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明細書 :ボックスカルバート

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4987780号 (P4987780)
公開番号 特開2009-243139 (P2009-243139A)
登録日 平成24年5月11日(2012.5.11)
発行日 平成24年7月25日(2012.7.25)
公開日 平成21年10月22日(2009.10.22)
発明の名称または考案の名称 ボックスカルバート
国際特許分類 E03F   3/04        (2006.01)
FI E03F 3/04 A
請求項の数または発明の数 3
全頁数 7
出願番号 特願2008-090747 (P2008-090747)
出願日 平成20年3月31日(2008.3.31)
審査請求日 平成22年7月8日(2010.7.8)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】公益財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】谷村 幸裕
【氏名】田所 敏弥
【氏名】宇野 匡和
個別代理人の代理人 【識別番号】100083839、【弁理士】、【氏名又は名称】石川 泰男
審査官 【審査官】草野 顕子
参考文献・文献 特開平04-102629(JP,A)
調査した分野 E03F 1/00-11/00
E02D 29/045-29/09
特許請求の範囲 【請求項1】
上壁、底壁、左側壁および右側壁により角筒状に形成され、前記上壁、前記底壁、前記左側壁および前記右側壁内に、上壁用鉄筋、底壁用鉄筋、左側壁用鉄筋および右側壁用鉄筋が配されているコンクリート製ボックスカルバートにおいて、
隅角部の内面にハンチが形成されておらず、前記隅角部の外面は、外方に突出しており、前記隅角部は、前記上壁用鉄筋、前記底壁用鉄筋、前記左側壁用鉄筋および前記右側壁用鉄筋の一部によって補強されていることを特徴とするボックスカルバート。
【請求項2】
前記隅角部は、角梁状に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のボックスカルバート。
【請求項3】
前記上壁用鉄筋、前記底壁用鉄筋、前記左側壁用鉄筋および前記右側壁用鉄筋は、それぞれ内側主鉄筋と外側主鉄筋とを有し、前記内側主鉄筋は延長され、その先端部は、直角に折れ曲がって前記隅角部内に配されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のボックスカルバート。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
この発明は、ボックスカルバート、特に、隅角部の内面にハンチを形成しないことによりハンチ筋を不要とし、これによって、製造工程を簡略化することができるボックスカルバートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数個のボックスカルバートを軸方向に連結し、盛土あるいは地盤内に埋設して、例えば、道路の下に水路や通路等の空間を構築する工法が一般的に行われている。
【0003】
このボックスカルバートの従来例を、図面参照しながら説明する。
【0004】
図4は、従来ボックスカルバートを示す斜視図、図5は、図4のB-B線断面図、図6は、図5の部分拡大図である。
【0005】
図4から図6に示すように、従来ボックスカルバートは、それぞれコンクリートからなる上壁1、底壁2、左側壁3および右側壁4を角筒状に形成したものからなっている。上壁1、底壁2、左側壁3および右側壁4内には、上壁用鉄筋5、底壁用鉄筋6、左側壁用鉄筋7および右側壁用鉄筋8が配されている。隅角部(C)の内面には、ハンチ筋10により補強されたハンチ9が形成されている。ここで、隅角部(C)とは、各壁1、2、3および4の交差部分をいう(図5参照)。
【0006】
上壁用鉄筋5、底壁用鉄筋6、左側壁用鉄筋7および右側壁用鉄筋8は、上壁1、底壁2、左側壁3および右側壁4内の内側に、これら各壁の軸方向と直交する方向に配された内側主鉄筋11と、内側主鉄筋11の外側にこれと平行に配された外側主鉄筋12と、内側主鉄筋11と外側主鉄筋12との間に配されたせん断補強鉄筋13と、上壁1、底壁2、左側壁3および右側壁4の軸方向に配された配力筋14とからなっている。ハンチ筋10は、ハンチ用主筋15と補強筋16とからなっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来ボックスカルバートによれば、上壁用鉄筋5、底壁用鉄筋6、左側壁用鉄筋7、右側壁用鉄筋8、および、ハンチ筋10により補強されたハンチ9により高い強度が確保されている。
【0008】
しかしながら、従来ボックスカルバートは、以下のような問題を有していた。
【0009】
ボックスカルバートは、上壁1、底壁2、左側壁3および右側壁4の型枠内に、上壁用鉄筋5、底壁用鉄筋6、左側壁用鉄筋7、右側壁用鉄筋8およびハンチ筋10を仮止めし、この後、型枠内にコンクリートを打設し、そして、コンクリートを硬化させることにより製造されていた。
【0010】
ところが、上記製造工程において、ハンチ筋10は、各種鉄筋が縦横に錯綜した狭隘なスペースに配筋する必要があるので、ハンチ筋10の配筋作業が極めて困難であり、この配筋作業に多大な労力と時間を要していた。
【0011】
しかも、隅角部(C)の強度を高めるために、隅角部(C)のコンクリートと鉄筋との定着長さをある程度長く確保する必要があり、このために、ハンチ用主筋15および内側主鉄筋11の端部を鋭角に折り曲げる必要があるが、この折り曲げた鉄筋を各種鉄筋が縦横に錯綜した狭隘なスペースに配筋するのに多大な労力と時間を要していた。
【0012】
これらの問題は、特に、小型のボックスカルバートの製造時において起っていた。
【0013】
従って、この発明の目的は、隅角部の内面にハンチを形成しないことによりハンチ筋を不要とし、これによって、製造工程を簡略化することができるボックスカルバートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明は、上記目的を達成するためになされたものであって、下記を特徴とするものである。
【0015】
請求項1に記載の発明は、上壁、底壁、左側壁および右側壁により角筒状に形成され、前記上壁、前記底壁、前記左側壁および前記右側壁内に、上壁用鉄筋、底壁用鉄筋、左側壁用鉄筋および右側壁用鉄筋が配されているコンクリート製ボックスカルバートにおいて、隅角部の内面にハンチが形成されておらず、前記隅角部の外面は、外方に突出しており、前記隅角部は、前記上壁用鉄筋、前記底壁用鉄筋、前記左側壁用鉄筋および前記右側壁用鉄筋の一部によって補強されていることに特徴を有するものである。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記隅角部は、角梁状に形成されていることに特徴を有するものである。
【0017】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記上壁用鉄筋、前記底壁用鉄筋、前記左側壁用鉄筋および前記右側壁用鉄筋は、それぞれ内側主鉄筋と外側主鉄筋とを有し、前記内側主鉄筋は延長され、その先端部は、直角に折れ曲がって前記隅角部内に配されていることに特徴を有するものである。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、隅角部の内面にハンチを形成しないので、多大な労力と時間を要するハンチ筋の配筋作業が不要となり、ボックスカルバートの製造工程が簡略化される。しかも、隅角部の外面を外方に突出させることによって、上壁用鉄筋、底壁用鉄筋、左側壁用鉄筋および右側壁用鉄筋の一部により隅角部を補強することができるので、隅角部の補強用鉄筋の構成が簡素化され、さらに、隅角部の内面にハンチが形成されていない分、開口面積が広くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
この発明のボックスカルバートの一実施態様を、図面を参照しながら説明する。
【0020】
図1は、この発明のボックスカルバートを示す斜視図、図2は、図1のA-A線断面図、図3は、図2の部分拡大図である。
【0021】
図1から図3に示すように、この発明のボックスカルバートは、それぞれコンクリートからなる上壁1、底壁2、左側壁3および右側壁4を角筒状に形成したものからなっている。上壁1、底壁2、左側壁3および右側壁4内には、上壁用鉄筋5、底壁用鉄筋6、左側壁用鉄筋7および右側壁用鉄筋8が配されている。隅角部(C)の内面には、ハンチが形成されておらず、隅角部(C)の外面は、外方に角梁状に突出している。なお、隅角部(C)の外面の突出形状は、角梁状に限定されない。ここで、隅角部(C)とは、前記角梁状に突出した部分を含めた各壁1、2、3および4の交差部分をいう(図2参照)。
【0022】
上壁用鉄筋5、底壁用鉄筋6、左側壁用鉄筋7および右側壁用鉄筋8は、上壁1、底壁2、左側壁3および右側壁4内の内側に、これら各壁の軸方向と直交する方向に配された内側主鉄筋11と、内側主鉄筋11の外側にこれと平行に配された外側主鉄筋12と、内側主鉄筋11と外側主鉄筋12との間に配されたせん断補強鉄筋13と、上壁1、底壁2、左側壁3および右側壁4の軸方向に配された配力筋14とからなっている。
【0023】
内側主鉄筋11は延長され、その先端部(T)は、直角に折れ曲がって隅角部(C)内に配され、先端部(T)には、配力筋14が配されている。
【0024】
このように、内側主鉄筋11を延長し、その先端部(T)を、外方に角梁状に突出させた隅角部(C)内に直角に配して、従来ボックスカルバートの隅角部(C)の強度と同様な強度になるように、隅角部(C)を補強することによって、従来ボックスカルバートには必要不可欠であった隅角部内面のハンチが不要となる。これによって、ハンチ筋が不要となるので、多大な労力と時間を要する、各種鉄筋が縦横に錯綜した狭隘なスペースへのハンチ筋の配筋作業がなくなり、ボックスカルバート製造時の配筋作業が簡素化される。
【0025】
上記例は、内側主鉄筋11を延長し、その先端部(T)を直角に折れ曲げて隅角部(C)内に配したものであるが、内側主鉄筋11と隅角部(C)のコンクリートとの定着長さを長くして、隅角部(C)の強度をさらに高めるために、内側主鉄筋11の先端部(T)をさらに長くして、折り曲げ形状を変えたり、あるいは、別の補強筋を配する等の手段を講じても良いことは勿論である。
【0026】
また、内側主鉄筋11の代わりに、外側主鉄筋12を延長して、隅角部(C)を補強しても良い。
【0027】
以上のように、この発明によれば、隅角部の内面にハンチを形成しない代わりに隅角部の外面を外方に突出させることによって、以下のような効果がもたらされる。
【0028】
(1)隅角部の内面にハンチを形成しないので、多大な労力と時間を要するハンチ筋の配筋作業が不要となり、ボックスカルバート製造時の配筋作業が簡略化される。
【0029】
(2)隅角部の外面を外方に突出させることによって、上壁用鉄筋、底壁用鉄筋、左側壁用鉄筋および右側壁用鉄筋により隅角部を補強することができるので、隅角部の補強用鉄筋の構成が簡素化される。
【0030】
(3)上記(1)および(2)の効果によって、ボックスカルバートの製造時間および製造コストを低減させることができる。
【0031】
(4)隅角部の内面にハンチが形成されていない分、開口面積が広くなるので、例えば、ボックスカルバートを暗渠として使用する場合には、水量を増やすことができ、水量を一定とした場合には、ボックスカルバートを小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】この発明のボックスカルバートを示す斜視図である。
【図2】図1のA-A線断面図である。
【図3】図2の部分拡大図である。
【図4】従来ボックスカルバートを示す斜視図である。
【図5】図4のB-B線断面図である。
【図6】図5の部分拡大図である。
【符号の説明】
【0033】
1:上壁
2:底壁
3:左側壁
4:右側壁
5:上壁用鉄筋
6:底壁用鉄筋
7:左側壁用鉄筋
8:右側壁用鉄筋
9:ハンチ
10:ハンチ筋
11:内側主鉄筋
12:外側主鉄筋
13:せん断補強鉄筋
14:配力筋
15:ハンチ用主筋
16:補強筋
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5