TOP > 国内特許検索 > 公共交通車両内でのマナーの悪さに対する注意喚起装置 > 明細書

明細書 :公共交通車両内でのマナーの悪さに対する注意喚起装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5275660号 (P5275660)
公開番号 特開2009-234535 (P2009-234535A)
登録日 平成25年5月24日(2013.5.24)
発行日 平成25年8月28日(2013.8.28)
公開日 平成21年10月15日(2009.10.15)
発明の名称または考案の名称 公共交通車両内でのマナーの悪さに対する注意喚起装置
国際特許分類 B60N   2/44        (2006.01)
FI B60N 2/44
請求項の数または発明の数 2
全頁数 6
出願番号 特願2008-086547 (P2008-086547)
出願日 平成20年3月28日(2008.3.28)
審査請求日 平成22年7月21日(2010.7.21)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】公益財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】中井 一馬
個別代理人の代理人 【識別番号】100089635、【弁理士】、【氏名又は名称】清水 守
【識別番号】100096426、【弁理士】、【氏名又は名称】川合 誠
審査官 【審査官】青木 良憲
参考文献・文献 特開2007-140606(JP,A)
特開2007-102500(JP,A)
調査した分野 B60N 2/44
特許請求の範囲 【請求項1】
公共交通車両の座席に腰掛けている乗客の前記座席の前端より前方約30~35cmの床面上の位置に車両の進行方向の中央線に沿って第1のマナーラインと、前記車両の進行方向の中央線に直交し、前記第1のマナーラインに接続される、前記座席の幅に対応した第2のマナーラインを設定し、前記第1及び第2のマナーラインを基準にして区切った範囲を撮像する撮像装置を前記車両の天井面に配置し、前記撮像装置により、前記第1及び第2のマナーラインとクロスする乗客の足及び所持品の位置を検出することを特徴とする公共交通車両内でのマナーの悪さに対する注意喚起装置。
【請求項2】
請求項記載の公共交通車両内でのマナーの悪さに対する注意喚起装置において、前記第1及び第2のマナーラインとクロスする乗客の足及び所持品が検出された乗客に対して矯正を促すことを特徴とする公共交通車両内でのマナーの悪さに対する注意喚起装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、電車、LRTやバス等の公共交通車両内でのマナーの悪さに対する注意喚起装置に係り、特に電車のシートに着座中の乗客の足や、荷物、傘や杖等の所持品の投げ出しに対する注意を喚起する床面上のマナーラインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電車等の公共交通車両内のシートに着座中の乗客のマナーが問題になっている。特に、乗車率が高い時間帯に、座席に座っている乗客の足や、荷物、傘や杖等の所持品が通路の中央近くまで妄りに投げ出されていると、車内を移動中の乗客が足を掬われて転倒するといった事態にもなりかねない。
このような事態を防止するために、車内の通路に通行路として幅の広い領域を表示している車両も見受けられる(下記非特許文献1参照)。

【非特許文献1】第5回仙台市高速鉄道東西線トータルデザイン委員会,資料2,「車両デザインガイドラインについて」平成18年9月27日,仙台市交通局東西線建設本部
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記したような電車等の公共交通車両内のシートに座っている乗客のマナーの悪さに対して、自らの注意を喚起する施策がなされているとは言えないのが現状である。
本発明は、上記状況に鑑みて、公共交通車両内のシートに着座中の乗客の専有領域を明確にし、隣接する乗客及び通路を通行する乗客に迷惑をかけないように注意を促す公共交通車両内でのマナーの悪さに対する注意喚起装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕公共交通車両内でのマナーの悪さに対する注意喚起装置において、公共交通車両の座席に腰掛けている乗客の前記座席の前端より前方約30~35cmの前記床面上の位置に車両の進行方向の中央線に沿って第1のマナーラインと、前記車両の進行方向の中央線に直交し、前記第1のマナーラインに接続される、前記座席の幅に対応した第2のマナーラインを設定し、前記第1及び第2のマナーラインを基準にして区切った範囲を撮像する撮像装置を前記車両の天井面に配置し、前記撮像装置により、前記第1及び第2のマナーラインとクロスする乗客の足及び所持品の位置を検出することを特徴とする。
【0005】
〕上記〔〕記載の公共交通車両内でのマナーの悪さに対する注意喚起装置において、前記第1及び第2のマナーラインとクロスする乗客の足及び所持品が検出された乗客に対して矯正を促すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
(1)公共交通車両の座席に腰掛けている乗客に対して車内での道徳としてのマナーを喚起して、互いに快適な車内の雰囲気を醸成する。
(2)公共交通車両の座席に腰掛けている乗客が専有領域を逸脱する場合には、その旨を報知し注意を促すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の公共交通車両内でのマナーの悪さに対する注意喚起装置は、公共交通車両の座席に腰掛けている乗客の前記座席の前端より前方約30~35cmの前記床面上の位置に車両の進行方向の中央線に沿って第1のマナーラインと、前記車両の進行方向の中央線に直交し、前記第1のマナーラインに接続される、前記座席の幅に対応した第2のマナーラインを設定し、前記第1及び第2のマナーラインを基準にして区切った範囲を撮像する撮像装置を前記車両の天井面に配置し、前記撮像装置により、前記第1及び第2のマナーラインとクロスする乗客の足及び所持品の位置を検出する
【実施例】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明の実施例を示す電車内でのマナーの悪さに対する注意喚起装置の斜視図、図2はその平面模式図である。
これらの図において、1は車両、2は車両1内に配置される座席、3は座席2に腰掛けている乗客、4はその乗客3の足、5は車両1の進行方向の中心線、6はその床面の中心線5に平行な第1のマナーライン(通路確保ライン)であり、座席2の前端から30~35cmの位置の床面上に設定されている。
【0009】
座席2に座った乗客3の足4(荷物、傘や杖等の所持品)が通路に投げ出されると、車両1内を移動する乗客が足をすくわれて転倒するといった事故が生じる恐れがある。また、着座した乗客3の周りに立っている他の乗客にも迷惑をかけることになる。そこで、座席2の前端から30~35cmの位置に第1のマナーライン6を設ける。また、第1のマナーライン6には乗客3の方向に向かった形状を有する第1のマーク7を設定するようにしている。これは、第1のマナーライン6から座席2側が座っている乗客3の専有領域であることを示し、第1のマナーライン6を越えて通路に侵入しないように乗客に意識させるためのものである。
【0010】
更に、11は座席2の幅に対応して車両1の進行方向の中心線5に直交するように床面上に設定された第2のマナーライン(区切りライン)であり、座席2に腰掛けている乗客3が隣りの乗客の専有領域にまで侵入して足4(荷物、傘や杖等の所持品を含む)を投げ出さないようにするために設ける。
この第2のマナーライン11にも座っている乗客それぞれの専有領域を明確にするように、第2のマーク12を設定する。これにより第2のマナーライン11を越えて隣の乗客の領域まで侵入しないように乗客に意識させるようにする。
【0011】
このように、本発明によれば、座席2に腰掛けている乗客3は前とその左右に設定されている床面上のマナーラインを意識することで、公共の乗物である電車内でのマナー遵守を醸成することができる。
なお、13は車両の天井の中央線上に配置される撮像装置であり、この詳細については後述する。
【0012】
図3は本発明の他の実施例を示す電車内でのマナーの悪さに対する注意喚起装置の模式図であり、図3(a)は車内での撮像装置による撮像状況を示す図、第3(b)は撮像された画像を示す図である。
これらの図において、座席21に腰掛けた乗客22,23,24,25がいる場合に、床面26上の第1のマナーライン31と第2のマナーライン32とを基準にして範囲を区切った、画像P1 ,P2 ,P3 ,P4 を、車内の天井面の中央部に配置した撮像装置13で撮像する。撮像装置13の配置位置は、画像P1 ,P2 ,P3 ,P4 を的確に得ることができる位置であれば適宜設定できるが、図2に示すように、7つの座席が向かい合った1ブロックの天井の中央位置に撮像装置13を配置するのが好適である。
【0013】
そこで、その各画像P1 ,P2 ,P3 ,P4 で第1のマナーライン31と第2のマナーライン32とクロスしたマナーの悪い乗客の足34,35,36が検知された場合には、この画像P2 ,P4 は車掌室内の画像表示装置に表示される。この画像により、乗客23及び乗客25は明らかにマナーが悪いことが分かるので、車掌はそのマナーの悪さを改めるように注意する車内放送を行うようにする。当然、車掌がそのマナーの悪い乗客の元へ赴いて注意を促すようにしてもよい。
【0014】
なお、ここで用いられる撮像装置13は、着座した乗客のマナー監視に利用するだけでなく、車内での乗客の振る舞いをも見て取れるようにできることは言うまでもない。
また、この電車内でのマナーの悪さに対する注意喚起装置の存在については、定時的に車内放送により乗客に周知させ、協力を呼びかけるようにすると効果を上げることができる。
【0015】
なお、上記実施例では車内での移動に支障を来すものとして、乗客3の足4を挙げて説明したが、荷物、傘や杖等の所持品も含まれる。
また、上記実施例では、電車内でのマナーの悪さに対する注意喚起装置について説明したが、電車に限らずLRTやバスなどの公共交通車両にも適用することができる。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0016】
本発明の公共交通車両内でのマナーの悪さに対する注意喚起装置は、座席の前とその左右の床面上に設定されるマナーラインにより、公共交通車両内でのマナーの悪さを改善し、公共の道徳を醸成するための装置として利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施例を示す電車内でのマナーの悪さに対する注意喚起装置の斜視図である。
【図2】本発明の実施例を示す電車内でのマナーの悪さに対する注意喚起装置の平面模式図である。
【図3】本発明の他の実施例を示す電車内でのマナーの悪さに対する注意喚起装置を示す図である。
【符号の説明】
【0018】
1 車両
2,21 座席
3,22,23,24,25 座席に腰掛けている乗客
4 乗客の足
5 車両の進行方向の中心線
6,31 床面上の第1のマナーライン(通路確保ライン)
7 第1のマーク
11,32 床面上の第2のマナーライン(区切りライン)
12 第2のマーク
13 撮像装置
1 ,P2 ,P3 ,P4 画像
26 床面
34,35,36 マナーの悪い乗客の足
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2