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明細書 :集電装置の状態監視装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5221996号 (P5221996)
公開番号 特開2009-241653 (P2009-241653A)
登録日 平成25年3月15日(2013.3.15)
発行日 平成25年6月26日(2013.6.26)
公開日 平成21年10月22日(2009.10.22)
発明の名称または考案の名称 集電装置の状態監視装置
国際特許分類 B60M   1/28        (2006.01)
B60L   3/00        (2006.01)
FI B60M 1/28 R
B60L 3/00 N
請求項の数または発明の数 9
全頁数 14
出願番号 特願2008-087768 (P2008-087768)
出願日 平成20年3月28日(2008.3.28)
審査請求日 平成22年7月8日(2010.7.8)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】公益財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】片山 信一
【氏名】臼木 理倫
個別代理人の代理人 【識別番号】100104064、【弁理士】、【氏名又は名称】大熊 岳人
審査官 【審査官】相羽 昌孝
参考文献・文献 特開2005-287184(JP,A)
特開2005-253232(JP,A)
特開2000-079839(JP,A)
特開平11-332002(JP,A)
特開2004-187410(JP,A)
特開2006-078355(JP,A)
特開平08-275301(JP,A)
調査した分野 B60M 1/00- 7/00
B60L 1/00-13/00
B60L 15/00-15/42
特許請求の範囲 【請求項1】
集電装置の状態を監視する集電装置の状態監視装置であって、
前記集電装置から発生する音を検出する音検出手段の検出結果に基づいて、この集電装置の状態を評価する評価手段と、
前記集電装置の状態が異常状態であると前記評価手段が評価したときには、この評価手段の評価結果の通知を指令する通知指令手段とを備え
前記評価手段は、前記音検出手段が検出した現在の検出結果と、この現在の検出結果と気象状況が近似するこの音検出手段が検出した過去の検出結果とを比較して、前記集電装置の状態を評価すること、
特徴とする集電装置の状態監視装置。
【請求項2】
集電装置の状態を監視する集電装置の状態監視装置であって、
前記集電装置から発生する音を検出する音検出手段の検出結果と、この集電装置から導かれる電流を検出する電流検出手段の検出結果とに基づいて、この集電装置の状態を評価する評価手段と、
前記集電装置の状態が異常状態であると前記評価手段が評価したときには、この評価手段の評価結果の通知を指令する通知指令手段とを備え、
前記評価手段は、前記音検出手段及び前記電流検出手段が検出した現在の検出結果と、この現在の検出結果と気象状況が近似するこの音検出手段及びこの電流検出手段が検出した過去の検出結果とを比較して、前記集電装置の状態を評価すること、
を特徴とする集電装置の状態監視装置。
【請求項3】
請求項に記載の集電装置の状態監視装置において、
前記評価手段は、前記電流検出手段の出力信号が所定レベルを超えて変動するときには、前記集電装置が異常状態であると評価し、前記電流検出手段の出力信号が所定レベル以下で変動するときには、前記集電装置が正常状態であると評価すること、
を特徴とする集電装置の状態監視装置。
【請求項4】
請求項に記載の集電装置の状態監視装置において、
前記評価手段は、前記電流検出手段の出力信号の変動が所定レベルを超えて所定時間以上継続したときには、前記集電装置が異常状態であると評価し、前記電流検出手段の出力信号が所定レベルを超えて所定時間未満継続して変動したときには、前記集電装置が正常状態であると評価すること、
を特徴とする集電装置の状態監視装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の集電装置の状態監視装置であって、
前記評価手段は、前記音検出手段が検出する前記集電装置のしゅう動音に基づいてこの集電装置の状態を評価すること、
を特徴とする集電装置の状態監視装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の集電装置の状態監視装置において、
前記評価手段は、前記音検出手段の出力信号が所定レベルを超えるときには、前記集電装置が異常状態であると評価し、前記音検出手段の出力信号が所定レベル以下であるときには、前記集電装置が正常状態であると評価すること、
を特徴とする集電装置の状態監視装置。
【請求項7】
請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の集電装置の状態監視装置において、
前記評価手段は、前記音検出手段の出力信号が所定レベルを超えて所定時間以上継続したときには、前記集電装置が異常状態であると評価し、前記音検出手段の出力信号が所定レベルを超えて所定時間未満継続したときには、前記集電装置が正常状態であると評価すること、
を特徴とする集電装置の状態監視装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の集電装置の状態監視装置において、
前記評価手段は、前記現在の検出結果とこの現在の検出結果と同じ線区を車両が走行したときの前記過去の検出結果とを比較して、前記集電装置の状態を評価すること、
を特徴とする集電装置の状態監視装置。
【請求項9】
請求項に記載の集電装置の状態監視装置において、
前記評価手段は、前記現在の検出結果とこの現在の検出結果と同じ走行位置における前記過去の検出結果とを比較して、前記集電装置の状況を評価すること、
を特徴とする集電装置の状態監視装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
この発明は、集電装置の状態を監視する集電装置の状態監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電車や電気機関車のような電気車では、変電所からの電気を上空に架設されたトロリ線に流し、車両の屋根上に取り付けられたパンタグラフ(集電装置)を介して車両に電力を取り入れる構造となっている。このトロリ線とパンタグラフとは、両者の接触により集電するため、機械的摩耗と電気的摩耗が組み合わさっており、これらは気象的な変化に対してしゅう動の状態が悪化する場合がある。また、異物とパンタグラフの衝突により、パンタグラフの不具合が生じて、しゅう動状態が悪化する場合もある。このようなしゅう動状態の悪化を検出するために集電装置の状態監視装置が提案されている。
【0003】
従来の集電装置の状態監視装置は、架線と集電装置との接触部を撮影する赤外線カメラと、この赤外線カメラが撮影した画像する画像処理部と、画像処理部の画像処理結果に基づいて架線の発熱位置を演算する架線位置演算部などを備えている(例えば、特許文献1参照)。このような従来の集電装置の状態監視装置は、架線から集電装置が離れる離線が発生したときに架線が発熱するのを検出して、この架線の発熱位置を特定している。
【0004】

【特許文献1】特開2004-42837号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の集電装置の状態監視装置では、離線による架線の発熱位置を検出することができるが、この架線の発熱が車両の運転を継続不能な異常状態であるか否かについては判定できない。例えば、架線に部分的に霜が付着しているような場合には、架線から集電装置が離線して一時的に放電現象が発生し、架線が発熱することがあるがこのような発熱は車両の運転を継続不可能な異常な状態であるとはいえない。このため、従来の集電装置の状態監視装置では、車両の運転を継続可能であるか否かについて正確な判定をすることができない問題点がある。また、従来の集電装置の状態監視装置では、架線の発熱位置の記録を目的としている。このため、従来の集電装置の状態監視装置では、架線の発熱によって集電装置が異常な状態になっても車両の乗務員に警告することができず、集電装置が危険な状態になったまま車両の走行が継続されてしまう問題点がある。
【0006】
この発明の課題は、集電装置の異常状態を正確に判定し迅速に通知することができる集電装置の状態監視装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。
請求項1の発明は、図1及び図3に示すように、集電装置(3)の状態を監視する集電装置の状態監視装置であって、前記集電装置から発生する音を検出する音検出手段(4a)の検出結果(D3)に基づいて、この集電装置の状態を評価(S130,S140)する評価手段(4h)と、前記集電装置の状態が異常状態であると前記評価手段が評価したときには、この評価手段の評価結果の通知を指令(S170)する通知指令手段(4i)とを備え前記評価手段は、前記音検出手段が検出した現在の検出結果(D3)と、この現在の検出結果と気象状況(D51,…,D5N)が近似するこの音検出手段が検出した過去の検出結果(D3)とを比較して、前記集電装置の状態を評価すること特徴とする集電装置の状態監視装置(4)である。
【0008】
請求項2の発明は、図1及び図3に示すように、集電装置(3)の状態を監視する集電装置の状態監視装置であって、前記集電装置から発生する音を検出する音検出手段(4a)の検出結果(D3)と、この集電装置から導かれる電流を検出する電流検出手段(4b)の検出結果(D4)とに基づいて、この集電装置の状態を評価(S130~S160)する評価手段(4h)と、前記集電装置の状態が異常状態であると前記評価手段が評価したときには、この評価手段の評価結果の通知を指令(S170)する通知指令手段(4i)とを備え、前記評価手段は、前記音検出手段及び前記電流検出手段が検出した現在の検出結果(D3,D4)と、この現在の検出結果と気象状況(D51,…,D5N)が近似するこの音検出手段及びこの電流検出手段が検出した過去の検出結果(D3,D4)とを比較して、前記集電装置の状態を評価することを特徴とする集電装置の状態監視装置(4)である。
【0009】
請求項3の発明は、請求項に記載の集電装置の状態監視装置において、前記評価手段は、前記電流検出手段の出力信号が所定レベルを超えて変動するときには、前記集電装置が異常状態であると評価し、前記電流検出手段の出力信号が所定レベル以下で変動するときには、前記集電装置が正常状態であると評価(S150)することを特徴とする集電装置の状態監視装置である。
【0010】
請求項4の発明は、請求項に記載の集電装置の状態監視装置において、前記評価手段は、前記電流検出手段の出力信号の変動が所定レベルを超えて所定時間以上継続したときには、前記集電装置が異常状態であると評価し、前記電流検出手段の出力信号が所定レベルを超えて所定時間未満継続して変動したときには、前記集電装置が正常状態であると評価(S160)することを特徴とする集電装置の状態監視装置である。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の集電装置の状態監視装置であって、前記評価手段は、前記音検出手段が検出する前記集電装置のしゅう動音に基づいてこの集電装置の状態を評価することを特徴とする集電装置の状態監視装置である。
【0012】
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の集電装置の状態監視装置において、前記評価手段は、前記音検出手段の出力信号が所定レベルを超えるときには、前記集電装置が異常状態であると評価し、前記音検出手段の出力信号が所定レベル以下であるときには、前記集電装置が正常状態であると評価(S150,S160)することを特徴とする集電装置の状態監視装置である。
【0013】
請求項7の発明は、請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の集電装置の状態監視装置において、前記評価手段は、前記音検出手段の出力信号が所定レベルを超えて所定時間以上継続したときには、前記集電装置が異常状態であると評価し、前記音検出手段の出力信号が所定レベルを超えて所定時間未満継続したときには、前記集電装置が正常状態であると評価(S140)することを特徴とする集電装置の状態監視装置である。
【0014】
請求項8の発明は、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の集電装置の状態監視装置において、前記評価手段は、前記現在の検出結果とこの現在の検出結果と同じ線区(D1)を車両(2)が走行したときの前記過去の検出結果とを比較して、前記集電装置の状態を評価することを特徴とする集電装置の状態監視装置である。
【0015】
請求項9の発明は、請求項に記載の集電装置の状態監視装置において、前記評価手段は、前記現在の検出結果とこの現在の検出結果と同じ走行位置(D21,…,D2N)における前記過去の検出結果とを比較して、前記集電装置の状況を評価することを特徴とする集電装置の状態監視装置である。
【発明の効果】
【0020】
この発明によると、集電装置の異常状態を正確に判定し迅速に通知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は、この発明の実施形態に係る集電装置の状態監視装置の構成図である。
図1に示す架線1は、線路上空に架設される架空電車線であり、所定の間隔をあけて図示しない支持構造物によって支持点で支持されている。トロリ線1aは、集電装置3のすり板3aが接触する電線であり、すり板3aがしゅう動(接触移動)することによって車両2に負荷電流を供給する。
【0022】
車両2は、軌道に沿って走行する移動体であり、電車又は電気機関車などの電気車である。車体2aは、乗客又は貨物などの搭載物を積載し輸送するための構造物であり、集電装置3などの屋根上機器が設置される屋根上面2bを備えている。
【0023】
集電装置(パンタグラフ)3は、架線1のトロリ線1aから電力を車両2に導くための装置である。集電装置3は、トロリ線1aと接触するすり板3aと、このすり板3aが取り付けられた集電舟(舟体)3bと、この集電舟3bを支持し上下方向に昇降する枠組3cと、この枠組3cを支持する台枠3dと、車体2aと台枠3dとの間を電気的に絶縁する碍子3eなどを備えている。図1に示す集電装置3は、車両2の進行方向に対して非対称であり、一方向又は両方向に使用可能なシングルアーム式パンタグラフである。
【0024】
状態監視装置4は、集電装置3の状態を監視する装置である。状態監視装置4は、集電装置3の状態を監視しこの集電装置3が異常な状態であるときには車両2の乗務員に通知して車両2を直ちに安全に停止させる。状態監視装置4は、音検出部4aと、電流検出部4bと、現在位置検出部4cと、気象状況検出部4dと、列車情報入力部4eと、日時検出部4fと、データ記憶部4gと、評価部4hと、通知指令部4iと、送信指令部4jと、制動指令部4kと、プログラム記憶部4mと、制御部4nなどを備えている。状態監視装置4は、車両2に搭載されており、車両2とともに移動しながら集電装置3の状態を監視する。
【0025】
音検出部4aは、集電装置3から発生する音を検出する手段である。音検出部4aは、架線1のトロリ線1aに集電装置3のすり板3aがしゅう動するときに発生するしゅう動音を検出する。音検出部4aは、例えば、音響エネルギーを電気エネルギーに変換する音響電気変換部であり、しゅう動音を受けて振動する振動板の機械振動を電気信号に変換して制御部4nに出力するマイクロホンなどの収音装置である。音検出部4aは、音波が到来する方向に対して鋭い指向特性を有する指向性マイクロホンを使用するときには、この指向性マイクロホンの感度が高くなる範囲(高感度領域)が音源であるトロリ線1aとすり板3aとの接触部に向くように、車両2の屋根上面2bに装着されている。音検出部4aは、しゅう動音を検出するとこのしゅう動音に応じた音検出信号(音情報)を制御部4nに出力する。
【0026】
電流検出部4bは、集電装置3から導かれる電流を検出する手段である。電流検出部4bは、例えば、すり板3aを通じてトロリ線1aから車両2に導かれた電流(パンタグラフ電流)を測定する電流検出装置などである。電流検出部4bは、パンタグラフ電流を検出するとこのパンタグラフ電流に応じた電流検出信号(電流情報)を制御部4nに出力する。
【0027】
現在位置検出部4cは、車両2の現在位置を検出する手段である。現在位置検出部4cは、例えば、車両2が走行する軌道側の特定地点に設置された自動列車停止装置(ATS)のATS地上子との間で相互に情報を送受信するために車両2側に設置されたATS車上子と、このATS車上子からの信号を受信して現在位置情報(絶対位置情報)を出力するATS受信機と、車両2の車輪の回転数に応じて発生する距離パルス信号を出力する速度発電機と、ATS受信機が出力する絶対位置情報に基づいて車両2の絶対位置を検出し、次のATS地上子に車両2が到達するまでの間に速度発電機が出力する距離パルス信号を積算して車両2の現在位置を演算する演算部などを備えている。現在位置検出部4cは、車両2の現在位置を現在位置検出信号(位置情報)として制御部4nに出力する。
【0028】
気象状況検出部4dは、気象状況を検出する手段である。気象状況検出部4dは、例えば、車両2が走行する線区の沿線の温度を検出する温度センサと、この線区の沿線の湿度を検出する湿度センサなどを備えている。気象状況検出部4dは、車両2が始発駅から終着駅まで走行するときにこの車両2の周囲の気象状況を検出する。気象状況検出部4dは、気象状況を気象状況検出信号(気象状況情報)として制御部4nに出力する。
【0029】
列車情報入力部4eは、列車に関する種々の情報が入力する手段である。列車情報入力部4eは、例えば、車両2の運行を管理する運行管理装置から送信される列車情報などを通信回線によって受信する。列車情報入力部4eは、例えば、車両2が走行する線区(線名)に関する情報である列車系統、旅客列車又は貨物列車などに関する情報である列車種類、車両2の出発駅及び到着駅に関する情報である行先、上り列車又は下り列車に関する情報である上下別などを特定するための列車情報(列車番号)を受信し、この列車情報を制御部4nに出力する。
【0030】
日時検出部4fは、現在の日時を検出する手段である。日時検出部4fは、例えば、本日の年月日を計測するカレンダー機能と現在の時刻を計測する時計機能とを有し、この測定結果を日時信号(日時情報)として制御部4nに出力する。
【0031】
図2は、この発明の実施形態に係る集電装置の状態監視装置のデータ記憶部のデータ構造を一例として示す模式図である。
図1に示すデータ記憶部4gは、状態監視装置4に関する種々の情報を記憶する手段である。データ記憶部4gは、位置情報D2、音情報D3、電流情報D4、気象状況情報D5及び日時情報D6などを年月日順に列車情報(列車番号)D1毎に記憶するメモリなどであり、1年間分のこれらの情報を列車情報D1毎に記憶している。データ記憶部4gは、例えば、車両2がA駅からB駅まで走行する列車であるときには、この車両2の運行日である2008年1月1日にA駅からB駅まで走行したときの各通過地点を特定する位置情報D21,…,D2Mと、この通過地点毎に検出した音情報D31,…,D3M、電流情報D41,…,D4M及び気象状況情報D51,…,D5Mと、各通過地点を通過した時刻を特定する日時情報D61,…,D6Mを記憶している。データ記憶部4gは、車両2が走行する毎に新しい情報が記憶され蓄積されている。
【0032】
図1に示す評価部4hは、音検出部4aの検出結果及び電流検出部4bの検出結果に基づいて集電装置3の状態を評価する手段である。評価部4hは、音検出部4aが検出する集電装置3のしゅう動音に基づいて、この集電装置3の状態を評価するとともに、電流検出部4bが検出する集電装置3の電流変動に基づいて、この集電装置3の状態を評価する。評価部4hは、音検出部4aの出力信号が所定レベルを超えて、電流検出部4bの出力信号も所定レベルを超えたときには、しゅう動音が通常の状態よりも高く、電流変動が通常の範囲を超えるため、集電装置3が異常状態であると評価する。一方、評価部4hは、音検出部4aの出力信号が所定レベル以下であり、電流検出部4bの出力信号が所定レベル以下で変動するときには、しゅう動音が通常の状態よりも低く、電流変動が通常の範囲内であるため、集電装置3が正常状態であると評価する。また、評価部4hは、音検出部4aの出力信号が所定レベルを超えて所定時間以上継続し、電流検出部4bの出力信号の変動が所定レベルを超えて所定時間以上継続して変動したときには、しゅう動音が一時的に通常時よりも高くなったのではなく、電流変動も一時的なものではないため、集電装置3が異常状態であると評価する。一方、評価部4hは、音検出部4aの出力信号が所定レベルを超えて所定時間未満継続したときや、電流検出部4bの出力信号が所定レベルを超えて所定時間未満継続して変動したときには、しゅう動音が一時的に通常時よりも高くなったにすぎず、電流変動も一時的なものであるため、集電装置3が正常状態であると評価する。
【0033】
評価部4hは、データ記憶部4gが記憶する音情報D3及び電流情報D4などに基づいて、音検出部4a及び電流検出部4bが検出した過去の検出結果と、この音検出部4a及び電流検出部4bが検出した現在の検出結果とを比較して、集電装置3の状態を評価する。評価部4hは、例えば、過去の音情報D3及び電流情報D4を基準値(所定レベル)として現在の音情報D3及び電流情報D4と比較し、現在の音情報D3及び電流情報D4が基準値を超えているようなときには、集電装置3が異常状態であると評価する。この場合に、評価部4hは、現在の検出結果とこの現在の検出結果と検出条件が近い過去の検出結果とを比較して、集電装置3の状態を評価する。評価部4hは、例えば、車両2が走行した月日(検出月日)及び時刻(検出時刻)が同じ現在及び過去の音情報D3及び電流情報D4などを比較して集電装置3の状態を評価する。
【0034】
評価部4hは、車両2がある線区を走行しているときの現在の検出結果と、この現在の検出結果と同じ線区を車両2が走行したときの過去の検出結果とを比較して、集電装置3の状態を評価する。評価部4hは、例えば、車両2が現在走行している線区と同じ線区の列車情報D1を参照し、過去の音情報D3及び電流情報D4を所定レベルとして現在の音情報D3及び電流情報D4と比較する。この場合に、評価部4hは、車両2がある線区を走行しているときの現在の検出結果と、この現在の検出結果と同じ走行位置における過去の検出結果とを比較して、集電装置3の状態を評価する。評価部4hは、例えば、車両2の通過地点(検出地点)が同じ現在及び過去の音情報D3及び電流情報D4を比較して集電装置3の状態を評価する。さらに、評価部4hは、車両2がある線区を走行しているときの現在の検出結果と、この現在の検出結果と気象条件が近似する過去の検出結果とを比較して、集電装置3の状態を評価する。例えば、冬季には、トロリ線1aに霜又は氷雪が付着してトロリ線1aからすり板3aが離線することがあり、冬季に限らずある時期にはトロリ線1aに霜が付着してトロリ線1aからすり板3aが離線するようなことがある。評価部4hは、着氷雪や着霜が発生する月日(検出月日)及び時刻(検出時刻)が近い現在及び過去の音情報D3及び電流情報D4を比較して集電装置3の状態を評価する。なお、評価部4hは、過去の検出結果が存在しないようなときには、実際のトロリ線1aを模擬したトロリ線試験片と実際のすり板3aを模擬したすり板試験片とを実際にしゅう動させて試験する集電材摩耗試験によって見出された実験値を基準値として、集電装置3の異常状態を評価する。
【0035】
通知指令部4iは、集電装置3の状態が異常状態であると評価部4hが評価したときには、この評価部4hの評価結果の通知を指令する手段である。通知指令部4iは、例えば、車両2の運転士が運転操作する運転台の表示装置又は音発生装置に、集電装置3が異常状態である旨の警告を音声又は画像によって通知するように指令する。
【0036】
送信指令部4jは、集電装置3の状態が異常状態であると評価部4hが評価したときには、この評価部4hの評価結果の送信を指令する手段である。送信指令部4jは、例えば、車両2の運行を円滑に進めるための運転指令及び業務指令を行う中央制御所(運転司令室)などに、集電装置3が異常状態である旨の警告を送信する。
【0037】
制動指令部4kは、集電装置3の状態が異常状態であると評価部4hが評価したときには、制動動作を指令する手段である。制動指令部4kは、例えば、集電装置3が異常状態であるときに車両2を直ちに減速させて安全に停止させるために、車両2のブレーキ装置(制動装置)にブレーキ動作を指令する。
【0038】
プログラム記憶部4mは、集電装置3の状態を監視するための集電装置3の状態監視プログラムを記憶する手段である。プログラム記憶部4mは、例えば、情報記録媒体から読み取った状態監視プログラムや、電気通信回線を通じて取り込まれた状態監視プログラムなどを記憶するメモリである。
【0039】
制御部4nは、状態監視装置4の種々の動作を制御する中央処理部(CPU)である。制御部4nは、例えば、音検出部4a、電流検出部4b、現在位置検出部4c、気象状況検出部4d、列車情報入力部4e及び日時検出部4fなどが出力する種々の情報をデータ記憶部4gに出力したり、これらの情報の記憶をデータ記憶部4gに指令したり、現在及び過去の検出結果をデータ記憶部4gから読み出して評価部4hに出力したり、集電装置3の状態の評価を評価部4hに指令したり、通知指令部4i、送信指令部4j及び制動指令部4kに種々の動作を指令したりする。制御部4nには、音検出部4a、電流検出部4b、現在位置検出部4c、気象状況検出部4d、列車情報入力部4e、日時検出部4f、データ記憶部4g、評価部4h、通知指令部4i、送信指令部4j、制動指令部4k及びプログラム記憶部4mが相互に通信可能なように接続されている。制御部4nは、例えば、トロリ線1aに氷雪又は霜が付着しやすく集電装置3に異常が発生する可能性の高い走行位置が判明しているときには、この走行位置を車両2が通過するときに検出動作の開始を指令する。一方、制御部4nは、例えば、トロリ線1aに氷雪又は霜が付着しやすく集電装置3に異常が発生する可能性の高い走行位置が不明であるときには、任意の走行位置を車両2が通過するときに検出動作の開始を指令したり、任意の時間間隔で検出動作の開始を指令したりする。
【0040】
次に、この発明の実施形態に係る集電装置の状態監視装置の動作を説明する。
図3は、この発明の実施形態に係る集電装置の状態監視装置の動作を説明するためのフローチャートである。以下では、制御部4nの動作を中心に説明する。
ステップ(以下、Sという)100において、列車情報D1の記憶をデータ記憶部4gに制御部4nに指令する。図示しない起動スイッチをONすると状態監視装置4に電源が供給されて、プログラム記憶部4mから状態監視プログラムを制御部4nが読み出して、一連の状態監視処理を実行する。運行管理装置から列車情報入力部4eに列車情報D1が入力すると、列車情報入力部4eがこの列車情報D1を制御部4nに出力する。その結果、制御部4nがデータ記憶部4gに列車情報D1を出力し、データ記憶部4gがこの列車情報D1を記憶し、車両2が始発駅から出発し軌道に沿って走行を開始する。
【0041】
S110において、音検出部4a、電流検出部4b、現在位置検出部4c、気象状況検出部4d及び日時検出部4fに検出動作の開始を制御部4nが指令する。その結果、集電装置3のしゅう動音の検出を音検出部4aが開始し、音検出部4aが音情報D3を制御部4nに出力するとともに、集電装置3から取り込まれる電流の検出を電流検出部4bが開始し、電流検出部4bが電流情報D4を制御部4nに出力する。また、現在位置検出部4cが車両2の現在位置の検出を開始し、現在位置検出部4cが位置情報D2を制御部4nに出力するとともに、車両2が走行する周囲の気象状況の検出を気象状況検出部4dが開始し、気象状況検出部4dが気象状況情報D5を制御部4nに出力する。さらに、日時検出部4fが車両2の現在位置の日時の検出を開始し、日時検出部4fが日時情報D6を制御部4nに出力する。
【0042】
S120において、検出結果の記憶をデータ記憶部4gに制御部4nが指令する。その結果、位置情報D2、音情報D3、電流情報D4、気象状況情報D5及び日時情報D6をデータ記憶部4gに制御部4nが出力し、図2に示すようにこれらの情報をデータ記憶部4gが記憶するとともに、音情報D3及び電流情報D4を評価部4hに制御部4nが出力する。
【0043】
S130において、音検出信号が所定レベルを超えたか否かの評価を制御部4nが評価部4hに指令する。例えば、車両2の現在の走行位置における過去の音情報D3をデータ記憶部4gから制御部4nが検索し、この過去の音情報D3を制御部4nが評価部4hに出力すると、音検出部4aが出力する現在の音情報(音検出信号)D3が過去の音情報(所定レベル)D3を超えたか否かを評価部4hが判定する。音検出信号が所定レベルを超えたと評価部4hが判定したときにはS140に進み、音検出信号が所定レベル以下であると評価部4hが判定したときにはS150に進む。
【0044】
S140において、音検出信号が所定レベルを越えて所定時間以上継続したか否かの評価を制御部4nが評価部4hに指令する。例えば、トロリ線1aに霜又は氷雪が付着している区間が短いときには、集電装置3のしゅう動音が一時的に大きくなるが集電装置3が直ちに損傷を受ける危険性が小さい。一方、トロリ線1aに霜又は氷雪が付着している区間が長いときには、集電装置3のしゅう動音が長時間大きくなり集電装置3が徐々に損傷を受ける危険性が高くなる。このため、音検出部4aが出力する現在の音情報(音検出信号)D3が過去の音情報(所定レベル)D3を超えて所定時間以上継続したか否かを評価部4hが判定する。音検出信号が所定レベルを超えて所定時間以上継続したと評価部4hが判定したときにはS150に進み、音検出信号が所定レベルを超えて所定時間未満継続したと評価部4hが判定したときにはS150に進む。
【0045】
S150において、電流検出信号が所定レベルを超えたか否かの評価を制御部4nが評価部4hに指令する。例えば、車両2の現在の走行位置における過去の電流情報D4をデータ記憶部4gから制御部4nが検索し、この過去の電流情報D4を制御部4nが評価部4hに出力すると、電流検出部4bが出力する現在の電流情報(電流検出信号)D4が過去の電流情報(所定レベル)D4を超えたか否かを評価部4hが判定する。電流検出信号が所定レベルを超えたと評価部4hが判定したときにはS160に進み、電流検出信号が所定レベル以下であると評価部4hが判定したときにはS200に進む。
【0046】
S160において、電流検出信号が所定レベルを越えて所定時間以上継続して変動したか否かの評価を制御部4nが評価部4hに指令する。例えば、トロリ線1aに霜又は氷雪が付着している区間が短いときには、集電装置3からの電流が一時的に大きく変動するが集電装置3が直ちに損傷を受ける危険性が小さい。一方、トロリ線1aに霜又は氷雪が付着している区間が長いときには、集電装置3からの電流が長時間大きく変動し集電装置3が徐々に損傷を受ける危険性が高くなる。このため、電流検出部4bが出力する現在の電流情報(電流検出信号)D4が過去の電流情報(所定レベル)D4を超えて所定時間以上継続して変動したか否かを評価部4hが判定する。電流検出信号が所定レベルを超えて所定時間以上継続して変動したと評価部4hが判定したときにはS170に進み、電流検出信号が所定レベルを超えて所定時間未満継続して変動したと評価部4hが判定したときにはS200に進む。
【0047】
S170において、異常状態の通知を通知指令部4iに制御部4nが指令する。集電装置3が異常状態であると評価部4hが評価したときには、この評価結果が制御部4nに出力される。その結果、制御部4nが通知指令部4iに異常状態の通知を指令し、集電装置3の異常状態が車両2の運転士に告知される。
【0048】
S180において、異常状態の送信を送信指令部4jに制御部4nが指令する。集電装置3が異常状態であると評価部4hが評価したときには、この評価結果が制御部4nに出力されて、制御部4nが送信指令部4jに異常状態の送信を指令し、集電装置3の異常状態が中央制御所の司令員に告知される。
【0049】
S190において、制動指令部4kに制御部4nが制動動作を指令する。集電装置3が異常状態であると評価部4hが評価したときには、この評価結果が制御部4nに出力されて、制御部4nが制動指令部4kに制動動作を指令し、車両2の制動装置が作動して車両2が直ちに減速を開始し停止する。
【0050】
S200において、検出を終了するか否かを制御部4nが判断する。現在位置検出部4cが出力する位置情報D2に基づいて車両2が終着駅に到着したか否かを制御部4nが判断する。車両2が終着駅に到着したと制御部4nが判断したときには一連の状態監視処理を終了し、車両2が終着駅に到着していないと制御部4nが判断したときにはS110に戻り、一連の状態監視処理を繰り返す。
【0051】
この発明の実施形態に係る集電装置の状態監視装置には、以下に記載するような効果がある。
(1) この実施形態では、集電装置3から発生する音を検出する音検出部4aの検出結果に基づいて、この集電装置3の状態を評価部4hが評価し、集電装置3の状態が異常状態であると評価部4hが評価したときには、この評価部4hの評価結果の通知を通知指令部4iが指令する。このため、集電装置3の異常状態を正確に評価して迅速に通知することができる。
【0052】
(2) この実施形態では、音検出部4aが検出する集電装置3のしゅう動音に基づいて、この集電装置3の状態を評価部4hが評価する。このため、集電装置3に異常が発生する前兆であるしゅう動音の異常上昇を検出して、集電装置3の異常状態を検出することができる。
【0053】
(3) この実施形態では、音検出部4aの出力信号が所定レベルを超えるときには、集電装置3が異常状態であると評価部4hが評価し、音検出部4aの出力信号が所定レベル以下であるときには、集電装置3が正常状態であると評価部4hが評価する。一般に、集電摩耗試験の試験結果より集電装置3が異常状態になったときには、しゅう動音のレベルが上昇することが確認されている。このため、このしゅう動音のレベルの上昇を検出することによって、集電装置3の異常状態を簡単に検出することができる。
【0054】
(4) この実施形態では、音検出部4aの出力信号が所定レベルを超えて所定時間以上継続したときには、集電装置3が異常状態であると評価部4hが評価し、音検出部4aの出力信号が所定レベルを超えて所定時間未満継続したときには、集電装置3が正常状態であると評価部4hが評価する。このため、トロリ線1aからすり板3aが一時的に離線したようなときに、集電装置3が異常状態であると誤って評価されるのを防ぐことができ、集電装置3の異常状態を高精度に評価することができる。
【0055】
(5) この実施形態では、音検出部4aが検出した過去の検出結果とこの音検出部4aが検出した現在の検出結果とを比較して、集電装置3の状態を評価部4hが評価する。このため、過去の音情報D3を基準値として現在の音情報D3を比較し、集電装置3の状態を簡単に評価することができる。
【0056】
(6) この実施形態では、集電装置3から導かれる電流を検出する電流検出部4bの検出結果に基づいて、この集電装置3の状態を評価部4hが評価する。このため、例えば、集電装置3から取り込まれるパンタグラフ電流を検出することによって、集電装置3の異常状態をより一層正確に評価することができる。
【0057】
(7) この実施形態では、電流検出部4bの出力信号が所定レベルを超えて変動するときには、集電装置3が異常状態であると評価部4hが評価し、電流検出部4bの出力信号が所定レベル以下で変動するときには、集電装置3が正常状態であると評価部4hが評価する。一般に、集電装置3が異常状態になったときには、集電装置3から取り込まれるパンタグラフ電流が大きく変動する。このため、このパンタグラフ電流のレベルの変動を検出することによって、集電装置3の異常状態を簡単に検出することができる。
【0058】
(8) この実施形態では、電流検出部4bの出力信号の変動が所定レベルを超えて所定時間以上継続したときには、集電装置3が異常状態であると評価部4hが評価し、電流検出部4bの出力信号が所定レベルを超えて所定時間未満継続して変動したときには、集電装置3が正常状態であると評価部4hが評価する。このため、トロリ線1aからすり板3aが一時的に離線したようなときに、集電装置3が異常状態であると誤って評価されるのを防ぐことができ、集電装置3の異常状態を高精度に評価することができる。
【0059】
(9) この実施形態では、電流検出部4bが検出した過去の検出結果と、この電流検出部4bが検出した現在の検出結果とを比較して、集電装置3の状態を評価部4hが評価する。このため、過去の電流情報D4を基準値として現在の電流情報D4を比較し、集電装置3の状態を簡単に評価することができる。
【0060】
(10) この実施形態では、現在の検出結果とこの現在の検出結果と検出条件が近い過去の検出結果とを比較して、集電装置3の状態を評価部4hが評価する。このため、検出条件が近い現在及び過去の検出結果同士を比較することによって、集電装置3の状態を高精度に評価することができる。
【0061】
(11) この実施形態では、現在の検出結果とこの現在の検出結果と同じ線区を車両2が走行したときの過去の検出結果とを比較して、集電装置3の状態を評価部4hが評価する。このため、車両2が走行する環境が同じ線区の現在及び過去の検出結果同士を比較することによって、集電装置3の状態をより一層高精度に評価することができる。
【0062】
(12) この実施形態では、現在の検出結果とこの現在の検出結果と同じ走行位置における過去の検出結果とを比較して、集電装置3の状況を評価部4hが評価する。このため、トロリ線1aの状態が同じであり周囲の環境も同じである可能性が高い走行位置における現在及び過去の検出結果同士を比較することによって、集電装置3の状態をより一層高精度に評価することができる。
【0063】
(13) この第1実施形態では、現在の検出結果とこの現在の検出結果と気象状況が近似する過去の検出結果とを比較して、集電装置3の状態を評価部4hが評価する。このため、例えば、トロリ線1aに氷雪又は霜が付着しやすい気象条件が近似する現在及び過去の検出結果同士を比較することによって、集電装置3の状態をより一層高精度に評価することができる。
【0064】
(他の実施形態)
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。
この実施形態では、集電装置3がシングルアーム式のパンタグラフである場合を例に挙げて説明したが、菱型、翼型(T型)又は第三軌条方式の集電装置についてもこの発明を適用することができる。また、この実施形態では、集電装置3の状態を検出するときに現在及び過去の音情報D3同士を優先的に比較し、現在及び過去の電流情報D4同士を捕捉的に比較しているが、このような評価手法に限定するものではない。例えば、現在及び過去の電流情報D4同士を優先的に比較し、現在及び過去の音情報D3同士を捕捉的に比較したり、現在及び過去の音情報D3同士のみを比較したり、現在及び過去の電流情報D4同士のみを比較したりして、集電装置3の状態を評価することもできる。さらに、この実施形態では、現在位置検出部4cがATS車上子からの信号及び距離パルス信号に基づいて現在位置を検出する場合を例に挙げて説明したが、このような検出手法に限定するものではない。例えば、全地球測位システム(Global Positioning System(GPS))と併用して車両2の現在位置を特定したり、GPSのみを使用して車両2の現在位置を特定したりすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】この発明の実施形態に係る集電装置の状態監視装置の構成図である。
【図2】この発明の実施形態に係る集電装置の状態監視装置のデータ記憶部のデータ構造を一例として示す模式図である。
【図3】この発明の実施形態に係る集電装置の状態監視装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0066】
1 架線
1a トロリ線
2 車両
3 集電装置
3a すり板
4 状態監視装置
4a 音検出部(音検出手段)
4b 電流検出部(電流検出手段)
4c 現在位置検出部
4d 気象状況検出部
4e 列車情報入力部
4f 日時検出部
4g データ記憶部
4h 評価部(評価手段)
4i 通知指令部(通知指令手段)
4j 送信指令部
4k 制動指令部
4m プログラム記憶部
4n 制御部
1 列車情報(線区)
2,D21,…,D2N 位置情報(走行位置)
3,D31,…,D3N 音情報(検出結果)
4,D41,…,D4N 電流情報(検出結果)
5,D51,…,D5N 気象状況情報
6,D61,…,D6N 日時情報
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2