを前記管路状空間に沿った基準位置に位相シフトさせて、前記基準位置における、前記開口端部で反射した反射波を除去した圧力波形を得るデータ処理ステップを含むことを特徴とする圧力波形測定方法。
【請求項8】
前記圧力波形測定手段は、第1圧力波形測定手段及び第2圧力波形測定手段の2個からなることを特徴とする請求項7記載の圧力波形測定方法。
【請求項9】
前記データ処理ステップは、前記基準位置を前記第2圧力波形測定手段の位置、前記第1圧力波形測定手段及び前記第2圧力波形測定手段の中間位置、若しくは、前記第1圧力波形測定手段の位置とすることを特徴とする請求項8記載の圧力波形測定方法。
【請求項10】
前記開口端部を原点として前記管路状空間の外側へ向けてx座標を設定したときの前記第1及び第2圧力波形測定手段の位置座標をそれぞれx及びx(x<x<0)、時間tに前記第1及び第2圧力波形測定手段で測定される圧力波形をF(t)及びF(t)、音速をcとしてτを(x-x)/cとすると、
前記データ処理ステップは、前記基準位置を前記第2圧力波形測定手段の位置としたときにn=0、前記第1圧力波形測定手段の位置としたときにn=1、前記第1圧力波形測定手段及び前記第2圧力波形測定手段の中間位置としたときにn=1/2と定義して、
前記開口端部で反射した反射波を除去した前記基準位置における分離波fを
【数3】
JP0004997518B2_000036t.gif
なる関係式からデータ計算処理することを特徴とする請求項9記載の圧力波形測定方法。
【請求項11】
前記圧力波形測定手段は、前記管路状空間に沿って等間隔で離間して配した第1乃至第3圧力波形測定手段の3個からなることを特徴とする請求項7記載の圧力波形測定方法。
【請求項12】
前記開口端部を原点として前記管路状空間の外側へ向けてx座標を設定したときの前記第1、第2及び第3圧力波形測定手段の位置座標をそれぞれx、x及びx(x<x<x<0)、時間tに前記第1及び第2圧力波形測定手段で測定される圧力波形をF(t)、F(t)及びF(t)音速をcとしてτを(x-x)/cとすると、
前記データ処理ステップは、前記基準位置を前記第3圧力波形測定手段の位置として、
前記開口端部で反射した反射波を除去した前記基準位置における分離波fを
【数4】
JP0004997518B2_000037t.gif
なる関係式からデータ計算処理することを特徴とする請求項11記載の圧力波形測定方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、管路状空間内を開口端部へ向けて伝搬する圧力波の波形測定装置及びその測定方法に関し、特に、トンネルなどの管路状空間内を開口端部へ向けて伝搬する平面圧力波の圧力波形測定装置及びその測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高速移動体が周囲を壁面で囲まれた管路状空間内に突入するとこれに沿って圧縮圧力波が伝播する。例えば、高速列車がトンネル内に突入すると、圧縮圧力波がトンネル内を伝播してトンネル出口から外部へ向けて放射される。このとき生じるパルス状の微気圧波は、トンネル出口付近の家屋の戸や窓枠などを振動させ、また衝撃音を伴って生じるため問題となっている。そこで管路状空間内を伝搬する圧力波に関する研究が行われている。
【0003】
例えば、非特許文献1では、比較的ゆるやかな圧力勾配を有する圧縮圧力波の管路状空間の開口端部からの外部放射について、TVD差分法で数値解析した結果と空力音響理論を用いて解析した結果について述べられている。
【0004】
ここで管路状空間内を伝搬する圧力波と同空間外部の圧力波との関係については、管路状空間内開口端部での入射圧力波の時間微分と同空間外部の圧力波が比例する低周波遠方場近似の成立する範囲においては線形関係で予測可能である。一方、管路状空間内で連続的に発生する圧力波に関しては実験的に正確なデータは得られていない。

【非特許文献1】日本機械学会論文集B編、第58巻、第546号、1992年、第331頁~第337頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、音源から管路状空間内を開口端部へ向けて伝搬する圧力波の一部は開口端部で反射されて反射波として管路状空間内を戻っていく。つまり、管路状空間内で実験的に測定される圧力波は音源からの入射波と反射波との重なり合った状態で測定される。故に、管路状空間内外の圧力変動の関係を実験的に得るためには、管路状空間内で測定される圧力波から入射波だけを分離して測定する必要がある。
【0006】
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであり、管路状空間内を開口端部へ向けて伝搬する平面圧力波の圧力波形測定装置及びその方法の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、管路状空間内を開口端部へ向けて伝搬する平面圧力波の圧力波形測定装置であって、前記管路状空間に沿って離間して設けられた複数個の圧力波形測定手段と、前記圧力波形測定手段によって得られた圧力波形データを前記管路状空間に沿った基準位置に位相シフトさせて、前記基準位置における、前記開口端部で反射した反射波を除去した圧力波形を得るデータ処理手段と、からなることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、管路状空間内を開口端部へ向けて伝搬する平面圧力波の圧力波形測定方法であって、前記管路状空間に沿って離間して設けられた複数個の圧力波形測定手段によって得られた圧力波形データを前記管路状空間に沿った基準位置に位相シフトさせて、前記基準位置における、前記開口端部で反射した反射波を除去した圧力波形を得るデータ処理ステップを含むことを特徴とする。
【0009】
上記した圧力波形測定装置及び方法によれば、管路状空間内を開口端部へ向けて伝搬する平面圧力波を実験的に正確に測定できるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の1つの実施例について、図1乃至図3を用いて詳細を説明する。
【0011】
図1に示すように、圧力波形測定システム1は、トンネルなどの管路状空間2内を伝播する平面波である圧力波(大気圧基準)を測定するためのシステムである。圧力波形測定システム1は、管路状空間2の内部へ向けて側壁から突出して取り付けられた音声マイクなどの圧力波形測定プローブ3を複数個含む。2又は3個の圧力波形測定プローブ3a~3cは、管路状空間2に沿って一定間隔Lだけ隔てて取り付けられる。圧力波形測定プローブ3からの信号はアンプ4を介してデータレコーダ5に導かれ、ソフトウェアにより解析処理を行うコンピュータの如き解析手段6によってデータ処理を施される。後述するようにデータ処理は、最終的に数値積分を行うが公知の数値積分方法、例えばシンプソン法などを用いて行われる。データ処理による解析結果は表示手段であるサーマルレコーダ7によって表示される。
【実施例1】
【0012】
図1において、圧力波形測定プローブ3が第1測定プローブ3a及び第3測定プローブ3cの2個の場合について、解析手段6によるデータ処理について述べる。
【0013】
図2に示すように、管路状空間2内を入口2aから出口2bに向かって音源となる高速移動体10が進行(前進又は後進)しているとする。管路状空間2の出口2bを原点として外側を正として管路状空間2に沿って座標を定義する。ここで出口2bから入口2aに向けて距離-xの位置における音源からの入射波を時間をt、音速をcとして、
【数1】
JP0004997518B2_000002t.gif
で表す。
【0014】
また、音源からの圧力波は管路状空間2の出口2bにおいて外側に放射されるが一部は反射されて管路状空間2内を入口2aへ向けて戻って行く。上記したと同位置でこの反射波を時間t、音速をcとして、
【数2】
JP0004997518B2_000003t.gif
で表す。すると、管路状空間2内で測定される圧力波Fは、入射波と反射波の合成されたものであるから、
【数3】
JP0004997518B2_000004t.gif
で表される。
【0015】
つまり、第1測定プローブ3a及び第2測定プローブ3bの位置座標をそれぞれx及びx(x>x)とすると、第1測定プローブ3a及び第2測定プローブ3bで測定される圧力波は、
【数4】
JP0004997518B2_000005t.gif
【数5】
JP0004997518B2_000006t.gif
と表される。
【0016】
ここで、第1測定プローブ3a及び第2測定プローブ3b間の距離Lを
【数6】
JP0004997518B2_000007t.gif
とすると、距離Lを圧力波が伝播する時間τは、
【数7】
JP0004997518B2_000008t.gif
である。
【0017】
[実施例1-1]
まず、第2測定プローブ3bの位置に第1測定プローブ3aの位置で測定される圧力波のデータをシフトさせる「右点分離法」について説明する。
【0018】
すなわち、第1測定プローブ3aの位置で測定される圧力波のデータを時間(-τ)だけシフトさせると、数4から、
【数8】
JP0004997518B2_000009t.gif
となる。ただし、表記を簡単にするため、以下、F及びFの座標x及びxは省略する。数5及び数8より、
【数9】
JP0004997518B2_000010t.gif
となる。数9をτに関して1次の項まで展開すると、
【数10】
JP0004997518B2_000011t.gif
となり、数10から、両辺を積分して分離波fsepは、
【数11】
JP0004997518B2_000012t.gif
となる。右辺について数値積分して分離波fsepを得る。なお、数値積分の積分定数については、例えば、最終的な分離波fsepの平均値を0とするように定められ得る。
【0019】
ここで、数10の成立する条件は、角周波数の上限をΩとすると、
【数12】
JP0004997518B2_000013t.gif
すなわち、
【数13】
JP0004997518B2_000014t.gif
である。また、距離Lだけ離れた2点で波長λの圧力波をサンプリングするとみなせば、サンプリング定理により、
【数14】
JP0004997518B2_000015t.gif
となる。すなわち、
【数15】
JP0004997518B2_000016t.gif
となるので、注目する周波数の上限fcが数14を充たせば、数15は自動的に満足する。
【0020】
ところで、数9において、τが小さくなると、つまり第1測定プローブ3a及び第2測定プローブ3b間の距離Lが小さくなると、右辺の値は最終的には0となってしまうため分離波fsepを得られない。よってLは大であることが好ましい。しかしながら、数13より、距離Lが大きいと分離可能な周波数(分限周波数)fが小さくなってしまう。そこで距離Lは、測定対象となる周波数fから適宜、調整される。これは以下の実施例においても同様である。
【0021】
[実施例1-2]
次に、第1測定プローブ3aの位置に第2測定プローブ3bの位置で測定される圧力波のデータをシフトさせる「左点分離法」について説明する。
【0022】
すなわち、第2測定プローブ3bの位置で測定される圧力波のデータを時間(+τ)だけシフトさせると、数5から
【数16】
JP0004997518B2_000017t.gif
となる。ここでも、表記を簡単にするため、F及びFの座標x及びxは省略する。数4及び数16より、
【数17】
JP0004997518B2_000018t.gif
となる。数17をτに関して1次の項まで展開すると、
【数18】
JP0004997518B2_000019t.gif
となり、数18から、分離波fsepは、
【数19】
JP0004997518B2_000020t.gif
となる。右辺について数値積分して分離波fsepを得る。なお、数値積分の積分定数については、上記同様に、例えば、最終的な分離波fsepの平均値を0とするように定められ得る。
【0023】
[実施例1-3]
次に、第1測定プローブ3a及び第2測定プローブ3bの中間位置にそれぞれのプローブで測定される圧力波のデータをシフトさせる「中点分離法」について説明する。
【0024】
まず、第1測定プローブ3aの位置で測定される圧力波のデータを時間(-τ/2)だけシフトさせると、数4から、
【数20】
JP0004997518B2_000021t.gif
となる。ここで、数20では、
【数21】
JP0004997518B2_000022t.gif
とおいた。
【0025】
同様に、第2測定プローブ3bの位置で測定される圧力波のデータを時間(+τ/2)だけシフトさせると、
【数22】
JP0004997518B2_000023t.gif
となる。数20及び数22より、
【数23】
JP0004997518B2_000024t.gif
となる。数23をτに関して1次の項まで展開すると、
【数24】
JP0004997518B2_000025t.gif
となり、数24から、両辺を積分して分離波fsepは、
【数25】
JP0004997518B2_000026t.gif
となる。右辺について数値積分して分離波fsepを得る。なお、数値積分の積分定数については、上記同様に、例えば、最終的な分離波fsepの平均値を0とするように定められ得る。
【0026】
なお、数10、数18及び数24は、nを用いて、
【数26】
JP0004997518B2_000027t.gif
と表現できる。ここで、n=0では右点分離法、n=1では左点分離法、n=1/2では中点分離法を表している。
【実施例2】
【0027】
図1において、圧力波形測定プローブ3が第1測定プローブ3a、第2測定プローブ3b及び第3測定プローブ3cの3個の場合について、解析手段6によるデータ処理について述べる。
【0028】
図3に示すように、図2と同様に、管路状空間2内を入口2aから出口2bに向かって音源となる高速移動体10が進行(前進又は後進)しているとする。また、管路状空間2の出口2bを原点として外側を正とした座標を管路状空間2に沿って定義する。
【0029】
第2測定プローブ3bの位置に第1測定プローブ3a及び第3測定プローブ3cの位置で測定される圧力波のデータをシフトさせる「2階中点分離法」について説明する。
【0030】
数4及び数5に加えて、第3測定プローブ3cの位置座標をxとすると、第3測定プローブ3cで測定される圧力波は、数4、5と同様に、
【数27】
JP0004997518B2_000028t.gif
と表される。
【0031】
ここで、第1測定プローブ3a、第2測定プローブ3b及び第3測定プローブ3c間の距離Lとτの間には、上記したと同様に、
【数28】
JP0004997518B2_000029t.gif
の関係が成立する。
【0032】
第2測定プローブ3bの位置に第3測定プローブ3cの位置で測定される圧力波のデータをシフトさせる。すなわち、第3測定プローブ3cの位置で測定される圧力波のデータを時間(+τ)だけシフトさせると、数27から、
【数29】
JP0004997518B2_000030t.gif
となる。同様に、第2測定プローブ3bの位置に第1測定プローブ3aの位置で測定される圧力波のデータをシフトさせると数8が導かれる。すなわち、数5,数8及び数29より、
【数30】
JP0004997518B2_000031t.gif
となる。数30をτに関して2次の項まで展開すると、
【数31】
JP0004997518B2_000032t.gif
となり、数31から、両辺を積分して分離波fsepは、
【数32】
JP0004997518B2_000033t.gif
となる。右辺について数値積分して分離波fsepを得る。なお、数値積分の積分定数については、上記同様に、例えば、最終的な分離波fsepの平均値を0とするように定められ得る。
【0033】
[検証試験1]
図4に示すように、直径0.1mの内径を有する長さ4.5mの円管の管路状空間2の一端部を吸音材15で覆い、その近傍に音源としてのスピーカ16を配置して、管路状空間2の他端部の出口2bに向けて平面圧力波を伝播させる。ここで、圧力波形測定システム1において、1/4インチマイクからなる3個の圧力波形測定プローブ3a~3cは、一定間隔L=0.1mだけ隔てて設置した。なお、最も出口2bに近い位置にある第1圧力波形測定プローブ3aは、出口2bから距離l=0.9mの位置にある。圧力波形測定システム1のその他は、上記したので詳述しない。なお、数13より、L=0.2mのときの分限周波数fは135Hzである。
【0034】
まず、分限周波数よりも低い周波数であるf=50Hzについて、第1圧力波形測定プローブ3a及び第3圧力波形測定プローブ3cで測定される値から上記した実施例1-1の右点分離法で分離波fsepを得た。なおここでは開口端補正を考慮している。
【0035】
図5には、第1圧力波形測定プローブ3a及び第3圧力波形測定プローブ3cで測定されるF(t)及びF(t)について示した。また図6には、F(t)を時間(-τ)だけシフトさせたF(t-τ)、F(t)及び分離波fsep(t)について示した。なお、図6の分離波fsep(t)については、スピーカ16からの波、すなわち入射波f(t)についても併せて示した。図6から、右点分離法により得た分離波fsep(t)は入射波f(t)を非常に良く再現していることがわかる。
【0036】
次に、上記と同様の条件で周波数を変えた測定を行った。図7乃至図10には、50Hzから1000Hzにおける基準位置での入射波f(t)及び分離波fsep(t)について示した。図7は実施例1-1の右点分離法、図8は実施例1-2の左点分離法、図9は実施例1-3の中点分離法、図10は実施例2の2階中点分離分離法による結果である。分限周波数135Hzよりも低い周波数ではいずれも分離波fsep(t)は入射波f(t)を非常に良く再現していることがわかる。特に、中点分離法及び2階中点分離分離法では、分限周波数よりも高い周波数でも分離波fsep(t)は位相のずれなく入射波f(t)を非常に良く再現していることがわかる。
【0037】
なお、上記において入射波は正弦波でなくとも矩形波、三角波若しくは混合波であっても同様の結果を得られる。
【0038】
[検証試験2]
続いて、中点分離法による結果を示す。
【0039】
図11に第1、第2、第3圧力波形測定プローブ3a、3b、3cで測定されるF(t)、F(t)、F(t)について示した。このとき、図12は、2L(0.2m)だけ離れた第1及び第3圧力波形測定プローブ3a、3cから求めた分離波の図である。また、図13は、L(0.1m)だけ離れた第2及び第3圧力波形測定プローブ3b、3cから求めた分離波の図である。
【0040】
ここで上記したように測定プローブ間隔を狭めると分限周波数は大となる。すなわち、図12及び図13に関する実験における分限周波数はそれぞれ135Hz及び270Hzであるから後者の方が分離精度の高い傾向にあるはずである。これについては図12及び図13を比較して確認できる。
【0041】
以上、本実施例によれば、管路状空間内を開口端部へ向けて伝搬する平面圧力波を精度良く測定できる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明による圧力波形測定装置の図である。
【図2】本発明による圧力波形測定方法を示す図である。
【図3】本発明による圧力波形測定方法を示す図である。
【図4】本発明による圧力波形測定装置の図である。
【図5】本発明による圧力波形測定装置で得られたグラフである。
【図6】本発明による圧力波形測定装置で得られたグラフである。
【図7】本発明による圧力波形測定装置で得られたグラフである。
【図8】本発明による圧力波形測定装置で得られたグラフである。
【図9】本発明による圧力波形測定装置で得られたグラフである。
【図10】本発明による圧力波形測定装置で得られたグラフである。
【図11】本発明による圧力波形測定装置で得られたグラフである。
【図12】本発明による圧力波形測定装置で得られたグラフである。
【図13】本発明による圧力波形測定装置で得られたグラフである。
【符号の説明】
【0043】
1 圧力波形測定システム
2 管路状空間
3 圧力波形測定プローブ
4 アンプ
5 データレコーダ
6 解析手段
7 サーマルレコーダ
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12