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明細書 :鉄道軌道の道床振動加速度測定用センシングスティック及びその使用方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4970327号 (P4970327)
公開番号 特開2009-235699 (P2009-235699A)
登録日 平成24年4月13日(2012.4.13)
発行日 平成24年7月4日(2012.7.4)
公開日 平成21年10月15日(2009.10.15)
発明の名称または考案の名称 鉄道軌道の道床振動加速度測定用センシングスティック及びその使用方法
国際特許分類 E01B  35/12        (2006.01)
G01H   1/00        (2006.01)
G01H  17/00        (2006.01)
FI E01B 35/12
G01H 1/00 G
G01H 17/00 Z
請求項の数または発明の数 4
全頁数 9
出願番号 特願2008-080896 (P2008-080896)
出願日 平成20年3月26日(2008.3.26)
審査請求日 平成22年7月21日(2010.7.21)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000173784
【氏名又は名称】公益財団法人鉄道総合技術研究所
発明者または考案者 【氏名】相川 明
個別代理人の代理人 【識別番号】100089635、【弁理士】、【氏名又は名称】清水 守
【識別番号】100096426、【弁理士】、【氏名又は名称】川合 誠
審査官 【審査官】石川 信也
参考文献・文献 特開2008-081952(JP,A)
特開平11-230790(JP,A)
特開昭63-151819(JP,A)
調査した分野 E01B 35/12
G01H 1/00
G01H 17/00
特許請求の範囲 【請求項1】
硬質の杭の先端と後端には加工を加えず、前記硬質の杭の先端部には窪み部と、該窪み部に連通し、前記硬質の杭の後端を残した位置まで延びる長溝とを備え、前記三軸加速度センサを前記窪み部に収納し、該三軸加速度センサに接続されるケーブルを前記長溝に収納した後に樹脂を封入したことを特徴とする鉄道軌道の道床振動加速度測定用センシングスティック。
【請求項2】
請求項1記載の鉄道軌道の道床振動加速度測定用センシングスティックを、鉄道用道床外部より道床振動加速度測定用センシングスティックを打ち込んで、該センシングスティックの先端部の三軸加速度センサを鉄道用道床内の所定の位置に設置することを特徴とする鉄道軌道の道床振動加速度測定用センシングスティックの使用方法。
【請求項3】
請求項1記載の鉄道軌道の道床振動加速度測定用センシングスティックを、打ち込み又は引き抜きによる短時間の作業により、昼間の間合い作業で前記道床振動加速度測定用センシングスティックの設置や回収を行うことができるようにしたことを特徴とする鉄道軌道の道床振動加速度測定用センシングスティックの使用方法。
【請求項4】
請求項1記載の鉄道軌道の道床振動加速度測定用センシングスティックを、同じ軌道において、場所を変えながら多くの測点にて道床振動加速の測定を行うようにしたことを特徴とする鉄道軌道の道床振動加速度測定用センシングスティックの使用方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道軌道の現場計測用センサとして用いる鉄道軌道の道床振動加速度測定用センシングスティック及びその使用方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
列車走行時の軌道構造の測定は従来より行われているが、いずれもレールやまくらぎ表面に関するものであり、測定が困難な道床内部の砕石の挙動を直接測定した事例は少ない。砕石中に加速度センサーを埋め込んだ計測事例はあるものの、得られるデータは特定の一軸方向に関する測定値のみであり、砕石自体がどの軸を向いているのかもわからず、しかも、砕石の三次元的な動きについては把握できなかった。
【0003】
なお、落石の運動を測定するために、落石の内部に加速度センサーを取り付けて計測したものがある(下記非特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、この計測方法では、一軸センサーを用いており、落石が回転すると、運動方向の変化が検出できない。また、有線接続でないので、計測データの取得が困難である。
【0005】
従来、レール・まくらぎ・砕石バラストからなるバラスト軌道に関する、道床内部の劣化状態や動的応答特性の把握のためには、道床内部における振動加速度測定が有効である。このために、実砕石バラスト内部に加速度センサーを組み込んだセンシングストーンを道床内部に埋設して、測定を行うようにしている。
【0006】
本発明者は、従来行われていた一軸センサに代わり、ピエゾ抵抗型の三軸加速度センサーを2組用いることにより、バラスト砕石がどのような方向あ向いても、三次元並進挙動と回転挙動を同時に測定できるセンシングストーンを開発した。
【0007】
さらに、砕石内部に超小型CPUを内蔵し、センサー直近にてノイズの無い状態でA/D変換し、光デジタル通信により測定情報を取得するという、ノイズ対策を施したセンシングストーンも開発し、実軌道での測定により装置の有効性を確認した。

【特許文献1】「落石の運動機構に関する研究 その2-落石運動の測定方法,右城 猛、篠原昌二、家石一美、四国の地盤災害・地盤環境に関するシンポジウム,地盤工学会四国支部、2004年9月
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
図6は従来のセンシングストーンの設置状態を示す図面代用写真である。
【0009】
この図において、101はセンシングストーン、102はセンシングストーン101が設置される道床としての砕石バラスト、103はコンクリートまくらぎである。
【0010】
センシングストーンの設置には、測定地点において、あらかじめ入力による夜間作業により、まくらぎ下面の砕石を一部除去し、その位置にセンシングストーンを設置後、砕石バラストを埋め戻し、さらにつき固める作業が不可欠である。その際、センシングストーンの設置作業に必要な幅のみであるが、まくらぎ下面の砕石を一旦除去し、再度埋め戻す作業を行うため、道床の状態が当初の状態からわずかながら異なったものとなってしまい、バラストの自然な状態での測定はできないといった問題があった。
【0011】
また、センシングストーンの設置および回収作業では、まくらぎ下面のバラストを一旦除去するが、センシングストーン本体の設置・回収を手作業で行う間は、わすかながら時間ながらも、まくらぎは無普請(無支保)の不安定な状態となる。作業中に何らかの外力が加わったり、まくらぎを支持するレールとの締結部分が外れたりすると、手をけがするなどの危険性がある。
【0012】
本発明は、上記問題点を解決し、軽微な作業で容易に設置できる鉄道軌道の道床振動加速度測定用センシングスティック及びその使用方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕鉄道軌道の道床振動加速度測定用センシングスティックにおいて、硬質の杭の先端と後端には加工を加えず、前記硬質の杭の先端部には窪み部と、この窪み部に連通し、前記硬質の杭の後端を残した位置まで延びる長溝とを備え、前記三軸加速度センサを前記窪み部に収納し、この三軸加速度センサに接続されるケーブルを前記長溝に収納した後に樹脂を封入したことを特徴とする。
【0014】
〔2〕鉄道軌道の道床振動加速度測定用センシングスティックの使用方法において、上記〔1〕記載の鉄道軌道の道床振動加速度測定用センシングスティックを、鉄道用道床外部より道床振動加速度測定用センシングスティックを打ち込んで、このセンシングスティックの先端部の三軸加速度センサを鉄道用道床内の所定の位置に設置することを特徴とする。
【0015】
〔3〕鉄道軌道の道床振動加速度測定用センシングスティックの使用方法において、上記〔1〕記載の鉄道軌道の道床振動加速度測定用センシングスティックを、打ち込み又は引き抜きによる短時間の作業により、昼間の間合い作業で前記道床振動加速度測定用センシングスティックの設置や回収を行うことができるようにしたことを特徴とする。
【0016】
〔4〕上記〔1〕記載の鉄道軌道の道床振動加速度測定用センシングスティックを、同じ軌道において、場所を変えながら多くの測点にて道床振動加速の測定を行うようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、硬質の杭をまくらぎの下部のバラストの所定の位置に打ち込むだけの作業ですむので、事前の夜間作業でない、昼間の間合い作業でも機材の設置や回収を行うことができる。また、従来の測定法では、一旦設置したらその点のみしか測定できなかったが、本発明によれば、設置回収作業が非常に簡単になったため、同じ軌道において、場所を変えながら多くの測点にて道床振動加速の測定が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の鉄道軌道の道床振動加速度測定用センシングスティックにおいて、硬質の杭の先端と後端には加工を加えず、前記硬質の杭の先端部には窪み部と、この窪み部に連通し、前記硬質の杭の後端を残した位置まで延びる長溝とを備え、前記三軸加速度センサを前記窪み部に収納し、この三軸加速度センサに接続されるケーブルを前記長溝に収納した後に樹脂を封入したことを特徴とする。
【実施例】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0020】
図1は本発明の実施例を示す鉄道軌道の道床振動加速度測定用センシングスティックの設置状態を示す図である。
【0021】
この図において、1は路盤、2は道床としての砕石バラスト、3はバラスト2上に配置されるコンクリートまくらぎ、4はレール、5はコンクリートまくらぎ3の下のバラスト2に配置される道床振動加速度測定用センシングスティック、6はそのセンシングスティックから引き出されるケーブルである。
【0022】
このように、道床振動加速度測定用センシングスティック5を道床としての砕石バラスト2に差し込んで、そのセンシングスティック5の後端を叩いて所定位置になるよう設定する。
【0023】
以下、道床振動加速度測定用センシングスティックについて詳細に説明する。
【0024】
図2は本発明の実施例を示すセンサの装着前の道床振動加速度測定用センシングスティックを示す図面代用写真、図3は本発明の実施例を示すセンサを装着した道床振動加速度測定用センシングスティックの先端部を示す図面代用写真、図4は本発明の実施例を示す道床振動加速度測定用センシングスティックの先端部が樹脂で封入された状態を示す図面代用写真、図5は本発明の実施例を示す道床振動加速度測定用センシングスティックの全体が樹脂で封入された状態を示す図面代用写真である。
【0025】
これらの図において、11は硬質の杭、12は硬質の杭11の先端、13は硬質の杭11の後端、14は硬質の杭11の先端部に加工された窪み部、15は窪み部14に連通し、硬質の杭11の後端13は残した位置まで形成される長溝、16は窪み部14に装着された三軸加速度センサ、17は長溝15に装着されるセンサ16に接続されるケーブル、18は窪み部14や長溝15に封入される樹脂である。
【0026】
このように構成されるので、センサを設置する場合には、図1に示すように、コンクリートまくらぎ3の下方の道床としての砕石バラスト2内に道床振動加速度測定用センシングスティック5,11を差し込んで、その後、センシングスティック5,11の後端13を叩いて打ち込み、このセンシングスティックの先端部の三軸加速度センサを鉄道用道床内の所定の位置に設置する。
【0027】
また、センサを回収する場合には、打ち込まれたセンシングスティック5,11を引き抜くだけでよい。
【0028】
また、道床振動加速度測定用センシングスティック5を、打ち込み又は引き抜きによる短時間の作業により、昼間の間合い作業で前記道床振動加速度測定用センシングスティック5の設置や回収を行うことができる。
【0029】
さらに、鉄道軌道の道床振動加速度測定用センシングスティック5を、同じ軌道において、場所を変えながら多くの測点にて道床振動加速の測定を行うことができる。
【0030】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明の軽微な作業で容易に設置できる鉄道軌道の道床振動加速度測定用センシングスティックとして利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施例を示す鉄道軌道の道床振動加速度測定用センシングスティックの設置状態を示す図である。
【図2】本発明の実施例を示すセンサの装着前の道床振動加速度測定用センシングスティックを示す図面代用写真である。
【図3】本発明の実施例を示すセンサを装着した道床振動加速度測定用センシングスティックの先端部を示す図面代用写真である。
【図4】本発明の実施例を示す道床振動加速度測定用センシングスティックの先端部が樹脂で封入された状態を示す図面代用写真である。
【図5】本発明の実施例を示す道床振動加速度測定用センシングスティックの全体が樹脂で封入された状態を示す図面代用写真である。
【図6】従来のセンシングストーンの配置状況を示す図面代用写真である。
【符号の説明】
【0033】
1 路盤
2 道床(砕石バラスト)
3 コンクリートまくらぎ
4 レール
5 道床振動加速度測定用センシングスティック
6 ケーブル
11 硬質の杭
12 硬質の杭の先端
13 硬質の杭の後端
14 窪み部
15 長溝
16 三軸加速度センサ
17 ケーブル
18 封入される樹脂
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5