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明細書 :金属ナノ粒子の製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5822265号 (P5822265)
公開番号 特開2013-036114 (P2013-036114A)
登録日 平成27年10月16日(2015.10.16)
発行日 平成27年11月24日(2015.11.24)
公開日 平成25年2月21日(2013.2.21)
発明の名称または考案の名称 金属ナノ粒子の製造方法
国際特許分類 B22F   9/24        (2006.01)
B82Y  40/00        (2011.01)
FI B22F 9/24 E
B82Y 40/00
請求項の数または発明の数 3
全頁数 10
出願番号 特願2011-175685 (P2011-175685)
出願日 平成23年8月11日(2011.8.11)
審査請求日 平成26年7月30日(2014.7.30)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504180239
【氏名又は名称】国立大学法人信州大学
発明者または考案者 【氏名】酒井 俊郎
審査官 【審査官】市川 篤
参考文献・文献 特表2007-531822(JP,A)
特開2009-221140(JP,A)
特開平05-245470(JP,A)
特開2009-057594(JP,A)
特開2005-290478(JP,A)
調査した分野 B22F 9/00-9/30
特許請求の範囲 【請求項1】
金属塩の還元を利用した金ナノ粒子の製造方法であって、水に周波数が200KHzから1000KHzの超音波を照射して、機能水を得る調製工程と、前記機能水と金属塩溶液とを混合する混合工程と、を備えること
を特徴とする金ナノ粒子の製造方法。
【請求項2】
前記調製工程において、前記水がアルゴン置換水であることを特徴とする請求項1に記載の金ナノ粒子の製造方法。
【請求項3】
前記混合工程において、混合の際の反応温度が30℃から60℃であることを特徴とする請求項1または2記載の金ナノ粒子の製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、産業への適用が容易な、有機物を含まない金属ナノ粒子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属ナノ粒子(粒径が数nmから数十nm程度の金属の微粒子)は、粒径がミクロンおよびサブミクロンオーダーの粒子には無い、特有の性質を示すことから、様々な分野への応用が期待されている。例として、大きな比表面積を利用して有機合成触媒への適用や、量子サイズ効果を利用しての光デバイスへの適用が挙げられる。また、微粒子が磁性体微粒子である場合には、単磁区構造を利用しての高密度記録媒体への適用が期待されている。さらに、金属ナノ粒子は、同じ組成のミクロンおよびサブミクロン粒子と比較して、著しく低い融点を示すことが認められているため、これを利用して、低温焼成が可能な導電性材料としての適用が研究されている。
【0003】
一般的な金属ナノ粒子の製造方法としては、金属塩水溶液と、還元補助剤とを混合して、金属塩水溶液を還元することによって金属ナノ粒子を得る方法が提案されている(特許文献1、2、3等)。また、生成した金属ナノ粒子の凝集を防ぐため、各粒子の保護剤を添加する方法も一般的である(特許文献4、5等)。この際、使用される還元補助剤や保護剤は、有機成分を含む化合物が用いられる場合があるため、産業への適用が好適な高純度な金属ナノ粒子を得るためには、その製造工程において、これらの不純物を除去する必要がある(特許文献6、7、8等)。
【0004】
上記問題に対応するため、還元補助剤などの不純物を含まない物理的作用を利用した方法として、金属の溶液または気相状態の金属に対して高出力のプラズマを発生させて、金属ナノ粒子を得る方法が報告されている(特許文献9、10等)。また、金属塩溶液に対して高出力の超音波を照射することで金属ナノ粒子を製造する方法についても多数報告がある(特許文献11、12等)。
上記超音波を照射することによる金属ナノ粒子の製造方法は、水溶液に超音波が照射されることによって生じるソノケミカル反応を利用したものである(非特許文献1)。具体的には、液体へ超音波を照射することで、その間に生じる急激な撹拌効果や気泡の圧縮、膨張によるキャビテーションの反応を利用した方法が報告されている(特許文献13)。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特開2009-221598号公報
【特許文献2】特開2010-116626号公報
【特許文献3】特開2011-132581号公報
【特許文献4】特開2003-253311号公報
【特許文献5】特開2010-209366号公報
【特許文献6】特開2008-150701号公報
【特許文献7】特開2009-155674号公報
【特許文献8】国際公開第2005/089986号パンフレット
【特許文献9】特開2009-024246号公報
【特許文献10】特開2010-077458号公報
【特許文献11】特開2007-031799号公報
【特許文献12】特開2008-106315号公報
【特許文献13】特開2008-221121号公報
【特許文献14】特開2009-057594号公報
【0006】

【非特許文献1】K. S. Suslick, G. J. Price, Annu. Rev. Mater. Sci., 29 (1999) 295
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記の方法では、高出力のプラズマや超音波を発生させる必要があるため、その実施には大きなエネルギーとコストを要するという課題があった。また、これらのプラズマや超音波による反応は、プラズマや超音波が照射されている部分のみで起こるのに対し、これらの発生装置は均一な強度で広範囲に適用するのが困難であり、このため、工場等において、一定以上の規模に適用するのが困難であるという課題があった。
また、上記方法では、溶液中で粒子を分散させるための分散剤や保護剤を用いていないため、製造の温度条件等によっては、溶液中で生成された粒子が安定せず凝集、融合することで大きくなり、十分にサイズの小さい金属ナノ粒子を得ることが困難となるという課題があった。
本発明は、上記課題に対応するためなされたものであり、構成が簡易で、工場等への適用が容易な方法で、かつ温度条件によらず均一で十分粒径の小さな金属ナノ粒子を得ることが可能な金属ナノ粒子の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る金属ナノ粒子の製造方法は、金属塩の還元を利用した金属ナノ粒子の製造方法であって、水に超音波を照射して、機能水を得る調製工程と、前記機能水と金属塩溶液とを混合する混合工程と、を備えることを特徴とする。
また、前記調製工程において、前記水がアルゴン置換水であることを特徴とする。
また、前記混合工程において、混合の際の反応温度が30℃から60℃であることを特徴とする。
また、前記金属ナノ粒子が、金、銀、白金を含む貴金属であることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る金属ナノ粒子の製造方法は、超音波を照射することにより生成された機能水が有する新規な成分、性質を用いて、金属塩溶液を還元して金属ナノ粒子を生成し、かつ生成された金属ナノ粒子を凝集せずに安定させるものである。水に超音波を作用させた際に生じると考えられる水素ラジカルの寿命は数ナノ秒から、長くても数ミリ秒であるから、ここでいう成分、性質は、水素ラジカルではないことが明らかであり、本発明に係る金属ナノ粒子の製造方法は、従来考えられてきたような、水素ラジカルを還元種として、金属ナノ粒子を生成しているものではない点で新規である。
【0010】
また、この成分、性質は、水のソノケミカル反応の副生成物である過酸化水素や硝酸でもないと考えられる。このため、この新規な成分、性質を有する機能水に関しては、本発明の新たな構成として、または新たな発明として抽出することも可能である。
本発明に係る金属ナノ粒子の製造方法において、機能水の生成に用いる水の種類は特に制限がないが、水に溶け込んだ、空気中の酸素や窒素による影響を排除して、純粋な水による作用を利用して金属ナノ粒子を生成するにはアルゴン置換水を利用すればよい。アルゴン置換水を利用することによって、金属ナノ粒子の生成を確実にコントロールすることができる。
【0011】
また、本発明に係る金属ナノ粒子の製造方法において、機能水の生成に用いる超音波の周波数は、特に制限はないが、200KHzから1000KHzの範囲であると好適であり、900KHzから1000KHzの範囲であるとさらに好ましい。
また、本発明に係る金属ナノ粒子の製造方法において、金属塩溶液に用いる金属塩は、特に制限はないが、金、銀、白金やパラジウムなどの貴金属の金属塩であると好適である。例えば金属塩としては、銅、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、クロミウム、マンガン、マグネシウム、カドミウム、アルミニウム、錫、タングステンなどを含む金属塩、溶液中でイオン(例えば、Ag+,Ag(CN)2-,AlCl4-,Au3+,AuCl4-,AuBr4-,PtCl62-,Mg2+,Mn2+,Co2+,Ni2+,Cu2+,Zn2+,Cd2+,Fe3+,Al3+,Pd2+,PdCl42-,Sn2+,SnO32-,Ga3+,WO42-)なりうる金属塩、AgAsF6,AgBF4,AgBr,AgCl,AgClO3,AgClO4,AgF,AgF2,AgF6P,AgF6Sb,AgI,AgIO3,AgMnO4,AgNO2,AgNO3,AgO3V,AgO4Re,Ag2CrO4,Ag2O,Ag23S,Ag24S,Ag2S,Ag2Se,Ag2Te,Ag3AsO4,Ag3AsO4,Ag3AsO4,Ag34P,Ag8164,KAg(CN)2,CH3CO2Ag,AgCN,AgCNO,AgCNS,Ag2CO3、AlCl312,AlCl4Cs,AlCl4K,AlCl4Li,AlCl4Na,AlC12Ti3,AlCsO4Si,AlCsO6Si2,AlCsO82,AlF4K,AlF6Na3,AlKO82,AlLiO2,AlN39,AlO4P,AlO93,Al2BaO4,Al2MgO4,Al25Ti,Al3123,Al6Bi212,Al613Si2,H4AlLi,H4AlNO82,AuBr3,KAuBr4,NaAuBr4,AuCl3,KAuCl4,NaAuCl4,HAuCl4,AuI3,Au23,HAuCl4N,AuCN、CoF2,CoF3,CoI2,CoLiO2,CoN26,CoN6Na312,CoO,CoO4S,CoSe,Co34,Co382,Co5Sm,Co7Sm2,H8CoN282,H12CoN99,H15Cl3CoN5,CoCO3、CdCl2,CdCl28,CdF2,CdI2,CdMoO4,CdN26,CdO3Zr,CdO4S,CdO4W,CuF2,CuI,CuMoO4,CuN26,CuNb26,CuO,CuO3Se,CuO4S,CuO4W,CuS,CuSe,CuTe,Cu2HgI4,Cu2O,Cu272,Cu2S,Cu2Se,Cu2Te,H8Cl4CuN2,H12CuN44S,CuCN,CuCNS、MgMn28,MgMoO4,MgN26,MgO32,MgO3Ti,MgO3Zr,MgO4S,MgO4W,Mg272,Mg382,H4MgNO4P,MnMoO4,MnN26,MnNoO4,MnO4S,H4MnO42,NiO,NiO3Ti,NiO4S,H42NiO62,H2PtCl6,H6Cl22Pt,H6Cl42Pt,H644Pt,H6Na26Pt,H8Br62Pt,H8Cl42Pt,H8Cl62Pt,H86Pt,H12Cl24Pt,H12Cl44Pt2,H1266Pt,H1442Pt,C22Pt,H6Br22Pd,H6Cl22Pd,H622Pd,H644Pd,H8Cl42Pd,H8Cl62Pd,H12Br24Pd,H12Cl24Pd,H12Cl44Pd2,H1266Pd,C22Pd,Pd(OAc)2,Pd(NO32,H4FeNO82,H8FeN282,FeCl3,C22Zn,H2SnO3,Na2SnO3,SnCl22H2O,SnO,SnSO4,SnO2,GaBr3,GaCl3,GaI3,Ga(NO33xH2O,Ga(SO43xH2O,Ga2(SO43,GaAs,GaN,GaP,GaS,Ga23,GaSe,GaSe,Ga2Se3,GaTe,Ga2Te3,GaO2H,H2WO4などが好適である。これらのうち、AgNO3,KAuCl4,NaAuCl4,HAuCl4,H2PtCl6,Pd(OAc)2,Pd(NO32,Ga(NO33xH2Oなどが特に好ましい。
なお、この際、金属塩溶液の濃度には特に制限はないが、10mM以下であると好適であり、0.1mM以下であると好ましい。また、0.05mM以下であると、粒子が生成した後の分散性に優れるため、さらに好ましい。
【0012】
また、本発明に係る金属ナノ粒子の製造方法において、金属塩溶液と機能水とを混合し、反応させる際の温度については、特に制限はない。ただし、高温である方がより反応を促進するため、一定温度以上であることが好ましい。具体的には、30℃から60℃の範囲であると好適である。なお、この温度範囲は、反応時に超音波照射を行う方法で金属ナノ粒子を製造した場合に、粒子の凝集が認められる温度範囲であるが、本発明に係る金属ナノ粒子の製造方法によれば、粒子を凝集させることなく、均一な粒径の金属ナノ粒子を得ることが可能である。
【0013】
本発明に係る金属ナノ粒子の製造方法によれば、還元補助剤や保護剤を用いることなく、金属ナノ粒子を製造することが可能であるため、純粋な金属ナノ粒子を提供することが可能になる。ただし、このことは水に超音波を照射して得られる機能水を用いて、金属ナノ粒子を得る際に、還元補助剤や分散剤、保護剤を使用することを妨げるものではなく、本発明は実施の際に、これらの添加物を使用することも可能である。また、これらの添加物の使用は、追加の除去工程が必要になるものの、試料溶液中の金属粒子の生成効率を上げるのに寄与すると考えられる。
【0014】
また、本発明に係る金属ナノ粒子の製造方法によれば、反応時に超音波を照射させ続ける必要がなく、また、水に超音波を照射させる設備や条件に関する制限がないため、超音波を発生させる設備を用意できる環境であれば、自由に規模を変更することが可能になり、工場等への適用が容易である。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る金属ナノ粒子の製造方法によれば、簡易な設備で、粒径の均一な金属ナノ粒子を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明により製造された金属ナノ粒子のTEM像である。
【図2】本発明により20℃で製造された金属ナノ粒子の反応時間ごとの紫外可視分光分析の結果のスペクトルである。
【図3】本発明により製造された金属ナノ粒子のうち、5-60℃で反応した試料についての530nm付近の吸収ピーク強度について時間変化を示すグラフである。
【図4】超音波還元法により製造された金属ナノ粒子のTEM像である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<実施例1>
以下に本発明に係る金属ナノ粒子の製造方法を実施するための形態について説明する。
(機能水の調製)
はじめに機能水の調製を行う。本実施例では、水50mlの入ったビーカーを、超音波照射器(三井電気精機株式会社製SD-32CP-950K)が取り付けられたウォーターバス中に沈積して、300W、950KHzの超音波を8分間照射した。なお、材料として使用した水には、超音波照射によるラジカル生成や、窒素等の反応による硝酸の生成等を抑制するため、あらかじめアルゴンガスをパージして、酸素や窒素を置換した水を使用した。

【0018】
(機能水と金属塩溶液との混合)
次に、調製した機能水50mlと、金属塩溶液250μlとをビーカー内で攪拌混合し、所定の温度を保ちながら、約120分静置する。本実施例では、金属塩溶液として、塩化金酸(HAuCl)水溶液を使用しており、反応開始時に濃度が0.1mMのAuClが還元されることにより、金ナノ粒子を生成する。この際、温度は、5℃から60℃の範囲での7段階について実験を行った。

【0019】
(電子顕微鏡による評価)
図1は、本実施例で製造された金属ナノ粒子を透過型電子顕微鏡(日本電子社製JEM-2010)で観察した図を示す。図から、全ての温度条件において、金属ナノ粒子が生成されていることが認められる。また、温度が40℃または50℃の試料では、他の温度の試料に比べ、粒径の小さな粒子が生成していることが認められ、温度が60℃の試料では、各粒子の凝集が認められる。

【0020】
(紫外可視分光分析による評価)
本実施例で金属ナノ粒子が製造されていることを確認するため、実験を行った試料について、紫外可視分光分析を行った。貴金属は、粒径がナノメートルの粒子になると、表面プラズモン共鳴により、特定波長の光を吸収することが知られている。これを利用して、金属ナノ粒子の生成の確認、および生成された粒子の分散安定性を確認することが可能になる。本実施例で製造された金ナノ粒子の場合は、最大吸収波長が530nm付近に特徴的なピークが現れる。なお、このピークは、粒子の形状によって変化し、粒子が板状である場合には、700nm付近の光がよく吸収されるようになる。また、ピーク強度や半値幅の変化は分散安定性を反映する。

【0021】
図2は、本実施例で製造された金ナノ粒子のうち、20℃の条件で製造した金ナノ粒子を、紫外可視分光分析装置(日立ハイテクノロジーズ社製U-1900)を用いて吸光度を測定した結果のスペクトルを示す。図から、時間の経過に伴って、金ナノ粒子の表面プラズモン共鳴に由来する吸収強度である530nm付近のピークが増加していることが認められる。これにより、本実施例に係る製造方法によって、金ナノ粒子が生成され、かつそれが機能水中で分散していると認められる。

【0022】
図3は、本実施例で製造された金ナノ粒子の紫外可視分光分析結果のうち、吸収波長が530nm付近のピーク強度の時間変化を示す。図から、反応温度が5℃から10℃の試料については、反応開始から120分経過するまで、ピーク強度が増加し続けていることが認められる。また、20℃から60℃の範囲では、反応開始後急激にピーク強度が増加するが、その後減少傾向に転じていることが認められる。これにより、本実施例に係る製造方法では、反応時の温度条件によって、反応速度に違いが現れることが認められる。

【0023】
<比較例1>
(超音波還元法による金ナノ粒子の製造実験)
従来の製造方法に対する、本発明に係る金属ナノ粒子の製造方法の優位性を確認するために、従来の超音波還元法により金ナノ粒子の製造実験を行った。実験に使用した金属塩溶液は、濃度、量ともに上記実施例1と同様である。この金属塩溶液と、アルゴン置換した水とを混合し、その後、300W、950KHzの超音波を8分間照射した。この際、超音波照射に使用した機器は、上記実施例1と同様のものである。また、実験を行った際の温度条件は上記実施例1と同様である。

【0024】
(電子顕微鏡による評価)
図4は、比較例1により製造された金属ナノ粒子を透過型電子顕微鏡観察した図を示す。観察に使用した電子顕微鏡は、上記実施例1と同様である。図から、5℃から30℃の温度条件において、金ナノ粒子が生成されていることが認められる。また、30℃から粒子の凝集が認められ、そこから温度の上昇に伴って、生成された粒子の凝集、および融合が進んでいることが認められる。上記実施例1に係る製造方法で製造された金属ナノ粒子では、30℃を超えた温度範囲であっても安定しており、各粒子が凝集せずに分散していることが認められたため、この点で本比較例に対して優位であることが認められる。

【0025】
上記実施例の結果から、本発明に係る金属ナノ粒子の製造方法で用いた機能水には、溶液中の物質を還元させる新規な機能が認められる。これは、機能水に含まれる新規なイオンなどの成分によるものと考えられる。また、上記機能水には、生成した金属ナノ粒子について、溶液中で分散させておく機能も認められる。これについても、溶液中の微粒子を分散させるイオンの存在を示唆している。

【0026】
上記実施例において、反応温度が30℃以上であるときに、生成された金ナノ粒子の凝集、融合が確認されているが、これは、金ナノ粒子の融点がこの付近であることに起因するものと考えられる。

【0027】
本発明に係る金属ナノ粒子の製造方法では、機能水の調製に300W、950KHzの超音波を用いて、5℃から60℃の温度条件で各実験を行っているが、これらを任意の値に変更することによって、生成される粒子の形状、粒径などをコントロールすることが可能である。
本発明に係る金属ナノ粒子の製造方法では、水に超音波を照射した機能水を金属ナノ粒子の生成に適用したが、この機能水の使用方法は他用途への適用も可能である。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3